JP4799863B2 - 癌制御方法 - Google Patents

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Description

(本発明の分野)
本発明は、癌制御方法に関するものである。特に、本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する方法に関するものである。また、本発明は、癌を予防、及び治療する方法を提供する。また、本発明は、細胞の癌性増殖抑制性薬剤の同定方法に関するものである。
(本発明の背景)
癌は、体細胞の調節不全増殖により生じる、疾病の範囲であることを記述する。悪性癌は、この調節不全増殖から発生し、かつ続いて、転移として知られている過程、血流又はリンパ系を介して体内に広がり得る。上皮組織の悪性腫瘍は、癌の最も一般的な形態であり、かつ西側先進工業国において、大多数の癌関連死に関与している。オーストラリア健康福祉研究所(Australian Institute of Health and Welfare)(AIHW)によると、平均して、男性3人中に1人、及び女性4人中に1人が、75歳前に癌を発症している(1)。男性において、最も一般的な癌は、前立腺癌、腸癌、及び肺癌であり、かつ女性においては、乳癌、腸癌、及び黒色腫癌である。腫瘍組織内、及び非正常組織内に特異的に発現する遺伝子の同定、及びこれらの機能の分析は、癌治療のための新しい標的を特定するのに役立つ。
幾つかの遺伝子は、様々な癌に関係している。例えば、発癌遺伝子は、上皮細胞増殖因子のような細胞増殖因子のレセプターをコードしていることが知られている。該ras遺伝子は、発癌遺伝子であり、全ヒト膵臓癌の90%、ヒト大腸癌の50%、肺癌の40%、及び白血病の30%関与していると考えられている。変異した発癌遺伝子は、癌を引き起こす遺伝子となり得る。そのような変異した発癌遺伝子は、制御不能な細胞増殖を引き起こす、タンパク質キナーゼ、及びタンパク質リン酸化酵素のような、タンパク質をコードしている。近年、EphB4が、最も広く知られているレセプタータンパク質チロシンキナーゼ類の一種であることが同定された。Ephレセプター類は、神経発達、血管新生、及び血管網構築を含む、多くの細胞過程に関与していることが同定されている(2〜5)。これらのリガンドである、エフリンとの相互作用の結果、これらは、接触依存性細胞相互作用を介して、接触阻害、細胞骨格組織化、及び細胞移動のような、細胞機能を制御する(6、7)。
細胞毒性化合物のような増殖抑制性分子を含む、多くの抗癌剤が、癌を治療する試みにおいて、開発されているが、有効な癌制御方法を提供する必要性が、まだ残されている。
(本発明の要約)
本発明は、EphB4タンパク質の特定部位に結合し得る抗体が、癌細胞の細胞死を誘発し、癌細胞の癌性細胞増殖を有利に抑制することができるという、意外な発見を基礎にしたものである。
従って、第一の態様において、本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する方法であって、該細胞を、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位に接触させることを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
第二の態様において、本発明は、癌細胞の細胞死を誘発する方法であって、該細胞を、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位に接触させることを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
第三の態様において、本発明は、対象の癌を治療、又は予防する方法であって、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位の有効量を、該対象に投与することを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
他の態様において、本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する薬剤の同定方法であって、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基領域内、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中のEphB4ポリペプチドに結合する該薬剤の性能を、評価することを含む、前記方法を提供する。好ましくは、該方法は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基領域内、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中のEphB4ポリペプチドに結合する薬剤の性能を評価することを含む。好ましくは、該方法は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基領域内、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中のEphB4ポリペプチドに結合する薬剤の性能を評価することを含む。さらに好ましくは、該方法は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基領域内、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中のEphB4ポリペプチドに結合する薬剤の性能を評価することを含む。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
また、本発明は、上述の方法により同定された薬剤を提供する。
さらなる態様において、本発明は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくはEphB4(配列番号:1)の第201〜245残基と少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、精製EphB4抗体を提供する。好ましくは、該精製EphB4抗体は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくはEphB4(配列番号:1)の第220〜244残基と少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する。好ましくは、該精製EphB4抗体は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくはEphB4(配列番号:1)の第220〜230残基と少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する。さらに好ましくは、本発明は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中にあるエピトープに結合する、精製EphB4抗体を提供する。好ましくは、本発明の該精製EphB4抗体は、EphB4(配列番号:1)の第266残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されているポリペプチドに結合する。好ましくは、該精製EphB4抗体は、モノクローナル抗体である。
(詳細な説明)
第一の態様において、本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する方法であって、該細胞を、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位に接触させることを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基からなる配列を有するポリペプチドに、特異的に結合する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基からなる配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基からなる配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合する。さらに好ましくは、、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基からなる配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合する。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、ポリクローナル、又はモノクローナル抗体である。好ましくは、前記方法により、細胞死が生じる。
好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、及びEphB4(配列番号:1)の第220〜230残基からなる群から選択される配列と少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合する。EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、又はEphB4(配列番号:1)の第220〜230残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドは、特定のアミノ酸の少なくとも1の置換、欠失、又は付加を有するポリペプチド変異体を含む。また、特に、これらが抗原特性を保持する場合、このようなポリペプチド変異体は、本方法に適している。例えば、該ポリペプチド変異体は、抗原特性を保持し、かつポリペプチド産生、及び/又は溶解性を改善するように設計され得る。
