JP4793410B2 - 画像形成装置及び当該画像形成装置における転写部材のクリーニング実行制御方法 - Google Patents

画像形成装置及び当該画像形成装置における転写部材のクリーニング実行制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー像を、所定の電圧が印加された転写部材の静電力を介して記録シートに転写する、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特にトナー像を転写した後の転写部材のクリーニング処理を制御する技術に関する。
近年、省スペース化及びコストセーブを図るため、小型で安価な画像形成装置の利用が増えている。このような画像形成装置においては、機能が大幅に制限されており、たとえば各給紙カセットに収納されている用紙サイズを検出し、原稿サイズに合わせて給紙カセットを自動的に選択するような機能や、あるいは原稿画像を給紙される用紙サイズに合わせて自動的に縮小してコピーするような機能を有しない場合が多い。
このような画像形成装置においては、原稿をコピーする際に、ユーザが給紙すべき用紙サイズ(以下、「給紙サイズ」という。)を操作パネルから指定しなければならず、その際、誤って、原稿サイズよりも小さなサイズの用紙を指定してしまうと、現像されたトナー像が給紙された用紙に転写しきれず、転写ローラなどの転写部材にトナーが付着するという事態が生じる。
転写部材にトナーが付着すると、次に搬送されてきた用紙の裏面を汚すだけでなく、転写効率にも影響を与え、画像劣化の原因にもなる。
これを回避するため、従来は、原稿サイズよりも給紙サイズが小さい場合には、次の用紙への印刷を実行する前に転写部材をクリーニングするようにしている。
特開2006−10894号公報
しかしながら、上記技術によれば、給紙サイズが原稿サイズよりも小さい場合には一律に転写部材のクリーニングを実行するようにしているため、実際に形成されたトナー像が給紙サイズ内に収まって転写部材が汚れるおそれがない場合でも、次の用紙への印刷を実行する前に必ず転写部材のクリーニング動作が実行され、印刷処理が徒に遅延してしまう。
そこで、例えば、特許文献1では、感光体ドラム上にトナー像を形成する過程において、トナーを付着すべき画素(ドット)の数をドットカウンターで累積的にカウントし、給紙サイズに相当する領域までトナー像の形成が完了した時点における累積カウント値(第1のドット数)と、最終画像形成領域までトナー像の形成が完了した時点における累積カウント値(第2のドット数)に差がない場合に、トナー象が給紙サイズ内に収まっていると判断してクリーニングを実行しないようにしている。
ところが、上記技術では、第1のドット数を正確に取得するため、トナー像形成処理の開始前、あるいは、開始直後までには、給紙する用紙の印刷長が特定されていなければならないが、そのため、例えば給紙カセットに用紙サイズ検出専用のセンサを設けておく必要があり、その分コストアップは避けられない。
本発明は、上記問題点に鑑み、安価で機能が制限されている画像形成装置の場合においても、印刷処理における転写材の無駄なクリーニング動作を省くことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ビットマップデータに展開された画像データを先頭ラインの画素から順次読出して主走査方向に走査し、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、このトナー像を、所定の電圧が印加された転写部材の静電力により、搬送されてきた記録シート上に転写させる転写手段とを備えた画像形成装置であって、1頁分の画像データにおける各ラインについて、トナーを付着すべき画素の有無を判定する判定手段と、前記記録シートの搬送方向の長さに関する情報を取得するシート長さ取得手段と、前記取得されたシート長さに関する情報に基づき当該記録シートに転写可能なライン数を取得する転写可能ライン数取得手段と、前記転写部材に付着したトナーを除去するクリーニング動作を実行するクリーニング手段と、画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、所定の閾値以上のときに、当該頁のトナー像の転写後、前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御する制御手段とを備える。
ここで、前記作像手段は、複数の色について、それぞれの色の前記画像データに基づき形成されたトナー像を重ね合わせて前記像担持体にカラーのトナー像を形成し、前記制御手段は、いずれかの色について、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、所定の閾値以上のときに前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御することとすることができる。
