JP4797120B2 - 取引システムおよびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、取引における信用を保証する取引システムおよびその方法に関する。
例えば、非特許文献1には、クレジットカードなどの情報を扱うCAFIS(Credit And Finance Information System)が開示されている。
また、特許文献1は、このCAFISを用いた情報管理方法を開示する。
CAFISによれば、クレジットカード会員の信用情報の蓄積およびその配信などのサービスを行うことができるが、蓄積された会員の信用を、取引における支払い能力の証明として利用することはできない。
http://www.cafis.jp/ 特開2002−41784号公報
本発明は、上述のような背景からなされたものであり、受注による将来の確実な収入の見込みなどに基づく信用を、取引における代償の提供能力の証明として利用しうる取引システムおよびその方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る取引システムは、取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う複数の取引者と、前記取引者の1つ以上と接続され、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する1つ以上の保証者とを含む取引システムであって、前記保証者が複数あるときには、これら複数の保証者は相互に接続され、前記取引は、前記取引を発注する取引者(発注者)から前記取引を受注する取引者(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記保証者それぞれは、前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる見積手段と、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証する保証手段と、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認する確認手段とを有し、前記発注者となりうる取引者は、前記保証者に対して、取引における前記保証を要求する保証要求手段と、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する発注手段とを有し、前記受注者となりうる取引者は、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する確認要求手段と、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する受注手段とを有する。
好適には、前記保証者および前記取引者は名前空間を構成し、前記名前空間においては、前記取引者それぞれには、前記名前空間における位置の検索に用いられる名前が付され、前記取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における位置を検索して提供する検索者をさらに有し、前記発注者となりうる取引者は、前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の位置を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の位置の提供を受ける位置検索手段をさらに有し、前記発注手段は、前記検索の結果として得られた前記発注者の位置を用いて、前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する。
好適には、前記保証者は複数であって、前記複数の保証者それぞれと、これらの保証者それぞれに接続された取引者とは、複数の信用名前空間を構成し、少なくとも前記複数の信用名前空間それぞれにおいては、前記取引者それぞれに一意に名前が付され、前記複数の信用名前空間は、相互に接続されて前記名前空間を構成し、前記発注者となりうる取引者の位置検索手段は、同じ前記信用名前空間に前記受注者が含まれないときに、前記検索者に対する前記受注者の位置の検索を行う。
好適には、前記発注者の代償枠の内、前記取引の発注のために前記受注者に提供されるために確保されていた部分を、前記発注者の代償枠から、受注者自身の代償枠に移転する取立者をさらに含む。
好適には、前記保証者は、前記取立者を兼ねる。
好適には、前記見積もられた代償枠の範囲で、前記取引者それぞれに代償を提供する代償提供者をさらに含む。
好適には、前記保証者は、前記代償提供者を兼ねる。
好適には、前記保証者の見積手段は、前記発注者となりうる取引者が、前記受注者として提供されうる代償に基づいて、前記取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる。
好適には、前記保証者は、前記発注者に接続され、前記発注者による要求に応じて、この発注者により発注された取引を保証する1つ以上の第1の保証者と、前記受注者と前記第1の保証者とに接続され、前記受注者による要求に応じて、この受注者により受注されようとする取引を保証する1つ以上の第2の保証者とを含み、前記第1の保証者それぞれにおいて、前記保証手段は、前記接続された発注者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記発注者に対して、前記代償提供を保証し、前記接続された第2の保証者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記第2の保証者に対して、前記代償提供を保証し、前記第2の保証者それぞれにおいて、前記確認手段は、前記接続された受注者からの要求に応じて、その実施に対して対価を支払うべき要求を出して、前記接続された第1の保証者に対して、前記代償提供の保証を要求し、前記第1の保証者による代償提供の保証に基づいて、前記受注されようとする取引の保証を、前記受注者に対して確認し、前記発注者となりうる取引者において、前記保証要求手段は、前記第1の保証者に対して、取引における前記保証を要求し、前記受注者となりうる取引者において、前記確認要求手段は、前記第2の保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する。
好適には、前記第1の保証者において、前記保証手段は、前記要求を受けると、前記発注者からの取引の発注を、前記受注者に対して確認し、前記発注者に対する代償提供の保証を行う。
好適には、前記受注者となりうる取引者において、前記確認要求手段は、前記第2の保証者に対して融資を要求し、前記第2の保証者それぞれにおいて、前記確認手段は、前記第1の保証者による代償提供の保証に基づいて、前記受注者となりうる保証者に対して、前記要求された融資を行う。
好適には、前記発注者となりうる取引者は、前記保証者に対して、前記代償枠の見積に用いられ得る見積情報を開示する情報開示手段をさらに有し、前記保証者の見積手段は、前記開示された情報にさらに基づいて、前記取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる。
好適には、前記発注者となりうる取引者の情報開示手段は、前記見積情報として、他の取引者との間の取引の状態を示す情報、前記他の取引者との間の取引の状態を裏付ける情報、前記受注者に対する代償の提供能力を裏付ける情報、および、前記受注者に対する代償の提供能力を担保する情報、またはこれらの内の1つ以上の組み合わせを開示する。
好適には、前記取引の状態を示す情報には、前記受注者として受注した取引において提供される代償、前記受注者として受注した取引を発注した取引者、前記発注者として発注した取引において提供する代償、および、前記発注者として発注した取引受注した取引者、前記取引を識別する符号、またはこれらの内の1つ以上の組み合わせが含まれる。
好適には、前記保証者は、前記取引を識別する符号に基づいて、取引システムで一意な取引識別子を作成する取引識別子作成手段をさらに含む。
好適には、前記取引は、前記作成された取引識別子により識別される。
好適には、前記保証者は、前記取引における保証の要求および確認またはこれらのいずれかを行ったときに、前記要求および確認またはこれらのいずれかを行った取引者に対して課金する第1の課金手段をさらに有する。
好適には、前記保証者は、前記取引における保証の要求および確認またはこれらのいずれかを行ったときに、前記要求および確認またはこれらのいずれかを行った取引者に対して、前記見積情報の開示の度合いに応じた額を課金する第2の課金手段
をさらに有する。
好適には、前記代償は、通貨である。
好適には、前記代償は、物である。
好適には、前記代償は、通貨または物を将来取得する権利である。
また、本発明に係る保証装置は、取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う複数の取引者の1つ以上と接続され、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する保証装置であって、前記保証装置は、他に前記保証装置があるときには、この他の保証装置と接続され、前記取引は、前記取引を発注する取引者(発注者)から前記取引を受注する取引者(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記発注者となりうる取引者は、前記保証装置に対して、取引における前記保証を要求し、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証装置に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注し、前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる見積手段と、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証する保証手段と、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認する確認手段とを有する。
また、本発明に係る取引装置は、取引の発注および受注またはこれらのいずれかを行う取引装置であって、前記取引は、前記取引を発注する取引装置(発注者)から前記取引を受注する取引装置(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記取引装置の間の取引を保証する1つ以上の保証者それぞれは、前記取引装置の1つ以上と接続され、前記保証者が複数あるときには、これら複数の保証者は相互に接続され、前記接続された取引装置それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もり、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証し、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、前記発注者となりうる取引装置は、前記保証者に対して、取引における前記保証を要求する保証要求手段と、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する発注手段とを有し、前記受注者となりうる取引装置は、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する確認要求手段と、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する受注手段とを有する。
また、本発明に係る取引方法は、取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う複数の取引者と、前記取引者の1つ以上と接続され、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する1つ以上の保証者とによる取引方法であって、前記保証者が複数あるときには、これら複数の保証者は相互に接続され、前記取引は、前記取引を発注する取引者(発注者)から前記取引を受注する取引者(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、
前記保証者それぞれは、前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もり、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証し、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、前記発注者となりうる取引者は、前記保証者に対して、取引における前記保証を要求し、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する。
また、本発明に係る第1のプログラムは、取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う複数の取引者の1つ以上と接続され、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する保証装置におけるプログラムであって、前記保証装置は、他に前記保証装置があるときには、この他の保証装置と接続され、前記取引は、前記取引を発注する取引者(発注者)から前記取引を受注する取引者(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記発注者となりうる取引者は、前記保証装置に対して、取引における前記保証を要求し、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証装置に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注し、前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる見積ステップと、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証する保証ステップと、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認する確認ステップとをコンピュータに実行させる。
また、本発明に係る第2のプログラムは、取引の発注および受注またはこれらのいずれかを行う取引装置におけるプログラムであって、前記取引は、前記取引を発注する取引装置(発注者)から前記取引を受注する取引装置(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記取引装置の間の取引を保証する1つ以上の保証者それぞれは、前記取引装置の1つ以上と接続され、前記保証者が複数あるときには、これら複数の保証者は相互に接続され、前記接続された取引装置それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もり、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証し、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、前記発注者となりうる取引装置において、前記保証者に対して、取引における前記保証を要求する保証要求ステップと、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する発注ステップとをコンピュータに実行させ、前記受注者となりうる取引装置において、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する確認要求ステップと、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する受注ステップとをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、受注による将来の確実な収入の見込みなどに基づく信用を、取引における支払い能力の証明として利用することができる。
