JP4787602B2 - 真空乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空乾燥装置に係り、特に真空中で、スピンによる乾燥と放射加熱による乾燥とを併用した真空乾燥装置に関する。
従来、加熱した不活性ガスを真空乾燥室に導入して乾燥に寄与させた後、不活性ガスを冷却して液体を分離し、再び不活性ガスを加熱して真空乾燥室に導入するという循環手法を採用して、ワーク(被乾燥物)を乾燥するという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−213562号公報
しかしながら、従来の方法では、装置が複雑なうえ乾燥に時間を要していたため、改善の余地があった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、簡単な構成でありながら短時間で被乾燥物を乾燥させることが可能な真空乾燥機を提供することにある。
第1の発明は、バスケット内に収容した被乾燥物を乾燥させる真空乾燥装置であって、密閉可能な容器と、前記容器を真空引きする排気系と、前記容器内に鉛直方向に挿入されるスピン用鉛直回転軸と、前記スピン用鉛直回転軸を回転して垂直軸を中心に前記回転バスケットを回転させるスピン用駆動機構と、前記スピン用鉛直回転軸内を貫通する転動用鉛直回転軸と、前記転動用鉛直回転軸の上部に水平方向に対向して配置される一対のローラと、前記転動用鉛直回転軸と前記一対のローラ間に回転運動を伝達する伝達手段と、前記転動用鉛直回転軸を回転し、前記伝達手段を介して前記一対のローラ上に載せるバスケットを水平軸を中心に転動させる転動用駆動機構と、前記容器の壁に設けられる光透過窓と、前記容器外に設けられ前記光透過窓を通して前記バスケット内に収容される被乾燥物を輻射加熱する加熱ランプとを備えた真空乾燥装置である。ここで、スピンは垂直軸を中心に回転する運動を意味し、転動は水平軸を中心に回転する運動を意味する。
スピン用鉛直回転軸と転動用鉛直回転軸とを併用した2軸回転により、バスケットにスピンと転動を与えるようにしたので、被乾燥物の種類によって、バスケット内の被乾燥物をより短時間で乾燥することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記スピン用鉛直回転軸が挿入される前記容器壁の挿入部に、回転用シールを有する軸受を用いたことを特徴とする真空乾燥装置である。
挿入部の軸シールに通常のOリングと真空グリスを用いる通常のシール手段では、回転に伴って抵抗が増大し、過負荷になるという問題が生じやすいが、本発明によれば、回転用シールを用いたので、そのような問題を解決できる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記光透過窓が強化ガラスであることを特徴とする真空乾燥装置である。
強化ガラスを用いると、耐熱性、耐圧性、高透過率が得られ、被乾燥物をより短時間で乾燥することができる。
本発明によれば簡単な構成でありながら短時間で被乾燥物を乾燥させることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施の形態の真空乾燥機の概略縦断面図を示す。この真空乾燥機は、スピンモードと、スピンと転動の併用モードとの何れかを選択できるようになっている。図面上で、矢印Aで示す回転がスピンを意味し、矢印Bで示す回転が転動を意味している。
真空乾燥機は、密閉可能な容器としての真空チャンバ10と、真空チャンバ10内にガスを導入する給気系11と、真空チャンバ10を真空引きする排気系12と、真空チャンバ10内に鉛直方向に挿入されるスピン用鉛直回転軸13と、被乾燥物を収容するバスケット31をスピン用鉛直回転軸13に固定するメカニカルなチャック21と、スピン用鉛直回転軸13を回転してスピン用鉛直回転軸13を中心にバスケット31を回転駆動させるスピン用駆動機構14と、真空チャンバ10の壁に設けられる光透過窓41と、真空チャンバ10外に設けられ光透過窓41を通してバスケット31内に収容される被乾燥物を放射加熱する加熱ランプ42とを主に備える。
なお、バスケット31は、図示しないガイドによって所定位置に位置決めされ、その後に、チャック21によって固定される。チャック21によってバスケット31が固定されるのはスピンモードのときだけであり、併用モードのときは、バスケット32(二点鎖線で示す)はチャック21で固定しない。
