JP3823713B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
遊技機の一例であるパチンコ機として、いわゆる図柄合わせタイプのパチンコ機が知られている。かかる図柄合わせタイプのパチンコ機は、図柄始動口に遊技球が入賞した場合に、図柄表示部の複数の表示領域に表示された複数の図柄が変動を開始し、ベース変動時間後に順次停止表示となり、停止表示となった図柄が予め設定された「大当たり図柄」(たとえば、「7,7,7」)である場合には、遊技者にとって有利な「大当たり状態」が生起し、大入賞口が所定回数だけ断続的に開成するようになっている。また、図柄の変動中等に遊技球が普通電動役物に入賞したときは、変動中の図柄が停止表示となった後に図柄を再度変動させる始動記憶として、所定個数だけ記憶され、その始動記憶の個数が表示されるようになっている。そして、その始動記憶の個数に応じて、図柄のベース変動時間が変化するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の図柄合わせタイプのパチンコ機は、始動記憶の個数に応じて図柄のベース変動時間が変化するため、図柄始動口への入賞率によって単位時間における図柄の変動数が大きく変動する。それゆえ、単位時間当たりの出球率を推測しにくく、パチンコホールにおける出球管理が難しい。
【0004】
本発明の目的は、上記従来の図柄合わせタイプのパチンコ機が有する課題を解消し、単位時間当たりの出球率を推定し易く、パチンコホールにおける出球管理が容易な遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち、請求項1に記載された発明は、複数の領域に複数の図柄を表示可能な図柄表示部が設けられている一方、前記図柄表示部に表示される図柄、及び一定のベース変動時間を有するリーチ図柄を表示する第一図柄変動パターンと、前記第一図柄変動パターンとはベース変動時間が異なり、リーチ図柄を表示しない第二図柄変動パターンとを有する図柄変動パターンテーブルを複数記憶した記憶手段と、該記憶手段と接続され、前記図柄表示部における図柄表示を制御する制御装置とが備えられており、所定条件の充足により、前記制御装置は、前記図柄変動パターンテーブルから一の図柄変動パターンを読み出し、該図柄変動パターンに基づいて、図柄表示部の各領域に表示された各図柄の変動を開始させ、変動開始から図柄の変動時間であるベース変動時間が経過すると各図柄を順次停止表示とし、停止表示となった図柄の組み合わせが、予め設定された大当たり図柄である場合には、大当たり状態を生起させるとともに、停止表示となった図柄の組み合わせが、特定の大当たり図柄である場合には、大当たり状態が終了した後に、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態を生起させる遊技機であって、前記制御装置には、読み出す図柄変動パターンを決定するためのカウンタ、大当たり状態が生起するか否かを判定する第一判定手段、及び特定遊技状態であるか否かを判定する第二判定手段を備える一方、前記第一図柄変動パターンと前記第二図柄変動パターンとの前記カウンタの数値に対する対応比率を、各図柄変動パターンテーブル毎に異ならせており、前記所定条件の充足により、前記制御装置は、前記第一判定手段及び第二判定手段による判定結果に基づいて図柄変動パターンテーブルを選択するとともに、選択した図柄変動パターンテーブルにおいて、前記所定条件の充足時における前記カウンタの数値に基づいて読み出す図柄変動パターンを決定し、図柄の変動開始後に、大当たり図柄の一部であるリーチ図柄を表示する場合には、前記第二判定手段の結果に拘わらず、前記第一図柄変動パターンを読み出して、ベース変動時間が一定の表示演出を行うことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、第二図柄変動パターンにおけるベース変動時間を、第一図柄変動パターンにおけるベース変動時間よりも長く設定するとともに、前記第二判定手段により特定遊技状態でないと判定した際に選択される図柄変動パターンテーブルにおける前記第二図柄変動パターンのカウンタの数値との対応比率を、前記第二判定手段により特定遊技状態であると判定した際に選択される図柄変動パターンテーブルにおける前記第二図柄変動パターンの前記カウンタの数値との対応比率よりも高くしたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基いて詳細に説明する。
