JP4788104B2 - 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト - Google Patents

導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト Download PDF

Info

Publication number
JP4788104B2
JP4788104B2 JP2004070035A JP2004070035A JP4788104B2 JP 4788104 B2 JP4788104 B2 JP 4788104B2 JP 2004070035 A JP2004070035 A JP 2004070035A JP 2004070035 A JP2004070035 A JP 2004070035A JP 4788104 B2 JP4788104 B2 JP 4788104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
polyamideimide resin
mol
seamless belt
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004070035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005255862A (ja
Inventor
忠司 犬飼
匡徳 中村
潤 山田
敦士 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2004070035A priority Critical patent/JP4788104B2/ja
Publication of JP2005255862A publication Critical patent/JP2005255862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4788104B2 publication Critical patent/JP4788104B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は各種静電気障害防止材、電磁波シールド材、電子写真複写機やレーザープリンター、ファクシミリ等のトナーや紙を搬送する転写ベルト、更にはトナーを固定する定着ベルトに有用な耐熱導電性組成物に関する。
従来、導電性樹脂組成物としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンやエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フルオロエチレン−プロピレン共重合体等のフッ素樹脂等にアセチレンブラックやケッチェンブラック等の導電カーボンまたは界面活性剤等を分散させたものが用いられてきた。
これらの中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、フッ素樹脂は耐熱性が不十分で長期の機械的ストレスに弱いという欠点があり、ポリイミドについて例えば特許文献1に例示されているが、カーボンの分散が困難であることと成形時に高温でイミド化反応を行わせるために品質のバラツキが大きいという欠点があった。ポリアミドイミド樹脂についても古くから検討されており例えば、特許文献2〜6等に例示されているが、従来のポリアミドイミド樹脂では膜強度や耐久性が不十分なため架橋剤を配合したり、成形フィルム中に溶剤を残存させたりする必要があった。また、特許文献7にはo−トリジン構造を含むポリアミドイミド樹脂にポリアニリン樹脂を配合した組成物が開示されているが、ポリアニリンの吸湿による寸法安定性の低下及び吸湿時のクリープ特性が低下する等の他、230℃以上の熱処理時にポリアニリンの分解に伴う導電性引き裂き強度の低下などの欠点があった。さらに特許文献8には脂環族構造を有するポリアミド樹脂にポリアニリン樹脂を配合した組成物が開示されているが、アミド結合及びポリアニリンに基づく吸湿による寸法安定性の低下及び吸湿時のクリープ特性が低下することと上記同様高温処理時の導電性及び引き裂き強度の低下などが問題であった。また、特許文献7や8のポリアミドイミド樹脂を用いた場合、例えば帯電防止剤としてカーボンブラックを用いたとしても、分散が困難なため膜表面が荒れ、帯電防止効果がバラツクという問題があった。
特に、上記複写機やレーザープリンターの転写ベルトにおいては最近のカラー化、高速化の要求に伴いトナーや紙の吸着、搬送、転写のための静電特性の安定性と機械的強度及びその耐久性、耐熱性の向上が求められている。
特開平11−170284号公報 特開昭56−167151号公報 特開昭58−85468号公報 特開平10−282801号公報 特開2000−313071号公報 特開2001−97519号公報 特開2003−147199号公報 特開2003−261766号公報
本発明は、耐熱性、機械的強度及び寸法安定性に優れ、湿度依存性の少ない安定的な導電性及び寸法安定性を有する組成物を提供し優れた静電防止剤、電磁波シールド剤を提供すると同時にこれを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトを提供するものである。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルトに関する。
(1)イオン性基を有する、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物。
(2)イオン性基を有するモノマー成分が、下記一般式(I)および/又は一般式(II)である請求項1に記載の導電性組成物。
Figure 0004788104
Figure 0004788104
(R1、R2は水素またはヒドロキシアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Xはアルカリ金属塩または4級アンモニウム塩を示す。)
(3)イオン性基を有するモノマー成分が5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸および/又はこれのグリコールエステルである(1)に記載の導電性組成物。
(4)イオン性基を有するモノマー成分が、5−ソジウムスルホイソフタル酸および/又はこれのグリコールエステルである(1)に記載の導電性組成物。
(5)ポリアミドイミド樹脂の酸成分の一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートからなる群のうち少なくとも1種で置き換えられた(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性組成物。
(6)ポリアミドイミド樹脂のアミン成分(イソシアネート成分)がナフタレンおよび/又はo−トリジン残基を有する(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性組成物を用いたシームレスベルト。
本発明はイオン性基を含有するポリアミドイミドを用いることで、カーボンブラックなどの分散性が向上し、機械的強度や導電性の湿度依存性が少なく、安定的な導電性を有する、静電防止剤、電磁波シールド剤をして有用であると共に、これを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトとして利用することが出来る。
本発明は耐熱性及び帯電防止剤の分散性に優れ、引き裂き強度などの機械的特性、高温高湿度下での安定な導電性に優れた、フェノール性水酸基、スルホン酸基の金属塩等のイオン性基を含有する高分子量ポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤を配合した導電性組成物及びこれを成形したシームレスベルトである。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は酸クロリド法又はイソシアネート法等公知の方法で製造することができる。