さらに、前記画像形成装置は、画像形成すべき次の頁の有無を判定する判定手段を備え、前記制御手段は、画像形成すべき次の頁がないと判定された場合には、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分の大きさに拘わらず、現在の頁のトナー像の転写後、前記クリーニング手段にクリーニング動作を実行させることとすることができる。
又、本発明は、ビットマップデータに展開された画像データを先頭ラインの画素から順次読出して主走査方向に走査し、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、このトナー像を、所定の電圧が印加された転写部材の静電力により、搬送されてきた記録シート上に転写させる転写手段と、前記転写部材に付着したトナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置における転写部材のクリーニングの実行制御方法であって、
1頁分の画像データにおける各ラインについて、トナーを付着すべき画素の有無を判定する判定ステップと、前記記録シートの搬送方向の長さに関する情報を取得するシート長さ取得ステップと、前記取得されたシート長さに関する情報に基づき当該記録シートに転写可能なライン数を取得する転写可能ライン数取得ステップと、画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と前記転写可能ライン数との差分が、所定の閾値以上のときに、当該頁のトナー像の転写後、前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御する制御ステップとを含むこととすることができる。
前記作像手段は、複数の色について、それぞれの色の前記画像データに基づき形成されたトナー像を重ね合わせて前記像担持体にカラーのトナー像を形成し、前記制御ステップは、いずれかの色について、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、所定の閾値以上のときに前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御することとすることができる。
クリーニングの実行制御方法は、画像形成すべき次の頁の有無を判定する判定ステップを含み、前記制御ステップは、画像形成すべき次の頁がないと判定された場合には、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分の大きさに拘わらず、現在の頁のトナー像の転写後、前記クリーニング手段にクリーニング動作を実行させることとすることができる。
本発明は、上記構成を備えることにより、画像形成すべき頁において、実際にトナー像が形成されるライン数に相当する領域と、記録シートに転写可能なライン数に相当する領域との差分に応じてクリーニング動作の実行が制御されるので、画像形成すべき頁が記録シートに転写可能なライン数に相当する領域よりも大きい場合であっても、当該頁において実際にトナー像が形成されるライン数に相当する領域の方が、記録シートに転写可能なライン数に相当する領域よりも小さい場合には、クリーニング動作を実行しないように制御することができ、無駄なクリーニング動作の実行を抑止することができる。
又、上記構成では、実際にトナー像が形成されるライン数に相当する、画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数を取得するのに、記録シートの長さに関する情報を取得する必要がないため、記録シートの長さに関する情報の取得時期が、トナー像形成が完了した後であっても、クリーニング動作の実行の要否判定を支障なく行うことができる。そのため記録シート長さの検出手段として、既存の検出手段、例えば、転写位置に用紙を給紙するタイミングを決定するためのレジストセンサーや紙詰まり検出用のジャムセンサ等を兼用して使用することが可能となり、給紙カセットなどにおいて事前に用紙サイズを検出するための専用の検出手段を別途設ける必要がなくなり、その分コストダウンを図ることができる。
ここで、前記作像手段は、複数の色について、それぞれの色の前記画像データに基づき形成されたトナー像を重ね合わせて前記像担持体にカラーのトナー像を形成し、前記閾値は、前記複数の対応する色毎に設定され、前記制御手段又は前記制御ステップは、いずれかの色について、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、当該色について設定されている前記閾値以上のときに前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御し、前記複数の色には、イエローが含まれ、イエローについて設定されている前記閾値は、イエロー以外の他の色について設定されている前記閾値よりも大きい値になるように設定されていることとしてもよい。