バスケットは、被乾燥物を収容する網状のかごから構成されており、種々の形状がある。スピンモードと併用モードとでは、異なるタイプのバスケットが使用される。スピンモードで使用されるバスケット31には、例えば、図2(a)示すような、角カゴと呼ばれる取手付きの角型バスケット31や、図2(b)に丸カゴと呼ばれる取手31a付きの丸型バスケット31’がある。また、併用モードで使用するバスケット32には、例えば、図2(c)に示すような回転カゴと呼ばれる回転専用丸型バスケットがある。この回転専用丸型バスケットは、両端に円形の鍔を有し、鍔間の中央に網状の六角筒を有する。なお、図1において、バスケット31の取手31aの記載は省略してある。
真空チャンバ10は、下部が閉じ、上部が開口した円筒体で構成されている。上部開口にはフランジが形成され、このフランジに上部開口を覆う蓋体8がOリング9を介して開閉可能に取り付けられている。
給気系11は、大気戻し用のガス、例えばエア(空気)や不活性ガスを真空チャンバ10に導入する。この給気系11は、真空チャンバ10に接続された導入管11aと、導入管11aに設けられる開閉バルブ11bと、導入管11a内を流れるガスを濾過する高性能フィルタ11cとから構成される。
排気系12は、真空チャンバ10を真空引きする。この排気系12は、真空チャンバ10に接続される排気管12aと、排気管12aに設けられる開閉バルブ12bと、真空ポンプ等からなる真空排気ユニット12cとから構成される。
スピン用鉛直回転軸13は、真空チャンバ10内に軸受50を介して挿入され、スピン用鉛直回転軸13の延長線上にあるバスケット31(32)の重心を通る鉛直軸(垂直軸)を中心にバスケット31(32)を回転させる。
チャック21は、バスケット31をスピン用鉛直回転軸13に固定する。このチャック21は、上述したようにスピンモードのときだけ使用し、併用モードのときは使用しない。
スピン用駆動機構14は、スピン用モータ14aを有し、スピン用鉛直回転軸13を回転して鉛直軸を中心にバスケット31(32)を真空チャンバ10内でスピン駆動させる。
転動用鉛直回転軸15は、点線で示すバスケット32を、その重心を通る水平軸を中心に転動させる回転力を付与する。この転動用鉛直回転軸15は、転動用鉛直回転軸15をスピン用鉛直回転軸13内に貫通させることにより、真空チャンバ10内に挿入されている。スピン用鉛直回転軸13と転動用鉛直回転軸15とは同心2軸回転軸を構成する。
転動用鉛直回転軸15の上部に水平方向に対向して一対のローラ17が配置されている。点線で示すバスケット32は、一対のローラ17上に跨がって支持されることにより、転動可能に設けられる。
転動用鉛直回転軸15と一対のローラ17との間に、転動用鉛直回転軸15の回転を前記一対のローラ17の回転に伝える伝達手段としてのギヤ機構60が設けられ、転動用鉛直回転軸15の回転をギヤ機構60を介して一対のローラ17に伝達するようになっている。
ギヤ機構60では、複数対のかさ歯を用いて、直角に交わる転動用鉛直回転軸15と転動用水平回転軸19との間で回転運動を伝達し、直角に交わる転動用水平回転軸19と、ローラ17の回転軸であるローラ軸18との間で回転運動を伝達するようになっている。
転動用駆動機構16は、転動用モータ16aにより転動用鉛直回転軸15を鉛直回転させ、ギヤ機構60により鉛直軸回転を水平軸回転に変換し、点線で示すバスケット32を真空チャンバ10内で転動させる。
光透過窓41は、真空チャンバ10の外部から放射される光を透過して真空チャンバ10内に取り込む。この光透過窓41は、真空チャンバ10のバスケット31(32)と対向する側壁部に設けた開口に設けられ、Oリング7を介してその開口を気密に塞いでいる。光透過窓41は、実施の形態では、強化ガラスとしている。強化ガラスを用いると、耐熱性と耐圧性とを備えながら、赤外線の透過率が高く安価であるからである。強化ガラスは、真空中で150℃程度の耐熱性を備える。
加熱ランプ42は、真空チャンバ10外に設けられ光透過窓41を通してバスケット31(32)内に収容される被乾燥物を放射加熱する。この加熱ランプ42には、例えばハロゲンランプなどの近赤外線電球を用いる。加熱ランプ42はランプボックス43で覆われて保護されるようになっている。