本発明に用いるイオン性基を含有するポリアミドイミド樹脂の製造に用いられる酸成分としてはトリメリット酸及びこれの無水物、酸塩化物の他にピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等のテトラカルボン酸及びこれらの無水物、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、ジカルボキシポリブタジエン、ジカルボキシポリ(アクリロニトリルーブタジエン)、ジカルボキシポリ(スチレン−ブタジエン)等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸があげられこれらの中では反応性、耐熱性、溶解性などの点からトリメリット酸無水物が最も好ましく、その一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートに置き換わったものが寸法安定性の点から好ましい。ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを用いる場合、共重合量は酸成分を100モル%としたときに、5〜70モル%である事が好ましい。下限は10モル%がより好ましく上限は60モル%であることがより好ましい。
ポリアミドイミド樹脂の製造に用いられるジアミン(ジイソシアネート)としてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン及びこれらのジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ジアミン及びこれらのジイソシアネート、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミン及びこれらのジイソシアネートが挙げられこれらの中では耐熱性、機械的特性、溶解性などから4,4’−ジアミノジフェニルメタン(ジイソシアネート)、2,4−トリレンジアミン(ジイソシアネート)、o−トリジン(ジイソシアネート)、ナフタレンジアミン(ジイソシアネート)、イソホロンジアミン(ジイソシアネート)等が好ましい。とりわけ寸法安定性の点からはo−トリジン(ジイソシアネート)とナフタレンジアミン(ジイソシアネート)が好ましい。これらの成分は全ジアミン成分を100モル%としたときに、50モル%以上共重合されていることが好ましく、70モル%以上がより好ましい。
本発明の特徴はイオン性基を含有する化合物が共重合されたポリアミドイミド樹脂にあり、これらの化合物が共重合されることによってカーボンブラックなどの帯電防止剤の分散性が改良され、ベルトに成形した時の引き裂き強度や導電性の湿度安定性が改良される。ポリアミドイミドに共重合されるイオン性基を含有する化合物は、フェノール性水酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基の金属塩や4級アンモニウム塩等を含有する酸無水物、ジカルボン酸、ジイソシアネートなどが挙げられる。具体的にはトリメリット酸モノナトリウム塩、トリメシン酸モノカリウム塩、5−ソジウムカルボキシトリメリット酸無水物、5−ソジウムスルホイソフタル酸、2−カルボキシエチルホスホン酸モノカリウム塩、5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸、5−ジアルキルアミノイソフタル酸等が挙げられる。
これらのうち静電特性の安定性の観点から下記一般式(I)および/又は一般式(II)で表されるモノマー成分が好ましい。
Figure 0004788104
Figure 0004788104
(R1、R2は水素またはヒドロキシアルキル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。Xはアルカリ金属塩または4級アンモニウム塩を示す。)
これらの中では反応性等の点から5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシスルホイソフタル酸のナトリウムやカリウム塩、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール等のジエステル化合物が好ましく、5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸および/又はこれのグリコールエステルや5−ソジウムスルホイソフタル酸および/又はこれのグリコールエステルが特に好ましい。グリコールエステルの場合、ジイソシアネート化合物と組み合わせると、ウレタン結合が生成することにより分子内に導入することができる。
これらの共重合量は酸成分を100モル%としたときに、0.1〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%、更に好ましくは1〜7モル%であり、0.1モル%以下では帯電防止剤の分散性が改良されないため機械的強度や導電性の安定性も改良されないおそれがある。また、20モル%を超えると、シームレスベルトにしたときの吸湿性が大きくなり、寸法安定性が低下することがある。
本発明でシームレスベルトを製造する場合、本発明のポリアミドイミド樹脂を単独で用いても良いが、カーボンブラックなどの帯電防止剤を分散する工程にのみ用いることもできる。例えば、イオン性基を有するポリアミドイミド樹脂溶液にカーボンブラックを予め高濃度で分散させた原液を調整し、この原液にイオン性基を含有しないポリアミドイミド樹脂溶液を混合した溶液を用いてシームレスベルトを作成しても構わない。
本発明に用いるイオン性基を含有するポリアミドイミド樹脂はN,N’−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロリドン,N,N’−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の極性溶剤中、60〜200℃に加熱しながら攪拌することで製造する事ができる。
この場合、必要に応じてトリエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジアザビシクロウンデセン等の有機アミン化合物やフッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、ナトリウムメトキシド等の金属化合物を触媒に用いることが出来る。
本発明の導電性組成物はその主たる目的である電子写真複写機やレーザープリンターの定着ベルトやトナー、搬送ベルトの長期使用に耐えるためにはポリアミドイミド樹脂としての対数粘度は0.5dl/g以上が好ましく、さらに好ましくは0.55dl/g以上、特に好ましくは0.6dl/g以上である。対数粘度の上限は特に定めるものではないが、現実的には3.0dl/g以下、さらには2.5dl/g以下であることが作業性などの点から好ましい。対数粘度が0.5dl/g未満であると、長期使用中にベルトの寸法が変形したり、破断したりする場合がある。
本発明に用いられる帯電防止剤としては特に制限されないが、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、グラファイト等のカーボンブラック類、アニオン系、カチオン系、非イオン性及び両性の界面活性剤、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の電子電導性ポリマー等が用いられる。これらの中では導電性の湿度依存性が少なく、ポリアミドイミドへの分散性や相溶性に優れるカーボンブラックやポリアニリンが好ましい。
ポリアニリンにおいて、酸化重合したポリアニリン誘導体に無機酸やドデシルベンゼンスルホン酸等の有機プロトン酸ドーパントをドーピングした有機溶剤や水に溶解又は分散可能なものが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂に配合する帯電防止剤の量は帯電防止剤によって異なるが、ベルトに成形したときの表面抵抗値が106〜1014(Ω/□)の範囲にはいるように調整される。カーボンブラックの場合の配合量は5〜30%の間で選択される。
ポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤を配合する方法はデイゾルバー、3本ロールミル、サンドミル、ボールミル、プラネタリウムミキサー、アトライター等通常の分散機を用いて行うことができる。この場合、耐熱導電性組成物の特性を損なわない範囲で着色剤、分散剤、無機フィラー、レベリング剤、消泡剤、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン等の他樹脂、シリコーン系離型剤、架橋剤等を配合することができる。架橋剤としては2官能以上のエポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物が挙げられる。
