JP4799130B2 - Icチップおよびicチップの作製方法 - Google Patents

Icチップおよびicチップの作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線チップ、無線IC、RFIC、ICタグなどの無線によりデータを受信したり、送信したり、又は双方向で送受信をするためのアンテナを備えたICチップ及びその作製方法に関する。また、本発明は、無線にてデータを受信したり、送信したり、双方向で送受信するためのICチップに用いられるアンテナ及びその作製方法に関する。
近年、無線タグ、ICタグ、非接触型のICカードのように、データを無線で送受信する機能を持ったICの開発が盛んに進められている。ICタグ、非接触型のICカード共に、無線でデータを送受信するためアンテナが必要になる。
アンテナには、ICチップ上に直接形成する内蔵型と、ICチップとは別の基材に形成された外付型がある。大きなアンテナにすることで通信距離を延ばせるとの長所から、外付型のアンテナコイルが主流である。
外付型のアンテナの製造方法として、エッチングを用いた方法、印刷法等が知られている。エッチング式の場合、蒸着あるいは貼り合わせなどによりプラスチック基板に形成された銅、アルミニウムなどの金属箔をフォトリソ工程とエッチング工程にて所望の形状に形成される。また、印刷式の場合は、スクリーン印刷法などの技術を用いて、フィルム状の基材上に導電性ポリマーをアンテナコイルの形状に印刷している。
アンテナとして作用する配線はそれを支持する絶縁基材上に形成されるが、電気抵抗の点から、配線は数十μmの厚さが必要とされる。そのため配線による凹凸が比較的大きくなり、アンテナの封止形態や、アンテナを実装する製品の形態自体を制限することがある。また、アンテナの配線間に異物が混入しやすくなり、その結果電気的な特性を低下させたり、製造の歩留まりを低下させたりし易い。このような問題に対処するには、アンテナの配線間の凹部を絶縁性材料で埋め込み、アンテナ表面を平坦化させればよい。
絶縁性材料の形成方法として、CVD法等で無機の絶縁膜を成膜する方法があるが、配線間の凹部だけを選択的に成膜するのは困難である。そのため、エッチバック法など別の工程が必要になる。また、有機樹脂材料を塗布する方法もあるが、配線の厚さが数十μmもあることから、有機樹脂膜を厚く形成する必要があり、接続端子の形成が困難になったり、アンテナの感度を低下させたりするという問題がある。
また、外付型のアンテナでは、アンテナを集積回路に実装する工程が別に必要であり、その結果必要な材料や装置が増え、低コスト化の妨げの要因の1つとなる。
上記の問題点を鑑み、本発明は、配線による段差をなくし、表面(上面及び下面)が平坦なアンテナ及び、このようなアンテナを備えたICチップを提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、アンテナの作製と集積回路とアンテナの実装とを容易にしたICチップ及びその作製方法を提供することを目的の一つとする。
本発明のICチップは、導電膜、第1の樹脂膜、集積回路及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体、又は集積回路、第1の樹脂膜、導電膜及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体が前記第2の樹脂膜を外側にロール状に巻かれており、前記帯状又は線状の導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。また、前記導電膜は帯状又は線状であることを特徴とする。
上記本発明のICチップは、表面が第1及び第2の樹脂膜で覆われていることを特徴とする。また、第1および第2の樹脂膜は、同じ材料でなる膜とする方が好ましい。熱膨張係数が同じになるからである。
本発明のICチップにおいて、前記積層体において、導電膜、集積回路をそれぞれ2層以上積層してもよい。その場合、導電膜と導電膜、集積回路と集積回路又は導電膜と集積回路の間に樹脂膜を挟めばよい。また、ロール状にしたとき樹脂膜が表面になるようにすればよい。
本発明のICチップの作製方法は、導電膜、第1の樹脂膜、複数の集積回路及び第2の樹脂膜を少なくとも積層した積層体、又は集積回路、第1の樹脂膜、帯状又は線状の導電膜及び第2の樹脂膜を少なくとも積層した積層体を前記第2の樹脂膜側を外側に巻いてロール状にし、前記第1及び第2の樹脂膜を軟化させ、前記導電膜を前記集積回路に電気的に接続させた状態で、前記積層体をロール状に固定し、前記積層体を断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって切断することを特徴とする。
上記本発明のICチップの作製方法において、前記導電膜はシート状であることを特徴とする。
上記本発明のICチップの作製方法において、前記導電膜は線状又は帯状に成形されていることを特徴とする。
本発明のICチップの作製方法は、前記積層体において、導電膜、集積回路をそれぞれ2層以上積層してもよい。この場合、導電膜と導電膜、集積回路と集積回路、又は導電膜と集積回路の間に樹脂膜を挟めばよい。また、ロール状にしたとき樹脂膜が表面になるようにすればよい。
本発明のアンテナは、樹脂膜と帯状又は線状の導電膜を少なくとも1層ずつ重ねたものがロール状に巻かれていることを特徴とする。また、本発明のアンテナは、樹脂膜と帯状又は線状の導電膜を重ねたものがロール状に巻かれ、前記導電膜の接続部をのぞいて、表面が前記樹脂膜に覆われていることを特徴とする。
本発明のアンテナにおいて、導電膜を2層以上積層してもよい。この場合、ロール状にしたとき樹脂膜が表面になるようにすればよい。この場合、樹脂膜を複数用いるときは、全ての膜の熱膨張係数を等しくするため、同じ材料とする方が好ましい。
本発明のアンテナの作製方法は、樹脂膜上に導電膜を重ねてロール状にし、前記樹脂膜を軟化させて、前記樹脂膜と前記導電膜をロール状に固定し、断面に前記導電膜のロールが現れる方向にそって、前記積層体を切断することを特徴とする。
上記のアンテナの作製方法において、前記導電膜はシート状であることを特徴とする。また、上記のアンテナの作製方法において、前記導電膜は、対向して配置された一対の帯状又は線状の第1のパターンの間に、帯状又は線状の第2のパターンが複数平行に配置されたものが一体になったものであることを特徴とする。
