JP4787563B2 - 回転速度制御装置、画像形成装置 - Google Patents

回転速度制御装置、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、回転速度制御装置及び回転速度制御装置を用いた画像形成装置に関し、特に、多色画像の色ずれを補正する回転速度制御装置及び画像形成装置に関する。
電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置では、像担持体である感光体を帯電手段により帯電し、帯電された感光体に画像情報に応じた光照射を行って潜像を形成し、この潜像を現像手段によって現像し、現像されたトナー像を紙等に転写して画像を形成する。また、カラー画像を形成する場合、CMYKの各色毎にかかる一連の画像形成手順を展開するため、複数の画像ステーションを配置されるタンデム方式のカラー画像形成装置が提案されている。タンデム方式のカラー画像形成装置では、シアン像、マゼンタ像、イエロー像及びブラック像の各色像をそれぞれの像担持体に形成し、各像担持体の転写位置にて紙等に各色像を重ねて転写することによりフルカラー画像を形成する。
このような画像形成装置は、像担持体を駆動するモータの回転軸の回転角変位又は回転角速度を検出し、その検出結果に基づいてモータの回転をフィードバック制御する場合が多い。かかる制御方式によれば、モータの回転速度変動を抑制して一定速度で回転させることにより、モータの回転速度変動によって生じる各色の像担持体の回転速度変動に起因した画像位置ずれや色ずれ等の画質低下を防止することができる。
ところが、像担持体を駆動するモータは駆動歯車を介して像担持体を回転駆動するように構成される。このため、像担持体を駆動するモータを一定速度で回転させたとしても、感光体ドラムの回転軸に取り付けられた駆動歯車に偏心や累積ピッチ誤差があると、感光体ドラムに1回転周期毎に生じる回転速度変動が生じてしまう。また、モータが偏芯していた場合、感光体ドラムの1回転の回転速度変動よりも短い周期で回転速度変動が生じる。したがって、像担持体の回転速度変動は、像担持体の1回転毎の変動とそれよりも短い周期の変動とを含む。
そこで、回転速度変動を低減するため、像担持体の回転速度に比例した電圧信号に対して公知のフーリエ変換を行い回転速度変動をもたらす周波数成分を抽出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載の技術では、像担持体の回転速度の周波数成分から補正を行う対象とする特定の周波数成分を抽出し、その周波数および振幅値から補正データを演算し、該補正データに基づき像担持体の回転速度を制御する。
また、感光体ドラムの回転軸に回転角速度を検出するロータリーエンコーダを取り付けた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2記載の画像形成装置では、像担持体の回転軸に取り付けたロータリーエンコーダのパルス出力を用いて回転速度変動を検出し、感光体ドラムが安定した速度で回転するようにモータの回転をフィードバック制御する。
特開2002−72816号公報 特開2000−231305号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、回転速度を検出してからフーリエ変換し回転速度の補正を行う処理を実行するための構成が必要となりコスト高となってしまう。
また、特許文献2に記載された画像形成装置のようにロータリーエンコーダで回転速度の変動を検出する場合、短い周期の回転速度変動を検出可能な高分解能のエンコーダが必要となりコスト高の要因となってしまう。コストを下げるため同程度の分解能であるが大径のエンコーダを用いると装置が大型化してしまう。
本発明は、上記問題に鑑み、像担持体の回転速度の変動を低コストに制御して色ずれを低減する回転速度制御装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、回転体(例えば、感光体ドラム1)を1対nの回転数比で回転駆動する駆動手段(例えば、駆動モータ21)と、該駆動手段を制御する制御手段(例えば、モータ制御部30)とを有する回転速度制御装置において、円周方向に1つだけの第1のスリットと、円周方向に複数配置された第2のスリットと、前記第2のスリット間に等間隔に配置された前記第1及び第2のスリットよりも幅が狭くn個より多い第3のスリットとを有するエンコーダを用いて、前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と回転速度の第1の変動を前記第1のスリット及び複数の前記第2のスリットが検出される時間間隔から、前記駆動手段が一回転する間の回転速度の第2の変動を複数の前記第3のスリットが検出される時間間隔から、それぞれ検出する速度変動検出手段(例えば、回転速度変動検出部26)と、速度変動検出手段により検出された回転速度の変動を補正する補正信号を生成する補正手段(例えば、補正値演算部27)と、を有し、前記第2のスリットは、前記第1のスリットと当該第1のスリットと隣接する第2のスリットとの間隔と、前記第2のスリット同士の間隔とが等しくなるように配置され、速度変動検出手段は、回転体が一回転する間の回転速度の第1の変動(感光体ドラムの1回転毎の回転速度の変動)及び駆動手段が一回転する間の回転速度の第2の変動(駆動モータ21の1回転毎の回転速度の変動)を検出し、補正手段は、第1の変動を補正するための第1の補正信号、及び、第2の変動を補正するための第2の補正信号を生成し、第1の補正信号及び第2の補正信号とを合成して制御手段に入力し、前記制御手段は、前記第1の補正信号及び前記第2の補正信号が合成された制御信号にて前記駆動手段を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、像担持体の回転速度の変動を低コストに制御して色ずれを低減する回転速度制御装置を提供できる。フーリエ変換等を使用せずに感光体ドラムの1回転毎の速度変動と駆動モータの1回転毎の速度変動を検出し、双方の速度変動を補正できる。
また、本発明は、他の回転体と略同一速度で回転する回転体(例えば、感光体ドラム1)と該回転体を1対nの回転数比で回転駆動する駆動手段(例えば、駆動モータ21)と、該駆動手段を制御する制御手段(例えば、モータ制御部30)とを有する回転速度制御装置において、円周方向に複数のスリットが配置されたエンコーダを用いて、回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段(例えば、エンコーダ25)と、前記回転速度検出手段により検出された前記回転体が一回転する間の回転速度の変動を複数の前記スリットが検出される時間間隔から検出する速度変動検出手段と(例えば、回転速度変動検出部26)と、速度変動検出手段により検出された回転速度の変動を補正する補正信号を生成する補正手段(例えば、補正値演算部27)と、前記他の回転体を回転駆動する第2の駆動手段に対する前記第1の駆動手段の相対的な回転角度を検出する回転角度検出手段と(例えば、モータ位相角検出部40)と、を有し、前期制御手段は、前記補正信号により前記駆動手段の回転駆動を補正して制御し、前記回転角度検出手段により検出された前記第1の駆動手段の相対的な回転角度が初期状態の所定の角度になるよう制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、像担持体の回転速度の変動を低コストに制御して色ずれを低減する回転速度制御装置を提供できる。駆動モータの回転数が速く駆動モータの回転速度の補正が困難な場合でも、駆動モータ21の回転角度を制御して色ずれを低減できる。
また、本発明は、回転体(例えば、感光体ドラム1)と該回転体を1対nの回転数比で回転駆動する駆動手段(例えば、駆動モータ21)と、該駆動手段を制御する制御手段(例えば、モータ制御部30)とを有する回転速度制御装置において、円周方向に複数のスリットが配置されたエンコーダを用いて、回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段(例えば、エンコーダ25)と、回転速度検出手段により検出された回転体が一回転する間の回転速度の変動を複数の前記スリットが検出される時間間隔から検出する速度変動検出手段(例えば、回転速度変動検出部26)と、速度変動検出手段により検出された回転速度の変動を補正するための補正信号を生成する補正手段(例えば、補正値演算部27)と、前記駆動手段が一回転する間の駆動トルクのトルク変動を検出するトルク変動検出手段(例えば、トルク検出部41)と、前記トルク変動検出手段により検出されたトルク変動を減少させるトルク指示電圧に、トルク指示電圧と前記駆動手段の回転速度の関係を適用して、前記駆動手段の回転速度を指示する速度指示信号を生成する速度指示信号生成部と(例えば、速度指示信号生成部42)とを有し、前記制御手段は、補正信号及び速度指示信号を制御信号に適用して駆動手段の回転速度を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、像担持体の回転速度の変動を低コストに制御して色ずれを低減する回転速度制御装置を提供できる。エンコーダ25に特殊なスリットを形成しなくても駆動モータ21の回転速度の変動を補正できるので、より低コストに像担持体の回転速度の変動を補正できる。
また、本発明は、請求項1ないし3記載の回転速度制御装置により感光体ドラムの回転速度を制御する画像形成装置を提供する。
本発明によれば、像担持体の回転速度の変動を低コストに制御して色ずれを低減する画像形成装置を提供できる。
フーリエ変換のための構成や大径のロータリーエンコーダを要さないので、像担持体の回転速度の変動を低コストに制御して色ずれを低減する回転速度制御装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
図1は、本実施の形態に係る回転速度制御装置が適用された画像形成装置の概略構成図を示す。本実施形態では、画像形成装置の一例として、4色すなわちイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の4組の画像形成部を備えたカラー画像形成装置としてのカラープリンタについて説明する。
この画像形成装置は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、4色の単色画像を重ね合わせて多色画像を形成する。なお、各色の画像形成ユニットの構成は共通であるため、以下の説明においては、CMYKの各色を区別する必要が無い場合には、符号にC、M、Y、Kを付さない。
画像形成ユニットは、感光体ドラム1、帯電ローラ2、書き込み装置3、現像装置4、転写装置5、ドラムクリーニング装置6及び不図示の除電装置をCMYKの各色別個に有する。帯電ローラ2は、感光体ドラム1に当接して配置されており、感光体ドラム1の表面に所定の極性の帯電電荷を付与する。書き込み装置3は、レーザ光で感光体ドラム1の表面を走査して露光し、画像データに対応する静電潜像を感光体ドラム1の表面に形成する。現像装置4は、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像をトナーを用いて顕像化する。転写装置5は、現像装置4によって感光体ドラム1の表面に可視化されたトナー像を転写媒体でありカートリッジから搬送されてきた記録紙に転写する。ドラムクリーニング装置6は、転写装置5によってトナー像が記録紙へ転写された感光体ドラム1の表面に残存しているトナーをブレードなどによって除去する。不図示の除電装置は、感光体ドラム1の表面に帯電している電荷を除去する。
CMYK各色の画像形成ユニットは、記録紙を搬送する転写材搬送ベルト7の搬送経路に沿って所定のピッチ間隔で配列されている。また、各色の現像装置4Y、4M、4C、4Kの上方には、これらのそれぞれにトナーを供給するトナーボトル9Y、9M、9C、9Kが配設されている。
記録紙は、給紙ローラによって搬送ガイドに案内されながらレジストローラ12まで送り出される。レジストローラ12まで送られた記録紙は、各色用の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに形成されたトナー像との転写タイミングに合わせて転写材搬送ベルト7上へ送り出される。転写材搬送ベルト7は、転写材搬送ベルト駆動ローラ14の回転駆動に伴い回転し、転写材搬送ベルト7に担持されて搬送される記録紙は、イエロー作像用の感光体ドラム1Y、マゼンタ作像用の感光体ドラム1M、シアン作像用の感光体ドラム1C及びブラック作像用の感光体ドラム1Kの各プロセスユニットを通過する際に、各色のトナー像が重ね合わさるように順次転写される。
各色のトナー像が転写された記録紙は、黒色作像用の感光体ドラム1Kから定着器19へ受け渡される。トナー像が定着器19によって定着させられた記録紙は、排出ローラによって排紙トレイ21へ排出される。
図2は、感光体ドラム及び感光体ドラムを回転駆動する駆動モータの概略斜視図を示す。各色の感光体ドラム1は、駆動モータ21により回転駆動される。駆動モータ21は、例えばDCブラシレスモータである。
感光体ドラム1のシャフト1bに取り付けられたドラム駆動ギヤ23は、駆動モータ21の回転軸に取り付けられたモータ駆動ギヤ22と歯噛しており、駆動モータ21が回転するとドラム駆動ギヤ23を介して感光体ドラム1が回転する。また、シャフト1bには回転駆動ギア23と一体に回転するエンコーダ25が固定されており、感光体ドラム1の回転速度を検出する。
本実施の形態のドラム駆動ギア23の歯数は、モータ駆動ギア22のn倍(nは自然数で、例えば14)になっており、ドラム駆動ギア23が1回転する間に、モータ駆動ギア22はn回転するようになっている。
図2のような駆動構造で感光体ドラム1を回転駆動すると、感光体ドラム1の1回転毎に周期的に生じる速度変動と、駆動モータ21の1回転毎に周期的に生じる速度変動とが検出される。図3(a)は、感光体ドラム1の1回転毎に周期的に生じる速度変動の一例を示す。図3(a)では、横軸に感光体ドラムの回転角、縦軸に回転速度を取った。図3(a)に示すように、感光ドラムの1回転毎に周期的に回転速度が変動する。
感光体ドラム1の1回転毎に周期的に生じる速度変動は、感光体ドラムの偏芯が主な原因である。感光体ドラムが偏芯していると、偏芯により感光体ドラム1の回転中心が1回転の間に移動するため図3(a)のような周期的な回転速度の変動を生じさせる。
図3(b)は駆動モータ21の1回転毎に周期的に生じる速度変動の一例を示す。図3(b)では、横軸に回転角、縦軸に感光体ドラムの回転速度を取った。感光体ドラム1の1回転の間にn個の変動が検出されており、駆動モータ21の1回転毎に周期的に回転速度が変動している。駆動モータ21の1回転毎に周期的に生じる速度変動は、駆動モータ21のトルクリップルや偏芯が主な原因である。なお、図3(b)に示す回転速度の変動は感光体ドラム1に生じるものであるが、駆動モータ21の1回転毎に周期的に生じるため、以下では図3(b)の回転速度の変動を駆動モータ21の回転速度の変動と称す。
したがって、図3(a)及び(b)のような周期の異なる回転速度の変動は、図3(a)と(b)の回転速度の変動波形を合成して、図3(c)に示すようになる。以下、実施例1〜3により、図3(c)のような回転速度の変動を補正する回転速度制御装置について説明する。
本実施例では、ロータリーエンコーダ25により、感光体ドラム1の1回転毎に周期的に生じる速度変動及び駆動モータ21の1回転毎に周期的に生じる速度変動とをそれぞれ検出し、それぞれの速度変動を打ち消すような駆動モータ21の補正信号を生成することで、回転速度の変動を抑制する。
図4は、感光体ドラムの回転速度を制御する回転速度制御装置のブロック図を示す。回転速度制御装置20は、CPU、RAM、ROM等を備え、ROMに格納される制御プログラムをCPUが実行することにより画像形成装置を統括制御するとともに、以下で説明するように感光体ドラム1の回転速度を制御する。
エンコーダ25は回転速度変動検出部26に接続され、回転速度変動検出部26は補正値演算部27に接続される。補正値演算部27はモータ制御部30に接続され、また、メモリ28がモータ制御部30が接続されている。
エンコーダ25について説明する。図5はエンコーダ25の平面図を示す。エンコーダ25には、円周上にバーコードのような光の通過領域と遮断領域とを交互に周設したスリット31〜33がパターン形成されている。円周部には1対の発光素子及び受光素子(不図示)が配置され、発光素子として例えば発光ダイオード等が使用され、受光素子としてホトダイオード等が使用される。発光素子から出射された光は、エンコーダ25に形成されたスリット31〜33を通過し、受光素子によって検出されて電気的なパルス信号に変換される。パルス信号を公知の方法で処理することにより、エンコーダ25の回転速度や位相のずれなどを検出することができる。
本実施の形態のエンコーダ25のスリット31〜33は、それぞれ異なるスリット幅を有し、スリット31のスリット幅はa、スリット32のスリット幅はb、スリット33のスリット幅はcである(a<b<c)。スリット32は3つ、スリット33は1つ、それぞれ等間隔で形成されている。したがって、スリット32とスリット33は90度間隔で配置されている。スリット31はスリット33とスリット32の間、又は、スリット32とスリット32の間に等間隔に形成されている。
エンコーダ25が回転してスリット33が受光部の位置までくると、受光部はスリット31又は32よりも長いスリット幅cに応じた時間、受光するので、スリット33が所定の位置(以下、ホームポジションという)に戻ってきたことが検出できる。
また、スリット32はホームポジションから90度間隔に周設されているので、スリット幅bに応じた時間のスリット光が受光されれば、90度回転したことが検出され、また、エンコーダ25が1回転すると、次にホームポジションが検出されるまでスリット32のスリット光が3回検出される。感光体ドラム1が図3(a)のような回転速度の変動を示す場合、4つのパルス信号は時間的に等間隔に検出されないので、4つのパルス信号が検出された時間に基づき感光体ドラムの1回転毎の速度変動を検出できる。
また、駆動モータ21に起因する回転速度の変動はスリット31のスリット光に基づき検出される。ドラム駆動ギア23とモータ駆動ギア22とのギア比はnであるので、駆動モータ1回転当たりスリット31の4つのパルス信号を検出するためには、少なくとも4n個のスリット31が必要となる。したがって、エンコーダ25の90度ごとにn個のスリット31が周設されていればよい。感光体ドラム1が図3(b)のような回転速度の変動を示す場合、連続した4つのスリット31によるパルス信号は時間的に等間隔に検出されないので、スリット31の4つのパルス信号が検出された時間に基づき駆動モータ21の1回転毎の速度変動を検出できる。なお、エンコーダ25のスリット31の数は5n等、nの整数倍であってもよい。
したがって、回転速度変動検出部26はエンコーダ25により検出されるパルス信号に基づき感光体ドラム1の回転速度の変動を検出する。回転速度変動検出部26は、エンコーダ25から入力されるパルス信号からスリット32、33のパルスと、スリット31のパルスを分離する。そして、分離したそれぞれのパルス信号から、感光体ドラム1の1回転分の回転速度の変動と、駆動モータ21の回転速度の変動を検出する。
検出された回転速度の変動は補正値演算部27へ入力され、補正値演算部27は感光体ドラム1の1回転毎の回転速度の変動を補正する補正信号を生成し、また、駆動モータ21の回転速度の変動を補正する補正信号を生成する。
具体的には、感光体ドラム1の1回転毎の回転速度の変動が図3(a)のよう検出された場合、補正値演算部27は図3(a)と逆位相の補正信号を生成する。図6(a)は、回転速度の変動(実線)と逆位相に生成された補正信号(点線)を示す。補正信号により感光体ドラム1の回転を制御すれば、感光体ドラム1の1回転毎に生じる周期的な回転速度の変動を打ち消すことができる。
また、駆動モータ21の回転速度の変動が図3(b)のよう検出された場合、補正値演算部27は図3(b)と逆位相の補正信号を生成する。図6(b)は、駆動モータ21の回転速度の変動(実線)と逆位相に生成された補正信号(点線)を示す。補正信号により感光体ドラム1の回転を制御すれば、駆動モータ21の1回転毎に生じる周期的な回転速度の変動を打ち消すことができる。
図6(a)及び(b)のような補正信号が生成されたら、補正値演算部27はそれらを合成しモータ制御部30へ出力する。モータ制御部30はROMなどのメモリ28に予め格納されている基準速度を取得し、駆動モータ21を制御する制御信号を生成する。駆動モータ21は、モータ制御部30が生成した制御信号により駆動される。
以上の構成に基づき、回転速度制御装置20が感光体ドラム1の回転速度を制御する処理を図7のフローチャート図及び図8のタイミングチャート図に基づき説明する。まず、エンコーダ25からパルス信号が入力される(S11)。
図8(a)はエンコーダから入力されるパルス信号の一例を示す。パルス信号には、上記のとおり、スリット31〜33のスリット幅a〜cに対応したパルス幅a’〜c’が検出される。回転速度変動検出部26はパルス幅c’のパルスが検出されるまで、すなわちホームポジションが検出されるまで待機する。ホームポジションが検出されたらそこからn個のパルスはスリット31によるパルス幅a’のパルスであるので、ホームポジションの検出に応じてパルス幅a’のパルスを検出する。
回転速度変動検出部26はホームポジションが検出されると図8(b)のようなホーム検知信号を図8(a)のエンコーダから入力されるパルス信号に重畳させる。ホーム検知信号はパルス幅a’のn個のパルスと重畳するように生成される。回転速度変動検出部26はホーム検知信号が立ち上がっている間、周知の積分回路でパルス幅a’のパルスを図8(a)のパルス信号から分離する。分離されたパルス幅a’のパルスは図8(d)のようなパルス信号となり、パルス幅a’のパルスが分離されたパルス幅c’又はb’によるパルス信号は図8(c)のようになる。
回転速度変動検出部26は、図8(c)のパルス信号の検出時間に基づいて感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を検出する(S12)。そして、補正値演算部27は回転速度変動検出部26が検出した回転速度の変動を打ち消す逆位相の補正信号を生成する(S13)。
また、回転速度変動検出部26は、図8(d)のパルス信号の検出時間に基づいて、駆動モータ21による回転速度の変動を検出する(S14)。そして、補正値演算部27は回転速度変動検出部26が検出した回転速度の変動を打ち消す逆位相の補正信号を生成する(S15)。
次いで、モータ制御部30は、生成された感光体ドラム1の1回転の補正信号と駆動モータ21の回転速度の補正信号を合成するとともに、メモリ28から基準速度を取得して合成する(S16)。以上のような処理により、感光体ドラム1の回転速度の変動を低減する駆動モータ21の制御信号が生成できる。
本実施の形態の回転速度制御によれば、処理の複雑なフーリエ変換を行うことなく周波数成分の異なる回転速度の変動を検出できる。また、高分解能なエンコーダも必要としない。したがって、本実施の形態の画像形成装置は、コスト増をもたらさないで色ずれを低減することができる。
実施例1では駆動モータ21の回転速度の変動を検出し、駆動モータ21の回転速度の変動を補正する補正信号を生成したが、本実施例では、駆動モータ21の位相角を制御することで感光体ドラム1の回転速度を制御する。
図1に示したようにタンデム型の画像形成装置では複数の感光体ドラム1が配設されるが、本実施例では各感光体ドラム1Y〜Kの相対的な回転角度を一定にすることでカラー画像形成装置の色ずれを防止する。
図9は、各感光体ドラム1及び駆動モータ21の回転軸方向の概略図を示す。なお、現像装置4等は省略した。図9の画像形成装置は、それぞれの駆動モータ21Y〜21Kに所定の半径方向にマーキング線10y〜10kが記されている。マーキング線10Y〜10Kの位置は既知であるか又はマーキング線を検出することで画像形成装置が取得できる。本実施例では、互いのマーキング線10Y〜10Kが所定の相対角度を保つように駆動モータ21の位相を制御する。例えば、初期状態で10Yと10Mが角θ1をなし、10Mと10Cが角θ2をなし、10Cと10Kが角θ3をなす場合、角θ1〜θ3の相対的な回転角度を保つように駆動モータ21Y、21M、21C及び21Kの回転角度を制御する。
図10は、感光体ドラム1の回転速度を制御する回転速度制御装置のブロック図を示す。なお、図10において図4と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図10の回転速度変動検出部26は、実施例1と同様に感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を検出し、補正値演算部27は感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を補正する補正信号を生成する。
また、本実施例では回転速度変動検出部26に入力されたパルス信号のうち図8(d)に示したスリット31のパルス信号がモータ位相角検出部40に入力される。モータ位相角検出部40は、スリット31のパルス信号をカウントすることで、駆動モータ21のホームポジションからの回転角度を検出する。このようにして各感光体ドラム1の回転角度が検出されるので、各駆動モータ21が他の駆動モータ21となす相対的な回転角度を算出できる。
モータ制御部30は、感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を補正する補正信号とメモリ28から取得した基準速度を合成し、駆動モータ21を制御する。これにより、感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動が補正される。そして、モータ制御部30は、例えば、隣接する感光体ドラム1の駆動モータ21の回転角度と相対的ななす角が一定となるように駆動モータ21の回転角度を制御する。したがって、本実施例の回転速度制御装置は、駆動モータ21の1回転毎の回転速度の変動を補正せずに、駆動モータ21の回転角度を制御して色ずれを低減する。
以上の構成に基づき、回転速度制御装置20が感光体ドラム1の回転速度を制御する処理を図11のフローチャート図に基づき説明する。なお、図11のフローチャート図において図7と同一ステップの同一の符号を付した。
まず、エンコーダ25からパルス信号が入力される(S11)。回転速度変動検出部26は、図8(c)のパルス信号の検出時間に基づいて感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を検出する(S12)。そして、補正値演算部27は回転速度変動検出部26が検出した回転速度の変動を打ち消す逆位相の補正信号を生成する(S13)。
また、回転速度変動検出部26は図8(d)に示したスリット31のパルス信号をモータ位相角検出部40に送出し、モータ位相角検出部40はスリット31のパルス信号をカウントすることで、駆動モータ21の回転角度を検出する(S31)。
補正信号及び駆動モータ21の回転角度はモータ制御部30に送出され、モータ制御部30は感光体ドラム1の1回転の回転速度を補正する補正信号とメモリ28から取得した基準速度を合成する。また、モータ制御部30は、駆動モータ21の回転角度と隣接する駆動モータ21の回転角度とのなす角を検出する(S32)。
そして、モータ制御部30は、駆動モータ21の回転速度を制御すると共に、駆動モータ21の回転角度が隣接する駆動モータ21の回転角度と一定のなす角となるように制御する(S33)。
本実施例によれば、駆動モータ21の回転速度を補正せずに色ずれを低減することができる。駆動モータ21は感光体ドラム1と比較して高速に回転するためその回転速度を補正することは困難な場合があるが、本実施例のように回転角度を制御すれば駆動モータ21の回転速度が高速でも色ずれを低減できる。
実施例1ではエンコーダ25のスリット31により検出されるパルス信号により駆動モータ21の回転速度の変動を検出したが、エンコーダ25に複数種のスリットを形成することやパルス幅a’のパルスを分離すること等がコスト高をもたらす場合がある。本実施例では、より簡単な方法で駆動モータ21の回転速度の変動を検出する。
図12は、本実施例の回転速度制御装置のブロック図を示す。図12において図4と同一部分には同一の付号を付しその説明は省略する。本実施例ではエンコーダ25のスリット構成が実施例1又は2と異なる。本実施例のエンコーダ25は、スリット31、33を有さずスリット32のみが形成されている。また、本実施例のエンコーダ25はスリット33の代わりにスリット32が形成されており、円周に沿って90度間隔に4つのスリット32が形成されている。
また、駆動モータ21のトルクを検出すると共にトルクの変動を検出するトルク検出部41及び駆動モータ21のトルク変動に基づいて駆動モータ21の速度指示信号を生成する速度指示信号生成部42を有する。
駆動モータ21のトルク変動について説明する。感光体ドラム1が回転軸を中心に均一であれば、一定速度で回転する限り回転に必要なトルクは一定であるが、実際には上記のように感光体ドラム1が偏芯し、また、モータ駆動ギア22とドラム駆動ギア23の影響を受けるため、感光体ドラム1は回転軸を中心に均一に回転しない。このため、感光体ドラム1を定速で回転駆動する場合であっても、駆動モータ21に作用するトルクは変動する。
図13は駆動モータ21の回転角度に対する回転速度の変動(実線)及びトルク変動(点線)の一例を示す。図13では、回転速度が基準速度より大きく変動する場合、駆動モータ21のトルクは基準トルク(例えば、y=0のトルク)よりも大きく変動し、回転速度が基準速度より小さく変動する場合、駆動モータ21のトルクは基準トルクよりも小さく変動する。駆動トルクの変動と回転速度の変動には相関があるため、駆動トルクの変動に基づき駆動モータ21の回転速度の変動を補正できることとなる。
図14は速度制御部が感光体ドラム1の回転速度の変動を補正する制御手順を示す。図14の制御手順によれば、回転速度変動検出部26が感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を検出する(S21)と共に、トルク検出部41が駆動モータ21のトルク変動を検出する(S22)。そして、回転速度の変動及び検出されたトルク変動に基づいて、速度指示信号生成部42が速度指示信号及びゲインを決定し(S23)、駆動モータ21の速度制御を行う(S24)。
以下、順に説明するが、感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動の検出は実施例1と同様である。すなわち、回転速度変動検出部26はエンコーダ25のスリット32に基づくパルス信号により感光体ドラム1の1回転の回転速度の変動を検出する。補正値演算部27は回転速度の変動と逆位相の補正信号を生成しモータ制御部30に出力する。
(S22)
図15は、トルク変動とトルク指示電圧の関係を示す図である。駆動モータ21はトルク指示電圧により駆動されるため、検出されるトルク変動はトルク指示電圧に対し略一定時間遅れた波形となる。したがって、トルク変動及び伝達時間の遅れを予め考慮してトルク指示電圧を生成すれば、結果として一定の駆動モータ21の回転速度が得られる。
(S23)
図16は、駆動モータ21の回転速度の変動及びトルク変動が図13に示すようである場合、回転速度の変動を補正する速度指示信号の一例を示す。図16の速度指示信号の生成について説明する。上記のように、回転速度の変動とトルク変動には一定の関係があるため、トルク変動が生じないようにトルクを補正すれば回転速度の変動も補正できる。トルク変動の補正はトルク変動と逆位相のトルク指示電圧を生成すればよい。
回転速度の変動に応じて駆動モータ21に作用するトルク変動は図13のように検出されているので、まずこれを逆位相にする。そして、伝達時間の遅れを考慮して、逆位相とされたトルク指示電圧の位相をトルク変動よりも若干早める。このようにしてトルク指示電圧が得られる。
モータ制御部30は、トルク指示電圧と駆動モータ21の回転速度の関係(ゲイン)を決定し、また、速度を制御するための速度指示信号を生成する。
(S24)
モータ制御部30は、補正値演算部27により生成された補正信号並びに速度指示信号及びゲインに基づき駆動モータ21を制御する。
本実施例によれば、駆動モータ21の回転速度の変動をエンコーダを用いない簡単な構成で検出できるので、低コストに感光体ドラム1の回転速度を制御できる。
以上のように、本実施の形態の回転速度制御装置又は画像形成装置であれば、感光体ドラムの回転速度変動を低コストに制御して色ずれを低減することができる。なお、本実施の形態ではタンデム式の画像形成装置を対象に説明したが、回転速度の変動による画像の位置ずれは、タンデム型の画像形成装置に限らず、リボルバー方式の画像形成装置においても発生する。また、1つの感光体ドラムで単色画像を形成する画像形成装置においても回転速度の変動による画像の位置ずれが発生する。本実施の形態の回転速度制御装置は、これらの画像形成装置を対象にも好適に適用できる。
画像形成装置の概略構成図である。 感光体ドラム及び感光体ドラムを回転駆動する駆動モータの概略斜視図である。 感光体ドラムの回転角度と周期的に生じる速度変動の一例を示す図である。 感光体ドラムの回転速度を制御する回転速度制御装置のブロック図である。 エンコーダの平面図である。 感光体ドラムの回転角度と回転速度の変動を補正する補正信号の一例を示す図である。 回転速度制御装置が感光体ドラムの回転速度を制御する処理のフローチャート図である。 エンコーダから出力されるパルス信号のタイミングチャート図である。 各感光体ドラム及び駆動モータの回転軸方向の概略図である。 実施例2において感光体ドラムの回転速度を制御する回転速度制御装置のブロック図である。 実施例2の回転速度制御装置が感光体ドラムの回転速度を制御する処理のフローチャート図である。 実施例3の感光体ドラムの回転速度を制御する回転速度制御装置のブロック図である。 駆動モータの回転角度に対する回転速度の変動及びトルク変動の一例を示す図である。 速度制御部が感光体ドラムの回転速度の変動を補正する制御手順を示す図である。 トルク変動とトルク指示電圧の関係を示す図である。 トルク変動に基づき回転速度の変動を補正する速度指示信号の一例を示す図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 書き込み装置
