JP4793374B2 - ゴム支承体のせん断変形調整方法および装置 - Google Patents

ゴム支承体のせん断変形調整方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、橋脚等の下部構造体と橋桁等の上部構造体との間をつなぐゴム支承体に生じるせん断変形量を調整するせん断変形調整方法および装置に関し、特に施工現場で好適に用いることができるせん断変形調整方法および装置に関する。
橋脚等の下部構造体と橋桁等の上部構造体との間をつなぐ支承体には、鋼製支承体とゴム支承体がある。ゴム支承体は、地震時の揺れによる衝撃力を吸収緩和したり、複数の橋脚に分散させることができ、阪神淡路大震災でその耐震性が実証され、現在では橋梁用の支承体の大部分がゴム支承体となっている。
図6に示すように、ゴム支承体20は、下沓22と、上沓24と、ゴム積層体26と、を有してなる。
下沓22は、通常、厚さ22mm以上の四角形の鋼板であり、下部構造体である橋脚52の上面に配設された鋼製台座28にボルト接合や溶接接合で固定されている。
上沓24は、通常、厚さ22mm以上の四角形の鋼板であり、上部構造体である橋桁54の下面に配設されたソールプレート30にボルト接合で固定されている。
ゴム積層体26は、ゴム層と鋼板とが積層されてなる積層体であり、下沓22および上沓24とボルトで接合されて、下沓22と上沓24との間に配設されている。
鋼製台座28は、箱形式のものと板形式のものとがあり、橋桁54の下の遊間に応じて使い分けられて橋脚52の天端上に配設され、ボルト接合や溶接接合で橋脚52に固定されている。板形式の鋼製台座はベースプレートと称されることが多く、この場合、通常、厚さ30mm以上の四角形の鋼板が用いられる。
ソールプレート30は、通常、厚さ22mm以上の四角形の鋼板であり、上部構造体である橋桁54の下面にボルト接合や溶接接合で固定されている。
以上、ゴム支承体20について説明したが、橋梁用のゴム支承体の設計方法としては、2つの方法がある。第1の方法は、橋桁等の上部構造体の架設時の温度がある温度範囲にある場合に、ゴム支承体の垂直軸が鉛直あるいは鉛直に近い状態となるように架設しても安全性が保たれるように設計する方法であり、第2の方法は、完成した橋梁が標準温度となった際に、ゴム支承体にせん断変形が生じないことを前提として、安全性が保たれるように設計する方法とがある。なお、標準温度は一般に20℃だが、寒冷地の場合は標準温度を15℃とすることがある。
第2の設計方法を用いてゴム支承体を設計した場合、ゴム支承体の大きさはコンパクトな大きさとなり、経済的なゴム支承体となる。しかし、完成した橋梁が標準温度となった際に、ゴム支承体にせん断変形を生じないように、橋梁施工時の施工現場でゴム支承体のせん断変形量を調整する必要がある。
実際の施工において、ゴム支承体を橋脚等の下部構造体に据え付ける時、図6に示すように、せん断変形を生じさせずにゴム支承体を据え付けることができる。しかし、橋桁等の上部構造体は、温度変化によって伸縮するため、据え付け時の温度からの温度変化によって、ゴム支承体にはせん断変形が生じる。
したがって、第2の設計方法を用いてゴム支承体を設計した場合には、完成した橋梁が標準温度となった際に、ゴム支承体にせん断変形が生じないように、ある時点でせん断変形量を調整する必要がある。具体的には、据え付け時の温度と標準温度との温度差による上部構造体の伸縮量に基づくせん断変形量を打ち消すような調整が必要となる。
なお、桁や床版等の上部構造体の死荷重によるせん断変形もゴム支承体に加わるので、そのせん断変形についても、上部構造体の熱収縮に基づくせん断変形とともに、ある時点で打ち消すように調整することが必要となる。
据え付けたゴム支承体のせん断変形量を調整する技術として、特許文献1には、ソールプレートとベースプレートに反力を取れる治具を用いて、下沓を引張る技術が記載されている。また、特許文献1の図7には、従来技術として、下部構造体の側面にジャッキ用反力受け部材をアンカー部材で固定して反力を取って、下沓を押し引きする技術が記載されている。
特許文献2には、ベースプレートに反力を取れる治具を用いて、下沓を引張る技術が記載されている。
特許文献3には、ジャッキ用反力受け部材を上部構造体の下面にアンカー部材で固定して反力を取り、上沓を押し引きする技術が記載されている。
また、図7に示すように、既設の鋼製橋脚102の天端に、油圧ジャッキ104を取り付けるための取り付け部材106を溶接固定して、該取り付け部材106に、油圧ジャッキ104の伸長によって下沓108を移動させる際の反力を取らせて、下沓22を移動させる技術や、図8に示すように、既設のコンクリート製橋脚122の天端に、油圧ジャッキ124を取り付けるための取り付け部材126をアンカー部材128で固定して、該取り付け部材126に、油圧ジャッキ124の伸長によって下沓22を移動させる際の反力を取らせて、下沓22を移動させる技術もある。