本発明のアンテナ作製方法において、樹脂膜を間に挟んで導電膜を2層以上積層してもよい。この場合、ロール状にしたとき樹脂膜が表面になるようにすればよい。
本発明のICチップは導電膜と樹脂膜を共にロール状に巻いているため、アンテナとなる導電膜の凹部をその樹脂膜で埋めことができ、その結果アンテナの配線間に異物が混入することがなくなる。また、本発明のICチップは上面及び下面が平坦なものとなっている。そのため、ICチップを物品に取り付けやすくなる。また、物品の外観、美観を損なうことなく、アンテナを実装したICチップを取り付けることができる。
本発明では、集積回路と導電膜とを電気的に接続させたロール状の積層体を切断するという非常に簡便な方法により、アンテナを実装したICチップを作製することができる。すなわち、アンテナの作製と、アンテナと集積回路との実装とを一連の作製工程の中で行うことができる。また、本発明により、アンテナを実装された上面及び下面が平坦なICチップを容易に作製することができる。
本発明のアンテナは導電膜と樹脂膜を共にロール状に巻いているため、アンテナとなる導電膜の凹部をその樹脂膜で埋めことができる。よって、上面及び下面は平坦なものとなっている。
本発明では、導電膜と樹脂膜をロール状にし、切断するという非常に簡便な方法によりアンテナを形成することができる。そして、本発明の作製方法により、アンテナとなる導電膜の凹部をその樹脂膜で埋めることができる。よって、本発明のアンテナは、アンテナとなる導電膜の凹部がその樹脂膜で埋められることにより、上面及び下面が平坦になり、配線間に異物が混入することが防止できる。また、両面が同じ形状になるため、集積回路への実装工程が容易である。また、アンテナの両面に集積回路を実装することができる。
以下、実施形態において本発明を説明する。本発明の主旨を逸脱しないかぎり、各実施形態において、材料、寸法、製造方法などを変更したり、組み合わたりすることができることはいうまでもない。
[実施形態1] 図1〜図6を用いて、本実施形態ではアンテナ付きのICチップおよびその作製方法を説明する。
アンテナの配線を形成するためのシート状の導電膜11、複数の集積回路12、集積回路にアンテナを固定するための樹脂膜13、14を用意する。図1に示すように、導電膜11、樹脂膜13、集積回路12、樹脂膜14が順次に積層される。
導電膜11としては、銅やアルミニウム等の金属箔を用いることができる。導電膜11の膜厚で最終的なアンテナの線幅が決まる。導電膜11の膜厚は90〜150μmとすればよい。
図2(A)は、樹脂膜14上に設けられた集積回路12の上面図であり、図2(B)は図2(A)の線A−A’における集積回路12の断面図である。集積回路12は樹脂膜14上に複数形成される。集積回路12は最終的にロール状にするために帯状又は線状に形成され、その両端にはアンテナを接続するための接続部15が設けられている。接続部15としては、本実施形態では半球体状のバンプを用いたが、この形状に限定されるものではない。例えば、先の尖ったくさび型としてもよい。
集積回路12は、主として電源部と、CPUやメモリを備えたロジック部とで構成される。電源部は、アンテナで受信した信号により電源を作る整流回路と、作りだした電源を保持するための保持容量などからなる。ロジック部は、受信した信号を復調する復調回路、クロック信号を生成するクロック回路、各コード認識や判定するための認識・判定回路、メモリからデータを読み出すための信号を受信信号により作り出すメモリコントローラ、メモリから読み出したデータを符号化する符号化回路、符号化した信号を受信信号にのせるための変調回路、データを保持するマスクROMなどからなる。
集積回路12の作製方法は、有機TFTやアモルファスシリコンTFT(薄膜トランジスタ)、微結晶シリコンTFT(薄膜トランジスタ)等により集積回路を樹脂膜14上に直接形成する方法、また、樹脂膜14とは別の基体、例えばガラス基板や石英基板を用い、この基板上に結晶性シリコンTFT(薄膜トランジスタ)を主として用いた集積回路を形成し、しかる後、製造に用いた基板と集積回路とを分離し、分離した集積回路を樹脂膜14に固定することで形成することができる。後者の作製方法については、実施形態5、6において後述する。
集積回路12を樹脂膜14上に設けたが、樹脂膜14とは別の可撓性の基板を別途用いることもできる。このような可撓性基板として、代表的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)などのフィプラスチックでなるフィルムや、アクリルなどの合成樹脂でなるフィルムを用いることができる。
樹脂膜13、14には、後述するように導電膜11と集積回路12とを接着するために、熱や紫外線などのエネルギーを与えることで軟化し、再度硬化する性質の樹脂が用いられる。代表的には、熱可塑性樹脂膜、ホットメルトシートが用いられる。本実施形態を含め、以下の実施形態では、樹脂膜13、14に熱可塑性樹脂膜を用いた例を説明する。
熱可塑性樹脂膜として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等のビニル系共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、エチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂等でなるフィルム状の基材を用いることができる。
導電膜11、樹脂膜13、集積回路12及び樹脂膜14を重ねた積層体を、図3に示すように、樹脂膜14を外側にして、巻いてロール状にする。このとき、ロールの中心部に空洞ができないように巻くことが好ましい。そのため、導電膜11を一回乃至複数回巻いて芯にしてから巻いている。なお図3では、導電膜11を1回ほど巻いているだけであるが、巻く回数はこれに限定されない。また、芯にする膜は導電膜11に限定されるものではなく、積層体に含まれるいずれの膜でもかまわない。導電膜11が好ましいのは、樹脂膜11、14よりも固いことであり、また集積回路12のような複雑な構造でないため、巻くことが容易である点である。
ロール状に巻いた積層体にエネルギーを加えることで樹脂膜13、14を軟化させ、しかる後硬化させることで、積層体の膜同士を接着して、ロール状に固定する。
