JP4789411B2 - 廃棄物の安定化処理物及び処理装置 - Google Patents

廃棄物の安定化処理物及び処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、廃棄物の安定化処理物に関し、更に詳しくは、廃棄物に含まれる有害物質を難溶化して得られる、土木資材、農業資材などに利用可能な安定化処理物に関する。
従来、廃棄物を処理する方法として、以下のような技術が提案されている。
(1)ごみ焼却飛灰などの廃棄物に水ガラスと水とを加え、混練し、養生固化することにより、安定化する技術(特許文献1)。
(2)重金属含有微粉状廃棄物を、消石灰などのカルシウム成分の存在下、珪石粉末などの固化促進剤又は塩化鉄などの還元剤を加え、成型し、オートクレーブ処理して固化体を製造する技術(特許文献2)。
(3)廃棄物に、石膏類を主として含有するセメントと、硫酸アルミニウムや硫酸鉄などの水溶性硫酸塩とを加え、水で混練した後、常温で養生し、安定な処理物を製造する技術(特許文献3)。
(4)おが屑などの有機質炭素源材と、鶏糞や家畜糞尿等の窒素源材と、石炭灰との混合物を水で混練し、発酵して堆肥を製造する技術(特許文献4)。
しかしながら、特許文献1の技術では、水ガラスのみが添加されるので、Pb,Cd,Cr6+,Se,As,T−Hg(総水銀),F,Bなどの有害物質を同時に安定化(難溶化)することができない。また、特許文献2では、添加剤として石膏を用いていないので、安全性に優れた処理物とはならず、また、100℃以上のオートクレーブ処理を行うので、処理コストが高くなる。更に、特許文献3では、添加剤量が30%以上になるため、処理コストが高くなるとともに、最終的に得られる処理物の量が大幅に増加する。しかも、セメントを用いているので、特にCr6+の固定に問題を残している。また、特許文献4では、安定化された石炭灰を用いていないので、堆肥の安全性は低くなる。
このように、上記従来技術では、廃棄物の処理コスト、得られる処理物の安全性、ハンドリング性、多目的利用等の点で問題点を抱えている。
特開平9−308871号公報(請求項1) 特開昭55−149673号公報(特許請求の範囲第1項) 特開平7−204602号公報(請求項2) 特開2001−130991号公報(請求項1)
本発明は上記従来技術の問題点を解決するために為されたものであり、本発明の目的は、低コストで安全性に優れ、ハンドリング性が良好で、多くの用途展開が可能な有害物質が難溶化された安定化処理物を提供することである。
本発明の廃棄物の安定化処理物は、廃棄物に含まれる有害物質を難溶化した安定化処理物であって、廃棄物と、石灰系材と、石膏と、前記有害物質を難溶化する難溶化剤との水和反応により得られる水分が5〜25%であることを特徴とする。
上記に於いて得られる廃棄物の安定化処理物は、前記水和反応の後、有害物質の難溶化を促進するための養生を行うことが好ましい。また、前記養生は、常温〜98℃で0.5〜24時間行うことが好ましい。
また、前記安定化処理物は粒状物からなり、該粒状物を構成する3mm粒子の圧壊強度が5N以下であることが好ましい。
本発明の廃棄物の安定化処理物に於いては、前記廃棄物100重量部に対して、前記石灰系材の添加量が0.5〜6重量部、前記石膏の添加量が0.5〜6重量部、及び前記難溶化剤の添加量が0.1〜6重量部であることが好ましい。
本発明の安定化処理物に用い得る廃棄物としては、石炭灰、ごみ、製紙スラッジ、下水汚泥、煤塵、燃えがら、汚泥、汚染土壌、これらの混合物等を挙げることができる。
また、前記石灰系材としては、生石灰、消石灰、貝殻焼成粉末等を用いることができる。
前記石膏としては、排脱石膏、化学石膏、廃石膏ボード粉末、天然石膏粉末等を用いることができる。
前記難溶化剤としては、硫酸鉄、亜硫酸ナトリウム、リン酸、硫化ナトリウム、硫化カリウム、水ガラス等を使用することができ、これらを組み合わせて使用することもできる。
