JP4801385B2 - 自動引き戸の駆動装置及びその組体 - Google Patents
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Description
そのため、駆動装置の組体全体が長大となって、施工現場で組体を梁部材上に持上げ載承させる作業に手数を要するばかりでなく、保管の際に大きな床面積が必要であるとともに運搬する上でも不便であった。
この戸袋付き自動引き戸の問題を解決するために、特許文献1にみるように、駆動装置を駆動側ユニットと従動側ユニットとに分離し、その各ユニットを個別に無目の開口域から差し込んで梁部材上に固定することが提案されている。
また、上記従来装置の組体は、駆動側ユニットと従動側ユニット、さらにはコントローラを完全に分離させた構造であるため、扱い部品の個数が三個と多くなり、保管や搬送の際に管理し難いばかりでなく作業が煩雑になる不具合があった。
本発明によれば、駆動機構の組体は、駆動ユニット、コントローラおよび従動プーリが第一台板と第二台板とにより分割されているが、その第一台板および第二台板が溝嵌合により組み付けられているので、保管時や取り扱い時には分離することなく一体物とし、しかも両台板をスライド可能としていることにより伸縮可能であり、その収縮(短縮)させたコンパクトな形態として取り扱うことができる。したがって、コンパクトな形態とした組体を梁部材上に載せ、第一台板または第二台板の一方を取付部材によって梁部材に固定した後に、その台板をガイドとして他方の台板をスライド伸長させながら梁部材上を摺動させ且つ取付部材により梁部材に固定し、駆動プーリと従動プーリとの間のベルトを張架させることにより駆動装置の設置状態として組み立てることができる。
それによれば、無目の開口域に保守点検の主要部である駆動ユニットおよびコントローラが配置されるので、点検カバーを取り外すことにより、それら駆動ユニットおよびコントローラを露出させることができる。また、第二台板の取付部材の固定を外すことにより第二台板も第一台板をガイドとして無目の開口域側へ引き寄せることができ、それにより
従動プーリも無目の開口域へ露出させることができる。
そこで、斯る不具合を解消するために、上記戸袋付き自動引き戸においては、少なくとも上記第二台板に取り付けられたプーリに、ベルトの脱落を防止する部材を設けるようにする(請求項4)。
また、請求項3によれば、点検カバーを取り外すことにより駆動ユニットおよびコントローラを露出させることができるので、台板の移動を伴うことなく、保守点検の主要部である駆動ユニット、コントローラを点検することができメンテナンス容易な戸袋付き自動引き戸の駆動装置を提供できる。しかも、第二台板も第一台板をガイドとして無目の開口域側へ引き寄せて従動プーリも無目の開口域へ露出させることができるので、従動プーリの点検・交換も容易である。
さらに、請求項4によれば、駆動装置のセット作業中従動プーリ及び/又は駆動プーリからベルトが外れることがないので、駆動装置の設置作業をより容易かつ効率的に行うことができる。
図1〜図5に示すように、組体Aは、第一台板1、第二台板2、駆動ユニット3、従動プーリP2、コントローラ4およびベルト5により構成される。
第一台板1および第二台板2は、アルミ材などを押出し成形した長尺成形品であり、第一台板1は、表側の上下突出縁に対向するスライド溝11,11を有し、そのスライド溝11,11を利用して前記駆動ユニット3およびコントローラ4を取り付けるようにし、第二台板2にも同様に、表側の上下突出縁に対向するスライド溝12,12を備え、そのスライド溝12,12内に第一台板1の上下縁を嵌合させてスライド可能に組み付ける。
各取付部材6,7は、それぞれの垂直面の上半部分に第一台板1,第二台板2を固着するとともに取付部材6の水平面6aに取付孔8を、取付部材7の水平面7aの一端側(図示の左端)に取付孔9を開孔しておく。取付孔8,9は調整代を見込んで長孔とすることが好ましい。
そして、第一台板1と第二台板2は、そのスライド収縮時において取付部材6と取付部材7の端面どうしが当接してそれ以上の収縮を規制するとともに、その収縮状態において、第二台板2の一端側(図示の右端)になお余長部10を残すようにし、その余長部10に前記従動プーリP2を取り付け配置するようにする(図1参照)。
コントローラ4は、駆動ユニット3のエンジンMの起動・停止および回転速度を制御するものであり、前記駆動ユニット3の取り付けと同様に、コントローラ4の両側に係止したブラケット14,14を前記第一台板1の一端よりスライド溝11,11に差し込み、そのブラケット14,14を移動させることにより所定位置に配置しボルト止めして第一台板3の表側面に取り付け固定する。
図示においては、駆動ユニット3を第一台板3の左半側に配置し、コントローラ4を右半側に配置し、駆動ユニット3およびコントローラ4に接続される配線は省略している。
なお、上記駆動ユニット3、コントローラ4および従動プーリP2の取り付け手段は前記構造に限定されるものではなく、ブラケット13,14、支持板15として異なる形状のものを使用するなど、それらを所定位置に取り付け固定する趣旨であれば他の構造を採用することも任意である。
なお、上記ベルト5として、タイミングベルトに代えてVベルトを使用すること、またベルトの脱落防止部材を駆動プーリP1側にも配設することは自由である。
図6においては、周知である緊締具17の一例を示し、ベルト5の一端を支持部17aに挟着固定し、ベルト5の他端を調整用ホイール17bに巻き付けた後に適度の張力がかかった状態で前記ホイール17bを固定し、それにより、ベルト5の両端を締結して駆動プーリP1と従動プーリP2との間に張架するものである。この緊締具17は、後述するドア30の上部をベルト5に掛止させるベルト掴みとして兼用させるために支持金具18に固着されている。
