JP4787181B2 - エンジン - Google Patents

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、エンジンの内部機関を保護するための被覆部材の技術であって、例えば、フライホイルハウジング、ギアケースカバー、燃料噴射ポンプカバーの剛性を向上させる構造の技術に関する。
従来、エンジンの内部機関を保護するためにFC材(鋳鉄)やアルミ等によってエンジンの被覆部が構成されている。前記被覆部の一例として、フライホイルを保護するためのフライホイルハウジングや、ギアケースを保護するためのギアケースカバー、またギアケースカバーに取り付け、メンテナンスの際に取り外すことができる燃料噴射ポンプカバー等が挙げられる。前記フライホイルハウジングは中心側フランジ部にてシリンダブロックに螺子等で固設されており、フライホイルのエンジン側の面を保護する平面で構成された壁部とフライホイル周面を保護する平面で構成された外周側フランジ部はほぼ垂直に一体的に形成されており、その角の部分は丸く形成されており、壁部のシリンダブロック側には中心側フランジ部から外周側フランジ部へむかって放射状にリブが設けられており、前記壁部と外周側フランジ部の境界部分である角の部分には一定間隔を開けて内リブが設けられている(特許文献1参照)。
また、前記ギアケースカバーは、ギアケースの外側を保護するために螺子等によりシリンダブロックに固設されており、その表面は略平面で構成されていた。該ギアケースカバーの表面における燃料噴射ポンプを保護する部分には略円形状の孔が開口されており、該孔を覆うために燃料ポンプ噴射カバーを設けてギアケースカバーとフランジ部に螺子等で締結する構成としている。該ギアケースカバー及び燃料噴射ポンプカバーは螺子等を取り外すことにより、簡単に取り外し可能となっているため、ギアケース周辺のメンテナンスを容易に行うことができるよう構成されている。前記燃料噴射ポンプカバーは平面で構成されていた(特許文献2参照)。
特開2005−282391号公報 特開2005−351164号公報
しかし、フライホイルハウジングにおいてリブには単一方向の剛性向上の効果しかなく、剛性向上に対する重量増加の割合が大きかった。さらに内リブを設けたことにより、内リブとフライホイル外周部に嵌設したリングギアとの干渉を避けるため、フライホイルをシリンダブロック側に近づけることができず、クランク軸方向のエンジンの長さが長くなっていた。また、ギアケースカバーにおいて表面は平面で構成されていたため、厚さのみの剛性向上効果しか有しなかった。また、表面が平面で構成されたことにより、表面からの放射音の指向性が高く車輌等搭載時に問題となりやすい正面の音圧が高くなる傾向があった。また、単純な平面構造であったため、剛性分布をコントロールすることができなかった。また、燃料噴射ポンプカバーにおいて蓋部は平面で構成されていたため、厚さのみの剛性向上効果しか有しなかった。また、蓋部が平面で構成されたことにより、表面からの放射音の指向性が高く車輌等搭載時に問題となりやすい正面の音圧が高くなる傾向があった。そこで、本発明はかかる課題に鑑み、重量の増加を抑えつつ剛性を向上させ、放射音を拡散することができるエンジンの被覆部材を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジン(1)を構成するシリンダブロック(2)のクランク軸(10)方向の後方部分は、フライホイルハウジング(16)により被覆し、前方部分は、ギアケース(8)を介してギアケースカバー(6)により被覆し、前記フライホイルハウジング(16)の外周側フランジ部(16b)と中心側フランジ部(16a)の間に放射状にリブ(16d・・)を複数形成し、該複数のリブ(16d・・)の間を連繋する壁面部(16c)に、略同じ厚さで、凹凸状の曲面で形成した被覆部(16e)を形成し、前記曲面の被覆部(16e)は、略半径方向に伸びる溝状に形成し、前記ギアケースカバー(6)の表面部(6a)に、複数の凹凸状の曲面の被覆部(6e)を形成し、該ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)をドーム状に形成し、該ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)の表面から発散される放射音の指向性を低減して、正面方向に発散する音圧を低くするように構成したものである。