特開2001−164518号公報 特開2003−206511号公報 特開平9−158117号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、下沓の側面にねじ孔を設ける必要があり、下沓の板厚を厚くする必要があるという問題点がある。
また、特許文献1の図7に記載の従来技術は、下部構造体に固定部を設ける必要があるため、下部構造体にボルト孔を設けたり、溶接を行う必要があるという問題点がある。また、下部構造体に固定部を設けるため、下部構造体にある程度の配置スペースを確保する必要があるという問題点もある。
特許文献2に記載の技術は、ベースプレートの側面にねじ孔を設ける必要があり、ベースプレートの板厚を厚くする必要があるという問題点がある。また、下沓を引張る引張り鋼棒の先端には係合体を設ける必要があるとともに、下沓には、引張り鋼棒の係合体と係合する係合凹部を設ける必要があり、手間がかかるという問題点もある。
特許文献3に記載の技術は、上部構造体に固定部を設ける必要があるため、上部構造体にボルト孔を設けたり、溶接を行う必要があるという問題点がある。
図7に記載の技術は、橋脚の天端に溶接を行う必要があるという問題点や、橋脚の天端のスペース確保のために橋脚寸法を大きくする必要がある場合があるという問題点がある。
図8に記載の技術は、橋脚の天端にボルト孔を設ける必要があるという問題点や、橋脚の天端のスペース確保のために橋脚寸法を大きくする必要がある場合があるという問題点がある。また、反力が大きくなると、橋脚の上端部の隅が破壊する可能性がある。
また、図7、図8に記載の技術では、橋脚の天端に取り付け部材を固定しているが、下部構造体(橋脚)に反力を取らせる場合、橋脚天端にスペースがないことも多く、その場合、橋脚の側面部も用いて取り付けられるため、取り付け部材が大きくなってしまう。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、鋼製台座、ソールプレートおよび下沓にねじ孔を設ける等の細工をする必要がなく、かつ、下部構造体および上部構造体に新たに固定部を設ける必要がない、ゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整方法および装置を提供することを課題とする。
本発明に係る、ゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整方法は、下部構造体の上面に配設された鋼製台座に載置された下沓と、上部構造体の下面に配設されたソールプレートにボルト接合された上沓と、該下沓および上沓と接合されて該下沓と上沓との間に配設されたゴム積層体と、を有してなるゴム支承体のせん断変形を施工現場で調整する方法であって、前記上沓を前記ソールプレートにボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、ジャッキが前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸縮するように、該ジャッキを取り付けるための取り付け部材を前記ソールプレートにボルト締めにより接合するとともに、該取り付け部材により該ジャッキを配設し、該取り付け部材と前記上部構造体との間には、前記ジャッキが前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸長して前記下沓に押圧力を加える際に、前記取り付け部材に加わる鉛直方向上向きの力を上部構造体に伝達して反力を取る剛体スペーサを配設し、該ジャッキで、前記鋼製台座上に載置された前記下沓に直接又は押圧力伝達部材を介して押圧力を加えて、前記下沓を前記上部構造体の伸縮方向へ所定量移動させ、その状態で該下沓を前記鋼製台座に固定接合し、その後、前記ジャッキ、取り付け部材および剛体スペーサを撤去して、前記上沓を前記ソールプレ−トに再度ボルト締めをしてボルト接合を行うことを特徴とする。
前記下部構造体は例えば橋脚または橋台であり、前記上部構造体は例えば橋桁である。
前記固定接合は溶接接合であることが好ましい。
本発明に係る、ゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整装置は、下部構造体の上面に配設された鋼製台座に載置された下沓と、上部構造体の下面に配設されたソールプレートにボルト接合された上沓と、該下沓および上沓と接合されて該下沓と上沓との間に配設されたゴム積層体と、を有してなるゴム支承体のせん断変形を施工現場で調整する際に用いるせん断変形調整装置であって、前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸縮することができるジャッキと、前記上沓を前記ソールプレートにボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、前記ソールプレートにボルト締めにより取り付けることができる、前記ジャッキを取り付けるための取り付け部材と、前記取り付け部材と前記上部構造体との間に配設され、前記ジャッキが前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸長して前記下沓に押圧力を加える際に前記取り付け部材に加わる鉛直方向上向きの力を上部構造体に伝達して反力を取る剛体スペーサと、を有してなることを特徴とする。
