以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この発明は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムを包装体や展示装置に取り付ける場合に適用されるものである。
そこで、以下では、この発明を適用した包装体や展示装置についての説明に先だって、これら包装体や展示装置に取り付けられるホログラムやホログラフィックステレオグラムの一例として、ホログラフィックステレオグラムについて具体的に説明する。
まず、ホログラム用記録媒体に対する要素ホログラムの露光記録原理について説明する。
ホログラム用記録媒体3は、図1に示すように、例えばポリエチレンテレフタラート(PolyEthylene Terephthalate;以下、PETという。)フィルムからなる支持材料たるベースフィルム4の上に光重合型フォトポリマからなる記録層たるフォトポリマ層5が形成されるとともに、このフォトポリマ層5の上に、例えばPETフィルムからなる支持材料たるカバーフィルム6が被着形成されてなり、いわゆるフィルム塗布型記録媒体として構成されている。
このようなホログラム用記録媒体3は、図2Aに示すように、フォトポリマ層5を構成する光重合型フォトポリマが、初期状態においてはマトリクスポリマ中にモノマMが均一に分散している状態にある。光重合型フォトポリマは、10mJ/cm2 乃至400mJ/cm2 のパワーを有するレーザ光LAが照射されることにより、図2Bに示すように、露光部においてマトリクスポリマ中に均一に分散していたモノマMが重合してポリマ化した状態となる。
光重合型フォトポリマは、ポリマ化するにつれて、モノマMが周囲から移動することによりモノマMの濃度の不均一さが生じ、これにより露光部と未露光部とで屈折率の変調が生じる。光重合型フォトポリマは、この後、図2Cに示すように、1000mJ/cm2
程度のパワーの紫外線又は可視光LBが全面に照射されることにより、マトリクスポリマ中においてモノマMの重合が完了する。
ホログラム用記録媒体3においては、上述のように、フォトポリマ層5を構成する光重合型フォトポリマが、入射されたレーザ光LAに応じて屈折率が変化することによって、物体光と参照光との干渉によって生じる干渉縞を屈折率の変化として露光記録される。
また、ホログラム用記録媒体3は、いわゆるフィルム塗布型記録媒体として構成されていることから、露光記録後に、特別な現像処理を施す工程が不要とされている。したがって、このようなホログラム用記録媒体3を用いてホログラム像を記録することによって、ホログラフィックステレオグラム作製装置において現像工程を行う構造が不要となり、装置構成を簡易化することができるとともに、ホログラフィックステレオグラムを迅速に作製することができる。
ここで、上述したホログラム用記録媒体3を用いてホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製装置について説明する。
なお、以下の説明においては、短冊状の複数の要素ホログラムを1つのホログラム用記録媒体3に露光記録することにより、横方向の視差情報を有するホログラフィックステレオグラムを作製するものとして説明する。ただし、ホログラフィックステレオグラムは、例えば、ドット状の複数の要素ホログラムを1つのホログラム用記録媒体に露光記録することにより、横方向及び縦方向の視差情報を有するものであってもよいことは云うまでもない。
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、図3に示すように、感光フィルムからなるホログラム用記録媒体3に対してホログラフィックステレオグラム画像を露光記録するものである。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、露光記録対象の画像データの処理を行う画像データ処理部11と、当該ホログラフィックステレオグラム作製装置10を統括的に制御する制御用コンピュータ12と、ホログラフィックステレオグラム作製用の光学系を有するホログラフィックステレオグラム作製部13とを備える。
画像データ処理部11は、少なくとも画像処理用コンピュータ14及び記憶装置15を有し、例えば多眼式カメラや移動式カメラ等を有する視差画像列撮像装置1から供給される視差情報を含む撮像画像データD1や、画像データ生成用コンピュータ2によって生成された視差情報を含むコンピュータ画像データD2等の画像データに基づいて、視差画像データ列D3を生成する。
なお、撮像画像データD1は、例えば多眼式カメラによる同時撮影又は移動式カメラによる連続撮影によって得られた複数の画像データであり、撮像画像データD1を構成する各画像データ間には視差情報が含まれる。また、コンピュータ画像データD2は、例えばCAD(Computer Aided Design )やCG(ComputerGraphics)として作成された複数の画像データであり、コンピュータ画像データD2を構成する各画像データ間には視差情報が含まれる。
画像データ処理部11は、これらの撮像画像データD1及び/又はコンピュータ画像データD2に基づく視差画像データ列D3に対して、画像処理用コンピュータ14によってホログラフィックステレオグラム用の所定の画像処理を施してホログラム画像データD4を生成する。ホログラム画像データD4は、例えばメモリやハードディスク装置等の記憶装置15に一時的に格納される。画像データ処理部11は、後述するように、ホログラム用記録媒体3に対して要素ホログラム画像を露光記録する際に、記憶装置15に格納されたホログラム画像データD4から1画像分毎の要素ホログラム画像データD5を順次読み出し、これらの要素ホログラム画像データD5を、制御用コンピュータ12に供給する。
