JP4799034B2 - 重量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、計量台上にて走行状態にある車両の重量を測定する重量測定装置に関するものであり、詳しくは、計量台上における車両の速度検出機能を具備する重量測定装置に関するものである。
従来、車両の全車輪を同時に積載可能な長さをもつ計量台を用いて、車両の重量を走行状態で測定する測定方法が知られている。
この測定方法は、計量台上にて車両を停車させてその車両の重量を測定する方法に比べ、車両一台当たりの測定時間を大幅に短縮できることから、測定作業効率の向上を図ることができるという長所がある。
その反面、車両が計量台へ乗り込む際の速度、あるいは、計量台上での速度が速すぎる場合に、計量台に大きな衝撃を与えて重量信号が大きく振動したり、また、車軸の重量の測定を行う場合は、一つの車軸の重量を測定している間に次の車軸が短い時間の間に計量台上に乗り込んできて、重量信号に含まれる過渡応答振動ノイズの収束する時間が見込めないことから、正確な測定結果を得ることができないという問題点がある。
そこで、特許文献1において、車両に発信器を、計量台の始端ならびに終端に受信器をそれぞれ設け、計量台の始端側の受信器においては、発信器からの出力信号を車両の前輪が計量台の始端に載ったタイミングで受信し、終端側の受信器においては、発信器からの出力信号を車両の後輪が計量台から降りたタイミングで受信し、始端側の受信器が発信器からの信号を受け取ってから、終端側の受信器が発信器からの信号を受け取るまでの所要時間、すなわち、車両の前輪が計量台に乗り込んでから車両の後輪が計量台から降りるまでの所要時間と、計量台の始端から終端までの距離とに基づき車両の速度を検出し、車両速度が所定の範囲を越えている場合には、測定結果の正確性を保証することができないとして、その車両の運転手に対して警報を発し、車両の再計量を促すようにした重量測定装置が提案されている。
特開平6−50801号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の方法では、車両速度が適正範囲にあるか否かの判定を行うためには、少なくともその車両の後輪が計量台終端を通過していなければならないため、車両速度が速すぎて再計量が必要であると判定されたときにはその車両は既に計量台を通り過ぎてしまっている。このため、再計量に備えるために、計量台を通過し終わった車両を計量台の手前まで後進させたり、計量台を迂回させて再度計量台の手前に位置させたりする必要があって、再計量に備えるまでに時間がかかり、結果として重量測定時間を長引かせてしまうという問題点がある。また、発信器、受信器をはじめとする特別な速度検出手段を別途用意する必要があり、装置構成の複雑化を招くとともに、コスト高の要因になるという問題点もある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、特別な速度検出手段を別途設けることなく計量台上の車両速度を検出することができ、車両の再計量の必要が生じた場合であっても、その再計量に備える時間を短縮することができる重量測定装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による重量測定装置は、
車両の全車輪が同時に積載可能な長さをもつ計量台と、この計量台の車両進入側と車両退出側とにそれぞれ設けられ該計量台に加わる荷重に対応した重量信号を出力する荷重センサを有し、前記計量台上にて走行状態にある車両の重量測定を行う重量測定装置において、
前記計量台の車両進入側の荷重センサのみにより出力される重量信号であって、車輪が前記計量台上に載り込んだ後の、該車輪の前記計量台上での滞在期間中における車輪重量による信号の変化状態から車両の速度を検出する車両速度検出手段を備えることを特徴とするものである(第1発明)。
前記車両速度検出手段は、前記計量台上を車両の車輪が移動することにより生じる前記荷重センサからの重量信号の変化する区間を速度検出区間として抽出し、この速度検出区間の重量信号から前記計量台上の車両の速度を検出するものであるのが好ましい(第2発明)。
所定の許容速度を設定する許容速度設定手段と、前記車両速度検出手段により検出される車両の速度と前記許容速度設定手段にて設定された許容速度とを比較して、車両の速度が許容速度を越えている場合に警報信号を出力する警報信号発信手段を備えるのが好ましい(第3発明)。
前記第1発明によれば、重量測定装置の必須の構成である荷重センサから出力される重量信号に基づいて、計量台上を走行する車両の速度を検出することができることから、従来のもののように、特別な速度検出手段(発信器・受信器)を別途設ける必要がない。したがって、装置構成が複雑化するのを回避することができ、コスト高になるのを防止することができる。また、車両が計量台に乗り込んだ直後から生じる計量台の車両進入側の荷重センサのみにより出力される車輪重量による重量信号いられているので、車両の速度を早期に検出することができる。そのため、車両の速度が重量測定の適正範囲から外れていたとしても、運転手はその事実を比較的早期に認識することができ、車両を僅かな距離後進させるだけで再計量に備えることができることから、従来のものに比べ、再計量に備えるまでに要する時間を短縮することができる。この結果、重量測定時間の遅延を防止できるという効果を奏する。
また、第2発明の構成を採用すれば、重量信号の変動傾向が明確な区間(例えば、重量信号が全体的に減少傾向にある区間)等、誤差に繋がる要素が比較的少ない区間を速度検出区間として抽出することにより、計量台上での車両の速度をより正確に測定することができる。