前記下部構造体は例えば橋脚または橋台であり、前記上部構造体は例えば橋桁である。
本発明によれば、上沓をソールプレ−トにボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、ジャッキを取り付けるための取り付け部材をソールプレ−トにボルト締めにより接合するので、鋼製台座、ソールプレートおよび下沓にねじ孔を設ける等の細工をせず、かつ、下部構造体および上部構造体に新たに固定部を設けずに、ゴム支承体のせん断変形を施工現場で調整することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、背景技術および従来技術として図6〜8により説明した部材と同一の部材については原則として同一の符号を付し、説明は省略する。
図1は外気温が高い夏場にゴム支承体20を橋脚52の上面に載置した状況を示す側面図であり、図2は橋梁が標準温度となったときにゴム支承体20にせん断変形が生じないように、本発明の実施形態に係るせん断変形調整装置10を用いて所定の位置まで下沓22を押している状況を示す側面図である。
本発明の実施形態に係るせん断変形調整装置10は、取り付け部材12と、油圧ジャッキ14と、剛体スペーサ16と、を有してなる。
取り付け部材12は、油圧ジャッキ14を取り付けるための治具であり、上沓24をソールプレ−ト30にボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、ソールプレ−ト30にボルト32によるボルト締めにより取り付けることができる。
油圧ジャッキ14は、取り付け部材12に取り付けられてソールプレ−ト30および橋桁54に対して固定されており、ロッド14Aが橋桁54の伸縮方向と平行な方向に伸縮することにより、ロッド14Aが下沓22の側面に押圧力を加えて、下沓22を所定の位置まで移動させる役割を有する。動力源として油圧ジャッキを用いることにより、コンパクトな大きさの動力源で大きな押圧力を下沓22の側面に加えることができる。なお、下沓22の側面に押圧力を加える際、ロッド14Aが下沓22の側面に直接押圧力を加えてもよいし、ロッド14Aと下沓22の側面との間に介在させた押圧力伝達治具18を介して下沓22の側面に押圧力を加えてもよい。
剛体スペーサ16は、取り付け部材12と橋桁54との間に配設され、油圧ジャッキ14のロッド14Aが橋桁54の伸縮方向と平行な方向に伸長して下沓22に押圧力を加える際に取り付け部材12に加わる鉛直方向上向きの力を、橋桁54に伝達する役割を有する。剛体スペーサ16が存在することにより、取り付け部材12に加わる鉛直方向上向きの力に対する反力を取ることができる。
ゴム支承体20の上沓24は、橋桁54下面に取り付けられたソールプレート30にボルト(図示せず)で固定されているが、ソールプレート30は、標準温度時に、ゴム支承体20の中心(上沓24の中心)が橋脚52の中心と一致するように橋桁54下面に取り付けられている。外気温が高い夏場においては、橋桁54は熱膨張により伸長するため、この状態でゴム支承体20を橋脚52上の鋼製台座28上に載置すると、図1に示すように、ゴム支承体20の中心は橋脚52の中心よりもδだけ橋桁54の伸長方向にずれる。
そこで、標準温度時に、ゴム支承体20にせん断変形が生じないように、ゴム支承体20の下沓22を、橋桁52が伸長した方向とは反対方向にδだけ移動させ、下沓22の中心が橋脚54の中心と一致するようにする必要がある。
従来は、例えば図7に示すように、取り付け部材106を橋脚の天端に溶接したり、また、例えば図8に示すように、取り付け部材126を橋脚の天端にアンカー部材128で固定したりして、油圧ジャッキ104、126の伸長によって生じる反力を取らせ、ゴム支承体20の下沓22を、橋桁54が伸長した方向とは反対方向にδだけ移動させ、下沓22の中心が橋脚52の中心と一致するようにしていた。
これに対し、本実施形態においては、上沓24をソールプレート30に固定しているボルトのうち、下沓22を移動させる方向とは反対側のボルトのいくつかを外し、得られたボルト孔を用いて本実施形態に係るせん断変形調整装置10の取り付け部材12をボルト32でソールプレート30に取り付けるとともに、取り付け部材12と橋桁54下面との間に剛体スペーサ16を配置することにより、油圧ジャッキ14のロッド14Aが伸長して下沓22に押圧力を加えることによって取り付け部材12に生じる、ロッド14Aが伸長する方向と反対方向の反力および鉛直方向上向きの反力を取らせる。そして、油圧ジャッキ14のロッド14Aを伸長させて、ゴム支承体20の下沓22を、橋桁54が伸長した方向とは反対方向にδだけ移動させ、下沓22の中心が橋脚52の中心と一致するようにする。
