JP4792164B2 - 乳化化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルと特定のシリコーン化合物を含有する乳化化粧料に関し、乳化性、及びその安定性、使用性に優れた化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、さっぱりとして油性感がなく、撥水性の高い乳化化粧料を得るために、油剤としてシリコーン油が使用されている。しかしながらシリコーン油は化粧料に使用される炭化水素油やエステル油との相溶性が良くないため、従来使用されているポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系等の乳化剤では安定性の良い乳化物を得るのが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、シリコーン系乳化剤として、ポリエーテル変性シリコーンを使用する方法が多数提案されている(特開昭61−293903号公報、特開昭61−293904号公報、特開昭62−187406号公報、特開昭62−215510号公報、特開昭62−216635号公報)。しかしながら、エステル油や炭化水素油が共存した場合、ポリエーテル変性シリコーンは乳化力に劣り、安定な乳化物を得ることは難しかった。
また、それらの問題点を解決するために、長鎖アルキル基とポリオキシアルキレン基を併せ持ったオルガノポリシロキサンや、新規のシリコーン系界面活性剤が提案されている(特開昭61−90732号公報、特開平9−59386号公報)。しかしながら、特に油中水型乳化化粧料の場合、外相が油剤であり構造性を持たない為、長期の乳化安定性を確保することに関しては、未だ満足の行くものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、乳化化粧料において、イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルと特定のシリコーン化合物を含有することにより、油剤の乳化性,及びその安定性、使用性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、下記成分(B)を乳化剤に用た乳化化粧料において、下記成分(A)を含有させたことを特徴とする乳化化粧料である。
成分(A):一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上の、イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルであり、該エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上であるイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステル.
成分(B):下記一般式(1)で示されるシリコーン化合物。
SiO(4−a−b−c)/2 (1)
[但し、式中Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、Rは下記一般式(2)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
で示される有機基、Rは下記一般式(3)
−C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
で示される有機基(Rは水素原子、若しくは炭素数1〜5のアルキル基、又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数12〜30の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、dは2〜200の整数、eは0〜200の整数、且つd+eが3〜200であり、fは0〜50の整数、gは0〜50の整数、且つf+gが1〜50であり、mは0〜5の整数である。)であり、a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。]
さらに、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上の、イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上の組合せであり、残アシル基中に、分岐炭化水素骨格を有するアシル基を含有しているイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルである成分(A)並びに(B)を含有することを特徴とする乳化化粧料である。以下、詳述する。
【0006】
【発明の実施の形態】
成分(A)に用いられるイヌリン及び/又は加水分解イヌリン、すなわち、イヌリン脂肪酸エステル及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルは、多糖類の一種であり、D−フルクトースを主要構成糖とするオリゴ糖及びその加水分解物である。イヌリンは、β−1、2結合したフラノイドフルクトース単位の鎖から成り、還元末端において蔗糖結合したα−D−グルコースを有する構造のものである。イヌリンは、キク科植物、例えばチコリ、ダリヤ等の植物から得られる。
【0007】
本発明に使用するイヌリン及び加水分解イヌリンはフラノイドフルクトース単位が2〜60程度のものが使用できる。成分(A)に用いられる脂肪酸は、炭素数16、18、20、22の直鎖脂肪酸が好ましい。成分(A)における、イヌリン及び/又は加水分解イヌリンのフルクトース単位当りの脂肪酸の置換度は、2.2以上が好ましい。
【0008】
本発明の化粧料に使用される、成分(A)一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上である、イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルにおいては、該エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上であることが必要である。これらのアシル基総量が60モル%未満であると、化粧料の安定性確保が困難である。アシル基の炭素鎖長においては、ヘキサデカノイル基より炭素数の少ないアシル基では、ゲル構造性の付与が充分でなく、反対にドコサノイル基より炭素数の多いアシル基では、使用時に重い感触を伴ったり、経時でゲル化剤の析出が発生する。