本実施形態では樹脂膜13、14に熱可塑性の樹脂を用いたため積層体を所定の温度で加熱し、樹脂膜13、14を軟化させる。樹脂膜13、14が軟化している状態で、導電膜11と集積回路12の接続部15が物理的に接するように積層体を圧着する。また、このようにロール状の積層体を形成するために熱を加えるので、樹脂膜13と樹脂膜14は熱膨張が同じになるように同じ材料の膜を使用するのが好ましい。
樹脂膜13、14が硬化することにより、図3に示すように、前記積層体がロール状に巻かれた状態に固定される。このとき、導電膜11と接続部15が物理的に接していることにより、導電膜11と集積回路12が電気的に接続される。図3では、ロールの横断面が矩形状であるがこの形状に限定されるものではない、円状、長円状、三角形状、多角形状などにしてもよい。
図3に示すように、横断面方向(断面にロール状の導電膜11などが現れる方向)にそって、スライサーまたはワイヤーソーなどにより、ロール状にした積層体をスライス(切断)し、ICチップ17を形成する。図3において点線は切断箇所を示している。切断するときは、集積回路12が切断されないように、導電膜11、樹脂膜13、14を切断している。
図4はICチップ17の外観図であり、図5はICチップ17の横断面方向で切った断面図である。図5に示すように、スライスされたことにより線状又は帯状となった導電膜11が、ロール状に巻かれ、そのロールの巻き始め付近と巻き終わり付近で接続部15を介して集積回路12に電気的に接続され、アンテナとして機能する。
図4に示すように、ICチップ17の表面のほとんどは樹脂膜13、14で覆われている。ICチップ17の上面及び下面(切断面に相当する面)では、導電膜11が露出しているが、導電膜11の間の凹部は樹脂膜13、14で埋められており、ICチップ17の上面及び下面は共に平坦になっている。
ICチップ17の上面及び下面において、導電膜11が露出しているため、図6に示すようにICチップ17を2枚のフィルム18で封止することが好ましい。ICチップ17がハンドリングしやすくなり、また導電膜11の劣化を防げるからである。フィルム18としては、熱硬化性の樹脂でなるフィルムが好ましい。
以上、本実施形態では、アンテナを形成すると同時に、アンテナと集積回路を電気的に接続することができ、プロセスが簡単化し、作製に必要な材料、製造装置を少なくできる。
[実施形態2] 図7〜図11を用いて、本実施形態では、ICチップの作製方法を説明する。本実施形態は、実施形態1の変形例であり、予めアンテナとなる導電体を所定の形状に成形した例である。
図8に示すように、アンテナとなる帯状又は線状の導電膜31を樹脂膜13上に複数形成する。他は実施形態1と同様に、集積回路12、集積回路にアンテナを固定するための樹脂膜13、14を用意する。
導電膜31を形成するには、樹脂膜13表面に、銅やアルミニウムでなる金属箔を貼り付けたり、スパッタリング法や蒸着法により、銅やアルミニウムなどの導電膜を成膜し、得られた導電膜をエッチングして、線状又は帯状とすればよい。また、スクリーン印刷等の印刷法や、インクジェット方式の成膜方法により、樹脂膜13表面に導電性樹脂を帯状又は線状に印刷もしくは描画して、導電膜31を形成してもよい。また、導電膜31を設ける基体として樹脂膜13をそのまま用いる代わりに、上述した材料でなる可撓性基板を用いてもよい。
以降の工程は、実施形態1と同様にして、無線チップとして機能するアンテナ付きICチップを形成する。図7に示すように導電膜31、樹脂膜13、集積回路12、樹脂膜14を順次に積層し、積層体を形成する。このとき、導電膜31と集積回路12が同じ向きになるように、また、導電膜31と集積回路12が一対一に対応するように、導電膜31、集積回路12が、それぞれ、樹脂膜13、14上に配置されている。
樹脂膜14を外側にして、積層体をロール状に巻く。本実施形態でも実施形態1と同様に、ロールの中心が空洞にならないように、積層体のいずれかの膜を芯にして巻くことが望ましい。本実施形態2でも、実施形態1と同様、導電膜31を複数回巻いた芯を作って積層体を巻いている。他の膜でも良い。
ロール状に巻かれた積層体を加熱し、樹脂膜13、14を軟化させる。また樹脂膜13、14が軟化している状態で、導電膜31と集積回路12の接続部15が物理的に接するように積層体を圧着する。樹脂膜13、14が再び硬化することにより、図9に示すようにロール状の積層体が得られる。本実施形態では、ロールの横断面形状が矩形状であるが、この形状に限定されるものではなく、円状、長円状、三角形状、多角形状などにしてもよい。
次に、横断面方向(断面にロール状の導電膜31などが現れる方向)にそって、スライサーまたはワイヤーソーなどにより、ロール状に固定された積層体をスライス(切断)し、ICチップ37を形成する。図9の点線は切断箇所を示している。切断するときは、導電膜31及び集積回路12を切断せず、樹脂膜13、14だけが切断される。
図10はICチップ37の外観図であり、図11はICチップ37を横断面方向で切った断面図である。図11に示すように、導電膜31は、ロール状に巻かれ、そのロールの巻き始め付近と巻き終わり付近で、接続部15を介して集積回路12に電気的に接続される。このような構成により導電膜31がアンテナとして機能する。
図10に示すように、本実施形態のICチップ37でも、樹脂膜13、14と共に導電膜31及び集積回路12をロール状にし、しかる後スライスするという作製方法を採用することで、導電膜31及び集積回路12共にその凹部が樹脂膜13、14で埋まっているため、ICチップ37の上面及び下面は平坦になっている。
さらに、ICチップ37の全表面は樹脂膜13、14で覆うことができるため、実施形態1のICチップ17よりも機械的強度が高く、ハンドリングしやすいものとなっている。必要であれば、ICチップ37も実施形態1と同様にフィルムで封止してもよい。この場合もフィルムとして熱硬化性の樹脂を用いるのが好ましい。ICチップ37の表面を樹脂膜13、14で覆うことができたのは、導電膜31をICチップ37の厚さよりも狭い帯状又は線状に予め成形したことによる。
以上のように、本実施形態は、アンテナを形成すると同時に、アンテナと集積回路を電気的に接続することができるため、プロセスが簡単化し、製造に必要な材料、製造装置を少なくできる。