請求項2においては、請求項1記載のエンジンにおいて、前記ギアケースカバー(6)の上部一側に開口した開口部(6c)を、着脱可能に設けた燃料噴射ポンプカバー(40)により被覆し、該燃料噴射ポンプカバー(40)を略円形とし、該燃料噴射ポンプカバー(40)の中心部の被覆部も、外方に膨らむドーム状に構成したものである。
請求項3においては、請求項1記載のエンジンにおいて、前記ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)の凹凸の面積及び高さを、放射される放射音の2次膜振動モードの各腹部の振幅が等価になるように構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、エンジン(1)を構成するシリンダブロック(2)のクランク軸(10)方向の後方部分は、フライホイルハウジング(16)により被覆し、前方部分は、ギアケース(8)を介してギアケースカバー(6)により被覆し、前記フライホイルハウジング(16)の外周側フランジ部(16b)と中心側フランジ部(16a)の間に放射状にリブ(16d・・)を複数形成し、該複数のリブ(16d・・)の間を連繋する壁面部(16c)に、略同じ厚さで、凹凸状の曲面で形成した被覆部(16e)を形成し、前記曲面の被覆部(16e)は、略半径方向に伸びる溝状に形成し、前記ギアケースカバー(6)の表面部(6a)に、複数の凹凸状の曲面の被覆部(6e)を形成し、該ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)をドーム状に形成し、該ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)の表面から発散される放射音の指向性を低減して、正面方向に発散する音圧を低くするように構成したので、リブを形成することなく剛性を向上できる。
また、略同じ剛性で軽量化を図ることができる。
また、騒音を発散させることが可能となって、騒音を低下することができる。
また、フライホイルハウジングの端面に外リブや内リブを立設することなくフライホイルハウジングの剛性を高めることができ、フライホイルハウジングの軽量化を実現することができる。
また、フライホイルとフライホイルハウジングとの距離を、リブ有りの場合に比べて短くすることができ、エンジン全体をコンパクトに構成することが可能になる。
また、フライホイルハウジングの剛性を、効果的に向上させることができる。
また、鋳造により容易に形成できる。
また、ギアケースカバーの重量を増加させることなく、ギアケースカバーの剛性を高めることができ、換言すればギアケースカバーの肉厚を薄くして軽量化を実現することができる。
また、ギアケースカバー自体の固有振動数が高くなり、エンジンから発せられる騒音を低減することが可能になる。
また、ギアケースカバーを単なる平面形状としていた場合と比較して、ギアケースカバーから発せられる騒音の指向性を低減し、正面方向における音圧を低減することができる。
請求項2においては、請求項1記載のエンジンにおいて、前記ギアケースカバー(6)の上部一側に開口した開口部(6c)を、着脱可能に設けた燃料噴射ポンプカバー(40)により被覆し、該燃料噴射ポンプカバー(40)を略円形とし、該燃料噴射ポンプカバー(40)の中心部の被覆部も、外方に膨らむドーム状に構成したので、メンテナンス用カバーのコーナ部の剛性を確保しつつ、メンテナンス用カバーの剛性を大幅に向上させることができる。
また、メンテナンス用カバー自体の固有振動数が高くなり、エンジンから発せられる騒音を低減することが可能になる。
請求項3においては、請求項1記載のエンジンにおいて、前記ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)の凹凸の面積及び高さを、放射される放射音の2次膜振動モードの各腹部の振幅が等価になるように構成したので、各腹部から発せられる音を互いに干渉させることによって、ギアケース正面の音圧を低減することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係るエンジンの全体的な構成を示した左側面図、図2はエンジンの正面図、図3はエンジンの背面図である。図4はフライホイルハウジングの正面図、図5はフライホイルハウジングの外周側フランジ部周辺の側面一部断面図、図6は図3におけるA−A矢視断面図、図7はギアケースカバーの斜視図、図8はギアケースカバーの正面図、図9は図8におけるB−B矢視断面図、図10はギアケースカバーの斜視図、図11は燃料噴射ポンプカバーの正面図、図12は図11におけるC−C矢視断面図、図13は従来のフライホイルハウジングの正面図、図14は従来のフライホイルハウジングの外周側フランジ部周辺の側面一部断面図、図15は従来のギアケースカバーの斜視図、図16は従来の燃料噴射ポンプカバーの正面図、図17は図16におけるD−D矢視断面図である。
