JP4791605B1 - 椅子カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】実用性に耐え得ると共に、通気性にすぐれ、背凭れ部や座部を清潔に保つことが可能な、和室に適する和風の椅子カバーを提供する。
【解決手段】紙漉により製造された和紙を所定の形状に裁断し、裁断した和紙を組み立てて所定の開口部6を有する和紙製の枠部材2を形成し、更に、枠部材2の所定の開口部6を被覆する様に和紙製のカバー部材3を貼り合わせる。
【選択図】図1

Description

本発明は椅子カバーに関する。詳しくは、椅子を被覆する椅子カバーに係るものである。
椅子の形状や構造に関して、古くから腰にフィットして、座り心地が良く、長時間着席していても疲れない形状の椅子が求められている。そのため、椅子の形状の改良や、椅子に着設するクッション材の改良など、様々な提案がなされている。
一方、椅子の座り心地は、椅子の形状やクッション材のみではなく、椅子の外観にもよるところがあることは経験則として知られており、椅子の外観を良くするための様々なカバーが提案されている。
例えば、特許文献1には、脚部と、この脚部の所定高さ位置に設けられた座と、この座の後部に位置する背もたれとを含む椅子の座または背もたれに着脱可能に設けられたカバーが開示されている。具体的には、座または背もたれの一部を覆う袋状部と、この袋状部の開口位置から二股に分かれて延びる第1及び第2の延長部を備え、各延長部が、それらの外周側が重なり合って座または背もたれの表面をカバーできる大きさに設けられたカバーが開示されている。
また、特許文献2には、使用時に椅子の背当て部と当接する上方クッション部と、使用時に椅子の座部と当接する下方クッション部とが椅子への固定に用いるベルト部で接続されており、上方クッション部と下方クッション部とがベルト部を介して対向する位置に配置されると共に、上方クッション部の上端部及び下方クッション部の下端部に錘体が収納された椅子カバーが開示されている。
ここで、椅子の座り心地が外観によって変化することは上述の通りであるが、外観によって使い心地が変化するものとしては、携帯端末機(携帯電話機、携帯型パソコン、スマートフォン等)も挙げられる。
そのため、例えば、特許文献3では、携帯電話機に貼り付けて使用する装飾用シールが提案されており、こうした装飾用シールによって携帯電話機に高い装飾性を付与している。
特開2002−136400号公報 特開2004−357817号公報 特開2007−22050号公報
しかしながら、従来の椅子カバー及び携帯端末カバーは、洋風の製品が大半であり、和室や和装に合うものが非常に少ないのが現状であった。
なお、和風の椅子カバーや携帯端末カバーが皆無ということではないが、単に和風のデザインを施すのみであったり、芸術品や美術品等の様に実用に耐え得る強度や機能を有していなかったりするのが現状であった。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、実使用に耐え得ると共に、和室や和装にも適する和風の椅子カバーを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の椅子カバーでは、椅子の背もたれ部若しくは座部の少なくともいずれか一方を覆うと共に、所定の開口部を有する枠部材と、該枠部材の前記開口部を被覆する和紙製のカバー部材とを備える。
ここで、枠部材が所定の開口部を有していることによって、背もたれ部や座部とカバー部材との間に一定の空隙を形成することができる。そして、そのことによって、高い通気性を実現し、椅子を長時間利用したとしてもムレを抑止して、背もたれ部や座部を清潔に保つことができる。
また、カバー部材が和紙製であることによって、和風にあう外観を実現することができる。例えば、和室に適する外観を実現することができる。更に、和紙は通気性に優れているために、上述した枠部材が所定の開口部を有していることと相まって、より一層充分に背もたれ部や座部を清潔に保つことが可能となる。