【0008】
パチンコ機1の正面の中央よりやや上方には略円形の遊技領域2が設けられている。そして、遊技領域2の下方には、供給皿14と貯留皿16とが上下に連設されており、貯留皿16の右サイドには、発射ハンドル15が突設されている。また、遊技領域2の中央上部には、図柄表示部3が設けられている。図柄表示部3は、1枚の液晶板によって形成されており、液晶画面中の左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の特別図柄を表示することができるようになっている。さらに、図柄表示部3の上方には、メモリーランプ25,25・・が設けられており、図柄表示部3の下方には、チューリップ形状の普通電動役物(図柄始動口)4が設けられている。
【0009】
また、普通電動役物4の両サイドには、それぞれ、変動入賞領域である左ゲート5および右ゲート6が設けられており、普通電動役物4の下側には、扉が前方へ開閉する形状の大入賞口7が設置されている。図1は、大入賞口7を拡大して示したものであり、大入賞口7の内部には載置部13が設けられており、開成中にその載置部13に1個の遊技球を載置できるようになっている。そして、載置部13に遊技球が載置された状態で扉が閉成した場合には、載置部13に載置されている遊技球が大入賞口7の後方に設けられた特定領域(図示せず)を通過するようになっている。また、大入賞口7は、扉に電飾ランプ8,8が設けられており、下側に、普通図柄表示領域9が設けられている。普通図柄表示領域9は、7セグメントのLED板によって形成されており、そのLED板に、一桁の数字や記号等の所定種類の普通図柄を表示することができるようになっている。一方、遊技領域2内部の両サイドには、複数のLEDを内蔵したサイドランプ23,23が設置されている。なお、遊技領域2には、それらの他にも種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。また、左ゲート5、右ゲート6、および普通電動役物4、大入賞口7等の入賞口の内部には、遊技球の入賞を検出する遊技球検出装置24(図2参照)が設けられている。
【0010】
一方、パチンコ機1には、普通図柄の「当たり」を決定するaカウンタ、普通図柄の「はずれ図柄」を決定するbカウンタ、「大当たり」の生起を決定するcカウンタ、図柄の変動パターンを決定するdカウンタ、図柄表示部3の各表示部位10〜12に表示する図柄(左図柄・右図柄・中図柄)を決定するe〜gカウンタ等のループカウンタ21(図2参照)が内蔵されている。
【0011】
各ループカウンタ21は、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウント(最大値の次には最小値に戻る)するようになっており、aカウンタは、0〜99(100通り)の間を、bカウンタは、0,1(2通り)の間を、cカウンタは、0〜310(311通り)の間を、dカウンタは、0〜210(211通り)の間を、eカウンタは、0〜14(15通り)の間を、それぞれループカウントするようになっている。さらに、fカウンタは、0〜14(15通り)の間を、eカウンタの数値が14から0になる毎に(すなわち、15割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっており、gカウンタは、0〜14(15通り)の間を、fカウンタが14から0になる毎に(すなわち、225割込のうちに)1ずつ加算しながらループカウントするようになっている。
【0012】
