JP4787166B2 - 骨吸収上昇の治療のための植物抽出物 - Google Patents

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Description

本発明は、骨吸収阻害活性を有する植物由来物質に関する。
最も一般的な代謝性骨疾患は骨粗しょう症である。骨粗しょう症は一般に、どちらの場合もこの結果は骨格組織の量の減少である、骨形成の低下又は骨吸収の促進のいずれかからの、骨の量の減少と定義することができる。成人における骨量は年齢と共に減少し、骨折の危険度上昇を導く。骨粗しょう症性骨折は、患者に苦痛を生じさせることに加えて、骨粗しょう症及び関連骨折についての直接支出が米国だけで年間約170億ドルに上るので、保健医療にとって大きな負担となっている(Melton,L.J.;Heaney,R.P.Too much medicine?Or too little?Bone 2003,32,327−331)。
破骨細胞(骨吸収細胞)は、吸収過程における骨の一部の掘削の役割を担う。吸収後、骨芽細胞(骨形成細胞)が出現し、吸収された部分を新しい骨で再び満たす。
若年健常成人では、破骨細胞と骨芽細胞が形成されて機能する速度は、骨吸収と骨形成の間でバランスを維持する。しかし、加齢の正常な結果として、このリモデリング過程に不均衡が発現し、骨の減少を生じさせる。不均衡が長期にわたって継続すると、骨量の減少、従って骨強度の低下が骨折を導く。
骨粗しょう症の治療のための多くの組成物及び方法が医学文献において記述されている。例えばエストロゲン、カルシトニン及びビスホスホネートは骨吸収の有効な阻害剤であることが知られている。
この目標を達成するための栄養的アプローチは安価な手段である。しかし、今日推奨されている栄養戦略の効果はかなり控えめである。実際に、股関節骨折の相対的危険度への乳中のカルシウムの効果でさえも、カルシウムの摂取量が最も低い女性母集団の10%に限定されると思われる(Kanis,J.A.The use of calcium in the management of osteoporosis.Bone 1999,24,279−290)。従って、骨量減少を予防する新規栄養戦略が求められている。
欧州特許第980250号は、中でも特に、allium(ネギ・ニンニク属)の植物抽出物又は濃縮物を含有する栄養組成物、例えば獣医用組成物、又は医薬組成物、例えば動物薬、及びパジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は特に骨粗しょう症などの、骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療又は予防のためのこれらの使用を開示する。欧州特許第980250号の対象は参照により本出願に組み込まれる。
ラットの食餌への7%のタマネギの添加は、発育中のラットにおいて骨吸収を低下させ、骨ミネラル含量を上昇させる(Muehlbauer,R.C.;Li,F.Effect of vegetables on bone metabolism.Nature 1999,401,343−344)。この作用はタマネギの塩基過剰とは無関係である(Muehlbauer,R.C.;Lozano,A.;Reinli,A.Onion and a mixture of vegetables,salads and herbs affect bone resorption in the rat by a mechanism independent of their base excess.J Bone Miner Res 2002,17,1230−1236)。
さらに、タマネギからのエタノール抽出物は、骨粗しょう症モデルにおいて骨量減少を予防し、インビトロで破骨細胞の吸収作用を阻害した(Ingold,P.;Kneissel,M.;Muehlbauer,R.C.;Gasser,J.A.Extracts from onion prevent tibial cortical and cancellous bone loss induced by a high phosphate/low protein diet in aged retired breeder rats.Bone 1998,23,S387,Abstract No.W388;及びMuehlbauer,R.C.;Li,F.;Guenther,H.L.Common vegetables consumed by humans potently modulate bone metabolism in vitro and in vivo.Bone 1998,23,S387,Abstract No.W391)。これは、骨吸収へのタマネギの阻害活性が薬理活性化合物によるものであり得ることを示唆した。
エタノール抽出物の最初の分画はインビボでフラボノイド含有画分の活性を示さなかったが、代わりに、より極性の高い化合物の溶出で活性を示した。これは、タマネギ中に豊富なフラボノイドを試験するという容易なアプローチを陳腐化した。前記極性物質は破骨細胞の吸収活性も阻害したので、このインビトロ培養系はバイオアッセイとして使用することができ、骨吸収を阻害するタマネギ中の未知の化合物の単離と特定に着手することを本発明者らに促した。
しかし、骨吸収阻害作用に関与するalliumの活性成分はこれまで記述されていなかった。
骨吸収阻害作用に関与するalliumの活性成分は、Allium cepaなどのalliumの親水性エタノール抽出物中に見出し得る。骨吸収への潜在的阻害作用を有する活性成分は、γ−グルタミル−ペプチド、例えばγ−グルタミル−アルキル−システインスルホキシド又はγ−グルタミル−アルケニル−システインスルホキシド、さらなる例としてγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドと特定された。
ここで使用する、alliumという用語は、allium属(ニンニクのラテン名、タマネギ科の成員)を指し、例えば植物種、Allium cepa(タマネギ)、Allium ascalonicum(エシャロット)、Alllium ampeloprasum(リーキ/無臭ニンニク)、Allium porrum(リーキ)、Allium schoenoprasum(チャイブ)、Allium ursinum(ベアガーリック)、Allium sativum(ニンニク)又はAllium fistulosum(ネギ)の成員を含む。好ましい種は、Allium ascalonicum(エシャロット)、Allium porrum(リーキ)、Allium cepa(タマネギ)及びAllium ursinum(ベアガーリック、bear paw garlicとしても知られる)、特に最後の2つであり、Allium cepaが特に好ましい。
本発明の有効成分は、allium、例えばAllium cepaから、例えばこの植物の全食用部分から、分画によって、例えばインビトロバイオアッセイ誘導分画によって、例えば以下で述べるように単離し得る。又は、本発明の有効成分、特にこのシス形態は、例えば当業者に容易に公知のように、完全又は半化学合成によって入手し得る。
γ−グルタミル−ペプチド、例えばγ−グルタミル−アルキル−システインスルホキシド又はγ−グルタミル−アルケニル−システインスルホキシド、さらなる例としてγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを、以下本発明の有効成分と称する。本発明によれば、本発明の有効成分は濃縮物形態であり得る。
従って、1つの態様では、本発明は、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症などの、骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療、検査又は予防のための薬剤又は栄養製剤、例えば動物薬又は獣医用組成物、の製造における、例えば濃縮物形態の、γ−グルタミル−ペプチド、例えば濃縮物形態の、例えばγ−グルタミル−アルキル−システインスルホキシド又はγ−グルタミル−アルケニル−システインスルホキシド、さらなる例としてγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドの使用に関する。さらなる態様では、本発明は、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分及び場合により:
(a)許容される担体;
(b)カルシウム源;
(c)炭水化物、脂肪及び窒素源から成る群より選択される少なくとも1つのエネルギー源;
(d)ビタミンD;又はこれらの何らかの組合せ
を含有する、栄養組成物、例えば獣医用組成物、又は医薬組成物、例えば動物薬、に関する。
本発明の1つの態様では、薬剤又は栄養製剤のγ−グルタミル−ペプチドは、破骨細胞の吸収活性を用量依存的に阻害する。
本発明のもう1つの態様では、薬剤又は栄養製剤は、少なくとも2mMのγ−グルタミル−ペプチドの用量を有する。
本発明はさらに、骨吸収を抑制するために有効な量の、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する薬剤又は栄養製剤を、ヒト又は動物、例えば哺乳動物に投与することを含む、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症などの、骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療、検査又は予防のための方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、この必要のあるヒト又は動物、例えば哺乳動物に、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する組成物の有効量を投与することを含む、骨吸収を抑制する方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、骨吸収上昇の食事療法における、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する組成物の使用を提供する。
1つの態様では、本発明は、
(a)吸着カラムクロマトグラフィー、例えばAmberlite(登録商標)XAD−4を使用することにより、以下画分Aと称する、Allium cepaの親水性エタノール抽出物を得ること、
(b)逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)を使用することにより、画分Aからサッカリドを分離して、画分A1を得ること、
(c)例えば、
(c1)例えば6:5:3(v/v)の比率の、メチルエチルケトン−酢酸−メタノール、