さらに、第3発明の構成を採用すれば、車両速度が適正速度から外れている場合に、その事実を当該車両の運転手に対して確実に認識させることができ、再計量を促すことができる。
次に、本発明による重量測定装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る重量測定装置の概略構成図が、図2(a)〜図2(c)には、計量台と車両との位置関係図を示す図が、図3には、車両の速度検出の基本原理を説明するための説明図がそれぞれ示されている。
本実施形態に係る重量測定装置1は、図1に示されるように、図中、左方から右方に向けて走行する車両2の全ての車輪が載置できる寸法に作製される計量台3と、この計量台3の下方の四隅で、やや計量台3の内側によった位置に配設され、その計量台3を支持するとともに、計量台3に加わる荷重に対応した重量信号を発信する合計4個のロードセル(荷重センサ)4a〜4dと、各ロードセル4a〜4dから供給される重量信号に基づき、計量台3上を走行する車両2の速度および重量についての演算を行う機能の他、車両2の速度の適正範囲の設定機能、警報信号の発信機能等、種々の機能を具備する演算ユニット(車両速度検出手段、許容速度設定手段、警報信号発信手段)5と、この演算ユニット5による演算結果等の各種情報や演算ユニット5から出力される警報信号の具体的内容を表示し、車両2の運転手に認識させる表示装置6を備えて構成されている。
前記各ロードセル4a〜4dには、それぞれA/D変換回路と、数10Hzのノイズ信号に対して十分な減衰効果を有するフィルタ回路が内蔵されており、各ロードセル4a〜4dからは、短い時間間隔でデジタル化された重量信号がノイズ処理されて前記演算ユニット5に供給されるようになっている。
また、前記演算ユニット5は、入出力回路(図示せず)と、この入出力回路を介して供給される前記各重量信号に基づき、所要のプログラム・演算処理を実行し、前記車両2の重量・速度等を算出する機能等を具備する演算処理装置(CPU;図示せず)と、前記プログラムを一時的に格納する他、演算処理に必要な各種設定値、演算処理用の中間データ(後述の合計重量信号Wcdの値Wn、経過時間測定タイマーの値、第1・第2のカウンタCx1,Cx2のカウント値等)等を恒久的あるいは一時的に記憶するメモリを備えて構成されている。また、前記表示装置6は、車両2の運転手により、容易に表示内容が認識され得る位置に設けられている。
ここで、計量台3の端縁であって、車両2が乗り込む側の端縁を始端位置P0(以下、単に「位置P0」という。)とし、計量台3上の車両2が降りる側の端縁を終端位置Pe(以下、単に「位置Pe」という。)とする。また、計量台3の位置Pe側の二個のロードセル4a,4bのうち、車両2の運転手から見て右側に配設されるロードセルを第1のロードセル4aとし、左側に配設されるロードセルを第2のロードセル4bとする。また、計量台3の位置P0側の二個のロードセル4c,4dのうち、運転手側から見て右側に配設されるロードセルを第3のロードセル4cとし、左側に配設されるロードセルを第4のロードセル4dとする。
また、計量台3を側方(車両2の走行方向に直交する方向)から見たときに、第3(第4)のロードセル4c(4d)の中心位置を位置P1とし(図2(a),(b)参照。)、位置P0に後輪2bが乗り込んだ際における前輪2aの位置を、位置P2とし、第1(第2)のロードセル4a(4b)の中心位置を位置P3とする(図3(c)参照。)。さらに、計量台3の位置P0から位置P1までの距離をL'とし,位置P1から位置P3までの距離をLとする。なお、車両2の形式としては特に限定されることがないが、以下の説明においては、前輪2aと後輪2bを備える2軸4輪の車両2の速度検出を行う場合について説明する。
〔車両速度検出の基本原理〕
次に、本実施形態の重量測定装置1を用いて計量台3上を走行する車両2の速度を検出するための基本原理について説明する。前輪2aの接地中心にその前輪2aの重量の全てが加わるものと仮定したときに、第3のロードセル4cと第4のロードセル4dとの合計の重量信号(以下、合計重量信号Wcdという。)の波形を前輪2aの動きに合わせて描くと、理想的には図3のようになる。ここで、図3にて示される合計重量信号Wcdには、振動ノイズや、各ロードセル4c,4dの重量信号がフィルタ回路を通過することによって生じる応答遅れ等の誤差要素が含まれていないものとする。
図3に示される理想的な合計重量信号Wcdについて説明すると、前輪2aの接地中心が計量台3の位置P0に差し掛かかると、合計重量信号Wcdは即座に前輪2aの重量であるW1の値まで立ち上がる。なお、実際には、合計重量信号Wcdは、前輪2aが位置P0に差し掛かる少し前から立ち上がり始めるのであるが、この現象は本発明の趣旨とは直接関わりがないため、図3では垂直に立ち上がるように描いている。
前輪2aの接地中心が位置P0に差し掛かってから、位置P1に至るまでの間(車両2aが図2(a)から図2(b)まで移動する間)、前輪2aの重量W1は全て第3および第4のロードセル4c,4dのみに加わることになるため、合計重量信号Wcdの値はW1のまま一定に維持される。
前記前輪2aの接地中心が位置P1を越えて、位置Pe側へ向け進行すると、その進行に伴い、前輪2aの重量W1が位置Pe側の(第1・第2)のロードセル4a,4bに次第に分散されることになるので、前記合計重量信号Wcdの値は、W1の値から直線的に減少することになる。そして、後輪2bの計量台3上への乗り込みがないものと仮定すれば、前輪2aの接地中心が位置P3に至った際に前記合計重量信号Wcdの値は略0になることになる(図3中、破線Z1にて示した直線を参照。)。ただし、実際には、前輪2aが位置P2に至った際(後輪2bが計量台3の位置P0に至った際;図2(c)参照。)に、合計重量信号Wcdの値は後輪2bの車軸重量W2だけ増加し、その後、車両2の前進に伴い減少することになる(図3中、実線Z2にて示す)。
以上に説明した理想的な合計重量信号Wcdの波形に基づき、車両2の速度を求めるには、前輪2aの接地中心が位置P0から位置P2に至るまでの前輪2aの重量によるロードセル4c,4dの合計重量信号Wcdの描く変化の状態によって、前輪2aの速度を算出する方法を採用することができる。この速度算出方法としては、以下の方法がある。
(1)速度算出法1
前輪2aの接地中心(以下、単に「前輪2a」という。後輪2bについても同様とする。)が位置P0から位置P1に移動するまでの時間t1を測定すれば、位置P0と位置P1との間の距離L'と、時間t1より、車両速度V1は次式にて求められる。
V1=L'/t1
(2)速度算出法2
前輪2aが位置P1を通過した後、合計重量信号Wcdが変化傾向を示す区間を抽出して、車両2の速度を求める。こうするには、前輪2aが位置P1を通過してから、位置P2に至るまで(後輪2bが位置P0に差しかかるまで)の間の任意のタイミング(t=tα)にて、合計重量信号Wcdの値Wαを測定する(この際、前輪2aは、位置Pαにあるものとする。)。また、前輪2aが位置P1を通過した時刻を基準(t=0)として、前輪2aが位置Pαに至るまでの時間tαを測定するとともに、位置P1から位置Pαまでの距離Lαを求める。ここで、後輪2bの乗り込みがないものと仮定すれば、前輪2aが位置P3に到達した際に生成される合計重量信号Wcdの値は前述のように0になることから、図3中の点c、点P1、点P3を頂点とする三角形c・P1・P3と、点d、点Pα、点P3を頂点とする三角形d・Pα・P3に着目すると、その相似関係から次式(1)を得ることができる。
(L−Lα)/L=Wα/W1 …… (1)
また、前輪2aが位置P1を通過して位置Pαに至るまでの時間tαと、位置P1から位置Pαまでの距離Lαとにより車両2の速度V1は、次式(2)で表される。
V1=Lα/tα …… (2)
そして、式(1),(2)を解くことによって、計量台3上における車両2の速度V1を求めることができる。
(3)速度算出法3
上記速度算出法2を用いた場合、実際には、第3ロードセル4cと第4ロードセル4dとの合計重量信号Wcdは、振動ノイズを含んでいることから、測定値W1,Wαの振動誤差が大きくなり、速度V1の精度が低くなってしまう。そこで、本速度算出法3においては、合計重量信号Wcdの値を位置P1から位置Pαまでの間で、複数のタイミングで測定するようにしている。
すなわち、より具体的には、位置P1を原点とし、縦軸を合計重量信号Wcdの値、横軸を時間とした座標系において、車両2の前輪2aが位置P1から位置P2に達するまでの間に生成される各合計重量信号Wcdの値と、各合計重量信号Wcdの値を測定した時間を求め、これらの値から最小自乗法を用いて前輪2aが位置P1から位置P3に至るまでの間の、合計重量信号Wcdの減少傾向を示す直線式(3)を推定する。
W(t)=r・t+q …… (3)
前記直線式(3)式が推定されると、前輪2aが位置P1にあるとき(t=0)の合計重量信号Wcdの推定値W(0)と、前輪2aが位置Pαにあるとき(t=tα)の合計重量信号Wcdの推定値W(tα)が求まるので、これら推定値W(0),W(tα)を、前式(1)のW1,Wαに置き換えると、位置P1から位置Pαまでの距離Lαを求めることができる。次いで、距離Lαおよび時間tαを前式(2)に代入することにより、計量台3上を走行する車両2の速度V1を求めることができる。以上のようにして求められた車両2の速度V1は、それぞれ振動ノイズを含んだ2点の合計重量信号Wcd(速度算出法2のW1,Wα)に基づき求められる速度に比べ、振動ノイズによる誤差が抑えられている分精度が高い。
〔車両速度算出・判定法の具体例〕
以上、車両2の速度検出方法の原理について説明したが、実際に生成される合計重量信号Wcdには、前述の振動ノイズの他に、各ロードセル4a〜4dがフィルタ回路を通過することによって生じる応答遅れが含まれることになる。したがって、実際に車両速度の算出等を行うために、前述の速度算出法3を基本にしつつも、振動ノイズ・応答遅れを考慮に入れ、より実際の合計重量信号Wcdの変動に即した速度算出法が実行される。また、この速度算出法により求められる速度が、重量測定に適しているか否かの判定も併せて実行される。以下、実際に検出される(信号ノイズ・応答遅れを含んだ)合計重量信号Wcdに基づく、車両2の速度算出・判定法について、図面を参照しつつ説明する。
図4には、車両2が計量台3上を走行する際に生じる合計重量信号Wcdの実際の波形図(上半部)および、各フラグF1〜F4の判定タイミングならびに各カウンタCx1,Cx2(フラグF1〜F4およびカウンタCx1,Cx2の詳細については後述する。)のカウントのタイミングを示す図(下半部)が示されており、図5には、フラグ判定のフローを示すフローチャートが、図6には、速度算出・判定のフローを示すフローチャートがそれぞれ示されている。
ここで、前記演算ユニット5においては、車両2が計量台3に乗り込んだ際に発生する過渡応答振動ノイズ周期の1/10よりも短い時間間隔で、前記各ロードセル4a〜4dからの(デジタル)重量信号の取り込みを行っているものとし、各ロードセル4a〜4dにおいては、その重量信号の取り込み間隔よりも短い周期でA/D変換を行っているものとする。具体的には、各ロードセル4a〜4dからの(アナログ)重量信号は、0.5msec毎にA/D変換回路によりデジタル化された後、各ロードセル4a〜4d内の内部メモリ一旦記憶され、前記演算ユニット5は、周期2msec毎に、各ロードセル4a〜4dの内部メモリに記憶される(デジタル)重量信号を読み取るようにされている。すなわち、本実施形態において、演算ユニット5は、2msecのサイクルでもって、各ロードセル4a〜4dからの重量信号をサンプリングする。
また、前記計量台3に発生する振動ノイズの振動数を10Hz(周期100msec)とすると、前記演算ユニット5は各ロードセル4a〜4dからの重量信号を固有周期の50分の1という極短い周期で読み込むことになり、また、振動ノイズの振幅自体も、車両2の各車軸重量に比べて十分に小さいものである。したがって、一サイクル内において演算ユニット5に読み込まれる各ロードセル4a〜4dからの各重量信号には、読み込みのタイミングのズレによる変化がほとんど生じていないものとみなすことができる。このことから、前記演算ユニット5によりサンプリングされる各ロードセル4a〜4dからの重量信号については、略同一のタイミングにて読み込まれたものとして扱われる。
また、前記各ロードセル4a〜4dから出力される重量信号は、フィルタ回路を通過することによって応答遅れが生じている。そのため、第3のロードセル4cと第4のロードセル4dの重量信号の合計である合計重量信号Wcdにも、当然応答遅れが生じている(詳細は後述。)。さらに、前記フィルタ回路は数10Hzの比較的周期の速いノイズ信号については一定の減衰効果を奏するものの、10Hz前後の比較的周期の遅い過渡応答振動ノイズ信号に対しては十分な減衰効果が見込めないことから、合計重量信号Wcdは、図4に示されるように、振動する波形として表れることになる。
以上のような条件の下、演算ユニット5においては、一サイクル内において読み込んだ前記第3のロードセル4cおよび第4のロードセル4dからの重量信号を合計して合計重量信号Wcdを生成するとともに、その合計重量信号Wcdを生成する毎に、つまり、重量信号の読み取りサイクルである2msec毎に、図5のフローチャートで示されるフラグF1〜フラグF4が立っているか否かの判定(以下、フラグ判定という。)を行う。また、フラグ判定の過程においては、振動する合計重量信号Wcdが全体として減少傾向にある区間(速度検出区間)を抽出し、その区間内に生成された合計重量信号Wcdをメモリに記憶する作業が行われる。
さらに、前記演算ユニット5においては、フラグ判定と並行して、図6のフローチャートで示される速度算出・判定を所定時間毎(例えば、10msec毎)に実行し、フラグF5(後述)が立っているか否かの判定、計量台3上を走行する車両2の速度算出、車両2の速度が重量測定に適しているか否かの判定を行うようにされている。
次に、フラグ判定のフローについて図5を参照しつつ説明する。なお、フラグ判定の開始時において、車両2は、計量台3の直前位置を計量台3に向け走行している状態にあり、全てのフラグF1〜F5は立っていない(F1〜F5=0)ものとする。
〔ステップA1〕
前記各演算ユニット5にて合計重量信号Wcdが生成されると、合計重量信号Wcdの値Wnが、演算ユニット5のメモリ領域内に登録される第1の設定値Wztを越えているか否かの判定を行う。ここで第1の設定値Wztとしては、車両2が計量台3に乗り込んでいないときの合計重量信号Wcdの振幅よりも十分に大きな値が採用されている。したがって、合計重量信号Wcdの値Wnが第1の設定Wztを越えていない場合には、計量台3上に前輪2aが全く乗り込んでいないとみなすことができ、フラグ判定を終了する。前輪2aが前進し、合計重量信号Wcdの値Wnが第1の設定値Wztを越えると、計量台3への前輪2aの乗り込みの開始が合計重量信号Wcdに反映されたと判定し、ステップA2に進む。
〔ステップA2〕
前輪2a(の接地中心)が計量台3上に乗り込んだか否かを判定するフラグF1が立っているか否かを判定する。このフラグが立っていれば(F1=1)後述のステップA3に進み、立っていなければ(F1=0)ステップA21に進む。計量台3への前輪2aの乗り込みが合計重量信号Wcdに反映された直後においてはフラグF1は立っていないので、ステップA21に進む。
〔ステップA21〕
合計重量信号Wcdの値Wnが、第1の設定値Wztを越えた後、最初の合計重量信号Wcdのピーク値(極大値Wmax1)を迎えたか否かを判定する。具体的には、合計重量信号Wcdの値Wnと、このWnより一つ前のタイミングで生成された合計重量信号Wcdの値Wn−1との大小比較を行い、次式(4)を満たすか否かを判定する。
Wn<Wn−1 …… (4)
式(4)を満たしていない場合には、合計重量信号Wcdは、単純増加の過程にあり、極大値Wmax1を迎えていないのでフラグ判定を一旦終了し、合計重量信号Wcdが生成される毎に同様のフラグ判定を繰り返し行う。前輪2aが計量台3の位置P0に乗り込んだことが合計重量信号Wcdに反映されると、前記式(4)が成立することになる。この場合、合計重量信号Wcdの傾きの正負が逆転し、極大値Wmax1を迎えたことになるため、次のステップA22に進む。
〔ステップA22〕
式(4)を満たすと、合計重量信号Wcdの値Wn−1をもって極大値Wmax1とし、フラグF1を立て(F1=1)、次のステップA23に進む。なお、合計重量信号Wcdは、前述のように、フィルタ回路を通過した応答遅れを含んだ重量信号に基づいて生成されることから、前輪2aが計量台3Aに乗り込んだ時点と、その乗り込みが合計重量信号Wcdに反映される時点との間には若干のタイムラグが存在する。そのため、極大値Wmax1の検出時においては、前輪2aは位置P0にはなく、位置P0よりもやや前方の位置P0'に位置することになる。
〔ステップA23〕
前記演算ユニット5のメモリに記憶される第1のカウンタCx1のカウント値を(この場合は、初期値0から)+1カウントアップする。次いで、第1のカウンタCx1のカウント値と、合計重量信号Wcdの生成間隔(20msec)を用いて、極大値Wmax1の検出時点(フラグF1が立った時点)からの経過時間に変換し、経過時間測定タイマーの値として、メモリに更新・記憶させる。なお、このステップA23の処理は、ステップA2からステップA22を辿るルートのみならず、他ルートを辿った場合においても行われる。
〔ステップA24,ステップA25〕
後輪2bの計量台3への乗り込みが合計重量信号Wcdに反映される前(後述のWmaxkの検出前;フラグF4が立つ前)に、前記経過時間測定タイマーの値が、前記メモリにて記憶される最小設定時間T1に達したか否かを確認する(ステップA24)。ここで、最小設定時間T1は、以下のようにして決定される。すなわち、重量測定結果を精度良く得ることが可能な上限速度を実測等に基づき決定し、車両2がその上限速度で走行した際に、前輪2aが位置P0から位置P2に達するまでの時間を最小設定時間T1とする。位置P2に達するまでに経過時間タイマー値が最小設定時間T1より大きくなれば、車両2は精度良く測定できる速度で走行していると判断される。したがって、後輪2bの乗り込みが合計重量信号Wcdに反映される前(後述のWmaxkの検出前)に、経過時間測定タイマーの値が最小設定時間T1に到達した場合には、フラグ判定や後述のステップB3の速度算出を行うまでもなく、車両2は計量台3上を重量測定の正確性が損なわれない程度に低速で走行しているのが明らかであるとして、全てのフラグF1〜F5を立て(F1〜F5=1;ステップA25)、後述のステップB3における速度算出処理を省略する。
反対に、後輪2bの乗り込みが合計重量信号Wcdに反映される前に最小設定時間T1に到達していない場合には、重量測定結果の正確性を確保できるか否かを確定することができない。この場合、一旦フラグ判定を終了し、次の合計重量信号Wcdの生成時に同様のフラグ判定を行う。
一定時間間隔経過後、合計重量信号Wcdが生成されると、やはり同様のフラグ判定を行う。この場合においては、前輪2aが位置P0'にあり、フラグF1が立っているため、ステップA1,ステップA2の判定の後、ステップA3に進む。
〔ステップA3〕
フラグF2が立っているか否かを判定する。ここで、フラグF2は、車両2の計量台3への乗り込みが合計重量信号Wcdに反映された後(極大値Wmax1の検出の後)、最初の合計重量信号Wcdの極小値を検出したか否かを判定するフラグである。フラグF2が立っていれば、ステップA4に進む。説明の流れにおいては(極大値Wmax1の検出直後)、フラグF2は立っていないので、ステップA4に進むことなく、ステップA31に進む。
〔ステップA31〕
このステップA31では、前のステップA21において、合計重量信号Wcdの極大値Wmax1が検出された後、合計重量信号Wcdの最初の極小値を検出したか否かの判定を行う。具体的には、極大値Wmax1検出後に発生した合計重量信号Wcdの値Wnと、その一個前のタイミングにて発生する合計重量信号Wcdの値Wn−1との大小比較を行い、次式(5)を満たすか否かを確認する。
Wn>Wn−1 …… (5)
式(5)を満たしていない場合には、合計重量信号Wcdは、単純減少の過程にあり、極小値を迎えていないとみなされステップA23、ステップA24に進み、前述と同様の処理・判定を行う。ステップA24にて、経過時間測定タイマーの値が最小設定時間T1に達していない場合には、ステップA25に進むことなくフラグ判定を終了する(以下、車両2は、ある程度の速度でもって走行しており、ステップA25の処理は行われないものとして説明する。)。ステップA31、ステップA23以下の判定・処理は、前式(5)が満たされるまでの間、合計重量信号Wcdが生成される毎に繰り返し行われる。前式(5)が満たされると次のステップA32に進む。
〔ステップA32〕
前式(5)が満たされると、合計重量信号Wcdの値Wn−1が発生したタイミングをもって、極大値max1の検出の後、最初に合計重量信号Wcdの傾きの正負が逆転したものと、すなわち、極大値Wmax1の検出の後、最初の合計重量信号Wcdの極小値を迎えたものと判定し、フラグF2が立つ(F2=1)。
〔ステップA33,ステップA34〕
次いで、合計重量信号Wcdの値Wn−1をもって極小値Wmin1とし、この極小値Wmin1と、前記メモリに登録される第2の設定値Watと、次の演算式(6)を用いて、初期最小値Wminkを求め(ステップA33)メモリに記憶しておく(ステップA34)。
Wmink=Wmin1(Wn−1)−Wat …(6)
その後、前述のステップA23以下の処理・判定を行った後、フラグ判定を終了し、次の合計重量信号Wcdの発信時に同様のフラグ判定を行う。この場合、フラグF1およびフラグF2は立っているので、ステップA4に進む。
〔ステップA4〕
合計重量信号Wcdが減少傾向に移行したか否かを判定するフラグF3が立っているか否かを判定する。フラグF3が立っているときには、後述するステップA5に進む。現段階においては(フラグF2が立った直後においては)、フラグF3は立っていないので、次のステップA41に進む。
〔ステップA41〕
合計重量信号Wcdの値Wnが、前記初期最小値Wminkを下回っているか否かを判定する。合計重量信号Wcdの値Wnが、初期最小値Wminkを下回っていない場合には、前述のステップA23以下の処理を行う。
〔ステップA42,ステップA43〕
合計重量信号Wcdの値Wnが初期最小値Wminkを下回った場合、前輪2aが位置P1よりも前方に移動したことが、合計重量信号Wcdに反映されたと判定する。なお、前述のように、合計重量信号Wcdには、応答遅れが含まれるため、合計重量信号Wcdの値Wnが初期最小値Wminkを下回った時点においては、前輪2aは位置P1ではなく、位置P1よりも前方の位置P1'に位置することになる。これ以降、合計重量信号Wcdは振動しながら全体として減少傾向に移行するものとみなされ、フラグF3が立つ(F3=1;ステップA42)。次に、初期最小値Wminkを下回った際の合計重量信号Wcdの値Wnを新たな最小値Wminkとして更新し、前記メモリに記憶する(ステップA43)。
〔ステップA44,ステップA45〕
次いで、合計重量信号Wcdの値Wnを、第2のカウンタCx2の値(この場合初期値1)で示される所定のメモリ領域に記憶する(ステップA44)とともに、その第2のカウンタCx2のカウント値を+1カウントアップする(ステップA45)。
ここで、合計重量信号Wcdの値Wnが、初期最小値Wminkを下回ったときをもって、合計重量信号Wcdが下降傾向に移行したとみなす理由について説明する。前輪2aが位置P0'に達すると(前輪2aの計量台3位置P0への乗り込みが合計重量信号Wcdに反映されると)、合計重量信号Wcdは急激に立ち上がった後、次第に減衰してある値への収束傾向を示すことになる(図4中X0で表れる区間を参照。)。したがって、前輪2aが位置P0'にある時点から位置P1'に達するまでの間(前輪2aが位置P1よりも前方にあることが合計重量信号Wcdに反映されるまでの間)においては、その合計重量信号Wcdの値が極小値Wmin1を下回ることはありえない。
一方、前輪2aが位置P1'よりも前方に移行すると、前輪2aの荷重が、第3・第4のロードセル4c,4dだけでなく、第1・第2のロードセル4a,4bにも加わることになるため、必然的に、第3・第4のロードセル4c,4dからの重量信号に基づく合計重量信号Wcdの値は時間経過に伴い減少することになる。ところが、実際の合計重量信号Wcdは、図示の如く振動するものであることから、減少傾向に移行する正確なタイミングを判定することは難しい。そこで、前記極小値Wmin1よりも小さな基準値を初期最小値Wminkとして定め、合計重量信号Wcdの値Wnがその初期最小値Wminkを下回った時点をもって、合計重量信号Wcdが減少傾向に移行したと判定するようにしたのである。
前のステップA44にて、合計重量信号Wcdの値Wnが、第2のカウンタCx2の値に対応するメモリに記憶され、ステップA45にて、第2のカウンタCx2が+1カウントアップされると、先に説明したステップA23以下の処理・判定を行い、フラグ判定を終了する。そして、次の合計重量信号Wcdの生成の際に、同様のフラグ判定を行う。説明の流れにおいては、フラグF1からフラグF3までが立っているので、ステップA2〜ステップA4の判定の後、ステップA5に進む。
〔ステップA5〕
後輪2bが計量台3上に乗り込んだか否かを判定するためのフラグF4が立っているか否かを判定する。説明の流れにおいては、フラグF4が立っていないため、ステップA51に進む。
〔ステップA51,ステップA52〕
合計重量信号Wcdの値Wnが、最小値Wminkを下回ったか否かを判定する(ステップA51)。合計重量信号Wcdの値Wnが最小値Wminkを下回っている場合には、その合計重量信号Wcdの値を、新たな最小値Wminkとして更新し、メモリに記憶して(ステップA52)ステップA53に進む。下回っていない場合には、ステップA52の処理を行うことなく、やはりステップA53に進む。このステップA51の判定および、ステップA51の判定を満たした場合におけるステップA52の更新処理は、フラグF4が立つまでの間、合計重量信号Wcdが生成される毎に行われ、メモリには、常に最新の最小値Wminkが記憶されることになる。
〔ステップA53〕
ステップA53においては、合計重量信号Wcdの値Wnが、最新の最小値Wminkに前記演算ユニット5のメモリに記憶される第3の設定値Wutを加えた値以上になっているか否か、すなわち、次式(7)を満たしているか否かを判定する。
Wn≧Wmink+Wut … (7)
ここで、第3の設定値Wutは、合計重量信号Wcdの振幅に比べ、十分に大きな値が設定され、後輪2bの乗り込みが反映され合計重量信号Wcdが急激に立ち上がる場合を除き、前式(7)が成立しないようになっている。説明の段階(前輪2aが位置P1'を越えた直後の段階)においては、当然前式(7)は成り立たない。この場合は、前述のステップA44,ステップA45,ステップA23,ステップA24の処理・判定を行う。なお、こうした、ステップA44,ステップA45,ステップA23,ステップA24の処理は、フラグ判定が終了するまでの間、合計重量信号Wcdが生成される毎に繰り返し行う。
〔ステップA54〕
車両2の前進に伴い、後輪2bの計量台3上への乗り込みが合計重量信号Wcdの波形に反映されて前記合計重量信号Wcdが急激に立ち上がると、前式(7)が成立する。前式(7)が成立するとフラグF4が立つ(F4=1)。その後、ステップA44,ステップA45の処理がなされて、前式(7)の成立時の合計重量信号Wcdの値Wn(図4中、Wmaxkで示す。)が、その成立時の第2のカウンタCx2のカウント値で示される所定のメモリに記憶される。これ以降、ステップA44、A45の処理は行われず、前式(7)の成立時の合計重量信号Wcdの値Wnが、メモリに記憶される最後の合計重量信号Wcdの値Wn(Wmaxk)となる。したがって、前記メモリの所定の領域には、合計重量信号Wcdの下降傾向が認められた(フラグF3が立った)時から、合計重量信号Wcdの急激な立ち上がり(前式(7)の成立)が認められるに至る間に生成された、各合計重量信号Wcdの値Wnが、それぞれの値Wnに対応する第2のカウンタCx2のカウント値と共に、時系列順に記憶されていることになる。また、前記第2のカウンタCx2も第1のカウンタCx1と同様、合計重量信号Wcdが生成される毎に+1ずつカウントアップされるものであるため、合計重量信号Wcdの生成間隔を参照することで、各カウント値から、各合計重量信号Wcdの生成タイミングに、容易に変換することができる。以下、第2のカウンタCx2のカウント値と共に、メモリに最初に記憶された合計重量信号Wcdの生成タイミングをt=t0とし、最後にストされた合計重量信号Wcd(値Wmaxk)の生成タイミングをt=tmとし、最後から一つ前に記憶された合計重量信号Wcdの生成タイミングをt=tm−1で表すこととする。
最後のステップA54,ステップA44,ステップA45の処理の後、最後のステップA23,ステップA24による判定・処理を行いフラグ判定を一旦終了する。そして、次の合計重量信号Wcdの生成時に最後のフラグ判定を実行する。
最後のフラグ判定においては、フラグF1〜フラグF4が全て立っているので、ステップA1〜ステップA5の判定の後、フラグ判定を終了する。
次に、フラグ判定と並行して行う速度算出・判定のフローについて、図6を参照して説明する。なお、本実施形態においては、車両の速度算出・判定を、所定時間毎(例えば、数10msec)に実行する構成を採っているが、優先順位を定めて割り込み処理する方式を採っても良い。なお、速度算出・判定のフローについては、後輪2bが計量台3上に乗り込む直前にある状態を起点にして、説明を行うこととする。
〔ステップB1〕
まず、計量台3上における車両2の速度算出・判定が完了した否かを判定するためのフラグF5が立っているか否かを判定する。フラグF5が立っている場合(車両2の速度算出・判定が終了している場合、あるいは前述のステップA25の処理を経ていた場合)には、後述するステップB11に進む。後輪2bが計量台3上に乗り込む直前の段階においては、フラグF5は立っていないので、次のステップB2に進む。
〔ステップB2〕
フラグF4が立っているか否かを判定する。説明の段階においては、フラグF4は立っていない。この場合、車両2の速度を算出するに足る十分なデータがないとして、このフローを一旦終了する。車両2が前進することにより、フラグF4が立った場合には、計量台3上での車両2の速度を算出するに足る十分なデータ(合計重量信号Wcdの値Wn)がメモリに記憶されているとして次のステップB3に進む。
〔ステップB3〕
前記演算ユニット5のメモリに時系列順に記憶される合計重量信号Wcdの値Wnに基づき計量台3上での車両2の速度を算出する。こうするには、合計重量信号Wcdの値Wnが、第2のカウンタCxのカウント値と共に、最初にメモリに記憶されるタイミング(t=t0)から、前式(7)の成立(t=tmのタイミング)より一つ前のタイミング(図4中t=tm−1)までの区間(図4中、Xにて示す。)を、合計重量信号Wcdが減少傾向にある区間(速度検出区間)として抽出する。そして、この抽出された区間内において生成される各合計重量信号Wcdの値Wnと、各合計重量信号Wcdの生成のタイミングに基づき、最小自乗法による近似演算を行う。これにより、前式(3)で表される直線が推定される。
〔ステップB4〜ステップB7〕
その後、前述の速度算出法3と同様にして、前式(3)で表される直線と、前式(1)(2)と用いた演算を行い、計量台3上における車両2の速度を算出する(ステップB4)。次いで、算出された車両2の速度が、予め、演算ユニット5のメモリ領域に記憶されている許容上限速度を上回っているか否かを判定し(ステップB5)、上回っている場合には、重量測定結果の正確性を確保することができないとして、前記表示装置6に、車両を停止して再計量を行う旨の警報信号を発信し表示させる。また、その際、表示装置6には、許容上限速度と、算出された速度を併せて表示させる(ステップB6)。これにより、車両2の運転手に、車両速度が適正でないことを認識させることができ、車両2の計量台3手前までの後進および、計量台3への適正速度での乗り込みを促すことができる。その後、フラグF5を立て(F5=1;ステップB7)、このフローを終了する。所要時間経過後、再度このフローを行う。
一方、車両2の速度が許容上限速度以下である場合には、重量測定が正しく行うことができるとみなし、ステップB6の処理を行うことなくステップB7にてフラグF5を立て、このフローを終了し、再度このフローを実行する。なお、この場合には、前記演算ユニット5にて、各ロードセル4a〜4dからの重量信号に基づく重量測定演算が実施され、計量台3上を走行する車両2の重量が測定される(本発明の趣旨とは直接関わりがないので、詳細な説明を省略することにする。)。
〔ステップB1〕