まず、本発明の一実施例に係るエンジン1の概略構成について図1乃至図3を用いて説明する。以下では、図1右側を前方とし、手前側を右方として説明する。エンジン1は中央部にシリンダブロック2が位置し、該シリンダブロック2上側にはシリンダヘッド3が載置固定され、該シリンダブロック2下側にはラダーフレーム(間座)7を介してオイルパン4が配設されている。該シリンダブロック2の一側方(本実施形態においては右方)には、燃料噴射ポンプ22やクランクケース内で使用されるオイルを濾過するためのフィルター5等が配設されている。一方、シリンダブロック2の後面には、前記クランク軸の後端部に取り付けられるフライホイル18を覆うフライホイルハウジング16が固設されている(図3参照)。
前記エンジン1本体の前面には、燃料噴射ポンプ22の駆動を担うカム機構等を内包するギアケース8が取り付けられて、その前面はギアケースカバー6により覆われている。該ギアケースカバー6の前方において、前記クランク軸10前端部には一体的に駆動プーリ11が固設されている。該駆動プーリ11の上方には従動プーリ12が回動自在に枢支され、該従動プーリ12の回動軸17の前端部には一体的にラジエータファン31が固設されている。該従動プーリ12と前記駆動プーリ11の左方にはテンションプーリ13が枢支されている。これらのプーリ11・12・13にはVベルト等で構成されたベルト15が巻回されており、該ベルト15を介して駆動プーリ11の駆動力が従動プーリ12及びテンションプーリ13へと伝達されて、該従動プーリ12の回動軸17に固設されている前記ラジエータファン31が駆動される構成になっている。
前記テンションプーリ13はエンジン補機の一つであるオルタネータ20の駆動軸20aに一体的に固定されており、該オルタネータ20はそのカバーの一部をテンションプーリ13の支持部とする取付フランジ20bとして、その下部が前記ギアケースカバー6に設けた支持部にボルト等の取付支点21によって支持されている。
次に、オイルパン4のエンジン1への取り付け構造について、詳しくはオイルパン4のシリンダブロック2下方のラダーフレーム7への取り付け構造について説明する。図1に示すように、シリンダブロック2の下方にはオイルパン4が設けられており、該オイルパン4内には潤滑油が貯溜されている。詳しくは、ボルト等によってシリンダブロック2下部にラダーフレーム7が固設され、同じくボルト等によって該ラダーフレーム7下部にオイルパン4が固設されている。該ラダーフレーム7はシリンダブロック2後端下方からギアケースカバー6下方まで延設されており、該シリンダブロック2前部に取り付けられるギアケース8はラダーフレーム7とも連結されている。
詳しくは、オイルパン4には、平面視における外周に図示しないボルト孔が形成されており、該ボルト孔にボルトを螺挿することにより、液体パッキンを介してオイルパン4をラダーフレーム7に固設する構成になっている。該オイルパン4は平面視において略長方形の形状を有し、上部が開口された容器に形成されており、冷間圧延鋼板等を鋳型形成することによって製造されるものである。オイルパン4には、後面視において右下部にドレン23が設けられており、一定期間が経過して不純物が混ざったり、酸化してしまった潤滑油をオイルパン4から排出できるようになっている。
次に、エンジンの後方と側方部分を覆うエンジンの被覆部材として、フライホイルハウジング16、ギアケースカバー6、燃料噴射ポンプカバー40の構造について説明する。まず、フライホイルハウジング16の構造について図4乃至図6を用いて説明する。前記フライホイルハウジング16は前記のとおり、クランク軸後端部に取り付けられるフライホイル18を覆う構成となっており、フライホイル18を保護している。図4のようにフライホイルハウジング16は、シリンダブロック2と螺子等によって固設するための中心側フランジ部16a、フライホイル18の外周を保護してミッションケース等に固設するための外周側フランジ部16b、中心側フランジ部16aと外周側フランジ部16bとの間を連繋する壁面部16cから構成され、中心側フランジ部16aと外周側フランジ部16bとの間である壁面部16cの図4手前側(シリンダブロック2側)には放射状に複数のリブ16d・16d・・・が配設されている。従来のフライホイルハウジング116は図13に示すように、中心側フランジ部116aと外周側フランジ部116bとの間である壁面部116cの図13手前側(シリンダブロック2側)に放射状に複数のリブ116dを配設しており、前記複数のリブ116dの間を連繋する壁面部116cは平面で構成されていた。また、図14に示すように壁面部116cと外周側フランジ116bの境界部であって、フライホイル118側(内側)にはフライホイルハウジング116を補強するための複数の内リブ116eが設けられていた。
