本発明は、カメラ、顕微鏡、望遠鏡などの光学機器や、ステッパーなどの光リソグラフィー装置における光学系を構成する光学部材を製造するための製造方法及びそれにより得られた光学素材に関するものであり、特に250nm以下の光リソグラフィー用光学部材として用いられるフッ化物結晶からなる光学部材とその製造方法に関するものである。
近年、ウエハ上に集積回路パターンを描画するリソグラフィー技術が急速に発展している。集積回路の高集積化の要求は高まるばかりであり、その実現のためには投影露光装置の投影光学系の解像力を上げる必要がある。投影レンズの解像力は、使用する光の波長と投影レンズのNA(開口数)により支配され、解像力を上げるためには使用する光の波長をより短くし、投影光学系のNAをより大きく(大口径化)すれば良い。
まず、光の短波長化について述べる。投影露光装置に使用する光源の波長は、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、さらにはArFエキシマレーザー光(波長193nm)と短波長化が進んできており、今後さらに波長の短い、F2レーザー光(波長157nm)等を使用するとなると、投影光学系等の結像光学系のレンズ材料として一般の光学ガラスを使用することは、透過率低下が問題となるため、もはや不可能である。
このため、F2レーザーステッパーの光学系には、フッ化物結晶例えばフッ化カルシウム(蛍石)を光学部材として使用することが一般的と考えられている。
次に大口径化について述べる。KrF、ArFエキシマレーザーステッパー、またはF2レーザーステッパーの光学系に用いる光学部材としての光学性能を満たすためには、結晶材料においては単結晶であることが好ましいとされている。
また、投影露光装置の高性能化にともない、最近になって口径φ100mm〜φ350mm程度の大口径のフッ化カルシウム単結晶が要求されるようになってきた。かかるフッ化カルシウム(蛍石)単結晶は、一般の光学ガラスに比べて屈折率が低く、かつ分散(屈折率の波長依存性)が小さいため、他の材料からなる光学部材と共に用いたときに色収差を補正できるという点で大変有効である。また、他の結晶材料(フッ化バリウム等)に比べて市場での入手が容易であり、直径φ100mm以上の大口径単結晶も入手可能である。
これらの利点を有するフッ化カルシウム単結晶は、ステッパー用光学材料の他に、カメラ、顕微鏡及び望遠鏡のレンズ材料としても従来から用いられている。また最近では、フッ化カルシウム単結晶以外のフッ化物単結晶であるフッ化バリウム、フッ化ストロンチウムの単結晶も同じ等軸晶系に属し、性質が似ているという点で、次世代の光学材料として注目を集めている。
フッ化物単結晶は、ブリッジマン法(ストックバーガー法または引き下げ法)、あるいはタンマン法などの融液法による単結晶育成方法が知られている。
以下に、ブリッジマン法によるフッ化カルシウム単結晶の製造方法の一例を示す。
紫外ないし真空紫外域で使用される蛍石単結晶の場合、原料に天然の蛍石を使用するこ
とはなく、化学合成で作られた高純度原料を使用することが一般的である。
原料は粉末のまま使用することが可能であるが、この場合、熔融したときの体積減少が激しいため、半熔融品やその粉砕品を用いるのが普通である。まず、育成装置の中に前記原料を充填したルツボを置き、育成装置内を10-3〜10-4Paの真空雰囲気に保つ。次に、育成装置内の温度を蛍石の融点以上(1370°C〜1450°C)まで上げて原料を熔融する。この際、育成装置内温度の時間的変動を抑えるために、定電力出力による制御または高精度なPID制御を行なう。
結晶育成(結晶成長)段階では、0.1〜5mm/h 程度の速度でルツボを引き下げることにより、ルツボの下部から徐々に結晶化させる。融液最上部まで結晶化したところで結晶育成は終了し、育成した結晶(インゴット)が割れないように、急冷を避けて簡単な徐冷を行なう。育成装置内温度が室温程度まで下がったところで、装置を大気開放してインゴットを取り出す。
この結晶育成では、通常は黒鉛製の坩堝を用いる。その形状は、先端部が円錐形状のペンシル型で、その他の部分が円柱形状である。坩堝の下端に位置するペンシル型の先端から結晶成長させることにより結晶化したインゴットを得る。また、インゴットの結晶面方位をある程度制御するために前記先端部分に種結晶を入れることも行なわれているが、インゴットの直径がφ100mmを越えるようになると、方位制御は極めて難しくなる。
ブリッジマン法によって製造されたフッ化物結晶は基本的には成長方位に優位性はないと考えられ、結晶成長毎にインゴットの水平面はランダムな面となる。
結晶成長後、取り出したインゴットには大きな残留応力が存在するため、インゴットの形状のままで簡単な熱処理が行なわれる。
このようにして得られたフッ化カルシウム単結晶のインゴットは、目的の製品別に適当な大きさに切断加工される。ここで、結晶面方位を考慮しない場合、より大きな光学素子(レンズ等)作製用素材をインゴットから効率よく切り出すには、インゴットを水平に切断(輪切り)される。その後、切り出した素材は、所望の光学性能(屈折率の均質性と複屈折)を得るための熱処理が施される。
上記のようなブリッジマン法と熱処理を用いたフッ化カルシウム単結晶の製造方法の一例としては、ブリッジマン法で蛍石単結晶を育成した後、熱処理を施して、屈折率差が5×10-6以下の光学材料を得る方法(下記、特許文献1参照)が知られている。
ところで、フッ化物単結晶において、他の結晶面と比べて{111}結晶面に垂直な方向の光学性能が高いことから、フッ化物単結晶インゴットの{111}結晶面を測定し、該{111}面が平行二平面となるように光学素子作製用素材を切り出した後、熱処理することが行なわれている。
あるいは、結晶育成により得られたフッ化物単結晶のインゴットに対し、所望の光学性能(屈折率の均質性と複屈折)を得るための熱処理を施した後、{111}結晶面が平行二平面となるように光学素子作製用素材を切り出して光学性能の良いフッ化物単結晶を得る方法が行なわれている。
一方、フッ化物結晶の固有複屈折が、測定波長が短波長になるにつれて大きくなることから、193nm以下の投影レンズにおいては、{111}面のフッ化物結晶に加えて、{100}面あるいは{110}面を平行二平面とするフッ化物結晶が用いられることが
検討されている。{100}面あるいは{110}面を平行二平面とするフッ化物結晶であっても、{111}面のものと同様な、切出し工程、および熱処理工程が行なわれる。
また、フッ化物結晶の固有複屈折を管理、影響を低減するために、たとえばラウエ法により、少なくとも2方向以上の結晶面方位を測定することが行なわれていた。
本文中で、複屈折とは、光(=電磁波)の偏光方向によって屈折率が異なる現象であり、屈折率が最小となる偏光方向が「進相軸」、屈折率が最大となる偏光方向が「遅相軸」とそれぞれ呼ばれる。複屈折は、通常、物質の単位長さを通過するときの進相軸の偏光と遅相軸の偏光の光路差(レターデーションと呼ばれる)で表され、単位はnm/cmが用いられる。また、複屈折が、物質または結晶構造に固有の固有複屈折のみならず、熱応力などに起因した歪(ひずみ)により発生している場合があり、このような複屈折のことを単に歪と呼ぶこともある。
