JP4800568B2 - 分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はテトラヒドロフランの重合、またはテトラヒドロフランとメチル基置換テトラヒドロフランとを共重合して得られるテトラヒドロフランユニットを含むポリエーテルポリオールの分子量分布を狭めて、工業的に有用な分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールを製造する方法に関するものである。テトラヒドロフランユニットを含むポリエーテルポリオールはポリウレタン弾性繊維、ポリウレタン弾性体、ポリエーテルポリエステル弾性体、ポリウレタンを含む弾性塗料などにおいて、弾性特性、低温特性、耐加水分解性等に優れ、化学工業上、極めて有用な物質である。
従来、テトラヒドロフランの重合またはテトラヒドロフランと他の環状エーテルとの共重合のカチオン重合によって得られるポリエーテルポリオールは一般に広い分子量分布をもっているが、狭い分子量分布をもつポリエーテルポリオールはポリウレタン弾性繊維、ポリエーテルエステル弾性体などの製造に使用した場合には、広い分布のものに比較して物性が均整となり、目的に応じた特性を精密に発揮させることができるほか、耐熱性が向上し、また特に伸長回復性、繰返し圧縮性等の動的物性に優れた、良好な弾性体を得ることが知られている。その反面、たとえばテトラヒドロフランを代表的触媒であるフルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、あるいは無水酢酸−過塩素酸などを触媒に重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールはカチオン重合の特質上、その分子量分布は広く、しかもガウス分布に従わず、高分子フラクションに傾いている。この広い分布の改良は従来からの懸案であり、特に精密化指向の近年、狭い分子量分布をもつポリエーテルポリオールに対する要望は強い(例えば、特許文献1参照)。
一般に各種重合体を親油性または非極性溶媒と、親水性または極性溶媒との組合せによる液々分配によって、重合反応で得られた多分散重合体を単分散重合体に分別できることは古くから知られている。シクロヘキサン−トルエン/水−メタノール系にて水−メタノール比を変え、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどの分別を行い、殆ど単分散に近い重合体を得ている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。また、シクロアルカン/水−メタノール系にてテトラヒドロフランポリマー又はテトラヒドロフラン−アルキレンオキサイドコポリマーの分別を行った方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしこのような方法、すなわち有機溶媒をいくつか組合せることによって狭い分子量分布のポリオキシテトラメチレングリコールを得たとしても、溶媒回収をはじめ各溶媒の分離には多量のエネルギーを必要とするばかりか、溶媒の分離が困難な場合もでてくる。さらに不都合なことは、分子量分布の狭い目的物が分別抽出された残りのフラクションは、その後処理問題をかかえているということがある。これらの方法は以上のような工業的に不利な点を有している。
特公昭57−47687号公報 特許第3352702号公報 Makromol.Chem.41,p61 (1960) J.Appl.Poly.Sci.9,p467(1965)
本発明はポリエーテルポリオールの分子量分布を狭める製造方法を提供することにある。更に詳しくは、テトラヒドロフランの重合、またはテトラヒドロフランとメチル基置換テ トラヒドロフランとを共重合して得られるテトラヒドロフランユニットを含むポリエーテルポリオールの分子量分布を狭める工業的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、テトラヒドロフランの重合、またはテトラヒドロフランとメチル基置換テトラヒドロフランとを共重合して得られるテトラヒドロフランユニットを含むポリエーテルポリオールを工業的に有用な狭い分子量分布のポリエーテルポリオールにする製造方法を見出し、本発明に至ったものである。
即ち本発明はテトラヒドロフランの重合、またはテトラヒドロフランとメチル基置換テトラヒドロフランとを共重合して得られるテトラヒドロフランユニットを含む一般式[1]
Figure 0004800568
(式中、R1およびRは水素原子またはメチル基を表し、R1とRは相互に異なっており、nは正の整数を表し、qは0または正の整数を表す。)で表される数平均分子量500〜4500のポリエーテルポリオール(A)に対して、ポリエーテルポリオール(A)を溶解する分別抽出用溶媒(B)がテトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフラン、あるいはこれらの混合物で、その量がポリエーテルポリオール(A)に対して、0.2〜4.0重量比であり、および40超〜70重量%の硫酸を含む水溶液(C)を添加し、低分子量成分を選択的に分別抽出するに際して、全有機層に対する硫酸水溶液の量および硫酸濃度を、分別抽出の目的物であるポリエーテルポリオールの分子量及び分子量分布に応じて調節し、分別抽出操作を行う温度を室温から分別抽出用溶媒(B)と水の混合物の沸点温度に設定して低分子量成分を選択的に分別抽出することを特徴とする、分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法である。