一方、図2は、パチンコ機1の制御機構を示したものであり、普通図柄表示領域9、図柄表示部3、大入賞口7等の各種の入賞装置および左右ゲート5,6に内蔵された遊技球検出装置24、各種の入賞装置を開閉作動させるためのソレノイド等の作動装置27、各種の電飾ランプ8、メモリーランプ25等が、インターフェイス20を介して、制御装置17に接続された状態になっている。また、制御装置17には、記憶手段(ROM,RAM等)22、タイマ26、およびループカウンタ(a〜gカウンタ)21等が接続されている。そして、記憶手段22には、図3の如きbカウンタの数値と対応した「はずれ図柄」、図4の如きe〜gカウンタの数値と対応した左図柄・右図柄・中図柄、図5の如きdカウンタの数値と対応した変動パターンを書き込んだ図柄変動パターンテーブルA〜C等が記録されている。なお、図5に示されているように、第1パターンは、ベース変動時間が短い変動パターンであり、第2〜第6パターンは、ベース変動時間が長い変動パターンである。また、第3〜第6パターンは、「リーチ動作」を実行する変動パターンであり、ベース変動時間が長い変動パターンである。さらに、第1パターンは、変動開始から中図柄が停止表示となるまでのトータル変動時間が短い変動パターンであり、第2〜第6パターンは、変動開始から中図柄が停止表示となるまでのトータル変動時間が長い変動パターンである。
【0013】
以下、実施例1のパチンコ機1の作動内容について説明する。
【0014】
遊技者等によって発射ハンドル15が回動操作された場合には、発射装置(図示せず)によって、遊技球が遊技領域2に打ち込まれる。打ち込まれた遊技球が各種入賞口に入賞した場合には、賞品球として、所定数の遊技球が、遊技球払出装置(図示せず)によって払い出される。また、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、左ゲート5あるいは右ゲート6を通過した場合には、普通図柄表示領域9に表示された普通図柄が変動を開始すると同時に、通過した瞬間に、aカウンタが、ループカウントしている数値の中から1つの数値を選択する。さらに、普通図柄の変動開始と同時に、「当たり判定」が行われ、aカウンタによって選択された数値が何であるか判断される。そして、aカウンタによって選択された数値が所定の10通りの数値であると判断された場合には「当たり」となり、その他の場合(90通り)には「はずれ」となる(すなわち、「当たり」となる確率は1/10である)。「当たり」となった場合には、普通図柄の変動開始から所定時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示領域9に所定の「当たり図柄」(たとえば、「7」)が表示されるとともに、普通電動役物4が所定時間(たとえば、約0.5秒間)開成する。なお、普通電動役物4は、閉成時においても、開成時に比べて低い確率ではあるが、遊技球が入賞可能になっている。また、「はずれ」と判定された場合には、bカウンタが選択した数値に対応した「はずれ図柄」(図3参照)が、新たな普通図柄として、普通図柄の変動開始から所定時間(たとえば、約29秒)後に、普通図柄表示領域9に表示される。普通図柄の変動中、または普通電動役物4の開成中に遊技球が左ゲート5または右ゲート6を通過したときは、次回以降に普通図柄を変動させる始動記憶として最高4個まで記憶される。
【0015】
一方、図柄表示部3の各表示部位10〜12に表示された左図柄・右図柄・中図柄は、電源投入時においては、それぞれ、所定の図柄(「0」、「2」、「1」)になっているが、開成中あるいは閉成中の普通電動役物4に遊技球が入賞した場合には、その入賞が普通電動役物4に内蔵された遊技球検出装置24により検出され、制御装置17から図柄表示部3に図柄変動開始信号が送信されることによって、変動を開始する。各特別図柄の変動は、図柄表示部3の液晶画面中の各表示部位10〜12において、一桁の数字や一文字のアルファベット等の所定種類の図柄が上から下へ移動する動画を表示することによって行われる。なお、特別図柄の変動中あるいは後述する「大当たり状態」中に遊技球が普通電動役物4に入賞したときは、次回以降に特別図柄を変動させる始動記憶として最高4個まで記憶され、その個数だけメモリーランプ25,25・・が点灯する。
【0016】
また、普通電動役物4に入賞した遊技球が遊技球検出装置24によって検出された瞬間に、c〜gカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を選択する(以下、普通電動役物4に入賞した遊技球が遊技球検出装置24によって検出された瞬間におけるループカウンタ(c〜gカウンタ)による数値の選択を「抽選」という)。そして、「抽選」が行われた後、各特別図柄が変動を開始した後には、「大当たり判定」が実行され、cカウンタが所定の「大当たり数値」(たとえば、“7”)を選択したと判断された場合には、「大当たり」が生起し、「大当たり数値」以外の数値を選択したと判断された場合には、「はずれ」となる。したがって、1回の「抽選」における「大当たり」の生起確率は、1/311である。
【0017】
さらに、「抽選」の後には、図6の如き「図柄表示プログラム」が実行され、特別図柄の変動開始から停止表示に至るまでの表示内容が決定される。「図柄表示プログラム」においては、まず、ステップ(以下、単にSという)1で、「大当たり」が生起したか否か判断され、「YES」と判断された場合には、次のS2で、ベース変動時間の長い(たとえば、約9秒間)変動パターンのみからなる変動パターンテーブルAが選択される。そして、続くS3で、選択された変動パターンテーブルAの中から、「抽選」においてdカウンタによって選択された数値に対応した変動パターン(第3〜第6パターンのいずれか)が選択される。
【0018】
そして、続くS4では、S3で選択された変動パターンにしたがって「大当たり図柄」が表示される。かかる「大当たり図柄」の表示は、まず、「抽選」においてeカウンタが選択した数値に対応した図柄(図4参照)を、左表示部位10、右表示部位11に表示する。したがって、図柄表示部3には、左図柄、右図柄が同一の「リーチ図柄」(「1,1」、「A,A」等)が表示される。しかる後、選択された変動パターンにしたがって「リーチ動作」が実行され、中表示部位12において未だ変動中の中図柄が、キャラクターの動画に伴って、高速で変動した後に低速で変動する(なお、「リーチ動作」の内容は、各変動パターンによって異なっている)。そして、「リーチ動作」の後には、変動している中図柄が、「抽選」時にeカウンタが選択した数値に対応した図柄(図4参照)として停止する。したがって、図柄表示部3には、左図柄、右図柄、中図柄が同一の「大当たり図柄」(「1,1,1」、「A,A,A」等)が表示される。
【0019】
一方、S1で「NO」と判断された場合には、S5で、後述する「高確率状態」であるか否か判断される。そして、「YES」と判断された場合には、次のS6で、変動パターンテーブルBが選択される。そして、続くS7で、選択された変動パターンテーブルBの中から、「抽選」においてdカウンタによって選択された数値に対応した変動パターン(第1〜第6パターンのいずれか)が選択される。
【0020】
そして、続くS8では、S7(あるいは後述するS10)で選択された変動パターンにしたがって「はずれ図柄」が表示される。かかる「はずれ図柄」の表示は、「抽選」においてe〜gカウンタが選択した数値に応じた図柄(図4参照)を、左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12に表示することによって行われる。ただし、記憶されているe〜gカウンタの各数値が「大当たり図柄」に相当するものである場合(すなわち、すべて同一の数値である場合)には、gカウンタのみ記憶された数値から1が減算され、その数値に対応した図柄が表示される(したがって、たとえば、「はずれ」と判定された場合であって、eカウンタ=1,fカウンタ=1,gカウンタ=1と記憶されている場合には、「1,1,0」の「はずれ図柄」が表示される)。
【0021】
また、S7(あるいは後述するS10)で第3〜第6パターン(すなわち、「リーチ動作」を実行する変動パターン)が選択された場合には、「抽選」においてeカウンタが選択した数値に応じた図柄(図4参照)を、左表示部位10、右表示部位11に表示することによって、「リーチ図柄」(「1,1」、「A,A」等)を表示し、しかる後、選択された変動パターンにしたがって「リーチ動作」を実行した後に、「抽選」時にgカウンタが選択した数値に対応した図柄を中表示部位12に表示する。したがって、図柄表示部3には、左図柄、右図柄が同一で、中図柄のみ異なる「はずれ図柄」(「1,3,1」、「A,C,A」等)が表示される。ただし、「抽選」においてgカウンタの値が偶発的にeカウンタと同一の数値を選択している場合には、gカウンタの選択した数値に1が加算され、その数値に対応した図柄が中表示部位12に表示される。したがって、図柄表示部3には、「1,2,1」、「A,B,A」等の「はずれ図柄」が表示される。
【0022】
なお、選択された変動パターンが第4あるいは第5パターンである場合には、中図柄を非常に低速で変動させた後に停止させるため、「抽選」においてgカウンタが選択した数値に対応した図柄の代わりに、「抽選」においてeカウンタが選択した数値に1が加算された数値、あるいは「抽選」においてeカウンタが選択した数値から1が減算された数値に対応した図柄が中表示部位12に表示される。したがって、図柄表示部3には、「1,2,1」、「A,9,A」等の「はずれ図柄」が表示される(図5参照)。また、選択された変動パターンが第6パターンである場合には、中図柄をきわめて低い速度で変動させた後に停止させるため、「抽選」においてgカウンタが選択した数値に対応した図柄の代わりに、「抽選」においてeカウンタが選択した数値から1が減算された数値に対応した図柄が中表示部位12に表示される。したがって、図柄表示部3には、「1,0,1」、「A,9,A」等の「はずれ図柄」が表示される(図5参照)。
【0023】
さらに、S7(あるいは後述するS10)で第1あるいは第2パターン(すなわち、「リーチ動作」を実行しない変動パターン)が選択された場合であって、「抽選」においてeカウンタとfカウンタとが同一の数値を選択している場合には、fカウンタの選択した数値に1が加算され、その数値に対応した図柄が右表示部位11に表示され、しかる後に、「抽選」においてgカウンタが選択した数値に対応した図柄が中表示部位12に表示される。したがって、図柄表示部3には、「1,X,2」、「A,X,B」(ただし、Xは任意の図柄)等の「はずれ図柄」が表示される。
【0024】
一方、S5で「NO」と判断された場合(すなわち、後述する「高確率状態」以外の通常の遊技状態(以下、「低確率状態」という)である場合)には、次のS9で、変動パターンテーブルCが選択される。そして、続くS10で、選択された変動パターンテーブルCの中から、「抽選」においてdカウンタによって選択された数値に対応した変動パターンが選択された後に、S8が実行され、S10で選択された変動パターンにしたがって「はずれ図柄」が表示される。
【0025】
そして、「大当たり図柄」が表示された場合(すなわち、停止表示となった図柄が「大当たり図柄」である場合)には、遊技者にとって有利な特別遊技状態である「大当たり状態」が生起する。「大当たり状態」が生起すると、サイドランプ23,23等が点滅し、効果音が発生して、雰囲気が盛り上げられる。また、「大当たり状態」が生起すると、大入賞口7が、所定時間(たとえば、約25秒)、あるいは所定個数(たとえば、9個)の遊技球の入賞を検出するまで開成する。さらに、大入賞口7の開成中に載置部13に遊技球が載置された場合には、一旦大入賞口7が閉成してから所定時間(たとえば、約2秒)後に再度開成する(すなわち、大入賞口7の開成時に遊技球が載置部13に載置されると大入賞口7は断続的に開成動作を繰り返す)。なお、大入賞口7の載置部13は、きわめて遊技球が載置され易い構造になっている。また、1回の「大当たり状態」において、大入賞口7は、最高16回まで断続的に開成するようになっている。
【0026】
さらに、図柄表示部3に特定の「大当たり図柄」が表示されて「大当たり状態」が生起した場合(たとえば、「3,3,3」、「5,5,5」、「7,7,7」が表示された場合、すなわち、「抽選」においてeカウンタが“3”、“5”、“7”を選択した場合)には、「大当たり状態」終了後に、遊技者にとって有利な「特定遊技状態」である「高確率状態」が生起する。「高確率状態」が生起した場合には、サイドランプ23,23等が「大当たり状態」時とは異なる態様で点滅し、かかる事態が周囲に報知される。なお、パチンコ機1は、電源投入時点では、「低確率状態」となるように設定されている。
【0027】
「高確率状態」においては、普通図柄の「当たり判定」において、判定データ(aカウンタの数値)が、所定の97通りの数値(たとえば、“3”〜“99”)である場合に、「当たり」と判定される。このため、「当たり」の生起確率は97/100に増大する。したがって、普通電動役物4が頻繁に開成するようになり、遊技球が高い頻度で普通電動役物4に入賞する。それゆえ、特別図柄の変動回数も増大する。さらに、「高確率状態」においては、「抽選」時に、cカウンタが所定の15通りの数値を選択した場合に、「大当たり」と判定される。このため、「大当たり」の生起確率は15/311に増大する。また、「低確率状態」時には、図柄の変動パターンが変動パターンテーブルCから選択されるため、きわめて高い確率(201/210、図5参照)で、トータル変動時間が長時間となるが、「高確率状態」時には、図柄の変動パターンが変動パターンテーブルBから選択されるため、きわめて高い確率(196/210、図5参照)で、トータル変動時間が短時間となる。したがって、特別図柄の変動時間の平均値が短くなり、単位時間当たりの特別図柄の変動回数も増大する。したがって、「高確率状態」の生起中、遊技者は、多くの賞品球を獲得することができ、ほとんど遊技球を消費しない。その上、短期間のうちにきわめて高い確率で「大当たり」を生起させ得る。
【0028】
パチンコ機1は、上記の如く、図柄の変動開始後に「大当たり図柄」の一部である「リーチ図柄」が表示される場合には、通常の遊技状態(すなわち、「低確率状態」)であるか「大当たり状態」あるいは「高確率状態」であるか否かに拘わらず、ベース変動時間が一定である(すなわち、記憶手段22に記憶された各変動パターンテーブルA〜Cにおいては、「リーチ動作」を実行する変動パターンのベース変動時間がすべて長時間に設定されている)ため、単位時間当たりの出球率を推定し易く、パチンコホールにおける出球管理が容易である。
【0029】
また、パチンコ機1は、「リーチ図柄」が表示されない場合には、長さの異なる2種類以上のベース変動時間(9秒あるいは5秒、図5参照)の中から1つのベース変動時間が選択され、図柄表示部3の各表示領域10〜12に表示された各図柄が、変動を開始した後、選択されたベース変動時間の経過後に、順次停止表示となるとともに、通常の遊技状態である場合と「高確率状態」である場合とで、各ベース変動時間の選択比率が異なるため、図柄の変動態様が豊富であり、非常に趣向性が高い。
【0030】
さらに、パチンコ機1は、通常の遊技状態である場合の方が、「高確率状態」である場合よりも、長いベース変動時間の選択比率が高いため、「高確率状態」における作動内容が、通常の遊技状態に比べて、遊技者にとってきわめて有利であり、遊技内容が非常にスリリングである。したがって、遊技者は、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
【0031】
加えて、パチンコ機1は、「高確率状態」時には、図柄の変動パターンが「低確率状態」とは異なる変動パターンテーブル(変動パターンテーブルB)から選択され、きわめて高い確率でトータル変動時間が短時間となり、遊技者が、ほとんど遊技球を消費することなく、次回の「大当たり」を生起させ得るため、遊技内容が非常に斬新であり、遊技者の遊技意欲を減少させることがない。
【0032】
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、各種入賞口、図柄表示部、普通電動役物、各種ゲート、大入賞口、電飾ランプ、普通図柄表示領域、供給皿、発射ハンドル、貯留皿、制御装置、各種ループカウンタ、タイマ、インターフェイス、入賞球検出装置、記憶手段等の形状・構造・機能・設置態様(設置位置、設置個数等)等、障害釘の配置、普通図柄・特別図柄の表示態様、「当たり図柄」・「大当たり図柄」の種類、「当たり」・「大当たり」の生起確率、普通図柄・特別図柄の変動時間、普通電動役物の開成時間、「抽選」の方法、「大当たり状態」における遊技内容(「大当たり状態」における大入賞口の開成回数、開成時間、再開成するまでの時間間隔等)、「高確率状態」における遊技内容(「当たり」・「大当たり」の生起確率、普通図柄・特別図柄の変動時間、普通電動役物の開成時間等)、「リーチ動作」の内容等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
