本発明は、遊技盤上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置と、遊技球の打ち出しを行う操作部を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、遊技盤上に設けられ、特定条件の成立を契機に開始され設定された所定遊技状態の進捗状況を表示する所定遊技状態進捗表示装置とを備えているパチンコ遊技機に関する。
従来のパチンコ遊技機は、確率変動や時短などの遊技者が有利となる遊技状態の終了条件として、特定の図柄にて大当たりや大当たり後100回転などの所定回転数または所定時間が経過した時に終了するという方法を用いることが多かった。
特開2001−149579号
特開2002−159686号
しかしながら、この従来のパチンコ遊技機における上述の方法においては、すべての情報が遊技者には見えない遊技機内部のコンピューターによって制御されており、遊技者はその内部で行われた制御に対する結果を図柄表示装置の演出を通じてのみでしか認識することができず、表示された結果に対して一喜一憂することしかできないという問題があった。
こういった状況の中で、すべてが内部コンピューターによる制御という認識しづらいパチンコ遊技機において、遊技者からしてみれば、その制御方法が実際に目に見える訳ではないので、あまりにも不利な遊技状態が続いた場合に遊技台に不信感を募らせ、最終的にはホール側に対しても不信感を抱くことになりかねないという問題があった。
上述のような問題点を改善すべく、確率変動状態や時短状態などの進捗状況をアナログ的な手法を用いることで表示することにより、遊技者に対してわかりやすく報知することで安心感を与えつつ、視覚的にも興趣のある遊技機を提供することを目的とするものである。
そこで本発明者は、上記従来のパチンコ遊技機における問題点を解決すべく確率変動状態や時短状態などの進捗状況を表示して遊技者に報知することに着目し、遊技盤上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置と、遊技球の打ち出しを行う操作部を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、特定条件の成立を契機に開始され設定された所定遊技状態の進捗状況を遊技盤上に設けられた所定遊技状態進捗表示装置により表示するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、遊技者に対して所定遊技状態の進捗状況を表示および報知し、ゲームの展開の予測を可能として、ゲームの安心感および参加感を与えつつ、視覚的にも興趣のある遊技機の提案をするという目的を達成する本発明に到達した。
本発明(請求項1に記載の第1発明)のパチンコ遊技機は、
遊技盤上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置と、遊技球の打ち出しを行う操作部を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、
特定条件の成立を契機に開始される所定遊技状態を設定し、該所定遊技状態を制御する所定遊技状態制御手段と、
遊技盤上に設けられ、前記所定遊技状態の進捗状況を表示する所定遊技状態進捗表示装置と、
前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する時間制御手段と、
前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態の進捗速度を計測する進捗速度計測手段を備え、
前記時間制御手段が、前記進捗速度計測手段によって計測された前記所定遊技状態の進捗速度に基づいて進捗速度を制御して、前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する
ものである。
本発明(請求項2に記載の第2発明)のパチンコ遊技機は、
前記第1発明において、
前記所定遊技状態進捗表示装置が、前記所定遊技状態の進捗状況をアナログ的に表示するアナログ表示装置によって構成されている
ものである。
本発明(請求項3に記載の第3発明)のパチンコ遊技機は、
前記第2発明において、
前記アナログ表示装置が、オリフィスを介して一方の部屋から他方の部屋へ充填された砂が移動する砂時計によって構成されている
ものである。
本発明(請求項4に記載の第4発明)のパチンコ遊技機は、
前記第3発明において、
前記時間制御手段が、前記砂時計を回転させることにより、上下の部屋を入れ替える回数を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する回転機構によって構成されている
ものである。
本発明(請求項5に記載の第5発明)のパチンコ遊技機は、
前記第3発明において、
前記時間制御手段が、前記砂時計を揺動傾斜させることにより前記オリフィスを通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する揺動傾斜機構によって構成されている
ものである。
本発明(請求項6に記載の第6発明)のパチンコ遊技機は、
前記第3発明において、
前記時間制御手段が、前記砂時計の前記オリフィスの内径寸法を制御することにより通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するオリフィス内径制御機構によって構成されている
ものである。
本発明(請求項7に記載の第7発明)のパチンコ遊技機は、
前記第3発明において、
前記所定遊技状態中に前記砂時計の砂が前記一方の部屋から前記他方の部屋への移動を完了したことを契機に作動する所定遊技状態継続抽選装置を備え、
該所定遊技状態継続抽選に当選した場合に前記砂時計を回転制御して上下を入れ替えることにより、再び前記砂時計を作動させるとともに、前記所定遊技状態が延長されるように構成されている
ものである。
上記構成より成る第1発明のパチンコ遊技機は、遊技盤上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置と、遊技球の打ち出しを行う操作部を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、前記所定遊技状態制御手段により特定条件の成立を契機に開始される所定遊技状態が設定され、制御された該所定遊技状態の進捗状況を、遊技盤上に設けられた前記所定遊技状態進捗表示装置が表示するので、ゲームの展開の予測を可能として、ゲームの安心感および参加感を与えつつ、視覚的にも興趣のある遊技機の提案を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第1発明のパチンコ遊技機は、前記時間制御手段が、前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態のトータルの時間に変化を持たせるので、興趣のある遊技展開を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第1発明のパチンコ遊技機は、前記進捗速度計測手段が、前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態の進捗速度を計測するので、計測した前記所定遊技状態の進捗速度に基づき、前記所定遊技状態進捗表示装置における前記所定遊技状態のトータルの時間を変化させるため、前記所定遊技状態の進捗速度に応じた遊技展開または前記所定遊技状態の進捗速度に係わらず一定の遊技展開を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第2発明のパチンコ遊技機は、前記第1発明において、前記所定遊技状態進捗表示装置を構成する前記アナログ表示装置が、前記所定遊技状態の進捗状況をアナログ的に表示するので、前記所定遊技状態の進捗状況を連続的に表示するため、遊技展開の予測を容易にするという効果を奏する。
上記構成より成る第3発明のパチンコ遊技機は、前記第2発明において、前記アナログ表示装置を構成する前記砂時計によって、充填された砂がオリフィスを介して一方の部屋から他方の部屋へ移動する状況すなわち一方の部屋に残存する砂の量と他方の部屋に移動した量との割合によって、前記所定遊技状態の進捗状況を一見して分かるようにしかも動的に表示するという効果を奏する。
上記構成より成る第4発明のパチンコ遊技機は、前記第3発明において、前記時間制御手段を構成する前記回転機構によって、前記砂時計を回転させることにより、上下の部屋を入れ替える回数を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、前記所定遊技状態のトータルの時間を制御して、前記所定遊技状態の進捗状況に変化を持たせることを可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第5発明のパチンコ遊技機は、前記第3発明において、前記時間制御手段を構成する前記揺動傾斜機構によって、前記砂時計を揺動傾斜させることにより前記オリフィスを通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、前記所定遊技状態のトータルの時間を制御して、前記所定遊技状態の進捗状況に変化を持たせることを可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第6発明のパチンコ遊技機は、前記第3発明において、前記時間制御手段を構成する前記オリフィス内径制御機構によって、前記砂時計の前記オリフィスの内径寸法を制御することにより、通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、機台ごとのバラツキを一定範囲に治めることを可能にするとともに、前記所定遊技状態の進捗状況に変化を持たせることを可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第7発明のパチンコ遊技機は、前記第3発明において、前記所定遊技状態中に前記砂時計の砂が前記一方の部屋から前記他方の部屋への移動を完了したことを契機に作動する所定遊技状態継続抽選装置によって、該所定遊技状態継続抽選に当選した場合に、前記砂時計を回転制御して上下を入れ替えることにより、再び前記砂時計を作動させるとともに、前記所定遊技状態が延長されるので、前記所定遊技状態継続抽選の当選に対応する前記所定遊技状態が延長を実現するという効果を奏する。
以下本発明の最良の実施の形態につき、実施例に基づき、図面を用いて説明する。
本第1実施例のパチンコ遊技機は、図1ないし図5に示されるように遊技盤100上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置1と、遊技球の打ち出しを行う操作部10を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置1内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、特定条件の成立を契機に開始される所定遊技状態を設定し、該所定遊技状態を制御する所定遊技状態制御手段2と、遊技盤100上に設けられ、前記所定遊技状態の進捗状況を表示する所定遊技状態進捗表示装置3としての砂時計装置30とを備えているものである。
本第1実施例のパチンコ遊技機100は、図1に示されるように遊技機前面の盤面中央に図柄変動表示装置1が配設されるとともに、該図柄変動表示装置1の右側に前記所定遊技状態進捗表示装置3としての砂時計装置30が配設され、下部に始動入賞口12、アタッカー13、および大当たり入賞口14が配設され、ハンドル操作部10としての前記盤面の右側下部に遊技球発射ハンドルが配設されている。
前記所定遊技状態進捗表示装置3は、前記遊技盤100上に設けられたオリフィスを介して一方の部屋から他方の部屋へ充填された砂が移動するアナログ表示装置としての砂時計によって構成された前記砂時計装置30によって構成されている。
前記砂時計装置30は、透明なガラスまたは合成樹脂によって構成され、オリフィス303を介してロート状形状の一方の部屋301と他方の部屋302が対称形に形成されている。
前記所定遊技状態制御手段2は、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する時間制御手段20によって構成され、該時間制御手段が、前記砂時計装置30を回転させることにより、上下の部屋を入れ替える回数を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までのトータルの時間を制御する回転機構200によって構成されている。
前記回転機構200は、遊技盤100に形成された略矩形の穴に介挿され4ヵ所で役物ビスによって固着された略コの字状の横断面形状の枠体21と、該枠体21の中央部にビスによって固定されたモータ22と、該モータ22の中央部に回転自在に挿入された回転軸23と、該回転軸33の先端に固着された2分割可能で、前記オリフィス303を挟着するリング部24と、前記砂時計装置30の上方の部屋301または302に砂が残存しているかどうかを検知するセンサー25とから成る。
前記回転機構は、前記センサー25によって前記砂時計装置30の上方の部屋301または302に砂がなくなった時(図3(A)図示)に所定遊技状態継続の抽選に当選した当選信号が出力された場合には、前記モータ32により前記回転軸23を時計方向または反時計方向に180度回転(図3(B)および(C)図示)することにより、前記砂時計装置30の前記一方の部屋301と前記他方の部屋302の上下関係を逆にする(図3(D)図示)ように構成されている。
本第1実施例のパチンコ遊技機は、ブロック図である図4に示されるような制御装置40を備え、該制御装置40が、始動入賞口12への入賞を検知する始動スイッチ1021その他のスイッチからの信号に基づきメインの遊技を制御するための遊技制御基板41と、所定遊技状態制御手段2と所定遊技状態進捗表示装置3としての砂時計装置30およびセンサー25に接続され、前記所定遊技状態すなわち砂時計の回転を制御するための砂時計制御基板42と、前記図柄表示装置101の特別図柄装置1011および普通図柄装置1012の各図柄を制御するための図柄制御基板43と、ランプ、LEDを制御するためのランプ制御基板44と、音声および効果音を制御するための音声制御基板45を備えている。
判定手段は、図4に示されるように前記遊技制御基板41に配置されたCPUと、ROMおよびRAMと、始動スイッチ121、始動口ソレノイド122、始動ゲート123、大入賞口スイッチ141、継続スイッチ142、大入賞口ソレノイド143、普通入賞口第1スイッチ151、普通入賞口第2スイッチ152にそれぞれ接続されるI/Oによって構成される。
次に本第1実施例における通常遊技状態における遊技球発射までの動作手順について、図5に示されるフローチャートに従い説明する。
遊技者が遊技球発射操作部を操作することにより、遊技球の打ち出しが開始され、該遊技球が始動入賞口に入賞することで、ステップ201の始動条件の成立を達成する。
次にステップ202において、図柄変動表示装置において特別図柄の変動が開始されると、ステップ203において、大当たり抽選に当選した場合は、大当たり遊技状態へと移行し、大当たり入賞口が一定条件内で開放されることにより遊技者は多量の遊技球を獲得でき、該抽選に非当選の場合はステップ201、202、203の流れを繰り返す。
次にステップ204において、大当たり遊技状態が終了すると、ステップ205において、この大当たりが通常大当たりなのか確変大当たりなのかを判断し、確変大当たりの場合はステップ206において、確率変動開始制御を行う。
この時ステップ207において、図5に示されるように回転アームを作動させることにより、砂時計装置30の回転制御を行う(図3(B)ないし(D)図示)。砂時計内の砂が上にまだ残っている間は確率変動遊技状態が継続している。
ステップ208において、前記砂時計装置30の上の部屋の砂が全て下の部屋に移動したことがセンサー35により検出されると、ステップ209において、確率変動遊技状態が終了される。
上記構成および作用の本第1実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤100上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置1と、遊技球の打ち出しを行う操作部10を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置1内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、前記所定遊技状態制御手段2により特定条件の成立を契機に開始される所定遊技状態が設定され、制御された該所定遊技状態の進捗状況を、遊技盤上に設けられた前記所定遊技状態進捗表示装置3が表示するので、ゲームの展開の予測を可能として、ゲームの安心感および参加感を与えつつ、視覚的にも興趣のある遊技機の提案を可能にするという効果を奏する。
また本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記所定遊技状態制御手段2を構成する前記時間制御手段が、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、前記所定遊技状態のトータルの時間に変化を持たせるので、興趣のある遊技展開を可能にするという効果を奏する。
さらに本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記所定遊技状態進捗表示装置3を構成する前記アナログ表示装置が、前記所定遊技状態の進捗状況をアナログ的に表示するので、前記所定遊技状態の進捗状況を連続的に表示するため、遊技展開の予測を容易にするという効果を奏する。
また本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記アナログ表示装置を構成する前記砂時計装置30によって、充填された砂がオリフィス303を介して一方の部屋301から他方の部屋302へ移動する状況すなわち一方の部屋に残存する砂の量と他方の部屋に移動した量との割合によって、前記所定遊技状態の進捗状況を一見して分かるようにするとともに、しかも動的に表示するという効果を奏する。
さらに本第1実施例のパチンコ遊技機は、前記時間制御手段20を構成する前記回転機構200によって、前記砂時計装置30を回転させることにより、上下の部屋301、302を入れ替える回数を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、前記所定遊技状態のトータルの時間を制御して、前記所定遊技状態の進捗状況に変化を持たせることを可能にするという効果を奏する。
本第2実施例のパチンコ遊技機は、図6に示されるようにすべての大当たり終了後に確率変動もしくは時短状態が開始するように構成されている点が、上述の第1実施例との相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
本第2実施例においては、所定遊技状態継続抽選手段が設けられており、最初の砂時計装置30の計測が開始し、内部の砂が移動を完了したことを契機に前記所定遊技状態抽選手段が作動する。
この抽選結果が落選した場合は、砂時計装置30の再始動は行われないため所定遊技状態が終了する。しかし、当選の場合は砂時計装置30が180°回転して、上下の部屋が入れ替えられ再度計測が始まる、同時に所定遊技状態もさらに継続するような構成となっている。
本第2実施例のパチンコ遊技機の動作について、図6に示されるフローチャートに従い説明する。
遊技者が遊技球発射操作部を操作することにより、遊技球の打ち出しが開始され、該遊技球が始動入賞口に入賞することで、ステップ401において、始動条件の成立を達成する。
次にステップ402において、図柄変動表示装置1において特別図柄の変動が開始される、ステップ403において、大当たり抽選に当選した場合は、大当たり遊技状態へと移行し、大当たり入賞口が一定条件内で開放されることにより遊技者は多量の遊技球を獲得でき、該抽選に非当選の場合はステップ401、402、403の流れを繰り返す。
次にステップ404において、大当たり遊技状態が終了するとステップ405において、この大当たりが通常大当たりなのか確変大当たりなのかを判断し、確変大当たりの場合はステップ406において、確率変動開始制御を行う。
この時ステップ407において、図3に示されるように回転アームを作動させることにより、砂時計の回転制御を行う。砂時計内の砂が上にまだ残っている間は確率変動遊技状態が継続しており、ステップ408において、で砂時計の砂が全て下に移動したことがセンサーにより検出されると、今度はステップ409において、確率変動継続抽選がおこなわれる。
ステップ410において、この確率変動継続抽選に当選した場合はステップ411において再び回転アームを作動させることにより、砂時計の回転制御が行われ確率変動遊技状態が継続される。
ステップ412において、上述のステップ408と同様に砂時計の砂が全て下に移動したことがセンサー25により検出されると、再びステップ409に移行し確率変動継続抽選が行われる。ステップ409、410、411、412の流れの中でステップ410において、確率変動継続抽選に非当選となった場合にステップ413において、確率変動遊技状態が終了される。
本第2実施例は、砂時計の砂の移動が完了しても継続抽選に当選すれば、遊技者は再び確率変動遊技状態で遊技することが可能になるよう構成したため、遊技者が持続的な期待感を持って遊技することが出来、興趣が増すという効果を奏する。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、図7ないし図13に示されるように所定遊技状態の時間を制御する時間制御手段が、前記砂時計装置の前記オリフィスの内径寸法を制御することにより通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するオリフィス内径制御機構によって構成されている点が、上述の実施例との相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
前記回転機構200は、遊技盤100に形成された略矩形の穴に介挿され4ヵ所で役物ビスによって固着された略コの字状の横断面形状の枠体21と、該枠体21の垂直壁の中央部に相対回転自在にされた砂時計ユニット300の一端に配設された歯車26と、該歯車26が回転駆動されるモータ260または歯車261によって構成されている。
砂時計装置30は、透明なガラスまたは合成樹脂によって構成され、オリフィス303を介してロート状形状の一方の部屋301と他方の部屋302が対称形に形成され、砂時計ユニット300の上下の水平壁3001,3002の間に配設されている。
流下速度調整装置5は、砂時計ユニット300の垂直壁3002の中央部に水平に配設され、水平方向に往復運動自在に介挿された往復動部材51と、該往復動部材51を図中左方に移動するように付勢するバネ52と、入力信号に基づき往復動部材51を図中右方に移動させるソレノイド53と、前記砂時計装置30の制御オリフィス303内に進退し、オリフィス303の実質的開口面積を制御する該往復動部材51の先端部54と、および前記オリフィス303に近接して配設されたセンサー25とから成る。
前記流下速度調整装置5は、前記オリフィス303に近接して配設された前記センサー25によって、該オリフィス303を通過する砂を検知し、一定時間における流下した砂の量から砂の平均流下速度が算出され、オリフィス303の実質的開口面積を制御する制御信号を出力するコントローラ50を備えている。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、第1、第2実施例と途中までの遊技展開が同様のために、図11に示されるフローチャートに従い、相違点を中心にステップ506から順に説明する。
上述したように遊技者が、確率変動遊技状態を獲得するとステップ506において、確率変動開始制御を行う。次にステップ507、508、509において、遊技機内部基盤に搭載されたデジタルタイマーが作動され時間計測が開始されると共に、回転装置が作動されることによる砂時計による時間計測も開始される。
そしてステップ510において、デジタルタイマーと砂時計の計測時間を比較し、ステップ511において、その誤差が30秒未満の場合はステップ512において、砂時計の砂が全て下に移動したことが前記センサー25により検出されるとステップ513において、確率変動遊技状態が終了される。
またステップ511において、比較した誤差範囲が30以上の場合にはステップ514において、回転アームを作動させることにより、砂時計の角度を制御する回転角制御を行う。すなわち砂時計をある傾斜角から時計方向又は反時計方向に揺動させることにより、砂時計の傾斜角を変えることによって砂の落下速度を調整するものである。
上述のステップ511において、比較した誤差を是正するための手段としては以下に示す方法も有効となる。
所定遊技状態進捗表示装置3および第2の時間計測手段としての砂時計装置における時間計測は、図12(a)に示されるように流路は完全に開口させておき、一例として計測開始から計測終了までの予定時間は、確率変動継続予定時間よりも早くなるよう構成しておく。
そしてステップ511において、砂時計の計測時間がデジタルタイマーで計測している予定時間より一定の基準以上に早くなっている場合には、図12(b)に示すように所定面積の流路の面積が狭くなるように調整し砂の落下速度を下げることにより、逆に一定基準以下に遅くなっている場合には、流路の面積が広くなるように調整され砂の落下速度を上げることにより遊技者の獲得すべき確率変動継続時間を予定値近くまで是正する。このことで、砂時計というアナログタイマーを起用したことにより起こり得る遊技者への不利益を解消したパチンコ遊技機の提供が可能となる。
また図12の(c)に示すように流路を完全に閉ざすことにより、確率変動継続時間の計測を一時停止することが可能となるので、確率変動中の遊技者にも休憩をとる機会が与えられ、遊技者に対してゆとりある遊技を提供することが可能となる。
本第3実施例においては、砂時計という誰にでもわかりやすい構造のタイマー表示手段を設けることにより、遊技者にゲームの展開に対する親近感および安心感を与えことが出来るものである。
しかし、砂時計は、その構造が安易であるが、媒体として用いる砂のバラツキのために、パチンコ遊技機の個体による性能差や温度、湿度その他の環境による誤差などが生じやすいとの問題点も有している。
これはある程度の許容範囲内におけるパチンコ遊技機の個体差は面白みとして甘受できるものであるのだが、度を過ぎた個体差が生じる場合は遊技の平等性および不公平感という観点から考えた場合に、好ましいものとは言えない。従って、それらの問題を解決するための提案として本第3実施例のパチンコ遊技機は、実用性が高いものである。
すなわち本第3実施例のパチンコ遊技機は、第1の時間計測手段としてパチンコ遊技機の内部にタイマー手段を設け、第2の時間計測手段および所定遊技状態進捗表示装置3として砂時計30を遊技盤上に設けるものである。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、該所定遊技状態の進捗状況を、遊技盤上に設けられた前記所定遊技状態進捗表示装置3として砂時計装置30が表示するので、ゲームの展開の予測を可能として、ゲームの安心感および参加感を与えつつ、視覚的にも興趣のある遊技機の提案を可能にするという効果を奏する。
本第3実施例のパチンコ遊技機は、上述の第1実施例のパチンコ遊技機と同様に最終的な所定遊技状態の終了条件は砂時計(第2の時間計測手段)の計測の終了時とするものであるが、内部に配設したタイマー手段(第1の時間計測手段)からのクロック信号によって砂時計の傾斜角又はオリフィスの開口面積を調整することにより、動作すなわち砂の流下速度が制御されているので、つまり、第1の時間計測手段によって砂時計(第2の時間計測手段)を制御することにより、パチンコ遊技機の個体差・計測環境などにより生じる誤差を補正して、パチンコ遊技機の個体差・計測環境などにより生じる誤差に基づく遊技者の不公平感を解消するという利点を有する。
本第4実施例のパチンコ遊技機は、図13に示されるように所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する時間制御手段を、砂時計を揺動傾斜させることにより前記オリフィスを通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御する揺動傾斜機構6によって構成されている点が、上述の実施例との相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
本第4実施例のパチンコ遊技機は、基本的構成は、上述の第1実施例と同一だあるが、制御ロジックが異なることにより、上下の部屋を入れ替える回数を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までのトータルの時間を制御する回転機構200を、砂時計を揺動傾斜させ砂時計の角度を制御する揺動傾斜機構6に変更したものである。
本第4実施例のパチンコ遊技機の動作について、図14に示されるフローチャートに従い説明する。
遊技者が遊技球発射操作部を操作することにより、遊技球の打ち出しが開始され、該遊技球が始動入賞口に入賞することで、ステップ601において、始動条件の成立を達成する。
次にステップ602において、図柄変動表示装置1において特別図柄の変動が開始される、ステップ603において、図15(A)に示される水平状態の砂時計装置30を図15(B)に示される例えば60度に傾斜させる。60度に傾斜した砂時計装置30は、上の部屋からしたの部屋にその角度に応じた速さで砂が落下する。
ステップ604において、大当たり抽選に当選した場合は、大当たり遊技状態へと移行し、大当たり入賞口が一定条件内で開放されることにより遊技者は多量の遊技球を獲得でき、該抽選に非当選の場合はステップ601、602、603、604の流れを繰り返す。
次にステップ605において、大当たり遊技状態が終了するとステップ606において、この大当たりが通常大当たりなのか確変大当たりなのかを判断し、確変大当たりの場合はステップ607において、確率変動開始制御を行う。
この時ステップ608において、図3に示されるように回転アームを作動させることにより、砂時計装置30を図15(B)に示される例えば45度の傾斜角になるように揺動制御を行う。砂時計装置30の上の部屋301内の砂が上にまだ残っている間は確率変動遊技状態が継続しており、ステップ609において、砂時計装置30の上の部屋301内の砂が残っていることが検出されると、今度はステップ610において、確率変動継続抽選がおこなわれる。
ステップ611において、この確率変動継続抽選に当選した場合はステップ612において再び回転アームを作動させることにより、砂時計装置30を図15(B)に示される40度の傾斜角になるように揺動制御が行われ確率変動遊技状態が継続される。
ステップ613において、上述のステップ609と同様に砂時計装置30の上の部屋301内の砂が残っていることが検出されると、再びステップ610に移行し確率変動継続抽選が行われる。ステップ610、611、612、613の流れの中でステップ611において、確率変動継続抽選に非当選となった場合にステップ614において、確率変動遊技状態が終了される。
本第4実施例のパチンコ遊技機は、前記時間制御手段を構成する前記揺動傾斜機構によって、前記砂時計を揺動傾斜させることにより前記オリフィスを通過する砂の落下速度を制御して、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するので、前記所定遊技状態のトータルの時間を制御して、前記所定遊技状態の進捗状況に変化を持たせることを可能にするという効果を奏する。
本第4実施例のパチンコ遊技機は、砂時計装置30の上の部屋301内の砂が上にまだ残っている間に継続抽選に当選すれば、遊技者は再び確率変動遊技状態で遊技することが可能になるよう構成したため、遊技者が持続的な期待感を持って遊技することが出来、興趣が増すという効果を奏する。
また本第4実施例のパチンコ遊技機は、砂時計装置30の傾斜角を制御することにより、前記所定遊技状態の開始から終了までの時間を制御するものであるため、シンプルな構成により、前記砂時計装置30の上の部屋301内の砂の残存量により前記所定遊技状態の進捗状況を表示するので、一見して前記所定遊技状態の進捗状況を容易に把握することが出来るという効果を奏する。
また本第4実施例のパチンコ遊技機は、前記所定遊技状態におけるゲームの展開に応じて砂時計装置30の傾斜角が変化するので、砂時計装置30の傾斜角およびその継続的な変化によって、前記所定遊技状態のトータルの時間を遊技者が明確に予測することができるため、従来の不信感を解消し、遊技者が持続的な期待感を持って遊技することが出来、興趣が実質的に増すという効果を奏する。
上述の実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
上述の第3実施例は、一例として第1の時間計測手段によって砂時計(第2の時間計測手段)を制御することにより、パチンコ遊技機の個体差・計測環境などにより生じる誤差を補正するために、オリフィス303の実質的開口面積を制御する例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、流下速度調整装置5が、前記オリフィス303に近接して配設された前記センサー25によって検出された検出信号に基づき、砂の流下速度を演算して、ゲームの展開に応じてオリフィス303の実質的開口面積を積極的に制御するという実施例も採用可能である。
上述の実施例においては、一例として砂時計の上下の部屋間を移動する移動媒体として砂を用いた砂時計について説明したが、本発明としてはそれに限定されるものではなく、例えば移動媒体として樹脂、ガラス、セラミックスおよび金属の粒状体又は球状体、ならびに粘性流体その他を適宜必要に応じて採用することができるものである。
遊技盤100上に設けられた複数の図柄群が変動表示可能な図柄変動表示装置1と、遊技球の打ち出しを行う操作部10を備え、始動条件の成立により前記図柄変動表示装置1内の前記図柄群が変動を開始し、該図柄群が特定の停止態様で停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態となるパチンコ遊技機において、特定条件の成立を契機に開始される所定遊技状態を設定し、該所定遊技状態を制御する所定遊技状態制御手段2と、遊技盤100上に設けられ、前記所定遊技状態の進捗状況を表示する所定遊技状態進捗表示装置3としての砂時計装置30を備えているものである。
本発明の第1実施例のパチンコ遊技機の全体を示す正面図である。
本第1実施例のパチンコ遊技機の所定遊技状態進捗表示装置3としての砂時計装置を示す正面図および断面図である。
本第1実施例における砂時計装置の各回転状態を示す説明図である。
本第1実施例における制御システムの全体を示すブロック図である。
本第1実施例における制御手順を示すチャート図である。
本発明の第2実施例のパチンコ遊技機における制御手順を示すチャート図である。
本発明の第3実施例のパチンコ遊技機における砂時計装置の要部を示す断面図である。
本第3実施例における砂時計装置を示す正面図である。
本第3実施例における砂時計装置を示す裏面図である。
本第3実施例における制御システムの全体を示すブロック図である。
本第3実施例における制御手順を示すチャート図である。
本第3実施例におけるオリフィスの開口面積制御機構の各状態を示す説明図である。
本発明の第4実施例のパチンコ遊技機における制御システムの全体を示すブロック図である。
本第4実施例における制御手順を示すチャート図である。
本第4実施例における砂時計装置の各揺動状態(傾斜角)を示す説明図である。
符号の説明
1 図柄変動表示装置
2 所定遊技状態制御手段
3 所定遊技状態進捗表示装置
10 操作部
100 遊技盤