[本発明の概要]
図1は、本発明の前提となる取引を例示する図である。
図1に示すように、従来から、複数の企業Y1〜Y4の間で発注およびその受注が行われ、取引がなされてきた。
つまり、図1には、まず、資金量$A($は米ドル)の企業Y1が、$Bの製品を、企業Y2に対して発注し、次に、この発注を受けた企業Y2が、$Cの部品を企業Y3に対して発注し、さらに、この発注を受けた企業Y3が、$Dの原料を企業Y4に対して発注する例が示されている。
図1に示す場合においては、企業Y1の発注に起因する一連の取引においては、発注額は$A>$B>$C>$Dとなる。
ここで、一般に、発注から対価の支払いまでには時間差があるので、企業Y4が、原料を購入する代金$E($D>$E)を、銀行などの金融機関Zから借り入れようとしても、常に、金融機関Zが企業Y4に、資金を貸すかどうかは定かではない。
金融機関Zが、企業Y4に資金を貸さなかったときには、企業Y4は、資金繰りに行き詰まりかねない。
企業Y1〜Y3の業務および財務が健全で、十分な支払い能力があるときには、企業Y4が原料を納品した後、企業Y3から企業Y4に、代金$Dが支払われることは、ほぼ確実である。
しかしながら、一般に、金融機関Zが、企業Y4に資金を貸すか否かは、企業Y4と金融機関Zとの間の取引実績などにより判断されてきたので、企業Y4が、将来に、ほぼ確実に得る収入が、金融機関Zの判断の材料として用いられることは、今までなかった。
つまり、このようなときには、金融機関Zは、企業Y4が返済可能であるという保証を得ることができないために、企業Y4に資金を貸さないということになりかねない。
この結果として、企業Y4は、最悪の場合には、借りた資金を確実に返済可能であるという裏付けを持っているにもかかわらず、資金繰りに行き詰まってしまう。
本発明に係る取引方法は、このような従来の取引における不合理を解消することができるものであって、企業の発注、受注、発注および受注の相手企業(取引の状態を示す情報)、生産、在庫および物流などの状態(取引の状態を裏付ける情報)、財務状態(代償の提供能力を裏付ける情報)および担保の有無(代償の提供能力を担保する情報)などに基づいて与信を行うことにより、企業間における信用に基づく取引を実現する。
[信用取引システムの概要]
次に、本発明に係る信用取引システムの概要を説明する。
[基本要素]
本発明にかかる信用取引システムの基本要素は、以下の(1)〜(3)である。
(1)取引信用の保証
(2)保証のための根拠の開示
(3)取立て
[特徴]
本発明に係る信用取引システムは、下記(1)〜(4)に示すような特徴を有する。
(1)有効な管理範囲が明確な信用が、連鎖的に連続利用される。
(2)保証されるものは、その時点で存在する財(代償)ばかりではなく、将来の収入、および、得られる財(代償)をも含む。
(3)取引の信用のもととなる代償(財)を正確に確保し、管理するため、本発明に係る信用取引システムは、保証に関わった全ての取引自体を識別し、管理する。
これにより、信用として連鎖的に複数回使用された代償の所有者とオリジナルの根拠との整合性が正確に保たれるので、識別不能なキャッシュの総額よりも確実に、取引に起因する信用が管理されうる。
(4)取引信用を保証する与信機関は、複数存在するが、信用の評価はそれぞれ閉じている。
取引に起因して増殖可能な信用や財は、各与信機関の内部でのみ、管理され、統一された価値基準をもつ。
これは、各与信与信機関が信用保証のために代償を管理保持し、各個別の企業間取引に役立てているためである。
異なる与信機関で信用枠を管理されている企業間では、他の与信機関に直接、取引信用を依頼せずに通常通りの信用保証依頼を出し、この与信機関が相手方の与信機関と取引リスクを交換する。
これら関連する2つの与信機関の間での価値の落差は、今回使用できる取引信用枠の大きさ(額)や、取引情報を用いたリスク計算により手当てされる。
[信用取引システムの構成およびその処理]
以下、本発明に係る信用取引システムの構成およびその処理を説明する。
図2は、本発明に係る第1の信用取引システム10を例示する図である。
図2に示すように、信用取引システム10は、1つ以上の与信機関X(保証者;図2には、与信機関X1〜X3’を例示)、複数の企業(取引者;図2には、企業Y1〜Y4’を例示)、および、銀行などの1つ以上の金融機関Z(与信機関Xが金融機関Zを兼ねてもよい)が、ネットワーク(図2には図示せず)を介して接続されて構成される。
なお、以下、取引の主体を企業と記すが、取引の主体は、必ずしも企業に限られず、個人であったり、国・地方自治体であったりしてもよい。
さらに、信用取引システム10には、必要に応じて、与信機関X、企業Yおよび金融機関Zの間で認証を行うディレクトリ管理・認証機関Wが追加される。
信用取引システム10においては、与信機関Xが、企業Yの信用を保証することにより、企業Y間の信用に基づく取引、および、金融機関Zによる企業Yへの信用に基づく資金の貸し付けなどが行えるようになっている。
図3は、図2に示した企業Y1〜Y4に設定される信用枠を例示する図である。
信用取引システム10における取引をさらに説明する。
例えば、企業Y1に対しては、他の企業Yからの受注額、他の企業からの支払いの確実性、企業Y1の資金量、企業Y1が与信機関Xに対して提出した担保、他の企業Yおよび金融機関Zとの取引実績などに基づいて、図3に示すように、$Aの信用枠(代償枠)が、与信機関Xにより設定されている。
つまり、この信用枠$Aは、企業Y1の資金量だけでなく、将来、確実に企業Y1が得る収入、および、企業Y1が、それまでの取引において積み上げた信用などが見込まれており、与信機関Xが、企業Y1に対して、信用枠$Aを限度として信用を保証するということを示している。
なお、信用枠は、通貨を単位として設定される以外に、市場性を有する物(鉱工業産物・農産物など)を単位として設定されてもよいが、以下、特記なき限り、信用枠が通貨を単位として設定される場合を具体例とする。
信用取引システム10において、例えば、企業Y1が、企業Y2に対して$Bの発注を行うときには、まず、企業Y1は、与信機関X1に対して、$B($A>$B)の支払い能力があることについて、与信を要求する。
与信機関X1は、上記信用枠$A、および、企業Y1が与信機関X1に開示している開示情報(見積情報)に基づいて、企業Y1に対する$Bの与信が可能であるか否かを判断し、与信が可能なときには、その旨を通知する。
この開示情報には、上述のように、企業Y1の発注、受注、発注および受注の相手企業、生産、在庫および物流などの状態、財務状態および担保の有無などを示す情報が含まれている。
また、企業Y1の発注、受注および発注・受注の相手企業を示す情報などには、図2に明示されていない他の取引についての情報も含まれている(他の企業および与信機関についても同様)。
この与信可能な旨の通知を受けた企業Y1は、企業Y2に対して$Bの発注を行い、発注を行った旨を与信機関X1に通知する。
$Bの発注を受けた企業Y2は、与信機関X1に、発注された取引に関して、企業Y1に対して$Bの与信を行ったことの確認を要求する。
与信機関X1が、企業Y1に対する与信を証明すると、企業Y2は、企業Y1からの$Bの発注を受ける。
つまり、企業Y2から見ると、企業Y2に対しては、この受注により、$B分の信用が新たに追加されたことになる。
与信機関X1と、他の与信機関X2〜X3’との間では、各企業Y1〜Y4’それぞれの信用枠が相互に取引されており、例えば、企業Y2が、与信機関X2に対して、$C(例えば、$C<$B)分の与信を要求すると、与信機関X2は、与信機関X1から、企業Y2について、図2に示すように、$C分の信用枠を得る。
与信機関X2は、上記信用枠$C、および、企業Y2の開示情報に基づいて、企業Y2に対する$Cの与信が可能であるか否かを判断し、与信が可能なときには、その旨を通知する。
この与信可能な旨の通知を受けた企業Y2は、企業Y3に対して$Cの発注を行い、発注を行った旨を与信機関X2に通知する。
$Cの発注を受けた企業Y3は、与信機関X2に、発注された取引に関して、企業Y2に対して$Cの与信を行ったことの確認を要求する。
なお、企業Y3が与信確認を要求すべき与信機関を見いだすにあたっては、例えば、下記(1)〜(3)に示すような様々な方法を採ることができる。
(1)企業Y2が、企業Y3に、いずれの与信機関に対して与信確認を行うべきかを予め通知する。
(2)企業Y2が、企業Y3に、確認先与信機関を指示する情報を、発注情報に付加して通知する、
(3)企業Y2からの発注情報に含まれ、個々の発注を識別するために用いられるコードにより、確認先与信機関を検索するためのサーバをネットワーク上に設置する。
(4)あるいは、企業Y3が、契約を結んでいる与信機関X3に対して、企業Y2からの発注情報またはその一部を送り、与信機関X3が、送られてきた情報中に入っている信用取引システム10全体で一意な取引識別子(取引ID)に基づき、その名前空間から認証者(認証を与えた与信機関)を特定する。
なお、取引ID、名前空間やその管理などについては別途説明する。
与信機関X2が、企業Y2に対する与信を証明すると、企業Y3は、企業Y2からの$Cの発注を受ける。
図2に例示する通り、以下同様に、企業Y1〜Y4の間で、これらの信用に基づいて、それぞれ取引額$B〜$Dの取引が行われる。
例えば、企業Y3から$Dの発注を受けた企業Y4が、金融機関Zから、受注に要する資金$E(例えば、$E<$D)を得ようとするときには、まず、企業Y4は、与信機関X3に対して、$E分の与信を要求する。
与信機関X3は、企業Y4の信用枠(例えば$D;図3)などに基づいて、企業Y4に対する$Eの与信が可能であるか否かを判断し、与信が可能なときには、その旨を通知する。
この与信可能な旨の通知を受けた企業Y4は、金融機関Zに対して$Eの資金借り入れを要求し、この要求を行った旨を与信機関X3に通知する。
$Eの資金借り入れの要求を受けると、金融機関Zは、与信機関X3から、企業Y4に対する$Eの与信を受けて、企業Y4に対して、資金$Eの貸し付けを行う。
つまり、企業Y4は、これから確実に得られると保証された企業Y3からの収入$D(信用)に基づいて、金融機関Zから$Eの資金の借り入れができたことになる。
このように、図2に示した信用取引システム10においては、図1に示した従来からの取引方法における不具合が解消されている。
なお、与信機関Xは、企業Yの信用を支える必要があるので、国・地方自治体、銀行などの金融機関、あるいは、資産が豊富な大企業であることが望ましい。
また、図2に示すように、信用取引システム10においては、信用は、企業Y1から企業Y4および金融機関Zの方向に移動し、企業Y間の取引対象の商品・サービスなどは、企業Y4および金融機関Zから、企業Y1の方向に移動する。
図4は、本発明に係る第2の信用取引システム12を例示する図である。
既に述べたように、図2に示した第1の信用取引システム10においては、企業Y4は、与信機関Y3に対して与信を要求し、金融機関Zに対して資金を要求して、資金を借り入れるようになっている。
これに対して、図4に示す信用取引システム12においては、企業Y4は、与信機関Y3に対して資金を要求し、与信機関Y3から小切手などの引換証を得て、これを資金と引き替えるようになっている。
図4に示すように、与信機関Yと金融機関Zとの間で、信用枠の取引がなくても、本発明に係る信用取引システムが応用されうる。
図5は、本発明に係る第3の信用取引システム14を例示する図である。
図5に示すように、第3の信用取引システム14においては、取引の代償として、例えば、石油の所有権、占有権、またはそれらの予約権(記載の明確化のために、以下、これらを「石油」と総称する;単位バレル)が移転される。
このように、本発明に係る信用取引システムは、取引の代償として通貨が移転されるときだけでなく、取引の代償として物が移転される(企業間で対象物を物理的に運搬する場合だけでなく、対象物は倉庫内や移動する船舶等の中にそのまま置かれた状態で、例えば、その所有権だけが移動する場合も含む)ときに応用されうる。
なお、図5に示すように、信用取引システム14においては、信用(石油)は、企業Y1から企業Y4および商社(石油元売り会社)Zの方向に移動し、企業Y間の取引対象(石油その他の商品・サービス)もまた、企業Y1から企業Y4および商社(石油元売り会社)Zの方向に移動する。
つまり、信用の根拠を、通貨ではなく上述の権利においた場合には、Zは金融機関ではなく、その権利の対象となる商品を取り扱う商社などになる。
以下、特に断らない限り、本発明に係る信用取引システムにおいて、取引対象の代償(対価)として通貨が移転される(支払われる)場合を具体例として説明する。
[取引IDを用いた取引の識別]
与信機関Xは、図2〜図5に示した取引それぞれに、一意な取引IDを付して管理する。
つまり、例えば、与信機関X1は、企業X1から与信の要求を受けたときに、企業X1が、企業X2への発注に付した企業X1内において一意な発注番号などの局所的に一意の任意に構成された符号に、全与信機関を通じて企業X1に対して一意に付された識別子を付して、取引IDとする。
この取引IDは信用取引システム全体で当該特定の取引を他の取引と区別する一意性が保証されるように作成され、企業Y1,Y2間の取引を、他の取引から区別するために用いられる。
取引IDは、その属性として、有効期間を含むことができ、この場合には、信用取引システムにおいては、有効期限内の取引IDが示す企業間の取引のみが、有効な取引として取り扱われうる。
取引IDが付された企業間の取引は、それぞれ個別にその内容(発注者、受注者、取引の対象物および取引額など)が管理されうる。
このようにして、企業間の取引に取引IDを付加して管理することにより、例えば、企業倒産が発生したときに、取引IDに対応する債権を、一般債権から分離された特定債権として取り扱うことができるので、取引の安全性が高まる。
[企業Yから与信機関Xへの情報開示]
図2〜図5に示した信用取引システムにおいては、企業Yから与信機関Zへの情報開示が必要となる。
例えば、図2に示した企業Y1,Y2間の取引においては、企業Y1は、企業Y2に対する発注を与信機関X1に通知するときに、その取引相手(ここでは企業Y2)と、発注額などを、与信機関X1に対して開示する。
同様に、企業Y2が、与信機関X1に対して与信の確認をするときには、その取引相手(ここではY1)とその額、および、与信対象取引と対応を取るために与信機関側で使用するための当該発注の識別情報などを、与信機関X1に対して開示する。
また、下記の信用枠の設定などのために、企業Yは、例えば、与信機関Xだけにではなく、一般に開示すべき財務情報を、与信機関Xに開示する。
さらに、企業Yは、財務情報を裏付ける経営情報、財務情報、在庫情報、製造(工程)情報、物流情報および取引先の情報などを、与信機関Xに開示する。
上述のように、企業Yと与信機関Xとの間は、ネットワークにより接続されているので、これらの情報を、必要に応じて、あるいは、一定期間ごとに、企業Yが与信機関Xに開示するようにすると、与信枠の設定に用いられる情報の信頼性が増す。
企業Yが、与信機関Xに、どのような種類の情報を、どのような頻度で、どのような方法で開示するかは、例えば、企業Yと与信機関Xとの間の契約に従って行われる。
企業Yから与信機関Xへの情報の開示は、例えば、企業Yが、ERP(Enterprise Resource Planning)などと呼ばれ、財務管理、発注管理、受注管理、在庫管理、製造(工程)管理および物流管理などを統合したシステムを用いているときには、容易に実現され得る。
つまり、企業Y側に、ERPシステムから、契約に従って、必要な情報を、必要な頻度で取り出し、与信機関Xが処理しうる形式に変換して、与信機関Xに開示する処理を行うソフトウェアを、ERPシステムに付加することにより、企業Yから与信機関Xへの契約に従った情報開示が実現される。
[信用枠の設定]
企業Yに設定される信用枠は、例えば、企業Yが、他の企業から支払いを受ける予定となっている対価(将来、対価を取得する権利)の総計と、企業Yの可処分資産と、企業Yが、与信機関Yに提出した担保との総額となる。