(c2)例えば9ml:1ml:1滴の比率の、アセトン−水−塩酸37%、
(c3)例えば9:6:3:1(v/v)の比率の、n−ブタノール−酢酸−ジエチルエーテル−水、
(c4)例えば6.4:5:1の比率の、クロロホルム−メタノール−水
から選択される移動相を使用する、例えば6.4:5:1のクロロホルム−メタノール−水を移動相として使用する、順相中圧液体クロマトグラフィー(NP−MPLC)を使用することにより、画分A1からサッカリドをさらに分離して、画分A1−4を得ること、
(d)例えば、0.00625%ギ酸で緩衝した、無勾配水/アセトニトリル系を溶媒として使用する、セミ分取逆相HPLC(SR−RP−HPLC)によってさらに分画して、画分A1−4Cを得ること、
を含む、Allium cepaの親水性エタノール抽出物の分画によって得られる、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを提供する。
さらなる態様では、本発明は、
(a)吸着カラムクロマトグラフィー、例えばAmberlite(登録商標)XAD−4を使用することにより、以下画分Aと称する、Allium cepaの親水性エタノール抽出物を得ること、
(b)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
(c)逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)を使用することにより、画分Aからサッカリドを分離して、画分A1を得ること、
(d)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
(e)例えば、
(e1)例えば6:5:3(v/v)の比率の、メチルエチルケトン−酢酸−メタノール、
(e2)例えば9ml:1ml:1滴の比率の、アセトン−水−塩酸37%、
(e3)例えば9:6:3:1(v/v)の比率の、n−ブタノール−酢酸−ジエチルエーテル−水、
(e4)例えば6.4:5:1の比率の、クロロホルム−メタノール−水
から選択される移動相を使用する、例えば6.4:5:1のクロロホルム−メタノール−水を移動相として使用する、NP−MPLCを使用することにより、画分A1からサッカリドをさらに分離して、画分A1−4を得ること、
(d)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
(e)例えば、0.00625%ギ酸で緩衝した、無勾配水/アセトニトリル系を溶媒として使用する、セミ分取逆相HPLC(SR−RP−HPLC)によってさらに分画して、画分A1−4Cを得ること、
(f)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
を含む、Allium cepaの親水性エタノール抽出物のインビトロバイオアッセイ誘導分画によって得られる、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを提供する。
画分A1−4Cの化合物を、例えばHPLC−ESI−MS装置を使用する、例えば四重極イオントラップ(QIT)を備えたMSを使用する、質量分析によって分析し得る。フラグメンテーションは、例えば35%の衝突エネルギーを使用して、正に荷電したイオン化分子をヘリウムガスと衝突させることによって達成し得る。
画分A1−4Cの化合物の構造を、酸加水分解後ESI−MS−MSによってさらに確認し得る。
さらに、画分A1−4Cの化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)分光法、例えばDOを溶媒として使用し、トリメチルシリル−プロパンスルホン酸を外部標準として使用する、例えばH−NNMR、CH−COSY NMR、H−H−COSY、及び/又はCH−COSY NMRによって確認し得るか、又は画分A1−4Cの化合物の分析のための他の手法は当業者に容易に公知である。
長期にわたる徹底的な試験後、今や意外にも、骨吸収阻害作用の役割を担う活性成分がAllium cepaなどのallium親水性エタノール抽出物中に見出し得ることが発見された。骨吸収への潜在的阻害作用を有する活性成分は、γ−グルタミル−ペプチド、例えばγ−グルタミル−アルキル−システインスルホキシド又はγ−グルタミル−アルケニル−システインスルホキシド、さらなる例としてγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドと特定された。
γ−グルタミル−ペプチド、例えばγ−グルタミル−アルキル−システインスルホキシド又はγ−グルタミル−アルケニル−システインスルホキシド、さらなる例としてγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを、以下本発明の有効成分と称する。本発明によれば、本発明の有効成分は濃縮物形態であり得る。
従って、1つの態様では、本発明は、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症などの、骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療、検査又は予防のための薬剤又は栄養製剤、例えば動物薬又は獣医用組成物、の製造における、例えば濃縮物形態の、γ−グルタミル−ペプチド、例えば濃縮物形態の、例えばγ−グルタミル−アルキル−システインスルホキシド又はγ−グルタミル−アルケニル−システインスルホキシド、さらなる例としてγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドの使用に関する。さらなる態様では、本発明は、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する、栄養組成物、例えば獣医用組成物、又は医薬組成物、例えば動物薬、に関する。
本発明はさらに、骨吸収を抑制するために有効な量の、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する薬剤又は栄養製剤を、ヒト又は動物、例えば哺乳動物に投与することを含む、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症などの、骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療、検査又は予防のための方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、この必要のあるヒト又は動物、例えば哺乳動物に、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する組成物の有効量を投与することを含む、骨吸収を抑制する方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、骨吸収上昇の食事療法における、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分を含有する組成物の使用を提供する。
ここで使用する骨粗しょう症は、ホルモン欠乏(例えば閉経後の)及び老年期によって誘導される骨粗しょう症、並びにステロイド治療に続発する又は神経性食欲不振によって引き起こされる栄養失調に起因する骨粗しょう症などの二次性骨粗しょう症を包含する。
本発明の有効成分は、allium、例えばAllium cepaから、例えばこの植物の全食用部分から、分画によって、例えばインビトロバイオアッセイ誘導分画によって、例えば以下で述べるように単離し得る。又は、本発明の有効成分、特にこのシス形態は、例えば当業者に容易に公知のように、完全又は半化学合成によって入手し得る。
1つの態様では、本発明は、
(a)吸着カラムクロマトグラフィー、例えばAmberlite(登録商標)XAD−4を使用することにより、以下画分Aと称する、Allium cepaの親水性エタノール抽出物を得ること、
(b)逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)を使用することにより、画分Aからサッカリドを分離して、画分A1を得ること、
(c)例えば、
(c1)例えば6:5:3(v/v)の比率の、メチルエチルケトン−酢酸−メタノール、
(c2)例えば9ml:1ml:1滴の比率の、アセトン−水−塩酸37%、
(c3)例えば9:6:3:1(v/v)の比率の、n−ブタノール−酢酸−ジエチルエーテル−水、
(c4)例えば6.4:5:1の比率の、クロロホルム−メタノール−水
から選択される移動相を使用する、例えば6.4:5:1のクロロホルム−メタノール−水を移動相として使用する、順相中圧液体クロマトグラフィー(NP−MPLC)を使用することにより、画分A1からサッカリドをさらに分離して、画分A1−4を得ること、
(d)例えば、0.00625%ギ酸で緩衝した、無勾配水/アセトニトリル系を溶媒として使用する、セミ分取逆相HPLC(SR−RP−HPLC)によってさらに分画して、画分A1−4Cを得ること、
を含む、Allium cepaの親水性エタノール抽出物の分画によって得られる、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを提供する。
さらなる態様では、本発明は、
(a)吸着カラムクロマトグラフィー、例えばAmberlite(登録商標)XAD−4を使用することにより、以下画分Aと称する、Allium cepaの親水性エタノール抽出物を得ること、
(b)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
(c)逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)を使用することにより、画分Aからサッカリドを分離して、画分A1を得ること、
(d)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
(e)例えば、
(e1)例えば6:5:3(v/v)の比率の、メチルエチルケトン−酢酸−メタノール、
(e2)例えば9ml:1ml:1滴の比率の、アセトン−水−塩酸37%、
(e3)例えば9:6:3:1(v/v)の比率の、n−ブタノール−酢酸−ジエチルエーテル−水、
(e4)例えば6.4:5:1の比率の、クロロホルム−メタノール−水
から選択される移動相を使用する、例えば6.4:5:1のクロロホルム−メタノール−水を移動相として使用する、NP−MPLCを使用することにより、画分A1からサッカリドをさらに分離して、画分A1−4を得ること、
(d)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
(e)例えば、0.00625%ギ酸で緩衝した、無勾配水/アセトニトリル系を溶媒として使用する、セミ分取逆相HPLC(SR−RP−HPLC)によってさらに分画して、画分A1−4Cを得ること、