これにより、トナーの色毎にクリーニング動作の実行の要否判定条件を変えることができるので、トナー色の違いによる汚れの目立ち具合に応じて、クリーニング動作の実行の制御を最適化することができる。
例えば、トナー色がイエローの場合は、当該トナーが記録シートに多少付着しても、汚れが目立たないので、他の色のトナーよりクリーニング動作を実行するための条件を厳しく設定することにより、全色を同一条件とする場合に比べ、無駄なクリーニング動作の実行回数をより少なくすることができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、フルカラーのタンデム型画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という。)を例にして説明する。
<構成>
(1)画像形成装置の全体の構成
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の全体の構成を示す図である。
同図に示すように、画像形成装置10は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部11と、給紙部12と、定着部13と、制御部14とからなる。この画像形成装置10は、非図示のスキャナ部より印刷用の画像が読み取られたり、ネットワーク(例えばLAN)に接続された外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。
以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部11は、駆動ローラ22と従動ローラ23により張架された中間転写ベルト21の下方に、Y〜K色のそれぞれに対応する作像ユニット20Y、20M、20C、20Kを列設してなり、従動ローラ23の近傍には、中間転写ベルト21に当接して、中間転写ベルト21に付着したトナーを除去するためのクリーニングブレード24が設けられている。
作像ユニット20Yは、感光体ドラム1Yと、その周囲に配設された帯電器2Y、露光部3Y、現像器4Y、1次転写ローラ5Yおよび感光体ドラム1Yを清掃するためのクリーナ6Yなどを備えており、感光体ドラム1Y上にY色のトナー像を作像する。
なお、他の作像ユニット20M〜20Kについても、トナーの色が異なる以外は作像ユニット20Yと同様の構成及び機能を有する。
露光部3Y〜3Kは、プリントヘッドなどから構成される。各プリントヘッドは、レーザダイオードなどの発光素子、発光素子から発光されるレーザビームを反射してライン状に走査するポリゴンミラーなどを有し、制御部14からビットマップデータに展開された対応する色の画像データを先頭ラインから順次受け取り、当該色の画像形成のためのレーザビームLを、対応する色用の感光体ドラム上において走査方向に露光走査させて、ラインに対応する静電画像を形成する。
作像ユニット20Yによるトナー像の作像動作は、感光体ドラム1Yを帯電器2Yにより一様に帯電させた後、露光部3Yから射出されたレーザビームLで露光走査して静電潜像を形成した後、現像器4Yからトナーの供給を受けて顕像化することによりなされる。このように作像されたイエローのトナー像は、一次転写ローラ5Yと感光体ドラム1Y間に作用する静電力により中間転写ベルト21上に一次転写される。
他色の作像ユニット20M,20C,20Kによるトナー像の作像動作も上記と同様にして行われる。なお、各作像ユニットにおける作像動作は、各色のトナー像が中間転写ベルト21上の同位置に多重転写されるように所定のタイミングずつずらして実行される。
給紙部12は、記録シートとしての用紙Sを2次転写位置351まで搬送するものであって、当該用紙Sを収納する給紙カセット31と、給紙カセット31内の用紙Sを搬送路37上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ32と、中間搬送ローラ対33と、2次転写位置351に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対34とからなる。
上記トナー像の作像のタイミングに合わせて、給紙部12から2次転写位置351に用紙Sが給送され、2次転写ローラ35と駆動ローラ22間に作用する静電力により、中間転写ベルト21上のトナー像が用紙S上に2次転写される。トナー像が転写された用紙Sは、定着部13で熱定着された後、排出ローラ36を介して、排紙トレイ38上に排出される。