前述と同様、フラグF5が立っているか否か(車両2の速度算出が終了したか否か)の判定を行う。説明の流れにおいては、フラグF5は立っているので、ステップB2に進まずに、ステップB11に進む。
〔ステップB11〕
ステップB11においては、合計重量信号Wcdの値Wnが第1の設定値Wztを下回っているか否かを判定する。下回っていない場合には、車両2の一部が未だ計量台3上にあるものとみなし一旦このフローを終了する。以降、合計重量信号Wcdの値Wnが第1の設定値Wztを下回るまで同様のフローを繰り返し実行する。合計重量信号Wcdの値Wnが第1の設定値Wztを下回った場合は、車両2は計量台3から降りたものとみなし、ステップB12〜ステップB14の処理を行う。
〔ステップB12〜ステップB14〕
車両2が計量台3から降りたとみなされると、全てのフラグF1〜F5をクリアし(F1〜F5=0;ステップB12)、第1・第2のカウンタCx1,Cx2をクリアし(ステップB13)、演算ユニット5のメモリに記憶される合計重量信号Wcdの値Wnおよびカウント値をクリアする(ステップB14)。以上をもって、当該車両2についての速度検出工程が全て終了し、後続車両の速度検出に備えられる。
本実施形態においては、重量測定装置1に必須の構成であるロードセル4a〜4d、演算ユニット5の他、何等特別な手段を設けることなく、計量台3上での車両2の速度を求めることができる。そのため、装置構成の複雑化を防止することができ、コスト高の要因を取り除くことができる。
また、本実施形態においては、車両2の速度が適正範囲内にあるか否かの判定が、後輪2bが計量台3に乗り込んだ時点、すなわち、未だ車両2が計量台3上にある比較的早期の時点で行われ、検出結果が適正範囲を越えている場合には、その事実および再計量を行う旨が速やかに表示装置6に出力され表示される。したがって、当該車両2の運転手は、再計量を行う必要が生じたことを、車両2が計量台3上にある段階で早期に認識することができるので、車両2を計量台3から僅かな距離だけ後進させるだけで、再計量の準備を迅速に整えることができる。これにより、再計量に要する時間を短縮することができ、結果的に重量測定の効率向上を図ることができる。
本実施形態においては、合計重量信号Wcdが減少傾向にある区間を抽出し、その区間内に生成された合計重量信号Wcdに基づき計量台3上での車両2の速度を算出するようにされているが、減少傾向に移行する前の合計重量信号Wcdに基づき車両2の速度を算出することも可能である。こうするには、まず、前輪2aが位置P0'(極大値Wmax1の検出タイミング)から位置P1'(初期極小値Wminkの検出のタイミング)に至るまでの間に生成される合計重量信号Wcdの値を時系列順にメモリに記憶しておき、初期極小値Wminkの検出前、最後に合計重量信号Wcdの極大値Wmax2が求まるタイミングを求める(前述の極大値Wmax1の検出方法と略同様であるので説明を省略する。)。このとき、前輪2aは、極大値Wmax1が検出されてから、最後の極大値Wmax2が検出されるまでの時間tdにおいて、距離L'だけ移動したとみなすことができるので、式V1=L'/tdにより、計量台3上での車両2の速度を求めることができる。このような方法を採用すれば、より早期の段階にて車両2の速度を求めることができるので、再計量を行う必要があっても、その再計量に要する時間をより短縮できるという効果がある。また、速度検出のタイミングがやや遅れることにはなるが、後輪2bが計量台3上に乗り込んだ際の合計重量信号Wcdが描く波形に基づいて、車両2の速度を算出することも無論可能である。
重量測定装置の概略構成図 計量台と車両との位置関係を示す図(a)〜(c) 車両の速度検出の基本原理を説明するための説明図 車両2が計量台3上を走行する際に生じる合計重量信号Wcdの実際の波形図(上半部)および、各フラグF1〜F4の判定タイミングならびに各カウンタCx1,Cx2のカウントのタイミングを示す図(下半部) フラグ判定のフローを示すフローチャート 速度算出・判定のフローを示すフローチャート
符号の説明
1 重量測定装置
2 車両
2a 前輪
3 計量台
3A 始端
3B 終端
4a〜4d ロードセル
5 演算ユニット
6 表示装置

Claims (3)

  1. 車両の全車輪が同時に積載可能な長さをもつ計量台と、この計量台の車両進入側と車両退出側とにそれぞれ設けられ該計量台に加わる荷重に対応した重量信号を出力する荷重センサを有し、前記計量台上にて走行状態にある車両の重量測定を行う重量測定装置において、
    前記計量台の車両進入側の荷重センサのみにより出力される重量信号であって、車輪が前記計量台上に載り込んだ後の、該車輪の前記計量台上での滞在期間中における車輪重量による信号の変化状態から車両の速度を検出する車両速度検出手段を備えることを特徴とする重量測定装置。
  2. 前記車両速度検出手段は、前記計量台上を車両の車輪が移動することにより生じる前記荷重センサからの重量信号の変化する区間を速度検出区間として抽出し、この速度検出区間の重量信号から前記計量台上の車両の速度を検出するものである請求項1に記載の重量測定装置。
  3. 所定の許容速度を設定する許容速度設定手段と、前記車両速度検出手段により検出される車両の速度と前記許容速度設定手段にて設定された許容速度とを比較して、車両の速度が許容速度を越えている場合に警報信号を出力する警報信号発信手段を備える請求項1または2に記載の重量測定装置。
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