JP4801360B2 - 動力伝達機構を収容する筐体構造 - Google Patents

動力伝達機構を収容する筐体構造 Download PDF

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Description

本発明は、クラッチハウジング及びミッションケースの騒音低減化、より詳しくは、エンジンやドライブトレインにて発生した振動や騒音等をクラッチハウジング及びミッションケース内で増幅させないようにするための技術に関する。
従来から、トラクタ等の作業車両に搭載される、クラッチハウジングやミッションケース等の動力伝達機構に関する技術は公知となっている。例えば、作業車両の前方に搭載されたエンジンの後方から、前部ハウジング(クラッチハウジング)と、ミッションケースと、後部ハウジングを前後に連設して動力伝達機構を構成する技術等が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−278561号公報
しかし、上記従来技術では、前部ハウジング(クラッチハウジング)や、ミッションケースや、後部ハウジングが、正面視において方形に形成されており、エンジン及びドライブトレインから該ハウジング内に伝播されてきた振動や騒音は、該ハウジングそのものによって増幅されたり共鳴を起したりしていた。その結果、作業車両のオペレータや周囲の作業者に大きな騒音が聞こえてしまうことがあった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
主クラッチ(107)や伝動軸(112)を収容し、エンジン(5)の後部に連接され、該エンジン(5)からの動力を入力する主クラッチ(107)から、走行出力やPTO出力まで動力を伝達する筐体であるクラッチハウジング(101)、及び変速装置(114・115)と伝動軸(117)を収容し、該クラッチハウジング(101)の後部に配設されるミッションケース(102)を具備した構成において、該クラッチハウジング(101)の前部の中間部に支持壁(101a)を一体的に立設し、該クラッチハウジング(101)の支持壁(101a)よりも後方側を略二等分する位置の、該クラッチハウジング(101)の内部に第一軸受壁(104)を取り付け支持し、更に、該クラッチハウジング(101)の後端に第二軸受壁(105)を取り付け支持し、前記クラッチハウジング(101)の両側部及び上部の内面が、外側に向かって膨らんだ曲面で、凸状に出っ張った形状であり、上壁(101X)と左右の側壁(101Y・101Y)の内面を外側に凸状の形状とし、かつ、下壁を直線状に構成し、前記クラッチハウジング(101)の上壁(101X)の肉厚(X)を、前記側壁(101Y)の肉厚(Y)よりも厚く形成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、主クラッチ(107)や伝動軸(112)を収容し、エンジン(5)の後部に連接され、該エンジン(5)からの動力を入力する主クラッチ(107)から、走行出力やPTO出力まで動力を伝達する筐体であるクラッチハウジング(101)、及び変速装置(114・115)と伝動軸(117)を収容し、該クラッチハウジング(101)の後部に配設されるミッションケース(102)を具備した構成において、該クラッチハウジング(101)の前部の中間部に支持壁(101a)を一体的に立設し、該クラッチハウジング(101)の支持壁(101a)よりも後方側を略二等分する位置の、該クラッチハウジング(101)の内部に第一軸受壁(104)を取り付け支持し、更に、該クラッチハウジング(101)の後端に第二軸受壁(105)を取り付け支持し、前記クラッチハウジング(101)の両側部及び上部の内面が、外側に向かって膨らんだ曲面で、凸状に出っ張った形状であり、上壁(101X)と左右の側壁(101Y・101Y)の内面を外側に凸状の形状とし、かつ、下壁を直線状に構成したので、エンジン及びドライブラインから該ハウジング内に伝播されてきた振動や騒音を、クラッチハウジング内面やミッションケース内面で乱反射させることが出来るようになり、該ハウジングそのものによって該振動や騒音を増幅させたり共鳴を起こさせることを防止できる。その結果、作業車両のオペレータや周囲の作業者に大きな騒音が聞こえてしまうことを防止できる。