更に、カバー部材の少なくとも一部が、それぞれが枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成された場合には、背もたれ部や座部が汚れたとしても、カバー部材(全体)を交換することなく、最上層の和紙のみを枠部材から分離することで、カバー部材が被覆する領域を清潔な状態とすることができる。
なお、枠部材を和紙で製造した場合には、更に通気性を向上せしめることができ、更に一層充分に背もたれ部や座部を清潔に保つことが可能となる。
また、カバー部材を構成する和紙に香料が含浸された場合には、視覚(外観)のみならず、嗅覚によっても使い心地を向上せしめることが可能となる。
また、枠部材の製造方法としては、紙漉により製造された和紙を所定の形状に裁断し、裁断した和紙を組み立てたり、繊維が入らない所定領域が形成された簀面を用いた紙漉により製造された空洞部を有する形状である和紙を組み立てたりする方法が挙げられる。
なお、後者の製造方法の場合には、裁断で和紙に空洞部分を設ける手間を省くことができ、製造歩留まりの向上が実現する。
ここで、(1)紙漉により製造した複数枚の和紙を重ね合わせた状態で接着し、接着した和紙を所定の形状に裁断したり、(2)繊維が入らない所定領域が形成された簀面を用いて紙漉を行う場合にあっては、所定厚さ以上の和紙を製造したりすることによって、型崩れしない程度の強度を有する枠部材を得ることが可能となる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の携帯端末カバーでは、携帯端末と略同一形状に構成され、更に、同携帯端末に着脱自在に構成されると共に、所定の開口部を有する枠部材と、該枠部材の前記開口部を被覆する和紙製のカバー部材とを備える。
ここで、枠部材が所定の開口部を有していることによって、携帯端末とカバー部材との間に一定の空隙を形成することができる。そして、そのことによって、高い通気性を実現し、携帯端末を長時間利用したとしても利用者の把持領域のムレを抑止して、清潔さを保つことができる。
また、カバー部材が和紙製であることによって、和風にあう外観を実現することができる。例えば、和装に適する外観を実現することができる。更に、和紙は通気性に優れているために、上述した枠部材が所定の開口部を有していることと相まって、より一層充分に清潔さを保つことができる。
更に、カバー部材の少なくとも一部が、それぞれが枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成された場合には、カバー部材が汚れたとしても、カバー部材(全体)を交換することなく、最上層の和紙のみを枠部材から分離することで、カバー部材が被覆する領域を清潔な状態とすることができる。
なお、枠部材を和紙で製造した場合には、更に通気性を向上せしめることができ、更に一層充分に清潔さを保つことができる。
また、枠部材の製造方法としては、紙漉により製造された和紙を所定の形状に裁断し、裁断した和紙を組み立てたり、繊維が入らない所定領域が形成された簀面を用いた紙漉により製造された空洞部を有する形状である和紙を組み立てたりする方法が挙げられる。
なお、後者の製造方法の場合には、裁断で和紙に空洞部分を設ける手間を省くことができ、製造歩留まりの向上が実現する。
ここで、(1)紙漉により製造した複数枚の和紙を重ね合わせた状態で接着し、接着した和紙を所定の形状に裁断したり、(2)繊維が入らない所定領域が形成された簀面を用いて紙漉を行う場合にあっては、所定厚さ以上の和紙を製造したりすることによって、型崩れしない程度の強度を有する枠部材を得ることが可能となる。
また、本発明の携帯端末カバーでは、携帯端末と略同一形状に構成され、更に、同携帯端末に着脱自在に構成されると共に、所定の開口部を有する枠部材と、該枠部材の前記開口部を被覆する布製若しくは不織布製のカバー部材とを備える。
ここで、枠部材が所定の開口部を有していることによって、携帯端末とカバー部材との間に一定の空隙を形成することができる。そして、そのことによって、高い通気性を実現し、携帯端末を長時間利用したとしても利用者の把持領域のムレを抑止して、清潔さを保つことができる。
また、カバー部材が布製若しくは不織布製であることによって、和風にあう外観を実現することができる。例えば、和装に適する外観を実現することができる。
本発明の椅子カバーでは、実使用に耐え得ると共に、和室に適する等和風に合う外観を実現することができる
本発明を適用した椅子カバーの一例を説明するための模式図である。 第1の実施の形態の変形例を説明するための模式図である。 本発明を適用した椅子カバーの他の例を説明するための模式図である。 本発明を適用した携帯端末カバーの一例を説明するための模式図である。 第3の実施の形態の変形例を説明するための模式図である。 本発明を適用した携帯電話機カバーの他の例を説明するための模式図である。 本発明を適用した椅子カバーの製造方法を説明するための模式図(1)である。 本発明を適用した椅子カバーの製造方法を説明するための模式図(2)である。 本発明を適用した椅子カバーの製造方法を説明するための模式図(3)である。 本発明を適用した椅子カバーの製造方法を説明するための模式図(4)である。 本発明を適用した椅子カバーの製造方法を説明するための模式図(5)である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明を適用した椅子カバーの一例を説明するための模式図であり、ここで示す椅子カバー1は、和紙製の枠部材2と和紙製のカバー部材3とから構成されており、枠部材2及びカバー部材3の双方に香料が含浸されている。
なお、図1(a)は椅子本体4のみを図示しており、図1(b)は椅子本体4に枠部材2を取り付けた状態を示しており、図1(c)は枠部材2をカバー部材3で被覆した状態を示している。
枠部材2は、椅子本体4の背もたれ部4aを覆う第1の枠部材2aと、椅子本体4の座部4bを覆う第2の枠部材2bとから構成されている。
また、第1の枠部材2aは背もたれ部4aの全面を覆うのではなく、所定の開口部6を有して構成されている。同様に、第2の枠部材2bは座部4bの全面を覆うのではなく、所定の開口部6を有して構成されている。
ここで、本実施の形態では、第1の枠部材2aが和紙で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、第1の枠部材2aは背もたれ部4aに固着することができれば充分であり、必ずしも和紙で形成される必要はない。但し、第1の枠部材2aが和紙で形成されることによって、より一層高い通気性を実現し、より一層充分に清潔さを担保することができるために、カバー部材3のみならず第1の枠部材2aをも和紙で形成される方が好ましい。
同様に、本実施の形態では、第2の枠部材2bが和紙で形成されている場合を例に挙げて説明を行っているが、第2の枠部材2bは座部4bに固着することができれば充分であり、必ずしも和紙で形成される必要はない。但し、第2の枠部材2bが和紙で形成されることによって、より一層高い通気性を実現し、より一層充分に清潔さを担保することができるために、カバー部材3のみならず第2の枠部材2bをも和紙で形成される方が好ましい。
また、枠部材2に設けられた所定の開口部6を被覆する様に、カバー部材3が枠部材2に貼り合わせてある。なお、本実施の形態では、1枚の和紙で枠部材2の全体を被覆する様な場合を例に挙げて説明を行っているが、枠部材2の開口部6を被覆することができれば充分であり、開口部6毎に和紙を貼り付けても良い。
なお、枠部材2を構成する部材は、複数枚の和紙を重ねて強度を大きく(膜厚を大きく)しており、カバー部材3が一重の和紙から構成されていることを考慮すると、枠部材2の強度(膜厚)はカバー部材3の強度(膜厚)よりも大きいこととなる。このことによって、枠部材2は椅子本体4への強固な固着が実現できることとなる。
本発明を適用した椅子カバー1では、表面に和紙製のカバー部材3が貼り合わせてあるために、和室に適する外観を実現することが可能であり、和室での使い心地を向上することができる。