そして、この状態で、下沓22を鋼製台座28に固定接合する。固定接合の方法は、溶接接合でもボルト接合でもよいが、溶接接合の場合、施工誤差等の調整も可能なので、溶接接合であることが好ましい。
下沓22を鋼製台座28に固定接合した後、せん断変形調整装置10を取り外す。そして、最初に取り外した、上沓24をソールプレート30に固定するためのボルトで、上沓24をソールプレート30に再度ボルト締めをしてボルト接合を行い、固定し直す。
図3は、本発明の実施形態に係るせん断変形調整装置10を橋軸直角方向から見た側面図である。
取り付け部材12は、連結天板12Aと、補強天板12Bと、側板12Cと、リブ12Dと、ボルト12Eと、ナット12Fと、を有してなる。
連結天板12Aの先端部には、図4(連結天板12Aの平面図)に示すように、2つのボルト32をそれぞれ通す2つの長孔12Gが開けられており、連結天板12Aは、長孔12Gを通るボルト32によりソールプレート30に取り付けられている。ボルト32の下端部は、2つのナット32Aで留める。
12Gは長孔であり、ボルト32の間隔はフレキシブルに変えられるようになっている。このため、せん断変形調整装置10は、上沓24をソールプレ−ト30にボルト締めしているボルトの間隔が変わっても対応することができる。
連結天板12Aの後端部には4つのボルト孔12Hが開けられており、補強天板12Bにも対応する位置に4つのボルト孔が開けられており、連結天板12Aに補強天板12Bがボルト12Eとナット12Fとにより取り付けられている。補強天板12Bに対して垂直な方向であって、かつ橋軸に直角な方向に、側板12Cが溶接により取り付けられている。補強天板12Bと側板12Cとの間には、図3、図4および図5(せん断変形調整装置10を橋軸方向から見た側面図)に示すように、2つのリブ12Dが、補強天板12Bおよび側板12Cそれぞれに溶接により取り付けられている。
なお、図3において、ボルト12Eの頭部は連結天板12Aの上面より上に出ているが、剛体スペーサ16は、これに対応して凹部が設けられており、この凹部にボルト12Eの頭部が入るようになっている。
押圧力伝達部材18は、油圧ジャッキ14のロッド14Aと、下沓22およびゴム積層体26との間に配置され、油圧ジャッキ14のロッド14Aから加えられる押圧力を下沓22およびゴム積層体26に伝達する役割を有する。押圧力伝達部材18は、当て板18Aと、下部スペーサ18Bと、上部スペーサ18Cと、を有してなる。
当て板18Aは、厚さ16〜40mm程度の鋼板であり、ロッド14Aと、下部スペーサ18Bおよび上部スペーサ18Cとの間に配置され、ロッド14Aから加えられる押圧力が局部的に集中しないようにして、押圧力を下部スペーサ18Bおよび上部スペーサ18Cに伝達する役割を有する。
下部スペーサ18Bは、下沓22と当て板18Aとの間に配置され、当て板18Aを介してロッド14Aから加えられる押圧力により、下沓22を移動させる。ただし、ロッド14Aの中心と下部スペーサ18Bとの中心は偏心しているため、ゴム積層体26と当て板18Aとの間に上部スペーサ18Cを配置して、回転が生じないようにしている。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るせん断変形調整装置10の取り付け部材12は、上沓24をソールプレ−ト30にボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、ソールプレ−ト30にボルト32によるボルト締めにより取り付けることができる。このため、せん断変形調整装置10を用いてのゴム支承体20のせん断変形量の調整においては、鋼製台座28、ソールプレート30および下沓22にねじ孔を設ける等の細工をする必要がなく、かつ、下部構造体である橋脚52および上部構造体である橋桁54に新たに固定部を設ける必要がない。
なお、以上説明した実施形態においては、外気温が高い夏場に施工して、ゴム支承体20が橋桁54の伸長方向(図1において右側)にずれて鋼製台座28上に配置された場合を想定して説明したが、外気温が低い冬場の施工では、橋桁54は縮むため、ゴム支承体20は、図1において左側にずれて鋼製台座28上に配置されることとなる。この場合は、取り付け部材12を夏場の施工の場合と反対の側(図1において左側)に取り付けて、下沓22を夏場の施工の場合の移動方向とは逆方向(図1において右側)へ移動させることとなる。
また、下部構造体を橋脚52として説明したが、下部構造体は橋脚でなくてもよく、例えば橋台であってもよい。
また、本実施形態に係るせん断変形調整装置10を適用できるゴム支承体の形状は特に限定されず、四角柱状のゴム支承体にも円柱状のゴム支承体にも、せん断変形調整装置10は適用することができる。
また、せん断変形調整装置10において、下沓22の側面を押す動力源として油圧ジャッキ14を用いたが、下沓22を押す動力源は油圧ジャッキに限定されず、例えばねじ式ジャッキでもよい。
外気温が高い夏場にゴム支承体を橋脚の上面に載置した状況を示す側面図 橋梁が標準温度(20℃)となったときにゴム支承体にせん断変形が生じないように、本発明の実施形態に係るせん断変形調整装置を用いて所定の位置まで下沓を押している状況を示す側面図 前記せん断変形調整装置を橋軸直角方向から見た側面図 前記せん断変形調整装置の連結天板の平面図 前記せん断変形調整装置を橋軸方向から見た側面図 ゴム支承体が配置されている状況を示す側面図 従来の技術を示す側面図 従来の技術を示す側面図
符号の説明
10…せん断変形調整装置
12…取り付け部材
12A…連結天板
14…油圧ジャッキ
14A…ロッド
16…剛体スペーサ
18…押圧力伝達部材
20…ゴム支承体
22…下沓
24…上沓
26…ゴム積層体
28…鋼製台座
30…ソールプレート
32…ボルト
52…橋脚
54…橋桁

Claims (5)

  1. 下部構造体の上面に配設された鋼製台座に載置された下沓と、上部構造体の下面に配設されたソールプレートにボルト接合された上沓と、該下沓および上沓と接合されて該下沓と上沓との間に配設されたゴム積層体と、を有してなるゴム支承体のせん断変形を施工現場で調整する方法であって、
    前記上沓を前記ソールプレートにボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、ジャッキが前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸縮するように、該ジャッキを取り付けるための取り付け部材を前記ソールプレートにボルト締めにより接合するとともに、該取り付け部材により該ジャッキを配設し、
    該取り付け部材と前記上部構造体との間には、前記ジャッキが前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸長して前記下沓に押圧力を加える際に、前記取り付け部材に加わる鉛直方向上向きの力を上部構造体に伝達して反力を取る剛体スペーサを配設し、
    該ジャッキで、前記鋼製台座上に載置された前記下沓に直接又は押圧力伝達部材を介して押圧力を加えて、前記下沓を前記上部構造体の伸縮方向へ所定量移動させ、
    その状態で該下沓を前記鋼製台座に固定接合し、
    その後、前記ジャッキ、取り付け部材および剛体スペーサを撤去して、前記上沓を前記ソールプレ−トに再度ボルト締めをしてボルト接合を行うことを特徴とするゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整方法。
  2. 前記下部構造体が橋脚または橋台であり、前記上部構造体が橋桁であることを特徴とする請求項1に記載のゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整方法。
  3. 前記固定接合が溶接接合であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整方法。
  4. 下部構造体の上面に配設された鋼製台座に載置された下沓と、上部構造体の下面に配設されたソールプレートにボルト接合された上沓と、該下沓および上沓と接合されて該下沓と上沓との間に配設されたゴム積層体と、を有してなるゴム支承体のせん断変形を施工現場で調整する際に用いるせん断変形調整装置であって、
    前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸縮することができるジャッキと、
    前記上沓を前記ソールプレートにボルト締めしているボルトのうちの少なくとも一部を取り外して得られるボルト孔を用いて、前記ソールプレートにボルト締めにより取り付けることができる、前記ジャッキを取り付けるための取り付け部材と、
    前記取り付け部材と前記上部構造体との間に配設され、前記ジャッキが前記上部構造体の伸縮方向と平行な方向に伸長して前記下沓に押圧力を加える際に前記取り付け部材に加わる鉛直方向上向きの力を上部構造体に伝達して反力を取る剛体スペーサと、
    を有してなることを特徴とするゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整装置。
  5. 前記下部構造体が橋脚または橋台であり、前記上部構造体が橋桁であることを特徴とする請求項4に記載のゴム支承体の施工現場でのせん断変形調整装置。
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