例えば、抗原予測プログラムは、該荷電アミノ酸Asp(D)が、該エピトープ機能にとって重要となり得ることを示唆しており、実際、該配列中には、一つの荷電残基のみがある。EphB4タンパク質(配列番号:1)の第220〜244アミノ酸残基からなるペプチド11を、図20に示すように設計した。また、EphB4タンパク質(配列番号:1)の第266残基を、Asn(N)で置換したペプチド10を、図20に示すように設計した。ペプチド10、及び11のアミノ酸配列は、下記のとおりである。
ペプチド10(配列番号:11):AGSCVVNAVPAPGPSPSLYCREDGQ
ペプチド11(配列番号:12):AGSCVVDAVPAPGPSPSLYCREDGQ
Asp、及びAsnの側鎖は、非常に類似しており、Aspのヒドロキシル基が、Asnでは、アミンであり、かつ負電荷アミノ酸から、中性アミノ酸に変わる。
第二の態様において、また、本発明は、癌細胞の細胞死を誘発する方法であって、該細胞を、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位に接触させることを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
第三の態様において、本発明は、対象の癌を治療、又は予防する方法であって、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位の有効量を、該対象に投与することを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
好ましくは、該癌は、乳癌、前立腺癌、腸癌、膀胱癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、黒色腫、リンパ腫、及び白血病からなる群から選択される。好ましくは、前記方法により、該対照の癌細胞死が生じる。
他の態様において、本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する薬剤の同定方法であって、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基領域内、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中のEphB4ポリペプチドに結合する該薬剤の性能を、評価することを含む、前記方法を提供する。
本発明の好ましい実施態様において、該薬剤は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれたエピトープに結合するものである。好ましくは、該薬剤は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれたエピトープに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該薬剤は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれたエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
また、本発明は、上述の方法により同定した薬剤を提供する。
本明細書において、該用語"抗体"を、非常に広い意味で使用しており、かつ具体的には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を包含する。該用語"エピトープ"は、ポリペプチドのエピトープ領域のことを指し、抗体、又はその抗原結合部位により認識される。
抗体は、免疫グロブリン分子のことを指し、4つのポリペプチド鎖から構成されている。2つの重鎖(H鎖)と2つの軽鎖(L鎖)とが、ジスルフィド結合により、相互に結合している。各重鎖は、それぞれ重鎖領域可変部(HCVR、又はVH)と重鎖定常部とから構成されている。該重鎖定常部は、3つの領域、CH1、CH2、及びCH3から構成されている。各軽鎖は、それぞれ軽鎖可変部(LCVR、又はVL)と軽鎖定常部から構成されている。該軽鎖定常部は、CLという1つの領域から構成されている。さらに、該VH、及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と称される高頻度可変性領域と、フレームワーク領域(FR)と称される、さらに保存された分散型領域とに細分され得る。各VH、及びVLは、3つのCDRs、及び4つのFRsから構成されており、次の順で、アミノ末端からカルボキシ末端に配列されている:FR、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
本明細書中で使用する、抗体の該用語"抗原結合部位"(又は単に"抗体部位")は、抗体の一以上の断片のことを指し、抗原に特異的に結合する能力を保有する。抗体の該抗原結合機能は、抗体全長の断片で機能し得ることが知られている。抗体の該用語"抗原結合部位"を含む、結合断片の例は、(I)Fab断片(VL、VH、CL、及びCH1領域からなる一価断片);(ii)F(ab')2断片(ヒンジ領域で、ジスルフィド架橋により結合した、2つのFab断片を含む、二価断片);(iii)Fd断片(VH、及びCH1領域からなる);(iv)Fv断片(抗体の一腕のVL、及びVH領域からなる);(v)dAb断片(8)(VH領域、又はVL領域からなる(9));及び(vi)単離された相補性決定領域(CDR)がある。さらに、該Fv断片の2つの領域(VL、及びVH)は、別々の遺伝子によりコードされているが、組換え方法を用い、合成リンカーにより結合することができる。該合成リンカーは、該VL、及びVH領域が一組になり、一価分子(一本鎖Fv(scFv)(10)、(11)として知られている。)を形成するような、一本タンパク鎖として作られ得る。また、そのような一本鎖抗体は、抗体の該用語"抗原結合部位"に含まれていることを意図する。また、二重特性抗体(diabodies)、又は三重特異性抗体(triabodies)のような、一本鎖抗体の他の形態も含まれている。二重特性抗体は、二価であり、VH、及びVL領域が一本ペプチド鎖上で表された、二重特異性抗体である。しかし、該同一鎖上の2つの領域間で対を作るために、非常に短いリンカーを使うことは、結果として、該領域が強圧されるため、別の鎖の相補性領域で対を作り、かつ2つの抗原結合部位が作られる(12、13)。好ましくは、該抗体は、EphB4(H-200)ウサギポリクローナルIgG抗体(サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology)、Santa Cruz、カリフォルニア))である。
さらに好ましくは、該抗体は、モノクローナル抗体、又はその断片であり、かつ特に、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該モノクローナル抗体、又はその断片は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該モノクローナル抗体、又はその断片は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。さらに好ましくは、該モノクローナル抗体、又はその断片は、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
さらなる本発明の態様において、本発明は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくはEphB4(配列番号:1)の第201〜245残基と少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、精製EphB4抗体を提供する。好ましくは、該精製EphB4抗体は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくはEphB4(配列番号:1)の第220〜244残基と少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する。好ましくは、該精製EphB4抗体は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基と少なくとも85%同一である配列、好ましくはEphB4(配列番号:1)の第220〜230残基と少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する。さらに好ましくは、本発明は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中にあるエピトープに結合する、精製EphB4抗体を提供する。好ましくは、本発明の該精製EphB4抗体は、EphB4(配列番号:1)の第266残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されているポリペプチドに結合する。さらに好ましくは、該精製EphB4抗体は、モノクローナル抗体である。
本明細書中で使用する、該用語"モノクローナル抗体"は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体のことを指す。すなわち、微量中に存在してもよい、自然に生じる可能な変異体を除き、該集団を構成する個々の抗体は同一である。モノクローナル抗体は、単一抗原部位に対応する、高度な特異性を有する。さらに、通常、異なる決定基(エピトープ)に対応する異なる抗体を含む、従来の(ポリクローナル)抗体の調製法とは対照的に、各モノクローナル抗体は、該抗原の単一の決定基に対応する。該修飾成句"モノクローナル"は、実質的に均質な抗体集団から得られるような抗体特性を示し、かつ、すべての特定の方法によって、該抗体の要求される製造法として、解釈されるものではない。例えば、本発明に従い使用されるべき該モノクローナル抗体は、ファージ抗体ライブラリーから単離される、ハイブリドーマ法により製造されてもよく、又は組換えDNA法により製造されてもよい。そのような方法は、制限はないが、ハイブリドーマ法(14)、トリオーマ法、ヒトB-細胞ハイブリドーマ法(15)、及びヒトモノクローナル抗体を製造する、EBVハイブリドーマ法(16)がある。さらに、ヒト型モノクローナル抗体を、米国特許第6,090,382号(該全体の記述、及び参照が、本明細書中に引用されている。)に記載されている方法に従って、製造することができる。該文献は、組換え型ヒト抗体の発現、及び該組換え型ヒト抗体の合成方法のための適切な宿主細胞を提供している。さらに、適切なヒト抗体を、例えば、オンコロジー29(Oncology29)(Supp 4)47- 50(2002)に記載されている技術を使用し、トランスジェニック動物を用いて製造することができる。また、本発明の抗体を、商業的な提供先から得ることができる。
当業者にとって公知である様々な手順を、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合することができるポリクローナル抗体の製造に使用することができる。抗体製造のために、多様な宿主動物を、EphB4タンパク質、又はEphB4ポリペプチド断片の注入により、免疫することができる。適切なキャリアは、制限はないが、BSA(ウシ血清アルブミン)、KLH(キーホールリンペットヘモシニアン)、OVA(卵白アルブミン)、THY(サイログロブリン)、及びRSA(ウサギ血清アルブミン)を含むことができる。好ましくは、該宿主動物は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含むEphB4ポリペプチドで、免疫され得る。好ましくは、該宿主動物は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む、EphB4タンパク質、又はポリペプチドの注入により、免疫され得る。好ましくは、該宿主動物は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む、EphB4タンパク質、又はポリペプチドの注入により、免疫され得る。さらに好ましくは、該宿主動物は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む、EphB4タンパク質、又はポリペプチドの注入により、免疫され得る。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
適切な宿主動物には、制限はないが、ウサギ、マウス、ラットなどがある。多様な免疫賦活剤を、該宿主種に依存する免疫応答を増加させるように使用することができ、制限はないが、Freud's(完全、及び不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルガス、リゾレシチンのような界面活性物質、プルオリックポリオール(pluronic polyols)、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、ジニトロフェノール、及びBacillus Calmette-Guerin(BCG)、及びコリネバクテリウムパルヴム(Corynebacterium parvum)のような、潜在的に有用なヒト免疫賦活剤がある。抗体、及び抗原断片を、標準的技術により、大量製造し(例えば、組織培養、又は血清フリーの発酵槽を使用する。)、かつプロテインA(例えば、マウスMabs)、プロテインG(例えば、ラットMabs)、又はMEP HYPERCEL(例えば、IgM、及びIgG Mabs)のような、アフィニティーカラムを用いて、精製することができる。
適切な抗体は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合することができる抗原結合部位を含んだ抗体断片を含み得る。好ましくは、抗体の抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列のイディオタイプを含む。好ましくは、該抗体断片は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合することができる、抗原結合部位を含む。好ましくは、該抗体断片は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合することができる、抗原結合部位を含む。さらに好ましくは、該抗体断片は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合することができる、抗原結合部位を含む。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
このような抗体断片は、当業者にとって公知である方法により、生成することができる。例えば、このような断片は、制限はないが、該抗体分子のペプシン処理により製造することができるF(ab')2断片;F(ab')2断片のジスルフィド結合を還元することにより生成することができるFab'断片;パパイン及び還元剤で該抗体分子を処理することにより生成することができるFab断片;及びFv断片がある。さらなる技術において、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに対して特異的である、組換え型抗体を設計し、かつ広範囲の様々な細胞種中で異所的に発現することができる。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
本方法で使用する抗体は、非ヒト(例えば、マウス)抗体の"ヒト型"形態を含むことができ、該抗体は、非ヒトの免疫グロブリンから誘導される、最小限のアミノ酸残基を含む、免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又はその断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')sub.2、又は抗体の他の抗原結合配列)がある。多くの部分にとって、ヒト型抗体は、感受性の相補性決定領域(CDR)の残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、又はウサギのような、非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基に置換されたヒト免疫グロブリン(感受性抗体)である。幾つかの例において、該ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒトFR残基に置換される。さらに、ヒト型抗体は、感受性抗体中にも、移入CDR又はフレームワーク配列中にもない残基を含むことができる。これらの改質は、さらに改良され、かつ抗体作用を最適にすることができる。
本明細書中で使用する、該用語"EphB4タンパク質"は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む、EphB4タンパク質の全長、又はポリペプチド断片のことを含んでいる。好ましくは、該EphB4タンパク質は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含むポリペプチド断片を含む。好ましくは、該EphB4タンパク質は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含むポリペプチド断片を含む。さらに好ましくは、該EphB4タンパク質は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含むポリペプチド断片を含む。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
EphB4変異タンパク質を、アミノ酸レベルで、変更することができ、かつ該タンパク質の機能性に影響のない保存的アミノ酸置換のようなアミノ酸の付加、又は除去、又は置換を含み得る。また、EphB4タンパク質は、切断されたEphB4タンパク質を含み得る。EphB4タンパク質は、天然、又は組換え型であってもよい。該EphB4タンパク質は、動物種由来であってもよく、好ましくは、EphB4タンパク質は、ヒト由来である。
好ましくは、本発明の方法に適した、抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4タンパク質活性を抑え、細胞の癌性増殖を抑制することができる。本明細書中の用語"癌性増殖"は、異常性、及び制御不能性の細胞分裂、及び細胞増殖のことを指す。通常、このような細胞は、癌細胞として同定され、他の組織に侵入し、かつ破壊することができ、かつ体の他の部分に広がる潜在能力を有する。細胞の癌性増殖により、良性、又は悪性になり得る腫瘍形成を引き起こす。