次に、真空チャンバ10へのバスケット31(32)の着脱機構を説明する。図3及び図4は、角型のバスケット31に適用する着脱機構を示し、図3はバスケット装着時、図4はバスケット脱離後をそれぞれ示す。バスケット31は取手31aを持つ。
スピン用鉛直回転軸13の上部には、図示しない部材を介してバスケット支持用のガイド30が、バスケット形状に合わせて設けられる。ここでは、ガイド30は、角型のバスケット31の形状に合わせて直方体状としたフレームから構成される。12本のフレーム材のうちの4本の縦材30aの下部のそれぞれに、バスケット31の矩形底面の四隅が係止される係止部30bが設けられている。バスケット31は、ガイド30の上方からガイド30内に挿入され、このガイド30に案内されて係止部30bで係止されることで、真空チャンバ10内の所定位置に位置決め(装着)される。
なお、丸型バスケット31’用のガイドは、上記ガイド30内に着脱自在に設けるとよい。
スピンモード選択時、ガイド30内で位置決めされたバスケット31は、メカニカルなチャック21を閉じると、一対の把持部21aが矢印方向へ進出してバスケット31の両側面を把持するので、スピン用鉛直回転軸13に固定される(図3)。チャック21が開いて一対の把持部21aが矢印方向に退出すると、バスケット31はチャック21から解放されて脱離可能となり、ガイド30から取り外される(図4)。
なお、併用モード選択時では、バスケット32の転動を許容するためにチャック21は使用しない。また、特にガイド30も必要としない。バスケット32は、両端に落下防止のストッパ(図示せず)を設けた一対のローラ上で位置決めされるからである。
以上が実施の形態の真空乾燥機の概略構成である。つぎに、真空排気ユニット、回転機構部、及びローラ/チャック部の詳細構成を説明する。
(1)真空排気ユニット
図5に真空排気ユニットの実施例を示す。
真空排気ユニットは、真空ポンプ式とエジェクタ式との2種類の排気方式を選択できるように構成してある。被乾燥物に付着している洗浄液の種類やクライアントの要望によって使い分けることを可能とするためである。
図5(a)は真空ポンプ式を示し、これに用いる真空ポンプ121は、ロ−タリポンプでもドライポンプでもよい。真空ポンプ121による排気のメリットはエジェクタ式より低い圧力まで真空引きすることができる点である。デメリットは、排気ガスに含まれる液体がそのまま真空チャンバの外に排出される点である。
図5(b)はエジェクタ式を示し、このエジェクタ式は、液体用ポンプ124と、液体用ポンプ124により真空チャンバから排出される排気ガスを吸引するエジェクタ122と、エジェクタ122により吸引された排気ガスを冷却するコンデンサ123とから成り、コンデンサ123に冷却水又は冷媒を流し、エジェクタ122により吸引された排気ガスを冷却し、排気ガス中に含まれる液体を凝縮して溶液溜125に排出させる。この方式による排気のメリットは排気ガスに含まれる液体を凝縮して排出できる点である。デメリットは真空ポンプ式に比べて高い圧力を必要とする点である。
(2)回転機構部
図6に示すように、スピン用鉛直回転軸13は、真空チャンバ10の底壁10aの中央に設けた挿入部としての挿入孔10bから真空チャンバ10内に鉛直方向に挿入される。スピン用鉛直回転軸13が挿入される底壁10a中央の挿入孔10bに、回転用シール51を有する軸受50を用いている。
スピン用鉛直回転軸13を支える軸受50に、回転用シール51を使用したのは、次の理由からである。通常のOリングと真空グリスを併用した軸受であると、軸シール部の抵抗が大きく、高速でスピン用鉛直回転軸13をスピンさせると、Oリングが熱を持ち、抵抗が増大して軸受が過負荷となる。何回もつぶし代を調整したが、真空シールとスピン回転の兼ね合いに時間がかかった。磁気シールや流体軸受などを使用することも可能である。本実施の形態では、一部に通常のOリング52を使っているものの、主に回転用シール51を使っている。
スピン用駆動機構14は、スピン用モータ14aと、そのモータ軸に設けたプーリ14bと、スピン用鉛直回転軸13の下部に設けたプーリ14cと、両プーリ14b及び14cを繋ぐベルト14dとを備えて、スピン用モータ14aの回転をスピン用鉛直回転軸13に伝達するようになっている。
