JP2005290019A - 導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱性、機械的強度及び寸法安定性に優れ、湿度依存性の少ない安定的な導電性及び寸法安定性を有する組成物を提供し優れた静電防止剤、電磁波シールド剤を提供すると同時にこれを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトを提供する。
【解決手段】 対数粘度が0.5dl/g以上でシリコーンが共重合されたポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルトに関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 対数粘度が0.5dl/g以上でシリコーンが共重合されたポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルトに関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は各種静電気障害防止材、電磁波シールド材、電子写真複写機やレーザープリンター、ファクシミリ等のトナーや紙を搬送する転写ベルト、更にはトナーを固定する定着ベルトに有用な耐熱導電性組成物に関する。
従来、導電性樹脂組成物としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンやエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フルオロエチレン−プロピレン共重合体等のフッ素樹脂等にアセチレンブラックやケッチェンブラック等の導電カーボンまたは界面活性剤等を分散させたものが用いられてきた。
これらの中で、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、フッ素樹脂は耐熱性が不十分で長期の機械的ストレスに弱いという欠点があり、ポリイミドについて例えば特許文献1に例示されているが、カーボンの分散が困難であることと成形時に高温でイミド化反応を行わせるために品質のバラツキが大きいという欠点があった。ポリアミドイミド樹脂についても古くから検討されており例えば、特許文献2〜6等に例示されているが、従来のポリアミドイミド樹脂では膜強度や耐久性が不十分なため架橋剤を配合したり、成形フィルム中に溶剤を残存させたりする必要があった。また、特許文献7にはo−トリジン構造を含むポリアミドイミド樹脂にポリアニリン樹脂を配合した組成物が開示されているが、ポリアニリンの吸湿による寸法安定性の低下及び吸湿時のクリープ特性が低下する等の他、230℃以上の熱処理時にポリアニリンの分解に伴う導電性引き裂き強度の低下などの欠点があった。さらに特許文献8には脂環族構造を有するポリアミド樹脂にポリアニリン樹脂を配合した組成物が開示されているが、アミド結合及びポリアニリンに基づく吸湿による寸法安定性の低下及び吸湿時のクリープ特性が低下することと上記同様高温処理時の導電性及び引き裂き強度の低下などが問題であった。
特に、上記複写機やレーザープリンターの転写ベルトにおいては最近のカラー化、高速化の要求に伴いトナーや紙の吸着、搬送、転写のための静電特性の安定性と機械的強度及びその耐久性、耐熱性の向上、更には高温多湿下での寸法安定性が求められている。
本発明は、耐熱性、機械的強度及び寸法安定性に優れ、湿度依存性の少ない安定的な導電性及び寸法安定性を有する組成物を提供し優れた静電防止剤、電磁波シールド剤を提供すると同時にこれを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトを提供するものである。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の導電性組成物及びそれを用いたシームレスベルトに関する。
(1)対数粘度が0.5dl/g以上でシリコーンが共重合されたポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物。
(2)シリコーンが、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基のいずれかを含有する(1)に記載の導電性組成物。
(3)ポリアミドイミド樹脂の酸成分の一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートの1種又は2種以上に置き換えられた(1)または(2)に記載の導電性組成物。
(4)ポリアミドイミド樹脂のアミン成分(イソシアネート成分)がナフタレン及び/又はo−トリジン残基を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性組成物を用いたシームレスベルト。
本発明の導電性樹脂組成物は強度、耐熱性に優れ、寸法安定性の湿度依存性が少なく、安定的な導電性を有する、静電防止剤、電磁波シールド剤をして有用であると共に、これを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトとして利用することが出来る。
本発明は耐熱性及び機械的特性、高温高湿度下での寸法安定性に優れた、シリコーンが共重合された高分子量ポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤を配合した導電性組成物及びこれを成形したシームレスベルトである。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は酸クロリド法又はイソシアネート法等公知の方法で製造することができる。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は酸クロリド法又はイソシアネート法等公知の方法で製造することができる。
ポリアミドイミド樹脂の製造に用いられる酸成分としてはトリメリット酸及びこれの無水物、酸塩化物の他にピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルスルホンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等のテトラカルボン酸及びこれらの無水物、シュウ酸、アジピン酸、マロン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、ジカルボキシポリブタジエン、ジカルボキシポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)、ジカルボキシポリ(スチレン−ブタジエン)等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸があげられこれらの中では反応性、耐熱性、溶解性などの点からトリメリット酸無水物が最も好ましく、その一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートに置き換わったものが寸法安定性の点から好ましい。ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを用いる場合、共重合量は酸成分を100モル%としたときに、5〜70モル%である事が好ましい。下限は10モル%がより好ましく上限は60モル%であることがより好ましい。
ポリアミドイミド樹脂の製造に用いられるジアミン(ジイソシアネート)としてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン及びこれらのジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’ −ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ジアミン及びこれらのジイソシアネート、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミン及びこれらのジイソシアネートが挙げられこれらの中では耐熱性、機械的特性、溶解性などから4,4’−ジアミノジフェニルメタン(ジイソシアネート)、2,4−トリレンジアミン(ジイソシアネート)、o−トリジン(ジイソシアネート)、ナフタレンジアミン(ジイソシアネート)、イソホロンジアミン(ジイソシアネート)等が好ましい。とりわけ寸法安定性の点からはo−トリジン(ジイソシアネート)とナフタレンジアミン(ジイソシアネート)が好ましい。これらの成分は全ジアミン成分を100モル%としたときに、50モル%以上共重合されていることが好ましく、70モル%以上がより好ましい。
本発明の特徴はシリコーン化合物が共重合されたポリアミドイミド樹脂にあり、シリコーンが共重合されることによってポリアミドイミド樹脂の寸法安定性、特に湿度寸法安定性が改良されること、ベルト成型時の金型剥離性が改良され生産性が向上すること、成形されたベルトの引き裂き強度が改良される。
ポリアミドイミドに共重合されるシリコーン化合物としては末端又は側鎖にアミノ基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基のいずれかを1分子当たり1官能以上含有するものが好ましい。また分子量が500以上のシリコーン化合物が望ましい。該シリコーン化合物はジメチルシロキサン及び/又はメチル−フェニルシロキサンの繰り返し単位からなるものが好ましい。分子量の上限は10000以下が好ましく、官能基は4個以下が好ましい。分子量が10000を超えるとポリアミドイミド樹脂との相溶性が低下することがあり、官能基が5個以上になるとポリアミドイミド樹脂製造の際、ゲル化することがあるからである。
ポリアミドイミドに共重合されるシリコーン化合物としては末端又は側鎖にアミノ基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基のいずれかを1分子当たり1官能以上含有するものが好ましい。また分子量が500以上のシリコーン化合物が望ましい。該シリコーン化合物はジメチルシロキサン及び/又はメチル−フェニルシロキサンの繰り返し単位からなるものが好ましい。分子量の上限は10000以下が好ましく、官能基は4個以下が好ましい。分子量が10000を超えるとポリアミドイミド樹脂との相溶性が低下することがあり、官能基が5個以上になるとポリアミドイミド樹脂製造の際、ゲル化することがあるからである。
シリコーン化合物の共重合量はポリマー重量中1〜50%が好ましく、より好ましくは3〜30%である。1%以下ではベルトの寸法安定性や引き裂き強度の改良が不十分となることがあり、50%を超えるとベルトの形状保持性が低下するおそれがある。
本発明に用いるシリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂はN,N’−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロリドン,N,N’−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の極性溶剤中、60〜200℃に加熱しながら攪拌することで製造する事ができる。シリコーン化合物は重合初期、重合途中のいずれの段階で反応系に添加しても構わない。
この場合、必要に応じてトリエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジアザビシクロウンデセン等の有機アミン化合物やフッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、ナトリウムメトキシド等の金属化合物を触媒に用いることが出来る。