本発明のポリアミドイミド樹脂と帯電防止剤からなる耐熱導電性組成物からベルト等を成型する方法は、押し出し成形、ブロー成形、射出成形、コーテイング、遠心成形等によって行われ、これらの中では溶液成形が可能な遠心成型法が好ましい。
以下実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例よって何ら制限されるものではない。尚、実施例中の測定値は以下の方法で測定した値である。
1.対数粘度
ポリマー0.5gを100mlのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解した 溶液を25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した。
2.表面抵抗
横河ヒューレットパッカード社製のHIGH RESISTANCE METERを 用いて25℃,65%RH及び10℃,15%RHの環境で測定した。
3.膜強度
測定幅10mm、測定長40mmのポリアミドイミド樹脂フィルムを25℃、65% RH環境下、引っ張り速度20mm/分の条件で東洋ボールドウイン社の引張り試験 機を用いて測定した。
4.引き裂き強度
JIS K7128−1(トラウザー引き裂き法)に従って室温で測定した。
5.分散性
成型品の表面を(株)堀場製作所製グロスチェッカー(IG−320)を用いて室温 で輝度を測定した。
(ポリアミドイミド樹脂Aの合成)
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにトリメリット酸無水物(TMA)0.98モルとジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(MDI)1モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸0.02モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と共に仕込み、攪拌しながら120℃に昇温して約3時間反応させた後、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.85dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Bの合成)
実施例1と同じ装置を用いて、TMA0.95モル、MDI1モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸0.05モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が20%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら120℃で約1時間反応させた後、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.86dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Cの合成)
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA0.98モルとo−トリジンジイソシアネート(TODI)0.8モル、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)0.2モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエステル0.02モル、ジアザビシクロウンデセン0.02モルを固形分濃度が20%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約4時間反応させた後冷却しながら固形分濃度15%となるようにNMPで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.18dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Dの合成)
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA0.90モル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物0.05モル、ビフェニルテトラカルボン酸無水物0.05モルとo−トリジンジイソシアネート1モル、5−ソジウムスルホイソフタル酸のネオペンチルグリコールエステル0.05モルとフッ化カリウム0.02モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約4時間反応させた後、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.34dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Eの合成)
ポリアミドイミド樹脂Aの合成例の中で5−ソジウムスルホイソフタル酸の代わりに5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸を用いた以外は同じ条件でポリアミドイミド樹脂Eを合成した。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.78dl/gであった。
(実施例−1、2、3、4、5)
上記で合成したポリアミドイミド樹脂A、B、C、D、Eワニス各々にラーベン780(コロンビアンカーボン社)を固形分比で25%配合して3本ロールミルに二回通して分散させた。これらの分散液を直径150mmの円筒状金型に流して200回転/分で回転させながら100℃で30分、次いで220℃で5時間乾燥させた後、金型から脱着して厚みが0.1mmのシームレスベルトを作成した。表1に示すように優れた分散性、導電性及び機械的特性を示し、電子写真複写機やレーザープリンター用ベルトに好適な成型物が得られた。
(実施例−6)
ポリアミドイミド樹脂A溶液14部にラーベン780を15部とN−メチル−2−ピロリドン85部を混合し、直径2mmのガラスビーズ113部を加えてペイントシェーカーで約5時間分散させて固形分濃度15%、カーボンブラック濃度13%の分散液を作成した。
この分散液をポリアミドイミド樹脂A溶液に固形分中のカーボンブラックが25%となるように混合した溶液を導電性成型品1と同じ条件で成形した。引き裂き強度、導電性共良好で電子写真複写機やレーザープリンター用のベルトに好適であった。
(実施例−7)
ポリアミドイミド樹脂溶液C14部にケッチェンECP−600JD(ライオンアクゾ社)を15部とN−メチル−2−ピロリドン142部を混合し、直径2mmのガラスビーズ171部を加えてペイントシェーカーで約5時間分散させて固形分濃度10%、カーボンブラック濃度9%の分散液を作成した。この分散液をポリアミドイミド樹脂C溶液に固形分中のカーボンブラックが4%となるように混合した溶液を、導電性成型品3と同じ条件で成形した。この成型品は引き裂き強度、導電性共良好で電子写真複写機やレーザープリンター用のベルトに好適であった。
(比較例−1)
ポリアミドイミド樹脂製造例Cに用いたTMAの仕込み量を1.07モルに変えた以外は同じ条件で製造して得られた対数粘度が0.37dl/gのポリアミドイミド樹脂Fを用いて導電性成型品3と同じ条件で成形した成型物は表1に示す特性を示したが、分子量が低いため成型物は脆く品質が安定しなかった。
(比較例−2)
ポリアミドイミド樹脂製造例Cで、5−ソジウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールエステルの代わりにイソフタル酸を用いた以外は同じ条件で製造した対数粘度が1.21dl/gのポリアミドイミド樹脂Gを合成した。このポリアミドイミド樹脂を用いて導電性成型品3と同じ条件で成形した成型物は表1に特性を示したが、分散性が悪く導電性成型品3に較べて引き裂き強度が低下する欠点を有していた。
Figure 0004788104
本発明はイオン性基を含有するポリアミドイミドを用いることで、カーボンブラックなどの分散性が向上し、機械的強度や導電性の湿度依存性が少なく、安定的な導電性を有する、静電防止剤、電磁波シールド剤をして有用であると共に、これを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトとして利用することが出来る。

