JP4797447B2 - 光学用被加工部材,光学部材,光学系及び光露光装置 - Google Patents

光学用被加工部材,光学部材,光学系及び光露光装置 Download PDF

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この発明は、紫外光および真空紫外光を用いた各種機器、例えばステッパー、CVD装置、核融合装置等のレンズ、窓材等の光学系に使用される光学部材、この光学部材に加工される光学用被加工部材、その光学部材を用いた光学系、及びその光学系を含むステッパー、スキャナー等の光露光装置に関するものである。
近年におけるVLSIは、高集積化・高機能化が進行し、ウェハ上の微細加工技術が要求されている。そして、その集積回路の微細パターンをシリコン等のウエハ上に露光・転写する光リソグラフィーにおいては、ステッパーと呼ばれる露光装置が用いられている。
この光リソグラフィー技術のかなめであるステッパーの投影レンズには、高い結像性能(解像度、焦点深度)が要求されている。
解像度と焦点深度は、露光に用いる光の波長とレンズのNA(開口数)によって決まる。
露光波長λが同一の場合には、細かいパターンほど回折光の角度が大きくなるので、レンズのNAが大きくなれば回折光を取り込めなくなる。また、露光波長λが短いほど、同一パターンにおける回折光の角度は小さくなるので、レンズのNAは小さくてよいことになる。
解像度と焦点深度は、次式により表される。
解像度=k・λ/NA
焦点深度=k・λ/(NA)
(ここで、k、kは比例定数)
上式より、解像度を向上させるためには、レンズのNAを大きくする(レンズを大口径化する)か、あるいは露光波長λを短くすればよく、またλを短くする方が焦点深度の点で有利であることがわかる。
まず光の短波長化について述べると、露光波長も次第に短波長となり、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)を光源とするステッパーも市場に登場してきている。250nm以下の波長を利用する光リソグラフィー用途として使える光学材料は非常に少なく、フッ化カルシウムと石英ガラスの2種類で設計されている。
次に、レンズの大口径化について述べると、単に大口径であればよいと言うわけではなく、エキシマレーザーステッパーの光学系に用いる光学材料としては、フッ化カルシウムにおいては単結晶であることが要求される。
最近ではステッパーの高性能化に伴い、口径φ150mm〜300mm程度の大口径単結晶蛍石が要求されるようになってきた。
ここで従来の単結晶蛍石の製造法の一例を示す。単結晶蛍石は、ブリッジマン法(ストックバーガー法、ルツボ降下法)により製造されている。
紫外光または真空紫外域において使用される単結晶蛍石の場合、原料として天然のフッ化カルシウムを使用することはなく、化学合成により作製された高純度原料を使用することが一般的である。
単結晶蛍石の製造にあたっては、まず、育成装置の中に前記原料を充填したルツボを置き、育成装置内を10−3〜10−4Paの真空雰囲気に保持する。
次に、育成装置内の温度をフッ化カルシウムの融点以上まで上昇させてルツボ内の原料を熔融する。この際、育成装置内温度の時間的変動を抑えるために、定電力出力による制御または高精度なPID制御を行う。結晶育成段階では、0.1〜5mm/h程度の速度でルツボを引き下げることにより、ルツボの下部から徐々に結晶化させる。
熔融最上部まで結晶化したところで結晶育成は終了し、育成した結晶(インゴット)が割れないように、急冷を避けて簡単な徐冷を行う。育成装置内の温度が室温程度まで下がったところで、装置を大気解放してインゴットを取り出す。
この結晶育成においては、通常は黒鉛のルツボを用いて、先端部が円錐形状(ペンシル形状)のインゴットが製造される。この際に、ルツボの下端に位置する円錐部の先端部分から結晶を成長させることにより単結晶化が可能となる。
また、必要に応じて前記先端部分に種結晶を入れて結晶成長の方位を制御する技術もあるが、インゴットの直径がφ120mmを越えるようになると、方位制御はきわめて難しくなる。
一般に、フッ化物単結晶をブリッジマン法により製造する場合には、成長方位に優位性はないと考えられ、結晶成長毎にインゴットの水平面はランダムな面となる。
単結晶蛍石の結晶育成過程では、大きな温度勾配を有する育成装置内の温度分布が原因となってインゴット内部に歪が発生するため、ステッパーの投影レンズなど、高均質が要求される単結晶蛍石の場合には、歪を除去するためにインゴットのまま簡単なアニールを行った後、目的の製品別に適当な大きさに切断加工されて、さらにアニール(熱処理)装置内にて熱処理される。フッ化カルシウムは700℃以上で酸素と反応するため、熱処理は酸素を遮断した環境下で行われる。この熱処理工程では、単結晶蛍石は熱処理温度で反応しない、カーボン容器などの容器に置かれ、そのカーボン容器ごと真空排気が可能な気密容器内に収められる。この気密容器内で単結晶蛍石を大気と遮断し、適切な温度スケジュールに従って熱処理が行われる。