本明細書中の該用語"細胞"は、細胞すべてを含んでいる。好ましくは、該細胞は、制限はないが、ヒト、マウス、ウシ、ヒツジ、又は家畜のような、哺乳類由来である。好ましくは、該細胞は、制限はないが、前立腺細胞、乳腺細胞、腸細胞、線維芽細胞、上皮細胞、胎盤、肝臓、腎臓、膵臓、心臓、神経、又は筋細胞、又は、癌、又は腫瘍細胞を含む群から選択される。該細胞は、正常細胞、異常細胞、成熟細胞、又は胚細胞であってもよい。該細胞は、単細胞、培養細胞、又は組織の一部であってもよい。該細胞は、トランスジェニック細胞のような、遺伝的に改質された組換え型細胞であってもよい。好ましくは、該細胞は、EphB4を発現する。該細胞は、動物全体の一部であってもよい。また、該細胞は、細胞株由来であってもよい。好ましくは、該細胞は、制限はないが、前立腺、乳腺、大腸、又は卵巣細胞株由来である。好ましくは、該細胞株は、大腸SW480、大腸SW620、大腸LIM1215、乳腺MCF7、乳腺T47-D、乳腺MDA-MB-231、乳腺MDA-MB-453、膀胱J82、膀胱T24、膀胱RT119、及び膀胱5637からなる群から選択される。さらに好ましくは、該細胞株は、乳癌細胞株MCF-7、及び大腸癌細胞株SW480からなる群から選択される。
好ましくは、本発明の抗体、又はその抗原結合部位は、乳癌細胞、前立腺癌細胞、腸癌細胞、膀胱癌細胞、大腸癌細胞、卵巣癌細胞、肺癌細胞、黒色腫細胞、リンパ腫細胞、及び白血病細胞からなる群から選択される、一以上の癌細胞の癌性増殖を抑制することができる。
好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合するものである。本発明の好ましい実施態様において、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそれらと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれるエピトープに、特異的に結合するものである。
本明細書中の該用語"特異的に結合する"は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドのみに結合する、抗体、又はその抗原結合部位の結合特性のことを指すことが理解されるべきである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、ポリクローナル、又はモノクローナル抗体であり、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合するものである。好ましくは、該抗体は、EphB4ポリクローナル抗体(H-200サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))であり、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に、特異的に結合する。
本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する方法であって、該細胞を、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位に接触させることを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列中にあるエピトープに結合するものである、前記方法を提供する。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
好ましくは、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜400残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するEphB4タンパク質に結合するものである。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するEphB4タンパク質に結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するEphB4タンパク質に結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
本明細書中で使用する句"細胞の癌性増殖を抑制する"は、該細胞の癌性増殖が、実質的に減少し、かつ抑制されることを意味している。本発明において、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位と細胞とを接触させ、未処置細胞と比較することにより、該細胞の癌性増殖を抑制する結果を得ている。好ましくは、該方法により、細胞死を生じさせる。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
また、本発明は、癌細胞の細胞死を誘発する方法であって、該細胞を、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位に接触させることを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基を含む配列、又はそこと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合するものである、前記方法を提供する。本発明の好ましい実施態様において、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれる、エピトープに結合するものである。好ましくは、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれる、エピトープに結合するものである。さらに好ましくは、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそこと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは少なくとも90%同一である配列中に含まれる、エピトープに結合するものである。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。
該句"癌細胞の細胞死を誘発する"は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位と接触した癌細胞が、細胞死を引き起こされることを意味している。好ましくは、該抗体は、EphBポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))であり、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に、特異的に結合する。
癌細胞の細胞死を、多くのアッセイにより評価することができる。例えば、細胞死による細胞現象の抑制に重要な役割を担う、カスパーゼ-3活性化が考えられる。多くの異なるカスパーゼ-3活性定量用キットを、商業的に入手できる。多くの場合、ミトコンドリア膜の減極が、細胞死の初期段階に関係している。該膜電位の変化は、ミトコンドリアの浸透性転移孔の開口のためであると推定されており、アポトーシスの中心的役割を担うとされている。減極を、ローダミン123、活性ミトコンドリア中に蓄積される緑色蛍光性カチオン染料の使用を含む、多くの異なるアッセイにより測定することができ、これらは、細胞破壊の迅速かつ容易な測定が可能である高い膜電位を有する。乳酸脱水素酵素(LDH)は、すべての細胞内に存在する、安定な細胞質酵素である。該原形質膜が損傷を受けた場合、それは、該細胞培養液上清中に迅速に放出される。LDH活性を、商業的に入手できる分光光度計プレートリーダーを用いたシングルポイントアッセイにより、培養液上清中で容易に測定することができる。該培養液中で上昇したLDHは、細胞壊死(死)の指標となる。
また、細胞形態を調査し、細胞死を判断することができる。例えば、アポトーシスは、膜結合アポトーシス体内の該細胞、及び断片の収縮のような、一連の標準的な形態学的現象により特徴付けられる細胞死がプログラムされている(17)。これらを、光学顕微鏡で見ることができる。さらに、細胞は、細胞死に関連した遺伝子の発現を、試験することができる。さらに、4つの異なる乳癌細胞のEphB4抗体処置、及び未処置細胞を比較したRT-PCR分析結果は、EphB4遺伝子発現が、処置細胞において、下方制御することを示している。
本発明のさらなる態様は、対象の癌を治療、又は予防する方法であって、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位の有効量を、該対象に投与することを含み、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合するものである、前記方法である。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。好ましくは、該方法は、該対象の癌細胞死を生じる。
好ましくは、該癌は、乳癌、前立腺癌、腸癌、膀胱癌、大腸癌、卵巣癌、肺癌、黒色腫、リンパ腫、及び白血病からなる群から選択される。
本発明の方法により治療される対象は、制限はないが、ヒト、ヒツジ、畜牛(cattle)、ウマ、ウシ属(bovine)、ブタ、鳥類、イヌ、及びネコからなる群から選択され得る。