固有複屈折は、結晶の製造方法や熱処理条件によらず物質固有の値を持つ。そこで、複屈折量や進相軸の向きを測定しなくとも、結晶面方位さえ測定すれば、複屈折量は管理可能であり、さらに複数枚の光学部材を組み合わせてその影響を打ち消しあうことが可能である。
一方、熱応力に起因する複屈折の発生に対しては、多成分系の光学ガラスや石英ガラスと同様、熱処理を施すことにより、フッ化物結晶の熱処理後の複屈折の値は、光軸方向の測定で1〜2nm/cm程度(測定波長633nm)となり、熱応力に起因する応力は自由な光学設計の妨げとならないレベルに低減されると考えられていた。例えば、波長250nm以下の光リソグラフィーに使用可能な大口径で複屈折の小さな蛍石単結晶を製造するための方法(下記、特許文献2参照)が知られていた。この方法では、熱処理後の蛍石単結晶の光軸に垂直な側面方向の複屈折は360°の回転角でほぼ同じであったと報告されており、このため実施冷においては側面方向の結晶方位を求めることなく、側面方向の(任意の角度で)複屈折が測定されていた。
特開平8−5801号公報
特開平11−240796号公報
本発明者らは、フッ化カルシウム単結晶の多種多様な面方位における複屈折量を測定したところ、熱処理では抑制しきれない応力起因の複屈折がフッ化カルシウム単結晶に残留していることがわかった。そして、このような複屈折は、光学設計に悪影響を与えるレベルにあることがわかった。さらに、この種の複屈折は、複数の光学部材を組み合わせても影響を打ち消すことができるものではないこともわかった。つまり、この種の複屈折が所定のレベル以下の光学部材により光学系を構成することが必要である。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、複屈折の影響を最小にしたフッ化物単結晶から形成された光学部材及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明の別の目的は、本発明の光学部材を備えた露光装置を提供することにある。
すなわち本発明は、フッ化物結晶インゴットを育成する育成工程と、インゴットから、所望の結晶面方位を平行二面とする円柱状の素材を切り出す切り出し工程と、円柱状素材の側面の結晶方位を決定する方位決定工程と、方位決定工程で求められた、側面の所定結
晶軸方向における複屈折を測定を行なう複屈折測定工程と、前記複屈折の測定結果に基づいてフッ化物結晶を判定する判定工程と、を有するフッ化物結晶からなる光学部材の製造方法を提供する。
本発明者らは、フッ化カルシウム単結晶の多種多様な面方位における複屈折量を測定したところ、熱応力に起因する複屈折は、従来の方法では十分に抑制できない場合があることがわかった。そして、さらなる蝶を続けたところ、熱応力に起因して発生するフッ化カルシウム単結晶の光軸に垂直な側面の複屈折量が結晶方向に依存して大きく変動することを見出した。そこで、本発明者らは、熱応力に起因する複屈折が大きくなる特定の結晶面方位を予め求め、其の方位の複屈折の量を管理することで、良好な光学特性を有する光学部材を選別することに成功した。例えば、平行二面が{111}面の場合には、側面の特定結晶方向<110>の複屈折量が規定値以下であるかを判定すればよく、平行二面が{100}面の場合には、側面の特定結晶方向<100>方向または<110>方向の複屈折量が規定値以下であるかを判定すればよい。そして、規定値以下の部材のみをレンズなどの光学系を構成する材料として用いればよい。
特に、最近は分解能を向上させるためにNAの大きな光学レンズを使用しているために、レンズを通過する光は光軸に対して斜めの成分が大きくなる。この斜めの成分は光軸方向のみならず、光軸に垂直な方向、すなわち、円柱状の結晶の側面方向(光軸に垂直な面内方向)の複屈折による影響を受けることになる。従って、本発明に従い、光軸に垂直な側面方向の複屈折量を検査することで、光学部材が露光装置などに使用される光学系に好適であるか否かを判定することができる。
本発明の方法の上記方位決定工程において、側面の複屈折を複数の角度で測定することにより側面の結晶方位を求めることができる。上記判定工程において、側面の特定結晶軸方向の複屈折量の最大値が測定波長633nmにおいて10nm/cm以下であるかどうかを判定し得る。露光装置に用いる投影光学系では特に側面の特定結晶軸方向の複屈折量の最大値を測定波長633nmにおいて10nm/cm以下に抑制することにより良好な結像性能が得られる。側面の特定結晶軸方向の複屈折量の最大値が測定波長633nmにおいて10nm/cm以下である場合には、上記素材を所定の光学部材の形状に成形し得る。そうでない場合には、この円柱状の素材は光学部材として不適であるとして適宜処分し得る。
本発明に従えば、本発明の製造方法により製造されたフッ化物結晶の光学部材が提供される。この光学部材は、特定の結晶面方位を平行二面とする円柱状の素材形状で測定した側面の特定結晶軸方向の複屈折量の最大値が測定波長633nmにおいて10nm/cm以下である。前記フッ化物結晶はフッ化カルシウム単結晶にし得る。
本発明に従えば、本発明の製造方法により製造された光学部材を備えた露光装置が提供される。この露光装置は、エキシマレーザーまたはF2レーザーを光源として備え得る。
本発明によれば、光軸以外の結晶面方位が管理された光学部材を提供することができ、所望の光学性能を確保することが可能となる。このようにして得られた光学部材を用いてエキシマレーザー、F2レーザーなど紫外線を光源として用いる投影露光装置の投影光学系を構成することで、解像度の高い露光装置を提供することができる。
発明を実施するための裁量の形態
図1に、本発明の光学部材の製造方法の流れの一例を示す。本発明の光学部材の製造方法は、基本的には結晶を育成する工程と、円柱状の素材を切り出し、素材側面の結晶方位
と複屈折の測定を行なう工程と、その測定結果によってフッ化物結晶の良否あるいは使用方法を判定する選別工程とを有する。
結晶育成工程601は、具体的には原料精製工程、前処理工程、結晶育成工程、結晶育成炉内でのアニール工程などを有する。
円柱状の素材の切り出し工程の前にインゴット形状での結晶面方位の測定工程602が行なわれることがある。
円柱状素材の切り出し工程604は、具体的には内部の異物等の検査工程、切断工程、丸め工程、平面研削工程、面とり工程などを有する。また、切断する際には、後述するラウエ法や劈開面を利用して切断面、切断位置を決定する切断方位決定工程603がとられる。
切り出し工程の後には、必要に応じて素材側面の結晶方位と複屈折の測定を行なう工程が行なわれる。
さらに、切り出した素材に対してアニール工程(熱処理工程)605が行なわれる。アニール工程は、具体的にはアニール炉内で温度を徐々に上昇させていく昇温工程と、一定の温度で素材を保持する保持工程と、温度を徐々に降下させていく降温工程と、アニール炉のヒーターをオフにして放冷させる放冷工程などを有する。