実施形態1及び2では、アンテナとなる導電膜を外側に集積回路を内側にしてロール状に巻いているが、導電膜と集積回路の積層順序を逆にして、集積回路を外側にアンテナとなる導電膜を内側にしてロール状に巻くこともできる。
実施形態1及び2において、アンテナとなる導電膜11、31及び樹脂膜13、14の厚さは、積層体をロール状に巻くことができる厚さであれば良く、例えばそれぞれの厚さを1〜500μmとする。実施形態1及び2では導電膜11、31の厚さでアンテナの線幅が決まる。よって、導電膜11、31の厚さを30〜100μm、さらに1〜30μmと薄くすることで、従来の作製方法では困難であった線幅が細いアンテナを得ることができる。また、樹脂膜13、14の厚さによって、アンテナの配線間のピッチが変わる。樹脂膜13、14の厚さは代表的には30〜50μmが選ばれるが、1〜30μmとさらに薄くすることで、アンテナの配線間のピッチが狭いICチップを容易に作製することができる。
実施形態1及び実施形態2では、アンテナとなる導電膜、集積回路を1層ずつ積層したが、それぞれ、2層以上積層してもよい。この場合、導電膜と集積回路の積層順序は任意である。少なくとも、導電膜と導電膜、集積回路と集積回路又は導電膜と集積回路の間に樹脂膜が挟まれ、またロール状にしたとき表面が樹脂膜になるよう積層されていればよい。また、集積回路を2層以上用いた場合は、全ての層の集積回路がアンテナとなる導電膜となる接続部を有していなくともよい。また、全ての層の集積回路が帯状又は線状でなくともよい。
[実施形態3] 図12〜図16を用いて、本実施形態では、アンテナの作製方法及びICチップの作製方法を説明する。
シート状の導電膜41、樹脂膜42を用意し、図12に示すように積層する。導電膜41はアンテナの配線を形成するための導電体である。導電膜41として、実施形態1の導電膜11と同様、銅やアルミニウム等の金属箔、蒸着や接着等により銅、アルミニウムなどの導電膜を表面に密着形成したプラスチックのような樹脂の可撓性基板を用いることができる。
樹脂膜42は、導電膜41をロール状にするための接着剤として機能し、また、アンテナの基体として機能するものである。樹脂膜42は熱や紫外線などのエネルギーを与えることで軟化し、再度硬化する性質の樹脂が用いられる。代表的には、実施形態1、2と同様、熱可塑性樹脂膜、ホットメルトシートが用いられる。本実施形態では、樹脂膜42に熱可塑性樹脂膜を用いた例を説明する。
図13のように、樹脂膜42を外側にして、導電膜41と樹脂膜42の積層体をロール状に巻く。本実施形態では、断面を矩形状としたが、円状、長円状、三角形状、多角形状など任意の形状とすることができる。
ロール状に巻いたときに中心に空洞ができないようにすることが好ましい。そのため、導電膜41を一回乃至複数回巻いて芯を作ってからロールを巻き始めるとよい。
そして、所定の温度で加熱し、樹脂膜42を軟化させ、しかる後樹脂膜42を硬化させることで導電膜41と樹脂膜42を重ねてロール状に固定する。
図13に示すように、横断面方向(断面にロール状の導電膜41が現れる方向)にそって、スライサーまたはワイヤーソーなどにより、ロール状の積層体をスライス(切断)し、シート状もしくはチップ状のアンテナ45を形成する。図13の点線は切断箇所を示している。
図14はアンテナ45の外観図である。硬化した樹脂膜42により、導電膜41がロール状又はコイル状に成形されている。アンテナ45の上面及び下面(切断面に相当する面)は、導電膜41の間が樹脂膜42で埋め込まれて、平坦なものとなっている。そのため、アンテナの配線間に異物が混入することが防止できると共に、ICチップなどに実装するときの形状による制約を小さくすることができる。また、後述するように、ロールの巻き始めがアンテナの接続部分になるため、導電膜41を一回乃至複数回巻いて、芯を作っておいたことで接続部分の面積を広くするという効果がある。巻き終わりも、後述するように、アンテナの接続部分となるため、巻き終わり部分も巻き始めのように導電膜41だけを芯のように巻いておくと、接続部分の面積を広くすることができる。
そして、図15(A)に示すように、集積回路46をアンテナ45に実装することで、無線チップと機能するアンテナ付きICチップ47が形成される。アンテナ45に実装するときは、アンテナ45の導電膜41の巻き始め付近、巻き終わり付近がアンテナ45に電気的に接続されるようにする。集積回路46とアンテナ45を電気的に接続する場合は、導電性ペースト、導電性フィルムなど樹脂膜42を変成させない材料を用いる。
本実施形態のアンテナ45は、上面及び下面(表・裏)が同じ形態であるため、表・裏を決めるアライメントが不要になり、実装工程が簡単になる。また、図15(B)のようにアンテナ45の両面に集積回路46を実装することができる。両面に集積回路46を実装することで、冗長性が得られる。また、無線チップの専有面積を広げずに、扱える情報量を増やすことができたり、また一方の集積回路46で受信したり、検知した情報を他方の集積回路46に伝達する形態の無線チップとすることもできる。
図16に示すように、得られたICチップ47を2枚のフィルム48で封止する。アンテナ45の上面及び下面で導電膜41が露出しているため、フィルム48で封止することで、ICチップ47がハンドリングしやすくなり、また劣化を防げるという効果がある。フィルム48としては、熱硬化性の樹脂でなるフィルムが用いられる。
[実施形態4] 図17〜図21を用いて、本実施形態ではアンテナの作製方法を説明する。
図17に示すように、所定の形状の導電膜51を樹脂膜52上に形成する。樹脂膜52は実施形態3の樹脂膜42と同様のものを用いればよい。
導電膜51はアンテナとなる導電体である。導電膜51を所定の形状に形成するには、樹脂膜52表面に、銅やアルミニウムでなる金属箔を貼り付けたり、スパッタリング法や蒸着法により、銅やアルミニウムなどの導電膜を成膜し、得られた導電膜をエッチングする方法がある。また、樹脂膜52表面に、スクリーン印刷法等の印刷法やインクジェット方式の成膜方法などにより、導電性樹脂を印刷もしくは描画して、導電膜51を形成する方法がある。