しかし、従来の構成では、フライホイルハウジング116全体として質量が増加してしまう。また、リブ116dは単一方向の剛性向上の効果しかなく、剛性向上に対する質量増加が大きい。また、壁面部116cは平面で構成されているため、厚みのみの剛性向上効果しか発揮し得なかった。また、補強するための複数の内リブ116eを配設するためスペースを確保せねばならず、結果としてフライホイル118をシリンダブロック2側に近づけることが出来なかったため、エンジンのクランク軸方向の全長が長くなるという不具合が生じていた。また、フライホイル118をシリンダブロック側に近づけることが出来なかったため、フライホイルハウジング116とフライホイル118との間に機関部品の振動と共鳴する可能性の有る容積を持った空間ができ、フライホイルハウジング116とフライホイル118との隙間から漏れる音が問題となる場合があった。
そこで、本発明にかかるフライホイルハウジング16は、図4乃至図6のように、複数のリブ16dの間を連繋する壁面部16cに略同じ厚さで凹凸状の曲面で形成した被覆部16eを形成している。このように構成することにより、リブ16dの軽量化を測ることが可能となり、図5に示すように、フライホイルハウジング16に内リブを立設することなくフライホイルハウジング16の剛性を高めることができ、フライホイルハウジング16全体の軽量化を実現することができる。また、図6に示すようにフライホイル18とフライホイルハウジング16との距離(クランク軸心方向の距離)を、内リブが有る場合に比べて短くすることができ、エンジン全体をコンパクトに構成することが可能になる。また、前記フライホイル18とフライホイルハウジング16との間の容積を、内リブが有る場合に比べて減少させたことにより、発生する定在波の周波数が高くなり、フライホイルハウジング16及びフライホイル18から発生する振動の周波数との差を大きく取れるため、共鳴を回避でき、音圧を低減することが可能となる。
また、前記壁面部16cに形成した被覆部16eの曲面の形状は、図4に示すように、フライホイルハウジング16の中心より略半径方向に伸びる溝状に形成したものである。また、前記被覆部16eは、図6において上側(シリンダブロック2側)へ凸となるような曲面に形成したものである。このように構成することにより、フライホイルハウジング16の剛性を、効果的に向上させることができる。また、鋳造により容易に形成できる。また、図6下側(フライホイル18側)の壁面部は凹となるため、この凹となった部分での音の反射による減衰効果を得ることができ、音圧を低減することが可能となる。
次に、前記ギアケースカバー6の構造について図7乃至図10を用いて説明する。前記ギアケースカバー6は前記のとおり、燃料噴射ポンプ22の駆動を担うカム機構等を内包するギアケース8を覆う構成となっており、ギアケース8内部を保護している。従来、ギアケースカバー106は、図15に示すように、表面部106aと内部のリブで構成されており、前記表面部106aは平面で構成されていた。しかし、従来の構成では、リブは単一方向の剛性向上の効果しかなく、剛性向上に対する質量増加が大きい。また、リブ以外の表面部は厚さのみの剛性向上効果しかない。また、表面部が平面のため放射音の指向性が高く、車輌搭載時に問題となりやすい正面の音圧が高くなる傾向にあった。
そこで、本発明にかかるギアケースカバー6は、表面部6aと内部のリブ6bで構成して、表面部6aに複数の曲面の被覆部6eを形成し、該被覆部6eを外側に膨らむドーム状に形成したものである。なお、該ドーム状の曲面の位置及び大きさは限定するものではなく、ギアケースカバー6表面から発する音圧に応じて定めることが望ましい。このように構成することにより、ギアケースカバー6の重量をほとんど増加させることなく、ギアケースカバー6の剛性を高めることができ、換言すればギアケースカバー6の肉厚を薄くして軽量化を実現することができる。また、ギアケースカバー6自体の固有振動数が高くなり、エンジン1から発せられる騒音を低減することが可能になる。また、図9に示すように、ギアケースカバー6を単なる平面形状としていた場合と比較して、ギアケースカバー6から発せられる騒音の指向性を低減し、つまり、発散させて正面方向における音圧を低減することができる。
