JP2005130899A - 減圧遠心脱水機における回転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】籠が回転する際に回転軸がぶれず、また回転軸を収容するハウジングが回転軸と共に回転することのない、調理用減圧遠心脱水機を提供する。
【解決手段】調理用減圧遠心脱水機において、調理用の食材を収容した籠3の中心を貫通し、上端が籠から突出した縦軸10を取付ける。
さらに、籠3を収容する減圧槽2の上蓋6に、エアシリンダ19などの押圧手段を介して押え軸35を収容する管状のハウジング33を取付ける。また、前記縦軸10の先端に嵌合手段9を設けて、エアシリンダ19により押え軸10を下方にスライドして前記嵌合手段9と嵌合する。
【選択図】図4

Description

本発明は、水洗いした野菜などを減圧遠心脱水する装置の改良に関する。
開封後直ちに調理できるように予め適当な大きさに切った野菜は、カット野菜と呼ばれ、広く流通している。
このようなカット野菜の賞味期限の延長を図るために本発明者は、調理用減圧遠心脱水機を開発した(特許文献1参照)。
この調理用減圧遠心脱水機は、野菜の表面に付着した表面水の脱水のみならず組織内部の遊離水の除水もする。
しかし、カット野菜を入れた籠が回転する際に、減圧槽内に入れた際の籠の位置ずれや内容物であるカット野菜の偏在などに起因して、回転軸がぶれて籠が振動する虞がある。
また回転軸を減圧槽に固定する軸受が、回転軸と共に回転してしまい、機器が破損するおそれもある。
特開2003−449号公報
そこで、籠が回転する際にぶれず、また回転軸の回転により回転軸を取付ける軸受が回転軸と共に回転することのない調理用減圧遠心脱水機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、調理用の食材を収容した籠を、上部に形成した開口部より収容する減圧槽と、この減圧槽内を減圧機により減圧状態に維持すると共に、籠を載置した回転台を高速回転可能にして脱水し、脱水した水を槽外に排出する調理用減圧遠心脱水機において、
前記籠の中心を貫通し上端が籠から突出した縦軸を取付け、この縦軸の上端に嵌合手段を設け、
前記減圧槽の上蓋に、押え軸を収容する管状のハウジングを、押圧手段を介して取付け、
しかして、押圧手段により押え軸を下方にスライドして、前記縦軸の上端の嵌合手段と嵌合することを特徴とする。
上記構成に加えて、前記ハウジングにフランジを設け、当該フランジに複数の通孔を設け、
複数本の回転防止杆の一端部を、当該フランジの通孔に固定し、他端部を減圧槽の上蓋に設けた通孔に摺動自在に挿入して、上蓋と軸受を連結するとよい。
また、押圧手段は、エアシリンダや油圧シリンダとする。
本発明は、籠の中心を貫通し上端が籠から突出した縦軸を取付け、この縦軸の上端に嵌合手段を設け、また減圧槽の上蓋に、押え軸を収容する管状のハウジングを、エアシリンダなどの押圧手段を介して取付ける。しかして、押圧手段により押え軸を下方にスライドして、前記縦軸の上端の嵌合手段と嵌合する。
従って、押え軸が縦軸を真上から押圧し、籠の上下左右の振動、特に上端部の横揺れを防止し、籠を円滑に回転できる。
また、請求項3の発明では、ハウジングにフランジを設け、当該フランジに複数の通孔を設け、
複数本の回転防止杆の一端部を、当該フランジの通孔に固定し、他端部を減圧槽の上蓋に設けた通孔に摺動自在に挿入して、上蓋と軸受を連結するので、ハウジングが回転することなく、籠を円滑に回転できる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を実施した減圧遠心脱水機の全体縦断正面図、図2は減圧遠心脱水機の上蓋の平面図、図3は減圧遠心脱水機の上蓋の開閉動作を示す正面図、図4は減圧遠心脱水機の上蓋の開閉動作を示す側面図、図5は減圧遠心脱水機の上部の縦断正面図、図6は減圧遠心脱水機の下部の縦断正面図である。
減圧遠心脱水機1は、減圧槽2、当該減圧槽2内に装着可能な籠3、この籠3を高速回転するモータ4、及び減圧槽2内を減圧状態に維持する真空ポンプ(図示せず)等を具備する。
減圧槽2は、円筒状に形成され、上部の開口部5に上蓋6を設け、底部7は閉じた構成である。この減圧槽2は減圧状態に耐え得るよう金属等で形成し、前記上蓋6を閉じると減圧槽2内は密閉状態に保たれる。
籠3は、上部に開閉可能な蓋8を設け、当該蓋8の回転中心上に溝穴9aを有する嵌合用管9を設ける。この溝穴9aを上端に行くに従い拡開する形状にする。また、籠4の中心部に縦軸10を起立する。
減圧槽2内の下方には、円板状の回転台11を設け、回転台11の周縁部の四方にはそれぞれ突起状のガイド12を設ける。
このガイド12は、上記回転台11上に籠3を載置する際に、籠3の底板3aの周縁部に設けた溝3bと嵌合する。回転台11の中心に設けた回転軸13は、減圧槽2の底部7の内側に取付けた軸受台14に軸受15を介して回転自在に軸支されている。また、回転台11の回転軸13の先端は底部7を貫通し、この回転軸13をギヤ伝達機構16及び減速機構17を介してモータ4の出力軸18側に連結する。
上蓋6の外側上端部には円盤状の杆摺動板21を固定し、この杆摺動板21に昇降杆用挿通孔22、回転防止杆用挿通孔23,23を設ける。
そして減圧槽2の外側に取付けたハウジング昇降用のエアシリンダ19の昇降杆20を昇降杆用挿通孔22に、回転防止杆24,24を回転防止杆用挿通孔23,23にOリング25を介してそれぞれ挿通する。
さらにこの上蓋6の外側には、上蓋6を挟み対峙する一対のレール26を設け、当該レール上を摺動する一対の扉左右移動部材27を取付ける。この扉左右移動部材27を上蓋6に固定した蓋取付板28に、扉昇降用エアシリンダ29を介し連結する。
30は昇降補助杆であり、扉左右移動部材27に穿設した通孔に挿通すると共に、上端部を蓋取付板28に固定する。
31はネジ棒であり、一方のレール26に併設すると共に、蓋取付板28に設けたナットに挿通する。32はネジ棒回転用モータである。
33はハウジングであり、上部にフランジ34を有し、下端の開口部33bが上端の開口部33aに比べ大きい管状のものである。このハウジング33内に押え軸35を、ベアリング36を介装して収容する(図5参照)。
押え軸35の先端部は、テーパ状すると共に、ハウジング33の下端の開口部33bより突出させる。
さらに、ハウジング33の上端の開口部33aにエアシリンダ19の昇降杆20を固定する。また、フランジ34に回転防止杆24の下端部を固定する。
なお、減圧槽2の胴体の上方に設けたバルブ37は、減圧槽2を減圧状態から常圧に戻す際の空気取入口である。さらに、減圧槽2の下部に設けたドレンバルブ38は、脱水及び除水を終えた後、減圧槽2の底に溜まった水を減圧槽2の外へ排水するためのものである。
また、回転台11の中心部に位置決め用凸部39を設けると共に、籠の底板3aの中心部外側に位置決め凹部40を設ける(図6)。
41は、上蓋6に設けた覗き窓である。この覗き窓41は、必要に応じ減圧槽2に設けてもよい。
本発明の減圧遠心脱水機の構成は以上のとおりで、その動作は次のとおりである。
洗浄したカット野菜の入った籠3を、クレーン(図示せず)で上から吊り下げ、減圧槽2の内部に装着する。このとき、籠3の底板3aに設けた溝3bや位置決め凹部40が、前記ガイド12及び位置決め用凸部39に嵌合して位置合わせがされる。減圧槽2の上蓋6は、最初は開放しているが、籠3が減圧槽2内に装着した後に閉じる。
すなわち、上蓋6は図2、図3の一点鎖線の状態から実線の状態に移動する。まず上蓋6は図面上左から右へと移動し、減圧槽2上で停止する。この移動はネジ棒回転用モータ32でネジ棒31を回転することにより行う。
次に、扉昇降用エアシリンダ29を作動して上蓋6を下降して閉じる。
その後、エアシリンダ19の昇降杆20を伸張して押え軸35の先端部が下方にスライドすると、押え軸35の先端部と溝穴9aの傾斜面が互いにガイドとなりながら嵌合し、押え軸35と嵌合用管9の回転中心が一致する。
こうして、籠3は減圧槽2の内部で回転可能な状態に保持され、さらに回転台11の回転中心、籠3の回転中心(すなわち縦軸10の中心)、押え軸35の回転中心及び回転軸13の中心が一致する。
次に、モータ4を駆動して回転台11を回転し、この回転台11の回転と共に籠3を高速回転させる。このとき、減圧槽2の内部は常圧である。カット野菜の表面に付着した表面水の大半は遠心力で脱水される。脱水時間は通常は10分以内で充分であるが、もちろん食材の種類により適宜変更可能である。また、減圧槽2の底に溜まった水は、ドレンバルブ38を用いて排出する。
この回転の際に押え軸35と嵌合用管9が嵌合し籠3の上端部の横揺れを防止する。
また、エアシリンダ19により押え軸35は下向きに付勢されているので、籠3の上下振動を防止する。
さらに、ハウジング33は回転止め杆24により固定され、籠3が回転してもつられて回転することがない。
次に、減圧槽2の内部を真空ポンプ(図示せず)で減圧しながら籠3を高速回転する。これによって、残存する表面水だけでなく野菜組織内部の遊離水が取り除かれる。減圧条件及び籠3の回転数は食材の種類によって任意に設定可能であるが、例えばカット野菜の場合、減圧による組織内の遊離水を5〜7%程度除水するには通常3〜10torr程度である。
昇降杆20、回転止め杆24が上蓋6を貫通しているが、Oリング25により気密性が保持されている。
減圧工程終了後に、前記バルブ37を少しずつ開いて減圧槽2内を常圧に戻す。そして、エアシリンダ19の昇降杆20を収縮して押え軸35を上方にスライドさせてから、減圧槽2の上蓋6を開放(図2、図3の実線の状態から一点鎖線の状態に移動)し、クレーン(図示せず)で籠3を減圧槽2から引き上げ、籠3に入れたままの状態で次の工程へ移送する。減圧槽2の底に溜まった水はドレンバルブ38を開いて排出する。
上蓋6の開放は、まず扉昇降用エアシリンダ29を作動して上蓋6を上昇し、次に上蓋6を、図面上右から左へと移動して行う。
上記実施形態では、押え軸35の先端部をテーパ状にし、溝穴9aを上端に行くに従い拡開する形状にしたが、図7に示すように、押え軸35の先端部に溝穴35aを形成し、籠の蓋8に突起41(嵌合手段)を形成する。そして、突起41を先端に行くに従い細くなるテーパ状にし、溝穴35aを突起41と嵌合するよう下端に行くに従い拡開する形状にしてもよい。本発明では、籠の蓋8に設けた、上端に行くに従い拡開する形状の溝穴9aを有する嵌合用管9、あるいはテーパ状の突起41を併せて嵌合手段という。
同様に、回転台11の中心部に設ける位置決め用凸部39と、籠の底板3aの中心部外側に設ける位置決め凹部40の凹凸を入れ換えてもよい。
また、動力を使用して上蓋6の開閉を行っている(自動)が、本発明はこれに限るものではなく、手動で行ってもよい。ただし自動で行うと、ハウジング33やエアシリンダ19などを取付けて重くなった上蓋6を円滑に行えるという利点がある。
さらに、上蓋6は、ヒンジにより減圧槽2の開口部5に固定するなど、取付け方法も前記実施形態に限らない。
また、ハウジングの昇降にエアシリンダを使用しているがこれに限らず油圧シリンダであってもよい。本発明ではこれらを含めて押圧手段とする。
減圧遠心脱水機の全体縦断正面図である。 減圧遠心脱水機の上蓋の平面図である。 減圧遠心脱水機の上蓋の開閉動作を示す正面図である。 減圧遠心脱水機の上蓋の開閉動作を示す側面図である。 減圧遠心脱水機の上部の縦断正面図である。 減圧遠心脱水機の下部の縦断正面図である。 先端部に溝穴を有する押え軸と嵌合手段との嵌合状態を示す図である。
符号の説明
1 減圧遠心脱水機
2 減圧槽
3 籠
6 上蓋
8 籠の蓋
9 嵌合用管
10 縦軸
11 回転台
12 ガイド
19 エアシリンダ
20 昇降杆
24 回転止め杆
33 ハウジング
35 押え軸

Claims (3)

  1. 調理用の食材を収容した籠を、上部に形成した開口部より収容する減圧槽と、この減圧槽内を減圧機により減圧状態に維持すると共に、籠を載置した回転台を高速回転可能にして脱水及び除水し、脱水及び除水した水を槽外に排出する調理用減圧遠心脱水機において、
    前記籠の中心を貫通し上端が籠から突出した縦軸を取付け、この縦軸の上端に嵌合手段を設け、
    前記減圧槽の上蓋に、押え軸を収容する管状のハウジングを、押圧手段を介して取付け、
    しかして、押圧手段により押え軸を下方にスライドして、前記縦軸の上端の嵌合手段と嵌合することを特徴とする回転装置。
  2. 前記押圧手段がエアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  3. 前記ハウジングにフランジを設け、当該フランジに複数の通孔を設け、
    複数本の回転防止杆の一端部を、当該フランジの通孔に固定し、他端部を減圧槽の上蓋に設けた通孔に摺動自在に挿入して、上蓋と軸受を連結することを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
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