前記した分別抽出操作を行う温度が、分別抽出用溶媒(B)の沸点温度である、前記の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法である。
また本願発明は、硫酸を含む水溶液(C)を用いて低分子量成分を選択的に分別抽出した後のポリエーテルポリオールの低分子量成分を含んだ硫酸水溶液(D)に対して、水、および/またはアルカリ性物質を添加して、低分子量成分を含んだ硫酸水溶液(D)の硫酸濃度を小さくし、もしくは中和して硫酸水溶液(D)中の低分子量成分を選択的に分別廃棄しポリエーテルポリオールを回収するに際して、硫酸水溶液(D)に添加する水またはアルカリ性物質の量を、回収する分別抽出の目的物であるポリエーテルポリオールの分子量及び分子量分布に応じて調節し、分別抽出操作を行う温度を室温から分別抽出用溶媒(B)と水の混合物の沸点温度に設定し硫酸水溶液(D)中の低分子量成分を選択的に分別抽出しポリエーテルポリオールを回収する、前記の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法である。
本発明の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法によれば、テトラヒドロフランの重合、またはテトラヒドロフランとメチル基置換テトラヒドロフランとを共重合して得られるテトラヒドロフランユニットを含むポリエーテルポリオールの分子量分布を、所望の分子量分布に工業的に有利に行うことができる。
本発明の製造方法に関わるポリエーテルポリオールは、精製品または粗製のままのポリエーテルポリオールでもよく、工業的に有用な平均分子量500〜4500のものである。分別に用いる分別抽出用溶媒はポリエーテルポリオールを溶解する溶剤であり、好ましくはテトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物である。分別抽出用溶媒の量はポリエーテルポリオールに対し、約0.2〜4.0質量比であることが好ましいが、前記のように重合における未反応モノマーをそのまま利用することもできる。
本発明製造方法で使用する溶媒のテトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフランは、本発明の目的物であるポリエーテルポリオールの単量体(モノマー)でもあるため、重合終了後の未反応モノマーをそのまま、またはさらに添加して分別溶媒として用いることができ、目的の分別操作が終了したらそれを回収、精製し、再びモノマーとして使用できる。一方、抽出に用いた硫酸を含む水層は抽出された低分子フラクションおよび未反応モノマーを含んでいるが、これは加熱蒸留することにより溶解しているポリエーテルポリオールが酸によって解重合を起こし、溶解モノマーとともに回収される。この回収モノマーは精製することによって再使用できる。また残された硫酸を含む水層は次の分別溶媒として再使用される。
本発明の製造方法の分別抽出に用いる硫酸を含む水溶液の硫酸の濃度は40超〜70%の範囲であり、好ましくは40超〜60%である。硫酸濃度が15%以下では低分子フラクションの抽出率が悪く、また70%以上ではポリエーテルポリオール、テトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフラン、および硫酸水溶液が相互に溶解し合うため分別抽出操作が困難となる。硫酸濃度40超〜70%の範囲においては硫酸の濃度が高いほど低分子量フラクションの抽出率が上昇する。これに伴い目的とする分子量分布の狭いポリエーテルポリオールを得ることができ、また硫酸濃度を上記範囲で変化させることによって目的に応じた所望の分子量分布のポリエーテルポリオールを自由に得ることができる。
全有機層に対する硫酸水溶液の量は、硫酸濃度と共に分別抽出の目的物であるポリエーテルポリオールの分子量及び分子量分布に応じて条件設定される。硫酸水溶液は、カチオン重合触媒が硫酸系以外の触媒で得られるポリエーテルポリオール、またはポリエーテルポリオール製品に本製造方法を適用する場合は、別に用意された硫酸水溶液を循環使用するが、代表的カチオン重合触媒であるフルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸など、或いはこれらを主体とする硫酸系触媒で得られるポリエーテルポリオールにおいては、重合停止に添加される水で分解生成する硫酸をそのまま用いることができる。したがって、ポリエーテルポリオールの反応槽、あるいは反応後硫酸水溶液を回収する分液槽で分別抽出操作を行うこともできる。
本発明の分別抽出操作は、一定温度において全有機層と硫酸水層とが完全に分配平衡に到達するまで混合したのち静置、分液して実施されるが、その温度は室温乃至テトラヒドロフラン、メチル基置換テトラヒドロフラン、またはそれらの混合物の沸点温度、好ましくは静置分液時間の短縮化を図るため沸点温度がよい。
