JP4790301B2 - 建物の換気装置 - Google Patents
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Description
これによって、熱滞留部材で熱を滞留させて発泡材の周辺温度を高めることができ、火との距離がまだあるうちに発泡を開始させることができる。そして、火がすぐ傍まで来た時には通気路を完全に塞ぎきってしまうことができる。この結果、火が通気路から屋内に侵入するのを確実に阻止することができる。
熱滞留部材の通気許容度を調節することによって、発泡材の発泡速度を増減させることができる。
ここで、発泡材は、不燃性を有している必要がある。
網目の大きさや数によって屋内連通口の開口度を調節でき、これによって発泡材の発泡速度を増減させることができる。
前記網状体は、例えば金網やパンチングメタル等にて構成するとよい。金網は、針金などの金属線を編んで形成される。
パンチングメタルは、金属板に孔加工を施すことによって形成される。このパンチングメタルの孔の大きさや単位面積当たりの数を調節することによって、屋内連通口の開口度を調節でき、発泡材の発泡速度を増減させることができる。
この場合、通気路の流路断面の上側部分が塞がれ、下側部分が、塞がれずに残されるのが好ましい。すなわち、前記熱滞留部材が、板状をなして前記通気路の上側部分を塞ぎ、この熱滞留部材より下側に前記通気路の屋内との連通口が形成されているのが好ましい。これによって、熱が通気路内に一層こもりやすくなり、発泡材の発泡開始をより早めることができ、火がやって来る前に通気口を一層確実に塞ぎきることができる。
板状熱滞留部材の大きさによって屋内連通口の開口度を調節でき、これによって発泡材の発泡速度を増減させることができる。
通気路を有する装置本体と、
この装置本体に設けられ、前記通気路の屋外との連通口を画成する屋外連通口画成部と、
この屋外連通口画成部より屋内側の装置本体に、温度ヒューズを介し、通気を妨げないように設けられる一方、加熱による前記温度ヒューズの溶断により前記通気路を塞ぐ防火位置に変位可能な防火ダンパーと、
前記屋外連通口画成部と防火ダンパーの少なくとも一方に配置され、加熱により前記屋外連通口画成部と前記防火位置の防火ダンパーとの間の隙間を閉塞するように発泡する発泡材と、
を備えたことを特許請求しない他の特徴とする。
これによって、防火位置の防火ダンパーが熱滞留部材として機能し、発泡材の発泡開始を促すことができる。そして、火がすぐ傍まで来た時には通気路としての前記隙間を完全に塞ぎきってしまうことができる。この結果、火が隙間から屋内に侵入するのを確実に阻止することができる。
これによって、換気ガラリが火災の熱で変形して外周の一部分と外壁が離間しても、前記他の発泡材が発泡することによってガラリ外周と外壁の間の隙間を埋めることができる。これによって、換気ガラリの外周からの炎の侵入を塞ぐことができる。
図1において、符号1は、建物の外壁である。外壁1には、屋内と屋外を連ねる開口1aが形成されている。この開口1aに換気装置として換気ガラリ10が設けられている。
ガラリ本体11は、枠状をなし、建物外壁1の開口1aにはめ込まれている。ガラリ本体11の周縁には鍔部11fが設けられており、この鍔部11fが外壁1に固定されている。
各通気穴11aの下縁から上記羽根12が屋内側へ向けて斜め上に延びている。羽根12は、左右に延びるとともに、その下縁部が、ガラリ本体11に一体に連なっている。
ガラリ本体11の通気穴11aの上縁及び左右両縁と羽根12によって、通気路10aの屋外との連通口10bが画成されている。ガラリ本体11の屋外側の板部19と羽根12とは、互いに協働して「屋外連通口画成部」を構成している。
熱滞留部材30の網目30aは、通気路10aの屋内との連通口を構成している。
取り付ける網状熱滞留部材30の網目30aの大きさや数を調節することによって、発泡材20の発泡速度を増減させることができる。網状熱滞留部材30がパンチングメタルの場合、孔加工時に孔の大きさや数を容易に調節でき、ひいては発泡速度を容易に調節できる。