また、一般的に高品質が要求される単結晶蛍石の場合には、容器内を大気と遮断後、容器内をフッ素雰囲気として熱処理を行うことで光学特性がより良好な単結晶蛍石を得ている。
こうして得られた単結晶蛍石は、表面研磨やレンズ加工など、所望の光学部材形状に機械加工され、精密光学系に組み込まれる。
なお、この種のものとしては特許文献1に記載されたようなものがある。
特開平11−21197号公報
ところで、ブリッジマン法による結晶育成においては、容器内で結晶化することから、単結晶育成に関して様々な考慮がなされているが、通常は黒鉛のルツボを用いて、先端部が円錐形状(ペンシル形)のインゴットが製造される。この際に、ルツボの下端に位置する円錐部の先端部分から結晶を成長させることにより単結晶化が可能となる。
また、必要に応じて前記先端部分に種結晶を入れて結晶成長の方位を制御する技術もあるが、インゴットの直径がφ120mmを越えるようになると、成長界面の形状などの因子が直接的あるいは間接的に影響し、等方位制御はきわめて難しくなる。
一般に、フッ化物単結晶をブリッジマン法により製造する場合には、成長方位に優位性はないと考えられ、結晶成長毎にインゴットの水平面はランダムな面となる。そこで種々の工夫をこらしてインゴット水平面が{111}面となった単結晶蛍石が得られても、そのインゴットの水平面である{111}結晶面を観察すると、その水平面上には光軸方向とわずかに面方位がズレた亜境界(サブグレインバウンダリー)で囲まれた領域が、頻繁に観察される。
ここで結晶構造から硬度を考えてみると、原子半径が小さく、原子間距離の近いものほど原子相互の凝集力が大きく、従って硬度が高いが、同一の結晶についても格子面の方位によって硬度が異なる。ゆえに前記のようなサブグレインバウンダリーの場合においても、そのサブグレインバウンダリーの左右に存在する結晶面同一の結晶については、その硬度が異なるわけであるが、このことは加工上しばしば大きな問題となることがある。
特に、精密研磨が必要な光学部材を作製する場合には、所望の加工精度を得るため、加工工程に非常に多くの時間を費やすことになり、生産性が著しく悪化する、あるいは所望の加工精度が得られないという問題点があった。
ましてや直径が120mmを越え、かつ光軸方向と直交する{111}結晶面に、サブグレインバウンダリーが部材の有効寸法内に全く存在しない単結晶蛍石素材を入手するのは、非常に困難であった。
よって、結局、特に精密研磨が必要な光学部材を作製する場合には、所望の加工精度を得るために、多くのフッ化カルシウムから良好なもののみを選定せざるを得ず、歩留まりが悪くなり、選定されたフッ化カルシウムが高価なものになるという問題点もあった。
本発明は、前記問題点を鑑みてなされたものであり、光軸方向と直交する{111}結晶面にサブグレインバウンダリーが存在する単結晶であっても、加工精度や生産性を悪化させることなく、紫外光および真空紫外光を用いた高精度な光学系に使用できるものを提供することを課題とする。
そこで、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、以下の発明をするに至った。
すなわち、かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化物単結晶であり、該フッ化物単結晶の光透過面にサブグレインバウンダリーを有し、前記フッ化物単結晶の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工される光学用被加工部材であって、前記サブグレインバウンダリーの単位面積当たりの長さの合計が、0.1cm/cm以下である光学用被加工部材としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化物単結晶であり、該フッ化物単結晶の光透過面にサブグレインバウンダリーを有し、前記フッ化物単結晶の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工される光学用被加工部材であって、前記フッ化物単結晶の光透過面内の、面方位が前記光軸方向と一致する領域と、前記サブグレインバウンダリーで囲まれた領域との、それぞれの面方位の相対ズレ角が±5°以内である光学用被加工部材としたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化物単結晶であり、該フッ化物単結晶の光透過面にサブグレインバウンダリーを有し、前記フッ化物単結晶の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