【0033】
たとえば、本発明の遊技機は、遊技球が所定のゲートを通過した場合に普通図柄を変動させるパチンコ機に限定されず、遊技球が所定の入賞口に入賞した場合に普通図柄を変動させるものや、遊技球が所定のゲートを通過した場合あるいは所定の入賞口に入賞した場合に特別図柄が変動するものでも良い。また、図柄表示部に3つの表示部位が設けられたものに限定されず、4つ以上の表示部位が設けられており、それらの各表示部位に表示された特別図柄が所定の組合せとなった場合に「大当たり状態」が生起するものでも良い。加えて、変動を開始した3つの特別図柄が、左、右、中の順に停止するものに限定されず、左、中、右等の順に停止するものでも良い。さらに、「高確率状態」の作動内容は、「当たり」や「大当たり」の生起確率を高める作動に限定されず、普通電動役物の開成時間を長くする作動等でも良く、必要に応じて適宜変更することができる。
【0034】
一方、変動パターンテーブルの内容を図7等のように変更し、「高確率状態」におけるトータル変動時間の平均値を長くしたり(「低確率状態」と同じにしたり)、反対に短くしたりすることも可能である。また、「はずれ図柄」を表示する場合のベース変動時間は2通りに限定されず、3通り以上でも良い。また、「リーチ図柄」を表示する場合のベース変動時間を一定にするための方法は、記憶手段に記憶された各変動パターンテーブルにおいて「リーチ動作」を実行する変動パターンのベース変動時間をすべて長時間に設定する方法に限定されず、「リーチ図柄」を表示する場合には同じ時間だけベース変動を継続させるプログラムを実行する方法等の別の方法でも良い。
【0035】
なお、上記実施形態においては、本発明の遊技機を、いわゆる第1種のパチンコ機に応用した一例について説明したが、本発明の遊技機は、いわゆる第3種のパチンコ機等の異なる形式のパチンコ機や、テレビゲーム等に応用することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に記載された遊技機は、図柄変動開始後に大当たり図柄の一部であるリーチ図柄を表示する第一図柄変動パターンにおけるベース変動時間が一定に定められている。したがって、リーチ図柄が表示される場合、第一判定手段及び第二判定手段の判定結果に拘わらず、図柄の変動時間のうちのベース変動時間は変わらないため、単位時間当たりの出球率を推定し易く、パチンコホールにおける出球管理が容易となる。
また、第一図柄変動パターンと第二図柄変動パターンとでベース変動時間を変えているとともに、第一図柄変動パターンと第二図柄変動パターンとのカウンタの数値に対する対応比率を、各図柄変動パターンテーブル毎に異ならせており、所定条件の充足により、制御装置が、前記第一判定手段及び第二判定手段による判定結果に基づいて図柄変動パターンテーブルを選択するとともに、選択した図柄変動パターンテーブルにおいて、所定条件の充足時におけるカウンタの数値に基づいて読み出す図柄変動パターンを決定する構成としているため、図柄の変動態様が豊富であり、非常に趣向性が高い。
【0037】
請求項2に記載された遊技機は、第二図柄変動パターンにおけるベース変動時間を、第一図柄変動パターンにおけるベース変動時間よりも長く設定するとともに、第二判定手段により特定遊技状態でないと判定した際に選択される図柄変動パターンテーブルにおける第二図柄変動パターンのカウンタの数値との対応比率を、第二判定手段により特定遊技状態であると判定した際に選択される図柄変動パターンテーブルにおける第二図柄変動パターンのカウンタの数値との対応比率よりも高くしたことにより、特定遊技状態における作動内容が、通常の遊技状態に比べて、遊技者にとってきわめて有利であり、遊技内容がスリリングである。したがって、遊技者は、いつまでも飽きることなく遊技を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 大入賞口を示す説明図である。
【図2】 パチンコ機の制御機構を示す説明図である。
【図3】 bカウンタの数値と対応した「はずれ図柄」を示す説明図である。
【図4】 e〜gカウンタの値と対応した左・右・中図柄を示す説明図である。
【図5】 記憶手段に記憶された変動パターンテーブルを示す説明図である。
【図6】 パチンコ機の作動内容を示すフローチャートである。
【図7】 記憶手段に記憶された変動パターンテーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
1・・パチンコ機、2・・遊技領域、3・・図柄表示部、4・・普通電動役物、5・・左ゲート、6・・右ゲート、7・・大入賞口、8・・電飾ランプ、9・・普通図柄表示領域、10・・左表示部位、11・・右表示部位、12・・中表示部位、13・・載置部、14・・供給皿、15・・発射ハンドル、16・・貯留皿、17・・制御装置、20・・インターフェイス、21・・ループカウンタ、22・・記憶手段、24・・遊技球検出装置、25・・メモリーランプ、26・・タイマ、27・・作動装置。
Claims (2)
- 複数の領域に複数の図柄を表示可能な図柄表示部が設けられている一方、前記図柄表示部に表示される図柄、及び一定のベース変動時間を有するリーチ図柄を表示する第一図柄変動パターンと、前記第一図柄変動パターンとはベース変動時間が異なり、リーチ図柄を表示しない第二図柄変動パターンとを有する図柄変動パターンテーブルを複数記憶した記憶手段と、該記憶手段と接続され、前記図柄表示部における図柄表示を制御する制御装置とが備えられており、所定条件の充足により、前記制御装置は、前記図柄変動パターンテーブルから一の図柄変動パターンを読み出し、該図柄変動パターンに基づいて、図柄表示部の各領域に表示された各図柄の変動を開始させ、変動開始から図柄の変動時間であるベース変動時間が経過すると各図柄を順次停止表示とし、停止表示となった図柄の組み合わせが、予め設定された大当たり図柄である場合には、大当たり状態を生起させるとともに、停止表示となった図柄の組み合わせが、特定の大当たり図柄である場合には、大当たり状態が終了した後に、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態を生起させる遊技機であって、
前記制御装置には、読み出す図柄変動パターンを決定するためのカウンタ、大当たり状態が生起するか否かを判定する第一判定手段、及び特定遊技状態であるか否かを判定する第二判定手段を備える一方、
前記第一図柄変動パターンと前記第二図柄変動パターンとの前記カウンタの数値に対する対応比率を、各図柄変動パターンテーブル毎に異ならせており、
前記所定条件の充足により、前記制御装置は、前記第一判定手段及び第二判定手段による判定結果に基づいて図柄変動パターンテーブルを選択するとともに、選択した図柄変動パターンテーブルにおいて、前記所定条件の充足時における前記カウンタの数値に基づいて読み出す図柄変動パターンを決定し、
図柄の変動開始後に、大当たり図柄の一部であるリーチ図柄を表示する場合には、前記第二判定手段の結果に拘わらず、前記第一図柄変動パターンを読み出して、ベース変動時間が一定の表示演出を行うことを特徴とする遊技機。 - 第二図柄変動パターンにおけるベース変動時間を、第一図柄変動パターンにおけるベース変動時間よりも長く設定するとともに、
前記第二判定手段により特定遊技状態でないと判定した際に選択される図柄変動パターンテーブルにおける前記第二図柄変動パターンのカウンタの数値との対応比率を、前記第二判定手段により特定遊技状態であると判定した際に選択される図柄変動パターンテーブルにおける前記第二図柄変動パターンの前記カウンタの数値との対応比率よりも高くしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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