JP3789010B2 - 棟の防火換気構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は棟の防火換気構造に係り、特に火災時に左右の棟部より突設した二つのフレームより形成される換気用空気通路を遮断させることによって、屋内或いは屋外からの火炎の通過を防止して火災を遮断することが出来る棟の防火換気構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の棟の換気を目的とした換気構造の公知技術としては、例えば実開昭62ー71209号公報(第1公知技術)、特開昭62ー146348号公報(第2公知技術)及び特開平3ー36354号公報(第3公知技術)が知られている。
【0003】
前記第1公知技術は、防水パッキンを換気用開口の棟長手方向に添って両側の屋根面に配して防水をすると共に、上水切板と下水切板との棟軒方向の端部に排水用間隙を形成した換気棟に関する技術である。
【0004】
また、第2公知技術は、複数の通気口が穿設された固定開閉板と摺動開閉板とを摺動自在に積層し、かつこれ等を固定開閉板と摺動開閉板との間に形状記憶合金を介在せしめ、冬季或いは夏季等に於いて外気或いは屋内側の温度が上昇したり、或いは下がったりした場合に、前記形状記憶合金の作用で温度変化に対応して摺動開閉板を自動的に摺動し、これによってこれ等の開閉板に設けられた通気口を合致させて開いたり、或いは閉じたりして棟の換気を自動的に調節することが出来るようにした換気装置である。
【0005】
更に、第3公知技術は、棟の換気通路に風止め板、雨止め板、形状記憶合金の変形によって作動する閉塞板等を所定の間隔を保って予め吊下げておき、強風の時或いは外気の温度が低くなった時に、これ等の風止め板等が棟の換気通路を閉鎖するようにした換気装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、前述の第1公知技術乃至第3公知技術は、いずれも火災等が発生して急激な温度が上昇した際に、換気通路を完全に閉鎖し、屋内或いは屋外からの火炎、熱風、有害ガス等がこの換気通路に侵入することを防止し得る構造ではなく、火災時には役に立たない問題があった。
【0007】
本発明に係る防火換気構造は、前述の従来の問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、特に左右の棟部によって形成される換気用開口の中に第1フレームと第2フレームとで屋内及び屋外に通じる換気用空気通路を形成し、かつこの換気用空気通路内に熱によって膨張する不燃性体積膨張材を内蔵させ、火災が発生した際に、この不燃性体積膨張材が換気用空気通路を完全に閉鎖し、これによって火災が換気用空気通路に侵入することを防止するようにした防火換気構造の技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る棟の防火換気構造は、前述の従来の問題点を根本的に改善する技術であって、その発明の要旨は、左右の棟部よりなる建物の屋根の頂部に屋根裏の換気をすることが出来る換気棟を設けてなり、前記左右の棟部によって形成される換気用開口に向かって一方の棟部より第1のフレームを突設し、かつ他方の棟部より第2のフレームを突設して、該二つのフレームによって両者間に屋内及び屋外に通じる換気用空気通路を形成し、更に該換気用空気通路内に熱によって膨張する不燃性体積膨張材を内蔵させて構成したことを特徴とした棟の防火換気構造である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る棟の防火換気構造の一実施例を具体的に説明すると、図1は本発明に係る防火換気構造の要部を示す縦断面説明図、図2(A)は棟の換気構造の端部がエンドキャップで閉鎖された状態の断面図、図2(B)は火災時の状態を示す縦断面説明図、図3は他例の換気構造の要部を示す縦断面図、図4は和風屋根の換気構造の要部を示す縦断面図である。
【0010】
図1に於いて、1は建物の屋根であって、その屋根1の頂部には換気棟2が設けられている。左右の棟部3の間には小屋裏4から前記換気棟2に通ずる巾広の換気用開口5が形成されている。更に左右の棟部3から換気用開口5に向かって下部フレーム6と上部フレーム7とが突設されている。
【0011】
前記下部フレーム6の先端部6aは下方に垂直に折曲がって、かつこの先端部6aに続く中間部分6bは水平に形成されている。前記上部フレーム7はその先端部7aが上方に折曲がって形成され、かつこの先端部7aに続く中間部分7bが水平に形成されている。
【0012】
また、下部フレーム6の水平な中間部分6bと上部フレーム7の水平な中間部分7bとの間には所定の間隙が設けられており、この隙間が屋内及び屋外に通じる換気用空気通路8となっている。
【0013】
更に、図2(A)に示す如く、前述のように構成された棟の換気構造に於ける空気通路8の両端部は、夫々エンドキャップ9によって完全に閉鎖されている。従って、棟の換気構造の両端からは、従来のような換気をすることが出来ないように構成されている。
【0014】
前述のように下部フレーム6と上部フレーム7とで形成される換気用空気通路8には、熱によって膨張する不燃性体積膨張材10が固着されており、火災時等に通過熱風温度が一定の温度になると、この不燃性体積膨張材10が約10倍に膨張して、換気用空気通路8を完全に閉鎖することが出来るように構成されている。
【0015】
上記実施例に使用される不燃性体積膨張材10は、一般的に不燃性体積膨張材として使用されている膨張性グラファイト系の防炎、防煙用シールであって、通過熱風温度が150〜170℃で約10倍に膨張する性質を有している。この不燃性体積膨張材10としては、例えば、オーストリアケミー・リンツ社製の「インツメックス」や、特開昭63ー132968号公報(発明の名称防火組成物)、同平3ー235号公報(発明の名称防火・耐火被覆マット)等に示す商品や技術が使用される。また、この不燃性体積膨張材10は加熱温度が850℃になっても、燃焼或いは溶解しない性質を有している。
【0016】