分子量分布は「重量平均分子量」対「数平均分子量」の比として定義されるが、ポリエーテルポリオールの分子量分布の近似値はバルク粘度および数平均分子量の測定値から得られることが知られている(特許文献1、特公昭57−47687号公報参照)。即ち、バルク粘度は既知の方法により測定され、数平均分子量は公知の測定方法によるヒドロキシル価(mgKOH/g)より求められる。近似の分子量分布は、「粘度平均分子量」対「数平均分子量」の比から得ることができる。粘度平均分子量は40℃で測定されるバルク粘度(ポアズ;Poise)に関する以下の関係式から計算される。
(粘度平均分子量)= anti log(0.493 log粘度 + 3.0646)
すなわち「粘度平均分子量」対「数平均分子量」の比が大きいほうが広い分子量分布をもつことを示している。
次に実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。実施例において特記しない限り、部はすべて質量部を示す。
[参考例
汎用に市販されているポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)の分子量分布を、バルク粘度および数平均分子量を求めて計算した結果を[表1]に示した。テトラヒドロフランのカチオン重合で理論的に予測されるポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子量分布値、2.0にほぼ近い値であり、分子量分布が広いことがわかる。
Figure 0004800568
参考例2
フルオロスルホン酸を触媒に公知の方法で得たポリテトラメチレンエーテルグリコール [ヒドロキシル価 =119.4 mgKOH/g、数平均分子量 = 940、バルク粘度 = 2.82 ポアズ(40℃)、分子量分布(粘度平均分子量/数平均分子量)=2.06]を原料として100部、テトラヒドロフラン100部、30%硫酸水溶液100部をそれぞれ分液コック付き500cc四ツ口フラスコ(温度計、攪拌装置付き)に仕込み、70℃で30分攪拌混合後、2層に静置分離させ、下層の硫酸水層を分液除去した。上層の有機層を水酸化カルシウムで中和したのちテトラヒドロフランを留去、さらにトルエン100部を加えて共沸脱水を行い、ろ過助剤と共にろ過、ろ液から減圧蒸留によってトルエンを除去して目的のポリテトラメチレンエーテルグリコールを得た。
分別抽出して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの得率、ヒドロキシル価、数平均分子量、分子量分布を[表2]に示した。またポリテトラメチレンエーテルグリコールのG.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)曲線(カラム:TSK G−2500H、XG−4000H、テトラヒドロフラン溶媒、40℃)を[図1]に示した。また原料のポリテトラメチレンエーテルグリコール[ヒドロキシル価 =119.4 mgKOH/g、数平均分子量 = 940、バルク粘度 = 2.82 ポアズ(40℃)、分子量分布(粘度平均分子量/数平均分子量)=2.06]についてもG.P.C曲線を[図1]に示した。
参考例3
フルオロスルホン酸を触媒に公知の方法で得たポリテトラメチレンエーテルグリコール[ヒドロキシル価 =119.4 mgKOH/g、数平均分子量 = 940、バルク粘度 = 2.82 ポアズ(40℃)、分子量分布(粘度平均分子量/数平均分子量)=2.06]を原料として100部、テトラヒドロフラン100部、40%硫酸水溶液100部をそれぞれ分液コック付き500cc四ツ口フラスコ(温度計、攪拌装置付き)に仕込み、70℃で30分攪拌混合後、2層に静置分離させ、下層の硫酸水層を分液除去した。上層の有機層を水酸化カルシウムで中和したのちテトラヒドロフランを留去、さらにトルエン100部を加えて共沸脱水を行い、ろ過助剤と共にろ過、ろ液から減圧蒸留によってトルエンを除去して目的のポリテトラメチレンエーテルグリコールを得た。
分別抽出して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの得率、ヒドロキシル価、数平均分子量、分子量分布を[表2]に示した。またポリテトラメチレンエーテルグリコールのG.P.C.曲線(カラム:TSK G−2500H、XG−4000H、テトラヒドロフラン溶媒、40℃)を[図1]に示した。
[実施例
フルオロスルホン酸を触媒に公知の方法で得たポリテトラメチレンエーテルグリコール [ヒドロキシル価 =119.4 mgKOH/g、数平均分子量 = 940、バルク粘度 = 2.82 ポアズ(40℃)、分子量分布(粘度平均分子量/数平均分子量)=2.06]を原料として100部、テトラヒドロフラン100部、50%硫酸水溶液100部をそれぞれ分液コック付き500cc四ツ口フラスコ(温度計、攪拌装置付き)に仕込み、70℃で30分攪拌混合後、2層に静置分離させ、下層の硫酸水層を分液除去した。上層の有機層を水酸化カルシウムで中和したのちテトラヒドロフランを留去、さらにトルエン100部を加えて共沸脱水を行い、ろ過助剤と共にろ過、ろ液から減圧蒸留によってトルエンを除去して目的のポリテトラメチレンエーテルグリコールを得た。
