JP4788104B2 - 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト - Google Patents
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Description
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は酸クロリド法又はイソシアネート法等公知の方法で製造することができる。
これらのうち静電特性の安定性の観点から下記一般式(I)および/又は一般式(II)で表されるモノマー成分が好ましい。
これらの中では反応性等の点から5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシスルホイソフタル酸のナトリウムやカリウム塩、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール等のジエステル化合物が好ましく、5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸および/又はこれのグリコールエステルや5−ソジウムスルホイソフタル酸および/又はこれのグリコールエステルが特に好ましい。グリコールエステルの場合、ジイソシアネート化合物と組み合わせると、ウレタン結合が生成することにより分子内に導入することができる。
これらの共重合量は酸成分を100モル%としたときに、0.1〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%、更に好ましくは1〜7モル%であり、0.1モル%以下では帯電防止剤の分散性が改良されないため機械的強度や導電性の安定性も改良されないおそれがある。また、20モル%を超えると、シームレスベルトにしたときの吸湿性が大きくなり、寸法安定性が低下することがある。
この場合、必要に応じてトリエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジアザビシクロウンデセン等の有機アミン化合物やフッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、ナトリウムメトキシド等の金属化合物を触媒に用いることが出来る。
1.対数粘度
ポリマー0.5gを100mlのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解した 溶液を25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した。
2.表面抵抗
横河ヒューレットパッカード社製のHIGH RESISTANCE METERを 用いて25℃,65%RH及び10℃,15%RHの環境で測定した。
3.膜強度
測定幅10mm、測定長40mmのポリアミドイミド樹脂フィルムを25℃、65% RH環境下、引っ張り速度20mm/分の条件で東洋ボールドウイン社の引張り試験 機を用いて測定した。
4.引き裂き強度
JIS K7128−1(トラウザー引き裂き法)に従って室温で測定した。
5.分散性
成型品の表面を(株)堀場製作所製グロスチェッカー(IG−320)を用いて室温 で輝度を測定した。
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにトリメリット酸無水物(TMA)0.98モルとジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(MDI)1モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸0.02モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と共に仕込み、攪拌しながら120℃に昇温して約3時間反応させた後、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.85dl/gであった。
実施例1と同じ装置を用いて、TMA0.95モル、MDI1モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸0.05モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が20%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら120℃で約1時間反応させた後、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.86dl/gであった。
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA0.98モルとo−トリジンジイソシアネート(TODI)0.8モル、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)0.2モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエステル0.02モル、ジアザビシクロウンデセン0.02モルを固形分濃度が20%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約4時間反応させた後冷却しながら固形分濃度15%となるようにNMPで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.18dl/gであった。
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA0.90モル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物0.05モル、ビフェニルテトラカルボン酸無水物0.05モルとo−トリジンジイソシアネート1モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸のネオペンチルグリコールエステル0.05モルとフッ化カリウム0.02モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約4時間反応させた後、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.34dl/gであった。
ポリアミドイミド樹脂Aの合成例の中で5−ソジウムスルホイソフタル酸の代わりに5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸を用いた以外は同じ条件でポリアミドイミド樹脂Eを合成した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.78dl/gであった。
上記で合成したポリアミドイミド樹脂A、B、C、D、Eワニス各々にラーベン780(コロンビアンカーボン社)を固形分比で25%配合して3本ロールミルに二回通して分散させた。これらの分散液を直径150mmの円筒状金型に流して200回転/分で回転させながら100℃で30分、次いで220℃で5時間乾燥させた後、金型から脱着して厚みが0.1mmのシームレスベルトを作成した。表1に示すように優れた分散性、導電性及び機械的特性を示し、電子写真複写機やレーザープリンター用ベルトに好適な成型物が得られた。
ポリアミドイミド樹脂A溶液14部にラーベン780を15部とN−メチル−2−ピロリドン85部を混合し、直径2mmのガラスビーズ113部を加えてペイントシェーカーで約5時間分散させて固形分濃度15%、カーボンブラック濃度13%の分散液を作成した。
この分散液をポリアミドイミド樹脂A溶液に固形分中のカーボンブラックが25%となるように混合した溶液を導電性成型品1と同じ条件で成形した。引き裂き強度、導電性共良好で電子写真複写機やレーザープリンター用のベルトに好適であった。
ポリアミドイミド樹脂溶液C14部にケッチェンECP−600JD(ライオンアクゾ社)を15部とN−メチル−2−ピロリドン142部を混合し、直径2mmのガラスビーズ171部を加えてペイントシェーカーで約5時間分散させて固形分濃度10%、カーボンブラック濃度9%の分散液を作成した。この分散液をポリアミドイミド樹脂C溶液に固形分中のカーボンブラックが4%となるように混合した溶液を、導電性成型品3と同じ条件で成形した。この成型品は引き裂き強度、導電性共良好で電子写真複写機やレーザープリンター用のベルトに好適であった。
ポリアミドイミド樹脂製造例Cに用いたTMAの仕込み量を1.07モルに変えた以外は同じ条件で製造して得られた対数粘度が0.37dl/gのポリアミドイミド樹脂Fを用いて導電性成型品3と同じ条件で成形した成型物は表1に示す特性を示したが、分子量が低いため成型物は脆く品質が安定しなかった。
ポリアミドイミド樹脂製造例Cで、5−ソジウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエステルの代わりにイソフタル酸を用いた以外は同じ条件で製造した対数粘度が1.21dl/gのポリアミドイミド樹脂Gを合成した。このポリアミドイミド樹脂を用いて導電性成型品3と同じ条件で成形した成型物は表1に特性を示したが、分散性が悪く導電性成型品3に較べて引き裂き強度が低下する欠点を有していた。
Claims (4)
- イオン性基を有するモノマー成分が共重合された、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物を用いたシームレスベルトであって、前記イオン性基を有するモノマー成分が5−ソジウムスルホイソフタル酸および/若しくはこれのグリコールエステル又は5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸および/若しくはこれのグリコールエステルであり、前記帯電防止剤がカーボンブラックであることを特徴とするシームレスベルト。
- ポリアミドイミド樹脂が、酸成分を100モル%としたときに、イオン性基を有するモノマー成分を0.1 〜20モル%共重合されたポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルト。
- ポリアミドイミド樹脂の酸成分の一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートからなる群のうち少なくとも1種で置き換えられた請求項1又は2に記載のシームレスベルト。
- ポリアミドイミド樹脂のアミン成分(イソシアネート成分)がナフタレンおよび/又はo−トリジン残基を有する請求項1〜3のいずれかに記載のシームレスベルト。
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