図18は導電膜51の上面図である。導電膜51は、アンテナの本体となる部分であって、線状又は帯状の複数の導電膜53と、各アンテナの接続部となる部分であって、帯状又は線状の導電膜54、54’とが一体となったものである。すなわち、導電膜51の形状は一対の帯状又は線状のパターンの間に、帯状又は線状のパターンが複数平行に配置されたものが一体になったパターンとなっている。
以降、実施形態3と同様にアンテナを作製すればよい。図19に示すように、樹脂膜52を外側にして、導電膜51と樹脂膜52の積層体をロール状に巻く。ロール状に巻いたときに中心に空洞ができないようすることが好ましい。そのため、導電膜51のうちの導電膜54の部分を一回乃至複数回巻いて芯を作ってからロールを巻き始めるとよい。また、本実施形態では、ロールの断面を矩形状したが、円状、長円状、三角形状、多角形状など任意の形状とすることができる。
そして、積層体を所定の温度で加熱し樹脂膜52を軟化させる。しかる後樹脂膜52が硬化し、図19に示すように、ロール状に固定された積層体が得られる。
次に、横断面方向(断面にロール状の導電膜51が現れる方向)にそって、スライサーまたはワイヤーソーなどにより、ロール状の積層体をスライス(切断)し、シート状もしくはチップ状のアンテナ55を形成する。図19の点線は切断箇所を示している。このとき、導電膜51の53の部分を切断せず、樹脂膜52及び導電膜51の54、54’の部分だけが切断される。
なお、導電膜54はロールの巻き始めとなるので、アンテナの接続部分になる。そのため、導電膜54の部分を一回乃至複数回巻いて芯を作っておいたことで接続部分の面積を広くするという効果がある。また、巻き終わりもアンテナの接続部分となる。そのため、巻き終わり部分となる導電膜54’も導電膜54と同様に一回乃至複数回巻いて芯を作っておくとよい。
図20はアンテナ55の外観図であり、図21はアンテナ55を横断面方向に切断した断面図である。図21に示すように、硬化した樹脂膜52により導電膜51の53の部分がロール状又はコイル状に成形され、アンテナとして機能する。
図20に示すように、アンテナ55は上面及び下面(切断面に相当する面)では、ロールの巻き始めと巻き終わりの2カ所だけで導電膜51が露出し、他は樹脂膜52で覆われている。この露出した部分は導電膜54、54’の部分であり、アンテナの接続部として機能する。このように、本実施形態のアンテナ55は、接続部となる導電膜54、54’以外は全て樹脂膜52で封止されている。更に、導電膜51の間に樹脂膜52が埋め込まれて上面、下面とも平坦であるという長所がある。そのため、機械的強度が高く、ハンドリングしやすいという利点がある。また、形状による実装の制約を小さくすることができる。
これは、アンテナ本体となる導電膜53をアンテナ55の厚さよりも細く、線状又は帯状に成形したこと、また、いずれの切断面でも導電膜51が露出するように、導電膜54、54’を成形しためである。
アンテナ55は、上面及び下面(表・裏)が同じ形態である。そのため、ICチップにアンテナ55を実装するとき、表・裏のアライメント工程が不要であり、実装工程が簡単になる。またアンテナ55の両面にICを実装することができる。
本実施形態のアンテナ55を用いて、無線チップとして機能するアンテナ付きICチップを形成するには、実施形態3と同様に、アンテナ55に片面又は両面にICチップに実装すればよい。得られたアンテナ付きのICチップは必要に応じて、熱硬化性の樹脂でなるフィルムにより封止する。
実施形態3及び4において、アンテナとなる導電膜41、51及び樹脂膜42、52の厚さは、積層体をロール状に巻くことができる厚さであれば良く、例えばそれぞれの厚さを1〜500μmとする。実施形態3及び4では導電41、51の厚さでアンテナの線幅が決まる。よって、導電膜41、51の厚さを30〜100μm、さらに1〜30μmと薄くすることで、従来の作製方法では困難であった線幅が細いアンテナを容易に作製することができる。また、樹脂膜42、52の厚さによって、アンテナの配線間のピッチが変わる。樹脂膜42、52の厚さは代表的には30〜50μmが選ばれるが、1〜30μmとより薄くすることで、配線間のピッチが狭いアンテナを容易に作製することができる。
[実施形態5] 図22、図23を用いて、本実施形態では、実施形態1、2の可撓性の集積回路12の作製方法の一例を説明する。もちろん、得られた集積回路は実施形態3、4のアンテナが実装される集積回路として用いることもできる。
集積回路100を作製するための基板101を用意する。基板101上に作製された薄膜集積回路101は後に集積回路100から分離するため、基板101は再利用することができる。基板101としては、石英基板が望ましい。基板101は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したもの、製造中の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。
基板101の上面に剥離膜102となる薄膜を形成する。剥離膜102は、集積回路100の作製中において、集積回路100を基板101に密着させる機能を有し、集積回路100が完成した後は、集積回路100に影響を与えずに除去されるものである。
図22(A)、(B)に示すように、この剥離膜102となる薄膜をフォトリソグラフィ法とエッチング法により、個々の集積回路100が形成される領域に剥離膜102を形成する。図22(B)は基板101の上面図であり、図22(A)は図22(B)の破線B−B’の断面図に対応する。
図22(B)の剥離膜102中の点線で示す矩形の領域が最終的に集積回路100が形成される箇所である。剥離膜102を予めエッチングして、不要な箇所を除去しておくことで、後に剥離膜102を除去しやすくなる利点がある。必要がなければ、剥離膜102をエッチングせず、基板101の全面に設けたままでもよい。
剥離膜102となる薄膜は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、鉛(Pb)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる単層膜である。又はこれらの単層膜から選ばれた積層膜である。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。剥離膜102となる薄膜の成膜方法はスパッタリング法やプラズマCVD法等公知の成膜手段を用いればよい。