また、図10に示すように、前記凹凸の面積及び高さを、前記ギアケースカバー6の2次膜振動モードの各腹部の振幅が等価になるように調整した。すなわち、表面部6aを平面から曲面にすることにより、表面のローカル剛性をコントロールすることが可能となり、逆位相となる二次膜振動モードの振幅、各腹部の振動面積を等価となるようにコントロールして音を干渉させる構造としたものである。図10ではエリアXとエリアYが逆位相となる位置であり、このエリアX及びYの振幅及び振動面積が等価となるように凹凸をつけることにより、音を干渉させて周りにいる人に届く騒音を小さくすることが可能となるのである。
次に、ギアケースカバー6に着脱可能に設けるメンテナンス用のカバーである燃料噴射ポンプカバー40について、図11及び図12を用いて説明する。該燃料噴射ポンプカバー40は図7に示すように、前記ギアケースカバー6の上部一側に開口した開口部6cを覆うように螺子等によって着脱可能に固設されており、通常は燃料噴射ポンプ22を保護し、燃料噴射ポンプ22やギアケース8のメンテナンス時には容易に取り外すことができる構成となっている。前記燃料噴射ポンプカバー40はギアケースカバー6の開口部6cの周囲に密着させて固定して覆う側面部40aと、該側面部40aに対し中央側に位置して開口部6cを覆う蓋部40bからなり、前記側面部40a及び蓋部40bは一体的に構成されている。従来の燃料噴射ポンプカバー140は図16及び図17に示すように、側面部140a及び蓋部140bがそれぞれ平面で構成されており、側面部140aと蓋部140bの境界部分は段差を構成し、かどを丸くして連結されていた。また、前記側面部140a及び蓋部140bの境界部分内側にはリブ140cを設けることにより剛性を確保していた。しかし、従来の構成では、リブ140c以外の側面部及び蓋部には厚さのみの剛性向上効果しかなかった。また、蓋部を平面で構成したことにより放射音の指向性が高くなり、車輌等への搭載時に問題となりやすい正面の音圧が高くなる傾向にあった。
そこで、本発明にかかる燃料噴射ポンプカバー40は、前記側面部40aを平面で構成し、蓋部40bを外側に凸となるようなドーム状の被覆部に構成し、側面部40aと蓋部40bの境界部分は、かどを丸くして段差を小さく構成している。このように構成することにより、リブ40cを配置する容積を確保できるので、燃料噴射ポンプカバー40のコーナ部の剛性を確保しつつ、燃料噴射ポンプカバー40の剛性を大幅に向上させることができる。また、燃料噴射ポンプカバー40自体の固有振動数が高くなる。つまり、固有振動数ωは以下のような式で求められる。
Figure 0004787181
ここで、mは質量であり、kは剛性である。本発明にかかる燃料噴射ポンプカバー40は蓋部40bを外側に凸となるようなドーム状に構成したことにより質量mが増加したものの、質量mの増加の割合と比較して剛性kの増加が大きいため、固有振動数ωが高くなる。これにより、エンジン1から発せられる騒音を低減することが可能になる。
また、図12に示すように、燃料噴射ポンプカバー40の蓋部40bを外側に凸となるようなドーム状に構成したことにより、単なる平面形状としていた場合と比較して、ギアケースカバー6から発せられる放射音の指向性を低減し、つまり、発散させて正面方向における音圧を低減することができる。
以上より、本発明にかかるエンジン1の被覆部材は、クランク軸方向の、エンジンの側方部分を覆うエンジンの被覆部材6、16、40において、該被覆部材6、16、40の一部分または複数部分を、一定の厚さの肉厚で凹凸状の曲面の被覆部を形成したものである。このように構成することにより、リブを形成することなく剛性を向上できる。また、略同じ剛性で軽量化を図ることができる。また、騒音を発散させることが可能となって、騒音を低下することができる。
また、前記被覆部材をフライホイルハウジング16とし、該フライホイルハウジング16の外周側フランジ部16bと中心側フランジ部16aの間に放射状にリブ16dを複数形成し、該リブ16dとリブ16dの間に、前記曲面の被覆部16cを設けたものである。このように構成することにより、フライホイルハウジングの端面に外リブや内リブを立設することなくフライホイルハウジングの剛性を高めることができ、フライホイルハウジングの軽量化を実現することができる。また、フライホイルとフライホイルハウジングとの距離を、リブ有りの場合に比べて短くすることができ、エンジン全体をコンパクトに構成することが可能になる。