工される光学用被加工部材であって、前記サブグレインバウンダリーの単位面積当たりの長さの合計が、0.1cm/cm以下で、且つ、前記フッ化物単結晶の光透過面内の、面方位が前記光軸方向と一致する領域と、前記サブグレインバウンダリーで囲まれた領域との、それぞれの面方位の相対ズレ角が±5°以内である光学用被加工部材としたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の光学用被加工部材はフッ化カルシウムのフッ化物単結晶であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の光学用被加工部材の光透過面を曲面形状とした光学部材としたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光学部材の直径を150mm以上としたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の光学部材を所定枚数使用して構成される光学系としたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の光学系を有する光露光装置としたことを特徴とする。
上記各請求項に記載の発明によれば、光軸方向と直交する{111}結晶面にサブグレインバウンダリーが存在する光学用被加工部材であっても、紫外光および真空紫外光を用いた高精度な光学系に用いるものとして、十分な加工精度を持つものを、生産性を悪化させることなく提供できるようになった。
請求項3に記載の発明によれば、フッ化物単結晶の光透過面に存在するサブグレインバウンダリー量が、0.1cm/cm以下で、且つ、フッ化物単結晶の光透過面内の、面方位が光軸方向と一致する領域と、サブグレインバウンダリーで囲まれた領域との、それぞれの面方位の相対ズレ角を±5°以内とすることにより、より一層、加工精度及び生産性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、光学用被加工部材の光透過面を曲面形状とした光学部材を形成する場合に特に効果的である。
請求項6に記載の発明によれば、直径が150mm以上の大きな光学部材を成形する場合にサブグレインバウンダリーが発生し易いため、かかるものを成形する場合に効果的である。
請求項7に記載の発明によれば、光学部材を所定枚数使用して光学系を構成することにより、高精度の光学系を形成することができる。
請求項8に記載の発明によれば、高精度の光学系を用いることにより、より高性能な光露光装置を提供できる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3には、この発明の実施の形態を示す。
図中符号1は光学用被加工部材で、この光学用被加工部材1が加工されることにより、ステッパー,CVD装置等の光学系に使用される光学部材が成形されることとなる。
この光学用被加工部材1は、波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化カルシウムのフッ化物単結晶であり、インゴットから切り出されて、{111}結晶面が平行2平面となるように短円柱形状に形成されている。
この光学用被加工部材1は、フッ化物単結晶の光透過面の{111}結晶面の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工されている。
そして、その光学用被加工部材1は、フッ化物単結晶の{111}結晶面に存在するサブグレインバウンダリー量が、0.1cm/cm以下となっている。このサブグレインバウンダリー量とは、単位面積当たりのサブグレインバウンダリーSの長さの合計である。また、この光学用被加工部材1は、前記フッ化物単結晶の{111}結晶面内の、面方位が光軸O方向と一致する領域E1と、サブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2(図1中斜線で示す)との、それぞれの面方位a,bの相対ズレ角αが±5°以内である(図2参照)。
その平行面の{111}結晶面上にあるサブグレインバウンダリー量と、光軸O方向に対するサブグレインバウンダリー領域E2の面方位の相対ズレ角αの大きさを測定するためには、まず光軸O方向に直交する平行面となる、{111}結晶面上に存在するサブグレインバウンダリーSの状態を確認する必要がある。
そのために、まず、光学用被加工部材1の平行面である{111}結晶面を、水銀灯照明を用いて十分に照らして、目視検査にてサブグレインバウンダリーSを観察し、確認されたサブグレインバウンダリーSに沿ってマーキングを施した。