また、枠部材2に開口部6が形成されており、こうした開口部6が形成されることで、椅子本体4の背もたれ部4aや座部4bとカバー部材3との間に空隙が形成されることとなる。そして、こうした空隙が形成されることによって、通気性が向上し、清潔さが向上することとなる。更に、カバー部材3が和紙性で通気性が高いことも、清潔さを向上する理由となる。
ここで、上記した第1の実施の形態では、椅子本体4の背もたれ部4a及び座部4bの双方にカバーが設けられた場合を例に挙げて説明を行っている。しかしながら、必ずしも椅子本体4の背もたれ部4a及び座部4bの双方にカバーが設けられる必要はなく、図2(a)で示す様に、椅子本体4の背もたれ部4aのみにカバーが設けられても良いし、図2(b)で示す様に、椅子本体4の座部4bのみにカバーが設けられても良い。
<第2の実施の形態>
図3は本発明を適用した椅子カバーの他の例を説明するための模式図であり、ここで示す椅子カバー1は、第1の実施の形態と同様に、和紙製の枠部材2と和紙製のカバー部材3とから構成されており、枠部材2及びカバー部材3の双方に香料が含浸されている。
枠部材2は、椅子本体4の背もたれ部4aを覆う第1の枠部材2aと、椅子本体4の座部4bを覆う第2の枠部材2bとから構成されている点も、第1の実施の形態と同様である。
また、第1の枠部材2aや第2の枠部材2bが背もたれ部4aや座部4bの全面を覆うのではなく、所定の開口部6を有して構成されている点についても、第1の実施の形態と同様である。
更に、枠部材2に設けられた所定の開口部6を被覆する様に、カバー部材3が枠部材2に貼り合わせてある。
ここで、本実施の形態では、カバー部材3は、それぞれが独立している複数枚の和紙を重畳して構成されており、それぞれの和紙は枠部材2と分離可能に結合されている。具体的には、枠部材2とそれぞれの和紙との境界にはミシン目が設けられており、ミシン目によって分離可能に結合されている。
本発明を適用した椅子カバー1では、表面に和紙製のカバー部材3が貼り合わせてあるために、和室に適する外観を実現することが可能であり、和室での使い心地を向上することができる。
また、図3で示す様に、必要に応じてカバー部材3の最上層の和紙8を分離することができるため、カバー部材3の一部のみが汚れた場合には、該当する領域のカバー部材3の最上層の和紙8のみを分離するといった対応が可能となる。
更に、枠部材2に開口部6が形成されており、こうした開口部6が形成されることで、椅子本体4の背もたれ部4aや座部4bとカバー部材3との間に空隙が形成されることとなる。そして、こうした空隙が形成されることによって、通気性が向上し、清潔さが向上することとなる。なお、カバー部材3が和紙製で通気性が高いことも、清潔さを向上する理由となる。
[変形例]
上記した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、4つの脚部が設けられた椅子本体4を例に挙げて説明を行っている。しかしながら、椅子本体4は、必ずしも図示した様なものに限られる必要は無く、いかなる形態であっても良い。例えば、自動車に採用されている様な椅子(シート)や、飛行機に採用されている様な椅子(シート)であっても良い。
<第3の実施の形態>
図4は本発明を適用した携帯端末カバーの一例である携帯電話機カバーを説明するための模式図であり、ここで示す携帯電話機カバー11は、和紙製の枠部材12と和紙製のカバー部材13とから構成されており、枠部材12及びカバー部材13の双方に香料が含浸されている。
なお、図4(a)は携帯電話機本体14のみを図示しており、図4(b)は携帯電話機本体に枠部材12を取り付けた状態を示しており、図4(c)は枠部材12をカバー部材13で被覆した状態を示している。
枠部材12は、携帯電話機本体14の全面を覆うのではなく、所定の開口部16を有して構成されている。
また、枠部材12に設けられた所定の開口部16を被覆する様に、カバー部材13が枠部材12に貼り合わせてある。なお、携帯電話機本体14のディスプレイ部分については、カバー部材13を貼り合わせない様にしている。また、携帯電話機本体14のボタン部分については、カバー部材13を貼り合わせたとしてもボタンの位置が分かる様に、カバー部材13にボタンの図が記載されている。