また、前記クラッチハウジング(101)及びミッションケース(102)の、上壁(101X)の肉厚(X)を、前記側壁(101Y)の肉厚(Y)よりも厚く形成したので、作業車両に載っているオペレータに聞こえる騒音をより低減することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る作業車両の一実施例であるトラクタ1の全体側面図、図2はトラクタ1のクラッチハウジング101内部とミッションケース102内部と後部ハウジング103内部の一実施例を示すスケルトン図、図3は本発明に係るクラッチハウジング101を示す正面断面図、図4は同じく正面断面図、図5は従来までのクラッチハウジング201を示す正面断面図、図6はスラストベアリング51近傍を示す側面断面図、図7はワッシャ52を示す前方斜視図、図8はワッシャ53を示す後方斜視図、図9はスラストベアリング51近傍の別構成例を示す側面断面図、図10はワッシャ63を示す後方斜視図、図11はワッシャ64を示す前方斜視図、図12(a)は本構成例におけるスラストベアリング51への無負荷状態と負荷状態を示す側面断面図、図12(b)は従来までのスラストベアリング51への無負荷状態と負荷状態を示す側面断面図、図13は従動軸17におけるギヤ74・75間を示す側面断面図、図14は同じく正面断面図、図15はギヤ74・75間の第2の構成例を示す正面断面図、図16はギヤ74・75間の第3の構成例を示す正面断面図、図17はブレーキアシスト機構を示す側面図である。
まず、本発明に係る作業車両の一実施例であるトラクタ1の全体構成について、図1を用いて説明する。本実施例ではトラクタ1を用いて説明しているが、トラクタ1に限定するものではなく、前後方向または左右方向に長い箱型のミッションケース等動力伝達ケースを有する作業車両にも利用することが可能なものである。トラクタ1は、車体の前端部に車体フレーム21を設け、該車体フレーム21の前下部に、フロントアクスルケースを介して前輪3・3が支承され、該車体フレーム21後方に固設された後部ハウジング103にリアアクスルケースを介して後輪4・4が支承されている。該車体フレーム21の前部には、エンジン5が載置され、該エンジン5の前方にはラジエータ6及びバッテリ7が配置されている。そして、エンジンルーム内に配置されるエンジン5やラジエータ6やバッテリ7等はボンネット16で被装され、該ボンネット16前部にはライト20が配置されている。
また、車体フレーム21の後部には、クラッチハウジング101等を介してミッションケース102や後部ハウジング103が締結固定され、図2に示すように該エンジン5からミッションケース102や後部ハウジング内のクラッチや歯車や伝動軸等に動力を伝達するように構成している。そして、前記ボンネット16の後方に運転席14が配置され、該運転席14はキャビン2により覆われている。該キャビン2はボンネット16の後部にダッシュボード8が配置され、該ダッシュボード8より後上方にステアリングハンドル13が突出され、該ダッシュボード8の側面または後面には、前照灯用スイッチ32やキースイッチ等が配置されている。
そして、後述するように、ダッシュボード8下部の右側方には後輪4・4を制動するためのブレーキペダル9・9が配置され、左側方にはクラッチペダルが配置されている。前記ステアリングハンドル13近傍にはアクセルレバーや前後進切換レバー等が配置され、該ステアリングハンドル13後方には前記運転席14が配置され、該運転席14側部には主変速レバーや副変速レバー43やPTO変速レバー44やポジションレバー等が配置される。