このように計算される総額は、企業Yの事業が拡大しているか否か、企業Yの経営および財務などが健全か否か、および、企業Yに対価を支払う取引先の経営および財務などが健全か否かなどによって増減されて信用枠とされる。
さらに、信用枠は、企業Yが与信機関Zにどの程度の情報を開示しているかに応じて増減されうる。
例えば、企業Yが、信用枠を裏付ける情報を、より多くの種類および頻繁で、与信機関Zに開示すればするほど、その信用枠は増やされる。
反対に、例えば、企業Yが、与信機関Zにこのような情報を、より少ない種類および頻度で開示すればするほど、その信用枠は減らされる。
なお、企業Yに設定される信用枠は、企業Yが複数の与信機関Xから与信を受けるときには、これら複数の与信機関の間で分割され得る。
また、企業Yに設定される信用枠は、企業Yが発注側となり、他の企業に対する対価の支払い義務が生じたときには、その対価の分だけ減少する。
また、企業Yに設定される信用枠は、企業Yが受注側となり、他の企業から対価を受ける権利が生じたときには、その対価の分だけ増加する。
[課金]
与信機関Xは、企業Yに対して、取引において与信を行うたびに課金を行う。
この課金は、手数料であっても、利息であってもよく、その名目は特に問われない。
万一、企業Yが、与信機関Xが与信したにもかかわらず、取引先に損害を与えたときには、与信機関Xが、その損害を保証するので、課金額は、信用枠と同様に、企業Yが、他の企業から支払いを受ける予定となっている対価の総計と、企業Yの可処分資産と、企業Yが、与信機関Yに提出した担保との総額などに応じて設定される。
つまり、例えば、企業Yのこの総額が多いときには、企業Yには多くの信用があると考えられるので課金額は少なく設定され、この反対に、この総額が少ないときには、課金額は多く設定される。
さらに、課金額は、企業Yが与信機関Xに対して開示する情報の種類および頻度によっても増減されうる。
つまり、例えば、企業Yが与信機関Xに対して、より多くの種類の情報を、より多い頻度で提供すればするほど、その内容に応じて課金額が少なく設定され、反対に、企業Yが与信機関Xに対して、より少ない種類の情報を、より少ない頻度で提供すればするほど、その内容に応じて課金額が多く設定される。
[取立て]
取引の最終段階として取立て(精算)が行われる。
取り立ては、受注者(売り手)と発注者(買い手)との間の信用枠の移動によって行われる。
取り立てによる信用枠の移動は、発注者の信用枠のうちで発注のために使用したことによって、当該発注のために確保されていた部分を発注者の信用枠から取立て、受注者自身の与信枠として確定させることにより行われる。
例えば、他の連鎖では充分な収入を得る受注者になっているような場合を除くと、企業Y1のような発注−受注の連鎖における最初の発注者は、最終的には、自分が使った信用枠を相殺する金額を、予め与信機関との間で定めておいた期間内に指定されていた銀行口座へ振り込むなどして、与信機関に対して通貨で支払うという形態で取り立てをおこなう必要がある。
つまり、最初の発注者Y1はその信用の根拠として、与信された金額をある期日に与信機関へ支払うという契約を与信機関と予め締結しておく。
このようにして、与信機関は本信用取引システム内の信用枠の移動だけでは決済できない負債については、発注者から通貨で取立てることができる。
また、最初の発注者でなくとも、例えば充分な信用力があったり、あるいは、充分な担保を差し入れておいたりすれば、使用した信用枠の一部を与信機関が所定期日後に通貨の形で取り立てることで決済を行うようにすることもできる。
また、代償が通貨ではなく図5に例示したように石油などの物である場合、その物の最終的な移行を保証するため、積み荷や倉庫中の物の所有権およびそれに付随した現物の差し押さえなどの権限を、当該与信機関が保持しておくことができる。
これにより、万一最終的な移行が期日までに行われなかった場合にはこの差し押さえの権限を行使することによって取立てを行うことができる。
本信用取引システム内では多数の発注および受注が行われ得るので、従って個々の発注、受注に伴う支払いや入金確認も膨大な件数になる。
図1に示した従来の取引方法においては、このような個々の支払いは個別に行われたり、高々、相手先企業別にまとめて行なわれたりする。
本発明に係る信用取引システムを使用することにより、それぞれの企業間毎にその締め日における全ての入金と全ての支払いを全てまとめて相互に相殺し、正味入金あるいは正味支払いを算出することが簡単に実現できる。
このようにすると、従来のような個別の支払いや入金確認に伴う金融機関への手数料や作業工数を大幅に削減することができる。
[認証および改ざん防止]
与信機関X、企業Yおよび金融機関Z(図5においては商社(石油元売り会社)であるが、以下では金融機関で代表させる)の間の通信の安全性を保つために、これらの間の通信には、認証処理および改ざん防止処理が必要とされる。
本発明に係る信用取引システムにおける与信機関X、企業Yおよび金融機関Zの間の通信に適応される認証処理および改ざん防止処理は、例えば、公開鍵および秘密鍵を用いた暗号化など、既存の方法の応用により実現されうる。
図2〜図5に示したように、この認証および改ざん防止のための処理は、与信機関X、企業Yおよび金融機関Zそれぞれにより行なわれるほか、これらから独立して別途、設けられたディレクトリ管理・認証機関Wによっても行われうる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
[第4の信用取引システム16]
図6は、モデル化された本発明に係る第4の信用取引システム16を示す第1の図である。
図2,図4に示した信用取引システム10,12を、企業Y1,Y2間の取引および企業Y1,Y2と与信機関X1との間のトランザクションに着目してモデル化すると、図6に示す信用取引システム16を得ることができる。
図6に示すように、信用取引システム16は、与信機関X1(以下、与信機関3とも記す)、および、発注側の企業(発注者)Y1および受注側の企業(受注者)Y2(以下、発注者40,受注者42とも記す)が、インターネットあるいは専用通信回線などのネットワーク160を介して接続されて構成される。
信用取引システム16には、さらに、例えばLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)方式により、ネットワーク160に接続されたノードのディレクトリ管理を行い、また、公開鍵暗号方式(PKI)により各ノードを認証するためのディレクトリ管理・認証機関44が付加される。
なお、以下、与信機関3、発注者40、受注者42およびディレクトリ管理・認証機関44およびそのコンピュータ(図7など)を総称して、ノードとも記す。
信用取引システム16においては、既に図2などを参照して説明したように、発注者40が受注者42に発注するときに、与信機関3に対して与信を要求し(1)、この与信が可能である旨の通知が与信機関3から発注者40に返されると(2)、発注者40は、受注者42に対する発注を行い、発注を与信機関3に通知する(3),(4)。
発注を受けた受注者42は、与信機関3に対して、与信の確認を行い(5)、与信が証明されると(6)、受注者42は、発注者40の発注を受け、受注を発注者40に通知する(7)。
[ハードウェア構成]
図7は、図6に示した与信機関3、発注者40、受注者42およびディレクトリ管理・認証機関44において用いられるコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
図7に示すように、与信機関3、発注者40、受注者42およびディレクトリ管理・認証機関44において用いられるコンピュータは、CPU102およびメモリ104およびこれらの周辺回路などを含む本体100、表示装置、キーボードおよびマウスなどを含む入出力装置106、ネットワーク160を介して他のノードとの間の通信を行う通信装置110、および、FD装置、CD装置およびHDD装置などの記録装置112から構成される。
つまり、与信機関3、発注者40および受注者42において用いられるコンピュータは、ネットワーク160を介して他のノードと通信が可能な一般的なコンピュータとしての構成部分を有している。
図8は、図6に示した与信機関3のコンピュータ(図7)上で実行される第1の与信プログラム30の構成を示す図である。
図8に示すように、第1の与信プログラム30は、ユーザインターフェース(UI)部300、認証・通信処理部302、情報管理部310、取引者情報データベース(DB)312、取引管理部314、取引DB316、信用枠管理部320、信用枠DB322、取立処理部324、連携処理部326、与信審査部330、与信証明部332、資金提供部340、課金部350および課金DB352から構成される。
与信プログラム30は、記録媒体114(図7)などを介して与信機関3のコンピュータに供給され、メモリ104にロードされて実行される(以下の各プログラムについて同様)。
与信プログラム30は、金融機関Zを兼ねる与信機関3において用いられ、これらの構成部分により、図2〜図3を参照して説明した本発明に係る信用取引システムにおける与信のための処理を実現する。
与信プログラム30において、UI部300は、入出力装置106(図7)に対するユーザの操作などに応じて、与信プログラム30の各構成部分の動作を制御する。
また、UI部300は、与信プログラム30の各構成部分により作成された情報・データ、および、各構成部分の処理内容などを、入出力装置106の表示装置に表示し、あるいは、記録装置112内の記録媒体114に対して記録する。
認証・通信処理部302は、発注者40および受注者42との間の通信に必要とされる通信処理、これらとの間の認証処理、および、これらとの間で伝送される情報・データの改ざん防止のための処理を行う。
情報管理部310は、発注者40および受注者42それぞれに対して、情報・データを要求し、この要求に応じて発注者40および受注者42それぞれから返される情報・データを受け、取引者情報DB312に記憶し、管理する。
また、情報管理部310は、取引者情報DB312に記憶した情報・データを、必要に応じて読み出し、与信プログラム30の各構成部分の処理のために提供する。
発注者40および受注者42によって、与信機関3に開示される情報には、上述のように、発注者40と受注者42との間で行われる発注および受注の内容を示す情報、契約に従って開示される財務情報(一般に開示される財務情報の外に、契約に従って、発注者40および受注者42が与信機関3に提出した担保を示す担保情報、および、発注者40および受注者42の可処分資産を示す情報が含まれることがある)、および、財務情報を裏付ける情報(契約に従って、経営情報、財務情報、在庫情報、製造(工程)情報、物流情報および取引先の情報などが含まれることがある)などが含まれる。
情報管理部310は、これらの情報を、例えば、周期的に、あるいは、与信機関3における与信処理のために必要となったときに、発注者40および受注者42に対して要求し、開示を受ける。
取引管理部314は、発注者40が取引それぞれに付す発注番号から、信用取引システム16において行われる取引それぞれを一意に識別するために用いられる取引IDを作成する。
また、取引管理部314は、作成した取引IDと、取引の内容(発注者、受注者、取引の日時、取引される信用枠の量など)とを対応付けて、取引DB316に記憶し、管理する。
信用枠管理部320は、情報管理部310により提供される情報から、発注者40および受注者42それぞれの信用枠を計算し、信用枠DB322に記憶し、管理する。
信用枠管理部320は、例えば、情報管理部310が、発注者40および受注者42それぞれから情報を受け取るたび、発注者40と受注者42との間で取引が行われるたび、および、発注者40および受注者42に対する取り立て処理が発生するたびに、発注者40および受注者42それぞれの信用枠を計算する。
信用枠管理部320は、信用枠の計算において、新たな情報を必要とするときには、情報管理部310を介して、必要な情報の開示を、発注者40および受注者42それぞれに対して要求する。
図9は、図8に示した第1の信用枠管理部320が、受注者42への支払いのために発注者40の信用枠の一部をロックする様子を例示する図である。
信用枠管理部320は、図9に示すように、発注者40の信用枠の内、受注者42に支払われるべき部分を、支払い(取り立て)に備えて、他の受注者の支払いに回されないように取り置く(ロックする)。
信用枠管理部320は、図9に示した発注者40の信用枠の内の各受注者への取り置き分に取引IDを付して、信用枠DB322に記憶させ、管理する。
支払い(取り立て)により、発注者40の信用枠の取り置き分(図9)が、受注者42の信用枠として確定しても、与信者3における信用枠の総和に変更はない。
一方、与信者3が、他の与信者との間で信用枠をやりとりしたときには、与信者3の信用枠の総和は増減しうる。
また、発注者40と受注者42との間の取引により価値が創造されたときに、例えば、発注者40が、その分を、与信者3への担保を増やすために用いると、与信者3の信用枠の総和は増大しうる。
反対に、発注者40と受注者42との間の取引により損失が出たときには、与信者3の信用枠の総和は減少しうる。
取立処理部324は、発注者40と受注者42との間の取り立てのための処理を行う。
つまり、取立処理部324は、発注者40の信用枠のうちで発注のために使用したことによって、当該発注のために確保されていた部分を、発注者40の信用枠から取立て、受注者42の信用枠として確定させるための処理を行う。
なお、取立処理部324を、与信者3、発注者40、受注者42およびディレクトリ管理・認証機関44と独立した別のノードとしたり、金融機関Z(図2など)に、機能の一部として含めたりすることも可能である。
連携処理部326は、他の与信機関との連携のための処理(連携処理;ディレクトリ管理・認証機関44に対する他のノードのロケーションの問い合わせおよび認証など)が含まれる。
例えば、信用取引システム16に、他の与信機関(図示せず)3が含まれ、発注者40が、他の与信機関3により与信される受注者(図示せず)との間で取引を行うときには、連携処理部326は、他の与信機関と協働して発注者40と、他の与信機関により与信される受注者との間の取引のために必要な処理を行う。
複数の与信機関が連携して行う処理の詳細は、第2の実施形態として後述する。
与信審査部330は、発注者40から与信の要求があったときに、信用枠DB322に記憶された発注者40の信用枠、および、取引者情報DB312に記憶された開示情報に基づいて、発注者40から要求された額の与信が可能か否かを審査する。
与信審査部330は、この審査の結果に、取引管理部314により作成・管理される取引IDを付して、認証・通信処理部302を介して発注者40に返す。
与信証明部332は、受注者42から与信の確認があり、確認が要求された与信が、与信審査部330により可能と審査されたときには、与信を確認した旨に取引IDを付して、受注者42に対して通知する。
また、与信証明部332は、受注者42から与信の確認があり、確認が要求された与信が、与信審査部330により不可と審査されたときには、与信を確認しない旨に取引IDを付して、受注者42に対して通知する。
資金提供部340は、発注者40および受注者42から、資金の提供の要求があったときに、この要求を審査し、信用枠の範囲内で、発注者に対して資金を提供する。
この資金の提供は信用枠の使用形態の一種であって、例えば、受注者42が、信用取引システム16に参加していないために、信用枠の電子的な取引ができないときに利用され、受注者42に、発注者40が有する信用枠の一部を、現金化して渡すために利用される。
なお、資金提供部340を、与信者3、発注者40、受注者42およびディレクトリ管理・認証機関44と独立した別のノードとしたり、金融機関Z(図2など)に、機能の一部として含めたりすることも可能である。
課金部350は、信用枠DB322に記憶された発注者40および受注者42の信用枠、および、取引者情報DB312に記憶された発注者40および受注者42の開示情報に基づいて、発注者40および受注者42それぞれに対する課金額を算出し、信用枠DB322に記憶、管理する。