従って、建物の内外で火災が発生して、約150℃以上の熱風が前記換気用空気通路8に浸入し始めると、不燃性体積膨張材10が膨張を開始、短時間に図2(B)に示す如く、膨張した不燃性体積膨張材10が換気用空気通路8を完全に閉鎖するので、これによって熱風及び火災が換気用空気通路8を通過して、小屋裏4に侵入したり、或いは逆に小屋裏4側から屋外方向に侵入したりすることを防止出来る。
【0017】
上記実施例に於いては、左右の棟部3の間に形成される換気用開口5に下部フレーム6と上部フレーム7とを夫々所定の間隙を保って上下方向に配置するとによって換気用空気通路8を形成したが、図3に示す如く、換気用開口5の両側に夫々左側フレーム11と右側フレーム12とを所定の間隙を保って左右方向に配置することによっても、換気用空気通路13を形成することが出来る。この場合にも換気用空気通路13内に不燃性体積膨張材10が固着されており、火災時にはこの不燃性体積膨張材10によって換気用空気通路13を閉鎖し得るように構成されている。
【0018】
前述の構造は平板瓦を葺いた洋風屋根について説明したが、図4に示すような和瓦を葺いた和風屋根に於いても本発明を使用することが出来る。即ち、小屋裏4の頂部の棟部3に隙間を設けて換気用開口5とし、その上部に垂直立上がり部11a,12aとこれに段差を持って連設される垂直隔板部11b,12bを夫々有する左側フレーム11と右側フレーム12とよりなる棟換気金物14が取付けられている。
【0019】
また、このように構成された左側フレーム11と右側フレーム12との間に形成される換気用空気通路13の一方の壁面には、不燃性体積膨張体10が取付けられている。図中15は棟換気金物14の外側に充填された南蛮土、16aは換気面戸瓦、16bは換気のし瓦、17は補強材、18はのし瓦、19は丸瓦、20は瓦釘、21は和風用換気棟、22は棟木、23は垂木である。
【0020】
【発明の効果】
本発明に係る棟の防火換気構造は、上述の構造と作用とを有するので、次のような多大な効果を有している。
【0021】
(1)棟の換気構造内に棟部から突設した二つのフレームによって屋内及び屋外に通じる換気用空気通路を形成すると共に、この換気用空気通路内に熱によって膨張する不燃性体積膨張材を固着したので、火災が発生した際には、不燃性体積膨張材が膨張して換気用空気通路を完全に閉鎖することが出来る。(2)従って、火災が発生した際に火炎や熱風がこの換気用空気通路を通って、屋外側或いは屋内側に放出或いは侵入することを防止出来る。
【0022】
(3)全体の構造が極めて簡単であるので、前述の従来の公知技術のものと比較して、構造が単純で製作及び現場での取付構成が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る防火換気構造の要部を示す縦断面説明図である。
【図2】 図2(A)は棟の換気構造の端部がエンドキャップで閉鎖された状態の断面図、図2(B)は火災の状態を示す縦断面説明図である。
【図3】 他例の防火換気構造の要部を示す縦断面説明図である。
【図4】 和風屋根の換気構造の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…屋根
2…換気棟
3…棟部
4…小屋裏
5…換気用開口
6…下部フレーム
7…上部フレーム
6a,7a…先端部
6b,7b…中間部分
8…換気用空気通路
9…エンドキャップ
10…不燃性体積膨張材
11…左側フレーム
12…右側フレーム
13…換気用空気通路
14…棟換気金物
15…南蛮土
16a…換気面戸瓦
16b…換気のし瓦
17…補強材
18…のし瓦
19…丸瓦
20…瓦釘
21…和瓦用換気棟
22…棟木
23…垂木
Claims (1)
- 左右の棟部よりなる建物の屋根の頂部に屋根裏の換気をすることが出来る換気棟を設けてなり、前記左右の棟部によって形成される換気用開口に向かって一方の棟部より第1のフレームを突設し、かつ他方の棟部より第2のフレームを突設して、該二つのフレームによって両者間に屋内及び屋外に通じる換気用空気通路を形成し、更に該換気用空気通路内に熱によって膨張する不燃性体積膨張材を内蔵させて構成したことを特徴とした棟の防火換気構造。
Priority Applications (1)
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JP23890296A JP3789010B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 棟の防火換気構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23890296A JP3789010B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 棟の防火換気構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1080499A JPH1080499A (ja) | 1998-03-31 |
JP3789010B2 true JP3789010B2 (ja) | 2006-06-21 |
Family
ID=17036975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23890296A Expired - Lifetime JP3789010B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 棟の防火換気構造 |
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JP (1) | JP3789010B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-09-10 JP JP23890296A patent/JP3789010B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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