JP4797996B2 - 防犯センサー - Google Patents

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本発明は、バルコニーの腰壁、フェンス、塀等の頂部分に設ける防犯センサーに関する。
従来、バルコニーの腰壁等の頂部分を乗り越えて不審者が侵入するのを防止する防犯センサーが知られている。これらは、主に赤外線センサー、超音波センサー、静電容量検知センサー、磁気センサーを用いて不審者の侵入を検知するもの、あるいはカメラ等の撮像的監視モニターで監視して侵入を検知するものである(例えば特許文献1,2を参照)。
このような防犯センサーにおいては、猫や鳥等の小動物が侵入しても不審者が侵入した場合とほぼ同様に検知して、不審者が侵入していないにもかかわらず不審者が侵入したと誤検知することが多く、検知精度を上げようとすると、構造が複雑化し部品点数が増加してコスト高になる。また、カメラ等を設ける場合には、バルコニーの腰壁等に対する収まりが悪くて一体感が無く、外観性を損ねる。
そこで、本出願人は、バルコニーの腰壁の頂部分に設けられた圧力センサーを覆うセンサー笠木を設けて、このセンサー笠木に手等を掛けて乗り越えようとする不審者の荷重(体重)によって、センサー笠木が押し下げられたときに、圧力センサーを押圧するようになった防犯センサーを先に提案した。
これによれば、防犯センサーとして赤外線センサー等を用いた場合のように、猫や鳥等の軽量な小動物の侵入を不審者の侵入と誤検知することが未然に防止できるとともに、構造が簡単化し部品点数が減少してコスト安になり、また、バルコニーの腰壁等の頂部分に設ける手摺りとの収まりが良くなって一体感が有り、外観性が向上するようになる。
特開2001−153964号公報 特開2002−15380号公報
しかしながら、本出願人の提案にかかる防犯センサーにおいては、センサー笠木を上方に持ち上げる持ち上げ手段に関して改善すべき要望があった。
本発明は、前記要望に応えるためになされたもので、センサー笠木の持ち上げ手段として、小型でありながら高弾力、高付勢力が得られるとともに、センサー笠木に過荷重が作用したときに、過剰な変形(永久歪)が未然に防止できるようにした防犯センサーを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、バルコニーの腰壁、フェンス、塀等の頂部分の圧力センサーを覆うセンサー笠木が設けられ、このセンサー笠木が荷重で押し下げられたときに、圧力センサーを押圧するようになった防犯センサーであって、バルコニーの腰壁等の頂部分とセンサー笠木の下面との間に、センサー笠木を上方に持ち上げる板ばね材が設けられ、この板ばね材は、センサー笠木の長手方向に延在されて、両端部がバルコニーの腰壁等の頂部分に取付けられるとともに、センサー笠木の下面に当接する凸部が長手方向の中間部に形成され、この凸部の両側に凹部が形成されて、この凹部は、センサー笠木の押し下げストローク分だけ、板ばね材の取付け面よりも上方に浮かせていることを特徴とする防犯センサーを提供するものである。
請求項2のように、前記板ばね材の両端部の外縁部に、前記凸部よりも低い高さの立ち上げ部が形成されていることが好ましい。
請求項3のように、前記板ばね材の両端部は、板ばね材の取付け面に対して、取付け前は上向きに傾斜されていることが好ましい。
本発明によれば、板ばね材に凸部と凹部とを形成することで、板ばね材は小型でありながら高弾性、高付勢力(高持ち上げ力)になるとともに、板ばね材の凹部を取付け面よりも浮かせることで、センサー笠木に過荷重が作用したときに、凹部が取付け面で当て止められるため、板ばね材の過剰な変形(永久歪)が未然に防止されるようになる。また、板ばね材は、センサー笠木の長手方向に延在された形状であるために、圧力センサーがセンサー笠木の長手方向に延在されるケーブル状であるときは、圧力センサーに対していずれかの側にオフセットさせて取付けることで、板ばね材が圧力センサーに干渉しないので、圧力センサーの取付け、取外しが容易に行えるようになる。
請求項2によれば、板ばね材の両端部の外縁部に立ち上げ部を形成することにより、センサー笠木に過荷重が作用したときに、センサー笠木の下面が立ち上げ部で当て止められるため、板ばね材の過剰な変形(永久歪)が未然に防止されるようになる。