そして、面方位が光軸O方向と一致する領域E1と、サブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2との、それぞれの面方位a,bの相対ズレ角αの大きさについては、それら領域E1,E2の面方位a,bを、X線結晶方位測定装置で測定することで算出した。
また、サブグレインバウンダリー量の測定については、図3に示すような測定装置を用いて測定した。
すなわち、予め行われた{111}結晶面の表面観察で、フッ化物単結晶蛍石である光学用被加工部材1の平行面である{111}結晶面のサブグレインバウンダリーSに沿ってマーキングが施されており、この光学用被加工部材1がステージ2上に載置されて固定されている。
そして、この光学用被加工部材1のサブグレインバウンダリーSの状態はカメラ3を通してパソコン4に画像が取り込まれ、取り込まれた画像はパソコン4で処理することでサブグレインバウンダリーSの量が測定・定量化され、モニター5にその処理画像が表示される。
こうして{111}結晶面におけるサブグレインバウンダリー量(cm/cm)が測定されると共に、面方位が光軸O方向と一致する領域E1とそのサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2との、それぞれの面方位の相対ズレ角αが測定されることとなる。これらの測定を光学用被加工部材1の平行2平面の両面について求めた。
観察の結果、光軸に直交する{111}平行2平面にサブグレインバウンダリーSが確認された光学用被加工部材1(各実施例、比較例)、およびサブグレインバウンダリーSが確認されなかった光学用被加工部材1について、平行面を精密研磨加工した結果を表1に示した。
Figure 0004797447
ここで、サブグレインバウンダリー領域E2の相対ズレ角αについては、結晶面には複数のサブグレインバウンダリー領域E2…が存在し、各領域E2…において、領域E1との面方位の相対ズレ角αは異なるため、表中の相対ズレ角αはある幅を持って表記されている。また、加工時間は、サブグレインバウンダリーSが確認されなかったフッ化物単結晶を1とした比率で、すべての結果を表した。なお、上記表1では、「サブグレインバウンダリー」を「サブバウンダリー」と略して記載している。
[基準]
これは、サブグレインバウンダリー量(cm/cm)がゼロで、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との相対ズレ角αもないものである。
この場合には、加工精度の達成は「◎」であり、加工時間は基準の「1」である。
[実施例1]
これは、サブグレインバウンダリー量が0.08cm/cmで、0.1cm/cm以下であり、又、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との相対ズレ角αが+1〜−2°で、±5°以内である。
この場合には、サブグレインバウンダリー量と相対ズレ角αとの両方の条件を満足しているため、加工精度の達成は「◎」であり、加工時間は「1.1」であった。
[実施例2]
これは、サブグレインバウンダリー量が0.03cm/cmで、0.1cm/cm以下であり、又、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との相対ズレ角αが+4〜−3で、±5°以内である。
この場合にも、サブグレインバウンダリー量と相対ズレ角αとの両方の条件を満足しているため、加工精度の達成は「◎」であり、加工時間は「1.5」であった。
[実施例3]
これは、サブグレインバウンダリー量が0.3cm/cmで、0.1cm/cmより大きいが、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との相対ズレ角αが+3〜−3で、±5°以内である。
この場合には、サブグレインバウンダリー量が0.1cm/cmより大きく一方の条件を満足していないが、相対ズレ角αが±5°以内で、他方の条件を満足しているため、加工精度の達成は「○」であり、加工時間は「2.0」であった。
[実施例4]
これは、サブグレインバウンダリー量が0.06cm/cmで、0.1cm/cm以下であるが、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との相対ズレ角αが+3〜−7で、±5°より大きい。
この場合には、サブグレインバウンダリー量が0.1cm/cm以下で一方の条件を満足しているが、相対ズレ角αが±5°より大きく、他方の条件を満足していないため、上記実施の形態3と略同様、加工精度の達成は「○」であり、加工時間は「2.5」であった。
[比較例]
これは、サブグレインバウンダリー量が0.5cm/cmで、0.1cm/cmより大きく、又、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との相対ズレ角αも+6〜−9で、±5°より大きい。