又、タイミングローラ対34の上流には、レジストセンサー331が設けられている。レジストセンサー331は、例えば、発光素子と受光素子を同一のセンサ面に配置した反射型のフォトセンサからなり、センサ面と近接して対向する位置に用紙Sが存在するときはON状態になり、存在しないときはOFF状態になる。具体的には、用紙Sの先端が、レジストセンサー331を通過すると、ON状態になり、ON信号を制御部14に出力し、用紙Sの後端がレジストセンサー331を通過すると、OFF状態になり、OFF信号を制御部14に出力する。
制御部14では、用紙Sの先端が通過してから、後端が通過するまでの時間が、ON、OFF信号の出力に基づいて算出され、算出された通過時間と用紙Sの搬送速度とに基づいて、用紙長(用紙Sの搬送方向の長さ)が算出され、さらに、用紙Sが所定時間内にレジストセンサー331を通過するか否かにより、ジャムの発生が検出される。
定着部13は、定着ローラ131、加圧ローラ132、非図示の定着ヒータ、ローラ駆動モータなどを備える。
定着ローラ131は、金属製の円筒状の芯金とその表面に設けられたシリコーンゴム等の弾性層、フッ素樹脂などの離型層などからなる。
加圧ローラ132は、金属製の円柱状の芯金とその表面に設けられたシリコーンゴム等の弾性層などからなり、ローラ駆動モータの駆動力により回転駆動され、加圧ローラ132の回転に伴って従動回転する定着ローラ131を押圧することにより、両者間に定着ニップが確保される。
定着ヒータは、例えば、ハロゲンランプヒータが用いられ、定着ローラ131の内部に挿通され、非図示の電力供給源から電力を供給されて発熱し、定着ローラ131を加熱し、定着ローラ131の回転により定着ニップの位置で加圧ローラ132に発熱した熱が伝わることにより、定着ニップの温度が昇温される。
そして、昇温された定着ニップに用紙Sが通されることにより、転写されたトナー像が用紙Sに熱定着される。
(2)制御部14の構成
図2は、制御部14の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部14は、主な構成要素として、CPU141、通信インターフェース(I/F)部142、ROM143、RAM144、画像データ記憶部145、ドットカウンター146、ドットカウント記憶部147、解像度記憶部148、タイマー149などを備える。
通信I/F部142は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
ROM143には、画像形成動作を実行するために必要なプログラムのほか、2次転写ローラ35のクリーニング処理動作の制御を実行するためのプログラム、並びに各制御で使用する閾値などが格納されている。
RAM144は、CPU141のプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。
画像データ記憶部145は、通信I/F部142やスキャナ部15を介して入力された画像データを記憶している。
記憶されている画像データは、ユーザが、操作パネル16又は外部の端末装置を介して指定した、印刷対象の用紙サイズに応じてビットマップデータに展開されたデータである。
ドットカウンター146は、アナログ回路で構成され、CPU141を介してD/A変換後の1ライン分の画像データが入力される毎に、そのラインに含まれるドット数をカウントする。
なお、ここでカウントされる「ドット」は、トナーを付着すべき画素である。
ドットカウント記憶部147は、Y〜Kの各色について、ドットカウンター146によってカウントされた、各ラインのドット数と、ドット未検出ライン数とを記憶する。
ここで、「ドット未検出ライン数」とは、最終ラインまで連続する、ドット数が0のラインの数のことをいい、後述するラインドットカウント処理によって特定される。
ここで、「最終ラインまで連続する、ドット数が0のライン」には、最終ラインのドット数が0で、最終ラインの直前のラインのドット数が0でない場合を含むものとし、以下、このようなラインのことを「余白ライン群」という。
例えば、ドットカウンター146によってカウントされた最終ラインのドット数が0でない場合には、ドット未検出ライン数は、0となり、最終ラインのドット数が0でその直前のラインのドット数が0でない場合には、ドット未検出ライン数は、1となり、最終ラインとその直前のラインのドット数が連続して0であって、両者のラインの直前のラインのドット数が0でない場合には、ドット未検出ライン数は、2となる。
解像度記憶部148は、操作パネル16を介してユーザによって設定された縦方向及び横方向の解像度(dpi(dot per inch))を記憶している。
タイマー149は、1ライン分の画像データの送信時間を計測する。
CPU141は、ROM143から必要な制御プログラムを読出し、画像プロセス部11、給紙部12、定着部13、スキャナ部15などを制御し、画像形成動作を円滑に実行させる。