請求項3によれば、板ばね材の両端部を上向きに傾斜させることにより、両端部を水平状態に矯正しながら取付け面に取付けた時に、凸部によるセンサー笠木の付勢力(持ち上げ力)が高まるようになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はバルコニーの要部斜視図、図2は図1の要部拡大断面図であり、腰壁1の頂部分(上端部分)には、腰壁1に沿った手摺り2が設けられ、この手摺り2は、腰壁1の頂部分に立てられた複数個の支柱3でほぼ水平状態に支持されている。手摺り2は、例えばアルミニューム製であり、略横長楕円形の断面形状に形成されている。なお、手摺り2は、住宅の施工時に取付けられた既設のものであっても良い。
手摺り2には、センサー笠木5が上方から被せられている。センサー笠木5は、例えばアルミニューム製の押し出し型材であり、略逆U形の断面形状に形成されている。
手摺り2の上部には、図3(a)(b)にも示すように、手摺り2よりもやや広い幅で長手方向に延在するベース材6が配置され、ベース材6は、幅方向の中央下面部分が手摺り2の上面に宛われて、ねじ等で手摺り2に固定されるようになる。ベース材6は、例えばアルミニューム製の押し出し型材である。
ベース材6の幅方向の中央上面部分には、長手方向に延在する凹部6aが形成されるとともに、その両側には、長手方向に延在するフラット部6bがそれぞれ形成されている。凹部6aには、ベース材6の長手方向に沿ってゴムやエラストマーのような軟質合成樹脂製のセンサー保持具7の下部が嵌め込まれ、このセンサー保持具7の両側の窪み7aに凹部6aの両側のフック6dが係合することで、センサー保持具7が凹部6aに固定されるようになる。
センサー保持具7の上部には、ケーブル状の圧力センサー8を上方から嵌め込んだときに、その弾力で保持するための凹部7bが形成され、圧力センサー8は、ベース材6の長手方向に配置されたセンサー保持具7に跨って、一連に嵌め込まれている。
圧力センサー8は、表面に押圧力(荷重)が作用したときに、その部分が歪むことで、押圧力(荷重)に比例した電圧が誘起されるものである。
センサー保持具7で保持された圧力センサー8を押圧するセンサー押圧材9は、ゴムやエラストマーのような弾性体で成形されて、図4(a)〜(c)に詳細に示すように、圧力センサー8に上方から対向する押圧基部9aと、ベース材6のフラット部6bにねじ18で固定される固定部9bと、この固定部9bと押圧基部9aとを連結する可撓性の連結部9cとで形成されて、押圧基部9aの押圧面には、圧力センサー8と直交する方向に延在する断面半円状の押圧突起9dが圧力センサー8の長手方向に一対形成されている。
このセンサー押圧材9は、図4(d)のように、連結部9cを撓ませながら押圧基部9aを指で持ち上げると、押圧基部9aをセンサー保持具7の上方から退避させることができ(二点鎖線参照)、この状態で圧力センサー8をセンサー保持具7に嵌め込み、その後に押圧基部9aから指を離すと、連結部9cの弾力で押圧基部9aが圧力センサー8の上方に自動的に復帰するようになる。
連結部9cの弾力は、押圧基部9aが圧力センサー8の上方に自動的に復帰する程度に設定されているので、押圧突起9dが圧力センサー8に接触してもその部分が歪んで電圧が誘起されるおそれはない。
ベース材6の両側のフラット部6bには、ベース材6の長手方向に所定の間隔を隔てて、センサー笠木5の長手方向に延在する板ばね材11が取付けられている。この板ばね材11は、両側のフラット部6bに左右一対で取付けても良いが、センサー押圧材9の取付け位置にほぼ対応させて、左右交互に千鳥状に、つまり、圧力センサー8に対していずれかの側にオフセットさせて取付けても良い。なお、板ばね材11については、後で詳細に説明する。
この板ばね材11の付勢力によって、センサー笠木5が上方に持ち上げられるようになり、センサー笠木5が板ばね材11の持ち上げ力(付勢力)に抗して、荷重で押し下げられたときに、センサー押圧材9の押圧基部9aが下方に変位して圧力センサー8を押圧するようになる。
ベース材6の両端部には、下向きの係止爪6dが形成される一方、センサー笠木5の内面の両側には、ベース材6の係止爪6dに上方から無理嵌めするとともに、センサー笠木5の押し下げストロークを許容する係止溝5aが形成されている。これにより、センサー笠木5は、ベース材6に対して、押し下げ・持ち上げ可能に取付けられることになる。
