JP4798631B2 - 半田ボールの配列用マスクとその製造方法 - Google Patents
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Description
かかるフリップチップ接続における半田バンプの形成方法としては、半田ボールを用いたBGA(BallGridArray)と称される方法が知られている。このBGA方式では、ウエハやフレックス基板などのワーク上の電極にフラックスを塗布する印刷工程と、フラックス上に半田ボールを配列・搭載する配列工程と、半田ボールを加熱・溶解する加熱工程を経てバンプを形成している。
しかし、接続バンプの微細化が進んで行くと、治具による方法を採ることは困難になると予想できる。つまり、接続バンプの微細化を図った場合には、より小さな径寸法を有する微小な半田ボールを用いるため、マスクとワークとの対向間隙をより小さく(具体的には数十μm程度)に設定する必要があり、当該対向間隙を治具によって安定的に確保することは非常に困難となる。このため、マスクを僅かでも撓み変形させると、マスク本体とワークとが接触することが避けられず、マスク本体の下面にフラックスが付着して、半田ボールの搭載不良が生じやすい。
第一突起15aおよび第二突起15bの形状としては、図示例のようなストレート状の円柱体に限られず、下窄まりのテーパー状を採ることができる。平面視で長方形状や線状であってもよい。
図10(e)および図12(b)に示すように、ワーク3の上面に当接してマスク本体10とワーク3との対向間隙を形成する第一突起15aとしての機能は、枠体11に担わせることができる。つまり、枠体11がワーク3との対向間隙を形成する場合には、該第一突起15aを略することができ、本発明はこのような形態をも含む。要はマスク本体10が撓み変形していない状態では、第二突起15bがワーク3に非接触となっていればよい。
本発明におけるワーク3の具体例としては、例えばシリコン基板やガラスエポキシ基板などを挙げることができる。
本発明においては、図2に示すように、個々のチップ単位でパターン領域13を形成して、各々のチップを囲むように第一突起15aを形成してもよいし、図7に示すように、多数個の通孔12で構成されるパターン領域13を囲むように第一突起15aを形成してもよい。なお、図7においては、第一突起15aとしての機能は、枠体11が担っている。
かかる応力の付与は、マスク本体10となる電鋳層を作成する際の電鋳槽中に添加する第2種光沢剤中のカーボンの含有比率を調製することで実現できる。さらに、母型30を42アロイやインバー、SUS430(ステンレス)その他の低熱線膨張係数の材質からなるものとしたうえで、マスク本体10となる電鋳層の形成時における電鋳槽内の温度が高くなることで、かかる温度差に起因して、母型30と母型上に形成されるニッケルやニッケル合金等の電着金属との熱膨張係数の差によって、母型から剥離したマスク本体10となる電着層が常温時には内方側に収縮するように設定することによっても実現できる。
図1乃至図3に、本発明の第1実施形態に係る半田ボールの配列用マスクを示す。この配列用マスク(以下、単にマスクと記す)1は、BGA方式のバンプ形成における半田ボール2の配列工程において使用に供されるものである。
図2において、符号3は、マスク1による半田ボール2の搭載対象となるワークを示す。このワーク3は、ガラスエポキシ基板のベース4に複数個の半導体チップ5を搭載し、ワイヤボンドで配線した後トランスファモールド封止してなるものであり、半導体チップ5を囲むように、ワーク3の上面には、入出力端子である電極6が所定のパターンで形成されている。なお、ワーク3は、バンプの形成後に個片に切断され、個々のLSIチップとされる。
図2に示すように、通孔12は、ワーク3上における各半導体チップ5の電極6の配列位置に対応した配列パターンに対応している。半田ボール2は、50μm以下の半径寸法を有するものであり、これに合わせて各通孔12は、当該ボール2の半径寸法よりも僅かに大きな内径寸法を有する平面視で円形状に形成されている。
まず、ワーク3の電極6上にフラックス17(図1参照)を印刷塗布する。次に、通孔12と電極6とが一致するように、ワーク3上にマスク1を位置合わせしたうえで、マスク1を固定する。かかる位置合わせ作業は、実際には枠体11とワーク3との外周縁を位置合わせすることで行われる。位置合わせ作業が終了すると、ワーク3の下方に磁石を配置して、該磁石の磁力吸引力によりワーク3にマスク1を不離一体的に固定する。かかる固定状態において、第一突起15aの下端面がワーク3の表面に当接することで、マスク本体10は、図1に示すようなワーク3との対向間隙が確保された離間姿勢に姿勢保持される。ワーク3の表面が僅かにうねっている場合にも、第一突起15aの下端面をワーク3の表面に当接させて、該ワーク3の表面のうねりに合わせて、マスク本体10を不離一体的に固定することができる。なお、この状態において、原則として、第二突起15bはワーク3に対して非接触の状態にある。