アニール工程の後には、アニール後の素材の複屈折を測定する工程606が行なわれる。具体的には、素材の平行二面の面内の複屈折量、進相軸の向きの分布や、側面方向の複屈折量、進相軸の向き等が測定される。この測定結果に基づき、素材の選別が行なわれる。所望の複屈折量が得られていた場合はそのままレンズ形状に加工され(工程607)、組立工程608を経て光学系となる。所望の複屈折量が得られない場合は、例えば再度アニール工程を経て所望の複屈折量となるように処理される。
本発明の製造方法は、特に、所定の結晶面方位によって切り出された平行二面を持つ円柱状素材の側面方向の結晶方位と、その方位における複屈折量、進相軸の向き等を測定することを特徴とするものである。
素材の結晶面方位は、熱処理によって変化しないが、複屈折は、熱処理の前後で複屈折量、進相軸の向きが変化する。そこで、本発明においては、結晶面方位は、インゴットの状態または熱処理前または熱処理後の少なくともいずれかの段階で測定することとし、複屈折(量、進相軸)は、少なくとも熱処理後に測定することを必須とするものである。
熱処理前に結晶面方位と、それぞれの方位における複屈折を測定し、この情報を元に熱処理条件を適宜決定することが、複屈折を最適化するために好ましい。 なお、熱処理前に側面方向の結晶面方位を測定した際に、その方位を素材にマーキングしておき、熱処理後にそのマーキングの方位における複屈折を測定することが可能である。
さらに、後述するように、側面方向の複屈折量は、その結晶面方位に関連して円周方向に周期性を有することが、本発明者らによって確認された。そこで、側面方向の結晶面方位を測定することなしに側面方向の複屈折量を複数の角度から測定することによって結晶面方位を推定することも可能である。すなわち、側面方向の複数の角度の複屈折量を測定することにより、側面の結晶方位を決定できる。
以下に、各工程について詳細に説明する。
<結晶育成肯定>
結晶育成工程は、従来のフッ化物結晶の製造方法を同様の方法を用いる。以下に、ブリッジマン法(ストックバーガー法または引き下げ法)によるフッ化カルシウム単結晶の育成方法について説明する。
図2は、フッ化カルシウム単結晶の育成方法を示した概念図である。
原料は化学合成で作られた高純度原料を使用する。まず、原料の半熔融品を以下の手順で製造した。前処理装置の中に前記粉末原料を充填したグラファイトルツボを積み重ねて置き、前処理装置内を10-3〜10-4Paの真空雰囲気に保つ。次に、前処理装置内の温度をフッ化カルシウムの融点以上(1370°C〜1450°C)まで上げて原料を熔融し後室温まで降温する。この際、装置内温度の時間的変動を抑えるために、PID制御を行なうことが好ましい。この粉末原料にはフッ化鉛等のフッ素化剤を添加した。このようにして得られた、半溶融品を結晶育成炉に移し、再度溶融温度まで昇温した後、結晶成長段階では、0.1〜5mm/h 程度の速度でルツボを引き下げることにより、ルツボの下部から徐々に結晶化する。融液最上部まで結晶化したところで結晶育成は終了し、育成した結晶(インゴット)が割れないように、急冷を避けて簡単な徐冷を行なう。育成装置内温度が室温程度まで下がったところで、装置を大気開放してインゴットを取り出す。
この結晶育成では、断熱性及び気密性を有する育成炉701内にφ300mmの黒鉛(カーボン)製の坩堝702を用いて、先端部が円錐形状のペンシル型のインゴットを製造する。この際に、坩堝の下端に位置する円錐部の先端部分から結晶を成長させることにより単結晶化が可能となる。坩堝702は支持体703を介して鉛直方向に移動可能となっている。また、育成炉701内には、上部に高温側ヒーター704、下部に低温側ヒーター705がそれぞれ炉701の内周面に沿って配置されており、炉内の上部よりも下部が低温となるように加熱可能となっている。また、育成炉701の下部には、炉内を減圧する排気ライン706が設置されている。まず、坩堝の先端部分に種結晶を入れた。この種結晶には結晶成長の方位を制御する目的もあるが、実際には結晶成長毎にインゴットの水平面はランダムな面となるため、この段階では面方位は推定できない。
育成工程においては、まず、図2Aに示したようにフッ化物単結晶の原料が充填された坩堝702を育成炉701の上部に配置し、排気ラインから排気して育成炉内を10-3〜10-4Paの真空雰囲気に保つ。次いで、ヒーター704、705により育成炉内をフッ化物の融点以上(フッ化カルシウムの場合1370°C〜1450°C)まで上げて原料を溶融する。
次に、図2Bに示したように、支持棒703を介して坩堝702を所定の速度(0.1〜5mm/時)で引き下げて、融液707を坩堝の下部側から徐々に結晶化させてフッ化物単結晶708の育成を行なう。
次に、図2Cに示したように、坩堝を融液707が坩堝の最上部まで結晶したところで結晶育成を終了する。育成した結晶709(インゴット)が割れないように、また残留応力を低減するため、炉内で室温程度までゆっくり降温し、インゴットを取り出す(A)。<面方位測定工程>
インゴットから円柱状(円筒形状)の素材を切り出す際は、すくなくとも平行二面の結晶方位を決定する。さらに、この段階でラウエ法等を用いて2つ以上の結晶方位を測定しても良い。また、インゴット全体の結晶方位を測定することに限定されず、インゴットのトップ部あるいはコーン部からテストピースを切り出してその結晶方位を測定し、インゴット全体の結晶方位を求めても良い。また、インゴットをある程度切断あるいは加工した母材の状態で結晶方位を測定しても良い。
面方位の測定には、たとえば被検物にX線を照射して結晶面方位を測定するラウエ法を用いる。
ラウエ法は、{111}、{110}等、様々な結晶面方位を簡便に測定し、管理することが可能であるという利点を有する。
ラウエ法が、側面反射法によるものであれば、被検物にダメージを与えることなく、大口径の被検物でも測定が可能であるという利点を有する。
結晶方位を決定する際には、所望の方位からのずれ角は3°以内に抑えることが好ましい。本発明に適した結晶方位の測定方法について、以下に詳細に述べる。
結晶方位の評価方法には、X線による方法、機械的方法、光学的方法などがある。
結晶の方位をX線で決定する方法には結晶を静止したままX線を照射させるラウエ法、結晶を回転または振動させながらX線を照射させる回転法、振動法、それらを変化させたワイセンベルグ法、プリセッション法などがある。
続いて、機械的方法について述べる。
一般に結晶に適当な手段で塑性変形を与えると、その表面に結晶方位によって特徴付けられる種々の表面模様が現れる。たとえば、結晶面に特有の形状を持つ圧像(あるいは打像)、特定結晶面に沿うすべり帯、双晶、へき開などがそれである。このうち、双晶には塑性変形によって生ずる双晶変形のほかに、焼鈍双晶および成長双晶があるが、それらも表面模様をつくることには変わりない。
具体的には、圧像を利用する方法、すべり楕円を用いる方法、すべり線、双晶、その他の表面模様の間の交叉角を利用する方法、へき開面を利用する方法、すべり、双晶、およびへき開の解析などがある。
また、光学的方法には、測角法、食像法、光像法、偏光法などがある。