ここで、本実施の形態では、1枚の和紙で枠部材12の全体を被覆する様な場合を例に挙げて説明を行っているが、枠部材12の開口部16を被覆することができれば充分であり、開口部16毎に和紙を貼り付けても良い。
なお、枠部材12を構成する部材は、複数枚の和紙を重ねて強度を大きく(膜厚を大きく)しており、カバー部材13が一重の和紙から構成されていることを考慮すると、枠部材12の強度(膜厚)はカバー部材13の強度(膜厚)よりも大きいこととなる。このことによって、枠部材12は携帯電話機本体14への強固な固着が実現できることとなる。
本発明を適用した携帯電話機カバー11では、表面に和紙製のカバー部材13が貼り合わせてあるために、和装に適する外観を実現することが可能であり、和装での使い心地を向上することができる。
また、枠部材12に開口部16が形成されており、こうした開口部16が形成されることで、携帯電話機本体14とカバー部材13との間に空隙が形成されることとなる。そして、こうした空隙が形成されることによって、通気性が向上し、清潔さが向上することとなる。更に、カバー部材13が和紙製で通気性が高いことも、清潔さを向上する理由となる。
ここで、上記した第3の実施の形態では、携帯電話機本体14のディスプレイ部分以外の領域がカバー部材13で被覆された場合を例に挙げて説明を行っている。しかしながら、必ずしもディスプレイ部分以外の領域を被覆する必要はなく、例えば、ボタン部分についても被覆しない様にしても良い(図5(a)参照)。また、例えば、スマートフォンの様に、ディスプレイに直接タッチすることで操作を行う方式を採用している携帯端末機に本発明を適用することもできる(図5(b)参照)。
<第4の実施の形態>
図6は本発明を適用した携帯電話機カバーの他の例を説明するための模式図であり、ここで示す携帯電話機カバー11は、第3の実施の形態と同様に、和紙製の枠部材12と和紙製のカバー部材13とから構成されており、枠部材12及びカバー部材13の双方に香料が含浸されている。
枠部材12は、携帯電話機本体14の全面を覆うのではなく、所定の開口部16を有して構成されている点についても、第3の実施の形態と同様である。
更に、枠部材12に設けられた所定の開口部16を被覆する様に、カバー部材13が枠部材12に貼り合わせてある。
ここで、本実施の形態では、カバー部材13は、それぞれが独立している複数枚の和紙を重畳して構成されており、それぞれの和紙は枠部材12と分離可能に結合されている。具体的には、枠部材12とそれぞれの和紙との境界にはミシン目が設けられており、ミシン目によって分離可能に結合されている。
本発明を適用した携帯電話機カバー11では、表面に和紙製のカバー部材13が貼り合わせてあるために、和装に適する外観を実現することが可能であり、和装での使い心地を向上することができる。
また、図6で示す様に、必要に応じてカバー部材13の最上層の和紙18を分離することができるために、カバー部材13の一部のみが汚れた場合には、該当する領域のカバー部材13の最上層の和紙18のみを分離するといった対応が可能となる。
更に、枠部材12に開口部16が形成されており、こうした開口部16が形成されることで、携帯電話機本体14とカバー部材13との間に空隙が形成されることとなる。そして、こうした空隙が形成されることによって、通気性が向上し、清潔さが向上することとなる。なお、カバー部材13が和紙製で通気性が高いことも、清潔さを向上する理由となる。
[変形例]
上記した第3の実施の形態及び第4の実施の形態では、枠部材12やカバー部材13が和紙で形成された場合を例に挙げて説明を行っている。しかしながら、和装に適する外観を実現することができれば充分であり、枠部材12やカバー部材13は、布製や不織布製であっても構わない。なお、カバー部材13を布や不織布で形成した場合に、枠部材12についても布や不織布で形成しても良いし、それ以外の材料で形成しても良い。