(f)破骨細胞ピットアッセイを使用することにより、骨吸収阻害活性をインビトロで評価すること、
を含む、Allium cepaの親水性エタノール抽出物のインビトロバイオアッセイ誘導分画によって得られる、例えば濃縮物形態の、本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを提供する。
破骨細胞ピットアッセイは十分に確立された骨吸収のインビトロモデルであり、当業者に容易に公知であることは認識される。簡単に述べると、試験する試料、例えば30mg又はそれ以下の凍結乾燥親水性画分A/mlを含む培地を、象牙片上に置いた新生仔ラットの破骨細胞に添加する。24時間のインキュベーション後、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ陽性多核細胞、すなわち破骨細胞を計数する。続いて、吸収孔の数を判定する。活性を破骨細胞当りの吸収孔の割合として算定し、陰性対照、例えば10%ウシ胎仔血清を含む培地、及び陽性対照、例えば10−12Mカルシトニンと比較する。統計的有意性の解析のために、処置群の割合±これらのそれぞれのSEMを、陰性対照のSEMの95%信頼区間と比較する。
画分A1−4Cの化合物を、例えばHPLC−ESI−MS装置を使用する、例えば四重極イオントラップ(QIT)を備えたMSを使用する、質量分析によって分析し得る。フラグメンテーションは、例えば35%の衝突エネルギーを使用して、正に荷電したイオン化分子をヘリウムガスと衝突させることによって達成し得る。
画分A1−4Cの化合物の構造を、酸加水分解後ESI−MS−MSによってさらに確認し得る。
さらに、画分A1−4Cの化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)分光法、例えばDOを溶媒として使用し、トリメチルシリル−プロパンスルホン酸を外部標準として使用する、例えばH−NNMR、CH−COSY NMR、H−H−COSY、及び/又はCH−COSY NMRによって確認し得る。
画分A1−4Cの化合物の分析のためのこのような手法が当業者に容易に公知であることは認識される。
ここで使用する、alliumという用語は、allium属(ニンニクのラテン名、タマネギ科の成員)を指し、例えば植物種、Allium cepa(タマネギ)、Allium ascalonicum(エシャロット)、Alllium ampeloprasum(リーキ/無臭ニンニク)、Allium porrum(リーキ)、Allium schoenoprasum(チャイブ)、Allium ursinum(ベアガーリック)、Allium sativum(ニンニク)又はAllium fistulosum(ネギ)の成員を含む。好ましい種は、Allium ascalonicum(エシャロット)、Allium porrum(リーキ)、Allium cepa(タマネギ)及びAllium ursinum(ベアガーリック、bear paw garlicとしても知られる)、特に最後の2つであり、Allium cepaが特に好ましい。Allium cepa種の成員の例は、一般的なタマネギ(赤色又は白色又は黄色外皮)又はエシャロットであり、赤色又は白色の一般的なタマネギが好ましい。
本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを含有する抽出物は、液体形態、例えば水性形態で、又は固体形態、例えば顆粒又は粉末形態で使用し得る。又は、本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドは、それ自体で、例えば固体で、例えば粉末又は顆粒形態で使用し得るか、又は液体、例えば水性液体中に溶解又は分散し得る。
供給する本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドの量は、中でも特に所望する治療、治療する被験者、例えばヒト又は動物、又は被験者の必要に依存して、広い範囲内で変化し得る。そこで、治療する被験者が成人(典型的には約60から75kg体重)である場合、骨吸収への満足し得る阻害作用は、一般に、例えば無溶媒ベースで、本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド約20から約100mg/kg、例えば約40から約80mg/kgの1日投与量を与えるように製剤された組成物で得られ得る。
本発明によれば、「栄養組成物」という用語は、ヒト又は動物、例えば哺乳動物に適した、栄養製剤及び栄養製品を指す。本発明に従った栄養組成物は、例えば、動物栄養補助飼料、機能性食品、飲料製品、調理済み食品又は食品添加物などの、栄養補助食品、完全調整食、栄養又は健康補助食品の形態であり得る。
本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを含有する適切な栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、本発明のさらなる目的である。従って、1つの態様では、本発明は、
(a)本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド、
(b)カルシウム源、及び
(c)炭水化物、脂肪及び窒素源から成る群より選択される少なくとも1つのエネルギー源、及び場合により
(d)ビタミンD
を含有する栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料を提供する。
成分(a)に関しては、γ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドについての上記の定義、選択及び量が適用される。本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、好都合には、約20から約100mg/kg、例えば約40から約80mg/kgの1日投与量を与える量の成分(a)を含有する。
カルシウム源(b)は、カルシウムを含む生理学的に許容される無機又は有機化合物を含み得る。例は、無機カルシウム塩、例えば塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム又は炭酸カルシウム、又は全脂粉乳又は脱脂粉乳のような有機カルシウム成分、カゼインカルシウム、又はクエン酸カルシウム、マレイン酸カルシウムなどの有機酸のカルシウム塩、又はこれらの混合物である。カルシウム源(b)としての、有機カルシウム化合物、特に脱脂粉乳、カゼインカルシウム又はこれらの混合物の使用は好ましい。供給するカルシウム成分の量は広い範囲内で変化し得る。一般に、本発明の組成物は、1単位投与量中に約100mgから1000mg、好ましくは200mgから700mg、最も好ましくは300から600mgのカルシウムを含む(元素ベースで)。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、好都合には、例えば約1から60重量%、好ましくは約5から50重量%、最も好ましくは約10から40重量%のカルシウム成分(b)を含む。
適切な炭水化物源は、例えばマルトデキストリン、デンプン、ラクトース、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリット及び/又はソルビットを含む。これらの形態では、炭水化物はエネルギー供給源及び甘味料の両方である。本発明の組成物は、1又はそれ以上の異なる炭水化物源を含み得る。
適切な脂肪源は、ω−6多不飽和脂肪酸源、ω−3多不飽和脂肪酸源、単不飽和脂肪酸源、中鎖脂肪酸源(すなわちC−C12−脂肪酸)、又はこれらの混合物を含む。上記脂肪酸は、各々の場合に、遊離酸の形態、モノ、ジ又は特にトリグリセリド形態、又は薬理的に又は栄養上許容される自然源の形態で使用し得る。
ω−6多不飽和脂肪酸の適切な自然源は、紅花油、ヒマワリ油、ダイズ油、綿実油及びトウモロコシ油などの植物油を含む。ω−3多不飽和脂肪酸の適切な自然源は、亜麻仁油、及びニシン油、サケ油、サバ油、マグロ油、肝油及びアンチョビー油などの魚油を含む。
単不飽和脂肪酸源の適切な自然源は、特にω−9単不飽和脂肪酸、例えばオリーブ、カノーラ、紅花(ハイブリッド)及びヒマワリ(ハイブリッド)である。
好ましい脂肪源は、所望量のω−6多不飽和脂肪酸及びω−3多不飽和脂肪酸を供給し、中鎖脂肪酸残基(すなわちC−C12−脂肪酸の残基)及び/又は単不飽和脂肪酸残基に富む、トリグリセリド油を含む。本発明の組成物、例えば動物栄養補助飼料は、1又はそれ以上の異なる脂肪源を含み得る。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料の適切な窒素源の例は、ダイズ由来タンパク質、乳清タンパク質又はカゼイン塩などの乳タンパク質、及び/又はタンパク質加水分解産物、及び/又は遊離アミノ酸形態又は塩形態の必須アミノ酸混合物、及び/又は遊離アミノ酸形態又は塩形態の、アルギニン、アルギニン前駆体、オルニチン等のようなポリアミドの合成に関連する化合物などの、栄養的に許容されるタンパク質を含むソースを包含する。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料の好ましい窒素源は、
(i)ダイズの形態又は何らかの適切なダイズ抽出物又は濃縮物の形態、例えばダイズ粉、乾燥モヤシ、豆乳の形態、又はダイズからの乾燥水抽出物として使用し得る、ダイズ由来タンパク質;又は
(ii)乳タンパク質、例えば、乳清粉末、カゼインカルシウムなどのカゼイン塩及び/又は全脂粉乳又は好ましくは脱脂粉乳の形態で使用し得る、乳清由来タンパク質又はカゼイン塩、及び/又は
(iii)必須アミノ酸混合物、及び/又は
(iv)窒素源としてのアルギニン
である。
乳清粉末、カゼイン塩、特にカゼインカルシウム、及び/又は脱脂粉乳などの乳タンパク質は、特許請求する栄養組成物のもう1つの特に好ましい窒素源である。本発明の組成物、例えば動物栄養補助飼料は、1又はそれ以上の異なる窒素源を含み得る。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、例えば約0.1重量%から98.9重量%、好ましくは約1から約95重量%、最も好ましくは10から90重量%のエネルギー源成分(c)を含む。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料の熱量への窒素源、炭水化物源及び脂肪源の寄与は、広い範囲内で変化し得る。例えば炭水化物源は、総エネルギー供給量の30から70%、窒素源は5から40%、及び脂肪源は0.1から15%を提供する。本発明の好ましい組成物では、炭水化物源は、組成物の総エネルギー供給量の40から60%、窒素源は20から35%、及び脂肪源は3から12%を提供する。