この場合には、サブグレインバウンダリー量と相対ズレ角αとの両方の条件を満足していないため、加工精度の達成は「×」であり、加工時間も「5以上」であった。
このように各実施例では、所望の加工精度が達成でき、加工時間も短くできるのに対して、比較例のように、サブグレインバウンダリー量が0.1cm/cmより大きく、且つ、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との角度ズレαが±5°より大きいものにあっては、加工精度の達成度合いも満足の行くものではなく、又、加工時間も非常に掛かり、生産性が悪いものであった。
また、各実施例の中でも、実施例1,2のように、サブグレインバウンダリー量が0.1cm/cm以下で、且つ、領域E1の面方位とサブグレインバウンダリーSで囲まれた領域E2の面方位との角度ズレαが±5°以内のものにあっては、実施例3,4と比較して、より加工精度が良好で、加工時間も短くできた。
このようにして光学用被加工部材1の{111}結晶面を加工して凸面等の曲面形状に形成して、直径を150mm以上の光学部材を成形する。直径が150mm以上になるとサブグレインバウンダリーSが部材の有効寸法内に全く存在しないフッ化物単結晶を入手するのは難しく、又、入手したとしても高価なものとなるが、この発明によれば、サブグレインバウンダリーSが存在するものであっても、所定の条件を満足するものを加工することで、サブグレインバウンダリーSが全く存在しないものを入手することなく、所望の加工精度及び生産性の向上を図ることができる。
そして、かかる光学部材を所定枚数使用して光学系を構成し、この光学系を光露光装置に装備することにより、高精度の光露光装置を得ることができる。
この発明の実施の形態にかかる光学用被加工部材の{111}結晶面を示す説明図である。 同実施の形態にかかる光学用被加工部材の{111}結晶面を断面した拡大説明図である。 同実施の形態にかかる光学用被加工部材の{111}結晶面のサブグレインバウンダリー量等を測定する装置の概略図である。
符号の説明
1 光学用被加工部材
S サブグレインバウンダリー
E1 面方位が光軸方向と一致する領域
E2 サブグレインバウンダリーで囲まれた領域
α 相対ズレ角
O 光軸

Claims (8)

  1. 波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化物単結晶であり、該フッ化物単結晶の光透過面にサブグレインバウンダリーを有し、前記フッ化物単結晶の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工される光学用被加工部材であって、
    前記サブグレインバウンダリーの単位面積当たりの長さの合計が、0.1cm/cm以下であることを特徴とする光学用被加工部材。
  2. 波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化物単結晶であり、該フッ化物単結晶の光透過面にサブグレインバウンダリーを有し、前記フッ化物単結晶の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工される光学用被加工部材であって、
    前記フッ化物単結晶の光透過面内の、面方位が前記光軸方向と一致する領域と、前記サブグレインバウンダリーで囲まれた領域との、それぞれの面方位の相対ズレ角が±5°以内であることを特徴とする光学用被加工部材。
  3. 波長250nm以下の光を透過する等軸晶系に属するフッ化物単結晶であり、該フッ化物単結晶の光透過面にサブグレインバウンダリーを有し、前記フッ化物単結晶の面方位が光軸方向と一致、又は、略一致するように加工される光学用被加工部材であって、
    前記サブグレインバウンダリーの単位面積当たりの長さの合計が、0.1cm/cm以下で、且つ、前記フッ化物単結晶の光透過面内の、面方位が前記光軸方向と一致する領域と、前記サブグレインバウンダリーで囲まれた領域との、それぞれの面方位の相対ズレ角が±5°以内であることを特徴とする光学用被加工部材。
  4. 請求項1乃至3の何れか一つに記載の光学用被加工部材はフッ化カルシウムのフッ化物単結晶であることを特徴とする光学用被加工部材。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の光学用被加工部材の光透過面を曲面形状としたことを特徴とする光学部材。
  6. 請求項5に記載の光学部材の直径を150mm以上としたことを特徴とする光学部材。
  7. 請求項5又は6に記載の光学部材を所定枚数使用して構成されることを特徴とする光学系。
  8. 請求項7に記載の光学系を有することを特徴とする光露光装置。
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