課金部350は、信用枠DB322に記憶された発注者40および受注者42それぞれの課金額に基づいて、例えば、発注者40および受注者42の間で取引が発生するたびに、あるいは、月末など一定の期日ごとに、発注者40および受注者42それぞれに対する課金処理を行う。
[取引者プログラム400]
図10は、図6に示した発注者40および受注者42のコンピュータ(図7)上で動作する第1の取引者プログラム400を示す図である。
なお、図10に示す第1の取引者プログラム400の各構成部分の内、図8に示した第1の与信プログラム30の各構成部分と実質的に同じものには、同じ符号が付してある(特記なき限り、以下の各図において同様)。
図10に示すように、取引者プログラム400は、UI部300、認証・通信処理部302、フィルタ部410、管理部420、財務処理部422、与信処理部430、発注管理部440(受注者42が受注のみを行うときには、受注者42のコンピュータ上で動作する取引者プログラム400において不要)、受注管理部442(発注者40が発注のみを行うときには、発注者40のコンピュータ上で動作する取引者プログラム400において不要)、および、連携処理部444から構成される。
つまり、取引者プログラム400は、財務処理、製造(工程)管理、物流管理および在庫管理などを行うERPシステムに、フィルタ部410を付加した構成を採る。
取引者プログラム400は、これらの構成部分により、発注者40および受注者42の間の取引、および、与信機関3との間の与信のために必要な処理を行う。
管理部420は、発注者40および受注者42における製造(工程)管理、物流管理および在庫管理などを行う。
また、管理部420は、発注者40および受注者42における製造(工程)管理、物流管理および在庫管理などに関する情報の内、契約により与信機関3に開示すべき情報を、与信機関3からの要求に応じて、フィルタ部410に対して出力する。
財務処理部422は、発注者40および受注者42における財務管理のための処理を行う。
また、財務処理部422は、第1の与信プログラム30(図8)の資金提供部340および課金部350との間で、取り立て(精算)および課金に関する処理を行う。
また、財務処理部422は、発注者40および受注者42における財務管理処理に関する情報の内、契約により与信機関3に開示すべき情報を、与信機関3からの要求に応じて、フィルタ部410に対して出力する。
与信処理部430は、発注者40において、与信機関3に対して、与信の要求を、取引IDを付して行う。
また、与信処理部430は、受注者42において、与信機関3に対して、与信の確認のための処理を、発注番号IDを付して行う。
また、与信処理部430は、与信機関3に対する与信の要求、あるいは、与信の確認に対する応答に応じて、発注管理部440および財務処理部422の動作を制御する。
フィルタ部410は、与信機関3からの要求に応じて、管理部420、財務処理部422および与信処理部430から入力される情報・データをフィルタリングして、契約により与信機関3に開示されるべき情報・データのみを得る。
フィルタ部410は、フィルタリングの結果として得られた情報・データを、与信機関3のコンピュータ上で動作する取引者プログラム400(図10)が処理可能な形式に変換し、認証・通信処理部302を介して、与信機関3に対して送信する。
発注管理部440は、取引者プログラム400のユーザの操作および与信処理部430の制御に従って、認証・通信処理部302を介して、発注者40から受注者42への発注処理を、取引IDを付して行う。
受注管理部442は、取引者プログラム400のユーザの操作および与信処理部430の制御に従って、認証・通信処理部302を介して、受注者42から発注者40への受注処理を行う。
連携処理部444は、発注者40と受注者42とが、複数の与信者3を連携させて取引するための処理(ディレクトリ管理・認証機関44に対する他のノードのロケーションの問い合わせおよび認証など)他の与信機関との連携のための処理を行う。
[信用取引システム16の全体的な動作]
以下、図6および図11を参照して、信用取引システム16の全体的な動作を説明する。
図11は、図6に示した信用取引システム16の全体的な動作(S10)を示す通信シーケンス図である。
なお、図6および図11には、発注者40および受注者42の間で、取引が正常に行われる場合が例示されている。
図11に示すように、ステップ100(S100)において、契約に従って、発注者40および受注者42のコンピュータ(図6)上で動作する取引者プログラム400により開示される開示情報が、与信機関3に対して送信される。
ステップ102(S102)において、発注者40の取引者プログラム400が、受注者42に対する発注を行うために、与信機関3に対する与信要求のための処理を行う。
ステップ104(S104)において、発注者40の取引者プログラム400は、与信機関3に対して、与信を要求する(図6(1))。
この与信要求には、例えば、(1)発注者40のIDと、(2)発注者40の認証に用いられる署名、(3)発注内容を示す情報(発注者40における発注番号、発注先(ここでは受注者42)、支払い方法(支払期日・金額など)および収入の根拠(この発注のための新たな担保および信用枠を広げうる根拠など)、および、(4)これらの情報の改ざん防止のために用いられるデータなどが含まれる。
ステップ106(S106)において、与信機関3の第1の与信プログラム30(図8)は、与信審査のための処理を行う。
ステップ108(S108)において、与信機関3の与信プログラム30は、発注者40および受注者42に対して、契約に従って、審査のために必要な開示情報を適宜、要求し、発注者40および受注者42の取引者プログラム400から開示情報を受ける。
なお、S108の処理において、与信機関3は、発注者40だけではなく受注者42からも開示情報を受け取る。
現在本取引信用システムに参加している(つまり図14に関して後述する信用名前空間に登録されている)企業はその時点での存在が確認されている企業である。
物やサービスの購入のような取引の信用保証では支払い能力の保証が最優先であるので、この限りではステップ108においては受注者42からの開示情報は必ずしも必要とされない。
ただし、受注者42からの開示情報などを使用することで、与信機関3は受注する側の売買契約に基づく業務遂行義務の実施能力を評価することができる。
このようにして受注者42側での業務遂行義務の実施能力を評価できれば、サプライチェーンを構成する各取引の流れを統合して監視できるので、更に取引リスクの低い高度な取引信用保証を実現することができる。
つまり、納品遅れによるビジネスの損失の連鎖等も予測可能となるので、信用名前空間中の連鎖する各取引への監視を強化することにより、より低リスクな経済活動支援が可能となる。
ステップ110(S110)において、与信機関3の与信プログラム30は、発注者40に対して、与信が可能である旨を通知する(図6(2))。
この与信可能通知には、例えば、(1)与信機関3のIDおよびその署名、(2)宛先(発注者40)のID、(3)発注者40内の発注番号およびこれから作成された取引ID、(4)この発注のために個別に用いられる信用枠(信用保証額)、および、(5)これらの情報の改ざんを防止するためのデータなどが含まれる。
ステップ112(S112)において、発注者40の取引者プログラム400は、受注者42の取引者プログラム400に対する発注処理を行う。
ステップ114,116(S114,116)において、発注者40の取引者プログラム400は、受注者42に対する発注を行い、さらに、与信機関3に対して、発注を通知する(図6(3),(4))。
発注者40から受注者42に送られる発注には、発注者40と受注者42との間で取り決められた情報・データのほかに、例えば、(1)与信機関3のIDおよび署名、(2)発注者40のIDおよび署名(例えば、受注者42は、発注者40の署名を検証するための公開鍵を、与信機関3から入手する)、(3)取引情報(取引IDおよび発注内容確認項目)、および、(4)これらの情報の改ざんを防止するためのデータなどが含まれる。
また、発注者40から与信機関3に対する発注通知には、例えば、(1)与信機関3のIDおよび署名、(2)取引ID、および、(3)これらの情報の改ざんを防止するためのデータなどが含まれる。
ステップ118(S118)において、受注者42の取引者プログラム400は、発注者40を確認するための処理を行う。
ステップ120(S120)において、受注者42の取引者プログラム400は、与信機関3に対して、与信の確認を行う(図6(5))。
受注者42から与信機関3への与信確認には、例えば、(1)受注者42のIDおよび署名、(2)発注者40のID、(3)取引ID、および、(4)これらの情報の改ざんを防止するためのデータなどが含まれる。
ステップ122(S122)において、与信機関の与信プログラム30は、与信証明のための処理を行う。
ステップ124(S124)において、与信機関3の与信プログラム30は、発注者40および受注者42に対して、契約に従って、与信証明のために必要な開示情報を適宜、要求し、発注者40および受注者42の取引者プログラム400から開示情報を受ける。
ステップ126(S126)において、与信機関3の与信プログラム30は、受注者42に対して与信を証明する(図6(6))。
与信機関3から受注者42に対する与信証明には、例えば、(1)与信機関3のIDおよび署名、(2)宛先(受注者42)のID、(3)取引ID、(4)信用保証額、(5)取り立て(精算)・支払い方法に関する情報、および、これらの情報の改ざんを防止するためのデータなどが含まれる。
ステップ128(S128)において、受注者42の取引者プログラム400は、発注者40からの受注のための処理を行う。
ステップ130(S130)において、受注者42の取引者プログラム400は、発注者40の取引者プログラム400に対して、受注を通知する(図6(7))。
ステップ132(S132)において、与信機関3と、発注者40および受注者42との間で、課金、資金提供および取り立て(精算)などが、適宜、行われる。
図12は、図6に示した信用取引システム16における他の取引形態を例示する図である。
図12に示すように、信用取引システム16においても、図4に示した与信機関X3、企業Y4および金融機関Zの間のトランザクションが行われうる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
図13は、複数の信用取引システム10(図2)およびディレクトリ管理・認証機関44などを含む本発明に係る第5の信用取引システム18を例示する図である。
図13に示すように、複数(n個;n≧2)の信用取引システム10とディレクトリ管理・認証機関44などとを含む信用取引システム18を構築することも可能である。
以下、本発明の第2の実施形態として、複数の信用取引システムおよびディレクトリ管理・認証機関44の連携により実現される信用取引を説明する。
図14は、図13に示した第5の信用取引システム18に含まれる信用名前空間20および名前空間22を例示する図である。
例えば、図14に示すように、図13に示した信用取引システム18が、相互に接続された3つの与信機関X1〜X3を含み、与信機関X1には企業Y11,Y12が接続され、与信機関X2には企業Y21,Y22が接続され、与信機関X3には企業Y31,Y32が接続されている場合を具体例とする。
図14に示した場合においては、企業Y11,Y12は、与信機関X1により与信されており、この与信機関X1および与信機関X1により与信されている企業Y11,Y12が構成する空間は、以下、信用名前空間20−1とも呼ばれる。
同様に、企業Y21,Y22は、与信機関X2により与信されており、この与信機関X2および与信機関X2により与信されている企業Y21,Y22が構成する空間は、以下、信用名前空間20−2とも呼ばれる。
同様に、企業Y31,Y32は、与信機関X3により与信されており、この与信機関X3および与信機関X3により与信されている企業Y31,Y32が構成する空間は、以下、信用名前空間20−3とも呼ばれる。
つまり、信用名前空間20−1〜20−3は、信用を保証する与信機関X1〜X3それぞれによる保証が有効な経済活動の範囲を示す。
与信期間X1〜X3による信用保証のために、信用保証の対象となる企業X11,Y12,X21,Y22,X31,Y3を識別する方法が定義される。
信用名前空間20は、信用名前空間20それぞれにおいて唯一の与信機関Xと、この与信機関Xに接続され(与信され)、相互に取引を行う複数の企業Yから構成され、与信機関Yおよび企業Yそれぞれには、信用名前空間20それぞれにおいてユニークな(一意な)識別符号(名前)が付されている。
信用名前空間20にも、それ自体を代表し、他の信用名前空間20との区別のために用いられる識別符号と同等な名前が付され、この信用名前空間20それぞれの名前は、複数の信用名前空間20が形成し、経済的な取引の信用の連鎖が及ぶ大域的な範囲(名前空間22)においてユニーク(一意)とされる。
なお、信用名前空間20には、特定の用途に用いられる別名として、他の信用名前空間20と区別可能なニックネームが付されることがある。
信用名前空間20−1〜20−3およびその企業X11,Y12,X21,Y22,X31,Y32などにこのような名前を付与し、さらに、複数の信用名前空間20、これらの信用名前空間内それぞれを構成する要素(与信機関X,企業Y)、および、これらの信用名前空間それぞれを構成する要素間の階層構造を、名前空間22の内に設けたディレクトリ管理・認証機関Wに登録すると、任意の要素が、このディレクトリ管理・認証機関Wを用いて、任意の信用名前空間20を参照して、任意の要素の名前空間22における位置を検索することができるようになる。
つまり、このようなディレクトリ管理・認証機関Wを設けることにより、任意の要素が、同じ信用名前空間20に属する要素だけでなく、他の特定の信用名前空間20の存在、および、その信用名前空間20内にある要素の情報を取得することができるようになる。
また、このようなディレクトリ管理・認証機関Wを設けることにより、任意の要素が、特定の信用名前空間内にある特定の企業を識別することもできるようになる。
名前空間22にディレクトリ管理・認証機関Wを設けた結果、互いが異なる信用名前空間20の内に属する企業Yの間でも、互いの属する空間に関する情報をこのディレクトリ管理・認証機関Wを介して交換することができるようになる。
名前空間22は、信用名前空間20の名前とその中に存在する企業Yなどの名前を使うことにより、個々の企業Yなどを特定したり、その情報を取得したりできることを意味している。
言い換えると、名前空間22とは、ディレクトリ管理・認証機関Wにより検索(名前解決)が可能な範囲であり、ディレクトリ管理・認証機関Wにより検索可能とは、この信用名前空間20を参照できるディレクトリ管理・認証機関Wに格納されている情報が、各信用名前空間20の階層構造を反映していることを意味する。
このような階層構造を反映したディレクトリサービス(ディレクトリ管理・認証機関W)に情報を問い合わせる通信手段の標準的な規格の例としては、上述したLDAPなどを挙げることができ、このようなディレクトリサービスは、X.500として規格化されている。
具体的に説明すれば、与信機関X1〜X3それぞれが、以下の(1)〜(3)の処理を行うようにすると、名前空間22において、複数の信用名前空間20の間における取引が可能になる。
(1)第1の実施形態においてと同様に、与信機関X1〜X3が、信用名前空間20−1〜20−3それぞれの発注企業Yに対する与信を行う。
(2)与信機関X1〜X3それぞれが、同じ信用名前空間20に含まれる受注企業Yによる与信確認に応じるだけでなく、他の信用名前空間20に含まれる受注企業Yによる与信確認にも応じて、同じ信用名前空間20に含まれる発注企業Yの与信証明を行う。
(3)与信機関X1〜X3それぞれが、必要に応じて、他の与信機関Xからの与信確認および与信証明を中継する。
図15は、モデル化された本発明に係る第6の信用取引システム24を示す図である。
図14に示した信用取引システムを、企業Y11,Y21間の取引および企業Y11,Y12と与信機関X1,X2との間のトランザクションに着目してモデル化すると、図15に示す信用取引システム24を得ることができる。