本発明の組成物、例えば動物栄養補助飼料の好ましいエネルギー源(c)は、総エネルギー供給量の30から70%の、マルトデキストリン、デンプン、ラクトース、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリット及びソルビットから成る群より選択される1又はそれ以上の炭水化物源;
総エネルギー供給量の5から45%の、ダイズ由来タンパク質、乳タンパク質、必須アミノ酸の混合物及びアルギニンから成る群より選択される1又はそれ以上の窒素源;
総エネルギー供給量の0.1から15%の、ω−3及びω−6多不飽和脂肪酸を含む1又はそれ以上の脂肪源
を含む。
本発明の組成物の特に好ましいエネルギー源(c)は、総エネルギー供給量の40から60%の、マルトデキストリン、デンプン、ラクトース、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリット及びソルビットから成る群より選択される1又はそれ以上の炭水化物源;
総エネルギー供給量の20から35%の、ダイズ由来タンパク質、脱脂粉乳及びカゼイン塩から成る群より選択される1又はそれ以上の窒素源;
総エネルギー供給量の3から12%の、ω−3及びω−6多不飽和脂肪酸を含む1又はそれ以上の脂肪源を含む。
供給するビタミンD(場合により含まれる成分(d))の量は広い範囲内で変化し得る。一般に、本発明の組成物は、1単位投与量中に約400IUから1000IU、好ましくは約500IUを含む。
本発明の栄養製剤、例えば動物栄養補助飼料は、ビタミン、ミネラル、微量元素、繊維(好ましくは可溶性繊維)、香味料、防腐剤、着色料、甘味料及び乳化剤等のような他の栄養上許容される成分を含み得る。
本発明の組成物、例えば動物栄養補助飼料中に組み込むのに適するビタミンの例は、製薬又は栄養上許容される形態のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、チアミン、リボフラビン、ビタミンB、ビタミンB12、ナイアシン、ビオチン及びパントテン酸を含む。
本発明の組成物、例えば動物栄養補助飼料中に組み込むのに適するミネラル元素及び微量元素の例は、製薬又は栄養上許容される形態のナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロム及びモリブデンを含む。
ここで使用する可溶性繊維という用語は、結腸内で実質的に発酵を受けて短鎖脂肪酸を生成する繊維を指す。適切な可溶性繊維の例は、寒天、アルギン酸塩、カルビン、カラゲナン、アラビアゴム、グアーガム、カラヤゴム、ローカストビーンゴム、トラガカント又はキサンタンガムを含む。これらは加水分解されていてもよく又は加水分解されていなくてもよい。
適切な香味料は、天然又は人工香味料、例えばバナナ、オレンジ、ピーチ、パイナップル又はラズベリーなどの果物香味料;又はバニラ、ココア、チョコレート、コーヒー等を含む。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料の好ましい成分は、成分(a)、(b)、(c)及び(d)に加えて、β−カロテン(ビタミンA)、ビタミンE、ビタミンC、チアミン、ビタミンB、B及び/又はB12、カリウム、マグネシウム、セレン、亜鉛、リン及び製薬又は栄養上許容される形態の可溶性繊維を含む。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、約0.1重量%から15重量%、好ましくは約0.2から約10重量%、最も好ましくは0.5から5重量%の、成分(a)、(b)、(c)及び場合により(d)以外のこれらの付加的な成分を含み得る。
本発明の栄養製剤、例えば動物栄養補助飼料は、経腸投与、例えば経口投与又は経管栄養法、例えば経鼻投与に適する何らかの形態に製剤し、投与し得る。製剤は、好都合には水性液体の形態で投与される。腸内適用に適する製剤は、従って、好ましくは水性形態又は粉末又は顆粒形態であり、前記粉末又は顆粒は、好都合には使用前に水に添加される。経管栄養法としての使用に関しては、添加する水の量は、中でも特に、患者の液体必要量及び状態に依存する。
本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、単独栄養源として使用するとき、基本的に1日当りのカロリー、窒素、脂肪酸、ビタミン、ミネラル及び微量元素必要量の全てを満たすような、完全調整食(液体又は粉末形態)の形態であり得る。一般に、成人に供給すべき1日量は、750から3500kcal/日、特に1000から2000kcal/日の範囲内である。しかし、本発明の栄養組成物は、好ましくは栄養補助食品としての使用を意図する。補助食品によって供給されるエネルギーの量は、不必要に患者の食欲を抑制しないために、あまりに過剰であってはいけない。補助食品は、好都合には50から1500kcal/日、好ましくは100から900kcal/日、最も好ましくは150から700kcal/日を供給する量のエネルギー源を含む。
液体形態、例えば飲料形態、又は固体形態、例えば顆粒又は粉末形態の、本発明の栄養組成物、例えば動物栄養補助飼料は、それ自体公知のように、例えば成分を混合し、場合により水を添加することによって入手し得る。
本発明はさらに、
(a)本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド、
(b)医薬として許容される担体、例えば動物によって生理学的に良好に耐容される担体
を含有する個別単位用量形態の医薬組成物、例えば動物薬又は獣医用組成物に関する。
これらの医薬組成物、例えば獣医用組成物は、経口、経鼻又は直腸投与などの経腸投与用の組成物である。適切な医薬組成物は、液体形態又は固体形態であり得、例えば約0.001重量%から100重量%、さらなる例として約0.1重量%から約50重量%の有効成分(a)を含有する。
経腸投与用の医薬組成物、例えば獣医用組成物は、例えば糖衣丸、錠剤、カプセル、小袋などの個別単位用量形態のものである。これらは、それ自体公知のように、例えば従来の混合、造粒、調合、溶解又は凍結乾燥工程によって、製造される。
例えば経口投与用の医薬組成物は、有効成分を固体担体と組み合わせること、場合により生じた混合物を造粒し、所望に応じて又は必要に応じて適切な賦形剤の添加後、混合物又は顆粒を加工して錠剤又は糖衣丸コアを形成することによって入手できる。
適切な担体は、特に、糖類、例えばラクトース、サッカロース、マンニトール又はソルビット、セルロース製剤及び/又はリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウムなどの充填剤、及びまた、例えばトウモロコシ、小麦、コメ又はジャガイモデンプンを使用するデンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース及び/又はポリビニルピロリドンなどの結合剤、及び所望する場合は、上述したデンプン及びまたカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸又はアルギン酸ナトリウムのようなこの塩などの崩壊剤である。賦形剤は、特に流動調整剤及び潤滑剤、例えばケイ酸、滑石、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウム又はカルシウムのようなこの塩、及び/又はポリエチレングリコールである。糖衣丸コアは、適切な、場合により腸溶性の、剤皮で提供され、中でも特に、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、又は適切な有機溶媒又は溶媒混合物中の剤皮溶液、又は腸溶剤皮の製造のための、フタル酸アセチルセルロース又はフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適切なセルロース製剤の溶液が使用される。例えば特定のため又は有効成分の異なる用量を指示するために、錠剤又は糖衣丸コアに染料又は色素を添加してもよい。
他の経口投与用医薬組成物は、硬ゼラチンカプセル及びまたゼラチンとグリセロール又はソルビットなどの可塑剤から成る軟密閉カプセルである。硬ゼラチンカプセルは、顆粒の形態の有効成分を、例えばラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又は滑石又はステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤、及び所望に応じて安定剤と混合して含み得る。軟カプセルでは、有効成分は、好ましくは脂肪油、パラフィン油又は液状ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解又は懸濁され、さらに安定剤を添加することも可能である。
適切な直腸投与用医薬組成物は、例えば有効成分と坐薬基剤物質の組合せから成る坐薬である。適切な坐薬基剤物質は、例えば天然又は合成トリグリセリド、パラフィン系炭化水素、ポリエチレングリコール又は高級アルカノールである。有効成分と基剤物質の組合せを含有するゼラチン直腸カプセルを使用することも可能である。適切な基剤物質は、例えば液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール又はパラフィン系炭化水素である。
骨吸収への本発明の有効成分、例えばγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドの阻害作用は、例えば上記で述べたように、新鮮単離破骨細胞をこの上に置いた象牙片を、試験する抽出物又は濃縮物を含む培地と共にインキュベートするインビトロアッセイによって評価し得る。象牙片上の破骨細胞吸収孔を計数することによって破骨細胞への阻害作用を評価する。
以下の実施例は本発明を例示する。
バイオアッセイ誘導分画
1.1 親水性タマネギ画分、画分Aを得るために、吸着カラムクロマトグラフィーを使用する。85%エタノール水溶液を使用してカラムにスラリー充填する。充填後、固定相(Amberlite XAD−4)をエタノール400ml、85%エタノール水溶液500ml、水2500ml及び85%エタノール水溶液500mlで段階的に洗浄する。洗浄後、固定相を、分離のために使用する第一溶媒、すなわち15%エタノール水溶液(v/v)で予備処理する。
乾燥タマネギ粉末38.10gを15%エタノール水溶液(v/v)600mlに溶解し、一定攪拌下で30分間加熱する(60℃)。室温に冷却した後、混濁溶液を7000rpmで20分間遠心分離し、上清を分画に供する。残留物を廃棄する。
フラボノイド、例えばケルセチンを含まないプールした15%水性分画、及びフラボノイドを含む85%水性エタノール画分を真空下に40℃で還元して、凍結乾燥する。水画分を廃棄する。