代表的には、剥離膜102は、タングステン又はタングステン、モリブデン、又はタングステンとモリブデンの混合物、タングステン又はモリブデンの酸化物、タングステン又はモリブデンの窒化物、タングステン又はモリブデンの酸化窒化物、タングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物又は酸化窒化物から選ばれた材料でなる単層膜が用いられる。またはこれらの単層膜から選択した多層膜が用いられる。タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。タングステンの酸化物は、酸化タングステンと表記することがある。
例えば、剥離膜102として、タングステン層上にタングステン酸化物層を積層した膜とする場合は、タングステン層の上面に酸化珪素膜を形成することで、酸化珪素とタングステン層の界面に形成されるタングステンの酸化物を含む層が形成されることを利用してもよい。また、2層目にタングステンの窒化物を形成する場合は、窒化珪素膜を形成し、酸化窒化物を形成する場合は、酸化窒化珪素膜を形成すればよい。この場合、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜は後述の絶縁膜103として用いることができる。
次に、図22(C)に示すように剥離膜102を介して基板101の上面を覆う絶縁膜103を形成する。絶縁膜103は下地膜として機能し、また不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。例えば、絶縁膜103として、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜の単層膜又は多層膜を形成する。
絶縁膜103を多層膜とする場合の例を示す。窒素、珪素、酸素の組成比が異なる2層の酸化窒化珪素膜を設ける。下層の酸化窒化珪素膜の方が窒素の含有量が上層よりも大きくなるようにする。また、3層構造の場合、上から1層目は酸化珪素膜を、上から2、3層目は組成比の異なる酸化窒化珪素膜とし、基板側の方が窒素の含有量が高い膜とする。
図22(D)に示すように、絶縁膜103上にトランジスタ、コンデンサー、抵抗などを形成し、所望の機能を有する集積回路を形成する。図22(D)では、体表的にNチャネル型の薄膜トランジスタ105とPチャネル型の薄膜トランジスタ106でなるインバーターを示した。
図22(E)に示すように、Nチャネル型の薄膜トランジスタ105、Pチャネル型の薄膜トランジスタ106などでなる集積回路を覆って、絶縁膜107を形成する。絶縁膜107は無機材料の絶縁膜、有機材料でなる絶縁膜の単層又は積層で形成する。また、薄膜トランジスタなどによる集積回路の凸凹を平坦化することができるように、絶縁膜107を形成するのが好ましい。そのため、少なくとも絶縁膜107の1層はアクリル、ポリイミド、ポリイミドアミドなどの有機樹脂膜や、SOG膜のような溶液を塗布して形成する無機材料でなる絶縁膜を形成するとよい。
次に、図23(A)及び(B)に示すように、剥離膜102が露出するように、絶縁膜103を含め、剥離膜102上に形成されている積層物をエッチングして、集積回路100ごとに分離する。図23(B)は基板101の上面図であり、図23(A)は図23(B)の破線B−B’の断面図に対応する。
次に、剥離膜102を除去する。本実施形態では剥離膜102をエッチングで除去する。上記の材料でなる剥離膜102を形成した場合は、フッ化ハロゲン又はハロゲン間化合物を含む気体又は液体をエッチング剤に用いることができる。例えば、三フッ化塩素(ClF)ガスが使用できる。図23(C)に示すように、剥離膜102がエッチングされることにより、集積回路100が基板101から分離し、剥離される。その結果、集積回路100自体は可撓性を有することとなる。
図23(D)に示すように、基板101から分離された集積回路100の一方の面に基板110を固定する。基板110は可撓性の基板であり、実施形態1、2の樹脂膜14に相当する(図2など参照のこと。)。本実施形態では、基板110を絶縁膜103側に固定したが、もちろん絶縁膜107側に固定してもよい。図2のように、帯状又は線状の集積回路100は基板110上に平行に複数配置される。
実施形態1、2に説明した工程に従い、基板110上の可撓性の集積回路100を用いることで、アンテナ付きのICチップを作製することができる。集積回路100のアンテナとの接続部は、基板101を剥離する前に、通常の薄膜トランジスタの製造過程の中で形成するか、集積回路100を基板110に移し替えた後に形成する。
基板110は、ICチップを作製するための樹脂膜14とは、別の可撓性の基板とすることもできる。例えば、紙のような繊維質の材料からなるフィルム、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムを用いることができる。
[実施形態6] 実施形態5では、基板101から集積回路100を剥離するために、剥離膜102をエッチング剤により完全に除去している(図23(C)を参照のこと。)。本実施形態では、剥離膜102を全て除去するのではなく、剥離膜102が部分的に残った状態でエッチングを停止する例について説明する。
図23(A)の工程の後、図24(A)に示すように剥離膜102が部分的に残った状態でエッチングを停止する。
次に、図24(B)に示すように、絶縁膜107側に基板121を固定する。そして、ノズルなどから吹き付けられるガスの風圧、超音波等の外部から力学的な力を与えるにより、基板101から集積回路100を剥離、分離する。図24(B)では、剥離膜102が全て集積回路100から除去されるように図示したが、集積回路100側に残っていても構わない。
基板101から分離、剥離された集積回路100の絶縁膜103側又は絶縁膜107側に基板121固定する。図24(C)では絶縁膜103側に固定した例を示す。基板121は実施形態1及び2の樹脂膜14に相当する。もちろん樹脂膜14とは別の可撓性基板としてもよい。
実施形態5、6では、エッチングにより剥離膜を除去することで基板を集積回路から分離する方法について示したが、分離する方法はこの方法に限定されない。剥離層をエッチングせずに、基板に力学的な力を加えることにより集積回路を分離することも可能である。例えば、上述したように、剥離膜102としてタングステンやモリブデン膜を形成し、絶縁膜103として、少なくともタングステンまたはタングステンと接する層として酸化珪素や酸化窒化珪素のような珪素の酸化物を含む層を形成する。この結果、剥離膜102を構成するタングステンまたはと絶縁膜103との間に、タングステンまたはモリブデンの酸化物を含む層が形成される。このように形成されたタングステンやモリブデンの酸化物は脆弱な膜であるため、先に示したような力学的な力を基板に加えることにより、タングステン酸化物が形成された部分で基板と集積回路を分離することが可能であることがわかっている。
[実施形態7] 図25〜図27を用いて、本実施形態では、アンテナ付きのICチップ(無線チップ)を用いた製品、用途について説明する。
例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、運転免許証や住民票等のような証書類等((図25(A)参照)に貼り付けて使用することができる。また、包装紙やボトル等の包装用容器類(図25(B)参照)、DVDソフトやビデオテープ等の記録媒体(図25(C)参照)、自転車等の乗物類(図25(D)参照)、鞄や眼鏡等の装身具(図25(E)参照)に取り付けて使用することができる。さらに食品類、衣類、生活用品類、電子機器等の様々な物品に貼り付けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)、携帯電話等を指す。図25の200が無線チップを示す。
無線チップは、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら表紙の厚紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりする。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等なら、表面に貼り付けたり、埋め込んだりする。本実施形態1及び2の無線チップは両面が平坦であるため、物品の形態や外観を損なわずに取り付けることができる。
そして、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に無線チップを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。
図26、図27に、このような無線チップを用いて、物品の検査や流通を管理するシステムの例を示す。図26に示すように、携帯電話のような表示部を備えた携帯端末210の側面に、リーダライタ211を設ける。他方、物品215に無線チップ216を取り付けておく。リーダライタ211に無線チップ216をかざすと、携帯端末210の表示部に物品215の原材料や原産地、流通過程の履歴等の情報が表示されるシステムを構築することができる。
また、図27に示すように、検査したい物品220に無線チップ221を予め取り付けておく。ベルトコンベア222の脇にリーダライタ223を設けることで、リーダライタ223により物品220の検査を簡単に行うことができる。また検査結果を、リーダライタ223を介して、無線チップ221に書き込むこともできる。
アンテナ付きのICチップの作製方法を説明する図である(実施形態1)。 集積回路の上面図、断面図である(実施形態1)。 アンテナ付きのICチップの作製方法を説明する図である(実施形態1)。 アンテナ付きのICチップの外観を示す斜視図である(実施形態1)。 アンテナ付きのICチップの横断面を示す図である(実施形態1)。 アンテナ付きのICチップの作製方法を説明する図である(実施形態1)。 アンテナ付きのICチップの作製方法を説明する図である(実施形態2)。 導電膜の上面図である(実施形態2)。 アンテナ付きのICチップの作製方法を説明する図である(実施形態2)。 アンテナ付きのICチップの外観を示す斜視図である(実施形態2)。 アンテナ付きのICチップの横断面を示す図である(実施形態2)。 アンテナの作製方法を説明する図である(実施形態3)。 アンテナの作製方法を説明する図である(実施形態3)。 アンテナの外観を示す斜視図である(実施形態3)。 アンテナ付きのICチップの作製方法を説明する図である(実施形態3)。 アンテナ付きのICチップの外観を示す斜視図である(実施形態3)。 アンテナの作製方法を説明する図である(実施形態4)。 導電膜の上面図である(実施形態4)。 アンテナの作製方法を説明する図である(実施形態4)。 アンテナの外観を示す斜視図である(実施形態4)。 アンテナの横断面を示す斜視図である(実施形態4)。 可撓性の集積回路の作製方法を説明する図である(実施形態5)。 可撓性の集積回路の作製方法を説明する図である(実施形態5)。 可撓性の集積回路の作製方法を説明する図である(実施形態6)。 無線チップを使った製品を説明する図である(実施形態7)。 無線チップを使ったシステムを説明する図である(実施形態7)。 無線チップを使ったシステムを説明する図である(実施形態7)。
符号の説明
11 導電膜
12 集積回路
13 樹脂膜
14 樹脂膜
15 接続部
17 ICチップ
18 フィルム
31 導電膜
37 ICチップ
41 導電膜
42 樹脂膜
45 アンテナ
46 集積回路
47 ICチップ
48 フィルム
51 導電膜
52 樹脂膜
53 導電膜(第2のパターン)
54 導電膜(第1のパターン
54’ 導電膜(第1のパターン)
55 アンテナ
100 集積回路
101 基板
102 剥離膜
103 絶縁膜
107 絶縁膜
110 基板
121 基板
200 無線チップ
210 携帯端末
211 リーダライタ
215 物品
216 無線チップ
220 物品
221 無線チップ
222 ベルトコンベア
223 リーダライタ

Claims (16)

  1. 帯状又は線状の導電膜、第1の樹脂膜、集積回路及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体が、前記第2の樹脂膜を外側にして、ロール状に巻かれており、
    記導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするICチップ。