転動用鉛直回転軸15は、中空に形成したスピン用鉛直回転軸13内を貫通させることにより、スピン用鉛直回転軸13とで2軸回転軸を構成している。転動用鉛直回転軸15の上部と下部をスピン用鉛直回転軸13から外部に引き出し、そのうちの転動用鉛直回転軸15の上部には、ギヤ機構60の一部を構成するかさ歯車61が、かさ歯面を上に向けて設けられている。
転動用駆動機構16は、転動用モータ16aと、そのモータ軸に設けたプーリ16bと、スピン用鉛直回転軸13内から外部に引き出した転動用鉛直回転軸15の下部に設けたプーリ16cと、両プーリ16b及び16cを繋ぐベルト16dとを備えて、転動用モータ16aの回転を転動用鉛直回転軸15に伝達し、この転動用鉛直回転軸15を中心にかさ歯車61を回転させるようになっている。
チャック21を駆動するシリンダ22へのエアの供給は、転動用鉛直回転軸15を介して行う。転動用鉛直回転軸15の下端に高速回転用エア導入継手55を設け、ここからシリンダ駆動用のエア(矢印で示す)を導入する(図7(B))。高速回転用エア導入継手55から転動用鉛直回転軸15内に導入されたエアは転動用鉛直回転軸15内に設けた通気路56を通って転動用鉛直回転軸15の上部に一体的に取り付けたエア導出継手57より2つに分岐して導出される(図7(A))。
(3)ローラ部
図8及び図11を用いてローラ部の説明をする。図8はローラに着目した真空乾燥機の要部正面図、図11は図8のB−B線断面図である。
バスケット31の下部であって、スピン用鉛直回転軸13の上部に設けたかさ歯車61上方に、スピン用鉛直回転軸13と直交する一対の転動用水平回転軸19が、このかさ歯車61と対向して同一直線上に設けられる。各転動用水平回転軸19の一端にスピン用鉛直回転軸13の上部に設けたかさ歯車61と齒合するかさ歯車62が設けられ、他端に一対のローラ軸18の中央部にそれぞれ設けたかさ歯車64と齒合するかさ歯車63が設けられる。各ローラ軸18は、一対の転動用水平回転軸19と同一面内で直交するように設けられ、その両端に前述した一対のローラ17が、ローラ軸18を中心に回転するようにそれぞれ設けられている。
これによりスピン用鉛直回転軸13の鉛直回転が、転動用水平回転軸19、及びローラ軸18に伝えられ、ローラ軸18に取り付けられた一対のローラ17がローラ軸18とともに水平回転する。
(4)チャック部
図9及び図10を用いてチャック部の説明をする。図9はチャックに着目した真空乾燥機の要部側面図、図10は図8のA−A線断面図である。
メカニカルなチャック21は、バスケット31を把持するための一対のアームからなる把持部21aと、把持部21aを閉じる方向に付勢する弾性部材としてのスプリング23と、スプリング23の付勢力に抗して把持部21aを開放する方向に付勢するシリンダ22と、転動用鉛直回転軸15の内部と連通してエア等の流体をシリンダ22に給排する給排管25とから構成される。
チャック21は、常時はスプリング23の付勢力でバスケット31を挟着固定し、シリンダ22のロッド押出力でスプリング23の付勢力に抗してバスケット31の挟着固定を解き、バスケット31をチャック21から開放するようになっている。このようにスプリング23でバスケット31を固定し、シリンダ22でバスケット31の固定を解除するようにチャック21を構成すると、エアが切れたときでもバスケット31の固定を確保できるという利点がある。
このように実施の形態では、スピン乾燥時に、メカニカルなチャック21によりバスケット31を固定するようになっている。
スピン乾燥が専ら採用される被乾燥物としては、シリコンウェハなどの半導体基板が知られている。半導体基板はせいぜい数10〜100g程度のものであり、スピン乾燥を大気中で行う場合、真空チャックで固定するのが一般的である。これに対して、本実施の形態が主に対象とする被乾燥物は、精密プレス部品、プラスチック成形品、金属ダイキャスト部品、各種金属切削部品、プリント基板、モジュール品、ガラス、レンズなどといったように、シリコンウェハよりも重い重量物である。これらはバスケット31を含めると重量がkgオーダとなる。これを真空中でスピンさせる場合、真空チャックは機能しない。そこで、実施の形態のチャック21では、真空チャックではなく、真空中で有効に機能するメカニカルチャックを使用している。しかも、上記のような重量に耐えてスピンさせるために、スプリング23の付勢力でバスケット31を強固に挟着固定するようにしている。