Claims (4)

  1. イオン性基を有するモノマー成分が共重合された、対数粘度が0.5dl/g以上のポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物を用いたシームレスベルトであって前記イオン性基を有するモノマー成分が5−ソジウムスルホイソフタル酸および/若しくはこれのグリコールエステル又は5−ソジウムヒドロキシイソフタル酸および/若しくはこれのグリコールエステルであり、前記帯電防止剤がカーボンブラックであることを特徴とするシームレスベルト。
  2. ポリアミドイミド樹脂が、酸成分を100モル%としたときに、イオン性基を有するモノマー成分を0.1 〜20モル%共重合されたポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルト。
  3. ポリアミドイミド樹脂の酸成分の一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物およびエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートからなる群のうち少なくとも1種で置き換えられた請求項1又は2に記載のシームレスベルト
  4. ポリアミドイミド樹脂のアミン成分(イソシアネート成分)がナフタレンおよび/又はo−トリジン残基を有する請求項1〜のいずれかに記載のシームレスベルト
JP2004070035A 2004-03-12 2004-03-12 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト Expired - Fee Related JP4788104B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070035A JP4788104B2 (ja) 2004-03-12 2004-03-12 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004070035A JP4788104B2 (ja) 2004-03-12 2004-03-12 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005255862A JP2005255862A (ja) 2005-09-22
JP4788104B2 true JP4788104B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=35081913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004070035A Expired - Fee Related JP4788104B2 (ja) 2004-03-12 2004-03-12 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4788104B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006088034A1 (ja) * 2005-02-16 2006-08-24 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha 燃料電池用セパレーター及びその製造方法
JP4983370B2 (ja) * 2007-04-19 2012-07-25 東洋紡績株式会社 導電性組成物、その製造方法及びそれを用いたシームレスベルト