1.2 画分Aの活性成分からフルクトース、グルコース及びスクロースなどのサッカリドを分離するため、5%メタノール水溶液を移動相として使用する、予備逆相高性能薄層クロマトグラフィー(RP−HPTLC)実験を実施した。前記方法を逆相中圧液体クロマトグラフィー(RP−MPLC)カラムでアップスケールし、画分Aの1.0g試料を分離に供する。検出のためにアニスアルデヒド試薬を使用して、TLCによって分画モニタリングを実施する。できるだけ多くの出発物質を回収するため、各々の実施後、カラムをメタノールで十分に洗浄する。
親水性タマネギ画分、画分Aの骨吸収阻害化合物を単離するため、バイオアッセイ誘導分画を実施する。骨吸収阻害活性をインビトロで評価するため、破骨細胞ピットアッセイを使用する。30mg又はそれ以下の凍結乾燥親水性画分/mlを含む培地を、象牙片上に置いた新生仔ラットの破骨細胞に添加する。24時間のインキュベーション後、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ陽性多核細胞、すなわち破骨細胞を計数する。続いて、吸収孔の数を判定する。活性を破骨細胞当りの吸収孔の割合として算定し、陰性対照、すなわち10%ウシ胎仔血清を含む培地、及び陽性対照、すなわち10−12Mカルシトニンと比較する。統計的有意性の解析のために、処置群の割合±これらのそれぞれのSEMを、陰性対照のSEMの95%信頼区間と比較する。
a)RP−MPLC分画のTLCスクリーニング及び収量
サッカリドを含む画分を「画分A2」と称し、サッカリドを含まない画分を「画分A1」と称する。
Figure 0004787166
b)RP−MPLC分画の生物学的結果
用量をmg/mlで示し、結果を吸収孔/酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ陽性(TRAP)多核細胞±SEMとして示す。
Figure 0004787166
Figure 0004787166
c)考察及び結論
1倍比例量(12mg/ml)で試験した画分A1は、破骨細胞活性を有意に阻害しない。しかし、2倍用量(24mg/ml)は、破骨細胞活性を0.144の吸収孔/細胞比に有意に低下させ(12mg/mlに比して−40%)、30mg/mlではより一層強力な破骨活性の阻害、すなわち0.015及び0.020吸収孔/細胞(12mg/mlに比して−90%)が測定できる。画分A1は破骨細胞活性を阻害する化合物を含むと結論される。
画分A2によるわずかな破骨細胞活性の阻害は、少量の画分A1の化合物の存在によって説明し得る。
バイオアッセイ誘導分画を継続するために画分A1を選択し、画分A2を廃棄する。骨吸収阻害性化合物がまだサッカリドで溶出したので、活性化合物からサッカリドを分離するためにさらなる分画を実施する。
1.3 次の分取分離のために適切な方法を選択するため、極性化合物又は糖類のNP−TLCのための4つの異なる移動相を試験する。系の分離効率を評価するため、画分A1とサッカリド、フルクトース、グルコース及びスクロースを試料として使用する:
(a)メチルエチルケトン−酢酸−メタノール、6:5:3(v/v)、
(b)アセトン−水−塩酸37%、9ml:1ml:1滴、
(c)n−ブタノール−酢酸−ジエチルエーテル−水、9:6:3:1(v/v)、
(d)クロロホルム−メタノール−水、6.4:5:1。
全てのTLCをNP−TLCで実施し、視覚化のためにアニスアルデヒド試薬を噴霧する。使用した移動相の間に著明な定性的相違は存在しない。次の分取分離工程を実施するために移動相(d)を選択した。
上述したNP−TLC計をNP−MPLCカラムにアップスケールし、画分A1の400mg試料を分画に供する。再びNP−TLCによって分画モニタリングを実施する。TLCでもはやそれ以上スポットが認められないとき、系を70%メタノール水溶液(v/v)で十分に洗浄する。
a)NP−MPLC分画のTLCスクリーニング及び収量
Figure 0004787166
b)NP−MPLC分画の生物学的結果
用量をmg/mlで示し、結果を吸収孔/酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ陽性(TRAP)多核細胞±SEMとして示す。分画の間の損失を相殺するため、画分A1−2を除き、全ての画分を、画分Aと比較してそれぞれの収量の1倍、2倍及び3倍比例量で試験する。
Figure 0004787166
Figure 0004787166
c)考察及び結論
画分A1−1、A1−2及びA1−3において阻害は測定されない。これら全ての画分の吸収孔/細胞比は、陰性対照のSEMの95%信頼区間内に位置する。全く糖類を含まない画分A1−4は、3倍用量で有意の破骨細胞活性阻害を示す。1倍及び2倍用量での細胞活性の見かけ上の刺激は、細胞数の低下によるものである。画分A1−4をさらなる分画のために選択する。
1.4 セミ分取逆相HPLC(SR−RP−HPLC)による画分A1−4の分画
0.00625%ギ酸で緩衝した無勾配水/アセトニトリル系を溶媒として使用して、画分A1−4をSR−RP−HPLCで4つの画分、A1−4A、A1−4B、A1−4C及びA1−4Dにさらに分画する。画分A1−4Bは画分A1−4の2つの少量の化合物を含み、画分A1−4Cは画分A1−4の最も主要な化合物から成り、画分A1−4A及びA1−4Dは前留出と後留出(prerun and afterrun)である。画分A1−4AとA1−4Dをさらなる試験のために一緒にプールする。全体として、各ランの実施時に0.125mgを適用し、各画分をプールする、65回の単一HPLCの実施により、画分A1−4 8.125mgを分離する。分画は、HPLC装置の出口でタップを切り替えることによって手動で実施する。
a)SR−RP−HPLC分画の収量
Figure 0004787166
b)SR−RP−HPLC分画の生物学的結果
Figure 0004787166
Figure 0004787166
c)考察及び結論
画分A1に相当する3倍比例量の画分A1−4及び画分A1−4Cは骨吸収を有意に(p<0.5)阻害する。画分A1−4CはA1−4と同様に破骨活性を阻害し、A1−4Cが画分A1−4の唯一の活性化合物であることを示す。構造解明実験に十分な量を回収するためにA1−4Cの単離を反復する。
要約:エタノール鱗茎抽出物を、4つの異なるクロマトグラフィー系−Amberlite XAD−4抽出;RP−MPLC;NP−MPLC;及びセミ分取RP−HPLCの連続使用によって精製する。生じる画分A1−4Cは、破骨活性を阻害する唯一の化合物から成る。
以下のグラフは、画分A1−4Cを導くバイオアッセイ誘導単離の概要を示す:
Figure 0004787166
Figure 0004787166
構造解明実験
2.1 A1−4CのRP−HPLC−ESI−MS
A1−4Cの構造に関する第一構造情報を得るためにHPLC−ESI−MS装置を用いて質量分析を実施する。前記MSは四重極イオントラップを備える。フラグメンテーションは、35%の衝突エネルギーを使用して、正に荷電したイオン化分子をヘリウムガスと衝突させることによって達成される。
A1−4Cの正電荷を有する親イオンは307m/z[m+H]である。文献検索により、同一質量のタマネギ化合物、すなわちγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド(g−GPeCSO)の存在が明らかにされた。生じるフラグメンテーションパターンがこの化合物と一致し得るかどうかを調べるためにさらなるフラグメンテーションを実施する。
2.2 酸加水分解後のA1−4CのESI−MS
ESI−MSによって得た結果は、画分A1−4Cがg−GPeCSOであるという推定をさらに裏づけ、先のHPLC−ESI−MS実験結果と矛盾しない。
2.3 A1−4Cの核磁気共鳴実験
トリメチルシリル−プロパンスルホン酸を外部標準として使用して、DO中で測定を実施する。
画分A1−4Cの化合物は、NMR質量分析によってγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド(g−GPeCSO)と特定することができ、先のHPLC−MS実験を確認する。
バイオアッセイ誘導分画−スケールアップ単離
3.1 抽出。タマネギの乾燥薄片(Allium cepa L,Liliaceae)を粉砕し、400gを、60℃で1時間、エタノール水溶液(85%v/v)2000mLで2回抽出し、ろ過した。エタノールの蒸発後、水性残留物を凍結乾燥し、−20℃で保存した。
3.2 バイオアッセイ誘導分画。画分A及びB。タマネギ抽出物約38gを15%エタノール水溶液(v/v)600mLに再溶解し、一定攪拌下に60℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、前記混合物を7000r.p.m.で20分間遠心分離し、上清を吸着カラムクロマトグラフィーによる分画に供した(残留物は廃棄した)。画分A及び画分Bは、Amberlite XAD−4(Fluka Chemie,Buchs,Switzerland)を固定相として使用し、(1)15%エタノール水溶液1280mL、(2)水1280mL及び(3)85%エタノール水溶液1400mLを用いて10mL/分の流速で溶出することによって生じた。クロロホルム−メタノール−水 6.4:5:1(v/v)を移動相とし、ジフェニルホウ酸−β−エチルアミノエートの1%メタノール溶液、次いでポリエチレングリコール4000の5%エタノール溶液で視覚化する、Silicagel 60 F254プレート10×10cm(Merck,Darmstadt,Germany)での薄層クロマトグラフィー(TLC)は、完全にフラボノイドを欠く親水性画分Aを示し、一方親油性画分Bはフラボノイドを含んだ。画分A及びBを、次に、破骨細胞ピットアッセイ及び以下でさらに説明する[H]−テトラサイクリン尿中排泄ラットモデルをそれぞれ使用することによってインビトロ及びインビボで試験した。画分Aは骨吸収阻害作用を示し、一方画分Bは不活性であり、従って廃棄した。
画分A1及びA2.移動相5mLに溶解した画分Aの1gアリコートを、Lichroprep RP−18、15−25μm(Merck,Darmstadt,Germany)、46×2.5cmと13×1cmのプレカラムでの中圧液体クロマトグラフィー(MPLC;681ポンプ、684自動分取装置、どちらもBuechi,Flawil,Switzerland)によってさらに分離した;溶出は、(1)5%メタノール水溶液340mL及び(2)メタノール300mLにより4mL/分の流速で実施した。60の4mL画分のモニタリングを、水−メタノール 19:1を移動相とし、視覚化のためにアニスアルデヒド試薬(アニスアルデヒドの5%酢酸溶液、次に120℃で加熱)を用いて、RP−18 F25410×10cmプレート(Merck,Darmstadt,Germany)での高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)によって実施した。画分A1は主としてサッカリド(グルコース、フルクトース、スクロース)を含み、インビトロで活性であり、画分A2はサッカリドを含まず、ほとんど不活性であり、従って廃棄した。