また、前記曲面の被覆部16cは、略半径方向に伸びる溝状に形成したものである。このように構成することにより、フライホイルハウジングの剛性を、効果的に向上させることができる。また、鋳造により容易に形成できる。
また、前記被覆部材を、ギアケースカバー6とし、該ギアケースカバー6に複数の曲面の被覆部6aを形成し、該被覆部6aをドーム状に形成したものである。このように構成することにより、ギアケースカバーの重量を増加させることなく、ギアケースカバーの剛性を高めることができ、換言すればギアケースカバーの肉厚を薄くして軽量化を実現することができる。また、ギアケースカバー自体の固有振動数が高くなり、エンジンから発せられる騒音を低減することが可能になる。また、ギアケースカバーを単なる平面形状としていた場合と比較して、ギアケースカバーから発せられる騒音の指向性を低減し、正面方向における音圧を低減することができる。
また、前記凹凸の面積及び高さを、前記ギアケースカバー6の2次膜振動モードの各腹部の振幅が等価になるように、調整したものである。このように構成することにより、各腹部から発せられる音を互いに干渉させることによって、ギアケース正面の音圧を低減することができる。
また、前記被覆部材を、ギアケース8に着脱可能に設けるメンテナンス用のカバー40とし、該メンテナンス用カバー40を略円形、または、多角形状に形成し、該メンテナンス用カバー40の中心部が外方に膨らむドーム状に構成したものである。このように構成することにより、メンテナンス用カバーのコーナ部の剛性を確保しつつ、メンテナンス用カバーの剛性を大幅に向上させることができる。また、メンテナンス用カバー自体の固有振動数が高くなり、エンジンから発せられる騒音を低減することが可能になる。
本発明の一実施例に係るエンジンの全体的な構成を示した左側面図。 エンジンの正面図。 エンジンの背面図。 フライホイルハウジングの正面図。 フライホイルハウジングの外周側フランジ部周辺の側面一部断面図。 図3におけるA−A矢視断面図。 ギアケースカバーの斜視図。 ギアケースカバーの正面図。 図8におけるB−B矢視断面図。 ギアケースカバーの斜視図。 燃料噴射ポンプカバーの正面図。 図11におけるC−C矢視断面図。 従来のフライホイルハウジングの正面図。 従来のフライホイルハウジングの外周側フランジ部周辺の側面一部断面図。 従来のギアケースカバーの斜視図。 従来の燃料噴射ポンプカバーの正面図。 図16におけるD−D矢視断面図。
1 エンジン
2 シリンダブロック
6 ギアケースカバー
8 ギアケース
16 フライホイルハウジング
40 燃料噴射ポンプカバー

Claims (3)

  1. エンジン(1)を構成するシリンダブロック(2)のクランク軸(10)方向の後方部分は、フライホイルハウジング(16)により被覆し、前方部分は、ギアケース(8)を介してギアケースカバー(6)により被覆し、前記フライホイルハウジング(16)の外周側フランジ部(16b)と中心側フランジ部(16a)の間に放射状にリブ(16d・・)を複数形成し、該複数のリブ(16d・・)の間を連繋する壁面部(16c)に、略同じ厚さで、凹凸状の曲面で形成した被覆部(16e)を形成し、前記曲面の被覆部(16e)は、略半径方向に伸びる溝状に形成し、前記ギアケースカバー(6)の表面部(6a)に、複数の凹凸状の曲面の被覆部(6e)を形成し、該ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)をドーム状に形成し、該ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)の表面から発散される放射音の指向性を低減して、正面方向に発散する音圧を低くするように構成したことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1記載のエンジンにおいて、前記ギアケースカバー(6)の上部一側に開口した開口部(6c)を、着脱可能に設けた燃料噴射ポンプカバー(40)により被覆し、該燃料噴射ポンプカバー(40)を略円形とし、該燃料噴射ポンプカバー(40)の中心部の被覆部も、外方に膨らむドーム状に構成したことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1記載のエンジンにおいて、前記ギアケースカバー(6)の被覆部(6e)の凹凸の面積及び高さを、放射される放射音の2次膜振動モードの各腹部の振幅が等価になるように構成したことを特徴とするエンジン。
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