制御用コンピュータ12は、ホログラフィックステレオグラム作製部13を制御して、画像データ処理部11から供給された要素ホログラム画像データD5に基づく要素表示画像を、ホログラフィックステレオグラム作製部13の一部に設けられたホログラム用記録媒体3に短冊状の要素ホログラムとして順次露光記録させる。この際、制御用コンピュータ12は、後述するように、ホログラフィックステレオグラム作製部13の各機構の動作を制御する。
ホログラフィックステレオグラム作製部13は、光学系を構成する各部材が図示しない支持基板(光学定盤)に配設支持されるとともに、この支持基板が図示しないダンパ等を介して装置筐体に支持された構造とされている。ホログラフィックステレオグラム作製部13は、ホログラフィックステレオグラム作製用の光学系として、入射光学系、物体光学系及び参照光学系を有する。なお、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、感光材であるホログラム用記録媒体3を用いることから、装置筐体は、少なくとも光学系の遮光性を保持した構造となっている。
ホログラフィックステレオグラム作製部13は、図4Aに示すように、入射光学系として、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源21と、このレーザ光源21からのレーザ光L1の光軸上に配されてレーザ光L1を後段へ入射させる又は遮断するシャッタ機構22と、レーザ光L1を物体光L2と参照光L3とに分割するハーフミラー23とを有する。
レーザ光源21は、例えば単一波長で且つ干渉性のよいレーザ光L1を出射する半導体励起YAGレーザ装置、水冷アルゴンイオンレーザ装置又は水冷クリプトンレーザ装置等のレーザ装置から構成される。
シャッタ機構22は、要素ホログラム画像データD5の出力タイミングに対応して制御用コンピュータ12から出力された制御信号C1によって開閉動作され、レーザ光L1を後段の光学系へと入射させる。または、レーザ光L1の後段の光学系への入射を遮断する。
ハーフミラー23は、入射されたレーザ光L1を透過光と反射光とに分割する。レーザ光L1は、透過光が上述した物体光L2として用いられる一方、反射光が参照光L3として用いられる。これらの物体光L2と参照光L3とは、それぞれ、後段に設けられた物体光学系又は参照光学系に入射される。
なお、入射光学系には、図示しないが、レーザ光L1の進行方向を適宜変化させ、物体光L2と参照光L3との光路長を同一にすること等を目的としてミラー等を設けてもよい。また、シャッタ機構22は、例えば、シャッタ片を機械的に駆動するように構成したものや、音響光学変調器(Acousto-Optic Modulation;AOM)を用いた電子シャッタによって構成したものであってもよい。すなわち、シャッタ機構22は、レーザ光L1を遮蔽及び透過可能とする開閉自在なものであればよい。
また、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、図4A及び図4Bに示すように、物体光学系として、ミラー24、スペーシャルフィルタ25、コリメータレンズ26、投影レンズ27、シリンドリカルレンズ28及びマスク29等の光学部品を有し、これらの各光学部品を光軸に沿ってその入力側から順次配列させている。
ミラー24は、ハーフミラー23を透過した物体光L2を反射する。このミラー24によって反射された物体光L2は、スペーシャルフィルタ25へと入射される。
スペーシャルフィルタ25は、例えば凸レンズとピンホールとを組み合わせて構成されており、ミラー24によって反射された物体光L2を後述する透過型液晶表示器30の表示面幅に対応して等方的に拡大させる。
コリメータレンズ26は、スペーシャルフィルタ25によって拡大された物体光L2を、平行光化して透過型液晶表示器30へと導光する。
投影レンズ27は、物体光L2を若干拡散させ、シリンドリカルレンズ28へと投影する。この投影レンズ27は、物体光L2を若干拡散させることにより、作製されるホログラフィックステレオグラムの画質の向上に寄与するものである。
シリンドリカルレンズ28は、平行光化された物体光L2を横方向に対して集光する。
マスク29は、短冊状の開口部を有しており、シリンドリカルレンズ28によって集光された物体光L2のうち、開口部を通過したものを、ホログラム用記録媒体3へと入射させる。
また、物体光学系には、コリメータレンズ26と投影レンズ27との間に位置して透過型液晶表示器30が配設されている。透過型液晶表示器30には、制御用コンピュータ12から供給された要素ホログラム画像データD5に基づいて、要素ホログラム画像が順次表示される。なお、制御用コンピュータ12は、要素ホログラム画像データD5の出力タイミングに対応して、駆動信号C2を後述するホログラム用記録媒体3の記録媒体送り機構34に供給し、その動作制御を行うことにより、ホログラム用記録媒体3の送り動作を制御する。