これらの測定法のなかで、X線を用いる方法は測定精度が高くスピードも速いので、本発明に用いるのに適している。以下にX線を用いる方法を説明する。
X線ディフラクトメーターを用いる場合では、X線管のディフラクトメータと反対側に背面反射用ラウエカメラが取り付ける。試料面とフィルムの距離は数十mmにセットする。X線管はMoターゲットで、管電圧40kV管電流50mA、露出時間60secで撮影する。方位解析は得られたラウエパターンのポラロイド写真から手計算で行なうか、写真をスキャナでコンピュータに取り込み計算する。
ラウエ法はX線回折法のひとつで、白色X線が固定された単結晶に当たるようにしたもので、ブラッグ角θは結晶のあらゆる面に対して固定されているため、それぞれの面はそれぞれの面間隔dとブラッグ角θに対してブラッグ条件λ=2d・sinθを満たすような波長λのX線を選択して回折する。ラウエ法にはX線源、結晶、フィルムまたはCCDカメラの相対的位置関係を変える事により、透過法、背面反射法、側面反射法の三通りの方法がある。透過法ではフィルムまたはCCDカメラは前方への回折ビームを記録するため結晶の後方に置かれる。背面反射法ではフィルムは結晶とX線源の中間に置かれ、入射ビームはフィルムにあけた穴を通り後方への回折ビームが記録される。側面反射法では結
晶に対してある入射角ωで入射するようにX線源を置き、任意の側面方向の回折ビームを記録するためにフィルムまたはCCDカメラは入射ビームに対してψ回転した位置に置かれる。回折ビームはいずれの方法でもフィルムまたは蛍光板上にラウエ斑点を形成する。ラウエ斑点の位置はいずれの方法でも入射ビームに対する結晶方向の相対的関係によって決まるので、このことを応用して結晶方向の決定に用いられる。
ラウエ法は、{111}、{110}等の様々な結晶面方位を簡便に測定することができ、測定精度、スピードとともに本発明に適している。
なお、結晶方位の示し方として、ミラー指数を用いる。ミラー指数とは結晶の単位格子の原点から面が結晶軸と交わる点までの距離のその軸の単位の長さに対する比の逆数で、フッ化カルシウムのように立方晶系の場合各結晶軸の単位長さをaとすると、ある面が原点からそれぞれa/h、a/k、a/lの点で軸と交わっている時ミラー指数は(hkl)である。立方晶系においては、方向[hkl]は常に同じ指数の面(hkl)に垂直で、対称関係にある方向はひとつの指数で代表され< >でくくって示され、対称関係にある同等な格子面もひとつの指数で代表され{ }でくくって示される。例えば、立方体の体対角線[111]、[1−11]、[−1−11]、[−111]などは全て<111>によって代表され、立方体の表面(100)、(010)、(−100)、(0−10)、(001)、(00−1)は{100}によって代表される。
ラウエ法により結晶面方位を測定するための装置は、X線源と試料ステージおよびCCDカメラから構成されている(図3)。X線が試料に入射されこれにより得られた回折ビームがラウエパターンとして解析される。
本発明においては、φ300×t60mmブロックのような大きな試料の測定には好ましくは以下の方法を用いることを提案する。
まず、測定試料800をステージに平置きし、その下にX線源820とフィルムまたはCCDカメラ830の光学系を設置する。測定試料800をステージ810に平置きすることで、大きな試料に対応することが可能となり、また、マッピングなどの詳細な測定も可能になり、斑点を選びシミュレーションが正しいかどうかを判断するだけでよく効率的な測定が可能になった。さらに、側面反射法により、試料へのX線によるダメージも微弱となる。
このようなラウエ法による結晶面方位の測定を行なう。なお、結晶面方位の測定は、結晶軸の測定と同義であり、すなわち{111}面方位を測定することは<111>軸を測定することと等価である。
上述の測定法を用い、インゴットのトップとコーン切断→方位測定→トップとコーンのデータからインゴットの方位推定→部材切り出し→部材の有効径外測定(場合によってはマッピング)という手順で面方位を管理する。
以下に、ブリッジマン法で得られたフッ化物単結晶の面方位の決定手順を具体的に示す。
フッ化物単結晶のインゴットは、まず、炉内で正面を向いていた側面部分をワイヤーブラシで削り平滑にしてガラス鉛筆で1本の直線を引き、位置基準線とする(B)。
続けて、先端の円錐形状(コーン部と称する)と、その対向部分(トップ部と称する)を30mmの厚さに切断し、面方位測定のテストピースとする(C)。この2個のテスト
ピースの面方位測定を行なうことにより、本体部分の面方位を推定する。2個のテストピースとインゴット本体の位置関係は、最初の位置基準線で確認する。テストピースの面方位測定は、ラウエ法により行なった。
また、インゴット全体をそのままラウエ法で面方位測定を行なうことも可能であるが、インゴット重量が数十kgにも及ぶことでハンドリングが困難であること、また、フッ化カルシウムは、膨張率が大きく、機械的強度も大きくなく、インゴットは破損の危険性もあること、さらに、トップ、コーン部からは透過率、エキシマレーザー耐性の管理用テストピース(φ30〜60×t20mm)を切り出す必要があり、切り出し工程は必須であることなどから、テストピースでの測定を行なう方がメリットが大きい。
なお、フッ化カルシウム(あるいはフッ化バリウム)の単結晶はともに{111}結晶面でへき開性を有するので、インゴットに熱応力などがかかると、{111}結晶面で割れる(へき開する)。また、へき開していないインゴットの場合でも、端部をたがねのようなもので軽くたたくと、へき開する。このへき開した面(へき開面)を基準にして、その面と平行になるようにインゴットを切断することにより、光学素子作製用の素材を採取することができる。得られた素材は、{111}結晶面が平行二平面となっている。このように、へき開面を基準に
する方法もあるが、ラウエ法に依れば、各面方位を非破壊で瞬時に測定することができる。
ラウエ法による自動測定装置を以下に説明する。自動測定装置は、X線源と試料ステージおよびCCDカメラから構成されている。
試料はステージに平置きし、その下にX線源とフィルムまたはCCDカメラの光学系を設置し、大きな試料に対応することを可能にした構造となっている。トップ、およびコーン部のテストピースは基準線が前面に位置するように設置する。コーン部は円錐形なので、平面部を下側に向け設置し、測定する。このため、面方位の測定値は裏返して他の部分と照合する。X線管はWターゲットで最大出
力2kw、例えば管電圧50kV管電流40mAを用いる。X線管で発生したX線は1mmφ程度のダブルピンホールコリメータによってほぼ平行化されビーム径2mm程度に絞られたのち試料に入射する。X線照射時間は約1分。回折ビーム
は蛍光板に投影されCCDカメラにより撮像され、ラウエパターンとしてコンピュータに取り込まれる。CCDはペルチェ素子により−50℃に冷却され、SN比が改善されている。取り込まれたラウエパターンは方位解析画面で解析する。ラウエパターンは複数の点列から構成され、一つの点列は同じ晶帯軸からの回折斑点を表している。その中から複数の晶帯軸に属する斑点(点列の交点)から4点をマウスで指定すれば自動的に指数付けが行なわれ、マッチした時にシミュレーションパターンがラウエパターンと重ねて表示される。両パターンの一致度は測定者が判断する。指数が決定されると方位解析結果としてステレオ投影図、ステレオ三角形および各面の面方位角度を出力される。面方位角度は、試料ステージの奥をX軸方向とし試料ステージの鉛直下向き方向をz軸方向とした座標系でz軸と<111>のなす角度をα、<111>を測定面に投影した線のX軸の+X
方向から反時計回りになす角度をβとして表す。図4は円筒形状の部材におけるα、βの概念図である。
一方、コーンとトップ部を切断した残りのインゴット本体は、丸め加工を行ない、円筒表面部分を砂かけ仕上げ相当面とする(E)。側面を数cmの幅で平面研削して内部を観察することも可能である(D)。砂かけ面での表面からの観察に加え、屈折率のマッチングオイルを塗布しての暗室での内部観察、クロスニコル光学系による界面の応力集中などを観察し、サブグレインバンダリー(サブバン)、ポリクリスタルの状態、その界面の位
置を確認する。また、さらに、泡や異物の状態も同時に確認する。インゴット全体が単結晶に成長していれば、コーン、トップのどちらか一方の1カ所の面方位を測定すれば、インゴット全体の面方位が推定できるが、より正確には、コーン、トップでそれぞれ面方位を測定し、その面方位相互に矛盾がないことを確認することが望ましい。さらに、インゴットが多結晶になっていたり、サブバンが存在している場合も多い。このような場合は、インゴットのなかの単結晶部分ごとに結晶方位を測定する必要がある。
<切断方位の決定及び切断工程>
上記のテストピースにより求めたα、βを元にインゴットの切断方向を定める。トップ部の方位角を用いる時は、インゴットをトップ方向から見てトップ部切断面の面法線を中心に基準線方向から反時計回りを正としたときの(90°−β)方向の側面を座面にし、トップ部切断面を基準面とし時計回りにαの方向を切断方向とする。コーン部の方位角を用いる時は、インゴットをコーン方向から見てコーン部切断面の面法線を中心に基準線方向から反時計回りを正としたときの(90°−β)方向の側面を座面(加工基準面)にし、トップ部切断面を基準面とし時計回りにαの方向を切断方向とする(F)。さらに、インゴット内部の泡や異物の位置を避けながら、所望の部品寸法にアニール工程の加工代、厚さ、径とも+5〜10mmの寸法で切断位置を決める(G)。切断は、まず面方位角から定めたインゴット側面の座面方向にインゴットの軸に並行な研削面(座面)を作り、切断機のステージに座面を下向きにしてインゴットを設置しトップ面を基準面としてインゴットをα回転させて切断する(H)。切断によって得られた楕円上のディスクは屈折率のマッチングオイルを塗布しての暗室での内部観察、クロスニコル光学系による界面の応力集中などを観察し、サブグレインバンダリー(サブバン)、ポリクリスタルの状態、その界面の位置を確認して、インゴット内部の泡や異物の位置を避けながら所望の部品寸法にアニール工程の加工代、厚さ、径とも+5〜10mmの寸法で部品採取の位置を決めて、切断(ラフカット)(I)、丸目(J)を行なう。さらに、面方位を検査するための粗研削、面とりを行なう(K)。この際、最初につけた基準線から求めた面方位との関係が明らかになるようなマーキングをこの後の工程でも維持することにより、最終部材の面方位も管理できる。
このように、面方位決定工程を切り出し工程の前に設けることによって、製造される光学部材の所望の方位からのずれ角を3゜以内とすることが出来る。この角度は、4°、最もずれた状態で最大6°程度まで使用することは可能であるが、3°以下が望ましく、特に2°以下であることが望ましい。
本発明で用いられるラウエ法は、このような面方位の管理に留まらず、サブバンダリーや双晶の検出や管理にも用いることができる。軽度のサブバンダリーは目視による検出が容易ではなく、通常は研削面に光を斜めに当てて熟練者が検出する必要がある。このようなマッピング測定を行なえば、サブバンダリーが存在すれば、数度程度の面方位のズレが存在するため、容易に検出することができる。
<熱処理工程>
このようにして得られたφ260×t50、φ200×t60の2つの円柱状の素材は、側面方向の結晶面(軸)方位を測定し、その方向での複屈折量、進相軸の向きを測定した後、品質向上のために熱処理(アニール)が施される。平行二平面の法線方向と直交する方向、すなわち部材の側面の方向を透過する光の複屈折を測定することを、以下、側面方向の測定と言う。
<面方位・複屈折測定工程>
側面方向の測定には、上述のインゴットでのラウエ法による面方位測定と同様の方法を用いる。
平行二平面の面方位は、{111}面や{100}面と言ったように決められ、光軸方向の測定は一義的であるが、側面方向の測定は、部材の中心に向かって、180°の任意
性が存在する。平行二平面が{111}面の場合、光軸方向は、<111>軸になるが、それに直交する側面方向には、たとえば<110>軸や<211>軸などが存在する。平行二平面が{100}面の場合、光軸方向は<100>軸になるが、それに直交する側面方向は、たとえば<100>軸や、<110>軸などが存在する。本発明者らが側面方向を詳細に測定した結果、180°の回転方向に対して、ある周期性を有しており、平行二平面が{111}面の場合は、<110>軸の方向、そして平行二平面が{100}面の場合は、<110>軸の方向の場合と、<100>軸の方向の場合、の両者において、側面方向の複屈折が最大(極大)値を有することがわかった。
そこで、側面方向の測定により、側面方向の結晶面方位と、複屈折の関係を測定する。
この測定は、例えばラウエ法により特定の側面方向の結晶面方位を測定し、その方位における複屈折量を測定し、以下、その方位から所定の角度を有する側面方向における複屈折量を順次、測定する。具体的には、平行二平面が{111}面の場合、側面の<110>軸の方向における複屈折量を測定する。この場合、側面方向には120゜の回転方向に<110>軸が存在している。好ましくは、特定の<110>軸方向を基準に、回転方向に例えば30゜刻み、好ましくは10゜刻み程度の角度間隔で複屈折量を測定する。
もっとも、ラウエ法により側面方向の結晶面方位を測定しなくとも、上述の周期性を利用すれば、側面方向の結晶面方位を推定することも可能である。すなわち、側面方向の任意の位置を基準に、例えば10゜刻みで180゜の回転方向で複屈折量を測定する。そうして得られた最大値の方向が、平行二平面が{111}面の場合は<110>軸、平行二平面が{100}面の場合は<110>軸または<100>軸の方向となる。
以上のようにして、熱処理前の側面方向の結晶面方位及び複屈折量、さらには進相軸の向きを測定する。
このとき、アニール中も素材の結晶方位を維持するために、マーキングを行なうことが好ましい。マーキングには、フッ化カルシウム表面に傷を付けず、不純物汚染を生じない軟質鉛筆や赤い油性インクを用いる。赤い油性インクはアニール後、黒色に変わるので、アニール前後の識別も可能になる。
さらに、素材の平行二面の面内の面方位のマッピング測定を行なう。ラウエ法のようなX線照射を伴う面方位測定では、フッ化カルシウム素材にダメージを与えカラーセンターを生じさせてしまうため、最終レンズ形状から見て駄肉が2.5〜5mm付いている素材の段階は、マッピング測定に適している。レンズ形状に近づいてからでは、光学設計上の有効径外、即ち周辺の数mmの範囲しか測定できなくなってしまう。
本発明においては、結晶面の角度ずれを精密に管理することが好ましい。角度ずれを測定する際は、側面反射ラウエ法を用いた、側面反射により得られたラウエ斑点から試料面と結晶面の角度ずれを測定する装置を用いた。ラウエ法は一般には背面反射法または透過法が用いられるが、その場合試料へのダメージを最小限化するようにX線照射後の透過率を管理することが好ましい。
<熱処理工程>
以下、結晶面方位及び複屈折が測定された素材に対して、熱処理することにより複屈折等の光学性能を向上させる。
円柱状素材を熱処理装置の容器内に平面が上下となるように設置して、ヒーターにより加熱して熱処理(アニール、熱処理温度1080℃)を施す(L)。
熱処理装置は真空装置となっており、フッ化カルシウムのニゴリの原因となる酸素の混入を防ぐ構造となっている。外部構造はステンレス製で、内部にグラファイトヒーターとグラファイト容器が設置されている。内部の酸素を完全に除外し、炉内表面に露出する金属をフッ化物でコートするため、熱処理時には、炉内部にフッ化カルシウム部材と同時に、酸性フッ化アンモニウム約100gをフッ化カルシウムと同時に封入する。その状態で、真空ポンプで炉内を真空状態にした後、昇温を開始する。炉内温度が500℃を越える前後から、酸性フッ化アンモニウムの気化が始まり、炉内圧は弱い正圧に転ずる。この弱い正圧(2〜8kPa)を保つように、圧力を制御しながら昇温、1080℃での保持、徐冷を行なう。
以上のようなアニールを行なうことにより、フッ化カルシウム部材の特定結晶面方位における、熱応力に起因する複屈折量を低減することができる。
特に、所定温度で保持する際、降温時、放冷時のバルク(部材)内部の温度分布が、いずれの時も0.5℃以内となるように熱処理を行なうことにより、側面の所定結晶面方向における複屈折量を低減することが可能となる。
熱処理装置は、被処理物(フッ化カルシウム素材)の全面を覆うように配置された断熱材またはヒーターを有するものであることが好ましい。装置内の均熱状態を向上させるために、部材に対して十分に容量の大きい、例えば部材の10倍以上の容積を有する装置とすることが好ましい。
また、より均熱化を高めるために、熱処理装置内で被処理物を回転させることが好ましい。
あるいは、円柱状の素材の側面の結晶面方位と各方位における複屈折量の測定結果に従って、その複屈折量の円周方向の分布をうち消すような熱分布をもたらすようにヒーターを配置した熱処理装置を用いることで、被処理物である素材の側面方向の複屈折量を低減することも可能である。
熱処理した円柱状の素材の側面を窓加工し、上下面を2.5mmずつ研削した(M)。そして、側面の複屈折及び屈折率の均質性を確認する(N)。その後、丸目を行なう(O)。
アニール後に、研磨(仮艶)、面取りを行なった後(P)、平行二平面の法線方向に進む光の複屈折の値を、オーク製作所またはユニオプト製自動複屈折測定装置を用いて約200点の自動測定を行なう(測定波長は633nm)。この測定を、光軸方向の測定と呼ぶ。また、平行二平面の法線方向と直交する方向、すなわち部材の側面の方向を透過する光の複屈折の測定も行なう。外周が円の場合は、光が直進するような補助工具が必要であるが、部材の保持を工夫することで、自動測定が可能となる。この測定を、側面方向の測定と呼ぶ。
以上のような様々な熱処理方法により、本発明においては、素材の側面における複屈折量の絶対値を、結晶方位にかかわらず小さくすることが可能となった。 このように、側面方向の複屈折量を低減することにより、結晶面方位に起因する固有複屈折の制御が容易になる。すなわち、本発明の熱応力に起因する複屈折は波長633nmにおいて測定・管理されるが、実際に光学部材として使用する波長(例えば193nm等)で大きくなる固有複屈折の影響を精度よく管理するには、633nmにおいてまず熱応力に起因する複屈折量を最小限に抑えることが非常に有効である。
<投影露光装置の一例>
次に、本発明により得られたフッ化物結晶からなる光学部材を搭載する投影露光装置の例を示す。
図5に示す投影露光装置は、紫外域の照明光を供給する光源11としてF2レ
ーザ(波長157nm)を備えている。光源11から出射された光は、照明光学系12を介して、所定のパターンが形成されたマスク13を均一に照明する。
なお、光源11から照明光学系12までの光路には、必要に応じて光路を変更するための1つ又は複数の折り曲げミラーが配置されている。また、照明光学系12は、例えばフライアイレンズや内面反射型インテグレータ等で構成されており、所定のサイズ、形状の面光源を規定するための視野絞り、視野絞りの像をマスク13上に投影する視野絞り結像光学系等の光学系を有するものである。更に、光源11と照明光学系12との間の光路はケーシング(図示せず)で密閉されており、光源11から、照明光学系12中のマスク13に近い側に配置された光学部材までの空間は、露光光の吸収率が低い不活性ガス(窒素、ヘリウム等)で置換されている。
マスク13は、マスクホルダ14を介して、マスクステージ15上においてXY面に並行に保持されている。マスク13には転写すべきパターンが形成されており、パターン領域全体のうちY軸方向に沿って長辺を有し且つX軸方向に沿って短辺を有するスリット状のパターン領域が照明される。
マスクステージ15は、マスク面(XY面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はマスク移動鏡16を用いた干渉計17によって計測され且つ制御されるように構成されている。
このように、照明光学系12と投影光学系18との間に配置されたマスク13、マスクホルダ14、マスクステージ15はケーシング(図示せず)に収容されており、ケーシング内は不活性ガス(窒素、ヘリウム等)で置換されている。
マスク13上に形成されたパターンからの光は、反射屈折型の投影光学系18を介して、感光性基板であるウエハ19上にマスクパターン像を形成する。ウエハ19は、ウエハホルダ20を介して、ウエハステージ21上においてXY面に平行に保持されている。そして、マスク13上でのスリット状の照明領域に光学的に対応するように、ウエハ19上ではY軸方向に沿って長辺を有し且つX軸方向に沿って短辺を有するスリット状の露光領域にパターン像が形成される。
ウエハステージ21は、ウエハ面(XY面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウエハ移動鏡22を用いた干渉計23によって計測され且つ制御されるように構成されている。
ウエハ19、ウエハホルダ20、ウエハステージ21はケーシング(図示せず)に収容されており、ケーシング内は不活性ガス(窒素、ヘリウム等)で置換されている。
このように、図5に示す投影露光装置においては、光源11からウエハ19までの光路の全域にわたって露光光の吸収が抑制された雰囲気が形成されている。 また、上述の通り、投影光学系18によって形成されるマスク23の照明領域(視野領域)及びウエハ19上の投影領域(露光領域)の形状は、X軸方向に沿って短辺を有するスリット状である。従って、駆動系及び干渉計17、23等を用いてマスク13及びウエハ19の位置制御を行ないながら、スリット状の照明領域及び露光領域の短辺方向(X軸方向)に沿って、マスクステージ15、ウエハステージ21、あるいは更にマスク13、ウエハ19を同期
的に移動させることによって、ウエハ19上において、露光領域の長辺に等しい幅を有し且つウエハ19の走査量(移動量)に応じた長さを有する領域に対して走査露光される。
そして、照明光学系12及び投影光学系18を構成する光学部材(レンズ、プリズム等)として、本発明の2つ以上の結晶面方位の管理された光学部材を用いることが有用である。
図5に示した投影露光装置は一例であり、例えば、米国特許6,341,007B1に開示されたような種々の投影露光装置に、本発明で製造した光学部材を適用してもよい。<投影光学系の一例>
図6は、本発明の投影露光装置に用いられる投影光学系の一例を示す概略構成図である。
図6において、投影光学系は、投影原板としてのレチクルR上のパターンの中間像を形成する反射屈折型の第一結像光学系G1と、第一結像光学系G1による中間像をワークとしてのウエハW上に再結像させる屈折型の第二結像光学系G2とを有している。光軸AX1上には、レチクルRから第一結像光学系G1に向けての光路を90゜偏向させるための反射面S1と、第一結像光学系G1から第二結像光学系G2に向けての光路を90゜偏向させるための反射面S2とを有する光路折り曲げ用の反射鏡31を備える光路折り曲げ用部材が配置されている。
第一結像光学系G1は、光路AX1に沿って配置された複数のレンズ成分と凹面反射鏡とを有しており、ほぼ等倍か若干の縮小倍率をもって中間像を形成する。
第二結像光学系G2は、光軸AX1と直交する光軸AX2上に沿って配置された複数のレンズ成分と、コヒーレンスファクタを制御するための可変開口絞りASとを有しており、中間像からの光に基づいて、所定の縮小倍率をもって2次像を形成する。
ここで、図6中の光軸AX0は、第一結像光学系G1の光軸AX1と直交する、レチクルRと反射鏡31との間の光軸であり、光軸AX0と光軸AX2とは同一直線状にあっても良い。
また、図6には、それぞれ複数のレンズ成分を備える第一結像光学系G1及び第二結像光学系G2を備える投影光学系を示したが、光軸AX1、AX2に沿って配置されるレンズ成分は単数、複数のいずれであってもよい。
更に、光軸AX0と光軸AX1とのなす角度は必ずしも90゜でなくてもよく、例えば凹面反射鏡CMを半時計回りに回転させた角度としても良い。このとき、反射面S2での光軸の折り曲げ角度をレチクルRとウエハWとが平行になるように設定することが好ましい。
また、本発明においては、図7に示すように、2つの反射鏡31、32を備える投影光学系を用いることもできる。
更に、本発明においては、図8に示す構成を有する投影光学系を用いることもできる。
図8において、投影光学系は投影原板としてのレチクルR上のパターンの中間像を形成する反射屈折型の第一結像光学系G1を備えている。第一結像光学系G1が形成する第一中間像の近傍には第一光路折り曲げ用反射鏡31が配置されており、第一光路折り曲げ用反射鏡31によって、第一中間像へ向かう光束又は第一中間像からの光束が第二結像光学
系に向かって偏向される。第二結像光学系G2は、凹面反射鏡CMと少なくとも1つの負レンズ33とを有しており、第一中間像からの光束に基づいて第一中間像とほぼ等倍の第二中間像(第一中間像の像であってパターンの二次像)を第一中間像の近傍に形成する。
第二結像光学系G2が形成する第二中間像の形成位置の近傍には、第二光路折り曲げ用反射鏡32が配置されており、第二光路折り曲げ反射鏡32によって、第二中間像へ向かう光束又は第二中間像からの光束が第三結像光学系G3に向けて偏向される。なお、第一光路折り曲げ用反射鏡31の反射面と第二光路折り曲げ用鏡32の反射面とは互いに空間的に重複しないように配置されている。
第三結像光学系G3は、第二結像光学系からの光束に基づいて、レチクルRのパターンの縮小像(第二中間像の像であって反射屈折光学系の最終像)を、第二面に配置されたワーク(感光性基板)としてのウエハW上に形成する。
上記図6〜図8に示した投影光学系は、例えば露光光源がF2レーザーである場合に好適に使用される。一方、例えば露光光源がArFエキシマレーザーである場合には、例えば図9に示すレンズ構成を有する投影光学系が好適に用いられる。
図9においては、第1物体としてのレチクルR側より順に、正のパワーの第1レンズ群G1と、正のパワーの第2レンズ群G2と、負のパワーの第3レンズ群G3とが形成されており、物体側(レチクルR側)及び像側(ウエハW側)においてほぼテレセントリックとなっており、縮小倍率を有するものである。また、この投影光学系のN.A.は0.6であり、投影倍率は1/4であり、像側の露光領域の直径は30.6である。
投影光学系が図9に示すレンズ構成を有する場合、通常、色収差を補正するために角レンズの材料が適宜選択される。例えば、第1レンズ群G1を構成する14個のレンズL11〜L114の材料として石英ガラス、第2レンズ群G2を構成する4個のレンズL21〜L24の材料として石英ガラス、第3レンズ群G3を構成する11個のレンズL31〜L311のうちL31、L33、L35、L37、L38、L310の材料としてフッ化カルシウム結晶、その他の5個の材料として石英ガラスを用いることによって、色収差の補正を好適に行なうことができる。
ブリッジマン法を用いて、インゴットを製造した。原料は化学合成で作られた高純度原料を使用した。育成装置の中に前記粉末原料を充填したグラファイトルツボを積み重ねて置き、育成装置内を10-3〜10-4Paの真空雰囲気に保った。次に、育成装置内の温度を蛍石の融点以上まで上げて原料を熔融し後室温まで降温した。この際、育成装置内温度の時間的変動を抑えるために、PID制御を行なった。この粉末原料にはフッ素化剤としてフッ化鉛を添加した。このようにして得られた、半溶融品を結晶育成炉に移し、再度溶融温度まで昇温した後、結晶成長段階では、0.1 〜5mm/h 程度の速度でルツボを引き下げることにより、ルツボの下部から徐々に結晶化させた。融液最上部まで結晶化したところで結晶育成は終了し、育成した結晶(インゴット)が割れないように、急冷を避けて簡単な徐冷を行なう。育成装置内温度が室温程度まで下がったところで、装置を大気開放してφ290×t300mmのインゴットを取り出した。
この結晶育成では、φ300mmの黒鉛製の坩堝を用いて、先端部が円錐形状のペンシル型のインゴットを製造した。この際に、坩堝の下端に位置する円錐部の先端部分に種結晶を入れ、結晶成長の面方位を制御しつつ、結晶成長して単結晶を得た。取り出したインゴットは、残留応力が非常に大きいため、炉内で室温までゆっくり降温した。
このようにして得られた蛍石単結晶のインゴットの先端の円錐形状(コーン部と称する)と、その対向部分(トップ部と称する)を30mmの厚さに切断し(径は290mm)、面方位測定のテストピースとした。この2個のテストピースの面方位測定を行なうことにより、本体部分の面方位を推定した。テストピースの面方位測定は、ラウエ法により行なった。
平行する二面の面方位が{111}面のφ260×t50mm、φ200×t60mmの2つの円筒形状素材の面方位を切り出し、複屈折を測定した。測定する対象は、{111}面の面内の複屈折の分布と、ラウエ法によりあらかじめ求めた側面の結晶面方向に従って、<110>方向を基準に10°刻みで18方向測定した。
測定結果より、{111}結晶面における光軸方向の複屈折が熱処理前が10nm/cm以上であった。また、側面方向の複屈折は、<110>方向で12nm/cmの最大値を示した。そこで、この素材の熱処理を行なった。
熱処理装置に、円筒形状素材を平面が上下となるように設置して、ヒーターにより加熱して熱処理(1080℃に加熱、保持後、アニール)を施す(L)。この際、部材内部の温度分布が、保持、降温、放冷のいずれにおいても0.5℃以内となるように温度スケジュールの調整を行なった。
熱処理装置は、真空装置となっており、フッ化カルシウムのニゴリの原因となる酸素の混入を防ぐ構造となっており、外部構造はステンレス製で、内部にグラファイトヒーターとグラファイト容器を設置した。
グラファイト容器は、素材に対して十分大きいもの(素材の体積の約10倍以上の容積)を用いた。グラファイト容器の内部にはフッ化カルシウム部材とともに、酸性フッ化アンモニウム約100gを封入した。真空ポンプで炉内を真空状態にした後、昇温を開始した。炉内温度を弱い正圧(2〜8kPa)を保つように圧力を制御しながら昇温、1080℃での保持、徐冷を行なった。
以上のような熱処理により、フッ化カルシウム部材の熱処理後の{111}結晶面における光軸方向の複屈折が0.8nm/cmとなった。また、側面方向の複屈折は、<110>方向で2.5nm/cmの最大値を示した。この複屈折の最大値は、露光装置に用いる投影光学系のレンズ光学部材としての要求を満足している。このため、この素材を用いてレンズ光学部材に成形した。
実施例1と同様の方法により、フッ化カルシウム単結晶インゴットを育成した。このインゴットから、{100}面が上下の2平面になるように、円筒形状の複数の部材を切り出した。切り出した部材の{100}結晶面における光軸方向の複屈折が熱処理前が20nm/cm以上であった。また、この部材の側面方向の複屈折は、<110>方向が18nm/cmの最大値を示した。そこで、実施例1と同様にして熱処理を行なった。この熱処理により、フッ化カルシウム部材の{100}結晶面における光軸方向の複屈折が2.8nm/cmとなった。また、側面方向の複屈折は、<110>方向で5.9nm/cmの最大値を示した。この複屈折の最大値は、露光装置に用いる投影光学系のレンズ光学部材としての要求を満足している。このため、この素材を用いてレンズ光学部材に成形した。
実施例1と同様の方法により、フッ化カルシウム単結晶インゴットを育成した。このイ
ンゴットから、{100}面が上下の2平面になるように、円筒形状の複数の部材を切り出した。切り出した部材の{100}結晶面における光軸方向の複屈折は20nm/cm以上であった(熱処理前)。また、側面方向の複屈折は、<110>方向で18nm/cmの最大値を示した。このため、この部材の熱処理を行なった。
熱処理装置に、円筒形状素材を平面が上下となるように設置して、ヒーターにより加熱して熱処理(1080℃に加熱、保持後、アニール)を施す。熱処理装置は、真空装置となっており、フッ化カルシウムのニゴリの原因となる酸素の混入を防ぐ構造となっていると共に、ガス系のフッ素化剤を導入できる配管構造と、腐食性に強い材質を有している。具体的には、外部構造はステンレス製で、内部にグラファイトヒーターとグラファイト容器を設置した。フッ化カルシウムは、このグラファイト容器に入れ、このグラファイト容器が部材の中心に対して回転する機構があり、1〜5rpmの範囲で回転させた。
グラファイト容器は、素材に対して十分大きいもの(素材の体積の約10倍以上の容積)を用いた。グラファイト容器の内部にはフッ化カルシウム部材とともに、酸性フッ化アンモニウム約100gを封入した。真空ポンプで炉内を真空状態にした後、昇温を開始した。炉内温度を弱い正圧(2〜8kPa)を保つように圧力を制御しながら昇温、1080℃での保持、徐冷を行なった。熱処理条件は実施例1と同様にした。この熱処理により、フッ化カルシウム部材の{100}結晶面における光軸方向の複屈折は2.2nm/cmとなった。また、側面方向の複屈折は、<100>方向で3.4nm/cmの最大値を示した。
実施例1と同様の方法により、フッ化カルシウム単結晶インゴットを育成した。このインゴットから、{111}面が上下の2平面になるように、円筒形状の複数の部材を切り出した。切り出した部材の{111}結晶面方向の複屈折は10nm/cm以上であった(熱処理前)。また、側面方向の複屈折は、<110>方向で11nm/cmの最大値を示した。そこで、実施例1の条件より早い冷却速度で熱処理を行なった。このアニールにより、フッ化カルシウム部材の熱処理後の{111}結晶面方向の複屈折が1.5nm/cmとなった。また、側面方向の複屈折は、任意の方向に於ける測定で5.9nm/cmであった。しかし、<110>方向で測定では12nm/cmの最大値を示した。従って、この最大複屈折は、露光装置の投影光学系用レンズの光学部材として不適(規格外)であるので、この部材をレンズ形成用の材料として使用しなかった。また、この実施例の結果より、側面方向の複屈折を、任意の方向(角度)で測定しても材料を十分に評価できないことが判明した。
実施例1と同様の方法により、フッ化カルシウム単結晶インゴットを育成した。このインゴットから、{100}面が上下の2平面になるように、円筒形状の複数の部材を切り出した。切り出した部材の{100}結晶面方向の複屈折は20nm/cm以上であった(熱処理前)。また、側面方向の複屈折は、<110>方向で18nm/cmの最大値を示した。そこで、実施例2の条件より早い冷却速度で熱処理を行なった。この熱処理により、フッ化カルシウム部材の{100}結晶面方向の複屈折は3.8nm/cmとなった。また、側面方向の複屈折は、任意の方向に於ける測定で7.5nm/cmであった。しかし、<110>方向で測定を行なったところ15nm/cmの最大値を示した。従って、この最大複屈折値は、露光装置の投影光学系用レンズの光学部材として不適(規格外)であるので、この部材をレンズ形成用の材料として使用しなかった。また、実施例4と同様に、任意の方向で測定しても材料を十分に評価できないことが判明した。
本発明における光学部材の製造方法の一例を示す概念図
フッ化カルシウム単結晶の育成方法を示した概念図
ラウエ法(側面反射法)による結晶面方位測定装置を示す図
円筒形状の部材におけるα、βの概念図である。
投影露光装置の一例を示す概略図
投影光学系の一例を示す概略図
投影光学系の他の一例を示す概略図
投影光学系の他の一例を示す概略図
投影光学系の他の一例を示す概略図