【0009】
本発明の化粧料に使用される成分(A)においては、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上であり、一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上であれば、他のアシル基で置換されていても構わない。他のアシル基を例示するならば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、テトラコサノイル基、ヘキサコサノイル基、オクタコサノイル基、トリアコンタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる。
【0010】
本発明に使用される成分(A)のアシル基置換度2.2以上のイヌリン及び/又は加水分解イヌリンの脂肪酸エステルは、当該するイヌリン及び/又は加水分解イヌリンと脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体を反応させることにより製造される。
脂肪酸誘導体は、酸ハライド、酸無水物等が例示できる。イヌリン及び加水分解イヌリンと脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体との反応は、従来公知の方法により容易に行なうことができる。例えば、イヌリン及び加水分解イヌリンをジメチルホルムアミド及びピリジン中に分散させ、これに脂肪酸ハライド又は脂肪酸無水物を加え、60℃前後で反応させることにより得ることができる。この際、脂肪酸ハライドまたは脂肪酸無水物の添加量、反応時間、反応温度を適宜調整することにより、脂肪酸の平均置換度を容易にコントロールできる。また本発明の化合物は、その反応条件等より白色から褐色の色相を有する固形状〜ペースト状、液状のものが得られるが、必要ならば従来公知の脱色方法、例えば活性炭、ゼオライト等で処理することにより容易に白色に精製することができる。
【0011】
本発明に使用される成分(A)においては、安定性の確保と同時に、化粧料の流動性を確保したい場合、該エステルのアシル基において、分岐炭化水素骨格を有するアシル基を含有することが望ましい。分岐炭化水素骨格を有するアシル基は、炭素数22以下であることが望ましく、更に望ましくは炭素数18以下である。好適に使用される分岐炭化水素骨格を有するアシル基を例示すると、イソステアロイル基、イソヘキサデカノイル基、イソデカノイル基、イソオクタノイル基等が挙げられる。分岐炭化水素骨格を有するアシル基で置換した成分(A)の場合でも、その総アシル基の60モル%以上は、炭素数16〜22のアシル基であり、一単位糖あたりのアシル基置換度は、2.2以上である必要がある。
【0012】
本発明で用いられる成分(A)のイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルの配合量は、化粧料の形態になって異なり特に限定されるものではないが、通常の化粧料中に好ましくは0.01〜40質量%(以下、単に「%」と記す)、より好ましくは0.1%〜30%である。本発明のイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルの配合量が上記の範囲より少なすぎると効果が得られず、多すぎると硬さやのびの滑らかさにかけたりして、使用性において許容しがたくなる。また、これらのイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルは必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。
【0013】
本発明で用いられる、成分(B)のシリコーン化合物は、上述した一般式(1)で示され、式中のRは、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフッ素置換アルキル基等を挙げることができるが、特にR全体の50%以上がメチル基であることが望ましい。
【0014】
また、Rは下記一般式(2)で示される有機基である。
−C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
ここで、上記式(2)中のRは水素原子若しくは炭素数1〜5のアルキル基又はR−(CO)−で示される有機基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、R及びRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
【0015】
また、Rは下記一般式(3)で示される有機基である。
−C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
ここで、上記式(3)中のRは炭素数12〜30の一価の炭化水素基であり、Rは炭素数が12未満であると油剤との相溶性が低下するため、望ましくない。Rの具体例としてはドデシル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル基、エイコサニル基、ベヘニル基、ペンタコサニル基、オクタコサニル基、トリアコンタニル基等の直鎖状飽和炭化水素基、イソステアリル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルペンタデシル基、2−デシルテトラデシル基等の分岐状飽和炭化水素、オレイル基等の不飽和炭化水素基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等の芳香環含有炭化水素基、コレステリル基等の脂環式炭化水素基などを挙げることができるが、特にミリスチル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基が好適である。
【0016】
