JP4787952B2 - 糖尿病性白内障を予防する医薬品製剤 - Google Patents

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本発明は、サリドマイドの医療上の利用に関するものである。人間、とくに成人に発症するインスリン依存性2型糖尿病は、単に血糖コントロール不能の状態であるばかりでなく、副症状として糖尿病性白内障を誘発し、視力障害を引き起こすことが知られている。本発明は従来インスリンだけでは抑制することができなかった糖尿病の副症状、とくに糖尿病性白内障を予防をするための医薬品製剤に関するものである。
従来は糖尿病自体を、インスリンを用いてコントロールすることに主眼が置かれてきたが、これだけでは糖尿病性白内障の発症を抑えることはできないことが知られている。糖尿病の発症が始まると、血糖値の上昇が腎機能の低下をもたらし、体のイオンバランスが崩れやすくなる。具体的には、体内のナトリウムイオンを排出して、カリウムイオンを残す機能が損なわれるため、血液中のナトリウムイオンが増加することによって血液のPHが変化し、細胞の再生機能が低下する。糖尿病性白内障は、眼の水晶体を構成する細胞の再生機能が低下することにより生じる。
また糖尿病に起因する免疫系の不全によっても白内障が発症する。免疫系の不都合により生じた白血球の増殖が眼の水晶体を構成する細胞を攻撃することにより死滅に至らしめ、糖尿病性白内障を発症する。
サリドマイドは過去に胎児の四肢障害など重篤な薬害を引き起こしたことで知られる睡眠薬であるが、近年、抗腫瘍因子TNF-αの抑制効果から生じる抗がん、抗エイズ、ハンセン病における疼痛緩和効果が知られるようになり、医療現場での使用が報告されるようになった。
特開2001-278789 公報
糖尿病性白内障を防ぐ医薬品製剤は従来発明されていない。従来法には、糖尿病性白内障を予防する効果はなく、対処療法を繰り返しても病状の進行を止めることはできなかった。
本発明は、サリドマイドが有する生理効果のひとつである抗腫瘍因子TNF-α(Tumor Necrosis Factor、サイトカインの一種)の活性を抑制する効果に着目し、サリドマイドを経口、眼内もしくは腹腔内に投与することによって、糖尿病発症後の糖尿病性白内障の予防に寄与する医薬製剤を提供する。
本発明は、課題を解決するために有効成分としてサリドマイドを含んでなる、糖尿病性白内障の予防をするための医薬品製剤を提供する。
本発明は、課題を解決するため手段として、有効成分としてサリドマイドを含んでなる、糖尿病性白内障の予防をするための医薬品製剤を提供し、該医薬品製剤は1から100mg/kg/日の量、好ましくは5から20mg/kg/日の量、継続的に投与されることを要請する。
本発明が課題を解決するため手段として提供する糖尿病性白内障の予防をするための医薬品製剤は、経口、眼内もしくは腹腔内に投与される。
本発明が課題を解決するため手段として提供する糖尿病性白内障の予防をするための医薬品製剤は、錠剤、トローチ剤、粉末、溶液、浸潤放散剤の形態で投与される。
本発明は、課題を解決するため手段として、上記錠剤、トローチ剤、粉末、溶液、浸潤放散剤が、追加の成分を含んでなる医薬品製剤を提供する。
糖尿病の発症が始まると、血糖値の上昇が腎機能の低下をもたらし、体のイオンバランスが崩れやすくなる。具体的には、ナトリウムイオンを排出して、カリウムイオンを残す機能が損なわれるため、血液中のナトリウムイオンが増加することによって血液のPHが変化し、細胞の再生機能が低下する。糖尿病性白内障は、眼の水晶体を構成する細胞の再生機能が低下することにより生じるが、サリドマイドは、投与された個体の血糖値を低く保ち、細胞の再生機能が低下させないので、結果として糖尿病性白内障の発症を抑制する。
糖尿病性白内障を放置すると糖尿病性網膜症に発展することが多い。本発明は、糖尿病性白内障を予防する発明であり、脈管形成に起因する疾患の予防にまで及ぶものではないが、通常、糖尿病を発症した場合、糖尿病性網膜症に先行して糖尿病性白内障が発症する。その理由についてはいまだ説明されているわけではないが、白内障の発症を予防すれば、それ以後の疾患の発症には至らない。
サリドマイドを有効成分とする医薬品製剤による脈管増殖に起因する糖尿病性網膜症の治療については、特許文献1に見られるが、該発明は脈管形成に起因する疾患の治療に関するものであり、本発明が主張する脈管形成に基づかない糖尿病発症後の疾患である糖尿病性白内障の予防にまで及ぶものではない
サリドマイドは過去に大きな薬害を引き起こした薬だが、近年その薬理作用が明らかになるにつれ、他の薬で代替できない特異な効果が医療現場で利用されるようになってきた。本発明においても、糖尿病を抱える人には大きな福音になることが予想される
本発明は糖尿病発症後の糖尿病性白内障の発症を予防するためのサリドマイドもしくはサリドマイド誘導体を含む組成物である。本発明は、図1に例示するサリドマイドもしくはサリドマイド誘導体を、水晶体を構成する細胞の再生機能低下の防止に使用することにより、糖尿病性白内障の発症を予防する。