前記方法において、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位の有効量が、対象に投与される。本発明の好ましい実施態様において、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそれらと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは、少なくとも90%同一である配列中に含まれている、エピトープに結合するものである。好ましくは、、該抗体、又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに、特異的に結合するものである。さらに好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、ポリクローナル、又はモノクローナル抗体である。
該用語"有効量"は、治療、又は予防されるべき癌の治療、又は予防に十分な投与量を意味する。これは、該対象、及び生じた癌の種類に依存するであろう。本発明の方法で使用される、少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位の有効量を、投与方法、治療されるべき動物の状態により変えることができ、かつ最終的に、関与している科学者、医師、又は獣医により決定されるであろう。また、対象の治療、又は予防に使用される、抗体、又はその抗原結合部位の量は、特定の抗体、又はその抗原結合部位の性質、及び同一性により、変えることができるであろう。
好ましくは、抗体、又はその抗原結合部位は、当業者にとって公知である、すべての適切な方法により、対象に投与される。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、例えば静脈内に注入されることを含み、多くの種類の細胞と接触され得る。
好ましくは、本発明の抗体、又はその抗原結合部位は、ヒト、又は動物対象への投与に適し得る医薬組成物となるように、適切な医薬として許容し得るキャリア、又は希釈液と組み合わされる。適切なキャリア、又は希薄液は、例えば、リン酸緩衝食塩水のような、等張食塩水がある。少なくとも1の抗体、又はその抗原結合部位を含む、該医薬組成物を、非経口、筋内、静脈内、皮下、眼内、経口、又は経皮への投与用に調剤することができる。該抗体を、該対象の体重により、適切な投与量で投与することができる。しかし、当業者は、すべての特定の対象、及び癌のための投与、及び投与に最適な方法を、すぐに決めることができるので、上述の投与方法、及び投与量は、参考のためにのみ役立つことを目的としていることを理解すべきである。
本発明の方法において使用される該抗体、又はその抗原結合部位を、乳化剤、界面活性剤、安定剤、色素、浸透促進剤、抗酸化剤、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、マグネシウムステレート、及びケイ酸のような、適切な賦形剤と組合わせてもよい。好ましくは、該抗体、又はその抗原結合部位は、滅菌水溶液として配合される。該抗体、又はその抗原結合部位を、該抗体の活性に適合した補助成分と組合せることができる。好ましくは、本発明の方法において使用される抗体、又はその抗原結合部位を、現存する癌治療の補足に使用してもよい。また、例えば、本発明の方法は、放射線治療、化学療法(例えば、アントラサイクリン、5FU、トポイソメラーゼ阻害剤、シスプラチン、及びカルボプラチン)、又はホルモン療法、又はホルモン改質剤(例えば、カタモキシフェン(Catamoxifen))を利用した療法のような、従来の癌治療と組合せて使用してもよい。
他の態様において、本発明は、細胞の癌性増殖を抑制する薬剤の同定方法であって、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する該薬剤の性能を、評価することを含む、前記方法を提供する。本発明の好ましい実施態様において、該薬剤は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中、又はそれらと少なくとも85%同一である配列中、好ましくは、少なくとも90%同一である配列中に含まれている、エピトープに結合する。好ましくは、該薬剤は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するEphB4タンパク質に結合する。
本明細書中の該用語"薬剤"は、全ての分子、化合物、又はタンパク質を含んでおり、かつEphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列と結合(相互作用)する。好ましくは、適切な薬剤は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、抗体、又はその抗原結合部位を含み得る。さらに好ましくは、該薬剤は、ポリクローナル、又はモノクローナル抗体である、抗体、又はその抗原結合部位である。好ましくは、該方法は、癌細胞の細胞死を誘発する薬剤性能を評価することを含む。好ましくは、該薬剤は、EphB4タンパク質に好ましく特異的である、抗体、又はその抗原結合部位のような、EphB4リガンドであり、かつ細胞の癌性増殖を抑制するその能力を、インビトロ、又はインビボシステムで試験するため、商業的に開発され、又は得られてもよい。
例えば、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列の特定のエピトープに対応する、抗体、又はその抗原結合部位は、細胞の癌性増殖を抑制し、かつ好ましくは、細胞死を誘発する、これらの性能が試験され得る。該抗体のIC50を評価する用量反応曲線を、試験した各抗体の有効性を検査するために示すことができる。さらに、抗体/レセプター-リガンド結合研究を行い、リガンド結合を妨害する抗体性能を評価することができる。抗体結合後の該EphB4レセプターのチロシンリン酸化を、該各抗体を用いて該レセプターを免疫沈降し、続く抗ホスホチロシンを用いてウェスタンブロッティング分析することにより評価し、該EphB4レセプターが不活性であることを確認することができる。チロシンリン酸化、及びインビトロにおける細胞増殖を抑制する点、及び最小抑制濃度50%(IC50)で、EphB4レセプターに結合するリガンドを抑制する点において、最大の中和活性を示す抗体を、付加的なインビボ試験で選択することができる。
例えば、抗癌剤としてのこれらの有効性のために、免疫不全NOD-SCID(免疫不全化した非肥満型糖尿病)マウスを使用し、転移、及び腫瘍増殖のインビボモデルを用いて、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合することができると推定される薬剤の性能を試験することができる。好ましくは、該配列が、EphB4(配列番号:1)の第226残基で、アミノ酸Asp(D)からAsn(N)に置換されている。さらに、利用可能であり、大部分は異種移植片のように増殖でき、かつヒト乳癌細胞株MCF-7、及び大腸癌細胞株HT29を含む、腫瘍細胞株の多様なアレイを、インビトロ試験に使用することができる。異種移植片腫瘍を、皮下注入後(ここでは、塊として増殖するであろう)、又は他の器官に第二の蓄積を生じる血行性散布転移の模倣となる、尾静脈中への注入後、どちらかのマウスモデルにおいて、増殖することができる。適切な移植期間、及び各細胞株の接種投与を定着させ、該モデルを用いて、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基、好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基、さらに好ましくは、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基を含む配列、又はそれらと少なくとも85%同一である配列、好ましくは、少なくとも90%同一である配列を有するポリペプチドに結合する、様々な薬剤を試験することができる。また、細胞を、IC50、及びIC75である、致死投与量の選択したEphB4抗体で処置し、未処置細胞と比較した処置細胞の移植片を評価することができる。これは、腫瘍細胞株の定着、及び転移に関する、EphB4の低下した機能発現の効果を評価するであろう。
また、該インビボモデルを、EphB4ポジティブ腫瘍細胞株を治療する潜在的新療法の前臨床的評価に使用することができる。皮下注入の使用により、異なる時期に定着されている腫瘍の検査が可能であろう。これを、抗体、又はその抗原結合部位のような、薬剤性能の測定に使用することができ、ビヒクル制御と比べて、腫瘍を新たに除去し、かつ定着させることができる。尾静脈注入を、抗体、又はその抗原結合部位での処置が、血行性散布の結果、形成される転移の数を減らすであろうかどうか、決定するように使用することができる。本発明の方法により同定された薬剤を、癌の治療、又は予防に使用することができる。また、本発明は、上述の方法により同定された薬剤を提供する。
本明細書中の単語"含む"は、記述した要素、完全体、又は段階の包括、又は要素、完全体、又は段階の集団を意味することと理解され、すべての他の要素、完全体、又は段階の包括、又は要素、完全体、又は段階の集団ではない。
本発明は、次の制限を企図しない図面、及び実施例の方法により記載されている。
(実施例1)
EphB4の免疫組織化学的局在性:
EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基と特異的に対応する、EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))を用いて、腫瘍、及び正常組織中の該EphB4タンパク質の局在性を分析した。大腸、及び乳房組織は、対応する正常組織と比較した場合、腫瘍上皮細胞中に、このタンパク質レベルの著しい増加を示した(図1参照)。2つの大部分共通に存在している癌において、該腫瘍上皮細胞にEphB4の高い発現量がある証拠は、EphB4が、これらの腫瘍の進行に欠かせないことを示している。