また、重量物をスピンさせるため、真空乾燥機を収める図示しないフレームの耐荷重及び制振を考慮しなければならない。実施の形態では、複数本の支柱を追加して、フレームを補強してある。
なお、本実施の形態の真空乾燥機の仕様、乾燥条件等を例示すれば次の通りである。真空チャンバ10の材質はSUS304、サイズは角筒チャンバでは□400〜500mm、円筒チャンバではφ400〜600mmである。蓋体8の材質はアルミニウム又はアクリル板である。バスケットの材質はSUS304、バスケットサイズは円筒形ではφ200〜300mm、角筒形では□200〜300mmである。チャック21の材質はアルミニウム又はSUS304で、固定力は30〜60kgf/cm2である。光透過窓41の材質は、強化ガラス、耐熱ガラス、石英ガラス、ゲルマニウムガラスなどを挙げることができるが、調達性・価格の面から強化ガラスあるいは耐熱ガラスが好ましい。
加熱ランプ42は、近赤外線電球(R型または直管型)で、電力は2〜10KW(総電力)、加熱温度範囲は50〜150℃である。真空排気ユニット12cの真空ポンプ圧力は、真空式では133〜2660Pa(1〜20Torr)であり、エジェクタ式では133Pa〜101.08kPa(1〜760Torr)である。スピン回転数は60〜1000rpmである。
次に上述した構成の作用を、スピンモード選択と併用モード選択とに分けて説明する。
[スピンモード選択]
転動用鉛直回転軸15から給排管25を介してシリンダ22にエアを導入し、チャック21を押し開き、バスケット31を受け入れ可能にする。バスケット31内に洗浄後の被乾燥物を入れる。被乾燥物に使用した洗浄液は、例えば水、炭化水素系(石油系)等である。
蓋体8を開け、取手31aを持って真空チャンバ10内にバスケット31を入れ、ガイド30で位置決めして真空チャンバ10内の所定位置に設置する。シリンダ22内のエアを排気してチャック21を開放し、スプリング23の付勢力によりチャック21によりバスケット31を挟着固定する。
蓋体8を閉じた後、排気系12の真空排気ユニット12cにより真空チャンバ10内を真空引きする。この真空引きは大気戻しまで継続する。
加熱ランプ42を点灯し、光透過窓41を介してバスケット31内の被乾燥物の放射(輻射)加熱を開始する。赤外線はバスケット31の取手には当らないようにする。
スピン用駆動機構14を作動して、バスケット31を鉛直軸を中心にスピンさせる。これにより連続輻射真空スピン状態をつくり、被乾燥物の乾燥を行う。
エジェクタ式を採用した場合は、この乾燥中、エジェクタ122により吸引された排気ガスを冷却して排気ガス中に含まれる液体を凝縮して取り出す。
乾燥が終了したら、真空排気ユニット12cによる真空引きを停止し、給気系11からエアを高性能フィルタ11cを介して真空チャンバ10内に導入して真空チャンバ10内を大気に戻す。
シリンダ22にエアを注入してチャック21をバスケット31から開放して、チャック21による挟着固定を解除する。
蓋体8開けて、取手31aを掴んでバスケット31を真空チャンバ10から取り出す。このとき、取手31aは加熱されていないため、蓋体8を開けたら、バスケット31を冷却することなく、真空チャンバ10から直ちに取り出すことができる。
以上述べたように、実施の形態によれば、次のような効果がある。
真空、輻射加熱、及びスピンを同時に行っているため、半導体業界等で従来から行われている真空中でのヒータ加熱と比べて、2〜3分という短時間で被乾燥物をクリーンに乾燥することができる。
また、メカニカルなチャック21を真空中に導入することにより、真空中でのバスケット31の固定が可能となり、真空・スピンを実現することができる。また、スプリング23という簡単な構成でありながらバスケット31を強固に固定するようにしたので、高速スピンを保持しつつ、最大で20kg、好ましくは15kg程度の重量物の真空スピン乾燥を実現できる。
また、加熱方式は加熱ランプ42から発射する光(輻射熱)であり、局所的な加熱を行うことができ、バスケット31の取手31aが熱くならない。また、加熱ランプ42の加熱に加えて、スピンを併用しているため、被乾燥物を確実に加熱できる。