又、画像形成動作が開始されると、プリントヘッド301Y〜301Kにそれぞれ対応する色の画像データを1ライン分ずつ、先頭ラインから順次送信し、対応する感光体ドラム上に静電潜像を形成させるとともに、当該画像データをドットカウンター146にも出力し、そのカウント値とレジストセンサー331から入力される信号とに基づいて画像形成すべき頁の画像データにおける総ライン数とドット未検出ライン数との差分と、給紙される用紙Sの長さに相当するライン数とを算出し、両者の比較結果に応じて転写電源部17から2次転写ローラ35へ印加させるクリーニング用の電圧(2次転写される際に印加される電圧と逆極性の電圧)のオンオフを制御することにより、2次転写ローラ35のクリーニング動作のオンオフを制御する。
(3)画像データのドット数のカウント処理の動作について
以下、制御部14の行うドット数カウント処理動作の制御の内容について説明する。図3は、上記動作のタイミングチャートを示す。
同図に示すように、画像形成動作が開始され、プリントヘッド301YからSOS(Start of Scan )信号が入力されると、画像データ記憶部145より1ライン分に相当する画像データを読出し、プリントヘッド301Yとドットカウンター146に送信する。
ここで、SOS信号は、感光体ドラム31Y上の走査ライン上におけるレーザビームLによる書き込み位置が、書き込み開始位置に達したときにプリントヘッド301Yから出力される信号である。
画像データの送信が行われている期間、画像データに含まれるドット数が、ドットカウンター146によりカウントされ、1ライン分の画像データの送信が完了すると、制御部14は、ドットカウンター146によりカウントされたドット数を取得し、ドットカウンター146をリセットし、次のSOS信号がプリントヘッド301Yから入力されると、制御部14は、同様の動作を繰り返す。
制御部14は、他のプリントヘッド301M〜301Kについても、プリントヘッド301Yの場合と同様の制御を行う。
(4)クリーニング処理動作の制御について
以下、制御部14の行うクリーニング処理動作の制御の内容について説明する。図4は、上記動作の制御の動作手順を示すフローチャートである。
画像形成動作が開始されると、ドットカウント記憶部147に記憶されている、Y〜Kの各色についてのドット未検出ライン数を0に初期化し、制御部14は、Y〜Kの各色について順次画像データ記憶部145より1ライン分に相当する画像データを読出し、対応するプリントヘッドとドットカウンター146に送信し(ステップS401)、後述するラインドットカウント処理を行う(ステップS402)。
Y〜Kの各色について最終ラインまで画像データの送信が完了すると(ステップS403)、レジストセンサー331より入力されるON、OFF信号と用紙Sの搬送速度とに基づいて、トナー像が転写される用紙Sの用紙長を検出し(ステップS404)、検出した用紙長に相当するライン数を、解像度記憶部148に記憶されている解像度に基づいて算出し、用紙Sに転写可能なライン数(B)として取得し(ステップS405)、後述するラインドットカウント処理によりカウントした総ライン数(T)と比較する(ステップS406)。
T>Bである場合に(ステップS406:YES)、後述するラインドットカウント処理によって特定された、Y〜Kの各色のドット未検出ライン数(X)が0より大きい否かにより、画像形成すべき頁の画像データに余白ライン群が存在するか否かを判定する(ステップS407)。
Y〜Kのすべての色について余白ライン群が存在する場合に(ステップS407:YES)、Y〜Kの各色について、画像データの総ライン数(T)の内、ドット未検出ライン数(X)を除くライン数(T−X)、すなわち、画像データの先頭ラインから最後にドット数が0でないと判定されたラインまでのライン数と用紙Sに転写可能なライン数(B)との差分(T−X−B)が閾値0より大きいか否かにより、余白ライン郡を除く画像データに基づいて形成されたトナー像を用紙Sの範囲内に2次転写できるか否かを判定し(ステップS408)、Y〜Kの何れかの色について、用紙Sの範囲内に2次転写できない場合(T−X−B>0)に(ステップS408:Y)、転写電源部17を介してクリーニング用の電圧を2次転写ローラ35に印加させて2次転写ローラ35に付着したトナーを中間転写ベルト21側に逆転写し、クリーニングブレード24で逆転写したトナーを除去させることにより、クリーニング処理を実行する(ステップS409)。
次に、Y〜Kの各色について行われるラインドットカウント処理の動作について説明する。図5は、ラインドットカウント処理の動作手順を示すフローチャートである。