(実施例2)
EphB4のRT-PCR発現:
逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を用いて、5つの腫瘍(T)/正常(N)ペアのEphB4(1187 bp)と内部18S rRNA(489 bp)との発現量を比較した(図2の結果を参照)。患者60人からの63大腸癌の分析は、80%の患者の該腫瘍組織中に、EphB4が過度に発現していることを示しており、治療的標的として広範囲の応用を暗示している(図2)。腫瘍細胞と正常細胞との間の該発現量差は、抗-EphB4での腫瘍治療が、大腸癌(及びその他)腫瘍への優先的効果を有し得る。
臨床検査において、今まで標的にされてきた他のレセプタータンパク質チロシンキナーゼの発現量と、EphB4の該発現プロフィールとの比較(HER2、EGFR、及びVEGFR)は、EphB4が、正常組織中において、より低度の発現量であることを示している。ESTデータベース情報は、腎臓、卵巣、及び胎盤に存在し得るEphB4の低レベルの発現量であること、及び心臓、肺、末梢神経、及び血管組織においては、さらに低レベルの発現量であることを示している。従って、EphB4を標的とすることは、他のレセプターチロシンキナーゼを標的とすることよりも、副作用が低いことが予想され得る。
(実施例3)
EphB4-特異的抗体研究:
インビトロにおいて、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))の直接的殺腫瘍性効果を明らかにした。大腸癌細胞株SW480、及びSW620の十分に密集的な単層を、EphB4抗体H-200(サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology)-ロットナンバー B141、及びF182)の1/500希釈液とともにインキュベートし、該培養容器、及び金型の下のリフトに、該細胞を生じた(図3)。これは、SW480、SW620、LIM1215、乳癌細胞株MCF-7、T47-D、MDA-MB-453、MDA-MB-231、及びHs578t、大腸癌細胞株J82、RT119、5637、及びT24を含む大腸癌細胞株処置した場合に、共通に見られた反応であった。
該乳癌細胞株MCF-7と、該大腸癌細胞株SW480とを、3つの異なる濃度の抗体(2 RG/ML, 1 ZG/ML, 0.2 ZG/ML)とともにインキュベートし、投与量依存方法において、細胞死が生じた(図4、及び図5を参照)。この効果は、該EphB4抗体に、内皮細胞株HUVEC-Cを曝露した後には見られない。該カスパーゼ-3活性の分析は、細胞死が、アポトーシスを介さないことを示した(図6)。これらの結果は、膜レセプターへの架橋、又は結合により、抗体が、レセプター活性を擬態、又は調節することができ、かつこれらの抗体発生膜貫通シグナルが、アポトーシス、又は増殖抑制を引き起こしているかもしれない(18)。細胞死誘発の別の可能性のある機序は、ラス媒介型非アポトーシス性細胞死、又はギャップ結合細胞間通信(GJIC)の修復、直接的な細胞-細胞通信過程があり、これらはEphレセプターシグナルにより阻害されることが知られている(19)。
EphB4に特異的なポリクローナル抗体が、インビボ、及びインビトロシステムにおいてこれらの抗体を試験するため、開発されており、かつ商業的に入手できる。図7は、下記の5つのEphB4抗体で処置した後の、乳癌細胞のパーセンテージ生存度の結果を示している:
(1)マウスEphB4のカルボキシ末端の第825〜第991アミノ酸残基に対応するEphB4ポリクローナル抗体(Swiss);
(2)完全体EphB4(配列番号:1)の第16〜34アミノ酸残基である、該EphB4アミノ酸配列のN-末端から最初の19アミノ酸に対応する、N-末端EphB4抗体(N-19サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology));
(3)EphB4(配列番号:1)の第615〜874アミノ酸残基からなるチロシンキナーゼドメインに対応するカルボキシ末端に対応する、ポリクローナルEphB4 C-末端抗体(C-16サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology));
(4)EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に直接対応する、EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology));
(5)EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200(旧)-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))。
細胞死効果は、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、H-200抗体で処置した場合に見られた。活性補体タンパク質の存在、又は非存在下における、培地中の細胞増殖の比較は、補体が、Ab-媒介細胞死において、役割を担わないことを示している(図7参照)。
さらに、細胞死の機序を、マイクロアレイ法を用いて、致死投与量の該H-200 EphB4抗体とインキュベーション後に、インビトロで、癌細胞内で誘発される遺伝子発現の変化を分析することができる。
(実施例4)
ヒト組織における、EphB4の発現:
正常ヒト組織のESTデータベース情報、及びノーザン分析(20)は、腎臓、卵巣、及び胎盤において、EphB4の発現レベルが低く、かつ心臓、肺、抹消神経、及び血管組織においては、さらに発現レベルが低く、かつ脳においては、発現がないことを示している。遺伝子発現が、実質的に翻訳されたタンパク質レベルと相関があるかどうかを決定するために、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))を用いて、これらの組織のウェスタン分析を行った。単一大腸組織試料との比較により、該遺伝子発現レベルが、これらの組織内で産生されるEphB4タンパク質の量に対応していないことが示された(図8)。腫瘍細胞と正常組織との発現量差は、抗EphB4腫瘍治療が、大腸腫瘍に選択的に影響し得ることを示している。
幾つかのハイブリダイゼーションバンドを、ウェスタンブロット分析で得た(データは図示していない)。しかし、該腫瘍試料に特異的であり、かつ試験した全腫瘍試料に共通した、これらのタンパク質バンドの同一性を決定すべきことが残されているが、それは、スプライシングの変化に対応し得る。2つのEphB4のスプライシング変異体(EphB4v1、及びEphB4v2と命名)を同定した。該EphB4遺伝子構造の決定により、EphB4v1は、全体のエキソン16によりコードされている53アミノ酸の欠失を生じることが示されている(図9)。もし、EphB4v1が翻訳されたのであれば、該得られたタンパク質は、細胞内標的にシグナルを伝達する役割を有することが知られている、2つのタンパク質ドメイン、キナーゼドメインとSAMドメイン、双方の部位を欠いているであろう。EphB4v2は、111アミノ酸の欠失を生じる、全体のエキソン6のインフレーム欠失により得られる。EphB4v2は、第一のIII型フィブロネクチン反復を欠いたタンパク質をコードするであろう。III型フィブロネクチン反復の役割は知られておらず、かつこれらの反復の一つを除いた効果は、現時点ではわかっていない。
(実施例5)
EphB4のRT-PCR分析:
EphB4が血管新生の役割を担う可能性があるため、EphB4発現を、内皮細胞内で、RT-PCRを用いて行った。EphB4の低レベルの発現が観測された。しかし、これらの細胞を、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))の存在下で生育した場合、抗体の高濃度下でさえ、細胞生育、又は形態に明白な変化はなかった。また、NIH3T3細胞の生育、及び形態における、該EphB4抗体の効果を試験した。形態的な、又は生育反応はなかった(データは図示していない)。また、該非腫瘍形成性乳腺細胞株MCF10A(乳腺線維嚢胞症(21)の36歳白人患者からの乳房組織から用意した。)を試験し、かつ低レベルでのEphB4発現を観測した。しかし、該抗EphB4抗体に応答はなかった(データは図示していない。)。正常ヒト組織のウェスタン分析から得た結果(実施例5)と合わせて考察すると、これらの結果は、高レベルのEphB4発現を示す組織が、EphB4抗体により、負の影響を受けるであろうことを示している。
前記結果は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))で処置後に、該EphB4遺伝子が、下方制御されることを示している(図10)。これは、該リガンド-レセプター相互作用をブロックし、かつリガンド-誘発RTKシグナルを抑制した後に、ほとんどの抗体が、RTK下方制御、及び該レセプターの内在化を増加させるという発見と一致する。これは、特定の抗体が、標的腫瘍細胞内の細胞内シグナルパターンを変えることにより、腫瘍増殖に影響を与え得るためである。未処置細胞と比較した、Ab-処置細胞内の遺伝子発現の全体的変化を分析することにより、EphB4関連シグナルを伴う遺伝子を同定することができる。
(実施例6)
EphB4抗体-エピトープのマッピング:
商業的に入手可能である、サンタクルズ社製(Santa Cruz)のEphB4 H-200ポリクローナル抗体を、EphB4ヒトレセプターの配列番号1の第201〜400アミノ酸に相当する組換え型タンパク質と対照して挙げる。該配列は、システイン-リッチなドメイン、及び該第一のIII型フィブロネクチン反復を含み、かつ従って、幾つかの異なる抗原領域を認識するであろうと予測された。アミノ酸25個の6つのブロッキングペプチド(5アミノ酸が重なり、20アミノ酸が埋め合わされている)を、図11に示したように、EphB4タンパク質(配列番号:1)の特定のアミノ酸残基に対して設計した。該ブロッキングペプチドは、下記アミノ酸配列を有する。
ペプチド1(配列番号:2):TVNLTRFPETVPRELVVPVAGSCVV
ペプチド2(配列番号:3):GSCVVDAVPAPGPSPSLYCREDGQW
ペプチド3(配列番号:4):EDGQWAEQPVTGCSCAPGFEAAEGN
ペプチド4(配列番号:5):AAEGNTKCRACAQGTFKPLSGEGSC
ペプチド5(配列番号:6):GEGSCQPCPANSHSNTIGSAVCQCR
ペプチド6(配列番号:7):CQCRVGYFRARTDPRGAPCTTPPS
EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製(Santa Cruz Biotechnology))とともに前保温後に、細胞死を抑制するペプチド性能を試験した。最初に、該ペプチドすべての反応混液を試験し、かつトリパンブルー排除(図12)、及びカスパーゼ-3活性アッセイ(図13)を用いた測定に見られるように、細胞死を首尾よく抑制した。次いで、該ペプチドを別々に試験し、かつペプチド1(配列番号:2)、及びペプチド2(配列番号:3)に、部分的な抑制を観測した(図14を参照)。ペプチド1、及びペプチド2は、5つのアミノ酸残基(配列番号:13に示したGSCVV)で重なっており、このアミノ酸配列は、EphB4(配列番号:1)の第221〜225残基に相当し、おそらく反応性エピトープの中核であることを示している。
ペプチドの反応混液を用いた最初の実験は、事実上、2倍モル量のGSCVV(配列番号:13)配列(すなわち、EphB4(配列番号:1)の第221〜225残基)を含んでいたため、ペプチド1(配列番号:2)とペプチド2(配列番号:3)の各々を2倍量にし、さらなるブロッキング実験を、最初の量の該ペプチドと比較した。すべての処置は、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200サンタクルズ社製(Santa Cruz))により生じる腫瘍細胞死の抑制に成功した(図15を参照)。
図16に示すように、該GSCVV(配列番号:13)コアエピトープ配列をつないだ、異なる長さの3つの新たなペプチド(ペプチド7〜9)を、EphB4タンパク質(配列番号:1)の特定アミノ酸残基に基づき、商業的に作成した。該ブロッキングペプチドは、下記のアミノ酸配列を有する。
ペプチド7(配列番号:8):AGSCVVDA
ペプチド8(配列番号:9):VAGSCVVDAV
ペプチド9(配列番号:10):LVVPVAGSCVVDAVPA
しかし、ペプチド8、及び9において、疎水性アミノ酸の数が多く、これらのペプチドは、細胞に適用することができる、溶液すべてに溶けなかった。従って、それ以上の試験が妨げられた。しかし、EphB4(配列番号:1)の第220〜227残基に相当する、アミノ酸配列を有するペプチド7(配列番号:8)を、ブロッキング実験に使用し、かつ細胞を、該EphB4-抗体(H-200サンタクルズ社製(Santa Cruz))単独の添加により生じる該細胞死効果から防ぐことができた。
上述で議論したすべての公報は、本明細書中にその全体が取込まれている。
本明細書中に含まれている、すべての議論した文献、行為、物質、装置、又は論文等は、本発明の内容を提供する目的のためだけのものである。幾つかの、又はすべてのこれらの内容は、先行技術の基礎の一部であり、又は本発明に関する分野において、本出願の各クレームの優先日前に、オーストラリア、又はすべての他の国にある、共通の一般的知識であり、権利を取得するというものではない。
広範囲に記述した本発明の精神、又は範囲から外れることなく、特定の実施態様に示したような、多くの変化、及び/又は変更を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。故に、本実施態様は、実例的、及び非制限的なものとして、すべての事項を考えるべきである。
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(図の簡単な説明)
図1は、3つの異なる大腸癌における、EphB4発現の免疫学的局在性を示し、かつEphB4(配列番号:1)の第200〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)を用いた、対応する正常粘膜を示している。ビオチン化二次抗体による暗染色は、該EphB4タンパク質を示している。核は、ハリスへマトキシリン(Harris haematoxylin)で染色されている。3つの異なる腺癌の高倍率(100×)画像(高識別、中程度識別、貧識別)、及びこれらの対応した正常粘膜を示している。該腫瘍組織の強い染色、及び正常組織の非常に弱い、拡散した染色が、各試料セットについて明らかである。二次抗体のみの交差反応はない(結果は図示せず。)。 図2は、5つの腫瘍(T)/正常(N)ペアにおける、EphB4(1187 bp)、及び内部18S rRNA(489 bp)の発現量を比較した、関連するRT-PCRを示す。5患者からのLM-肝臓転移、及びNL-正常肝臓、Cl-大腸癌細胞株LIM2405、C2-大腸癌細胞株SW480、RT-RTネガティブコントロール、P-PCRネガティブコントロール、M-PUC19/HPAIIマーカー。 図3は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)1/500希薄液で処置した、DMEM 2 ml中の細胞の密集的単層を示す。細胞を該抗体とともにインキュベーションし、24〜48 時間、視覚的応答を生じさせた。該細胞は、穏やかな撹拌で容易に壊れる弱いシートの形態で、培養容器の底に離着した。該培地の色の変化は、細胞死による細胞内容物の漏洩に起因した0.5 pH単位変化のためである。
図4は、48時間後のインビトロにおけるMCF-7細胞増殖に対する、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の増加投与量による効果を示すグラフである。 図5は、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の投与量依存測定を行った、トリパンブルー排除アッセイを示す。生存細胞の数(×100000)(Y-軸)は、該EphB4抗体の3つの異なる希釈液(X-軸)に48時間曝露した後に減少した。1μl/ml添加して72時間後、及び2μl/ml添加して48時間後に残された生存細胞はなかった。 図6は、カスパーゼ-3アッセイを示す。100000細胞当りの相対的カスパーゼ-3活性量(Y-軸)は、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の全希釈液(X-軸)の時に増加する。72時間後の1/200希釈液(1μl/ml)、及び48時間後の1/100希釈液(2μl/ml)では、生存細胞がなかったため、カスパーゼ-3活性を測定しなかった。
図7は、下記の5つの異なるEphB4抗体で処置した、65時間後の乳癌細胞のパーセンテージ生存度を示したグラフである。:(1)マウスEphB4のカルボキシ末端の第825〜第991アミノ酸残基に対応するEphB4ポリクローナル抗体(Swiss);(2)完全体EphB4(配列番号:1)の第16〜34アミノ酸残基である、該EphB4アミノ酸配列のN-末端から最初の19アミノ酸に対応する、N-末端EphB4抗体(N-19サンタクルズバイオテクノロジー社製);(3)EphB4(配列番号:1)の第615〜874アミノ酸残基からなるチロシンキナーゼドメインに対応するカルボキシ末端に対応する、ポリクローナルEphB4 C-末端抗体(C-16サンタクルズバイオテクノロジー社製);(4)EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製);(5)EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200(old)-サンタクルズバイオテクノロジー社製)。細胞を、保存抗体の1/100希釈液(200μl/ml)で処置し、次いでトリパンブルーで染色した(死んだ細胞を染色)。未染色(生存)と染色(非生存)の比を、各処置の4つの異なる分割単位で計算した。コントロール-抗体を加えなかった。CLM-補体制限培地。FCS-10%胎性血清を、培地に加えた。補体は、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応する、該EphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の細胞死効果の役割を担わない。これは、30分間55℃に加熱することにより、細胞正常タンパク質活性培地中で生育した細胞(FCS実験)と、補体タンパク質が不活性となった培地中で生育した細胞(CLM実験)とに抗体を添加した後のパーセンテージ生存度の比較により説明される。