図15に示すように、信用取引システム24は、与信機関X1,X2(与信機関3−1,3−2とも記す)、発注側の企業(発注者)Y11および受注側の企業(受注者)Y21(以下、発注者40,受注者42とも記す)、および、ディレクトリ管理・認証機関44が、インターネットあるいは専用通信回線などのネットワーク160を介して接続されて構成される。
なお、信用取引システム24においては、同時に複数のトランザクションが存在しうるが、図示の簡略化および明確化のために、図15には、信用取引システム24に1つのトランザクションが存在する場合が例示されている(以下、特記なき限り、トランザクションを示す各図について同様)。
図15に示すように、信用取引システム18において、発注者40が受注者42に発注するときには、発注者40がディレクトリ管理・認証機関44から受注者42のディレクトリを得て(1),(2)、与信機関3−1に対して与信を要求し(3)、この与信が可能である旨の通知(4)が与信機関3−1から発注者40に返されると、発注者40は、受注者42に対する発注を行い、発注を与信機関3−1に通知する(5),(6)。
発注を受けた受注者42は、与信機関3−2を介して、与信者3−1に対して、与信の確認を行い(7),(8)、与信者3−2を介して与信者3−1から与信が証明されると(9),(10)、受注者42は、発注者40の発注を受け、受注を発注者40に通知する(11)。
与信者3−1,3−2上で動作する第1の与信プログラム30(図8)の連携処理部326、および、発注者40および受注者42上で動作する第1の取引者プログラム400(図10)の連携処理部444は、必要に応じて、ディレクトリ管理・認証機関44に対するディレクトリの検索および認証のための処理を行う。
[信用取引システム24の全体的な動作]
以下、信用取引システム24の全体的な動作を説明する。
図16は、図15に示した信用取引システム24の全体的な動作(S20)を示す通信シーケンス図である。
なお、図16には、発注者40および受注者42の間で、取引が正常に行われる場合が例示されており、図16に示した各処理の内、図11に示した処理と実質的に同じものには、同じ符号が付してある(特記なき限り、以下の各図において同様)。
図16に示すように、ステップ100(S100)において、発注者40および受注者42それぞれは、契約に従って開示情報を、与信機関X1,X2(与信機関3−1,3−2)それぞれに対して送信する。
ステップ200(S200)において、発注者40上で動作する取引者プログラム400の第1の連携処理部444(図10)は、ディレクトリ管理・認証機関44に対して、受注者42のディレクトリを問い合わせる(図15(1))。
ステップ202(S202)において、ディレクトリ管理・認証機関44は、受注者42のディレクトリを含む応答を、発注者40に対して返す(図15(2))。
ステップ102(S102)において、発注者40の取引者プログラム400が、受注者42に対する発注を行うために、与信機関3−1に対する与信要求のための処理を行う。
ステップ104(S104)において、発注者40の取引者プログラム400は、与信機関3−1に対して、与信を要求する(図15(3))。
ステップ106(S106)において、与信機関3−1の第1の与信プログラム30(図8)は、与信審査のための処理を行う。
ステップ108(S108)において、与信機関3−1の与信プログラム30は、発注者40などに対して、審査のために必要な開示情報を適宜、要求し、開示情報を受ける。
ステップ110(S110)において、与信機関3−1の与信プログラム30は、発注者40に対して、与信が可能である旨を通知する(図15(4))。
ステップ112(S112)において、発注者40の取引者プログラム400は、受注者42の取引者プログラム400に対する発注処理を行う。
ステップ114,116(S114,116)において、発注者40の取引者プログラム400は、受注者42に対する発注を行い、さらに、与信機関3−1に対して、発注を通知する(図15(5),(6))。
ステップ118(S118)において、受注者42の取引者プログラム400は、発注を確認するための処理を行う。
ステップ210(S210)において、受注者42の取引者プログラム400は、与信者3−2を介して、与信機関3−1に対する与信確認を行う(図15(7),(8))。
ステップ122(S122)において、与信機関3−1の与信プログラム30は、与信証明のための処理を行う。
ステップ124(S124)において、与信機関3−1の与信プログラム30は、発注者40などに対して、与信証明のために必要な開示情報を適宜、要求し、開示情報を受ける。
ステップ212(S212)において、与信機関3−1の与信プログラム30は、与信者3−2を介して、受注者42に対する与信証明を行う(図15(9),(10))。
ステップ128(S128)において、受注者42の取引者プログラム400は、発注者40からの受注のための処理を行う。
ステップ130(S130)において、受注者42の取引者プログラム400は、発注者40の取引者プログラム400に対して、受注を通知する(図15(11))。
ステップ132(S132)において、与信機関3と、発注者40および受注者42との間で、課金、資金提供および取り立て(精算)などが、適宜、行われる。
なお、図15中に点線で示すように、与信者3−1,3−2、発注者40および受注者42から、ディレクトリ管理・認証機関44に対するディレクトリ検索および認証のための処理は、必要に応じて、適宜、行われる。
図17は、図14に示した信用取引システムにおける取引の特徴を示す図である。
図17に示すように、図14に示した信用取引システムにおいては、与信機関X1〜X3による企業Y11〜Y31に対する与信は、信用名前空間20−1〜20−3それぞれに閉じて行われ、信用名前空間20−1〜20−3をまたがる与信確認および与信証明は、与信機関X1〜X3を介して行われ、取引IDにより管理される。
従って、企業Y11〜Y31それぞれは、与信機関X1〜X3それぞれに対してのみ情報開示を行えばよく、図14に示した信用取引システムにおいては、企業Y11〜Y31の情報が不必要に拡散することはない。
また、企業Y11〜Y31それぞれの信用枠は、与信機関X1〜X3それぞれにより管理され、複数の与信機関Xの間で分割されることがない。
従って、図14に示した信用取引システムにおいては、企業Y11〜Y31それぞれの信用枠は、与信機関X1〜X3それぞれにより、一元的に管理されうる。
ここまで述べた信用名前空間、およびこれらの信用名前空間をまたぐためのディレクトリ管理・認証機関Wによるディレクトリサービスの意義、また、その具体的な構成・動作を、さらに説明する。
取引信用とは、取引における支払い義務を負う発注者(発注企業)側が、その支払い能力を、それが信用契約の結果属している信用名前空間10の与信機関Xに証明し、保証してもらうことである。
取引の信用保証を得るためには、企業Yそれぞれは、その支払い能力の根拠や担保を、契約に基づいて、与信機関Xが求める方式により、提出あるいは開示する必要があり、これは、信用保証の有効範囲が、通常、各信用名前空間20の中で閉じていることを意味する。
この取引信用を、他の信用名前空間22の中にある企業Yとの取引に利用するためには、この信用名前空間22内における企業Yの識別と、信用名前空間22内における企業Yの識別を支援するディレクトリサービスが利用されうる。
各信用名前空間22においては、与信機関Xが管理すべき取引のための各企業Yの与信枠(信用確保のために確保/ロックして、取引の代償として所有権が受注者側に移行する財)は、各取引を識別する取引IDによって管理される。
同様に、複数の信用名前空間22をまたがる取引が行われるときには、この信用名前空間22の情報を取引IDに反映することにより、名前空間22において、各取引に関連する関連情報の唯一無二性、整合性および真正性が保証されうる。
例えば、信用名前空間22の名前と、この信用名前空間22における取引を識別するために用いられ、この信用名前空間22においてユニークな(一意な)識別子とを連結することにより、名前空間22全体で一意性が保証された取引IDを作成することができる。
このような名前空間22におけるディレクトリサービスの実現のために、ディレクトリ管理・認証機関Wは、以下のような情報を格納し、構造化された関係に基づいて関連する情報を検索し、取出す。
(1)与信機関Xごとに設定される信用名前空間20の名前、および、
(2)これに属する以下の情報
(2−1)信用名前空間22の基軸となっている与信機関Xの属性情報:
たとえば、システム上アクセスに必要な情報(アドレス、アクセス権、認証符号)や、取引処理上要求される情報(利用可能なビジネスプロトコル)。
(2−2)与信機関Xの一つと与信(取引信用)サービス契約を結んで、特定の信用名前空間に属する取引者(企業Yなど)のその信用名前空間20内での名前、およびその取引者の属性情報(上述の与信機関の属性情報と同等な情報)。
このような情報を格納したディレクトリ管理・認証機関Wを使った検索においては、名前空間22内での名前を指定して、それに関連付けられた情報を探し出すことができる。
また、検索の指定のやり方によっては、特定の信用名前空20間に所属する取引者(企業Y)の一覧を取出すこともできる。
また、信用名前空間20内の取引者(企業Y)名から、それが所属する信用名前空間20名を探し出すという逆引きを行うこともできる。
実際の信用取引の保証においては、作業が煩雑になるのを避けるため、取引者同士は最初から自分が所属する信用名前空間22の正確な名前を相手に提示し、これが間違っていたり、あるいは、失効していた場合には、再確認をその当事者に対して行うようにすることが望ましい。
更に、取引者(企業Y)は、ディレクトリ管理・認証機関Wに、本人認証のための認証コードも登録するので、取引者(企業Y)とその認証コードとの組み合わせを一意的にすることにより、取引者(企業Y)が所属する信用名前空間20が、1回の検索で割り出せるようにすることもできる。
このような逆引き検索においては、同一取引者(企業Y)が、複数の信用名前空間20に、同一名で所属しているときには、複数の信用名前空間20の名前が、検索の回答として与えられることがある。
信用名前空間の構造を反映した上述のような情報を格納したディレクトリ管理・認証機関は、実際の取引において例えば以下のように利用することもできる。
例1:
発注者(企業)Y11と受注者(企業)Y12(例えば図14)とが、ディレクトリ管理・認証機関Wを、互いの存在を確認する手段として利用する。
このときには、双方の取引者(企業Y11,Y12)は、自分が所属する信用名前空間20−1を相手方に提示し、これを使ってディレクトリ管理・認証機関Wに相手方の存在確認を依頼する。
この際、取引者(企業Y11,Y12)は、その後の取引のため、ディレクトリ管理・認証機関Wが持っている認証機能を利用して相手の真正性を確認することができる。
これは、信用保証処理そのものというよりは、電子商取引における相互の本人確認であり、その後発行される発注書や受注確認書の安全性の確保のために役立つ。
例2(異なる信用名前空間の間で信用保証を行う場合での、相手方の与信機関及び信用名前空間の確認):
典型的な例を以下に示す。
発注者(企業)Y11(例えば図14)は自分の属する信用名前空間20−1内の与信機関X1に、受注者(企業)Y21の名前に関連する情報、つまり、(1)受注者Y2が所属する信用名前空間名20−2の名前、および、(2)受注者Y21の信用名前空間20−2内の名前を提示し、受注者(企業)Y21が所属する与信機関X2の正確な信用名前空間を確認する。
与信機関X1は、これらの情報を使うことにより、ディレクトリ管理・認証機関Wに対して1回の検索を行うことにより、相手方の与信機関X2および信用名前空間20−2の確認を行うことができる。
この検索によって受注者(企業)Y21を発見することができなかったときには、与信機関X1は、発注者(企業)Y11に対してエラーを返し、このエラー処理として、与信機関X1は、発注者(企業)Y11に対して、受注者(企業)Y21が所属する信用名前空間20−2を確認する。
この場合には、発注者(企業)Y11は受注者(企業)Y21から直接この情報を得たり、あるいは与信機関X1に与えた受注者(企業)Y21に関する情報が正確かどうかの確認などを行う必要がある。
例2として示した確認は、上述した例1の動作と連動して実行すると効率的である。
なお、受注者(企業)Y21の属する信用名前空間20−2内の名前のみを用いて、ディレクトリ管理・認証機関Wにより、信用名前空間20−2を逆引きするときには、ディレクトリ管理・認証機関Wは認証局でもあるので、実際には、受注者(企業)Y21の認証コードから、直接、その属性情報として、受注者(企業)Y21が所属する信用名前空間20−2の名前を取出すことができる。
ただし、受注者(企業)Y21が複数の与信機関Xと契約しているときには、信用名前空間20−2内の名前を用いて検索を行うと、今回の取引の結果として信用枠(代償)を移行させるべき与信機関Xの名前が、複数、取り出されることがある。
[第3の実施形態]
まず、第3の実施形態の理解を助けるために、その前提として、信用名前空間における取引IDを、さらに詳細に説明する。
[取引IDの位置づけと意味]
取引IDは、特定の信用名前空間内の取引に対応付けられており、与信機関Xにより発行され、その取引IDを発行した与信機関Xは、その取引IDにより特定される取引の価値を保証する。
つまり、信用名前空間においては、その信用名前空間において取引IDを発行した与信機関Xにより、その取引IDに対応付けられた取引の価値と、その価値を利用する権利が、だれに属しているかが特定されうる。
[取引IDの作成]
既に述べたように、取引IDは、第1の与信プログラム30(図8)により、発注者40(図15)が取引それぞれに付す発注番号などから作成される。
取引IDは、さらに詳細には、与信プログラム30などにより、以下に示す(1),(2)の処理により作成され、有効期間が設定されうる。
(1)与信機関3−1が、取引の対価(価値)の保証をするときには、取引IDは、発注者40が、与信機関3−1に対して、与信要求を、取引を識別するための情報(発注識別コード(発注番号など))とともに送ることを契機に作成される。
発注者40が、与信要求とともに与信機関3に送る発注識別コードは、例えば、ディレクトリ管理・認証機関44により発注者40を識別するために用いられる本人識別用の情報と、発注者40により取引を一意に特定するために用いられる内部コードとを含む。
与信機関3−1は、これらのような情報を含む発注識別コードを用いることにより、信用名前空間内で各取引を一意に識別可能であり、かつ、真正であることが保証された取引IDを作成する。
(2)特定の一つの信用名前空間には与信機関はただ一つ存在し、その与信機関3−1のシステム内では、与信機関3−1は、発注者40に対する与信を行うための処理とともに、発注者40から得た発注識別コードから、その与信機関3のシステムにおいて固有の取引IDを作成する。
以上述べた(1),(2)のいずれかの処理により、信用名前空間において、ある取引およびその価値と一意に対応付けられた取引IDが作成され、信用空間内の各ノード(他の与信機関3−1および受注者42など)は、取引IDを利用することにより、取引IDを発行した与信機関3−1から、その取引IDに対応した取引の情報を得ることができる。
[取引IDの管理]
既に述べたように、取引IDは、与信機関3−1により発行され、上述のように有効期間が設定されうる。
取引IDおよび取引IDに対応付けられた取引の価値は、その取引IDを発行した与信機関3−1により管理され、その取引IDを発行した与信機関3−1が、他の与信機関3−2および受注者42からの問い合わせに応じて、その取引IDに対応付けられた取引の価値を提供する。
なお、取引IDの真正性の保証、および、取引IDを発行した与信機関3−1の自体の存在と、そこからの発行情報の真正性の保証は、ディレクトリ管理・認証機関44により行われる。
[取引IDの利用]
以下、取引IDの利用例を示す。
(1)寿命(有効期間)のある価値の流通の効率化:
取引IDの利用により、ある信用名前空間内で、有効期間のある特定の取引の価値が受け渡されるときに、その取引の価値の量と、その価値を利用する権利を有する者とが、明確に特定されうるので、取引の価値が、効率的に流通されうるようになる。
与信機関3は、多数の有効期間付きの取引が信用名前空間内で流通していても、各取引の保証に含まれるリスクを個別に認識すると同時にそのリスクの総和を集計することができ、効率的なリスク管理を実現することができる。また、各取引における価値の移転を、正確に把握することができる。
また、例えば、第1の信用名前空間から第2の信用名前空間に取引の価値が移転されるときに、第2の信用名前空間に属する与信機関3−2(与信機関X2)は、価値の根拠となる取引と、価値の量と、価値の利用権の所有者とを、第1の信用名前空間に属し、取引IDを発行した与信機関3−1(与信機関X1;取引ID1)から明示的に知ることができる。
従って、第2の信用名前空間に属する与信機関3−2(与信機関X2)は、例えば、第1の信用名前空間に属する与信機関3−1からの情報と、第2の信用名前空間において固有の情報とを組み合わせることにより、第2の信用名前空間において有効な取引ID(取引ID2)を作成することができる。
この第2の信用名前空間における取引ID(取引ID2)を用いることにより、第2の信用名前空間に属する与信機関3−2(与信機関X2)は、第2の信用名前空間における他の取引の価値と、第1の信用空間から移転された取引の価値との総量を、第2の信用名前空間において、効率的に流通させることができる。
(2)支払いの保証と納品の保証の連携:
既に述べたように、取引IDは、個々の取引の識別を可能とする。
従って、取引IDを用いることにより、与信機関は、金銭が与信の対象となる取引だけでなく、物品の所在や所有の移動が与信の対象となる取引を扱うことができる。
つまり、例えば、物品の所在・所有が与信の対象となる取引を行う取引者(受注者)は、与信機関に、例えば、発注者に対する納品の保証を依頼することができ、この場合には、与信機関3により総量として与信される対象は、金銭ではなく、特定の物品に換算された価値となる。
なお、与信機関は、物品の所在の移動などが与信の対象となる一連の取引の連鎖に対しては、金銭が与信の対象となる一連の取引とは、逆方向に進行する取引の連鎖として与信の対象とすることができる。
金銭が与信の対象となる取引が行われる信用名前空間と、物品の移転などが与信の対象となる信用名前空間とは、別々に存在し、それぞれ一般には別個の与信機関によって管理される。これら2種類の信用名前空間で使用される各取引IDは、お互いに連携させて使用されうる。
これにより、発注者、受注者双方の利便性が図られる。
[信用取引システム26]
以下、本発明の第3の実施形態として、第7の信用取引システム26を説明する。
図18は、本発明にかかる第7の信用取引システム26の構成を例示する図である。
図18に示すように、第7の信用取引システム26は、図15に示した第6の信用取引システム24における与信機関X1,X2を、それぞれ銀行などの金融機関X1,Zとした構成を採り、さらに、発注者Y11および受注者Y21において動作する取引者プログラム、および、金融機関X1,Zにおいて動作する与信プログラムの動作が変更されている(図21,図22を参照して後述)。
なお、図15の与信機関X2と対応する位置に置かれる金融機関を別の記号Zで表したのは、図26を用いて以下で行う説明においては金融機関Zは与信を行わないので、厳密に言えば図15における与信機関と同じ記号を用いるのは不適切であり、また、図1などにおける金融機関Zと同様の機能を果たしているからである。
もちろん、金融機関Zがすでに説明してきた与信機能を更に持つことは当然あり得るので、金融機関Zが同時に与信機関であることには何の妨げもないことに注意すべきである。
信用取引システム26において、金融機関X1は、発注者Y11に対する与信について与信料の支払いを受け、また、金融機関Zに対する保証について保証料の支払いを受ける。
与信料および保証料の金融機関X1への支払い方法の例として、金銭による支払い、あるいは、与信額・保証額の一部控除などを挙げることができる。
また、金融機関Zは、受注者Y21に対して、発注者Y11への与信に基づく融資を行う。
図18〜図20を参照して、信用取引システム26のノード間のトランザクションを説明する。
図19,図20は、図18に示した信用取引システム26のノード間のトランザクションを示す第1および第2の図である。
なお、図19,図20においては、図示の簡略化および明確化のために、ネットワーク160、ディレクトリ管理・認証機関44、および、ディレクトリ管理・認証機関44と他のノードとの間のトランザクションは省略されている。
図18および図19に示すように、第7の信用取引システム26において、発注者40が受注者42に発注するときには、発注者40は、第6の信用取引システム24(図15)においてと同様に、ディレクトリ管理・認証機関44から受注者42のディレクトリを得る(1),(2)。
発注者40は、金融機関3−1に対して与信を要求する(3)。
発注者40は、この与信の要求に、発注しようとする取引の取引IDを金融機関3−1が作成するために必要な情報(たとえば、発注者40の社内発注処理システムが当該発注を識別するために割当てた発注識別コードなど)を付し、さらに、金融機関3−1に対して、与信のための料金(与信料)を支払う。
なお、与信料の額や支払方法などは当事者間の契約によって別途定めることができる。
例えば、これに限定されるものではないが、額については保証対象額に発注者毎に定められた所定割合を乗算した額などとしてよい。
また、与信料の支払いについても、与信要求時あるいは与信実行時に直ちに支払うだけではなく、例えば所定期間毎に与信料(あるいは金融機関へのこれ以外の支払いも合算して)を精算したり、あるいは金融機関から発注者への支払いなどとの相殺をしたりすることによっても処理することができる。
支払いについては以下に説明する金融機関同士、金融機関と受注者との間についてもこれと同様に多様な方法を取ることができる。
金融機関3−1は、発注者40からの要求に応じて、与信が可能である旨の通知(4)を発注者40に返す(4)。
金融機関3−1は、この通知に、上述のように発注者40から送られてきた情報から作成した取引IDを付す。
発注者40は、受注者42に対する発注を行う(5)。
発注者40は、受注者42に対する発注を、金融機関3−1に対して通知する。
なお、発注者40から受注者42に対する発注、および、発注者40から金融機関3−1に対する通知には、金融機関3−1から発注者40に送られた取引IDが付される。
発注者40から発注の通知を受けると、金融機関3−1は、受注者42に対して、発注者40からの発注があったことについての確認を要求し、受注者42は、これに応答し、発注者40からの発注があったことを確認する(7),(8)。
このとき、図19に示すように、発注者40から受注者42への発注に起因して、発注者40が受注者42に対する支払いを行えるか否かについてのリスクが生じている。
図18および図20に示すように、発注を受けた受注者42は、金融機関3−2に対して、融資を依頼する(9)。
受注者42は、金融機関3−2に対する融資の依頼に、発注者40からの発注に付された取引IDを付す。
金融機関3−2は、金融機関3−1に対して、受注者42に対する融資の保証を依頼する(10)。
金融機関3−2は、この依頼に、受注者42からの融資の依頼に付された取引IDを付し、さらに、この保証のための料金(保証料)を、金融機関3−21に対して支払う。
保証料の額や支払方法などは当事者間の契約によって別途定められるものであり、これに限定するものではないが、保証料の額を例えば保証される金額の所定割合、保証1回毎に決められる固定額などとすることができる。
また、金融機関3−2はこの保証料を、融資申込み者である受注者42による融資申込みの際の取引IDに基づく保証要求に応えて上述の保証手続を行った対価として、受注者42に転嫁することになるが、その転嫁の形態についても、金利の上乗せや金利とは別途に各種の方法で徴収される保証料など、当事者間の契約によって適宜決めることができる。
また、その額も、金融機関間の保証料とは別の額とすることも、当事者間の契約などにより自由に定めることができる。
金融機関3−1は、金融機関3−2からの依頼に応じて、受注者42への融資についての保証を行う(11)。
金融機関3−1から融資についての保証を受けると、金融機関3−2は、受注者42に対して融資を行う(12)。
受注者42は、金融機関3−2から融資された資金を用いて、受注のために、資材購入などを準備する。
融資を受けると、受注者42は、発注者40に対して受注を通知する(13)。
なお、信用取引システム26の各ノードは、以上説明したトランザクションを実現するために必要な処理を、適宜、実行する。
図21は、図18に示した信用取引システム26の金融機関3において実行される第2の与信プログラム36の構成を示す図である。
図21に示すように、第2の与信プログラム36は、図8に示した第1の与信プログラム30に、与信料・保証料処理部360および与信料・保証料DB362を付加した構成を採る。
第2の与信プログラム36は、金融機関3において、第1の与信プログラム30の代わりに実行され、第1の与信プログラム30と同様な処理の他、図18〜図20に示した与信料および保証料に関する処理を行う。
第2の与信プログラム36において、与信料・保証料処理部360は、発注者40から与信料の支払いを受けるための処理、および、他の金融機関3から、保証料の支払いを受けるための処理を行う。
与信料・保証料DB362は、発注者40に対して設定される与信料の額、および、発注者40および他の金融機関3などに応じて設定される保証料の額など、発注者40から与信料の支払いを受けるための処理、および、他の金融機関3から、保証料の支払いを受けるための処理のために必要なデータを記憶し、与信料・保証料処理360の利用の用に供する。
図22は、図18に示した受注者42において実行される第2の取引者プログラム460の構成を示す図である。
図22に示すように、第2の取引者プログラム460は、図10に示した第1の取引者プログラム400に、融資処理部462を付加した構成を採る。
第2の取引者プログラム460は、受注者42において、第1の与信プログラム30の代わりに実行され、第1の取引者プログラム400と同様な処理の他、図18,図20に示した融資に関する処理を行う。
第2の取引者プログラム460において、融資処理部462は、受注者42が、金融機関3−2からの融資を受けるための処理を行う。
[信用取引システム26の全体的な動作]
以下、信用取引システム26の全体的な動作を説明する。
図23は、図18に示した信用取引システム26の全体的な動作(S24)を示す通信シーケンス図である。
図23に示すように、ステップ100(S100)において、発注者40および受注者42それぞれは、契約に従って、開示情報を、金融機関X1,X2(金融機関3−1,3−2)それぞれに対して送信する。
ステップ200(S200)において、発注者40(第2の取引者プログラム460;図22)は、ディレクトリ管理・認証機関44に対して、受注者42のディレクトリを問い合わせる(図18,図19(1))。
ステップ202(S202)において、ディレクトリ管理・認証機関44は、受注者42のディレクトリを含む応答を、発注者40に対して返す(図18,図19(2))。
ステップ240(S240)において、発注者40は、金融機関3−1(与信プログラム36)に対して与信を要求するための処理を行う。
ステップ242(S242)において、発注者40は、金融機関3−1に対して、取引IDを作成するために用いられる情報を含む与信要求を出し、与信料を支払う。
ステップ250(S250)において、金融機関3−1(第2の与信プログラム36;図21)は、与信審査のための処理を行う。
ステップ252(S252)において、与信機関3−1は、発注者40に対して、与信が可能である旨の通知を、S240の処理において受けた情報から作成した取引IDを付して返す(図18,図19(4))。
ステップ260(S260)において、発注者40は、受注者42(第2の取引者プログラム460)に対する発注処理を行う。
ステップ262,116(S262,S116)において、発注者40は、受注者42に対する発注を行い、さらに、与信機関3−1に対して、発注を通知する(図18,図19(5),(6))。
ステップ270(S270)において、受注者42は、発注者40を確認するための処理を行う。
ステップ272,274(S272,S274)において、金融機関3−1は、受注者42に対して発注の確認を要求し、受注者42は、受注を確認する応答を、金融機関3−1に対して返す(図18,図19(7),(8))。
ステップ280(S280)において、受注者42は、金融機関3−2から融資を受けるための処理を行う。
ステップ282(S282)において、受注者42は、金融機関3−2に対して、取引IDを含む融資要求を出す(図18,図20(9))。
ステップ290(S290)において、金融機関3−2は、受注者42からの取引IDを用いて、発注者40に与信を与えている金融機関3−1を、ディレクトリ管理・認証機関44を用いて探しだすなど、受注者42に対する融資のための処理を行う。
ステップ292(S292)において、金融機関3−2は、金融機関3−1に対して、取引IDを含む保証要求を出し、さらに、保証料を支払う(図18,図20(10))。
ステップ300(S300)において、金融機関3−1は、金融機関3−2に対して、取引IDが示す取引の安全を保証するための処理を行う。
ステップ302(S302)において、金融機関3−1は、金融機関3−2に対して、取引IDが示す取引の安全を保証する(図18,図20(11))。
ステップ304(S304)において、金融機関3−2は、受注者42に対する融資を行う(図18,図20(12))。
ステップ310(S1310)において、受注者42は、発注者40からの受注のための処理を行う。
ステップ312(S312)において、受注者42は、発注者40に対して、受注を通知する(図15(13))。
図18に示した信用取引システム26において、金融機関3−1は、図19,図20に示すように、発注者40による発注に伴って発生したリスクを負うことにより、発注者40から与信料の支払いを受けることができ、さらに、金融機関3−2から保証料の支払いを受けることができる。
つまり、信用取引システム26は、発注者40の取引に伴うリスクを1回、負うだけで、その後にさらにリスクを負うことなく、複数回の収入の機会を得ることができる。
本発明は、取引における信用を保証する取引システムなどとして利用可能である。
図1は、本発明の前提となる取引を例示する図である。 本発明に係る第1の信用取引システムを例示する図である。 図2に示した企業Y1〜Y4に設定される信用枠を例示する図である。 本発明に係る第2の信用取引システムを例示する図である。 本発明に係る第3の信用取引システムを例示する図である。 モデル化された本発明に係る第4の信用取引システムを示す第1の図である。 図6に示した与信機関、発注者および受注者において用いられるコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。 図6に示した与信機関のコンピュータ(図7)上で実行される第1の与信プログラムの構成を示す図である。 図8に示した第1の信用枠管理部が、受注者への支払いのために発注者の信用枠の一部をロックする様子を例示する図である。 図6に示した発注者および受注者のコンピュータ(図7)上で動作する第1の取引者プログラムを示す図である。 図6に示した信用取引システムの全体的な動作(S10)を示す通信シーケンス図である。 図6に示した信用取引システムにおける他の取引形態を例示する図である。 複数の信用取引システム(図2)およびディレクトリ管理・認証機関などを含む本発明に係る第5の信用取引システムを例示する図である。 図13に示した第5の信用取引システムに含まれる信用名前空間および名前空間を例示する図である。 モデル化された本発明に係る第6の信用取引システムを示す図である。 図15に示した信用取引システムの全体的な動作(S20)を示す通信シーケンス図である。 図14に示した信用取引システムにおける取引の特徴を示す図である。 本発明にかかる第7の信用取引システムの構成を例示する図である。 図18に示した信用取引システムのノード間のトランザクションを示す第1の図である。 図18に示した信用取引システムのノード間のトランザクションを示す第2の図である。 図18に示した信用取引システムの金融機関において実行される第2の与信プログラム36の構成を示す図である。 図18に示した受注者において実行される第2の取引者プログラムの構成を示す図である。 図18に示した信用取引システムの全体的な動作(S24)を示す通信シーケンス図である。