4 現像装置
5 転写装置
6 ドラムクリーニング装置
20 回転速度制御装置
21 駆動モータ
25 エンコーダ

Claims (4)

  1. 回転体と、該回転体を1対nの回転数比で回転駆動する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを有する回転速度制御装置において、
    円周方向に1つだけの第1のスリットと、円周方向に複数配置された第2のスリットと、前記第2のスリット間に等間隔に配置された前記第1及び第2のスリットよりも幅が狭くn個より多い第3のスリットとを有するエンコーダを用いて、前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段により検出された前記回転体が一回転する間の回転速度の第1の変動を前記第1のスリット及び複数の前記第2のスリットが検出される時間間隔から、前記駆動手段が一回転する間の回転速度の第2の変動を複数の前記第3のスリットが検出される時間間隔から、それぞれ検出する速度変動検出手段と、
    前記速度変動検出手段により検出された回転速度の変動を補正する補正信号を生成する補正手段と、を有し
    前記第2のスリットは、前記第1のスリットと当該第1のスリットと隣接する第2のスリットとの間隔と、前記第2のスリット同士の間隔とが等しくなるように配置され、
    前記補正手段は、前記第1の変動を補正するための第1の補正信号、及び、前記第2の変動を補正するための第2の補正信号を生成し、前記第1の補正信号及び前記第2の補正信号とを合成して前記制御手段に入力し、
    前記制御手段は、前記第1の補正信号及び前記第2の補正信号が合成された制御信号にて前記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする回転速度制御装置。
  2. 他の回転体と略同一速度で回転する回転体と、該回転体を1対nの回転数比で回転駆動する第1の駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを有する回転速度制御装置において、
    円周方向に複数のスリットが配置されたエンコーダを用いて、前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段により検出された前記回転体が一回転する間の回転速度の変動を複数の前記スリットが検出される時間間隔から検出する速度変動検出手段と、
    前記速度変動検出手段により検出された回転速度の変動を補正する補正信号を生成する補正手段と、
    前記他の回転体を回転駆動する第2の駆動手段に対する前記第1の駆動手段の相対的な回転角度を検出する回転角度検出手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記補正信号により前記駆動手段の回転駆動を補正して制御し、前記回転角度検出手段により検出された前記第1の駆動手段の相対的な回転角度が初期状態の所定の角度になるよう制御する、
    ことを特徴とする回転速度制御装置。
  3. 回転体と、該回転体を1対nの回転数比で回転駆動する駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを有する回転速度制御装置において、
    円周方向に複数のスリットが配置されたエンコーダを用いて、前記回転体の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段により検出された前記回転体が一回転する間の回転速度の変動を複数の前記スリットが検出される時間間隔から検出する速度変動検出手段と、
    前記速度変動検出手段により検出された回転速度の変動を補正するための補正信号を生成する補正手段と、
    前記駆動手段が一回転する間の駆動トルクのトルク変動を検出するトルク変動検出手段と、
    前記トルク変動検出手段により検出されたトルク変動を減少させるトルク指示電圧に、トルク指示電圧と前記駆動手段の回転速度の関係を適用して、前記駆動手段の回転速度を指示する速度指示信号を生成する速度指示信号生成部と、を有し、
    前記制御手段は、前記補正信号及び前記速度指示信号を制御信号に適用して前記駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする回転速度制御装置。
  4. 請求項1ないし3記載の回転速度制御装置により感光体ドラムの回転速度を制御する画像形成装置。
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