ステップS402の処理を行った後、1ライン分の画像データを送信するのに要する時間に相当する閾値をタイマー149にセットし(ステップS501)、ドットカウンター146によるカウントを開始し、タイムアウトが発生したら(ステップS502:YES)、ドットカウンター146によってカウントしたカウント値を取得し、A/D変換後、カウント値の示すドット数を取得してドットカウンター146をリセットするとともに、取得したドット数をドットカウント記憶部147に記憶する(ステップS503)。
ドット数が0であれば(ステップS504:YES)、ドットカウント記憶部147に記憶しているドット未検出ライン数(X)を1インクリメントし(ステップS505)、ドット数が0でなければ、ドットカウント記憶部147に記憶しているドット未検出ライン数(X)を0に初期化する(ステップS506)。
(5)クリーニング処理動作の制御のまとめ
図6(A)、(B)は、画像形成すべき頁と、当該頁における余白ライン群の領域を除いた範囲と、当該頁における用紙長に相当する領域の範囲との関係をイメージ的に表した図であり、図6(A)は、ステップS408の判定結果が肯定的である(T−X−B>0)場合(ステップS408:YES)における当該関係を、図6(B)は、当該判定結果が否定的である(T−X−B≦0)場合(ステップS408:NO)における当該関係をそれぞれ示す。
なお、両図において、符号604の示すドットのラインは、トナーを付着すべき画素のラインを示す。
図6(B)に示すように、ユーザの指定した用紙サイズに対応する、画像形成すべき頁(符号603で示す範囲)が、実際に給紙される用紙長に相当する領域の範囲(符号601で示す範囲)内に収まらない場合においても、Y〜Kの各色において、画像形成すべき頁における、余白ライン群の領域を除いた範囲(符号602で示す範囲)が、用紙長に相当する領域の範囲601に全て収まる場合には、クリーニング処理を実行させないようにすることができるので、余分のトナーが2次転写ローラに実際には付着していないにもかかわらず、無駄なクリーニングが行われるのを有効に防止することができる。
一方、図6(A)に示すように、余白ライン群の領域を除いた領域の範囲(符号602で示す範囲)が、用紙長に相当する領域の範囲(符号601で示す範囲)内に全て収まらない場合には、クリーニング処理が実行されるので、2次転写ローラに転写されたトナー像の内、用紙Sに再転写しきれないトナーが余分に2次転写ローラに転写された場合には、余分に転写されたトナーがクリーニング処理により除去され、2次転写ローラが余分に転写されたトナーで汚染されたままの状態で画像形成処理が継続されてその後に給紙される用紙Sが、トナーで汚れるのを有効に防止することができる。
さらに、上記クリーニング処理動作においては、余白ライン群として含まれるライン数(ドット未検出ライン数(X))を算出するのに、用紙Sの長さに関する情報を取得する必要がないため、用紙Sの長さに関する情報の取得時期が、トナー像形成が完了した後であっても、余白ライン群を除く画像データに基づいて形成されたトナー像が、用紙Sの範囲内に2次転写できるか否かの判定(ステップS408の判定)を支障なく行うことができるので、上記クリーニング処理動作の制御は、画像形成処理の開始前に給紙部において用紙のサイズを自動検知する機能を有さないような画像形成装置に対しても適用することができる。
<変形例>
以上、本発明に係る画像形成装置10について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿論である。
(1)上記実施の形態におけるクリーニング処理動作の制御において、余白ライン群を除く画像データに基づいて形成されたトナー像を用紙Sの範囲内に2次転写できるか否かの判定(ステップS408)に用いる閾値は、Y〜Kの各色について同一の閾値であってもよいし、対応する色毎に設定された閾値であってもよい。
例えば、トナーの汚れが目立ちにくいY色については、閾値を他の閾値よりも大きい閾値とし、他の色のトナーよりクリーニング動作を実行するための条件を厳しく設定することとしてもよい。
これにより、全色を同一条件とする場合に比べ、無駄なクリーニング動作の実行回数をより少なくすることができる。
又、印刷条件として、ユーザによって指定される上下の余白サイズの範囲に対応付けて、ステップ408の判定に用いる閾値を設定しておき、当該対応関係を例えば、ROM143に記憶させておくこととし、ステップS408の判定を、指定された上下の余白サイズに対応する閾値に基づいて行うこととしてもよい。
例えば、上下を合算した余白サイズが大きい程、閾値が小さくなるように対応関係を設定し、設定した対応関係に応じた閾値に基づいて上記判定を行うこととしてもよい。
これにより、指定された余白サイズが大きく、デフォルトの余白サイズの場合に比べ用紙Sにトナー像を2次転写できる範囲が小さくなるような場合においても、それに応じて閾値を変更させることができ、クリーニング処理の実行の可否判断を適切に行うことができる。