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3168476B2 (ja) * 1992-03-13 2001-05-21 東洋紡績株式会社 イオン性基含有ポリアミドイミド
JPH0940778A (ja) * 1995-07-28 1997-02-10 Toyobo Co Ltd 水分散性ポリアミドイミド樹脂及びその分散液の製造方法
JP2000187827A (ja) * 1998-12-18 2000-07-04 Toyobo Co Ltd 磁気記録媒体
JP2001354854A (ja) * 2000-06-12 2001-12-25 Gunze Ltd 半導電性ポリアミドイミド組成物
JP2003261767A (ja) * 2002-03-11 2003-09-19 Toyobo Co Ltd 組成物およびそれを用いたシームレスベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005255862A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4345079B2 (ja) 耐熱導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト
JP5136441B2 (ja) アミド酸オリゴマー溶液組成物を用いたポリイミド膜の製造方法、及びアミド酸オリゴマー溶液組成物
JP4622584B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルトおよびその製法
US20140001409A1 (en) Polyamide-imide resin film and seamless belt including the resin film
JP2005290019A (ja) 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト
JP4788104B2 (ja) 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト
US8092718B2 (en) Semiconductive seamless belt
JP2003261767A (ja) 組成物およびそれを用いたシームレスベルト
JP2004155947A (ja) ポリアミドイミド樹脂の製造方法
JP2016071100A (ja) 電子写真用部材用の導電性組成物、および、電子写真用部材
JP2006267572A (ja) 半導電性シームレスベルト
JP2015199858A (ja) ポリアミドイミド樹脂及びそれを用いたシームレスベルト
JP4983370B2 (ja) 導電性組成物、その製造方法及びそれを用いたシームレスベルト
EP2761376B1 (en) Endless belt
JP2003261766A (ja) 組成物およびそれを用いたシームレスベルト
JP2005247987A (ja) 半導電性ポリイミド系前駆体組成物及びそれを用いた半導電性ポリイミド系管状物の製造方法
JP2006225454A (ja) ポリイミド系樹脂
JP5432012B2 (ja) 半導電性ベルトの製造方法
JP2009001616A (ja) ポリアニリン組成物、ポリアミック酸組成物、ポリイミド成型物及びその製造方法、無端状ベルト、ベルト張架装置並びに画像形成装置
JP6155178B2 (ja) 無端ベルトおよびその製造方法
JP5092674B2 (ja) 樹脂組成物、樹脂成形物及びその製造方法、ベルト張架装置、プロセスカートリッジ、並びに画像形成装置
JP5926085B2 (ja) 電子写真機器用無端ベルト
JP2004302094A (ja) 半導電性ベルト及びその製造方法
JP2004205617A (ja) 半導電性シームレスベルト及びその製造方法
JP2014101500A (ja) ポリアミドイミド樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100506

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110621

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110704

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees