JP3003709U - 防火戸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防火性および断熱性を兼ね備え得る防火戸を
提供する。 【構成】 骨組２ａの外側面に鋼板２ｂを装着してなる
ドア本体２の中空部２ｅに芯材３を充填する防火戸を構
成する場合において、前記芯材３を不燃性断熱材により
形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ホテルやマンション等の建物内における防火区画に使用される防火 戸に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ビルディングの防火区画においては、建築基準法に基づいて出入口に防火戸を 設置することが義務づけられている。この防火戸には、甲種と乙種とがあり、甲 種防火戸は６０分間（最高温度９２５℃）、乙種防火戸は２０分間（最高温度７ ９５℃）加熱しても、火炎が貫通せず扉としての機能を失わないことが要求され る。 したがって、防火戸は高熱に耐えるために、鋼鉄製骨組の外側面に鋼板を装着 してドア本体を形成するのが一般である。そして、このドア本体の中空部には、 不燃性を有する芯材を充填するようになっている。この芯材としては、水酸化ア ルミ無機シートコア等の不燃性の材料が用いられ、火災の発生時に燃焼を少なく し、火炎の貫通を遮断して延焼等の発生を防止するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来の防火戸に充填された芯材は、不燃性を有しているものの 断熱性はないことから、建物内外の熱遮断効果が低いものである。このため夏期 の冷房時や冬期の暖房時には負荷が増して冷暖房のエネルギー消費量が大になる という難点があった。

【０００４】 そこで、断熱性を有する材料を芯材に採用することが考えられるが、例えば、 断熱ドアに用いられるポリウレタンフォーム等の断熱材は、可燃性であるため、 火災時の高熱で燃焼するうえ、有毒ガスも発生することから防火戸には使用する ことができない。よって、防火戸に可燃物により高い断熱性をもたせることは不 可能であった。 本考案は、上記課題に鑑みてなされたもので、防火性および断熱性を兼ね備え ることのできる防火戸を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、上記目的を達成するため、骨組の外側面に鋼板を装着して なるドア本体の中空部に芯材を充填する防火戸において、前記芯材を不燃性断熱 材により形成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

上記防火戸においては、ドア本体の芯材が不燃性および断熱性を兼ね備えてい るので、火災時にドア本体が火炎による高熱を受けたとき、芯材が燃焼すること なく、防火戸の原形を保って火炎の貫通を遮断する。 また、芯材が断熱性を有しているので、ドア本体の一側面から他側面への熱伝 達を抑制し、建物内外の伝熱を遮断することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について、図を参照しながら説明する。 図１は本考案に係る防火戸の横断面図、図２は防火戸およびドア枠を示す斜視 図である。 この防火戸１は、ドア本体２の閉成時に火煙の流通を遮断するもので、ドア枠 ５に対しドア本体２が開閉自在に取り付けられ、主にホテルやマンション等にお ける防火区画の出入口に設置される構成となっている。

【０００８】 ドア本体２は、断面略コ字状で鋼鉄からなる枠部材相互を接合して矩形状の骨 組２ａを形成している。そして、この骨組２ａの外側面に化粧鋼板２ｂを装着し 、この化粧鋼板２ｂの各端縁２ｃを折曲して骨組２ａに嵌着している。また、骨 組２ａの外端面には、矩形状部材２ｄが嵌合されている。 このドア本体２は、化粧鋼板２ｂの装着により形成される中空部２ｅに、不燃 性および断熱性を兼ね備えた芯材３を充填している。この芯材３として水酸化ア ルミ無機シートコア等が用いられる。また、不燃性を有する多孔質組織の素材も 使用される。

【０００９】 これらの素材は、適当な比率で組合わせ混合し、ガラス質ボンド等により接着 成形した後、芯材３として前記中空部２ｅ内に隙間なく充填する。これにより、 芯材３の強度が増して、ドア本体２の強度も高められるものである。 このドア本体２は、図２に示すように、一側部２ｆが蝶番４によりドア枠５の 縦枠５ａに開閉自在に取り付けられている。このドア枠５は、ドア本体２の開閉 側である室内側ＩＮと室外側ＯＵＴとに段差５ｂを設けており、ドア本体２の閉 成状態で室内外の火炎、空気の流通を遮断可能としている。

【００１０】 しかして、上記防火戸１は、火災の発生によりドア本体２が高熱を受けたとき 、火炎の貫通を遮断することができる。つまり、ドア本体２の芯材３が不燃性お よび断熱性を兼ね備えているので、高熱によって芯材３が少し燃焼することなく 、防火戸１を閉成した状態でドア本体２の原形を維持することができる。よって 、延焼等の発生が防止される。 また、ドア本体２の芯材３が断熱性を有しているので、この防火戸１を設けた 建物内外の熱伝達が遮断される。すなわち、この芯材３を構成する断熱材料は、 小さな独立気泡を有していることから、中空部２ｂ内における空気の対流を抑制 する。

【００１１】 よって、ドア本体１の一側面から他側面へ熱を容易に伝えないので、火災に遭 遇しない通常の使用時においては、断熱ドアの作用を有している。このため、前 記防火戸１を設けた建物内外の熱伝達が抑制されて、夏期の冷房時や冬期の暖房 時には負荷が減じられるから、冷暖房のエネルギー消費量を大幅に軽減すること ができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、ドア本体の芯材が不燃性および断熱性を兼ね備 えているから、火災時に高熱を受けても防火戸の原形を保ち、火炎の貫通を遮断 して延焼を防止することができる。また、このドア本体の一側面から他側面への 熱伝達を抑制し、建物内外の伝熱を遮断し得るから、夏期の冷房時や冬期の暖房 時には負荷が減じられ、冷暖房のエネルギー消費量を大幅に軽減することができ る効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る防火戸を示す横断面図
である。

【図２】防火戸をドア枠に取り付けた状態を示す斜視図
である。

【符号の説明】

２ ドア本体 ２ａ 骨組 ２ｂ 鋼板 ３ 芯材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 骨組の外側面に鋼板を装着してなるドア
   本体の中空部に芯材を充填する防火戸において、 前記芯材を不燃性断熱材により形成したことを特徴とす
   る防火戸。