(2)上記実施の形態におけるクリーニング制御処理の動作において、余白ライン群を除く画像データに基づいて形成されたトナー像を用紙Sの範囲内に2次転写できる場合には(ステップS408:YES)、クリーニング処理を実行しないこととしたが、ステップS408の判定結果が肯定的である場合に(ステップS408:YES)、さらに、次の画像形成すべき頁が存在するか否かを判定し(ステップS410)、当該頁が存在しない場合には(ステップS410:NO)、クリーニング処理を実行し(ステップS409)、当該頁が存在する場合に(ステップS410:YES)、クリーニング処理の実行を抑止することとしてもよい。
(3)上記実施の形態においては、フルカラーのタンデム型画像形成装置を例にして説明したが、本願のクリーニング制御処理の動作は、白黒の画像形成装置においても、同様に適用することができる。
(4)上記実施の形態においては、ラインドットカウント処理において、ドット数が0の場合(ステップS504:YES)、ドット未検出ライン数(X)を1インクリメントすることにより(ステップS505)、ドット未検出ライン数(X)をカウントし、Y〜Kの各色について、(T−X)、すなわち、画像データの先頭ラインから最後にドット数が0でないと判定されたラインまでのライン数を算出することとしたが、ドット未検出ライン数(X)をカウントする代わりに、ドット数が0の場合(ステップS504:YES)、当該ラインのライン番号(Y)をドットカウント記憶部147に記憶することにより、上記ライン数を決定することとしてもよい。
具体的には、図5に示すラインドットカウント処理において、ドット数が0の場合(ステップS504:YES)、Yが0か否かを判定し(ステップS605)、0である場合には(ステップS605:YES)、当該ラインのライン番号をYとしてドットカウント記憶部147に記憶した後(ステップS606)、ステップS403の処理に移行し、Yが0でない場合には、ステップS403の処理に移行することとし、ドット数が0でない場合には(ステップS504:NO)、Yを0に初期化する(ステップS607)こととしてもよい。
なお、ライン番号は、例えば、制御部14が、画像データ記憶部145より1ライン分に相当する画像データを、先頭ラインから順次読み出す毎に、カウンターでカウントアップして取得することができる
これにより、最終ラインまでドット数のカウントが完了した後におけるYの値を上記ライン数(T−X)として決定することができる。
本発明は、トナー像を、転写部材を介して記録シートに転写する、複写機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特にトナー像を転写した後の転写部材のクリーニング処理を制御する技術として利用できる。
本実施の形態に係る画像形成装置10の全体の構成を示す図である。 制御部14の構成を示すブロック図である。 制御部14の行うドット数カウント処理動作のタイミングチャートを示す図である。 制御部14の行うクリーニング処理動作の制御の動作手順を示すフローチャートである。 ラインドットカウント処理の動作手順を示すフローチャートである。 画像形成すべき頁と、当該頁における余白ライン群の領域を除いた範囲と、当該頁における用紙長に相当する領域の範囲との関係をイメージ的に表した図である。
符号の説明
1Y〜1K 感光体ドラム
2Y〜2K 帯電器
3Y〜3K 露光部
4Y〜4K 現像器
5Y〜5K 1次転写ローラ
6Y〜6K クリーナ
10 画像形成装置
11 画像プロセス部
12 給紙部
13 定着部
14 制御部
15 スキャナ部
16 操作パネル
17 転写電源部
20Y〜20K 作像ユニット
21 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
23 従動ローラ
24 クリーニングブレード
31 給紙カセット
32 繰り出しローラ
33 中間搬送ローラ対
34 タイミングローラ対
35 2次転写ローラ
36 排出ローラ
37 搬送路
38 排紙トレイ
141 CPU
142 通信インターフェース(I/F)部
143 ROM
144 RAM
145 画像データ記憶部
146 ドットカウンター
147 ドットカウント記憶部
148 解像度記憶部
149 タイマー
301Y〜301K プリントヘッド
331 レジストセンサー

Claims (4)

  1. ビットマップデータに展開された画像データを先頭ラインの画素から順次読出して主走査方向に走査し、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、このトナー像を、所定の電圧が印加された転写部材の静電力により、搬送されてきた記録シート上に転写させる転写手段とを備えた画像形成装置であって、
    1頁分の画像データにおける各ラインについて、トナーを付着すべき画素の有無を判定する判定手段と、