本発明の堆肥は、上記安定化処理物を、家畜糞尿と有機質炭素源材と共に混合して発酵することにより得られる。
本発明の廃棄物の安定化処理物は、法面緑化材、融雪材、家畜糞尿の水分やpH調整材などの土木資材、農業資材などに利用することができる。
本発明の廃棄物の安定化処理物は、廃棄物に石灰系材と石膏と有害物質を難溶化する難溶化剤とを加えて水和反応を行うことにより、また、必要に応じて養生を行うことにより得られるので、低コストで安全性に優れ、ハンドリング性が良好なものとなる。この安定化処理物は、廃棄物を緑化材などの土木資材、家畜糞尿などと混合・発酵して得られる堆肥などの農業資材、融雪材などとして利用するなど、多くの用途展開が可能である。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更して実施可能なものである。
本発明の安定化処理物のコスト低減、安全性、ハンドリング性及び多目的利用性は、以下のような作用機序によって確保される。
(コスト低減)
安価な添加剤である石灰系材料、石膏、難溶化剤を少量使用するため、原料コストを低減させることができる。また、100℃未満で養生を行うため、処理プロセスが簡素となり、また、難溶化剤を用いることで養生を短時間で行うことができ、プロセスコストの低減を図ることができる。
(安全性)
石灰系剤、石膏及び難溶化剤を加え、必要に応じて水を加えて混練後、養生処理を行うことにより、有害重金属を固定するエトリンガイト、C−S−H(カルシウム−シリケート−ハイドレート)等を多く生成させ、安全性の基準を満足させる。
(ハンドリング性)
水による混練物状態をファニキュラI状態とすることで水和反応性が促進され、良好なハンドリング性、即ち、粉塵発生がなく、容器に付着せず、搬送しやすいなどの特性を確保することが出来る。特に、混練時に0.1〜10mmの造粒物(ファニュキュラI状態)とした後、養生処理で有害重金属等を固定する水和反応物が生成した低強度の処理物とすることで、使用時及び使用後のハンドリング性が良好となる。例えば、融雪材の場合には散布後に粉状となるので、土壌との馴染みが良好である。更に、家畜糞尿の処理材として使用する場合には、家畜糞尿との混練時に粉状となるので、より均一な堆肥を得ることができる。
本発明に於ける有害物質には、T−Hg,Cr6+,As,Se,Cd,Pb等の有害重金属や、F,B等の環境規制物質が含まれる。
本発明の安定化処理物は、廃棄物と、石灰系材と、石膏と、難溶化剤との水和反応により得られ、その含水率は5〜25重量%である。含水率が5重量%未満であると粉塵が発生しやすくなり、25重量%を超えると吸水性が劣ることとなる。また、本発明の安定化処理物は粒状物からなり、この粒状物を構成する3mm粒子の圧壊強度は5N以下である。圧壊強度が5Nを超えると混練時などに、破砕されず、融雪剤、家畜糞尿処理材などとして利用する場合に、ハンドリング性、性能などに悪影響を及ぼすことがある。
本発明の廃棄物の安定化処理物では、石灰系材の添加量は、廃棄物100重量部に対して0.5〜6重量部、好ましくは1〜5重量部である。また、石膏の添加量は、廃棄物100重量部に対して、0.5〜6重量部、好ましくは1〜5重量部である。更に、難溶化剤の添加量は、廃棄物100重量部に対して、0.1〜6重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。ここで、難溶化剤はそのまま添加してもよく、また、予め水に溶解又は分散させた後に添加してもよい。廃棄物に対する、石灰系材、石膏及び難溶化剤の添加剤量が少ないと、安定化(難溶化)が不十分となり、多くなると得られる処理物の強度が高くなり過ぎるとともに、コストアップとなる。
次に、これらの原料を水の存在下に混練することによりファニュキュラI状態とする。ファニュキュラI状態では水和反応性が促進されるとともに、撹拌により造粒作用が発揮される。