この場合、必要に応じてトリエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジアザビシクロウンデセン等の有機アミン化合物やフッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、ナトリウムメトキシド等の金属化合物を触媒に用いることが出来る。
本発明の導電性組成物はその主たる目的である電子写真複写機やレーザープリンターの定着ベルトやトナー、搬送ベルトの長期使用に耐えるためにはポリアミドイミド樹脂としての対数粘度は0.5dl/g以上が好ましく、さらに好ましくは0.55dl/g以上、特に好ましくは0.6dl/g以上である。対数粘度の上限は特に定めるものではないが、現実的には3.0dl/g以下、さらには2.5dl/g以下であることが作業性などの点から好ましい。対数粘度が0.5dl/g以下であると、長期使用中にベルトの寸法が変形したり、破断したりする場合がある。
本発明に用いられる帯電防止剤としては特に制限されないが、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、グラファイト等のカーボンブラック類、アニオン系、カチオン系、非イオン性及び両性の界面活性剤、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアニリン等の電子電導性ポリマー等が用いられる。これらの中では導電性の湿度依存性が少なく、ポリアミドイミドへの分散性や相溶性に優れるカーボンブラックやポリアニリンが好ましい。
ポリアニリンにおいて、酸化重合したポリアニリン誘導体に無機酸やドデシルベンゼンスルホン酸等の有機プロトン酸ドーパントをドーピングした有機溶剤や水に溶解又は分散可能なものが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂に配合する帯電防止剤の量は帯電防止剤によって異なるが、ベルトに成形したときの表面抵抗値が106〜1014(Ω/□)の範囲にはいるように調整される。カーボンブラックの場合の配合量は5〜30%の間で選択される。
シリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤を配合する方法はデイゾルバー、3本ロールミル、サンドミル、ボールミル、プラネタリウムミキサー、アトライター等通常の分散機を用いて行うことができる。この場合、耐熱導電性組成物の特性を損なわない範囲で着色剤、分散剤、無機フィラー、レベリング剤、消泡剤、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン等の他樹脂、シリコーン系離型剤、架橋剤等を配合することができる。架橋剤としては2官能以上のエポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート化合物が挙げられる。
シリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂と帯電防止剤からなる耐熱導電性組成物からベルト等を成型する方法は、押し出し成形、ブロー成形、射出成形、コーテイング、遠心成形等によって行われ、これらの中では溶液成形が可能な遠心成型法が好ましい。
以下実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例よって何ら制限されるものではない。尚、実施例中の測定値は以下の方法で測定した値である。
1.対数粘度
ポリマー0.5gを100mlのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解した 溶液を25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した。
2.湿度膨張係数
測定幅4mmのポリアミドイミドフィルムに荷重3gをかけて、測定雰囲気が40% RHと65%RHでの寸法変化を測定した。
3.表面抵抗
横河ヒューレットパッカード社製のHIGH RESISTANCE METERを 用いて25℃,65%RH及び10℃,15%RHの環境で測定した。
4.膜強度
測定幅10mm、測定長40mmのポリアミドイミド樹脂フィルムを25℃、65% RH環境下、引っ張り速度20mm/分の条件で東洋ボールドウイン社の引張り試験 機を用いて測定した。
5.引き裂き強度
JIS K7128−1(トラウザー引き裂き法)に従って室温で測定した。
6.シリコーン含有量
ジメチルスルホキシド−d6に溶解したポリアミドイミド樹脂の核磁気共鳴スペクト ルのSi−CH3プロトン(0ppm付近)とその他のプロトンとの比較により求め た。
7.吸湿率
約30μmのフィルム約1gを精秤し(W0)、これを25℃、65%RHの雰囲気 に20時間整地した後、再度精秤し(W1)次式により求めた。
吸湿率(%)=〔(W1−W0)/W1〕×100
1.対数粘度
ポリマー0.5gを100mlのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に溶解した 溶液を25℃でウベローデ粘度管を用いて測定した。
2.湿度膨張係数
測定幅4mmのポリアミドイミドフィルムに荷重3gをかけて、測定雰囲気が40% RHと65%RHでの寸法変化を測定した。
3.表面抵抗
横河ヒューレットパッカード社製のHIGH RESISTANCE METERを 用いて25℃,65%RH及び10℃,15%RHの環境で測定した。
4.膜強度
測定幅10mm、測定長40mmのポリアミドイミド樹脂フィルムを25℃、65% RH環境下、引っ張り速度20mm/分の条件で東洋ボールドウイン社の引張り試験 機を用いて測定した。
5.引き裂き強度
JIS K7128−1(トラウザー引き裂き法)に従って室温で測定した。
6.シリコーン含有量
ジメチルスルホキシド−d6に溶解したポリアミドイミド樹脂の核磁気共鳴スペクト ルのSi−CH3プロトン(0ppm付近)とその他のプロトンとの比較により求め た。