図1のように、腰壁1の端部分に位置するベース材6には、圧力センサー8の端部が接続される検知回路ブロック13が取付けられるとともに、この付近の腰壁1の内面には、商用電源ACが接続された報知ユニットボックス14が取付けられて、検知回路ブロック13の信号線15が報知ユニットボックス14に接続されている。
そして、センサー笠木5に手等を掛けて乗り越えようとする不審者の荷重(体重)によって、センサー笠木5が板ばね材11の持ち上げ力(付勢力)に抗して押し下げられたときに、センサー押圧材9で圧力センサー8が押圧されることで、圧力センサー8には、押圧力(荷重)に比例した電圧が誘起され、この誘起電圧が検知回路ブロック13で検知されて、例えば20Kg以上の荷重(体重)であれば不審者が侵入したと判定して、報知ユニットボックス14から警報音等を報知するようになる。
また、猫や鳥等の軽量な小動物がセンサー笠木5に乗りかかって、センサー笠木5が板ばね材11の持ち上げ力(付勢力)に抗して押し下げられたとしても、圧力センサー8の誘起電圧が検知回路ブロック13で検知されて、例えば数10gから数Kgの荷重(体重)であれば不審者が侵入していないと判定して、報知ユニットボックス14から警報音等を報知しないようになる。
このように、防犯センサーとして赤外線センサー等を用いた場合のように、猫や鳥等の軽量な小動物の侵入を不審者の侵入と誤検知することが未然に防止できるとともに、構造が簡単化し部品点数が減少してコスト安になり、また、バルコニーの腰壁1等の頂部分に設ける手摺り2との収まりが良くなって一体感が有り、外観性が向上するようになる。
一方、センサー笠木5を付勢力で上方に持ち上げる板ばね材11としては、ベース材6とセンサー笠木5との間のスペースに組み込む必要があることから、小型化が要望される。
また、板ばね材11の付勢力が弱いと、軽い荷重でセンサー笠木5が押し下げられるので、圧力センサー8による検知精度は向上するが、小動物の乗りかかり等の外乱要因による誤検知の原因となるとともに、センサー笠木5に衝撃荷重が作用した場合、板ばね材11が変形(永久歪)するおそれがある。逆に、板ばね材11の付勢力が強すぎると、重い荷重でないとセンサー笠木5が押し下げられないので、圧力センサー8による検知精度が悪化する。そのため、人がセンサー笠木5を乗り越える際にかかる荷重等を考慮して、侵入者を確実に検知できる最適なばね定数の板ばねが必要である。
この板ばね材11の形状としては、図12(a)のような片持ち支持ばね11´と、図12(b)のような両端支持ばね11´とが考えられる。しかし、このような単純な形状のばねでは、付勢力が弱く、ばねとしての弾性が確保できず、永久歪が発生しやすくなり、付勢力等を確保しようとすると、ばねが大型化する。
そこで、図5(a)(b)に示すように、板ばね材11は、フラットな両端部11aにねじ用孔11bが形成されて、このねじ用孔11bを利用して、バルコニーの腰壁1等の頂部分であるベース材6にねじ17〔図4(a)参照〕で取付けるようにしている。
また、センサー笠木5の下面に当接する凸部11cが長手方向の中間部に形成され、この凸部11cの両側に凹部11dがそれぞれ形成されて、この凹部11dは、センサー笠木5の押し下げストローク分だけ、板ばね材11のベース材6の上面(取付け面)よりも高さH1で上方に浮かせている。
前記のような板ばね材11であれば、板ばね材11に凸部11cと凹部11dとを形成することで、板ばね材11は小型でありながら高弾力、高付勢力になるとともに、板ばね材11の凹部11dをベース材6の上面よりも浮かせることで、センサー笠木5に過荷重が作用したときに、凹部11dの底面がベース材6のフラット部6bの上面で当て止められるため、板ばね材11の過剰な変形(永久歪)が未然に防止されるようになる。
また、板ばね材11は、センサー笠木5の長手方向に延在された形状であるために、圧力センサー8がセンサー笠木5の長手方向に延在されるケーブル状であるときは、圧力センサー8に対していずれかの側にオフセットさせて取付けることで、板ばね材11が圧力センサー8に干渉しないので、圧力センサー8の取付け、取外しが容易に行えるようになる。