次に、ファニュキュラI状態となった混練物対して、養生を行うことが好ましい。養生は、常温〜98℃で0.5〜24時間、好ましくは30〜95℃で1〜15時間行うことが好ましい。養生温度が低いか又は養生時間が短いと、安定化が不十分となることがあり、養生温度が高いか又は養生時間が長いと、得られる処理物の強度が高くなり過ぎることがあるとともに、コストアップとなる。従って、養生は、温度が高ければ短時間で済み、逆に温度が低ければ長時間を要することとなる。
本発明に於いて使用される廃棄物には、石炭灰、ごみ、製紙スラッジ、下水汚泥、木屑などの煤塵、燃えがら、汚泥(建設汚泥、上水汚泥、廃水汚泥、ライムケーキなど)、汚染土壌、及びそれらの混合物が含まれる。特に、廃棄物が同一工場内や近隣地域で発生する場合は、組み合わせて処理することが望ましい。また、乾燥状態にある廃棄物と湿った状態にある廃棄物とを組み合わせることにより、処理が容易となる。
また、本発明に於ける石灰系材として、生石灰、消石灰、貝殻焼成粉末等を使用することができるが、得られる処理物のハンドリング性の向上、コストなどの観点より、生石灰が最も適している。
更に、本発明に於ける石膏として、排脱石膏、リン酸、フッ酸工業などからの化学石膏、廃石膏ボード粉末、天然石膏粉末等を使用することができる。石膏の粒度は小さい方が望ましいが、平均径が100μm以下であれば問題なく使用することができる。また、水分は少ない方がよいが、10%以下であれば問題なく使用することができる。
本発明に於ける難溶化剤としては、上述したように硫酸鉄、亜硫酸ナトリウム、リン酸、硫化ナトリウム、硫化カリウム、水ガラス及びこれらの組み合わせ等を使用することができる。通常、硫酸鉄(II)が最も好適に使用され得るが、特定の有害物の溶出が多い場合、即ち、Cr6+、Se等が多い場合は亜硫酸ナトリウムを主成分とする組み合わせが好適であり、フッ素が多い場合はリン酸を主成分とする組み合わせが好適であり、Pb、Cd、As等が多い場合は硫化ナトリウム及び/又は硫化カリウム酸とを主成分とする組み合わせが好適である。
本発明の廃棄物の安定化処理物を製造するための安定化処理装置について説明する。図1は安定化処理装置の一例を示す概略構成図である。この安定化処理装置は、図1に示すように、廃棄物供給機10、石灰系材供給機11、石膏供給機12、難溶化剤供給機13及び水供給機14の5台の原料供給機と、原料供給機10〜14から供給される原料の混練及び撹拌造粒を行う混練機16と、混練機16からの混練物に含まれる有害物質の難溶化を促進する複数の養生機17と、養生機内の排気により養生後の混練物の水分除去を行う排気装置18とにより構成されている。この安定化処理装置に於ける混練機16には、造粒機能を有し撹拌翼が垂直の混練機又は撹拌翼が水平の混練機が用いられる。養生機17は、バッチ運転が可能な撹拌翼を有する逆円錐台型のものであり、ジャケット(図示せず)に水蒸気を導入することにより加熱することが可能となっている。養生機17として、バッチ運転が可能な撹拌翼を有する円筒型のものも用いることができる。排気装置18には、ブロア、ファン、真空ポンプなどの吸引式のものを用いる。なお、廃棄物が含水率の高い汚泥の場合や添加材が湿っている場合などは、原料供給機10〜13を使用して各原料を計量して投入せず、ロードセル等の計量器を備えた混練機を設け、この混練機に原料を順次計量しながら直接投入する方がハンドリングトラブルが起こりにくい。また、養生後、排気装置18を稼働させることにより、混練機16を乾燥機として使用することができる。
図2は、他の形式の安定化処理装置の概略構成を示している。この安定化処理装置では、難溶化剤供給機13から供給される難溶化剤と水供給機14から供給される水とを水溶液供給機15に供給して予め難溶化剤の水溶液を調製しておき、この水溶液を水溶液供給機15から直接混練機16に投入するように構成したものである。このように予め難溶化剤の水溶液を調製しておく構成は、廃棄物の含水率が低い場合に、難溶化剤を廃棄物全体に行き渡らせるのに有効である。