7.吸湿率
約30μmのフィルム約1gを精秤し(W0)、これを25℃、65%RHの雰囲気 に20時間整地した後、再度精秤し(W1)次式により求めた。
吸湿率(%)=〔(W1−W0)/W1〕×100
(ポリアミドイミド樹脂Aの合成)
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにトリメリット酸無水物(以下TMAと略することがある)1.02モルとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(以下MDIと略することがある)1モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略することがある)と共に仕込み、攪拌しながら100℃に昇温して約1時間反応させた。この反応溶液にKF8012(信越化学社製末端アミノ基、ジメチルポリシロキサン:分子量約4000)を樹脂固形分中18重量%となるようにとNMPを加えて固形分濃度が20%となるようにした。この溶液を150℃に昇温して約3時間反応を継続した。得られたポリアミドイミド樹脂中のシリコーン含有量は18%、対数粘度は0.7dl/gであった。
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにトリメリット酸無水物(以下TMAと略することがある)1.02モルとジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(以下MDIと略することがある)1モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略することがある)と共に仕込み、攪拌しながら100℃に昇温して約1時間反応させた。この反応溶液にKF8012(信越化学社製末端アミノ基、ジメチルポリシロキサン:分子量約4000)を樹脂固形分中18重量%となるようにとNMPを加えて固形分濃度が20%となるようにした。この溶液を150℃に昇温して約3時間反応を継続した。得られたポリアミドイミド樹脂中のシリコーン含有量は18%、対数粘度は0.7dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Bの合成)
実施例1と同じ装置を用いて、TMA1.0モル、MDI0.95モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が30%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら100℃で約1時間反応させた後、X−22−1660B−3(信越化学社製末端アミノ基、メチルフェニルシロキサン:分子量約4000)を樹脂固形分中34重量%となるようにNMPと共に、全固形分濃度が30%となるように添加して、更に150℃で約3時間反応させ、冷却しながらNMPを加えて固形分濃度を20%にした。このシリコーン共重合体のシリコーン含有量は32%、対数粘度は0.82dl/gであった。
実施例1と同じ装置を用いて、TMA1.0モル、MDI0.95モル、フッ化カリウム0.01モルを固形分濃度が30%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら100℃で約1時間反応させた後、X−22−1660B−3(信越化学社製末端アミノ基、メチルフェニルシロキサン:分子量約4000)を樹脂固形分中34重量%となるようにNMPと共に、全固形分濃度が30%となるように添加して、更に150℃で約3時間反応させ、冷却しながらNMPを加えて固形分濃度を20%にした。このシリコーン共重合体のシリコーン含有量は32%、対数粘度は0.82dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Cの合成)
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA1.03モルとo−トリジンジイソシアネート(TODI)0.8モル、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)0.2モル、ジアザビシクロウンデセン0.02モルを固形分濃度が20%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約2時間反応させた後、X−22−1660B−3を樹脂固形分中22重量%となるようにNMPと共に全固形分濃度が20%となるように加え、120℃に昇温して更に3時間反応させ、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにNMPで希釈した。得られたシリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂のシリコーン含有量は21%で対数粘度は1.20dl/gであった。
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA1.03モルとo−トリジンジイソシアネート(TODI)0.8モル、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)0.2モル、ジアザビシクロウンデセン0.02モルを固形分濃度が20%となるようにNMPと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約2時間反応させた後、X−22−1660B−3を樹脂固形分中22重量%となるようにNMPと共に全固形分濃度が20%となるように加え、120℃に昇温して更に3時間反応させ、冷却しながら固形分濃度が15%となるようにNMPで希釈した。得られたシリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂のシリコーン含有量は21%で対数粘度は1.20dl/gであった。