このような物体光学系においては、入射光学系から分割されて入射される細いビーム状である物体光L2が、スペーシャルフィルタ25によって拡大されるとともに、コリメータレンズ26に入射することで平行光とされる。さらに、物体光学系においては、コリメータレンズ26を介して透過型液晶表示器30に入射された物体光L2が、この透過型液晶表示器30に表示された要素ホログラム画像に応じて画像変調されるとともに、投影レンズ27を介してシリンドリカルレンズ28へと入射される。そして、物体光学系は、シャッタ機構22が開放動作されている間、画像変調された物体光L2をマスク29の開口部を介してホログラム用記録媒体3に入射させ、要素ホログラム画像に対応してこれを露光記録する。
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、参照光学系として、スペーシャルフィルタ31、コリメータレンズ32及びミラー33を有し、これらの各光学部品を光軸に沿ってその入力側から順次配列させている。
スペーシャルフィルタ31は、上述した物体光学系におけるスペーシャルフィルタ25とは異なり、例えばシリンドリカルレンズとスリットとが組み合わされて構成され、ハーフミラー23によって反射分割された参照光L3を所定幅、具体的には、透過型液晶表示器30の表示面幅に対応して1次元方向に拡大させる。
コリメータレンズ32は、スペーシャルフィルタ31によって拡大された参照光L3を平行光化する。
ミラー33は、参照光L3を反射させてホログラム用記録媒体3の後方へと導光して入射させる。
このような光学系を備えるホログラフィックステレオグラム作製部13は、ハーフミラー23によって分割された物体光L2が通過する光学系である物体光学系と、参照光L3が通過する光学系である参照光学系との光路長がほぼ同一に構成されている。したがって、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、物体光L2と参照光L3との干渉性の向上が図られて、より鮮明な再生像が得られるホログラフィックステレオグラムを作製することができる。
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、ホログラム用記録媒体3を図4B中の矢印で示す方向へと1要素ホログラム分だけ間欠送りする記録媒体送り機構34を備える。
記録媒体送り機構34は、制御用コンピュータ12から供給される駆動信号C2に基づいて、ホログラム用記録媒体3を間欠的に走行駆動する。また、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、この記録媒体送り機構34の動作に連動して制御用コンピュータ12から供給される制御信号C1に基づいて、上述したシャッタ機構22が動作されてレーザ光L1の光路を開放する。
このようなホログラフィックステレオグラム作製装置10は、1要素画像分の露光記録終了毎に制御用コンピュータ12から1要素ホログラムに対応した駆動信号C2が記録媒体送り機構34に対して供給されることにより、ホログラム用記録媒体3を1要素ホログラムに対応した量だけ走行路に沿って走行駆動させ、マスク29の開口部に未露光部位を対応させて停止させる。なお、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、ホログラム用記録媒体3の走行動作に伴って当該ホログラム用記録媒体3に生じた振動が速やかに停止されるように構成される。ここで、ホログラム用記録媒体3は、長尺状の感光フィルムからなり、図示しないが、例えば全体が遮光状態に保持されたフィルムカートリッジの内部に回転自在に設けられた供給ロールに巻回されている。ホログラム用記録媒体3は、このフィルムカートリッジがホログラフィックステレオグラム作製装置10に装填されると、ホログラフィックステレオグラム作製装置10の内部に繰り出され、記録媒体送り機構34によって走行路を走行駆動させられる。
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、この状態でシャッタ機構22が開放動作されてホログラム用記録媒体3に対してその表裏面から画像変調された物体光L2と参照光L3とをホログラム用記録媒体3に入射させ、要素ホログラム画像に対応した干渉縞を露光記録する。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、1要素画像の露光記録が終了すると制御用コンピュータ12から記録媒体送り機構34に対して駆動信号C2が供給され、ホログラム用記録媒体3を速やかに所定量だけ走行駆動させ停止させる。
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、図示しない定着処理部により、ホログラム用記録媒体3に対する紫外線の照射処理と、ホログラム用記録媒体3に対する所定温度での加熱処理とからなる定着処理を行い、ホログラム用記録媒体3に対して露光記録されたホログラフィックステレオグラム画像を定着させる。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、定着処理が施されたホログラム用記録媒体3を、ホログラフィックステレオグラム画像毎に所定の大きさに順次切り抜き、1枚のホログラフィックステレオグラムとして外部に排出する。
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、以下順次この動作を行うことにより、長尺状のホログラム用記録媒体3に対して、複数のホログラフィックステレオグラム画像を順次露光記録し、1枚のホログラフィックステレオグラム画像が露光記録されたホログラフィックステレオグラムを作製する。