なお、両台板1,2を伸長させることにより無端状のベルト5を緊張状に張架させることができる場合には前記緊締具17を用いる必要がなく、したがって、本発明の組体Aとして緊締具17を必ずしも必須とするものではない。
図7に示すように、出入り口20には、その上部に無目21が形成されるとともに一側に戸袋22が構築されており、無目21は、出入り口20の上辺から戸袋22の上辺に連続しているが、出入り口20の上辺のみが、点検カバー23を着脱可能に配設されて点検カバー23を外すことにより開口できる開口域21aであり、戸袋22の上辺は壁面により閉鎖された閉鎖域21bである。
この無目21内の底部には、開口域21aから閉鎖域21bに渉り、つまり戸先側から戸尻側に至り梁部材24が予め架設されているとともに梁部材24にスライドレール24aが設けられている。また、梁部材24には、開口域21aにある所定位置、詳しくは第一台板1および第二台板2を取り付け固定する位置の上面壁裏面にナット25,26を固着しておく。
次いで、固定した第一台板1をガイドにするとともに第二台板2の取付部材7の水平面7aを梁部材24上面に滑らせながら第二台板2を戸袋22内、詳しくは無目21の閉鎖域21b内にスライド伸長させ、第二台板2の取付部材7に設けた複数の取付孔9を梁部材24の前記ナット26と位置合わせし、それら取付孔9を通してナット26にボルト26aで止着することにより第二台板2も梁部材24に固定する(図9参照)。なお、第二台板2を梁部材24上に沿い閉鎖域21bへ移動させる際にベルト5は弛んだ状態であっても、従動プーリP2に設けた覆い杆16によりベルト5が従動プーリP2から脱落することがない。
そして、緊締具17の支持部17aに、従動プーリP1側から延出しているベルト5の一端を挟着固定し、駆動プーリP1側から延出しているベルト5の他端側を調整用ホイール17bに巻き付けるとともに駆動プーリP1と従動プーリP2との間に巻装されたベルト5の全体に適度の張力がかかった状態で前記ホイール17bを固定する。これにより、駆動プーリP1と従動プーリP2との間にベルト5が緊張状に張架され、同時に、緊締具17、支持金具18および支持ブラケット32を介してドア30の上部がベルト5に掛止される。したがって、コントローラ4で制御される駆動ユニット3のエンジンMが起動することによりベルト5が回動し、ドア30が出入り口20を開閉する戸袋付き自動引き戸として機能する。
また、上記実施の形態は、戸袋付き自動引き戸の場合について説明したが、戸袋のない一般の自動引き戸の駆動装置や、その駆動装置の組体として適用できることはもちろんでる。
3:駆動ユニット M:エンジン P1:駆動プーリ
4:コントローラ 5:ベルト P2:従動プーリ
6:取付部材 7:取付部材 11:スライド溝
16:覆い杆(ベルトの脱落防止部材) 20:出入り口
21:無目 21a:開口域 21b:閉鎖域
22:戸袋 23:点検カバー 24:梁部材
24a:スライドレール 30:ドア
Claims (5)
- 出入り口の上部に形成された無目内に、戸先側から戸尻側に至るレールを備えた梁部材が配設され、その梁部材の上部にエンジンと駆動プーリで構成される駆動ユニット、前記エンジンを制御するコントローラおよび従動プーリを付設するとともに前記駆動プーリと従動プーリとに渉りベルトを張架し、前記レールに沿って可動状に吊り下げたドアの上部をベルトに掛止めて出入り口を開閉可能とした自動引き戸の駆動装置において、
長尺状の第一台板と第二台板を溝嵌合によりスライド可能に組み付けるとともに第一台板には一端側の裏面に側面視L形の取付部材を、第二台板には全長にわたる裏面に側面視L形の取付部材をそれぞれ一体的に設けてスライド収縮時に両取付部材の端面どうしが当接してそれ以上の収縮を規制するようにし、前記一方の台板に前記駆動ユニットおよびコントローラを取り付け、他方の台板に従動プーリを取り付け、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを巻装して組体を構成し、
前記第一台板または第二台板の一方を取付部材によって梁部材に固定した後に、他方をスライド伸長させ且つ取付部材により梁部材に固定し、駆動プーリと従動プーリとの間のベルトを張架させることを特徴とする自動引き戸の駆動装置。 - 上記出入り口の一側に戸袋が構築されて無目は出入り口の上辺のみが開口可能であり、その開口を通して無目内の梁部材上に前記第一台板および第二台板からなる組体を載承させ、第一台板または第二台板をスライド伸長させることにより、第一台板を無目の開口域に配置するとともに第二台板を無目の閉鎖域に配置させることを特徴とする請求項1記載の自動引き戸の駆動装置。
- 上記第一台板に駆動ユニットおよびコントローラが取り付けられ、第二台板に従動プーリが取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の自動引き戸の駆動装置。
- 少なくとも上記第二台板に取り付けられたプーリには、ベルトの脱落を防止する部材を備えていることを特徴とする請求項2または3記載の自動引き戸の駆動装置。
- 長尺状の第一台板と第二台板を溝嵌合によりスライド可能に組み付けるとともに第一台板には一端側の裏面に側面視L形の取付部材を、第二台板には全長にわたる裏面には側面視L形の取付部材をそれぞれ一体的に設けてスライド収縮時に両取付部材の端面どうしが当接してそれ以上の収縮を規制するようにし、前記一方の台板にエンジンと駆動プーリで構成される駆動ユニットおよびコントローラを取り付け、他方の台板に従動プーリを取り付け、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを巻装した自動引き戸用駆動装置の組体。
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