  2. 帯状又は線状の導電膜、第1の樹脂膜、集積回路及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体が、前記第2の樹脂膜を外側にして、ロール状に巻かれており、
    前記導電膜は前記集積回路に電気的に接続され、
    表面は前記第1及び第2の樹脂膜に覆われていることを特徴とするICチップ。
  3. 集積回路、第1の樹脂膜、帯状又は線状の導電膜及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体が、前記第2の樹脂膜を外側にして、ロール状に巻かれており、
    記導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするICチップ。
  4. 集積回路、第1の樹脂膜、帯状又は線状の導電膜及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体が、前記第2の樹脂膜を外側にして、ロール状に巻かれており、
    前記導電膜は前記集積回路に電気的に接続され、
    表面は前記第1及び第2の樹脂膜に覆われていることを特徴とするICチップ。
  5. 導電膜、第1の樹脂膜、集積回路及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体を前記第2の樹脂膜を外側に巻いてロール状にしたものを、断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって、切断して形成されたものであり、
    前記導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするICチップ。
  6. 導電膜、第1の樹脂膜、集積回路及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体を、前記第2の樹脂膜を外側にして、巻いてロール状にしたものを、断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって、切断して形成されたものであり、
    当該切断面は前記第1及び前記第2の樹脂膜でなり、
    前記導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするICチップ。
  7. 集積回路、第1の樹脂膜、導電膜及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体を前記第2の樹脂膜を外側に巻いてロール状にしたものを、断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって、切断して形成されたものであり、
    前記導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするICチップ。
  8. 集積回路、第1の樹脂膜、導電膜及び第2の樹脂膜が少なくとも積層された積層体を前記第2の樹脂膜を外側に巻いてロール状にしたものを、断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって、切断して形成されたものであり、
    当該切断面は前記第1及び前記第2の樹脂膜でなり、
    前記導電膜は前記集積回路に電気的に接続されていることを特徴とするICチップ。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
    前記第1及び第2の樹脂膜は同じ材料でなることを特徴とするICチップ。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
    前記ICチップは、さらにその外側をフィルムで封止されていることを特徴とするICチップ。
  11. 導電膜、第1の樹脂膜、複数の集積回路及び第2の樹脂膜を少なくとも積層した積層体を前記第2の樹脂膜側を外側に巻いてロール状にし、
    前記第1及び第2の樹脂膜を軟化させ、前記導電膜を前記集積回路に電気的に接続させた状態で、前記積層体をロール状に固定し、
    前記積層体を断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって切断することを特徴とするICチップの作製方法。
  12. 複数の集積回路、第1の樹脂膜、導電膜及び第2の樹脂膜を少なくとも積層した積層体を、前記第2の樹脂膜側を外側にして、巻いてロール状にし、
    前記第1及び第2の樹脂膜を軟化させ、前記導電膜を前記集積回路に電気的に接続させた状態で、前記積層体をロール状に固定し、
    前記積層体を断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって切断することを特徴とするICチップの作製方法。
  13. 請求項11又は12において、
    前記導電膜はシート状であることを特徴とするICチップの作製方法。
  14. 複数の導電膜、第1の樹脂膜、複数の集積回路及び第2の樹脂膜を少なくとも積層した積層体を、前記第2の樹脂膜側を外側にして、巻いてロール状にし、
    前記第1及び第2の樹脂膜を軟化させ、前記導電膜を前記集積回路に電気的に接続させた状態で、前記積層体をロール状に固定し、
    前記積層体を断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって切断することを特徴とするICチップの作製方法。
  15. 複数の集積回路、第1の樹脂膜、帯状又は線状の複数の導電膜及び第2の樹脂膜を少なくとも積層した積層体を、前記第2の樹脂膜側を外側にして、巻いてロール状にし、
    前記第1及び第2の樹脂膜を軟化させ、前記複数の導電膜をそれぞれ前記集積回路の1つに電気的に接続させた状態で、前記積層体をロール状に固定し、
    前記積層体を断面に前記積層体のロールが現れる方向にそって切断することを特徴とするICチップの作製方法。
  16. 請求項11乃至請求項15のいずれか一において、
    前記第1及び第2の樹脂膜は同じ材料でなることを特徴とするICチップの作製方法。
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