(ポリアミドイミド樹脂Dの合成)
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA0.95モル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物0.05モル、ビフェニルテトラカルボン酸無水物0.05モルとo−トリジンジイソシアネート1モル、フッ化カリウム0.02モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約2時間反応させた後、X−22−1660B−3を樹脂固形分中35重量%となるようにNMPと共に全固形分濃度が20%となるように加え、反応温度を120℃にして更に3時間反応させ、冷却しながら固形分濃度を15%となるようにNMPで希釈した。得られたシリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂のシリコーン含有量は34%、対数粘度は1.27dl/gであった。
冷却管と窒素ガス導入口のついた4ツ口フラスコにTMA0.95モル、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物0.05モル、ビフェニルテトラカルボン酸無水物0.05モルとo−トリジンジイソシアネート1モル、フッ化カリウム0.02モルを固形分濃度が20%となるようにN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、攪拌しながら90℃に昇温して約2時間反応させた後、X−22−1660B−3を樹脂固形分中35重量%となるようにNMPと共に全固形分濃度が20%となるように加え、反応温度を120℃にして更に3時間反応させ、冷却しながら固形分濃度を15%となるようにNMPで希釈した。得られたシリコーン共重合ポリアミドイミド樹脂のシリコーン含有量は34%、対数粘度は1.27dl/gであった。
(導電性成型品の製造例−1、2、3,4)
上記で合成したポリアミドイミド樹脂A、B、C、D、ワニス各々にラーベン780(コロンビアンカーボン社)を固形分比で25%配合して3本ロールミルに二回通して分散させた。これらの分散液を直径150mmの円筒状金型に流して200回転/分で回転させながら100℃で30分、次いで220℃で5時間乾燥させた後、金型から脱着して厚みが約0.1mmのシームレスベルトを作成した。表1に示すように優れた導電性と機械的特性を示し、電子写真複写機やレーザープリンター用ベルトに好適な成型物が得られた。
上記で合成したポリアミドイミド樹脂A、B、C、D、ワニス各々にラーベン780(コロンビアンカーボン社)を固形分比で25%配合して3本ロールミルに二回通して分散させた。これらの分散液を直径150mmの円筒状金型に流して200回転/分で回転させながら100℃で30分、次いで220℃で5時間乾燥させた後、金型から脱着して厚みが約0.1mmのシームレスベルトを作成した。表1に示すように優れた導電性と機械的特性を示し、電子写真複写機やレーザープリンター用ベルトに好適な成型物が得られた。
(比較例−1)
ポリアミドイミド樹脂製造例Bに用いたTMAの仕込み量を1.07モルに変えた以外は同じ条件で製造して得られた対数粘度が0.37dl/gのポリアミドイミド樹脂Eを用いて導電性成型品2と同じ条件で成形した成型物は表1に示す特性を示したが、分子量が低いため成型物は脆く品質が安定しなかった。
ポリアミドイミド樹脂製造例Bに用いたTMAの仕込み量を1.07モルに変えた以外は同じ条件で製造して得られた対数粘度が0.37dl/gのポリアミドイミド樹脂Eを用いて導電性成型品2と同じ条件で成形した成型物は表1に示す特性を示したが、分子量が低いため成型物は脆く品質が安定しなかった。
(比較例−2)
ポリアミドイミド樹脂製造例BでX−22−1660B−3を添加しなかった以外は同じ条件で製造した対数粘度が0.57dl/gのポリアミドイミド樹脂Fを合成した。このポリアミドイミド樹脂を用いて導電性成型品2と同じ条件で成形した成型物は表1に特性を示したが、湿度寸法安定性が低下する欠点を有していた。
ポリアミドイミド樹脂製造例BでX−22−1660B−3を添加しなかった以外は同じ条件で製造した対数粘度が0.57dl/gのポリアミドイミド樹脂Fを合成した。このポリアミドイミド樹脂を用いて導電性成型品2と同じ条件で成形した成型物は表1に特性を示したが、湿度寸法安定性が低下する欠点を有していた。
本発明の導電性樹脂組成物は強度、耐熱性に優れ、寸法安定性の湿度依存性が少なく、安定的な導電性を有する、静電防止剤、電磁波シールド剤をして有用であると共に、これを用いた電子写真複写機やレーザープリンターの搬送ベルトや定着ベルトとして利用することが出来る。
Claims (5)
- 対数粘度が0.5dl/g以上でシリコーンが共重合されたポリアミドイミド樹脂に帯電防止剤が配合された導電性組成物。
- シリコーンが、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基のいずれかを含有する請求項1に記載の導電性組成物。
- ポリアミドイミド樹脂の酸成分の一部がピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートの1種又は2種以上に置き換えられた請求項1または2に記載の導電性組成物。
- ポリアミドイミド樹脂のアミン成分(イソシアネート成分)がナフタレン及び/又はo−トリジン残基を有する請求項1〜3のいずれかに記載の導電性組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性組成物を用いたシームレスベルト。
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