符号の説明
10〜18,24・・・信用取引システム、
20・・・信用名前空間、
22・・・名前空間、
3・・・与信機関、
100・・・本体、
102・・・CPU、
104・・・メモリ、
106・・・入出力装置、
110・・・通信装置、
112・・・記録装置、
114・・・記録媒体、
30,36・・・与信プログラム、
300・・・UI部、
302・・・認証・通信処理部、
310・・・情報管理部、
312・・・取引者情報DB、
314・・・取引管理、
316・・・取引DB、
320・・・信用枠管理部、
322・・・信用枠DB、
330・・・与信審査部、
332・・・与信証明部、
340・・・資金提供部、
350・・・課金部、
352・・・課金DB、
360・・・与信料・保証料処理部、
362・・・与信料・保証料DB、
40・・・発注者、
42・・・受注者、
400,460・・・取引者プログラム、
410・・・フィルタ部、
420・・・管理部、
422・・・財務処理部、
430・・・与信処理部、
440・・・発注管理部、
442・・・受注管理部、
462・・・融資処理部、
44・・・ディレクトリ管理・認証機関、

Claims (36)

  1. 取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う複数の取引者用コンピュータ(取引者)と、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する1つ以上の保証者用コンピュータ(保証者)と、検索用コンピュータ(検索者)とが通信回線に接続された取引システムであって、前記保証者および前記取引者にはこれらそれぞれに、これらそれぞれへアクセスに用いられるアドレスを含む情報が付され、前記保証者および前記取引者は、それぞれの名前により前記情報が検索されうる名前空間を構成し、前記取引は、前記取引を発注する取引者用コンピュータ(発注者)から前記取引を受注する取引者用コンピュータ(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、
    前記検索者は、コンピュータの処理により、前記取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における情報を検索して提供し、
    前記保証者それぞれは、それぞれコンピュータにより実行されるプログラムの処理により実現され、
    前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる見積手段と、
    前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証する保証手段と、
    前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認する確認手段と
    を有し、
    前記発注者となりうる取引者は、それぞれコンピュータにより実行されるプログラムの処理により実現され、
    前記保証者に対して、取引における前記保証を要求する保証要求手段と、
    前記検索の結果として提供された前記発注者の情報を用いて、前記受注者に対して発注する前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する発注手段と、
    前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の情報を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の情報の提供を受ける情報検索手段と
    を有し、
    前記受注者となりうる取引者は、それぞれコンピュータにより実行されるプログラムの処理により実現される手段であって、
    受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する確認要求手段と、
    前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する受注手段と
    を有する取引システム。
  2. 前記保証者は複数であって、前記複数の保証者それぞれと、これらの保証者それぞれに接続された取引者とは、複数の前記名前空間(信用名前空間)を構成し、少なくとも前記複数の信用名前空間それぞれにおいては、前記取引者それぞれに一意に名前が付され、前記複数の信用名前空間は、相互に接続されて前記名前空間を構成し、
    前記発注者となりうる取引者の情報検索手段は、同じ前記信用名前空間に前記受注者が含まれないときに、前記検索者に対する前記受注者の情報の検索を行う
    請求項1に記載の取引システム。
  3. 前記通信回線に接続され、前記発注者の代償枠の内、前記取引の発注のために前記受注者に提供されるために確保されていた部分を、前記発注者の代償枠から、受注者自身の代償枠に移転する処理を行う取立者用コンピュータ(取立者)
    をさらに有する請求項1または2に記載の取引システム。
  4. 前記保証者は、前記取立者を兼ねる
    請求項3に記載の取引システム。
  5. 前記通信回線に接続され、前記見積もられた代償枠の範囲で、前記取引者それぞれに代償を提供する処理を行う代償提供者用コンピュータ(代償提供者)
    をさらに有する請求項1または2に記載の取引システム。
  6. 前記保証者は、前記代償提供者を兼ねる
    請求項5に記載の取引システム。
  7. 前記保証者の見積手段は、前記発注者となりうる取引者が、前記受注者として提供されうる代償に基づいて、前記取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる
    請求項1〜6のいずれかに記載の取引システム。
  8. 前記保証者は、前記発注者に接続され、前記発注者による要求に応じて、この発注者により発注された取引を保証する1つ以上の第1の保証者用コンピュータ(第1の保証者)と、前記受注者と前記第1の保証者とに接続され、前記受注者による要求に応じて、この受注者により受注されようとする取引を保証する1つ以上の第2の保証者用コンピュータ(第2の保証者)とを含み、
    前記第1の保証者それぞれにおいて、
    前記保証手段は、
    前記接続された発注者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記発注者に対して、前記代償提供を保証し、
    前記接続された第2の保証者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記第2の保証者に対して、前記代償提供を保証し、
    前記第2の保証者それぞれにおいて、
    前記確認手段は、
    前記接続された受注者からの要求に応じて、その実施に対して対価を支払うべき要求を出して、前記接続された第1の保証者に対して、前記代償提供の保証を要求し、
    前記第1の保証者による代償提供の保証に基づいて、前記受注されようとする取引の保証を、前記受注者に対して確認し、
    前記発注者となりうる取引者において、
    前記保証要求手段は、前記第1の保証者に対して、取引における前記保証を要求し、
    前記受注者となりうる取引者において、
    前記確認要求手段は、前記第2の保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する
    請求項1〜7のいずれかに記載の取引システム。
  9. 前記第1の保証者において、
    前記保証手段は、前記要求を受けると、前記発注者からの取引の発注を、前記受注者に対して確認し、前記発注者に対する代償提供の保証を行う
    請求項8に記載の取引システム。
  10. 前記受注者となりうる取引者において、
    前記確認要求手段は、前記第2の保証者に対して融資を要求し、
    前記第2の保証者それぞれにおいて、
    前記確認手段は、
    前記第1の保証者による代償提供の保証に基づいて、前記受注者となりうる保証者に対して、前記要求された融資を行う
    請求項8または9に記載の取引システム。
  11. 前記発注者となりうる取引者は、コンピュータの処理により、
    前記保証者に対して、前記代償枠の見積に用いられ得る見積情報を開示する情報開示手段
    をさらに有し、
    前記保証者の見積手段は、前記開示された情報にさらに基づいて、前記取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる
    請求項1〜10のいずれかに記載の取引システム。
  12. 前記発注者となりうる取引者の情報開示手段は、前記見積情報として、
    他の取引者との間の取引の状態を示す情報、
    前記他の取引者との間の取引の状態を裏付ける情報、
    前記受注者に対する代償の提供能力を裏付ける情報および
    前記受注者に対する代償の提供能力を担保する情報または
    これらの内の1つ以上の組み合わせ
    を開示する
    請求項11に記載の取引システム。
  13. 前記取引の状態を示す情報には、
    前記受注者として受注した取引において提供される代償、
    前記受注者として受注した取引を発注した取引者、
    前記発注者として発注した取引において提供する代償および
    前記発注者として発注した取引受注した取引者、
    前記取引を識別する符号または
    これらの内の1つ以上の組み合わせ
    が含まれる
    請求項12に記載の取引システム。
  14. 前記保証者は、コンピュータの処理により、
    前記取引を識別する符号に基づいて、取引システムで一意な取引識別子を作成する取引識別子作成手段
    をさらに含む
    請求項13に記載の取引システム。
  15. 前記取引は、前記作成された取引識別子により識別される
    請求項14に記載の取引システム。
  16. 前記保証者は、コンピュータの処理により、
    前記取引における保証の要求および確認またはこれらのいずれかを行ったときに、前記要求および確認またはこれらのいずれかを行った取引者に対して課金する第1の課金手段
    をさらに有する
    請求項1〜15のいずれかに記載の取引システム。
  17. 前記保証者は、コンピュータの処理により、
    前記取引における保証の要求および確認またはこれらのいずれかを行ったときに、前記要求および確認またはこれらのいずれかを行った取引者に対して、前記見積情報の開示の度合いに応じた額を課金する第2の課金手段
    をさらに有する
    請求項11または12に記載の取引システム。
  18. 前記代償は、通貨である
    請求項1〜17のいずれかに記載の取引システム。
  19. 前記代償は、物である
    請求項1〜17のいずれかに記載の取引システム。
  20. 前記代償は、通貨または物を将来取得する権利である
    請求項1〜17のいずれかに記載の取引システム。
  21. コンピュータを有し、取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う1つ以上の取引者用コンピュータ(取引者)と、検索用コンピュータ(検索者)とが接続された通信回線に接続された保証装置であって、前記保証装置および前記取引者にはこれらそれぞれへのアクセスに用いられるアドレスを含む情報が付され、前記保証装置および前記取引者は、それぞれの名前により前記情報が検索されうる名前空間を構成し、前記検索者は、取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における情報を検索して提供し、前記取引は、前記取引を発注する取引者用コンピュータ(発注者)から前記取引を受注する取引者用コンピュータ(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記発注者となりうる取引者は、前記保証装置に対して、取引における前記保証を要求し、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、前記発注者となりうる取引者は、前記保証装置に対して、取引における前記保証を要求し、前記検索の結果として提供された前記発注者の情報を用いて、前記受注者に対して行う発注の前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の情報を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の情報の提供を受け、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証装置に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注し、
    前記保証装置は、それぞれ前記コンピュータの処理により、
    前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記検索の結果として得られた前記受注者の情報を用いて、この情報が示す受注者に発注するときに、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる見積手段と、
    前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証する保証手段と、
    前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認する確認手段と、
    前記発注者の代償枠の内、前記取引の発注のために前記受注者に提供されるために確保されていた部分を、前記発注者の代償枠から、受注者自身の代償枠に移転する取立手段と
    を有する保証装置。
  22. 前記コンピュータの処理により、前記見積もられた代償枠の範囲で、前記取引者それぞれに代償を提供する代償提供手段
    をさらに含む請求項21に記載の保証装置。
  23. 前記見積手段は、前記発注者となりうる取引者が、前記受注者として提供されうる代償に基づいて、前記取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる
    請求項21または22に記載の保証装置。
  24. 前記保証装置の内、第1の保証装置は、前記発注者に接続され、前記発注者による要求に応じて、この発注者により発注された取引を保証し、前記保証装置の内、第2の保証装置は、前記受注者と前記第1の保証装置とに接続され、前記受注者による要求に応じて、この受注者により受注されようとする取引を保証し、前記発注者となりうる取引者は、前記第1の保証装置に対して、取引における前記保証を要求し、前記受注者となりうる取引者は、前記第2の保証装置に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、
    前記第1の保証装置それぞれにおいて、
    前記保証手段は、
    前記接続された発注者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記発注者に対して、前記代償提供を保証し、
    前記接続された第2の保証装置から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記第2の保証装置に対して、前記代償提供を保証し、
    前記第2の保証装置それぞれにおいて、
    前記確認手段は、
    前記接続された受注者からの要求に応じて、その実施に対して対価を支払うべき要求を出して、前記接続された第1の保証装置に対して、前記代償提供の保証を要求し、
    前記第1の保証装置による代償提供の保証に基づいて、前記受注されようとする取引の保証を、前記受注者に対して確認する
    請求項21〜23のいずれかに記載の保証装置。
  25. 前記第1の保証装置において、
    前記保証手段は、前記要求を受けると、前記発注者からの取引の発注を、前記受注者に対して確認し、前記発注者に対する代償提供の保証を行う
    請求項24に記載の保証装置。
  26. 前記受注者となりうる取引者において、
    前記確認要求手段は、前記第2の保証装置に対して融資を要求し、
    前記第2の保証装置それぞれは、
    前記第1の保証装置による代償提供の保証に基づいて、前記受注者となりうる保証装置に対して、前記要求された融資を行う確認要求手段
    を有する
    請求項24または25に記載の保証装置。
  27. 前記発注者となりうる取引者は、前記保証装置に対して、前記代償枠の見積に用いられ得る見積情報を開示し、
    前記見積手段は、前記開示された情報にさらに基づいて、前記取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる
    請求項21〜26のいずれかに記載の保証装置。
  28. コンピュータを有し、取引の発注および受注またはこれらのいずれかを行う取引装置であって、前記取引は、前記取引を発注する取引装置(発注者)から前記取引を受注する取引装置(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記取引装置の間の取引を保証する1つ以上の保証者用コンピュータ(保証者)それぞれと、前記取引装置の1つ以上と、検索用コンピュータ(検索者)とが接続された通信回線に接続され、前記保証者および取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う1つ以上の取引者用コンピュータ(取引者)にはこれらそれぞれへのアクセスに用いられるアドレスを含む情報が付され、前記保証者および前記取引者は、それぞれの名前により前記情報が検索されうる名前空間を構成し、前記検索者は、コンピュータの処理により、前記取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における情報を検索して提供し、前記保証者は、コンピュータ処理により、前記接続された取引装置それぞれが、前記発注者として、前記検索の結果として得られた前記受注者の情報を用いて、この情報が示す受注者に発注するときに、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もり、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証し、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、
    前記発注者となりうる取引者は、それぞれコンピュータにより実行されるプログラムの処理により実現され、
    前記保証者に対して、取引における前記保証を要求する保証要求手段と、
    前記検索の結果として提供された前記発注者の情報を用いて、前記受注者に対して発注する前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する発注手段と、
    前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の情報を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の情報の提供を受ける情報検索手段と
    を有し、
    前記受注者となりうる取引者は、それぞれコンピュータにより実行されるプログラムの処理より実現され、
    受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する確認要求手段と、
    前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する受注手段と
    を有する
    取引装置。
  29. 前記保証者は複数であって、前記複数の保証者それぞれと、これらの保証者それぞれに接続された取引装置とは、複数の前記名前空間(信用名前空間)を構成し、少なくとも前記複数の信用名前空間それぞれにおいては、前記取引装置それぞれに一意に名前が付され、前記複数の信用名前空間は、相互に接続されて前記名前空間を構成し、
    前記発注者となりうる取引装置の情報検索手段は、同じ前記信用名前空間に前記受注者が含まれないときに、前記検索者に対する前記受注者の情報の検索を行う
    請求項28に記載の取引装置。
  30. 前記保証者は、前記発注者に接続され、前記発注者による要求に応じて、この発注者により発注された取引を保証する1つ以上の第1の保証者用コンピュータ(第1の保証者)と、前記受注者と前記第1の保証者とに接続され、前記受注者による要求に応じて、この受注者により受注されようとする取引を保証する1つ以上の第2の保証者用コンピュータ(第2の保証者)とを含み、前記第1の保証者それぞれは、前記接続された発注者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記発注者に対して、前記代償提供を保証し、前記接続された第2の保証者から、その実施に対して対価を支払うべき要求を受けて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記第2の保証者に対して、前記代償提供を保証し、前記第2の保証者それぞれは、前記接続された受注者からの要求に応じて、その実施に対して対価を支払うべき要求を出して、前記接続された第1の保証者に対して、前記代償提供の保証を要求し、前記第1の保証者による代償提供の保証に基づいて、前記受注されようとする取引の保証を、前記受注者に対して確認し、
    前記発注者となりうる取引者において、
    前記保証要求手段は、前記第1の保証者に対して、取引における前記保証を要求し、
    前記受注者となりうる取引者において、
    前記確認要求手段は、前記第2の保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する
    請求項28または29に記載の取引装置。
  31. 前記第2の保証者それぞれは、前記第1の保証者による代償提供の保証に基づいて、前記受注者となりうる保証者に対して、前記要求された融資を行い、
    前記受注者となりうる取引者において、
    前記確認要求手段は、前記第2の保証者に対して融資を要求する
    請求項30に記載の取引装置。
  32. 前記保証者は、前記取引を識別する符号に基づいて、一意な取引識別子を作成し、
    前記取引は、前記作成された取引識別子により識別される
    請求項28〜31のいずれかに記載の取引装置。
  33. 前記発注者となりうる取引装置は、前記コンピュータの処理により、
    前記保証者に対して、前記代償枠の見積に用いられ得る見積情報を開示する情報開示手段
    をさらに有し、
    前記保証者は、前記開示された情報にさらに基づいて、前記取引装置それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる
    請求項28〜32のいずれかに記載の取引装置。
  34. 取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う複数の取引者用コンピュータ(取引者)と、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する1つ以上の保証者用コンピュータ(保証者)と、検索用コンピュータ(検索者)とが通信回線に接続された取引システムにおける取引方法であって、前記保証者および前記取引者にはこれらそれぞれへのアクセスに用いられるアドレスを含む情報が付され、前記保証者および前記取引者は、それぞれの名前により前記情報が検索されうる名前空間を構成し、前記取引は、前記取引を発注する取引者用コンピュータ(発注者)から前記取引を受注する取引者用コンピュータ(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、
    前記検索者は、コンピュータの処理により、前記取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における情報を検索して提供し、
    前記保証者それぞれは、コンピュータにより実行されるプログラムの処理により、
    前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もり、
    前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証し、
    前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、
    前記発注者となりうる取引者は、それぞれコンピュータの処理により、
    前記保証者に対して、取引における前記保証を要求し、
    前記検索の結果として提供された前記発注者の情報を用いて、前記受注者に対して発注する前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、
    前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の情報を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の情報の提供を受け、
    前記受注者となりうる取引者は、コンピュータの処理により、
    受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、
    前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する
    取引方法。
  35. コンピュータを有し、取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う1つ以上の取引者用コンピュータ(取引者)と、前記取引者の間の取引をそれぞれ保証する1つ以上の保証者用コンピュータ(保証者)と、検索用コンピュータ(検索者)とが接続された通信回線に接続された保証装置におけるプログラムであって、前記保証者および前記取引者にはこれらそれぞれへのアクセスに用いられるアドレスを含む情報が付され、前記保証者および前記取引者は、それぞれの名前により前記情報が検索されうる名前空間を構成し、前記検索者は、取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における情報を検索して提供し、前記取引は、前記取引を発注する取引者用コンピュータ(発注者)から前記取引を受注する取引者用コンピュータ(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記発注者となりうる取引者は、前記保証装置に対して、取引における前記保証を要求し、前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、前記発注者となりうる取引者は、前記保証者に対して、取引における前記保証を要求し、前記検索の結果として提供された前記発注者の情報を用いて、前記受注者に対して行う発注の前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注し、前記受注者となりうる取引者は、前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の情報を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の情報の提供を受け、受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証装置に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求し、前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注し、
    前記保証者は、
    前記接続された取引者それぞれが、前記発注者として、前記検索の結果として得られた前記受注者の情報を用いて、この情報が示す受注者に発注するときに、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もる見積ステップと、
    前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証する保証ステップと、
    前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、
    前記発注者の代償枠の内、前記取引の発注のために前記受注者に提供されるために確保されていた部分を、前記発注者の代償枠から、受注者自身の代償枠に移転する取立ステップと
    を前記保証装置のコンピュータに実行させるプログラム。
  36. コンピュータを有し、取引の発注および受注またはこれらのいずれかを行う取引装置におけるプログラムであって、前記取引は、前記取引を発注する取引装置(発注者)から前記取引を受注する取引装置(受注者)への代償の提供を少なくとも含み、前記取引装置の間の取引を保証する1つ以上の保証者用コンピュータ(保証者)それぞれと、前記取引装置の1つ以上と、検索用コンピュータ(検索者)とが接続された通信回線に接続され、前記保証者および取引の発注および受注またはこれらのいずれかをそれぞれ行う1つ以上の取引者用コンピュータ(取引者)にはこれらそれぞれの情報と、前記情報の検索に用いられえる一意な名前とが付されて、前記保証者および前記取引者は名前空間を構成し、前記検索者は、コンピュータの処理により、前記取引者に付された名前の指定を受けて、前記指定された名前が付された取引者の前記名前空間における情報を検索して提供し、前記保証者は、コンピュータ処理により、前記接続された取引装置それぞれが、前記発注者として、前記検索の結果として得られた前記受注者の情報を用いて、この情報が示す受注者に発注するときに、前記受注者に提供可能な代償を示す代償枠を見積もり、前記接続された発注者からの要求に応じて、前記見積もられた代償枠に基づいて、前記取引における発注者の代償提供を保証し、前記発注者により発注された取引を受注しようとする受注者からの要求に応じて、この発注者からの要求に応じてなされた取引における保証を確認し、
    前記発注者となりうる取引者において、
    前記保証者に対して、取引における前記保証を要求する保証要求ステップと、
    前記検索の結果として提供された前記発注者の情報を用いて、前記受注者に対して発注する前記保証の要求に応じて前記保証がなされた取引を、前記受注者に対して発注する発注ステップと、
    前記検索者に対して受注者の名前を指定して、前記発注者の情報を検索させ、検索の結果として得られた前記受注者の情報の提供を受ける情報検索ステップと
    を前記発注者となりうる取引者のコンピュータに実行させ、
    前記受注者となりうる取引者において、
    受注しようとする取引を発注した発注者と接続された保証者に対して、受注しようとする取引における前記保証の確認を要求する確認要求ステップと、
    前記確認の要求に応じて前記保証が確認された取引を、前記発注者から受注する受注ステップと
    を前記発注者となりうる取引者のコンピュータに実行させる
    プログラム。
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