また、マスク本体10が下方に撓み変形して、ワーク3との対向間隙が小さくなった場合でも、ワーク3への接触に先立って、第二突起15bがワーク3の表面に当接して、マスク本体10の下方への撓み限界が規制される。したがって、マスク本体10の下面へのフラックス17の付着に起因する半田ボール2の搭載不良の問題を確実に解消できる。
図7に本発明の第2実施形態に係る半田ボールの配列用マスクを示す。この第2実施形態に係る配列用マスクでは、第一突起15aおよび第二突起15bの形成個所が、先の第1実施形態と大きく相違する。すなわち、この配列用マスクでは、マスク本体10の盤面中央部に、多数個の半導体チップ5に対応する多数個の通孔12で構成される一つパターン領域13が形成されており、この一つのパターン領域13を囲むように第一突起15aが形成され、パターン領域13内に第二突起15bが形成されている。
加えて、この第2実施形態に係るマスクでは、枠体11が直接的にワーク3の上面に当接して、マスク本体10とワーク3との対向間隙が確保されるようになっており、換言すれば枠体11が、ワーク3との対向間隙を形成する第一突起15aとして作用するようになっている点が、先の第1実施形態と大きく相違する。それ以外の点は、先の第1実施形態と実質的に同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この第3実施形態に係る配列用マスクでは、図12(b)に示すように、第二突起15bが、レジスト体77aで形成されている点が、先の第2実施形態と大きく相違する。また、枠体11がレジスト体77aを介してマスク本体10に装着されている点が、先の第2実施形態と大きく相違する。それ以外の点は、第2実施形態と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図13に、本発明の第4実施形態に係る半田ボールの配列用マスクを示す。この図13では、第二突起15bに加えて、第一突起15aをレジストで形成した点が、第3実施形態と相違する。このマスクによれば、レジストの弾力性に由来するクッション作用が発揮されるため、第一突起15aがワーク3に当接した際に、ワーク3が損傷するおそれが少ない。
それ以外の点は、先の第3実施形態と実質的に同様であるので、同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
また、第一突起15a・第二突起15bは、円柱状に限られず、例えば、平面視で四角形状(正方形状や長方形状)などにすることができ、その形状は問わない。
2 半田ボール
3 ワーク
6 電極
10 マスク本体
11 枠体
12 通孔
13 パターン領域
15 支持用突起
15a 第一突起
15b 第二突起
30 母型
31 フォトレジスト層
32 パターンフィルム
34 一次パターンレジスト
34a レジスト体
35 一次電鋳層
36 フォトレジスト層
37 パターンフィルム
38 二次パターンレジスト
38a レジスト体
39 二次電鋳層
42 フォトレジスト層
44 三次パターンレジスト
45 三次電鋳層
54 一次パターンレジスト
54a レジスト体
55 一次電鋳層
58 二次パターンレジスト
58a レジスト体
59 二次電鋳層
64 三次パターンレジスト
64a レジスト体
65 三次電鋳層
74 一次パターンレジスト
74a レジスト体
75 一次電鋳層
76 接着レジスト
77 二次パターンレジスト
77a レジスト体
Claims (7)
- 所定の配列パターンに対応した通孔(12)を有し、この通孔(12)内に半田ボール(2)を振り込むことで、ワーク(3)上の所定位置に半田ボール(2)を搭載する配列用マスクであって、
前記通孔(12)からなるパターン領域(13)を有する平板状のマスク本体(10)と、該マスク本体(10)の下面から突設されて、ワーク(3)との対向間隙を確保する支持用突起(15)とを備えており、
前記支持用突起(15)が、ワーク(3)の上面に当接してマスク本体(10)とワーク(3)との対向間隙を形成する第一突起(15a)と、該第一突起(15a)よりも突出寸法が小さい第二突起(15b)とで構成されており、
前記第一突起(15a)は、前記パターン領域(13)を囲むように形成され、前記第二突起(15b)は、前記パターン領域(13)内に形成されていることを特徴とする半田ボールの配列用マスク。 - 第二突起(15b)が、第一突起(15a)よりも通孔(12)寄りに形成されている請求項1記載の半田ボールの配列用マスク。
- マスク本体(10)の外周縁に補強用の枠体(11)が設けられており、
マスク本体(10)が、それ自体に内方に収縮する方向の応力が作用するようなテンションを加えた状態で形成されている請求項1又は2に記載の半田ボールの配列用マスク。 - 第二突起(15b)が、非磁性体で形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の半田ボールの配列用マスク。