aは1.0〜2.5、好ましくは1.2〜2.3であり、aが1.0より小さいと油剤との相溶性に劣り安定な乳化物を得がたく、2.5より大きいと親水性に乏しくなるため安定な乳化物を得がたい。bは0.001〜1.5、好ましくは0.05〜1.0であり、bが0.001より小さいと親水性に乏しくなるため安定な乳化物を得がたく、1.5より大きいと親水性が高くなりすぎてやはり安定な乳化物を得がたい。cは0.001〜1.5、好ましくは0.05〜1.0であり、cが0.001より小さいと油剤との相溶性に劣り安定な乳化物を得がたく、1.5より大きいと親水性に乏しくなるため安定な乳化物を得がたい。
【0017】
dは2〜200、好ましくは5〜100の整数、eは0〜200、好ましくは0〜100の整数でかつd+eが3〜200、好ましくは5〜100であり、乳化物を得るのに充分な親水性を付与するにはd/e≧1であることが好ましい。fは0〜50、gは0〜50の整数でかつf+gが1〜50である。f+gが1より小さいと経時安定性に劣り、50より大きいと炭化水素やエステル油等の一般油剤への乳化力が低下し、安定な乳化物が得がたい。
mは0〜5であるが、mが0のときは耐加水分解性に劣る場合があるため、3〜5であることが好ましい。
なお、上記一般式(2)あるいは式(3)のポリオキシアルキレン部分がエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の両方からなる場合には、これら両単位のブロック重合体、ランダム重合体のいずれでもよい。
【0018】
上記一般式(1)のシリコーン化合物は、下記一般式(4)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、下記一般式(5)で示されるポリオキシアルキレン、及び下記一般式(6)で示されるアルキレン化合物とを付加反応させることにより容易に合成することが可能である。
H(b+c)SiO(4−a−b−c)/2 (4)
(2m−1)−O−(CO)(CO)−R (5)
(2m−1)−O−(CO)(CO)−R (6)
[但し、式中Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、Rは水素原子若しくは炭素数1〜5のアルキル基又はR−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数12〜30の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基である。a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。dは2〜200の整数、eは0〜200の整数、且つd+eが3〜200であり、fは0〜50の整数、gは0〜50の整数、且つf+gが1〜50であり、mは0〜5の整数である。]
【0019】
ここで、上記一般式(4)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、付加反応を円滑に進めるためには主として直鎖状であることが好ましい。上記一般式(4)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記一般式(5)のポリオキシアルキレン化合物、及び上記一般式(6)のアルキレン化合物との混合割合は、Si−H基と末端不飽和基のモル比で0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
【0020】
また、上記付加反応は、白金触媒またはロジウム触媒の存在下で行うことが望ましく、具体的には塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が好適に使用される。なお、触媒の使用量は特に白金又はロジウム量で50ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
上記付加反応は、必要に応じて有機溶媒中で行ってもよく、この有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、ベンゼン,トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−へキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が挙げられ、特に化粧品用途としてはエタノール、2−プロパノールが好適である。付加条件としては特に限定されないが、還流下で1〜10時間反応させることが好ましい。
【0021】
本発明におけるシリコーン化合物は、その乳化特性を生かして、化粧料の乳化製剤に使用することができる。化粧料への配合量は特に限定されないが、0.01〜10%の範囲が好ましい。この範囲内であれば、乳化安定性、使用感共により優れた化粧料を得ることができる。
【0022】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、油剤、保湿剤、界面活性剤、粉体、色素、低級アルコール、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。
【0023】
本発明の化粧料としては、乳液、クリーム、美容液、化粧油、リップクリーム、ハンドクリーム、洗顔料などのスキンケア化粧料、ファンデーション、メイクアップ下地、ほほ紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、コンデショナー、整髪料等の毛髪用化粧料などが挙げられ、その剤型は、液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状等の形態を適宜選択することができる。また、本発明の化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて製造されるものであり、その製法は限定されない。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の詳細を、実施例を挙げて、具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
合成例1 イヌリンステアリン酸エステルの合成
イヌリン10.8gにジメチルホルムアミド500gを加え、60℃で攪拌して溶解した。これにピリジン16gを加えて攪拌しながら塩化ステアロイル60.5g滴下し、2時間反応後ピリジン塩を濾別し、ジメチルホルムアミドを留去した。残渣にトルエンを加えて抽出し、ボウ硝にて乾燥後溶媒を留去した。残渣をメタノールで洗浄し、イヌリンステアリン酸エステル55gを得た。この生成物の脂肪酸平均置換度(一単糖単位あたりに付加した脂肪酸の分子数を示す)は、そのケン化価より2.7であった。
【0026】
合成例2 イヌリンステアリン酸エステルの合成
イヌリン16.2gにジメチルホルムアミド200g、ピリジン30gを加え、60℃で攪拌しながら溶解した。これに、攪拌しながら塩化ステアロイル91gを滴下し、5時間反応後、精製水1L中に投入して固形分を析出させた。これを濾別し、残渣をメタノールで洗浄し、イヌリンステアリン酸エステル57gを得た。この生成物の脂肪酸平均置換度は2.8であった。
【0027】
合成例3 加水分解イヌリン(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)エステルの合成
加水分解イヌリン16.2gにジメチルホルムアミド200g、ピリジン30gを加え、60℃で攪拌しながら溶解した。これ塩化パルミトイル30.5gと塩化2−エチルヘキサノイル32.5gを滴下し、5時間反応後、n−ヘキサンで抽出しボウ硝にて乾燥後溶媒を留去した。残渣をメタノールで洗浄し、加水分解イヌリン(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)エステル42gを得た。この生成物の脂肪酸平均置換度は2.5であった。
【0028】
合成例4 イヌリンステアリン酸エステルの合成塩化ステアロイル60gを用いる以外は、合成例と同様の操作を行い、イヌリンステアリン酸エステル45gを得た。この生成物の脂肪酸平均置換度は1.3であった。
【0029】
合成例5 シリコーン化合物1の合成
反応器に下記平均組成式(7)
【0030】
【化1】
Figure 0004792164
【0031】
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン183g、下記平均組成式(8)
CH=CHCHO(CO)H (8)
で示されるポリオキシアルキレン182g、下記平均組成式(9)
CH=CHCHO(CO)1835 (9)
で示されるオレイルアルコール誘導体434g、及びエタノール160gを混合し、これに2%塩化白金酸エタノール溶液を0.1g加え、溶剤の還流下に6時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去後、濾過を行い、下記平均組成式(10)で示されるシリコーン化合物1を得た。
【0032】
【化2】
Figure 0004792164
【0033】
合成例6 シリコーン化合物2の合成
反応器に、上記平均組成式(7)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン183gと、下記平均組成式(11)
CH=C(CH)CHCHO(CO)H (11)
で示されるポリオキシアルキレン241g、下記平均組成式(12)
CH=CHCHO(CO)1429 (12)
で示されるミリスチルアルコール誘導体343g、及びエタノール160gを混合し、これに2%塩化白金酸エタノール溶液を0.1g加え、溶剤の還流下に6時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去後、濾過を行い、下記平均組成式(13)で示されるシリコーン化合物2を得た。
【0034】
【化3】
Figure 0004792164
【0035】
合成例7 シリコーン化合物3の合成
反応器に下記平均組成式(14)、
【0036】
【化4】
Figure 0004792164
【0037】
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン208gと、下記平均組成式(15)
CH=C(CH)CHO(CO)30CH (15)
で示されるポリオキシアルキレン140g、下記平均組成式(16)
CH=CHCHO(CO)20(CO)201837 (16)
で示されるステアリルアルコール誘導体353g、及び2−プロパノール280gを混合し、これに2%塩化白金酸エタノール溶液を0.2g加え、溶剤の還流下に6時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を留去後、濾過を行い、下記平均組成式(17)で示されるシリコーン化合物3を得た。
【0038】
【化5】
Figure 0004792164
【0039】
実施例1〜2及び比較例1〜2:乳液
次の表1に示す各組成の乳液を製造し、その使用感及び使用性、および乳化安定性について下記の方法より評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004792164
【0041】
(製造方法)
A:成分1〜10を加熱しながら均一に混合溶解する。
B:成分11〜16を均一に混合する。
C:AにBを添加しながら乳化後、成分17を加えて乳液を得る。
【0042】
(使用感、使用性の評価方法)
女性20名の専門パネルにより使用テストを行ない、使用時ののびの良さ、べたつきのなさ、後肌のなめらかさ、しっとり感の持続について以下の基準で評価を行ない、その平均点で判定した。
[評価基準]
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
[判定]
◎:平均点4.5以上
○:平均点3.5以上4.5未満
△:平均点2.5以上3.5未満
×:平均点2.5未満
【0043】
(乳化安定性の評価方法)
40℃の恒温槽に3ヶ月保管し、外観の変化(きめ、分離の有無)について以下の基準で評価を行ない、判定した。
[判定]
○:外観いずれも全く変化なし。
△:外観わずかに変化あり。
×:外観に大きな変化あり。
【0044】
表1の結果から明らかなように本発明の乳液は、使用時ののびの良さ、べたつきのなさ、後肌のなめらかさ、しっとり感の持続に優れ、乳化安定性にも非常に優れていた。
【0045】
実施例3〜4及び比較例3〜4:保湿クリーム
表2に示す各組成の保湿クリームを製造し、その使用感及び使用性、及び乳化安定性について前述の評価方法に従って評価した。その結果も併せて表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0004792164
【0047】
(製造方法)
A:成分1〜10を加熱しながら均一に混合溶解する。
B:成分11〜15を均一に混合する。
C:AにBを添加しながら乳化後、成分16を加えて保湿クリームを得る。
【0048】
表2の結果から明らかなように本発明の保湿クリームは、使用時ののびの良さ、べたつきのなさ、後肌のなめらかさ、しっとり感の持続に優れ、乳化安定性にも非常に優れていた。
【0049】
実施例5:乳液
Figure 0004792164
【0050】
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱溶解する。
B:成分7〜8及び10を混合した後、Aを加えて乳化する。
C:Bを冷却し、成分9を加えて乳液を得る。
以上のようにして得られた本発明品の乳液は、使用時のべたつきのなさ、しっとり感、後肌のなめらかさ、しっとり感の持続に優れ、乳化安定性にも非常に優れていた。
【0051】
実施例6:日焼け止め乳液
Figure 0004792164
【0052】
(製造方法)
A:成分1〜5を加えて加温して均一に溶解後、成分8〜9を加え、充分に分散させる。
B:成分6〜7及び成分10〜11を均一に混合溶解する。
C:BにAを加えながら乳化し、成分12を添加して日焼け止め乳液を得た。
以上のようにして得られた本発明品の日焼け止め乳液は、使用時のべたつきのなさ、後肌のなめらかさ、密着感に優れ、おさまりも良く、耐水性があり、しっとり感の持続に優れ、乳化安定性にも非常に優れていた。
【0053】
実施例7:化粧下地
Figure 0004792164
【0054】
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱溶解する。
B:成分8〜13を加熱溶解した後、Aを加えて乳化する。
C:Bに成分14〜15を混合したもの、及び、成分16を加えて化粧下地を得る。
以上のようにして得られた本発明品の化粧下地は、使用時のべたつきのなさ、後肌のなめらかさ、密着感に優れ、おさまりも良く、しっとり感の持続に優れ、乳化安定性にも非常に優れていることがわかった。また、その上に、ファンデーションを塗布した時の仕上がりもきれいであった。
【0055】
実施例8:ヘアクリーム
Figure 0004792164
【0056】
(製造方法)
A:成分1〜5を加熱溶解する。
B:成分6〜10を均一に混合した後、Aに加えて乳化する。
C:Bに成分11を加えてヘアクリームを得る。
以上のようにして得られた本発明品のヘアクリームは、使用時のべたつきのなさ、髪ののなめらかさ、しなやかさに優れ、しっとり感の持続し、乳化安定性にも非常に優れていた。
【0057】
実施例9:リキッドファンデーション
Figure 0004792164
【0058】
(製造方法)
A:成分1〜7を混合して加温溶解し、成分8〜11を均一に分散する。
B:成分12〜13及び15を混合した後、Aに加えて乳化する。
C:Bを冷却し、成分14を加えてリキッドファンデーションを得る。
以上のようにして得られた本発明品のリキッドファンデーションは、使用時のべたつきのなさ、後肌のなめらかさ、密着感に優れ、おさまりも良く、しっとり感の持続に優れ、乳化安定性にも非常に優れていた。
【0059】
【発明の効果】
イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルと特定のシリコーン化合物を含有する乳化化粧料は、イヌリン及び/又は加水分解イヌリンの特徴であるしっとり感や使用感のよさを有しながら、乳化安定性にも優れている。

Claims (2)

  1. 下記成分(B)を乳化剤に用いた乳化化粧料において、下記成分(A)を含有させたことを特徴とする乳化化粧料。
    成分(A):一単糖単位あたりの脂肪酸エステル化度が2.2以上の、イヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルであり、該エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上であるイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステル.
    成分(B):下記一般式(1)で示されるシリコーン化合物。
    SiO(4−a−b−c)/2 (1)
    [但し、式中Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はフッ素置換アルキル基、Rは下記一般式(2)
    −C2m−O−(CO)(CO)−R (2)
    で示される有機基、Rは下記一般式(3)
    −C2m−O−(CO)(CO)−R (3)
    で示される有機基(Rは水素原子、若しくは炭素数1〜5のアルキル基、又は、R−(CO)−で示される有機基、Rは炭素数12〜30の一価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、dは2〜200の整数、eは0〜200の整数、且つd+eが3〜200であり、fは0〜50の整数、gは0〜50の整数、且つf+gが1〜50であり、mは0〜5の整数である。)であり、a、b、cはそれぞれ1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5、0.001≦c≦1.5である。]
  2. 請求項1記載の成分(A)のイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルのアシル基において、総アシル基の60モル%以上が、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、エイコサノイル基、ドコサノイル基から選ばれる一種又は二種以上の組合せであり、残アシル基中に、分岐炭化水素骨格を有するアシル基を含有しているイヌリン及び/又は加水分解イヌリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
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