次に、以下では、この発明を適用して構成され、上述のようにして作成されたホログラフィックステレオグラムや、各種のホログラムが取り付けられるホログラム包装体及びホログラム展示装置の第1の実施の形態として、図5に示すようなポストカード50について説明する。
ポストカード50は、薄板状部材51a、51bからなる外装部51を有する。外装部51は、例えば紙や薄板状に形成された樹脂材料などによって形成される矩形の成形品である。外装部51は、同図中A−A線で示す位置(以下、折り部と適宜称する。)で折り畳み自在とされており、この折り部によって2つの薄板状部材51a、51bに分割された構造とされている。言い換えると、ポストカード50は、2つの薄板状部材51a、51bが折り部で連設され、この折り部で折り畳み自在とされている。ポストカード50は、薄板状部材51a、51bを開き、薄板状部材51aと51bとが例えば互いに垂直となるように、平面を有する載置台上に立てて載置される。
外装部51は、その外面側には、別の薄板状部材を貼り付けて2層構造とされている。外装部51を2層構造とすることによって、切欠きを形成した場合の開口が塞がれて強度が増し、また、また、2層構造の間に、電源(電池)、配線、回路(集積回路)などの部品の収納が可能な部品収納部を形成することができる。
ポストカード50は、外装部51の内面側に位置する支持体角度矯正部52(第1の立体構造部)を有する。支持体角度矯正部52は、外装部51を開いた際にホログラム支持板53を支えるための部品で、例えば図中A−A線を境に線対称の立体構造を形成する一対の山形形状である。外装部51を閉じた状態では、支持体角度矯正部52の一対の山形が外装部51の折り部を中心として重なるようにして折り畳まれる。支持体角度矯正部52は外装部51と同様に、例えば紙や薄板状に形成された樹脂材料によって形成されている。
図5および図6に示すように、支持体角度矯正部52は、例えば薄板状部材51a、51bの一部が切り起こされることによって形成される。具体的には、外装部51の折り部の一部に形成した切り込みと、この切り込みにおける下部に、折り部に対して垂直な方向に形成した切り込みとによってT字状の切り込みを形成する。そして、折り部を境にして外装部51を上に折り曲げるように起こす。起こした領域を、所定の幅を残してさらに折り返し、山形の稜線が形成される。
この形成された一対の山形の稜線と接して板状のホログラム支持板53が設けられる。ホログラム支持板53は、接続部54により外装部51と接続されている。支持体角度矯正部52上に配設されるホログラム支持板53と、支持体角度矯正部52の有する一対の稜線がホログラム支持板53とそれぞれ接することにより、ホログラム支持板53を支えた状態での安定性を高めることができる。また、形成する山形の高さや傾斜の角度を調節することにより、ホログラム支持板53が載置台に対して適切な角度となるように配設することが可能となる。
このように外装部51の一部を切り起こすことによって支持体角度矯正部52を構成するので、別の部材を新たに取り付ける場合に比して手間が減少し、作製工程を簡単にすることができる。支持体角度矯正部52を構成するために切り出した分に相当する開口は、薄板状部材51a、51bの積層された裏面部材により塞がれ、強度不足が生じたり、美観が損ねられることが防止される。なお、支持体角度矯正部52は、例えば外装部51とは別の部材を新たに取り付けることにより形成することもできる。
また、支持体角度矯正部52は、図5に示す構造とすることに限定されるものではなく、外装部51を開いた状態における立体構造については、支持体角度矯正部52における全体の形状、折りの位置及び形状、或いは外装部51に対して取り付ける位置や向きなどに応じて、任意の構造とすることができる。
外装部51を開いた状態において、支持体角度矯正部52の上にホログラム支持板53が位置し、ホログラム支持板53が開口方向に正対する位置にセットされる。外装部51を閉じた状態では、ホログラム支持板53の面が薄板状部材51a、51bと平行となるように、外装部51の内面側に挟まれる。ホログラム支持板53はホログラムまたはホログラフィックステレオグラム(以下では単にホログラムと称する)を取り付ける部材で、例えば外装部51と同様の材料である紙や薄板状に形成された樹脂材料などによって形成されている。ホログラム支持板53は、取り付けられるホログラムと略々同等の大きさの矩形のものである。
ホログラム支持板53の一面は、外装部51を開いた際に支持体角度矯正部52と接する面である。ホログラム支持板53の他面は、ホログラム(図示せず)が置かれる面である。ホログラムは、単にホログラム支持板53上に置かれるだけでも良く、また、ホログラム支持板53におけるホログラム取り付け部位に、例えば粘着剤や接着剤を塗布することによって固定されても良い。さらに、各種の粘着テープや接着テープなどを用いたり、ホログラム支持板53とホログラムとを挟むクリップやステープルなどを用いたりすることによりホログラムを固定してもよい。また、固定するホログラムの端部に対応する位置に少なくとも一対の切れ込みを設け、この切れ込みにホログラムの端部を差し込むことによりホログラムを挟持することも可能である。
なお、ホログラムはホログラム支持板53上に予めホログラムを固定したり、外装部53に少なくとも一対の切れ込みを設け、この切れ込みにホログラムの端部を差し込むことによりホログラムを固定したりしてもよい。このようにホログラムを固定する事により、輸送時のホログラムの移動を防止することができる。
外装部51の上端部には、第2の立体構造部として光源支持部55が形成される。光源支持部55は外装部51と接続され、外装部51を開くと外装部51に対して所定の角度で前方に突出される。光源支持部55は、外装部51の上部から見て谷折りとなる方向に折り目が形成され、外装部51を閉じた状態ではこの折り目の位置で光源支持部55が折り曲げられ、外装部51を開くに伴い光源支持部55が広がって徐々に立体化する。
光源支持部55は、例えば外装部51の折り部を中心として薄板状部材51a、51bの一部を円弧状に切り出し、切り出した領域を外装部51の内面側からみて山折りとなるように、折り出すことにより形成することができる。外装部51の内面側に光源支持部55が設けられるので、外装部51を開いたときに、薄板状部材51aと51bとが形成する開口角度が180度を越えることはない。このように外装部55が最大限開く角度を設定することにより、外装部51を開く度に光源56の位置を常に一定の位置とすることが容易となる。また、外装部51を自立させたときの安定性を高めることができる。なお、光源支持部55を、例えば外装部51とは別の部材を新たに取り付けることにより形成してもよい。
光源支持部55の所定の位置には、ホログラムを適切な距離および角度で照射するように光源56が設置される。例えば光源56は、光源支持部55が形成する立体構造の先端で、光源支持部55が谷折りされる部分に設けることができる。光源56は、外装部51を開いて光源支持部55が立体化するに伴い、外装部51の折り部に沿って徐々に外装部51の下部を照射するように動いていく。そして、外装部51が略90度に開いたとき、光源56はホログラムの略中央部を斜め上から照射する位置で保持される。このように外装部51の内部に予め光源支持部55が設けられることにより、光源56を適切な位置に設置する作業を簡易化することができる。
また、光源支持部55は、ポストカード50の上方からの外光(不要光)が直接ホログラムに照射するのを防ぐ庇としての機能も果たしている。外光が照射されると、ホログラムのコントラストが低下したり、多重像が再生されたりすることになるが、この庇機能により、良好な像を再生することができる。
光源56としては、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられる。光源としては、ホログラムの記録時のレーザ波長(例えば青:476nm、緑:532nm、赤:647nm)と等しい波長の成分を含むものが好ましい。例えば赤発光のLEDまたはレーザ、緑発光のLEDまたはレーザおよび青発光のLEDまたはレーザがΔ状に接近して配置された光源を使用できる。勿論、光源としては、他の種類の光源を使用できる。例えば三原色の3個の波長の光を放射する蛍光体励起方式の白色LED、青紫色または紫外線LEDによる蛍光体励起方式の白色LED等を使用することができる。さらに、クリプトン光源、キセノン光源、ハロゲン光源等も使用できる。
光源56の電源としての電池、駆動回路等の回路部、点灯/消灯を切り換えるスイッチ等を、薄板状部材51aおよび51bと裏面部材との間に配することができる。スイッチは、例えば外装部51を閉じた状態で、光源56を消灯し、外装部51を開いた時に光源56を点灯させるように、外装部51の開閉と連動した構成とされる。この場合、開口角度が15°程度から光源56の点灯が開始し、その後、外装部51が所定の開口角度まで開く間、光源56を点灯させるようにすれば、ホログラムに対する光源56の入射角が変化し、その間のホログラム像の立体感、動きを観察者は楽しむことができる。
光源56を点灯を制御する方法としては、例えば外装部51を開いてから30秒間の間光源56を点灯させ、その後消灯させるようにしてもよい。外装部51の開閉と連動した構成とすることによって、電池の消耗を抑えることができる。
また、外装部51の内面側に手動スイッチを設け、観察者が手動スイッチを操作することによって、光源56の点灯および消灯を制御するようにしてもよい。例えば観察者は外装部51を軽く開いてこの手動スイッチを押すことにより、光源56を点灯させることができる。具体的には、例えば手動スイッチを押している間点灯するモード、手動スイッチを押してから所定の時間点灯し、その後自然に消灯するモードなど、様々な構成とすることができる。さらに、上述の連動スイッチと手動スイッチとが両方形成されており、両方のスイッチの電源が入る状態となったときにのみ点灯するモードが可能である。この場合には、輸送中に誤って外装部51が開いたり、手動スイッチが押圧されたりすることによって光源56が点灯し、電池が消耗することを防止することができる。
なお、光源支持部55に予め光源を設置する場合に限られず、例えばキーライトのような電池も内蔵した筒状の光源を観察時に取り付けるようにしてもよい。観察者は、光源を光源支持部72に設置し、スイッチをつけることによってホログラムを適正に照射することができる。
また、薄板状部材51aおよび51bと裏面部材との間の収納空間にスピーカー等の音声再生部を内蔵させ、外装部51を開くと音楽や音声が再生されるようにしてもよい。これら音楽や音声の再生および停止の動作は、光源56の場合と同様にスイッチにより制御する構成とすることができる。
図6に、ポストカード50を図5中のA−A線の矢印方向から見た断面図を示す。ポストカード50は、開口部の角度が略90°となるように外装部51が開かれ、載置台57上で自立して置かれる。
図6に示すように、光源56とホログラム支持板53の中央部とを結ぶ線Bと、ホログラム支持板53の面に対して垂直の線(法線)との角度θ1がホログラムの観察条件にとって最適な角度となるように、光源56の位置、すなわち、光源支持部56の奥行き、角度が設定されている。ここで、反射型のホログラムの場合、ホログラフィックステレオグラムの記録時の参照レーザ光の入射角度に対応した角度が観察条件に好ましく、例えばホログラム面に対して鉛直な平面内で、法線方向から±45°前後(±15°〜±80°)の角度で入射される光が再生光として適している場合が多い。すなわち、ホログラムを観察者が正視した状態で、このホログラムの上下方向から上述した角度で再生光が入射された場合に、ホログラム像が最も良好に再生されることとなる。したがって、角度θ1は、例えば15°〜80°、より好ましくはθ1が40〜60°となるように光源56が取り付けられることによって、高画質なホログラフィックステレオグラム画像を鑑賞することができる。
また、ホログラム支持板53は、載置台57の垂線Cとの角度θ2が所定の角度を保つように、支持体角度矯正部52により支えられる。この角度θ2を、例えば0°〜50°すなわち、ホログラムまたはホログラフィックステレオグラムの面の法線と、上記載置台57の垂線とのなす角度が40°〜90°とすることで、ポストカード50を載置台57に自立させてホログラムを鑑賞しやすくなる。
上述したこの発明の第1の実施の形態は、外装部51の内面側に支持体角度矯正部52、ホログラム支持部53および光源支持部55が設けられているので、ホログラムおよび光源56をそれぞれ所定の位置に簡易な方法で設置することができる。さらに、ホログラムと光源56とが最適な位置関係を形成するように、ホログラム支持部53および光源支持部55の位置および角度が調節されて設けられているので、ホログラムの観察条件を良好にすることができる。したがって、光源56を点灯させて光を当てるだけで、誰でも容易に高画質のホログラフィックステレオグラム画像を鑑賞することができる。
また、外装部51を閉じるに伴い支持体角度矯正部53および光源支持部55が外装部51の内面側に折り畳まれるので、ポストカード50の厚さが全体として薄くなる。そして、ポストカード50を折り畳んだ状態で、例えば封筒等に同封し、郵送することができる。また、例えばホログラム支持板53に予めホログラムを固定したり、または外装部51の所定の位置にホログラムを固定して外装部51を閉じることにより、外装部51の内面側にホログラムを挟持した状態でポストカード50を輸送、運搬したり、或いは収納することができる。したがって、ホログラムのホログラム面を外装部51によって保護することができ、ホログラム面に破損や損傷などが生じてしまうことを防止できる。また、輸送・運搬時や収納時には、全体が折り畳まれて厚さが薄くなることから、優れた可搬性を備えているといった特徴を有している。
また、ポストカード50は、外装部51を開いた状態で、ホログラム支持板53が支持体角度矯正部52により立体的に位置されることから、この支持体角度矯正部52による立体表現とホログラムのホログラム像による立体表現との相乗効果により、極めて効果的な三次元表現を行うことができる。
なお、ポストカード50においては、外装部51の内面側、或いは外面側に、例えば人物や風景などの図や写真などが印刷されていたり、支持体角度矯正部52と同様な構造とすることにより他の立体構造部を形成させて、外装部51を開いたときに立体的に飛び出す飛び出し部をさらに設けたりしてもよい。これにより、ホログラムのホログラム像が周囲の図や写真、或いは飛び出し部の中に配置されることになり、ホログラム像による立体感をさらに強調することができる。
次に、第2の実施例形態について図7乃至図9を用いて説明する。なお、上述の第1の実施の形態と対応する部分には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態のポストカード50において、外装部51の内面側には、第1の立体構造部として山形形状を呈する支持体角度矯正部62が複数形成されている。なお、図7乃至図9において、薄板上部材51a、51bの外面側に設けられる裏面部材は簡単のため図示を省略している。複数の支持体角度矯正部62は、例えば外装部51の上部から下部の方向にしたがい、徐々に山形の高さが大きくなるように形成される。これにより、載置面に対してホログラムカード60を所定の角度を保った状態で支えることができる。また、山形の頂点の位置が交互にずらされている。これにより、支持体角度矯正部62の頂点の位置が広く分布し、ホログラムカード60の支持の安定性を高めることができる。
なお、折り部で連設された部分をZ軸として、Z軸に直交する薄板状部材51aの下部の辺をX軸、Z軸に直交する薄板状部材51bの下部の辺をY軸とした場合、支持体角度矯正部62の頂点の上部側の位置は、X+Y+kZ=l( k、lは定数) のような平面内にほぼ形成されるようになっている。したがって、ホログラムカード60は支持体角度矯正部62のそれぞれの頂点と安定的に接することが可能となる。
このような支持体角度矯正部62は、外装部51を切り出して折り曲げることによって形成できる。例えば外装部51の折り部に対して垂直な方向に、互いに平行な同じ長さの切れ込みを一組として、複数組の切れ込みを形成し、これらの切れ込みによって分断された領域を、外装部51の折り部とは逆向きに(すなわち、山折りで)折り出すことにより形成される。切れ込みの長さを各組ごとに変えることにより、形成される山部の高さを異なるものとすることができる。また、外装部51の折り部に対して非対称の長さとなるように、切れ込みを形成することにより、外装部51を開いた状態での支持体角度矯正部62の山形の頂点の位置を、中心となる折り部の位置とずらすことができる。
接続部64は、例えば薄板状部材51a、51bと同じ素材の樹脂等で成形された薄い帯状または紐状の部材で、接続部64の一方の端部が外装部51の内面側に接着され、その他方の端部にクリップ63が固定される。クリップ63がホログラムカード60の一辺側の両端部を挟んで保持する。ホログラムカード60を安定して挟持するため、接続部64およびクリップ63が複数設けられる。また、接続部64は、外装部51を開いたときに、ホログラムカード60が支持体角度矯正部62の頂点と接するような位置および長さで設けられる。
外装部51を閉じたときには、外装部51の内面側にホログラムカード60は保持される。外装部51を開くときは、図7および図8に示すように外装部51を開くにつれて、ホログラムカード60が接続部64により引っ張られるように、支持体角度矯正部62の上を移動し、図9に示すように外装部の開口部が略90度に開いたときに、支持体角度矯正部62の頂点によりホログラムカード60が支えられて外装部51の開口方向に正対するように、セットされる。
なお、第2の実施の形態においては、ホログラムカード60が支持体角度矯正部62の頂点と接して支えられていることから、この頂点が、ホログラム支持部としての機能を有していることとなる。
次に、図10を参照してこの発明の第3の実施の形態について説明する。図10A乃至図10Cは、外装部51を徐々に開いていく過程を示す斜視図である。
第3の実施の形態におけるポストカード50の外装部51には、開いた状態での内面側に、第1の立体構造部として、薄板状部材51aおよび51bの内面側の間を架け渡すように設けられるホログラム支持部71が設けられる。ホログラム支持部71は外装部51と同様に、例えば紙や薄板状に形成された樹脂材料によって形成され、外装部51を開いた状態で例えば略扇形等の形を呈する部品である。ホログラム支持部71は、外装部51の上部から見て山折りとなる方向に折り目が形成され、外装部51を閉じた状態ではこの折り目の位置でホログラム支持部71が折り曲げられる。
所定の形に成形したホログラム支持部71の両端部を薄板状部材51aおよび51bに接着剤などによって固定することによって取り付けることができる。また、ホログラム支持部71は外装部51と別の部材を新たに取り付けることにより構成することに限定されるものではなく、薄板状部材51a、51bのうちの一部に例えば台形の切れ込みを下部側の一辺を除いてそれぞれ設け、この切れ込みによって分断された領域を外装部51の内面側にそれぞれ折り込み、折り込まれた領域の先端である両辺を接続することにより形成してもよい。
このように外装部51のうちの一部を切り出すことによってホログラム支持部71を構成することにより、別の部材を取り付けるために要する手間を不要とすることができる。また、外装部51を折り畳んだ際の厚みを薄くすることができる。なお、ホログラム支持部71を薄板状部材51a、51bから切り出すことにより生じる開口は、外装部51に設けられる裏面部材により塞がれる。
ホログラムカード60は、ホログラム支持部71に形成される折り目により分割される領域の一方に接着される。したがって、外装部51を折り畳んでホログラム支持部71が山折りされても、ホログラムカード60に折り目をつけることなく外装部51を折り畳むことができる。
外装部51の内面側の上端部には、第2の立体構造部として光源支持部72が設けられる。光源支持部72は、例えば外装部51の内面側から見て谷折りされるように設けられた立体構造部である。光源支持部72の先端部には、例えば上下に開口した筒状の部位が設けられ、この部位に光源56を設置することができる。なお、光源支持部72およびホログラム支持部71は、設置される光源56が適切な角度でホログラムカード60を照射するような位置関係でそれぞれ設けられる。
外装部51の内面側の上端部には、第3の立体構造部として庇部73がさらに設けられる。庇部73は、外装部51を開いた状態において光源支持部72を逃げるように、折り部側に光源支持部72が位置する開口を有する。庇部73の中央部には外装部51の上部から見て谷折りとなる方向に折り目が形成されている。外装部51を閉じた状態では、この折り目の位置で庇部73が折り曲げられる。
なお、庇部73は、図10に示す構造に限定されるものではなく、外装部51を開いた状態における立体構造については、全体の形状、折りの位置及び形状、或いは外装部51に対して取り付ける位置や向きなどに応じて、任意の構造とすることができる。
図10Aに示すように、外装部51を閉じたときには、外装部51の内面側にホログラム支持部71、光源支持部72、および庇部73がそれぞれ折り畳まれ、ホログラムカード60が保持される。外装部51を開くときは、図10Bに示すように外装部51を開くにつれて、ホログラム支持部71は薄板状部材51aおよび51bにそれぞれ引っ張られてホログラム支持部71に形成された折り目が徐々に平面となるようにされる。同様に、庇部73も薄板状部材51aおよび51bにそれぞれ引っ張られて庇部73に形成された折り目が徐々に平面となるようにされていく。このとき、光源支持部72は、外装部51が開くにつれて光源支持部72の山折り部の頂点が外装部51の折り部の方向に移動していくので、光源支持部72と庇部73がぶつかり合うことはない。