図3は、更なる他の形式の安定化処理装置の概略構成を示している。この安定化処理装置は、図1の装置に於ける排気装置18に代えて乾燥機19を設けた構成を有し、その他の部分は図1の安定化処理装置と同じであるため省略してある。図3の装置では、養生機17から排出される混練物は乾燥機19に於いて乾燥処理される。乾燥機19としては、養生機17と同様の構造で排気装置を有するバッチ型の装置、連続式で撹拌翼のないロータリ型,バンド型又は流動層型のもの、撹拌を有した伝導型や通風型のものなどが適している。
図4は、図1に於ける逆円錐台型の養生機17に代えて、略水平円筒容器型の養生機27を使用した安定化処理装置の概略構成を示しており、同図では混練機16と養生機27の部分のみを示してある。略水平円筒容器型の養生機27は、その内部に水平軸21と、水平軸21に取り付けられた多数の撹拌翼22とを有し、その外周にはジャケット23が設けられている。図4では水平軸21が1本のものを示したが、水平軸21は2本設けてもよい。図4の装置では、ジャケット23に水蒸気を導入しつつ撹拌を行うことにより、内部の混練物の加熱養生が可能となっている。
図5は、図1に於ける逆円錐台型の養生機17に代えて、回転式の略水平円筒容器型の養生機37を使用した安定化処理装置の概略構成を示しており、同図では混練機16と養生機37の部分のみを示してある。回転式略水平円筒容器型の養生機37には、セメント焼成炉などに用いられているロータリ型円筒容器が適している。養生機37は、回転する円筒容器31を有しているが、撹拌翼を有していない。また、円筒容器31の外周にはジャケット32が設けられている。図5の装置に於いては、ジャケット32に水蒸気を導入しつつ円筒容器31の回転を行うことにより、内部の混練物の加熱養生が可能となっている。
図6は、図1に於ける逆円錐台型の養生機17に代えて、上部が開放された複数の小容器とこれらの小容器を順次導入するトンネルとを有するトンネル式養生機47を使用した安定化処理装置の概略構成を示している。この装置では、トンネル式養生機47に加えて、養生された処理物の入った小容器41を持ち上げ、略水平方向に回転し、及び反転を行うことにより、処理物を排出する構造の反転機42を備えている。同図では混練機16と養生機37と反転機42の部分のみを示してある。また、この装置では、小容器41は反転用の治具(図示せず)を有しており、また、トンネル式養生機47内に設けたレール43上を移動できるように、キャスター44を有している。また、トンネル式養生機47は断熱材で構成され、内部には温度と湿度を維持するための水蒸気吹き出し管45が設けられ、これにより、小容器41内の混練物の加熱養生が可能となっている。
本発明の安定化処理物は、家畜糞尿と、おが屑や木屑などの有機質炭素源材と混合することにより、堆肥を得ることができる。即ち、当該安定化処理物は吸水性を有しアルカリであるので、家畜糞尿とおが屑や木屑などの有機炭素源材と混合すると発酵が促進され、安全性でハンドリングに優れた堆肥を得ることができる。当該安定化処理物の添加量は、家畜糞尿の特性に依存するが、通常、家畜糞尿100重量部に対し、50重量部〜200重量部が適している。
(実施例1)
石炭灰100重量部に対し、生石灰3重量部、排脱石膏(水分8%)3重量部及び硫酸鉄(II)1重量部を溶解した水溶液25重量部を、撹拌軸が縦型の混練機に投入して撹拌造粒を行い、0.5〜4mmの造粒物を製造した。次に、逆円錐台型の養生機を用い、95℃で2時間養生を行って、粒状物からなる安定化処理物を得た。
得られた粒状の安定化処理物の安全性を確認するために、溶出試験(環境庁告示46号に準拠)を行ったところ、有害重金属等の有害物質(T−Hg,Cr6+,As,Se,Cd,Pb,F,B)の溶出量は基準値を満たした。また、3mm粒子で圧壊強度を測定したところ、1N以下であった。
(実施例2)
実施例1に於いて、逆円錐台型の養生機に接続した排気装置を用いて排気を行うことにより、養生機内の粒状物を95℃で0.2時間乾燥させ、水分11%、圧壊強度1N以下の粒状物を得た。この粒状物100重量部と、家畜糞尿100重量部と、おが屑50重量部とを混合し、1週間発酵を行った。発酵は順調に起こり、発酵物の溶出試験を行ったところ、pHは8.1であり、有害重金属等の有害物質の溶出量は基準値を満たした。
(実施例3)
ごみ焼却飛灰100重量部に対し、生石灰2重量部、排脱石膏(水分8%)3重量部、硫化ナトリウム1重量部を溶解した水溶液45重量部を、撹拌軸が横型の混練機に投入して撹拌造粒を行い、0.5〜5mmの造粒物を製造した。次に、逆円錐台型の養生機を用い、85℃で4時間養生を行って、粒状物からなる安定化処理物を得た。
得られた粒状の安定化処理物の安全性を確認するために、溶出試験(環境庁告示46号に準拠)を行ったところ、有害重金属等の有害物質の溶出量は基準値を満たした。また、3mm粒子で圧壊強度を測定したところ、3Nであった。
(実施例4)
石炭灰100重量部、ライムケーキ(製糖工場廃棄物)50重量部、生石灰3重量部、廃石こうボード粉末3重量部、硫酸鉄(II)1重量部を溶解した水溶液22重量部を、撹拌軸が縦型の混練機に投入して撹拌造粒を行い、0.5〜4mmの造粒物を製造した。次に、逆円錐台型の養生機を用い、95℃で2時間養生を行って、粒状物からなる安定化処理物を得た。
得られた粒状の安定化処理物の安全性を確認するために、溶出試験(環境庁告示46号に準拠)を行ったところ、有害重金属等の有害物質の溶出量は基準値を満たした。また、3mm粒子で圧壊強度を測定したところ、1N以下であった。
(比較例1)
石炭灰100重量部に対し、生石灰3重量部、排脱石膏(水分8%)3重量部、水25重量部を、撹拌軸が縦型の混練機に投入して撹拌造粒を行い、0.5〜4mmの造粒物を製造した。次に、逆円錐台型の養生機を用い、95℃で3時間養生を行って粒状固化体を得た。
得られた粒状固化体の安全性を確認するために、溶出試験(環境庁告示46号に準拠)を行ったところ、一部の有害重金属(Cr6+,F,Se)溶出量が基準値を超えた。
(比較例2)
石炭灰100重量部に対し、生石灰7重量部、排脱石膏(水分8%)7重量部、水29重量部を、撹拌軸が縦型の混練機に投入して撹拌造粒を行い、0.5〜5mmの造粒物を製造した。次に、逆円錐台型の養生機を用い、95℃で6時間養生を行って粒状固化体を得た。
得られた粒状固化体の安全性を確認するために、溶出試験(環境庁告示46号に準拠)を行ったところ、有害重金属等の有害物質の溶出量は基準値を満たしたが、圧壊強度が22Nであった。
本発明の廃棄物の安定化処理物を製造するための安定化処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の廃棄物の安定化処理物を製造するための他の形式の安定化処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の廃棄物の安定化処理物を製造するための更なる他の形式の安定化処理装置の概略構成を示す図である。 略水平円筒容器型の養生機を使用した安定化処理装置の概略構成を示す図である。 回転式の略水平円筒容器型の養生機を使用した安定化処理装置の概略構成を示す図である。 上部が開放された複数の小容器とこれらの小容器を順次導入するトンネルとを有するトンネル式養生機を使用した安定化処理装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 廃棄物供給機
11 石灰系材供給機
12 石膏供給機
13 難溶化剤供給機
14 水供給機
15 水溶液供給機
16 混練機
17 養生機
18 排気装置
19 乾燥機
27 養生機
21 水平軸
22 撹拌翼
23 ジャケット
37 養生機
31 円筒容器
32 ジャケット
47 トンネル式養生機
41 小容器
42 反転機
43 レール
44 キャスター
45 水蒸気吹き出し管

Claims (13)

  1. 廃棄物に含まれる有害物質を難溶化した安定化処理物であって、廃棄物と、石灰系材と、石膏と、前記有害物質を難溶化する難溶化剤との水和反応の後、有害物質の難溶化を促進するための養生を行うことにより得られる廃棄物の安定化処理物であり、
    前記石灰系材は、生石灰、消石灰及び貝殻焼成粉末からなる群から選択されるものであり、前記難溶化剤は、硫酸鉄、亜硫酸ナトリウム、リン酸、硫化ナトリウム、硫化カリウム及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものであり、
    前記廃棄物100重量部に対して、前記石灰系材の添加量が0.5〜6重量部、前記石膏の添加量が0.5〜6重量部、及び前記難溶化剤の添加量が0.1〜6重量部であって、
    前記安定化処理物が粒状物からなり、該粒状物を構成する3mm粒子の圧壊強度が5N以下である廃棄物安定化処理物
  2. 前記養生を、常温〜98℃で0.5〜24時間行うことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物安定化処理物
  3. 前記廃棄物は、石炭灰、ごみ、製紙スラッジ、下水汚泥、煤塵、燃えがら、汚泥、汚染土壌、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである請求項1又は2に記載の廃棄物安定化処理物。
  4. 前記石膏は、排脱石膏、化学石膏、廃石膏ボード粉末及び天然石膏粉末からなる群から選択されるものである請求項1乃至3の何れかに記載の廃棄物安定化処理物。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の安定化処理物と、家畜糞尿と、有機質炭素源材との混合物を発酵することにより得られる堆肥。
  6. 請求項1又は2に記載の廃棄物安定化処理物を製造するための安定化処理装置であって、
    前記廃棄物、前記石灰系材、前記石膏及び前記難溶化剤をそれぞれ供給する複数の原料供給機と、
    前記廃棄物100重量部に対して、前記石灰系材の添加量が0.5〜6重量部、前記石膏の添加量が0.5〜6重量部、及び前記難溶化剤の添加量が0.1〜6重量となるように、前記複数の原料供給機からの供給量を制御する制御手段と、
    該原料供給機から供給された原料の混練を水の存在下に行う混練機と、
    該混練機からの混練物に含まれる前記有害物質の難溶化を促進する養生機と
    を備えたことを特徴とする安定化処理装置。
  7. 前記養生機内の排気により養生後の混練物の水分除去を行う排気装置を更に設けたことを特徴とする請求項6記載の安定化処理装置。
  8. 養生後の混練物の乾燥を行う乾燥機を更に設けたことを特徴とする請求項6記載の安定化処理装置。
  9. 前記養生機は、内部に水平軸の撹拌翼を有する略水平円筒容器型の装置である請求項6乃至8の何れかに記載の安定化処理装置。
  10. 前記養生機は、回転式の略水平円筒容器型の装置である請求項6乃至8の何れかに記載の安定化処理装置。
  11. 前記養生機は、上部が開放された複数の小容器とこれらの小容器を順次導入するトンネルとを有するトンネル式養生機である請求項6乃至8の何れかに記載の安定化処理装置。
  12. 前記養生機は、バッチ運転が可能な撹拌翼を有する逆円錐台型の装置である請求項6乃至8の何れかに記載の安定化処理装置。
  13. 前記養生機は、バッチ運転が可能な撹拌翼を有する円筒型の装置である請求項6乃至8の何れかに記載の安定化処理装置。
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