図8は、示された正常ヒト組織、及び代表的な結腸腫瘍(腫瘍)のウェスタン分析を示す。(A)EphB4タンパク質を、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)を用いて同定した。予測された野生型タンパク質は、120 kDaであり、かつ矢印で示した。(B)クーマシーブルーは二重ゲルを染色した。分子量マーカーの大きさを示した。 図9は、野生型EphB4レセプターのドメインと、スプライシング変異体EphB4v1、及びEphB4v2の予測した構造とを比較した概略図である。欠失領域を、*で示した。 図10は、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の1/100希釈液で処置した65時間後(処置)、又は未処置(コントロール)、どちらかの乳癌細胞株MDA-MB-231(231)、MDA-MB-468(468)、Hs578t、MCF7、及びT47D中のEphB4遺伝子、及びPBGD(ハウスキーピングコントロール)の発現を示す。RT-veは、逆転写試薬のみで、コントロールのみを処置したものである。マーカー1-Spp1/EcoR1、及びマーカー2-pUC19/Hpa11。
図11は、標的EphB4配列(ボルドーで示した)の最初の125アミノ酸長で作られた、6つの重なったペプチドの配列[配列番号:2(ペプチド1)〜配列番号:6(ペプチド6)で示した]を示す。該数は、完全体該EphB4タンパク質(配列番号:1、図18に示す)における、アミノ酸の位置を指している。 図12は、コントロール細胞(未処置)、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)のみ(Abのみ)、又は抗体とペプチド反応混液との両方(Ab+全てのペプチド)で処置した細胞における生存度を比較した、トリパンブルー排除アッセイを示す。試験は、2連で行った。 図13は、コントロール細胞(未処置)、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)のみ(Abのみ)、又は抗体とペプチド反応混液との両方(Ab+全てのペプチド)で処置した細胞におけるカスパーゼ-3活性の相対的水準を比較したアッセイを示す。試験は、2連で行った。 図14は、密集的SW480単層を、示したペプチド5μlの存在、又は非存在下、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の1/500希釈液で処置した、48時間後のトリパンブルー排除アッセイの結果を示す。ペプチド1、及び2は、細胞のAb-媒介細胞死から50%抑制を示した。
図15は、ペプチド1(配列番号:2)、又はペプチド2(配列番号:3)の濃度増加(10μlまで)が、細胞死を媒介する、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)から細胞を完全に守ることができ、かつペプチド1、及び2の組合せた(各5μl)効果は等しいことを示している。 図16は、[配列番号:2(ペプチド1)、及び配列番号:3(ペプチド2)で示した]2つの重なったペプチド配列を示し、これらは、培地中の細胞において、EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の機能をブロックすることができ、かつ[配列番号:8(ペプチド7)〜配列番号:10(ペプチド9)で示した]3つのペプチド配列を、関連する配列のさらに狭小化したコア配列GSCVVについて設計した。 図17は、ペプチド7(配列番号:8)が、Ab-媒介細胞死から完全に守っており、かつペプチド2(配列番号:3)の効果と等しいことを示している。EphB4(配列番号:1)の第201〜400細胞外ドメインアミノ残基に特異的に対応するEphB4ポリクローナル抗体(H-200-サンタクルズバイオテクノロジー社製)の1マイクロリットル、及び10 mg/mlの保存ペプチド10μlを、DMEM500μlを有する24-ウェルマイクロタイタープレート内の密集的単層に添加前に、氷上で一緒に2時間、前インキュベートした。 図18は、配列番号:1のアミノ酸配列を示す。配列番号:1は、完全ヒトエフリンタイプ-Bレセプター4(EphB4)のアミノ酸配列である。
図19は、異なるポリクローナル抗体(N-19、H-200、及びC-16)が、黒括弧で示された、標的となっている該EphB4レセプターのモデルを示す。該球形ドメイン(エフリンレセプターリガンド結合性ドメイン)は、EphB4(配列番号:1)の第29〜197残基に対応する。該システイン-リッチ領域(ランブル鞭毛虫変異体-特異的表面タンパク質)は、EphB4(配列番号:1)の第255〜313残基に対応する。III型フィブロネクチンドメイン1は、EphB4(配列番号:1)の第324〜414残基に対応する。III型フィブロネクチンドメインは、EphB4(配列番号:1)の第437〜517残基に対応する。膜貫通ドメインは、EphB4(配列番号:1)の第540〜560残基に対応する。チロシンキナーゼドメインは、EphB4(配列番号:1)の第615〜874残基に対応する。SAM(無菌アルファモチーフ)ドメインは、EphB4(配列番号:1)の第904〜971残基に対応する。PDZドメインは、EphB4(配列番号:1)の第985〜987残基に対応する。該EphB4アミノ酸配列に関連したこれらのドメインの位置は、最近報告されたNCBI受入番号NP004435から得た情報に基づく。該N-19抗体は、完全体EphB4(配列番号:1)の第16〜34アミノ酸残基である、該EphB4アミノ酸配列のN-末端から最初の19アミノ酸を、マップしている。該C-16抗体は、該チロシンキナーゼドメインに対応する。該H-200抗体は、該システインリッチ、及び該フィブロネクチンドメインに渡る細胞外ドメイン内のEphB4(配列番号:1)の第201〜400残基に特異的に対応する。 図20は、設計されたペプチド11(配列番号:12)の配列を示し、この野生型配列において、電荷を運ぶアスパラギン酸(D)が、似た側鎖構造アスパラギン(N)を有する無電荷アミノ酸で置換されている、提案されたエピトープ配列、及びペプチド10(配列番号:11)を含む。ボルドーフォントの数、及び配列は、完全体EphB4タンパク質の該アミノ酸の位置を指す。

Claims (16)

  1. 細胞の癌性増殖を抑制する医薬組成物であって、抗体又はその抗原結合部位を含み、該抗体又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中にあるエピトープに結合するものであり、該エピトープがアミノ酸配列GSCVV(配列番号:13)を含むものである、前記医薬組成物。
  2. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項1、又は2記載の医薬組成物。
  4. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. 癌細胞の細胞死を誘発する医薬組成物であって、抗体又はその抗原結合部位を含み、該抗体又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中にあるエピトープに結合するものであり、該エピトープがアミノ酸配列GSCVV(配列番号:13)を含むものである、前記医薬組成物。
  6. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項に記載の医薬組成物。
  7. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項、又は記載の医薬組成物。
  8. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項5〜7のいずれか1項記載の医薬組成物。
  9. 対象の癌を治療、又は予防する医薬組成物であって、抗体又はその抗原結合部位を含み、該抗体又はその抗原結合部位は、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基中にあるエピトープに結合するものであり、該エピトープがアミノ酸配列GSCVV(配列番号:13)を含むものである、前記医薬組成物。
  10. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項記載の医薬組成物。
  11. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項、又は10記載の医薬組成物。
  12. 該抗体、又はその抗原結合部位が、EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基中にあるエピトープに結合するものである、請求項9〜11のいずれか1項記載の医薬組成物。
  13. 細胞の癌性増殖を抑制する薬剤の同定方法であって、EphB4(配列番号:1)の第200〜400残基領域内のEphB4ポリペプチドに結合する該薬剤性能を評価することを含み、該領域がアミノ酸配列GSCVV(配列番号:13)を含むものである、前記方法。
  14. EphB4(配列番号:1)の第201〜245残基領域内のEphB4ポリペプチドに結合する該薬剤性能を評価することを含む、請求項13記載の方法。
  15. EphB4(配列番号:1)の第220〜244残基領域内のEphB4ポリペプチドに結合する該薬剤性能を評価することを含む、請求項13、又は14記載の方法。
  16. EphB4(配列番号:1)の第220〜230残基領域内のEphB4ポリペプチドに結合する該薬剤性能を評価することを含む、請求項13〜15のいずれか1項記載の方法。
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