図5(c)(d)に示すように、板ばね材11の両端部11aの外縁部に、凸部11cよりも低い高さH2の立ち上げ部11eを形成することにより、センサー笠木5に過荷重が作用したときに、センサー笠木5の下面が立ち上げ部11eで当て止められるため、板ばね材11の過剰な変形(永久歪)が未然に防止されるようになる。
また、板ばね材11の両端部11aは、ベース材6の上面に対して、取付け前は上向きに傾斜角度θで傾斜させることにより、両端部11aを水平状態に矯正しながらベース材6のフラット部6bの上面にねじ17で取付けた時に、凸部11cによるセンサー笠木5の付勢力(持ち上げ力)が高まるようになる。
図6〜図8は、図5(a)(b)に示した板ばね材11の詳細図であり、図6(a)は平面図、同(b)は正面図、同(c)は底面図、同(d)は左側面図である。図7(a)は背面図、同(b)は右側面図、同(c)は斜視図である。図8は、板ばね材11の使用状態を示す斜視図である。
図9〜図11は、図5(c)(d)に示した板ばね材11の詳細図であり、図9(a)は平面図、同(b)は正面図、同(c)は底面図、同(d)は左側面図である。図10(a)は背面図、同(b)は右側面図、同(c)は斜視図である。図11は、板ばね材11の使用状態を示す斜視図である。
前記実施形態は、バルコニーの腰壁1の頂部分にセンサー笠木5が設けられたものであったが、フェンスや塀等の頂部分にセンサー笠木5が設けられたものであっても良い。
本発明の実施形態に係る手摺りを備えたバルコニーの要部斜視図である。 図1の要部拡大断面図である。 センサー笠木を取り外した手摺りであり、(a)は斜視図、(b)は(a)の要部拡大斜視図である。 (a)は板ばね材とセンサー押圧材の斜視図、(b)はセンサー押圧材を上面側から見た斜視図、(c)はセンサー押圧材を下面側から見た斜視図、(d)はセンサー押圧材の側面図である。 板ばね材であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は変形例の斜視図、(d)は(c)の正面図である。 図5(a)(b)に示した板ばね材の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は左側面図である。 図5(a)(b)に示した板ばね材の詳細図であり、(a)は背面図、同(b)は右側面図、同(c)は斜視図である。 図5(a)(b)に示した板ばね材の使用状態を示す斜視図である。 図5(c)(d)に示した板ばね材の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は左側面図である。 図5(c)(d)に示した板ばね材の詳細図であり、(a)は背面図、同(b)は右側面図、同(c)は斜視図である。 図5(c)(d)に示した板ばね材の使用状態を示す斜視図である。 (a)(b)は、それぞれ従来の板ばね材の正面図である。
符号の説明
1 腰壁
2 手摺り
5 センサー笠木
6 ベース材
7 センサー保持具
8 圧力センサー
9 センサー押圧材
11 板ばね材
11a 両端部
11c 凸部
11d 凹部
11e 立ち上げ部

Claims (3)

  1. バルコニーの腰壁、フェンス、塀等の頂部分の圧力センサーを覆うセンサー笠木が設けられ、このセンサー笠木が荷重で押し下げられたときに、圧力センサーを押圧するようになった防犯センサーであって、
    バルコニーの腰壁等の頂部分とセンサー笠木の下面との間に、センサー笠木を上方に持ち上げる板ばね材が設けられ、この板ばね材は、センサー笠木の長手方向に延在されて、両端部がバルコニーの腰壁等の頂部分に取付けられるとともに、センサー笠木の下面に当接する凸部が長手方向の中間部に形成され、この凸部の両側に凹部が形成されて、この凹部は、センサー笠木の押し下げストローク分だけ、板ばね材の取付け面よりも上方に浮かせていることを特徴とする防犯センサー。
  2. 前記板ばね材の両端部の外縁部に、前記凸部よりも低い高さの立ち上げ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防犯センサー。
  3. 前記板ばね材の両端部は、板ばね材の取付け面に対して、取付け前は上向きに傾斜されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防犯センサー。
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