本発明により糖尿病性網膜症の発症を予防するためのサリドマイドもしくはサリドマイド誘導体の人体への投与量は、1から100mg/kg/日、好ましくは5から20mg/kg/日である。ここで投与量を1から100mg/kg/日としたのは、1mg/kg/日以下の投与量では予防効果が確認できず、一方100mg/kg/日以上投与したとしても100mg/kg/日の投与と同様の予防効果しか認められず、100mg/kg/日以上の大量投与に期待する効果が得られないためである。
本発明に基づくサリドマイドもしくはサリドマイド誘導体を含む組成物は経口、眼内もしくは腹腔内に投与される。この際該組成物は都合の良い単位用量状態で与えられる。好適な単位投薬組成物は、その適当な分画の1日の投与量を含むものである。
遺伝的に生後20wより2型糖尿病を発症し、40wより糖尿病性白内障、55wより糖尿病性網膜症を発症する、糖尿病モデルラットSDT(鳥居薬品提供)を用いて以下の実験を行った。ここでwは一週間を意味する(以下同様)。生後10wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、57wで白内障発症を観察したところ、
白内障発症なし 100%
白内障発症 0%
であった。
一方、サリドマイドを投与しなかった糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、同じく57wで白内障発症を観察したところ、
白内障発症なし 0%
白内障発症 100%
であった。
図2は、薬剤を投与しないモデルラットの水晶体(図2−1)と、サリドマイドを投与したモデルラットの水晶体(図2−2)を示す。サリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいては57wを経過しても白内障発症の開始が見られないが、薬剤を投与しないモデルラットの水晶体は白濁していることを示す。
生後20wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、57wで白内障発症を観察したところ、
白内障発症なし 60%
弱い白内障発症 20%
白内障発症 20%
なる結果を得た。
すなわち、実施例1の結果とも合わせ、糖尿病発症の早い時期からサリドマイドを投与した方が、糖尿病性白内障の発症防止により有効である。
生後10wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、網膜症発症を57wで観察したところ、
糖尿病性網膜症発症 0%
であった。また生後20wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、網膜症発症を57wで観察したところ、
糖尿病性網膜症発症 0%
であった。
図3は、上記サリドマイド投与モデルラットの網膜写真を示す。図3−1は、上記サリドマイド投与モデルラットでは、糖尿病の進行に伴って起こる網膜血管の蛇行、細径化、出血等が見られず、正常な血管の様態となっていることを示す。本実施例は、糖尿病性白内障を予防すれば、糖尿病性網膜症には至らないことを示す。比較対照のため、図3−2に糖尿病性網膜症を発症したモデルラットの網膜写真を示す。
生後10wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTの血糖値を調べた結果を図4に示す。図4はサリドマイドの投与が、血糖値の上昇を妨げ、水晶体を構成する細胞の再生機能低下に至らないことを示す。
生後10wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、糖尿病発症を57wで観察したところ、
平均血糖値 213 mg/dl
発症せず 60%
軽度の糖尿病発症 40%
であった。
また、生後20wより55wまで、10mg/kg/日のサリドマイドを経口投与した糖尿病発症モデルラットSDTにおいて、糖尿病発症を57wで観察したところ、
平均血糖値 364 mg/dl
発症せず 35%
軽度の糖尿病発症 0%
中程度の糖尿病発症 50%
重度の糖尿病発症 15%
であった。
これらの結果は、糖尿病を発症しているにもかかわらず、サリドマイドの投与によって、糖尿病性白内障の予防できることを示す。
本発明で使用するサリドマイドの例 モデルラットの水晶体の写真 モデルラットの網膜の写真 投与動物の血糖値の変化図

Claims (5)

  1. 有効成分としてサリドマイドを含んでなる、糖尿病性白内障の予防をするための医薬品製剤。
  2. サリドマイドが、1から100mg/kg/日の量投与される、請求項1に記載の医薬品製剤。
  3. 経口、眼内もしくは腹腔内に投与される請求項1及び請求項2に記載の医薬品製剤。
  4. 錠剤、トローチ剤、粉末、溶液、浸潤放散剤の形態で投与される、請求項1乃至請求項3に記載の医薬品製剤。
  5. 錠剤、トローチ剤、粉末、溶液、浸潤放散剤が、追加の成分を含んでなる請求項1乃至請求項3に記載の医薬品製剤。
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