    前記記録シートの搬送方向の長さに関する情報を取得するシート長さ取得手段と、
    前記取得されたシート長さに関する情報に基づき当該記録シートに転写可能なライン数を取得する転写可能ライン数取得手段と、
    前記転写部材に付着したトナーを除去するクリーニング動作を実行するクリーニング手段と、
    画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、閾値以上のときに、当該頁のトナー像の転写後、前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記作像手段は、複数の色について、それぞれの色の前記画像データに基づき形成されたトナー像を重ね合わせて前記像担持体にカラーのトナー像を形成し、
    前記閾値は、前記複数の対応する色毎に設定され、
    前記制御手段は、いずれかの色について、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、当該色について設定されている前記閾値以上のときに前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御し、
    前記複数の色には、イエローが含まれ、イエローについて設定されている前記閾値は、イエロー以外の他の色について設定されている前記閾値よりも大きい値になるように設定されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 画像形成すべき次の頁の有無を判定する判定手段を備え、
    前記制御手段は、画像形成すべき次の頁がないと判定された場合には、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分の大きさに拘わらず、現在の頁のトナー像の転写後、前記クリーニング手段にクリーニング動作を実行させる
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  3. ビットマップデータに展開された画像データを先頭ラインの画素から順次読出して主走査方向に走査し、像担持体にトナー像を形成する作像手段と、このトナー像を、所定の電圧が印加された転写部材の静電力により、搬送されてきた記録シート上に転写させる転写手段と、前記転写部材に付着したトナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置における転写部材のクリーニングの実行制御方法であって、
    1頁分の画像データにおける各ラインについて、トナーを付着すべき画素の有無を判定する判定ステップと、
    前記記録シートの搬送方向の長さに関する情報を取得するシート長さ取得ステップと、
    前記取得されたシート長さに関する情報に基づき当該記録シートに転写可能なライン数を取得する転写可能ライン数取得ステップと、
    画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と前記転写可能ライン数との差分が、閾値以上のときに、当該頁のトナー像の転写後、前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御する制御ステップと、
    を含み、
    前記作像手段は、複数の色について、それぞれの色の前記画像データに基づき形成されたトナー像を重ね合わせて前記像担持体にカラーのトナー像を形成し、
    前記閾値は、前記複数の対応する色毎に設定され、
    前記制御ステップは、いずれかの色について、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分が、当該色について設定されている前記閾値以上のときに前記転写部材のクリーニング動作を実行するようにクリーニング手段を制御し、
    前記複数の色には、イエローが含まれ、イエローについて設定されている前記閾値は、イエロー以外の他の色について設定されている前記閾値よりも大きい値になるように設定されている
    ことを特徴とするクリーニング実効制御方法。
  4. 画像形成すべき次の頁の有無を判定する判定ステップを含み、
    前記制御ステップは、画像形成すべき次の頁がないと判定された場合には、前記画像形成すべき頁の画像データの先頭ラインからトナーを付着すべき画素があると判定された最後のラインまでのライン数と、前記転写可能ライン数との差分の大きさに拘わらず、現在の頁のトナー像の転写後、前記クリーニング手段にクリーニング動作を実行させる
    ことを特徴とする請求項に記載のクリーニング実効制御方法。
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