そして、図10Cに示すように外装部の開口部が略90度に開いたときに、ホログラム支持部71が一平面を形成し、その平面上にホログラムカード50が固定され、外装部51の開口方向に正対するように載置される。また、光源支持部72に設けられた折り目によって分割された2つの部位が、薄板状部材51a,51bとそれぞれ略々平行となり、光源支持部72に設置された光源56によりホログラムを適切な角度で照射することができる。
ポストカード50においては、薄板状部材51a,51bが開く回転軸の方向を、ホログラムカード60の再生に適した照明光の入射方向と略々同一方向とすることにより、外装部51の開閉動作に伴って、若干ホログラムカード60に対する光の入射方向とホログラム面に対する観察者の視点とが順次変化することとなる。したがって、例えばホログラムカード60がホログラフィックステレオグラムとして形成され、ホログラム像に対して垂直方向に複数の要素ホログラムが記録されている場合には、このホログラム像に対して垂直方向に外装部51を開閉する構造とすることによって、立体表示された動画像を良好に再生することが可能となる。
次に、この発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、図11に示すように、薄板状部材91a、91bが開く回転軸の方向が光源64の照射方向と略々直交するようにしたポストカード80である。
図11のポストカード80は、外装部91の内部に形成された外装部支持体82により外装部91を所定の角度で開いた状態で維持され、薄板状部材91bの外面側を下にして載置台の上に載置されている。外装部91の内面側には切り込み部81によって固定されたホログラムカード60と、ホログラムカード60を斜め上の方向から適切な角度で照射する光源64が設けられている。光源64は、薄板状部材91aにおいて外装部91を開いたときにホログラムカードを照射できる位置に設けられる。
切り込み部81は、例えば薄板状部材91bの一部に少なくとも一対の切り込みが形成されており、この切り込み81にホログラムカード60の端部を挟み込むことによりホログラムを固定することができる。また、薄板状部材91bの所定の部分に例えば粘着剤や接着剤を塗布することによってホログラムカード60を固定してもよい。このようにホログラムカード60が外装部91の内部に固定されることにより、輸送中のホログラムカード60の移動を防止できると共に、ホログラム面に傷がつくことを防止することができる。
支持部82は、外装部91の内部に設けられた薄板状部材91aを開いた状態で支持するための部材で、例えば薄板状部材91bにおいて外装部91の折り部の近傍に設けられる。支持部82は、外装部91を開いた状態で薄板状部材91bから薄板状部材91aの方向に折り曲げ、外装部材91aに形成された切り込み83にその先端が挿入される。支持部82の高さを設定することによって、外装部材91の開き角度を所望のものに設定することができる。
以上、この発明の第1乃至第4の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施の形態においては、ポストカード50、80における外装部51、91が2つの薄板状部材によって構成され、これらが2つ折りで折り畳まれる場合について説明したが、ポストカード50、80は、2つ折りとすることに限定されるものではなく、例えば3つ以上の薄板上部材によって外装部51、91が構成され、3つ折り以上に折り畳むことが可能とされていてもよい。
また、ポストカード50、80は、ホログラムカード60を1つだけ備えることに限定されるものではなく、例えば2つ以上のホログラムカードを備えるようにしてもよい。例えば第3の実施の形態の図10、ホログラム支持部71は山折で左右2つの面に分かれ、一枚のカードが一方に固定される例を説明したが、これらの左右2つの面にそれぞれ別のホログラムカードが備えられていても良い。
また、外装部51、91を構成する薄板状部材を3つ以上連設された形状として外装部51、91の内部に複数ページを設け、ホログラムカード60を各ページにそれぞれ支持することによって、ページをめくる毎にそれぞれ異なるホログラムカード60を順次観察できるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態においては、外装部51、91が紙等の薄板状部材によって平面状に形成される場合について説明したが、外装部51、91を所定の厚さで形成するようにしてもよい。このように外装部51の厚さを厚くすることによって、外装部51、91における機械的強度を向上させることが容易となることから、ホログラムに対する保護を強化させることができる。また、このように厚みを設けた外装部51、91の内部に、各種の弾性体を備えてホログラムに加わる衝撃を吸収する構成としてもよい。
また、外装部51、91の裏面側に、CDやDVD等の光ディスクを収納できるパッケージを設けることもできる。これにより、例えばアーティストのホログラムカード60をジャケットにCDと同梱させることができる。
また、例えば光源の電池を交換可能としたり、ACアダプターにより常時点灯可能になっていること、光源は交換できるようにソケット式になっていることなどの付加機能をつけたりしてもよい。
また、ホログラム支持体に備えられるものは、カード式のものに限定されるものではなく、ホログラムを有し、観察できる状態で保持されるものに適用でき、キーホルダやシールなどであってもよい。
さらには、上述の実施の形態においては、観察者の意思があれば、自由にホログラムカードなどをホログラム支持体から分離できる例を説明したが、再剥離不可能な接着剤や画面テープなどで固着されていてもよい。