図4及び図5に示す換気ガラリ10では、網状の熱滞留部材30に代えて平板状の熱滞留部材40が用いられている。平板状の熱滞留部材40は、アルミやステンレス等の金属にて構成されている。この熱滞留部材40が、ガラリ本体11の屋内側の開口に垂設されて通気路10aの流路断面の上側の半分以上の部分を塞いでおり、その下端部は、ガラリ本体11の屋内側の開口の中途部に位置されている。これによって、熱滞留部材40より下側の、熱滞留部材40にて塞がれずに残された部分に、通気路10aの屋内との連通口10cが形成されている。ひいては、平常時の通気が十分に確保されている。
取り付ける板状熱滞留部材40の大きさを調節することによって屋内連通口10cの開口度を調節でき、これによって発泡材20の発泡速度を増減させることができる。
これによって、換気ガラリ10が火災の熱で変形して鍔部11fの一部分と外壁1が離間しても、発泡材60が発泡することによって鍔部11fと外壁1の間の隙間を埋めることができる。これによって、換気ガラリ10の外周からの炎の侵入を塞ぐことができる。
例えば、発泡材20は、ガラリ本体11の通気路を形成する内周面に設けてもよく、熱滞留部材30,40の屋外側の面に設けてもよい。また、防火ダンパー付き換気ガラリ10Xにおいては、ガラリ本体11の屋外側板部19と防火ダンパー50の何れか一方にだけ発泡材を設けることにし、他方には設けないことにしてもよい。
図4及び図5の実施形態において、板状の熱滞留部材40は、ガラリ本体11の通気路10aの流路断面の上側部分を塞いでいるのが望ましいが、必ずしも上側部分だけに限られない。例えば、板状の熱滞留部材40を、ガラリ本体11の屋内側の開口の下側部分に設け、この熱滞留部材40より上側部分が、屋内との連通口10cとなるようにしてもよい。
本発明の発泡材20を含む換気ガラリ10,10Xの屋外側に別途の換気ガラリを配置し、二重構造にしてもよい。換気ガラリ10,10Xと前記別途の換気ガラリとは、互いに分離可能であることが好ましい。
1a 開口
10 換気ガラリ(換気装置)
10X 換気ガラリ(換気装置)
10a 通気路
10b 通気路の屋外連通口
10c 通気路の屋内連通口
10d 隙間(通気路の屋外連通口)
11 ガラリ本体(装置本体)
19 ガラリ本体の屋外側板部(屋外連通口画成部)
12 羽根(屋外連通口画成部)
20 発泡材
30 網状の熱滞留部材
30a 網目(通気路の屋内連通口)
40 板状の熱滞留部材
50 防火ダンパー(熱滞留部材)
60 他の発泡材
Claims (7)
- 建物の外壁の屋内と屋外を連ねる開口に設けられる換気装置であって、
通気路を有して前記外壁の前記開口にはめ込まれる装置本体と、
この装置本体に設けられ、前記通気路の屋外との連通口を画成する傾斜した羽根と、
前記羽根の屋外を向く斜面に配置され、加熱により前記通気路を閉塞するように発泡する発泡材と、
前記羽根より屋内側の装置本体に設けられ、通気を許容しつつ前記羽根の前記発泡材が配置された側の裏側の斜面と自身との間の空間に熱を滞留させる熱滞留部材と、
を備え、前記熱滞留部材が、放射熱を反射する金属にて構成され、かつ前記羽根に直接的に面していることを特徴とする建物の換気装置。 - 前記熱滞留部材が、多数の網目を有する網状体にて構成され、前記網目が、前記通気路の屋内との連通口を構成していることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
- 前記網状体が、金網であることを特徴とする請求項2に記載の換気装置。
- 前記網状体が、パンチングメタルであることを特徴とする請求項2に記載の換気装置。
- 前記熱滞留部材が、板状をなし、
前記通気路の流路断面の一部分が、この板状の熱滞留部材にて塞がれるとともに、この熱滞留部材にて塞がれることなく残された部分が、前記通気路の屋内との連通口になっていることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。 - 前記熱滞留部材が、板状をなして前記通気路の上側部分を塞ぎ、この熱滞留部材より下側に前記通気路の屋内との連通口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
- 前記装置本体の外周と前記建物の外壁との間に他の発泡材を挟んだことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の換気装置。
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