次に、トラクタ1の伝動機構について、図2を用いて説明する。本発明に係る伝動機構は、車体フレーム21前上部に搭載されたエンジン5の後方から、前部ハウジング(クラッチハウジング)101、ミッションケース102及び後部ハウジング103を前後に連設して構成される。
クラッチハウジング101は、その中間部に一体的な支持壁101aを有しており、また、クラッチハウジング101の支持壁101a後方側を略二等分する位置で、該クラッチハウジング101に取り付け支持された第一軸受壁104、及びクラッチハウジング101の後端に取り付け支持された第二軸受壁105を有する。ミッションケース102は、その中間部に一体的な支持部102aを有する。また、後部ハウジング103には、その前端に車両上下方向に前壁103aが、中間部に車両左右方向に支持部103bが一体的に形成され、後端の開口部を閉鎖する後蓋103cを有する。
クラッチハウジング101内には、その最前部に位置させたエンジン・フライホイール106に対し緩衝接手(主クラッチ)107を介して接続された原動軸108が設けられている。走行系の伝動機構はクラッチハウジング101内で2組の補助変速装置、つまり前後進切替装置109と高低速切替装置110とを具備している。これらのうち、前後進切替装置109は支持壁101aと第一軸受壁104間で、原動軸108とその下方に配置された伝動軸111との間に配設されている。また、高低速切替装置110は第一軸受壁104と第二軸受壁105との間で、伝動軸111の後端に連結した伝動軸112と原動軸108延長線上に同心配置された中空の従動軸113との間に配設されている。
ミッションケース102内には、主変速装置114と副変速装置115が設けられている。これらのうち、主変速装置114はミッションケース102の前半部内において、従動軸113の後端に連結した中空の駆動軸116と、伝動軸111の延長線上に配置された従動軸117との間に配設されている。また、副変速装置115はミッションケース102の後半部内において、従動軸117とその延長線上に配置されたプロペラ軸119との間に配設されており、駆動軸116の延長線上に配置された中空のカウンタ軸118を含む。
前記プロペラ軸119の後端は、後部ハウジング103内に延出されており、その後端部に左右後輪用の差動装置(図示せず)の入力傘歯車120に対し噛合される小傘歯車121を装備する。また、該プロペラ軸119から左右前輪の駆動力を取り出すための前輪駆動取出機構122が、ミッションケース102の底部に具備されている。
PTO系の伝動機構は、原動軸108の後端に連結されている伝動軸123を、中空の走行系の駆動軸116及びカウンタ軸118を貫通して後部ハウジング103内まで延設し、この伝動軸123の後端に連結した他の伝動軸124とその延長線上の別の伝動軸125との間にPTOクラッチ126を配設し、さらに前記伝動軸125と、後蓋103cを通して車体フレーム21後方に延出したPTO軸127との間にPTO変速装置128を設けた構成にされている。
また、後部ハウジング103の下方には、前記プロペラ軸119から駆動力を取り出すグランドPTO軸129も配設されており、このグランドPTO軸129によって駆動されるPTO軸127上の歯車は、グランドPTOクラッチ130を介してPTO軸127に結合される。さらに後部ハウジング103の上面には、PTO軸127によって駆動を受ける作業機(図示せず)を昇降させるための左右のリフトアーム31aを備えた油圧リフト装置31を設置してある。
なお、前記クラッチハウジング101内に配設される前後進切替装置109と高低速切替装置110との前後位置は、本実施例と逆であっても差し支えない。
そして、クラッチハウジング101及びミッションケース102は、図3に示すように、上壁101Xと側壁101Y・101Yとが、外側に向かって曲面で凸状に出っ張った形状となっている。換言すれば、エンジン5からの動力を入力する主クラッチから、走行出力やPTO出力まで動力を伝達する動力伝達機構や変速機構を覆う筐体となるクラッチハウジング101若しくはミッションケース102の両側部及び上部の内面が、外側に膨らんだ曲面形状となっている。
従来のクラッチハウジング201及びミッションケースは、図5に示すように正面視において方形に形成されていたので、エンジン5等で発生してクラッチハウジング201内やミッションケース内に伝播されてきた振動や騒音が、図5の矢印で示すように、上下方向や左右方向に反射して伝わるため、クラッチハウジング201内やミッションケース内で共鳴したりして、騒音が増幅することがあった。しかし、本実施例のように、図3に示すようにクラッチハウジング101やミッションケース102の上壁101Xや側壁101Y・101Yの内側を、丸みを帯びた形状とすると、図3に矢印で示すように、エンジン5から伝播してきた振動や騒音が、クラッチハウジング101やミッションケース102内で乱反射するようになるので、騒音が共鳴を起こしたり、増幅されるようなことがなくなる。但し、上壁101Xや側壁101Y・101Yの内側は、丸みを帯びた形状に限定するものではなく、波状であったり、ギザギザした形状でも良い。図3では、クラッチハウジング101のみの正面断面図を示したが、ミッションケース102においても同様に、上壁や側壁の内側を、丸みを帯びた形状若しくは、波状であったり、ギザギザした形状に形成すると好適である。また、曲面としたり内面に形成する凹凸をリブ状とすることで剛性もアップして振動し難い構成となる。
このように、クラッチや伝動軸を内包し、エンジン5近傍に配設されるクラッチハウジング101、及び変速装置や伝動軸を内包し、該クラッチハウジング101近傍に配設されるミッションケース102において、上壁101Xと側壁101Y・101Yの内面が、外側に凸状の形状としたので、従来のクラッチハウジング101やミッションケース102のように、図5のように正面視において方形に形成されているものに比べて、エンジン5及びドライブラインから該ハウジング101・102内に伝播されてきた振動や騒音を、図3の矢印で示すように、クラッチハウジング101内面やミッションケース102内面で乱反射させることが出来るようになり、該ハウジングそのものによって該振動や騒音を増幅させたり共鳴を起こさせることを防止できる。その結果、作業車両1のオペレータや周囲の作業者に大きな騒音が聞こえてしまうことを防止できる。
また、図4に示すように、クラッチハウジング101やミッションケース102は、上壁の肉厚Xを、側壁の肉厚Yより厚くなるように形成することがより好適である。このように、前記上壁101Xの肉厚Xを、前記側壁の肉厚Yよりも厚くしたので、作業車両1に載っているオペレータに聞こえる騒音をより低減することができる。
また、図6に示すように、伝動機構における軸と軸を同一軸心方向に回転自在に連結支持する場合、両軸の間にスラストベアリングを配置する。例えば、従動軸117と伝動軸112の間で回転自在に支持する場合スラストベアリング51を配設し、伝動軸112と従動軸117との間の摩擦を低減している。しかし、スラストベアリングは機能上、常にスラスト方向に圧力をかけておかないと所望の性能が得られないため、スラストベアリングのスラスト方向一側と軸の端面との間に押圧機構を配置している。本構成例においては、図6に示すように、伝動軸112の一端に軸心方向に凹む凹部を形成し、従動軸117の一端には段状の凸部を形成し、該凸部外周にニードルベアリング52、その先端にスラストベアリング51、ワッシャ52・53を外嵌している。詳しくは、スラストベアリング51と伝動軸112が接する箇所に、従動軸117に外嵌される2種類のワッシャ52・53を設けている。換言すれば、伝動軸112の内部(凹部内)にワッシャ52・53を嵌め込む構成としている。ワッシャ52・53はスチール等で形成されており、伝動軸112とスラストベアリング51に挟まれて配設されている。
一方のワッシャ52はワッシャ53の従動軸117側に配設されるものであり、図7に示すように、2つの半月状の半月ワッシャ54・54を組み合わせることによって構成されている。そして、該半月ワッシャ54・54には、伝動軸112側にテーパ面54b・54bが形成されている。詳しくは、半月ワッシャ54・54の伝動軸112側(ワッシャ53側)の面の、半径方向外側の部分には、軸心と直角な面から外周側がスラストベアリング51側に傾斜するテーパ面54b・54bに形成されており、半径方向内側の面54c・54cは、平面に形成されているものである。
一方、ワッシャ53は、ワッシャ52の伝動軸112側に配設されるものであり、図8に示すように、従動軸117側の面(ワッシャ52のテーパ面54b・54bと対向する面)が前記テーパ面54b・54b及び面54c・54cと隙間無く接するように、従動軸117側の半径方向外側にテーパ面53bが形成されている。
このように、伝動軸112とスラストベアリング51の間に、ワッシャ52及びワッシャ53を具備して、両者の接する面にテーパ面53b・54b・54bを形成したので、以下のような効果が生じる。伝動軸112と従動軸117が回転されることにより、ワッシャ52及びワッシャ53も回転される。この回転により半月ワッシャ54・54には遠心力が生じ、該遠心力によりワッシャ52(半月ワッシャ54・54)は外側へ広がる(移動する)が、このとき、ワッシャ53のテーパ面53bに案内されて、半月ワッシャ54・54は従動軸117側へも移動し、スラストベアリング51の伝動軸112側の面に圧力が与えられるようになる。このとき、スラストベアリング51を従動軸117方向に押す力は、従動軸117の回転速度に比例して大きくなる。
スラストベアリング51に伝動軸112方向から従動軸117方向に向けた圧力を与えるために、従来では皿バネ等を使用していた。しかし、伝動軸112と従動軸117に皿バネにより高応力で与圧をかける構成とすると、該皿バネの寿命が短いものとなっていた。そのため、本構成例では、スラストベアリング51近傍の別構成例として、テーパ上のワッシャ63・64を使用することにより、皿バネの長寿命化を為すための構成について説明する。
ワッシャ63・64は、スチール等によって形成されるものであり、図9に示すように、該皿バネ62を該ワッシャ63・64によって前後方向に挟みつつ保持されるものである。換言すれば、伝動軸112側から、ワッシャ63、皿バネ62、ワッシャ64の順に従動軸117に外嵌されて保持される。さらに換言すれば、伝動軸112側から、ワッシャ63、皿バネ62、ワッシャ64の順に、従動軸117の外周を覆うように伝動軸112の内に挿嵌される。前部ワッシャ63は、図10に示すように、従動軸117側の面が内側にテーパ面63bとなるように形成されている。一方、後部ワッシャ64は、図10に示すように、伝動軸112側の面が外側にテーパ面64bとなるように形成されている。
このように、スラストベアリング51と伝動軸112に挟まれる皿バネ62を、ワッシャ63・64によって前後方向に挟むことによって、皿バネ62のたわみ量が減少し、スラストベアリング51部の高寿命設計が可能となる。前述同様、ワッシャ63・64もそれぞれが、2つの半月状のワッシャによって構成される構成としてもよく、限定するものではない。
以上を詳述すると、従来の皿バネ62の配設構造では、スラストベアリング51に負荷がかかった場合に、図12(b)の従来例に示すように、皿バネ62が平らにされてしまい、変形量が大きく皿バネ62の寿命が短くなっていた。しかし、本構成例のように、スラストベアリング51と伝動軸112とが接する箇所を、対向面に同角度の傾斜を有するテーパを設けた2つのワッシャ63・64の間に略同じ方向に傾斜するテーパを設けた皿バネ62を挟み込む構成としたことにより、スラストベアリング51に負荷がかかった場合であっても、図12(a)の従来例に示すように、皿バネ62が平らになることがなく、皿バネ62の寿命を長くすることが可能となる。
また、歯数の異なる二つのギヤが同一軸上において互いに回転自在に配置され、軸心方向において二つのギヤが隣同士並べて配置される場合、両ギヤが接触して抵抗となったり連れ回りしたりしないように、両ギヤの間の軸上にはワッシャが配置されて所定の隙間ができるように構成している。本構成例の伝動機構においては、図13に示すように、主変速装置114のギヤ74・75間に、ワッシャ72が従動軸117に外嵌されている。従動軸117上には、ワッシャ72を外嵌するためにリング状の嵌合溝が形成されており、ワッシャ72が従動軸117の軸方向に摺動することがないようになっている。そして、該ワッシャ72は軸の長手方向中途部からでも嵌合できるように、半割で2つの半月状に形成した半月ワッシャ72a・72aより構成されており、半月ワッシャ72a・72aの内周の径は従動軸117の嵌合溝の径に合わせ、外径はギヤを嵌合する従動軸117の外径よりも大きく構成している。
そして、図13及び図14に示すように、半月ワッシャ72a・72aは、従動軸117の外周を360度にわたって外嵌するものではなく、従動軸117の外周には半月ワッシャ72a・72aで覆われていない箇所ができるように外周が短く構成されている。そして、該半月ワッシャ72a・72aで覆われていない箇所の従動軸117に、ピン穴117bが設けられており、該ピン穴117bにピン73が挿入される。該ピン73は、半月ワッシャ72a・72aが従動軸117の外周に沿って回動することを防ぐ役割を果たす。
そして、従動軸117上に並べて配置したギヤ74・75が回動している際に、ギヤ74・75の間隔は、負荷がかかったり、軸変形したりする等の理由で広がる場合がある。この隣り合うギヤ74・75の間隔が広がると、その間に配置した半月ワッシャ72a・72aがすり抜けて脱落する場合がある。このように、半月ワッシャ72a・72aが従動軸117から離れ落ちると、他のギヤに噛み込んで歯を破損したり、回転を停止したり、クラッチの摺動を妨げたりすることがあった。そこで、脱落しないように、同一軸上で軸心方向で隣り合う二つのギヤのうち、一方のギヤ74の後面(ピン73側の面)にリング状の凹部74bを設け、もう一方のギヤ75の前面(ピン73側の面)にはフランジの如くリング状の凸部75bを設けている。即ち、ギヤ74とギヤ75の対向する面の一方にリング状の凹部を設け、他方の面には該凹部に嵌入可能とする凸部を設け、該凹部74bに凸部75bを挿入した状態で両者の間にわずかな隙間を有する構成として、互いに接しないようにして、それぞれのギヤ74・75が相対回転可能に構成されている。
このように、従動軸117に半月ワッシャ72・72を外嵌して、ピン73を挿嵌する構成において、ギヤ74後面に凹部74bを設け、ギヤ75前面に凸部75bを設け、該凸部75bが該凹部74bに相対回転可能に嵌装される構成とし、該凸部75bの内側(軸心側)に半月ワッシャ72・72及び該ピン73が位置するように覆う構成としたので、回転時にピン73や半月ワッシャ72a・72aが従動軸117から外れ落ちて、ミッションケース102内に落下し、2次的な破損が生じてしまうことを防止できる。また、ギヤ74・75が、互いに離れる方向に若干移動した場合であっても、凸部75bは半月ワッシャ72a・72aの外側に位置しているので、半月ワッシャ72a・72aが落下することがなくなる。また、ピン73も落下し難くなるので、半月ワッシャ72・72の周り止めをより確実に行うことができる。
また、ギヤ74・75に凹部74bや凸部75bを設けなくても、図15に示すように半月ワッシャ72a・72aの外周をリング76によって外嵌する構成とすることも可能である。この場合は、リング76の内周の一部に突起76bを設け、該突起76bが該半月ワッシャ72・72の切れ目に嵌るように形成し、該突起76bがピン73の外側に位置するように構成している。こうして半月ワッシャ72a・72a及びピン73及びリング76が、従動軸117に対して相対回転不能となるようにすることができる。これによって、ギヤ74・75が接することを防止し、半月ワッシャ72a・72aとリング76間の摩耗を防ぎ、同時に半月ワッシャ72・72やピン73がミッションケース102内に落下することが防止できる。
このように、従動軸117に半月ワッシャ72a・72aを外嵌して、ピン73を挿嵌する構成において、半月ワッシャ72a・72a及びピン73の外周をリング76によって覆い、ピン73を従動軸117中心方向へ押えるための突起76bをリング76に設けたので、半月ワッシャ72a・72aとリング76間の摩耗を防ぎ、同時に半月ワッシャ72a・72aやピン73がギヤ74・75の間をすり抜けてミッションケース102内に落下することを防止できる。
また、図16に示すように、半月ワッシャ82aに従動軸117中心方向へ向けて突起82cを設け、該半月ワッシャ82aと突起を設けない半月ワッシャ82bとを組み合わせて、従動軸117を覆う構成としても良い。この場合は、該突起82cが前記ピン73の役割を担うものとなり、該突起82cを従動軸117のピン穴117bに挿嵌することによって半月ワッシャ82a・82bの回動を防止するものである。
また、図17に示すように、本トラクタには、左右の後輪4・4制動用のブレーキ装置19・19を別々に操作するための左右ブレーキペダル9・9が設けられており、それぞれ独立して踏み込み操作することで、左右後輪4・4を独立して制動することが可能となっている。また、ブレーキペダル9・9は、ブレーキロッド11・11、ブレーキステー22・22を介してブレーキ装置19・19に連結されている。また、ブレーキペダル9・9の回動基部には回動角を検知するブレーキペダル回動角検知センサ77が設けられ、該ブレーキペダル回動角検知センサ77は制御装置18と接続されている。該制御装置18には後述するステアリング蛇角検出センサ23が接続されている。
前記左右のブレーキロッド11・11はそれぞれの後輪4・4に設けられているブレーキステー22・22に連結されており、該ブレーキステー22・22は後述するアシストアクチュエータとなる電動シリンダ24も連結されており、後部ハウジング103に枢支されている。そして、該ブレーキステー22・22がブレーキ装置19・19に連結されており、ブレーキステー22・22の回動によってブレーキ装置19・19が作動して制動する構成となっている。
そして、ブレーキペダル9を踏み込むことによって、該ブレーキロッド11がブレーキステー22をブレーキ装置19方向へ押出して、ブレーキ装置19によって一方の後輪4を制動することが可能となっており、更に、このブレーキペダル9の回動を検知して、その回動量に応じて電動シリンダ24を作動させてブレーキ装置19の作動をアシストするように制御装置18により制御する構成としている。こうして、操作力の低減化が図られ老人や女性のオペレーターであっても軽い踏み込み力でブレーキ操作ができるようにしている。
一方、ステアリングハンドル13近傍若しくは前輪3・3近傍には、ステアリング蛇角検出センサ23が設けられており、該ステアリング蛇角検出センサ23が制御装置18に接続されている。該制御装置18は電動シリンダ24に接続されており、該電動シリンダ24はロッド等を介して前記ブレーキステー22に連結されている。
そして、ステアリングハンドル13操作時に、ステアリング角度に応じて旋回方向側のブレーキペダル9が連動する構成となっている。詳しくは、前輪3・3近傍やステアリングハンドル13近傍でステアリング蛇角検出センサ23によって計測したステアリング旋回角度に応じて、制御装置18より電動シリンダ24を操作するものであり、ステアリング角度に比例して、制御装置18が電動シリンダ24を操作することによってブレーキ装置19へ与えられる制動力を増加させるように構成されている。このようにして、旋回時にステアリングハンドル13を回動して旋回操作すると、回動角に比例した旋回内側のブレーキ制動が得られて、旋回半径を小さくして、スムースな旋回が可能となる。
そして、このような電動シリンダ24によるブレーキアシストを有効にするか否かを選択できるブレーキアシストスイッチ25を、キャビン2内に設ける。つまり、ブレーキアシストスイッチ25をONにしているときは、ステアリング操作を行った際やブレーキペダルを操作した際に、ステアリング蛇角検出センサ23またはブレーキペダル回動角検知センサ77によって検知された角度に比例して、電動シリンダ24が摺動して、ブレーキ装置19に力が加えられるようになるのである。ここで、ブレーキアシストスイッチ25をONにしているときは、ブレーキペダル9とブレーキロッド11の連結が切断されるように構成しても良い。
一方、ブレーキアシストスイッチ25をOFFにしているときは、ステアリング操作を行っても、制御装置18は作動せず電動シリンダ24はブレーキステー22に力を加えない。また、ブレーキペダル9を踏んでもアシストされない。つまり、オペレーターのブレーキペダル9の操作力のみによって、ブレーキ装置19が作動する状態となる。この場合、アシストされないので、力のあるオペレーターがブレーキペダル9を踏んで急ブレーキがかかることを防止できる。但し、ブレーキアシストは、電動シリンダ24によって制動力を増加させる形態に限定するものではなく、電動モータや、油圧シリンダによってブレーキステー22に力を加える形態であっても良いものとする。
このように本トラクタ1には、前述のような電動シリンダ24によるブレーキアシスト機構を備えているので、ステアリング操作時のブレーキアシストにより、旋回半径を小さくすることが可能となる。また、ブレーキ力はステアリング蛇角検出センサ23により検知されるステアリング角度に応じて比例的に増加するため、自然な旋回角度が得られる。そして、電動駆動装置(電動シリンダ24)によるブレーキアシストであるため、踏力低減が実現できる。
本発明に係る作業車両の一実施例であるトラクタ1の全体側面図。 トラクタ1のクラッチハウジング101内部とミッションケース102内部 本発明に係るクラッチハウジング101を示す正面断面図。 同じく正面断面図。 従来までのクラッチハウジング201を示す正面断面図。 スラストベアリング51近傍を示す側面断面図。 ワッシャ52を示す前方斜視図。 ワッシャ53を示す後方斜視図。 スラストベアリング51近傍の別構成例を示す側面断面図。 ワッシャ63を示す後方斜視図。 ワッシャ64を示す前方斜視図。 (a)は本構成例におけるスラストベアリング51への無負荷状態と負荷状態を示す側面断面図、(b)は従来までのスラストベアリング51への無負荷状態と負荷状態を示す側面断面図。 従動軸17におけるギヤ74・75間を示す側面断面図。 同じく正面断面図。 ギヤ74・75間の第2の構成例を示す正面断面図。 ギヤ74・75間の第3の構成例を示す正面断面図。 ブレーキアシスト機構を示す側面図。
1 トラクタ
5 エンジン
101 クラッチハウジング
101X 上壁
101Y 側壁
102 ミッションケース
112 伝動軸
117 従動軸

Claims (1)

  1. 主クラッチ(107)や伝動軸(112)を収容し、エンジン(5)の後部に連接され、該エンジン(5)からの動力を入力する主クラッチ(107)から、走行出力やPTO出力まで動力を伝達する筐体であるクラッチハウジング(101)、及び変速装置(114・115)と伝動軸(117)を収容し、該クラッチハウジング(101)の後部に配設されるミッションケース(102)を具備した構成において、該クラッチハウジング(101)の前部の中間部に支持壁(101a)を一体的に立設し、該クラッチハウジング(101)の支持壁(101a)よりも後方側を略二等分する位置の、該クラッチハウジング(101)の内部に第一軸受壁(104)を取り付け支持し、更に、該クラッチハウジング(101)の後端に第二軸受壁(105)を取り付け支持し、前記クラッチハウジング(101)の両側部及び上部の内面が、外側に向かって膨らんだ曲面で、凸状に出っ張った形状であり、上壁(101X)と左右の側壁(101Y・101Y)の内面を外側に凸状の形状とし、かつ、下壁を直線状に構成し、前記クラッチハウジング(101)の上壁(101X)の肉厚(X)を、前記側壁(101Y)の肉厚(Y)よりも厚く形成したことを特徴とする動力伝達機構を収容する筐体構造。
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