また、真空中であるため、被乾燥物に付着している洗浄液の沸点が低く、被乾燥物の温度があまり上がらないで済む。また、酸素のない状態で急速加熱ができるので、炭化水素系(石油系)洗浄液で洗浄された被乾燥物を安全に乾燥できる。また、真空チャンバ中で実施するので、外部から被乾燥物への2次汚染を抑えられ、クリーンな乾燥が可能となり、環境浄化時代に適合できる。
また、実施の形態では、スプリングでバスケットを固定し、シリンダでバスケットの固定を解除するようにチャックを構成したが、スプリングとシリンダとの関係を逆にして、シリンダでバスケットを固定し、スプリングは補助としてシリンダの固定の解除を促進させるようにしてもよい。
[併用モード選択]
蓋体8を開け、真空チャンバ10内にバスケット32を入れ、一対のローラ17上に設置する。なお、チャック21は開いた状態に保持する。
スピン用駆動機構14及び転動用駆動機構16を作動して、バスケット32を鉛直軸を中心にスピンさせると共に、バスケット32をローラ17により水平軸を中心に転動させる。これにより連続輻射真空スピン・転動状態をつくり、被乾燥物の乾燥を行う。スピン回転数は60〜120rpmが好ましい。この併用モードでは、バスケット32をチャックで固定していないため、スピン回転数はスピンモードより抑える必要がある。転動回転数は0〜30rpmである。
乾燥が終了したら、真空排気ユニット12cによる真空引きを停止し、給気系11からエアを高性能フィルタ11cを介して真空チャンバ10内に導入して真空チャンバ10内を大気に戻す。
蓋体8開けて、取手を掴んでバスケット32を真空チャンバ10から取り出す。
スピンに転動を併用した併用モードでは、スピンモード時よりもスピン回転数を抑える必要があるが、バスケットに転動運動が加わっているので、被乾燥物をより確実に加熱できる。なお、転動は必要に応じて併用すればよく、スピンのみでも乾燥時間を充分に短縮可能であるが、特に、転動が有効な被乾燥物の場合、乾燥時間の短縮化に威力を発揮することが期待できる。
実施の形態における真空乾燥機の概略正断面図である。 実施の形態における各種のバスケットを示す斜視図である。 実施の形態におけるバスケット装着時の着脱機構の斜視図である。 実施の形態におけるバスケット脱離後の着脱機構の斜視図である。 実施の形態における真空排気ユニットを示す説明図である。 実施の形態における真空乾燥機の要部の拡大図である。 図6に示すA部とB部の詳細説明図である。 実施の形態における真空乾燥機のローラ部分を説明する正断面図である。 実施の形態における真空乾燥機のチャック部分を説明する側断面図である。 図8のA−A線矢視図である。 図8のB−B線矢視図である。
符号の説明
10 真空チャンバ(容器)
12 排気系
13 スピン用鉛直回転軸
14 スピン用駆動機構
15 転動用鉛直回転軸
16 転動用駆動機構
21 チャック
30 ガイド
31 バスケット
32 バスケット
41 光透過窓
42 加熱ランプ

Claims (3)

  1. バスケット内に収容した被乾燥物を乾燥させる真空乾燥装置であって、
    密閉可能な容器と、
    前記容器を真空引きする排気系と、
    前記容器内に鉛直方向に挿入されるスピン用鉛直回転軸と、
    前記スピン用鉛直回転軸を回転して垂直軸を中心に前記回転バスケットを回転させるスピン用駆動機構と、
    前記スピン用鉛直回転軸内を貫通する転動用鉛直回転軸と、
    前記転動用鉛直回転軸の上部に水平方向に対向して配置される一対のローラと、
    前記転動用鉛直回転軸と前記一対のローラ間に回転運動を伝達する伝達手段と、
    前記転動用鉛直回転軸を回転し、前記伝達手段を介して前記一対のローラ上に載せるバスケットを水平軸を中心に転動させる転動用駆動機構と、
    前記容器の壁に設けられる光透過窓と、
    前記容器外に設けられ前記光透過窓を通して前記バスケット内に収容される被乾燥物を輻射加熱する加熱ランプと
    を備えた真空乾燥装置。
  2. 前記スピン用鉛直回転軸が挿入される前記容器壁の挿入部に、回転用シールを有する軸受を用いたことを特徴とする請求項1に記載の真空乾燥装置。
  3. 前記光透過窓が強化ガラスであることを特徴とする請求項1または2に記載の真空乾燥装置。
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