分別抽出して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの得率、ヒドロキシル価、数平均分子量、分子量分布を[表2]に示した。またポリテトラメチレンエーテルグリコールのG.P.C.曲線(カラム:TSK G−2500H、XG−4000H、テトラヒドロフラン溶媒、40℃)を[図1]に示した。
参考例4
無水酢酸−過塩素酸(HClO4)を触媒に公知の方法でテトラヒドロフランを重合して得たポリテトラメチレンエーテルグリコール [ヒドロキシル価 =66.0 mgKOH/g、数平均分子量 =1,700、バルク粘度 =10.57ポアズ(40℃)、分子量分布(粘度平均分子量/数平均分子量)=2.13] を原料として125部、テトラヒドロフラン100部、30%硫酸水溶液125部を70℃にて30分攪拌混合し、抽出操作を行った。以下参考例2と同様に処理し、[表2]の結果を得た。
Figure 0004800568
参考例5
1l四ツ口フラスコ(温度計、攪拌装置付き)にテトラヒドロフラン400部を仕込み、0℃保冷下に五塩化アンチモン(SbCl5)4.0部を添加、次いで30%発煙硫酸80部を2時間かけて添加、さらに0℃にて4時間重合反応を行った。この重合液を4分割し、その1つに水46部を加えて硫酸濃度を30%にした。その後、60℃で60分混合攪拌、静置分液、分別抽出操作を行った。
以下参考例2と同様に処理して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
参考例6
参考例5で4分割した重合液の1つに水を41部加えて硫酸濃度を40%にした。その後、60℃で60分混合攪拌、静置分液、分別抽出操作を行った。
以下参考例2と同様に処理して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
[実施例
参考例5で4分割した重合液の1つに水を27部加えて硫酸濃度を50%にした。その後、60℃で60分混合攪拌、静置分液、分別抽出操作を行った。
以下参考例2と同様に処理して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
[比較例1]
参考例5で4分割した重合液の1つに水を122部加えて硫酸濃度を14%にした。その後、60℃で60分混合攪拌、静置分液、分別抽出操作を行った。
以下参考例2と同様に処理して得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
参考例7
参考例5と同様な装置を用い、30℃に保温したテトラヒドロフラン500部にフルオロスルホン酸50部を1時間かけて添加、さらに10時間重合反応を行った。重合液を3分割し、その1つに水を40部加え、フルオロスルホン酸を分解、分解生成した硫酸の濃度は30%である。その後、80℃で90分、分別抽出を行った。以下参考例2と同様にして得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
参考例8
参考例7で3分割した重合液の1つに水を27部加え、フルオロスルホン酸を分解、分解生成した硫酸の濃度は40%である。その後、80℃で90分、分別抽出を行った。以下参考例2と同様にして得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
[比較例2]
参考例7で3分割した重合液の1つに水を117部加え、フルオロスルホン酸を分解、分解生成した硫酸の濃度は14%である。その後、80℃で90分、分別抽出を行った。以下参考例2と同様にして得たポリテトラメチレンエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
[実施例3
参考例5と同様な装置 にテトラヒドロフラン300部、3-メチル-テトラヒドロフラン100部を仕込み、0℃保冷下に五塩化アンチモン4.0部を添加、次いで30%発煙硫酸50部を2時間かけて添加、さらに0℃にて4時間重合反応を行った。この重合液を2分割し、その1つに水を26.7部を加えて硫酸濃度を50%とした。その後、60℃で60分混合攪拌、静置分液、分別抽出操作を行った。以下参考例2と同様にして得たコポリエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
[比較例3]
実施例で2分割した重合液の1つに水を164部を加えて硫酸濃度を14%とした。その後、60℃で60分混合攪拌、静置分液、分別抽出操作を行った。以下参考例2と同様にして得たコポリエーテルグリコールの性状を[表3]に示した。
Figure 0004800568
[実施例
参考例4の抽出操作で分液した硫酸水層を水酸化カルシウムで中和した後、テトラヒドロフランを留去し、更にトルエンを100部を加えて、共沸脱水を行い、濾過助剤と共に濾過し、濾液から減圧蒸留によってトルエンを除去してポリテトラメチレングリコールを得た。得られたポリテトラメチレングリコールは、ヒドロキシル価=6.2 mgKOH/g、数平均分子量=505、得率=6.2%であった。得率は参考例4で最初に仕込んだポリテトラメチレンエーテルグリコールに対する値である。この実施例に示したように、分別操作で分液した硫酸水層には低分子量フラクションが溶解しているが、硫酸水層に更に水又はアルカリ性物質を添加して再度分別抽出操作を繰り返し、回収、精製して低分子量のポリテトラメチレンエーテルグリコールを得ることができた。