画分A1−1、A1−2、A1−3、A1−4。画分A1の400mgアリコートを、Silicagel 60、15−40μm(Merck,Darmstadt,Germany)、22×2.5cmと13×1cmのプレカラムでのMPLCによってさらに分離した;溶出は、(1)クロロホルム−メタノール−水 6.4:5:1 1208mL及び(2)メタノール300mLにより4mL/分の流速で実施した。120の8mL画分のモニタリングを、n−ブタノール−n−プロパノール−酢酸−水 3:1:1:1を移動相とし、視覚化のためにアニスアルデヒド試薬を用いて、Silicalgel 60 F25410×10cmプレート(Merck,Darmstadt,Germany)でのTLCによって実施した。サッカリド不含画分A1−4は有意のインビトロ活性を示し、サッカリド含有画分A1−1、A1−2及びA1−3は破骨細胞ピットアッセイにおいて活性ではなく、従ってさらなる試験は行わなかった。
画分A1−4A、A1−4B、A1−4C、A1−4D。画分A1−4の0.125mgのアリコートを、最後に、40℃で、内径250×10mmのSpherisorb ODS−1 5μmカラムでのセミ分取無勾配高性能液体クロマトグラフィー(HPLC;Diode Array Detection(DAD)を備えたHP 1090 Liquid Chromatograph,Hewlett−Packard,Waldbronn,Germany)によって精製した。移動相は、1.5mL/分の流速の0.00625%ギ酸を含む水−アセトニトリル1:1であった。検出は195nmであった。等しい画分をプールし、蒸発させて、凍結乾燥し、インビトロで試験した。主要HPLCピークに対応し、クロマトグラフ的に純粋な画分A1−4Cは、画分A1−4とほぼ同様に強さで破骨細胞活性を阻害し、他の全ての画分は不活性であった。
3.3 A1−4Cのスケールアップ単離。より大量のA1−4C(GPCS)の製造のために、水に溶解した画分Aの10.8gアリコートを、最初に、Dowex 50WX8(Fluka Chemie,Buchs,Switzerland)を満たした43×3cmカラムでの陽イオン交換カラムクロマトグラフィーによって分離した。非陽イオン画分を水975mLで溶出し、陽イオン画分を15−20mL/分の流速の0.75Mアンモニア 1425mLで溶出した。n−ブタノール−n−プロパノール−酢酸−水 3:1:1:1を移動相とし、視覚化のためにアセトアルデヒド及びニンヒドリン試薬を用いたSilicalgel 60 F254でのTLCを画分のモニタリングのために使用した。加えて、125×4mmのSpherisorb ODS−1 3μmカラム、移動相として0.7mL/分の流速で0.05%リン酸を含む、水−アセトニトリル 1:3、195nmでの検出を使用して、HPLC−DADによって画分を調べた。非陽イオン画分は主としてサッカリドを含み、一方陽イオン画分では、ペプチド及びアミノ酸の濃縮が認められた。従って、凍結乾燥陽イオン画分の700mgアリコートを、Dowex 1X8(Fluka Chemie,Buchs,Switzerland)を満たした400×26mmカラムでの陰イオン交換カラムクロマトグラフィーによってさらに分離した。0.1M酢酸237.5mL、0.5M酢酸1250mL及び2M酢酸1000mLを溶出のために使用し、ペリ環状ポンプMinipuls 3(Gilson,Villiers−le−Bel,France)によって95mL/分の流速を維持して、7000 Ultrorac(Amersham Biosciences,Dubendorf,Switzerland)によって画分を収集し、TLCによってモニターした(上記参照)。等しい画分をプールし、凍結乾燥した後、HPLC−ESI−MS及びHPLC−DADによって最終的に検査した。
3.4 化合物A1−4Cの構造解明。HPLC−エレクトロスプレーイオン化−タンデム質量分析法(HPLC−ESI−MS−MS)。使用機器は、LCQ ESI質量分析計(Finnigan,Bremen,Germany)に接続した、DADを備えるHP 1100液体クロマトグラフ(Hewlett−Packard,Waldbronn,Germany)から成った。分離は、0.7mL/分の流速で0.05%ギ酸を含む水−アセトニトリル 1:4を用いてSpherisorb ODS−1 3μmカラム、125×4mm(Macherey−Nagel,Duren,Germany)において40℃で無勾配的に実施した。衝突ガスはヘリウムであり、エネルギー35%であった。測定は正及び負イオン化モードの両方で実施した。
ESI−MS−MS。HPLC−ESI−MS−MSによって得た結果の確認のため、A1−4Cを、70%ギ酸による酸加水分解(100℃で22時間)後直接注入ESI−MS−MSによってさらに分析した。使用機器は、ナノエレクトロスプレーイオンソースを備えたハイブリッド四重極飛行時間型(TOF)MSである、Applied Biosystems/Sciex Qstar Pulsar Mass Spectrometer(Foster City,U.S.A.)であった。
3.5 核磁気共鳴質量分光法(NMR)。Bruker DRX500装置(Karlsruhe,Germany)でNMR実験を実施した。実験は、Hについては500MHz及び13Cについては125MHzで実施した。DOはEuriso−Top(Gif−sur−Yvette,France)より購入し、外部標準としてのトリメチルシリル−プロピオン酸(Na塩)(Wilmad Corp.,Buena,New Jersey,USA)に比して化学シフトを報告した。
Figure 0004787166
全てのHPLC実験についての溶媒はLichrosolv(登録商標)勾配グレード品質であり、MPLC及びカラムクロマトグラフィーのための化学物質及び溶媒並びにTLC検出試薬はMerck(Darmstadt,Germany)からのp.a.品質であった。
3.6 HPLCによるタマネギ中のGPCSの定量的測定。タマネギ中のGPCSを、195nmに設定したDADを備えるHP 1090 Liquid Chromatograph(Hewlett−Packard,Waldbronn,Germany)を用いて定量した。分析は、0.7mL/分の流速で0.05%ギ酸を含む水−アセトニトリル 1:4を用いてSpherisorb ODS−1 3μmカラム、125×4mm(Macherey−Nagel,Duren,Germany)において40℃で無勾配的に実施した。GPCSを、Muetsch−Eckner,M.;Sticher,O.;Meier,B.Reversed−phase high−performance liquid chromatography of S−alk(en)yl−L−cysteine derivatives in Allium sativum including the determination of(+)−S−allyl−L−cysteine sulphoxide,g−L−glutamyl−S−allyl−L−cysteine and g−L−alutamyl−S−(trans−1−propenyl)−cysteine.J Chromatogr 1992,625,183−190に述べられている方法に従って、室温でメタノール−水(50:50;v/v)を用いて乾燥粉末化タマネギから抽出した。この方法は、親水性溶媒を使用し、同時にメタノールの添加によってグルタミルペプチダーゼ及びアリイナーゼなどの切断酵素を阻害する、極性化合物の効率的な抽出を可能にした。ろ過後に残存する残留物を2回再抽出して、GPCSを十分に抽出した。最後に、真空中でろ液からメタノールを除去した後、凍結乾燥及びHPLC分析を実施した。
この化合物の構造を、高性能液体クロマトグラフィー−エレクトロスプレーイオン化質量分析法、飛行時間型エレクトロスプレーイオン化質量分析法、及び核磁気共鳴分光法で解明した。
単一ピークがγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドと特定され、約306μの分子量を有する。
3.7 生物学的試験。動物。Wistar Hanlbmラット(RCC Ltd.,Fuellinsdorf,Switzerland)を飼育し、スイス及び米国国立衛生研究所の実験動物の世話と使用に関するガイドラインに適合する標準動物施設に保持した。実施した実験は、国立動物実験管理委員会によって承認された。実験の完了時にラットを二酸化炭素で安楽死させた。
骨吸収のインビボ評価。広く有効性確認された方法である、慢性的に前標識したラットからのH−標識テトラサイクリン([H]−Tc)の尿排泄量を用いて骨吸収を評価した(3;4;8−11)。本実験のために、各々12匹の3日齢雄性仔を有する3匹のWistar Hanlbm母ラットを購入した。36匹の仔に、Muehlbauer,R.C.;Fleisch,H.A method for continual monitoring of bone resorption in rats:evidence for a diurnal rhythm.Am J Physiol 1990,259,R679−R689に述べられている方法に従って、出生後第1週から週に2回6週間にわたって漸増量の[H]−Tcを注射した。[H]−Tcは骨内に沈着し、骨が再吸収されるときに放出される(Am J Physiol 1990,259,R679−R689)。標識の停止後、ラットを代謝ケージに移した。10日間の順化後、毎日の尿中[H]排泄を測定することによって基線骨吸収を観測した。10日間の基線測定後、群に均一に割り当てたラットにおいて10日間の食餌介入を開始した、すなわち、全ラットの基線[H]尿排泄量を等級付け、各群当りの動物数に達するまで(対照群についてはn=6;処置群については各々n=5)、同様の等級を有する1匹の動物を各々の処置群に割り当てた。このプロトコールを使用すると、食餌介入の開始時には全ての群について平均[H]排泄は同様であった。液体シンチレーション計数によって尿中のHを定量した。尿1mLのアリコートをIrga−Safe Plus(商標)シンチレーター(Packard International,Zurich,Switzerland)10mL中で計数し、結果(dpm)に24時間の尿量を乗じた。
給餌及び食餌。ラットを代謝ケージに収容した時点から、脱塩水をラットに摂取させた。食餌は、ケージ内のこぼれを最小限に抑えるためステンレススチール製るつぼ中で水分を含む湿潤食として与えた;従って、食品ボールを形成することができる練り粉様の稠度を与えるために脱イオン水を食品粉末のバッチに添加した。代謝ケージでの10日間の順化期間中及び10日間の基線尿収集の間、ラットには、以下で述べる「半精製」食において使用される同様の高いCa及びP濃度(100g当りCa 1.1g及びP 1.2g)を有する規格「通常」食2134(Kliba−Muhlen,Kaiseraugst,Switzerland)を与えた。順化期間中、ラットを、23グラムの湿潤食/日(乾燥物質13.1g)を消費するように慣れさせた;反復して全1日量を食べなかったラットはこの期間中に除外した。食餌介入のために乾燥添加物を「半精製」食(J Nutr 2003,133,3592−3597)と混合した。検討する項目の適切な量を、5匹のラットに10日間給餌するために十分な湿潤食のバッチに添加した。これらの食餌を、次に、1日分ずつの分割量に分け、使用時まで−20℃で凍結保存した。前記食餌のカルシウム及びリン濃度を、1mol/L HClに溶解した3つの灰化試料において確認した。カルシウムは原子吸光分析によって、リンは高度測定法によって測定した(8;13)。製造者が示す数値を確認した。
バイオアッセイ(破骨活性のインビトロ評価)。破骨細胞を2日齢のラットの大腿骨及び脛骨から単離し、鉱化基質として使用した4×4mmの象牙片上に40分間置いた。非接着細胞を洗い流した後、個々の切片を48穴培養プレートに移し、5%CO/空気雰囲気下に試験物質と共に又は試験物質なしで10%ウシ胎仔血清(FBS)を含む培地中、37℃で24時間インキュベートした。12M HClの添加によってMEMイーグル培地中の炭酸水素濃度を15mMに低下させた。各々の実験において、カルシトニン(サケカルシトニン、Novartis Pharma,Basel,Switzerland)を10−11M又は10−12Mの濃度で陽性対照として加えた。1つの実験では、骨吸収を刺激するため、副甲状腺ホルモン(PTH;ウシ1−34、Bachem,Bubendorf,Switzerland)を10−8Mの濃度で添加した。各々の試験物質について8つの切片を使用し、未処置対照に関しては2×8切片を使用した。固定後、破骨細胞を酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRAP)(キット386−A、Sigma,Buchs,Switzerland)に関して染色し、TRAP陽性(TRAP)多核(2個以上の核)細胞(MNC)としてブラインド計数した。細胞を除去した後、切片を金でスパッター被覆し、吸収孔を、Vitte,C.;Fleisch.H.:Guenther,H.L.Bisphosphonates induce osteoblasts to secrete an inhibitor of osteoclast−mediated resorption.Endocrinology 1996,137,2324−2333に述べられている工程でブラインド計数した。破骨細胞吸収活性を吸収孔/TRAPMNCの比として算定した。
3.8 結果及び考察。インビボ及びインビトロで活性なエタノール抽出物の非イオン性高分子逆相及び順相カラムでの連続的バイオアッセイ誘導クロマトグラフィー分画は、それぞれ画分A(51.52%(w/w)、前の画分に対応する平均収率)、A1(36.48%)及びA1−4(7.34%)を生じた。画分A1−4 10.5mgをセミ分取RP−18 HPLCによって精製し、画分A1−4C(GPCS)1.6mg(15.20%)を得た。
タマネギからの骨吸収阻害活性は極性画分Aに関連する(図1)。これに対し、フラボノイドを含む画分Bは、インビボで乾燥タマネギ1gに相当する用量で試験したとき活性を持たない。これは、タマネギ中に豊富なフラボノイド、ルチンがタマネギ及び他の植物で認められる作用の原因であり得る(Nature 1999,401,343−344)と提案した他の研究者の意見(Horcajada−Molteni,M.N.;Crespy,V.;Coxam,V.;Davicco,M.J.;Remesy,C.;Barlet,J.P.Rutin inhibits ovariectomy−induced osteopenia in rats.J Bone Miner Res 2000,15,2251−2258に述べられている)と対照的である。この試験では、ルチンの単一薬理用量はラットにおける骨損失を抑制したが、植物1g中に含まれる量よりもはるかに高い用量であった(Nature 1999,401,343−344)。従って、ルチンがインビボで骨吸収の抑制に寄与するかどうかは議論の余地がある(Muehlbauer,R.C.Rutin cannot explain the effect of vegetables on bone metabolism.(編集者宛ての書信)。J Bone Miner Res 2001,16,970;及びBarlet,J.P.A possible rut(in) the road.(返信)。J Bone Miner Res 2001,16,971)。
画分Aはまた、1.74、17.4及び52.2mg/mLの乾燥タマネギ当量に相当する用量で試験したときインビトロで破骨細胞の吸収活性を阻害する(図2)。従って、このインビトロモデルは、活性試験のために小量の物質しか必要としないので、バイオアッセイとして使用することができる。画分Bも、9、17及び26mg/mLの乾燥タマネギに等しい用量、すなわち0.06、0.12及び0.18mg/mL培地でこのモデルにおいて検討した(結果は示していない)。より高濃度では親油性物質は細胞傷害性であるが(非常に低い数の生存細胞及び壊死細胞の多くの断片)、細胞数に無視し得る程度の作用しか及ぼさない用量である、9mg/mLタマネギ当量で、本発明者らは作用を検出することができなかった。従って、タマネギフラボノイドを含む画分Bもインビトロで不活性とみなされた。これは、ルチンは骨代謝への植物の作用を説明できないことを示唆する本発明者らの付加的な証拠と一致する(J Bone Miner Res 2001,16,970)。
セミ分取HPLC及び活性スクリーニングを用いたさらに広汎な単離作業により、A1−4Cが出発物質A1−4から誘導される唯一の活性画分と特定することができた(図3)。さらに、A1−4Cより先に溶出する(画分A1−4A及びA1−4B)及び後に溶出する(画分A1−4D)、プールしたHPLCピークを試験した(2.53mg/ml)が、これらは細胞傷害性であるため、結論を引き出すことができなかった(結果は示していない)。HPLCは、画分A1−4Cが単一化合物から成ることを示したので、続く特定を試みた。
画分A1−4Cに関するHPLC−ESI−MS−MS実験は、正及び負イオン化モードでそれぞれm/z307及びm/z305の親イオンを示した。従って、画分A1−4C中の化合物の非荷電分子イオンは306μであった。タマネギ化合物の文献の調査(Breu,W.Allium cepa L.(onion)Part 1:Chemistry and analysis.Phytomedicine 1996,3,293−306)は、この化合物がγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド(GPCS;図5参照)であることを明らかにした。さらに、認められたm/z130という質量は、他の研究者達(Isobe,M.;Uyakul,D.;Liu,K.L.;Goto,T.FAB−MS/MS spectrometry in determining the primary structure of g−glutamyl−containing peptides.Agric Biol Chem 1990,54,1651−1660.)によって記述されているγ−グルタミル型結合の存在に適合した。酸加水分解後のESI−MS−MSスペクトルでは、グルタミン酸、システイン及びシスチンに対応する断片が認められ、仮説を確認した。H−、H/H COSY及び13C/H HSQC NMR測定は、分子内の2つのアミノ酸、グルタミン酸(C7、C8、C9、C10及びC11)、システイン(C4、C5及びC6)、及び二重結合を有する脂肪族C鎖(C1、C2及びC3)の存在を確認した(図5)。H2とH3の間の15.26Hzという結合定数はトランス配置を指示した(Kuttan,R.;Nair,N.G.;Radhakrishnan,A.N.;Spande,T.F.;Yeh,H.J.;Witkop,B.The isolation and characterization of g−L−glutamyl−S−(trans−1−propenyl)−L−cysteine sulfoxide from sandal (Santalum album L).An interesting occurrence of sulfoxide diastereoisomers in nature.Biochemistry 1974,13,4394−4400)。化学シフト及びカップリングについては表1参照。13C/H HMBCスペクトルにおける13C−カルボキシ領域への焦点化は、グルタミン酸のγ−C7(174.00ppm)とシステインのα−H5(4.50ppm)及びグルタミン酸の2つのγ−H8(2.50ppm)とのカップリング及びグルタミン酸のα−C11(173.10ppm)とグルタミン酸のα−H10(3.80ppm)だけとのカップリングを明らかにした。これは、分子内のγ−グルタミル型結合の存在を明らかに証明する。この所見は、GPCSの純粋な標準試料とのスペクトル比較によって確認された(Shaw,M.L.;Lancaster,J.E.;Lane,G.A.Quantitative analysis of the major g glutamyl peptides in onion bulbs(Allium cepa).J Sci Food Agric 1989,48,459−467)。
画分A 108.0gを最初に陽イオン、次いで陰イオン交換カラムクロマトグラフィーに供することによってGPCSのアップスケール単離を実施し、それぞれ陽イオン画分6.974g(6.46%)及びGPCS 788.0mg(0.73%)を生成した。GPCSを含まない画分を廃棄した。この方法によって単離したGPCSは、破骨細胞をPTHで刺激するか否かに関わらず、破骨細胞の吸収活性を用量依存的に阻害する(図4)。しかし、PTHを培養に添加したときの方が添加しないときよりも阻害の程度が幾分小さい。これは陽性対照であるカルシトニンにも当てはまると思われる。画分A1−4Cは、0.53mg/mLの濃度で、すなわち1.7mM GPCSで活性であったが、本実験では、2mMでは阻害は有意でなかった。合わせて考慮すると、このモデルにおけるGPCSの最小有効量は、PTHで刺激しない培養物では約2mM付近であると思われる。PTHで刺激した培養物では、この値は2から4mMの間であり、図4からのグラフの補間法は、約3mM付近であり得ることを示唆する。