- 第一突起(15a)が、非磁性体で形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の半田ボールの配列用マスク。
- 平板状のマスク本体(10)と、所定の配列パターンに対応してマスク本体(10)に開設された多数個の通孔(12)からなるパターン領域(13)と、マスク本体(10)の下面から突設されて、ワーク(3)との対向間隙を確保する支持用突起(15)とを備えており、
前記支持用突起(15)が、ワーク(3)の上面に当接してマスク本体(10)とワーク(3)との対向間隙を形成する第一突起(15a)と、該第一突起(15a)よりも突出寸法が小さい第二突起(15b)とで構成されており、
前記第一突起(15a)は、前記パターン領域(13)を囲むように形成され、前記第二突起(15b)は、前記パターン領域(13)内に形成されており、
通孔(12)に半田ボール(2)を振り込むことで、ワーク(3)上の所定位置に半田ボール(2)を搭載する半田ボールの配列用マスクの製造方法であって、
母型(30)の表面に、レジスト体(34a)を有する一次パターンレジスト(34)を形成する工程と、
レジスト体(34a)を用いて、母型(30)上に電着金属を電鋳して、一次電鋳層(35)を形成する第一の電鋳工程と、
一次電鋳層(35)およびレジスト体(34a)の表面に、レジスト体(38a)を有する二次パターンレジスト(38)を形成する工程と、
レジスト体(38a)を用いて、一次電鋳層(35)上に二次電鋳層(39)を形成する第二の電鋳工程と、
一次及び二次パターンレジスト(34・38)を除去する工程と、
二次電鋳層(39)上に、レジスト体(44a)を有する三次パターンレジスト(44)を形成する工程と、
レジスト体(44a)を用いて、母型(30)、一次及び二次電鋳層(35・39)上に電着金属を電鋳して、第一突起(15a)と第二突起(15b)とを一体に有するマスク本体(10)となる三次電鋳層(45)を形成する第三の電鋳工程と、
母型(30)、一次及び二次電鋳層(35・39)から三次電鋳層(45)を剥離する工程とを含むことを特徴とする半田ボールの配列用マスクの製造方法。 - 平板状のマスク本体(10)と、所定の配列パターンに対応してマスク本体(10)に開設された多数個の通孔(12)からなるパターン領域(13)と、マスク本体(10)の下面から突設されて、ワーク(3)との対向間隙を確保する支持用突起(15)とを備えており、マスク本体(10)の外周縁には補強用の枠体(11)が設けられており、
前記支持用突起(15)が、第一突起(15a)と、第二突起(15b)とで構成されており、
第一突起(15a)及び枠体(11)は、ワーク(3)の上面に当接してマスク本体(10)とワーク(3)との対向間隙を確保しており、第二突起(15b)は、第一突起(15a)よりも突出寸法を小さく形成しており、
前記第一突起(15a)は、前記パターン領域(13)を囲むように形成され、前記第二突起(15b)は、前記パターン領域(13)内に形成されており、
通孔(12)に半田ボール(2)を振り込むことで、ワーク(3)上の所定位置に半田ボール(2)を搭載する半田ボールの配列用マスクの製造方法であって、
母型(30)の表面に、レジスト体(54a)を有する一次パターンレジスト(54)を形成する工程と、
レジスト体(54a)を用いて、母型(30)上に電着金属を電鋳して、マスク本体(10)となる一次電鋳層(55)を形成する第1の電鋳工程と、
一次電鋳層(55)およびレジスト体(54a)の表面に、レジスト体(58a)を有する二次パターンレジスト(58)を形成する工程と、
レジスト体(58a)を用いて、一次電鋳層(55)上に電着金属を電鋳して、二次電鋳層(59)を形成する第二の電鋳工程と、
二次電鋳層(59)およびレジスト体(58a)の表面に、レジスト体(64a)を有する三次パターンレジスト(64)を形成する工程と、
レジスト体(64a)を用いて、二次電鋳層(59)上に電着金属を電鋳して、三次電鋳層(65)を形成する第三の電鋳工程と、
一次、二次および三次パターンレジスト(54・58・64)を除去する工程と、
母型(30)から、一次、二次および三次電鋳層(55・59・65)を剥離する工程とを含み、
第二の電鋳工程及び第三の電鋳工程において、レジスト体(58a)の近傍に位置する二次電鋳層(59)が第二突起(15b)となり、レジスト体(58a)の近傍以外に位置する二次電鋳層(59)とこの二次電鋳層(59)上に形成された三次電鋳層(65)とが第一突起(15a)及び枠体(11)となることを特徴とする半田ボールの配列用マスクの製造方法。
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