この分子量分布の狭いポリエーテルポリオールを用いて製造したポリウレタンは、耐熱性が向上し、また特に伸長回復性、繰返し圧縮性等の動的物性に優れた、良好な弾性体となる。この良好な弾性特性を有するポリウレタンは種々の産業分野で有用である。
図1は参考例2、参考例3、および実施例1で得られた各ポリテトラメチレンエーテルグリコールをG.P.C.で分析した結果のG.P.C.曲線を表し、縦軸は相対濃度を表す。実線は実施例で用いた分子量分布制御前のテトラメチレンエーテルグリコールの、破線は参考例2、参考例3、および実施例1で得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子量分布曲線である。

Claims (9)

  1. 一般式[1]
    Figure 0004800568

    (式中、R1およびRは水素原子またはメチル基を表し、R1とRは相互に異なっており、nは正の整数を表し、qは0または正の整数を表す。)で表される数平均分子量500〜4500のポリエーテルポリオール(A)に対して、ポリエーテルポリオール(A)を溶解する分別抽出用溶媒(B)がテトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフラン、あるいはこれらの混合物で、その量がポリエーテルポリオール(A)に対して、0.2〜4.0重量比であり、および40超〜70重量%の硫酸を含む水溶液(C)を添加し、低分子量成分を選択的に分別抽出するに際して、全有機層に対する硫酸水溶液の量および硫酸濃度を、分別抽出の目的物であるポリエーテルポリオールの分子量及び分子量分布に応じて調節し、分別抽出操作を行う温度を室温から分別抽出用溶媒(B)と水の混合物の沸点温度に設定して低分子量成分を選択的に分別抽出することを特徴とする、分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  2. 前記した硫酸を含む水溶液(C)の硫酸濃度が40超〜60重量%である、請求項1に記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  3. 前記した分別抽出操作を行う温度が、分別抽出用溶媒(B)の沸点温度である、請求項1〜2いずれかの項に記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  4. 前記した分別抽出処理が、重合または共重合終了後に反応液中に含まれている、未反応モノマーであるテトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフランをそのまま分別抽出用溶媒に使用して、分別抽出処理するものであることを特徴とする、請求項1〜3いずれかの項に記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  5. 前記した分別抽出処理に使用する硫酸を含む水溶液が、カチオン重合触媒である硫酸系触媒から、重合停止のために添加された水によって分解生成した硫酸をそのまま使用したものであることを特徴とする、請求項1〜4いずれかの項に記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  6. 前記したカチオン重合触媒である硫酸系触媒が、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸および発煙硫酸から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項5記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  7. 前記した分別抽出操作を、ポリエーテルポリオール(A)を合成するのに用いる反応槽または反応後硫酸水溶液を回収する分液槽で行う請求項5又は請求項6記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  8. 前記した硫酸を含む水溶液(C)を用いて低分子量成分を選択的に分別抽出した後の、ポリエーテルポリオールの低分子量成分を含んだ硫酸水溶液(D)に対して、水、および/またはアルカリ性物質を添加して、低分子量成分を含んだ硫酸水溶液(D)の硫酸濃度を小さくし、もしくは中和して硫酸水溶液(D)中の低分子量成分を選択的に分別廃棄しポリエーテルポリオールを回収するに際して、硫酸水溶液(D)に添加する水またはアルカリ性物質の量を、回収する分別抽出の目的物であるポリエーテルポリオールの分子量及び分子量分布に応じて調節し、分別抽出操作を行う温度を室温から分別抽出用溶媒(B)と水の混合物の沸点温度に設定し、硫酸水溶液(D)中の低分子量成分を選択的に分別抽出しポリエーテルポリオールを回収することを特徴とする、請求項1記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
  9. 前記した分別抽出用溶媒(B)が、テトラヒドロフランまたはメチル基置換テトラヒドロフラン、あるいはこれらの混合物である、請求項8記載の分子量分布の狭められたポリエーテルポリオールの製造方法。
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