画分A1−4Cの他の成分は阻害活性を示さなかったので、GPCSがインビトロでの骨吸収へのタマネギの作用の原因であると思われ、十分な化合物が入手可能になり次第、インビボで確認されるべき論点である。骨粗しょう症モデルにおいて骨量減少を抑制するのに必要な用量を確立するため、及び骨細胞へのこの作用機構を検討するための今後の試験も必要である。現在の文献によれば、骨の健康を支える、植物由来食品中に生じる化合物は、ミネラル(カルシウム、カリウム及びマグネシウム)、ビタミン(K及びC)、植物エストロゲン(クメストロール、ゼアラレノール、イソフラボン及びフムロン)、おそらくは他のフラボノイド(ルチン及びヘスペリジン)及びモノテルペンに限られている(Horcajada−Molteni,M.N.;Crespy,V.;Coxam,V.;Davicco,M.J.;Remesy,C.;Barlet,J.P.Rutin inhibits ovariectomy−induced osteopenia in rats.J Bone Miner Res 2000,15,2251−2258;Tucker, K.L.;Hannan,M.T.;Chen,H.;Cupples,L.A.;Wilson,P.W.;Kiel,D.P.Potassium,magnesium,and fruit and vegetable intakes are associated with greater bone mineral density in elderly men and women.Am J Clin Nutr 1999,9,727−736;New,S.A.;Bolton−Smith,C.;Grubb,D.A.;Reid,D.M.Nutritional influences on bone mineral density:a cross−sectional study in premenopausal women.Am J Clin Nutr 1997,65,1831−1839;and Draper,C.R.;Edel,M.J.;Dick,l.M.;Randall,A.G.;Martin,G.B.;Prince,R.L.Phytoestrogens reduce bone loss and bone resorption in oophorectomized rats.J Nutr 1997,127,1795−1799;Arjmandi,B.H.;Alekel,L.;Hollis,B.W.;Amin,D.;Stacewicz−Sapuntzakis,M.;Guo,P.;Kukreja,S.C.Dietary soybean protein prevents bone loss in an ovariectomized rat model of osteoporosis.J Nutr 1996,126,161− 167)。そこで、骨に対して活性な化合物、従って骨粗しょう症への食事アプローチのための候補物質は植物界に広く分布する。
本発明者らは、乾燥タマネギ1g中に17.3mg、すなわち1.73%(w/w)のGPCSを見出した。この結果は、乾燥重量の0.58−2.88%の範囲内のGPCS濃度を測定した他の研究者達の所見と一致する(Shaw,M.L.;Lancaster,J. E.;Lane,G.A.Quantitative analysis of the major γ−glutamyl peptides in onion bulbs (Allium cepa).J Sci Food Agric 1989,48,459−467;及びKopsell,D.A.;Randle,W.M.Selenium affects the S−alk(en)yl cysteine sulfoxides among short−day onion cultivars.J Am Soc Hortic Sci 1999,124,307−311)。
骨吸収細胞の活性を阻害する化合物としてのGPCSの特定は、さらにもう1つ別のクラスの分子に属するもう1つ別の化合物を、骨に対して活性な天然化合物のリストに追加する。GPCSが活性化合物のファミリーを代表するのか又は単独の活性化合物であるのかは現在のところ不明である。この問題を明らかにするためには、これまでに特定された他の25の活性植物食品項目(J Nutr 2003,133,3592−3597)の作用におけるこの役割を検討すること、そして場合によりこのクラスの化合物の他の活性な成員を特定することが必要である。
以下は、粉末形態の本発明の栄養補助食品の適切な組成物の一例である。
Figure 0004787166
上記補助食品は、水と混合して、食事の間に、例えば1日2から4回、適切な濃度で摂取し得る。
図1は、乾燥タマネギ1g(白い四角)、又はタマネギ1gに相当する乾燥タマネギアルコール抽出物639mg(白い三角)、又はタマネギ1gに相当する乾燥親水性画分A595mg(黒い三角)、又は最後にタマネギ1gに相当する乾燥親油性画分B7.1mg(白い菱形)のいずれかを含む精製飼料を与えたラットにおける骨吸収への作用を例示するグラフである。未処置対照群の95%信頼区間(CI;1.96×SEM)を斜線の背景の箱として示す。数値は平均±SEMである。対照についてはn=6、処置群についてはn=5。95%CIの外側の平均値は対照と有意に異なる(p<0.05)(以前にMuehlbauer,R.C.;Lozano,A.;Reinli,A.;Wetli,H.Various selected vegetables,fruits,mushrooms and red wine residue inhibit bone resorption in rats.J Nutr 2003,133,3592−3597)の中で公表された)。 図2は、破骨細胞のインビトロ吸収活性への親水性画分A及びカルシトニンの用量依存的作用を例示するグラフである。画分Aは、1、10及び30mg/mLの濃度で、カルシトニンは10−12Mで培地に添加した。データ表示:処置群(n=8)の数値を処置/未処置の比±SEMとして示す。未処置対照群(n=16)の95%CI(1.96×SEM)を平均±SEMとして示す(斜線の背景の箱)。未処置群の95%CIの外側の平均値は有意に異なる(p<0.05)(以前にJ Nutr 2003,133,3592−3597)の中で公表された)。 図3は、破骨細胞のインビトロ吸収活性への様々なタマネギ画分及びカルシトニンの作用を例示するグラフである。画分A1−4、A1−4B及びA1−4Cをそれぞれ2.28、0.43及び0.53mg/mLの濃度で培地に添加した。カルシトニンは10−12Mの用量で使用した。データ表示は図2で述べたとおりである。 図4は、破骨細胞のインビトロ吸収活性へのGPCS及びカルシトニンの作用を例示するグラフである。GPCSは、2、4及び8mMの濃度で培地に添加した。カルシトニンは10−11Mの用量で使用した。2つの別個の実験を実施した:1つは副甲状腺ホルモンの添加なし(パネルA)で、1つは骨吸収を刺激するために全ての培養物にPTH(10−8M)を添加した。データ表示は図2で述べたとおりである。 図5は、γ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシド(GPCS)の構造描写である。

Claims (11)

  1. 骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療、検査又は予防のための、ヒト又は動物用薬剤の製造におけるγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドの使用であって、前記薬剤が少なくとも2mMのγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを含む、前記使用。
  2. 骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態が、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症又はこれらの任意の組合せである、請求項1に記載の使用。
  3. 少なくとも2mMのγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを含む、骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態の治療、検査又は予防のための医薬組成物。
  4. 骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態が、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症又はこれらの任意の組合せである、請求項に記載の医薬組成物。
  5. 少なくとも2mMのγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを含有する、骨吸収を阻害するための医薬組成物。
  6. 少なくとも2mMのγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドを含有する、骨吸収上昇の食事療法に使用するための医薬組成物。
  7. γ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドと医薬として許容される担体を含有する、個別単位用量形態の請求項3〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 動物にとって生理学的に許容される1又はそれ以上の担体と少なくとも2mMのγ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドの混合物を均質化することを含む、骨吸収上昇を特徴とする動物における疾患又は状態の治療又は予防のため又は動物における骨吸収上昇の管理のための獣医用組成物を製造するための方法。
  9. 骨吸収上昇を特徴とする疾患又は状態が、パジェット病、腫瘍誘導性骨疾患又は骨粗しょう症又はこれらの任意の組合せである、請求項に記載の方法。
  10. γ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドが破骨細胞の吸収活性を用量依存的に阻害する、請求項1または2に記載の使用。
  11. γ−L−グルタミル−トランス−S−1−プロペニル−L−システインスルホキシドが破骨細胞の吸収活性を用量依存的に阻害する、請求項3〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物
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