<製造方法>
以下、本発明を適用した椅子カバー1の製造方法について説明を行う。なお、本発明を適用した携帯電話機カバー11の製造方法についても同様である。
[製造方法1]
本発明を適用した椅子カバー1を製造する場合には、先ず、図7(イ)に示す様に、紙漉によって得られる所定の大きさの和紙21に裁断線23を記入する。具体的には、開口部22を設けるべき領域に四角形状の裁断線23を記入する。
次に、この裁断線に沿ってハサミ等で和紙21を裁断し、開口部22が開口された枠部材24を形成する(図7(イ)参照)。
なお、椅子カバーの種類に応じて、より具体的には、椅子カバーに求められる強度に応じて、複数枚の和紙21を貼り合わせた後に裁断して、所定の厚さ(即ち、所定の強度)を有する枠部材24を形成しても良い。
続いて、図8(イ)で示す様に、枠部材24の開口部22を覆う様に、紙漉で得られた和紙製のカバー部材25を貼り合わせることで、椅子カバー1を得ることができる。
なお、カバー部材25を貼り合わせる際に使用する糊として、米を主体としたものを使用することで、和紙同士(和紙製の枠部材24と和紙製のカバー部材25)を自然な状態で接着することが可能となる。例えば、米をおかゆ風に炊き込み、この炊きあげた米に和紙を粉にした物を加えてスリコギ等で米粒をつぶしながら混ぜ合わせて糊状としたものを使用することが考えられる。
ここで、本製造方法では、枠部材24に単一の開口部22が形成された場合を例に挙げて説明を行っているが、枠部材24に形成する開口部22は複数であっても良い。
例えば、図7(ロ)で示す様に、紙漉で得られる所定の大きさの和紙21に開口部22を設けるべき4箇所の領域に裁断線23を記入した上で、裁断線23に沿ってハサミ等で和紙21を裁断し、複数の開口部22が開口された枠部材24としても良い。なお、こうした枠部材24の開口部22を覆う様に、紙漉で得られた和紙製のカバー部材25を貼り合わせることで、図8(ロ)で示す様な椅子カバー1を得ることができる。
また、本製造方法では、カバー部材25を枠部材24の全面に貼り合わせる場合を例に挙げて説明を行っているが、必ずしもカバー部材25を枠部材24の全面に貼り合わせる必要は無い。
例えば、図9で示す様に、紙漉で得られる所定の大きさの和紙21の一部分に開口部22が開口された枠部材24の場合には、この開口部22を覆う様に、開口部22の領域のみに、紙漉で得られた和紙製のカバー部材25を貼り合わせても良い。
なお、紙漉により和紙を作成する段階の液状の和紙原料である繊維や竹材の繊維等に、木材の切り粉やワラ材を小さくきざんで混ぜ合わせることもできる。
[製造方法2]
本発明を適用した椅子カバー1の他の製造方法では、先ず、図10(イ)で示す様な簀面28を用いた紙漉を行う。
ここで、紙漉の段階で開口部22となる領域に空洞を形成すべく、簀面28上に繊維が入らない所定区域29を設けている。具体的には、所定区域29に囲い棒(図示せず)を設けたり、プラスチック製の囲い箱(図示せず)を設けたりすることで、簀面28上に繊維が入った液が浸入できない様にしている。また、粘土を所定形状に形成し、これをピロ包装紙で包み込んで簀面28上に配置することによっても、繊維が入らない所定区域29を形成することができる。
なお、図10(イ)に示す様な簀面28を用いた紙漉を行うことで、図7(イ)で示す様な、所定の大きさの和紙21に開口部22が設けられた枠部材24を得ることができる。
ここで、椅子カバーの種類に応じて、より具体的には、椅子カバーに求められる強度に応じて、紙漉の段階で所定の厚さ(即ち、所定の強度)を有する和紙を製造し、求められる強度(例えば、枠部材24として型崩れしない程度の強度)を有する様にしても良い。また、強度を担保するために、厚紙等からなる芯材に和紙を貼り付けて枠部材24を形成しても良い。
次に、枠部材24の開口部22を覆う様に、紙漉で得られた和紙製のカバー部材25を貼り合わせることで、椅子カバー1を得ることができる(図8(イ)参照)。
なお、カバー部材25を貼り合わせる際に、米を主体とした糊を使用することで、和紙同士を自然な状態で接着することが可能な点については、上記した製造方法1と同様である。
また、枠部材24に形成する開口部22が複数であっても良い点についても、上記した製造方法1と同様であり、この場合には、図10(ロ)に示す様な簀面28を用いた紙漉を行うことで、図7(ロ)で示す様な、所定の大きさの和紙21に複数の開口部22が設けられた枠部材24を形成することとなる。
[製造方法3]
上記した製造方法1及び製造方法2では、平板状(平面状)の椅子カバーを例に挙げて説明を行っている。しかし、椅子カバーは必ずしも平板状(平面状)である必要はなく、曲板状(曲面状)に構成されていても良い。
ここで、曲板状(曲面状)の椅子カバーは、紙漉で平板状(平面状)の和紙を得た後に、平板状(平面状)の和紙を立体的に貼り合わせて曲板状(曲面状)の枠部材24を形成し、更には、曲板状(曲面状)の枠部材24の開口部22にカバー部材25を貼り合わせることで製造することができる。なお、この場合に、カバー部材25は平板状(平面状)であったとしても、和紙の柔軟性を利用することで、曲板状(曲面状)の枠部材24に貼り合わせることが可能である。
また、曲板状(曲面状)の椅子カバーは、紙漉で曲板状(曲面状)の和紙を得た後に、曲板状(曲面状)の和紙を貼り合わせて曲板状(曲面状)の枠部材24を形成し、更には、曲板状(曲面状)の枠部材24の開口部22にカバー部材25を貼り合わせることで製造することもできる。
なお、紙漉で曲板状(曲面状)の和紙を得る場合には、曲板状(曲面状)の簀面を使用することが考えられる。具体的には、図11(a)で示す様に、曲板状(曲面状)の簀面30を使用することが考えられる。
この場合に、簀面の持ち手部分の長さや角度を左右で異ならせることで、紙漉の作業効率が向上し、紙漉による曲板状(曲面状)の和紙の形成がより容易化できる。具体的には、図11(a)で示す様に、一端が簀面30に取り付けられると共に他端が把持部32に取り付けられた連結部材31が伸縮自在に構成されることによって、簀面30の把持部32の長さや角度を左右で異ならせることができ、上述の通り、紙漉の作業効率が向上し、図11(b)で示す様な、紙漉による曲板状(曲面状)の和紙33の形成がより容易化できることとなる。
1 椅子カバー
2 枠部材
2a 第1の枠部材
2b 第2の枠部材
3 カバー部材
4 椅子本体
4a 背もたれ部
4b 座部
6 開口部
8 和紙
11 携帯電話機カバー
12 枠部材
13 カバー部材
14 携帯電話機本体
16 開口部
18 和紙
21 和紙
22 開口部
23 裁断線
24 枠部材
25 カバー部材
28 簀面
29 所定区域
30 簀面
31 連結部材
32 把持部
33 和紙

Claims (6)

  1. 椅子の背もたれ部若しくは座部の少なくともいずれか一方を覆うと共に、所定の開口部を有する枠部材と、
    該枠部材の前記開口部を被覆する和紙製のカバー部材とを備え
    前記カバー部材の少なくとも一部は、それぞれが前記枠部材と分離可能に結合された複数の和紙を重畳して構成されている
    椅子カバー。
  2. 前記カバー部材は、香料を含浸して構成されている
    請求項1に記載の椅子カバー。
  3. 前記枠部材は和紙製である
    請求項1または請求項2に記載の椅子カバー。
  4. 前記枠部材は、紙漉により製造された和紙を所定の形状に裁断し、裁断した和紙を組み立てて形成された
    請求項1、請求項2または請求項3に記載の椅子カバー。
  5. 前記枠部材は、繊維が入らない所定領域が形成された簀面を用いた紙漉により製造された空洞部を有する形状である和紙を組み立てて形成された
    請求項1、請求項2または請求項3に記載の椅子カバー。
  6. 前記枠部材は、前記カバー部材よりも膜厚が大きく高強度である
    請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の椅子カバー。
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