JP2003183161A - 骨粗鬆症の予防治療剤 - Google Patents
骨粗鬆症の予防治療剤Info
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- JP2003183161A JP2003183161A JP2001389363A JP2001389363A JP2003183161A JP 2003183161 A JP2003183161 A JP 2003183161A JP 2001389363 A JP2001389363 A JP 2001389363A JP 2001389363 A JP2001389363 A JP 2001389363A JP 2003183161 A JP2003183161 A JP 2003183161A
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- cells
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マジンドリン−Aが高いサイトカイン選択抑
制を示すこと、更にgp130に作用してgp130の
2量体化を阻害する作用機序にもとずいて骨吸収を抑制
せしめることにより、これまでの薬物に起因していた子
宮出血、子宮内膜癌、乳癌等のリスクの増大、或いは、
骨軟化症や頻回投与による効果の低下等の問題を解消し
得る骨粗鬆症の予防治療剤を得るものである。 【解決手段】 下記式 【化1】 (式中、Hは水素、Oは酸素、Nは窒素、R及びSは絶
対立体配置を表す記号)で表される化合物を有効成分と
する、骨粗鬆症の予防治療剤である。
制を示すこと、更にgp130に作用してgp130の
2量体化を阻害する作用機序にもとずいて骨吸収を抑制
せしめることにより、これまでの薬物に起因していた子
宮出血、子宮内膜癌、乳癌等のリスクの増大、或いは、
骨軟化症や頻回投与による効果の低下等の問題を解消し
得る骨粗鬆症の予防治療剤を得るものである。 【解決手段】 下記式 【化1】 (式中、Hは水素、Oは酸素、Nは窒素、R及びSは絶
対立体配置を表す記号)で表される化合物を有効成分と
する、骨粗鬆症の予防治療剤である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マジンドリン−A
が高いサイトカイン選択抑制を示すこと、さらに情報伝
達性130−kD糖タンパク鎖の2量体化(dimer
ization)を介した6量体を形成するインターロ
イキン−6及びインターロイキン−11の活性を抑制
し、6量体の形成を阻害するという新たな作用機序に基
づくものであって、下記式
が高いサイトカイン選択抑制を示すこと、さらに情報伝
達性130−kD糖タンパク鎖の2量体化(dimer
ization)を介した6量体を形成するインターロ
イキン−6及びインターロイキン−11の活性を抑制
し、6量体の形成を阻害するという新たな作用機序に基
づくものであって、下記式
【0002】
【化2】
(式中、Hは水素、Oは酸素、Nは窒素、R及びSは絶
対立体配置を表す記号)で表されるマジンドリン−Aを
有効成分とする骨粗鬆症の予防治療剤に関する。
対立体配置を表す記号)で表されるマジンドリン−Aを
有効成分とする骨粗鬆症の予防治療剤に関する。
【0003】
【従来の技術】現在までの骨粗鬆症(osteopor
osis)予防治療薬としては、例えば骨吸収抑制を中
心として、選択的エストロゲン誘導体[selecti
veestrogen receptor modul
ator(SERM)]のタモキシフェン、ラロキシフ
ェン[Burckhardt,P.Selective
estrogen receptor modula
tors(SERM):new substances
for hormone replacement
therapy.Schweiz.Med.Woche
nschr.129,1926−1930(199
9)]等が、また、ビスフォスフォネートやカルシトニ
ン等、破骨細胞に直接作用して、その活性を抑制する薬
物が開発されてきた。しかしながら、これら薬物は、子
宮出血、子宮内膜癌、乳癌等のリスクの増大、或いは、
骨軟化症や頻回投与による効果の低下(エスケープ現
象)が大きな問題となっていた。
osis)予防治療薬としては、例えば骨吸収抑制を中
心として、選択的エストロゲン誘導体[selecti
veestrogen receptor modul
ator(SERM)]のタモキシフェン、ラロキシフ
ェン[Burckhardt,P.Selective
estrogen receptor modula
tors(SERM):new substances
for hormone replacement
therapy.Schweiz.Med.Woche
nschr.129,1926−1930(199
9)]等が、また、ビスフォスフォネートやカルシトニ
ン等、破骨細胞に直接作用して、その活性を抑制する薬
物が開発されてきた。しかしながら、これら薬物は、子
宮出血、子宮内膜癌、乳癌等のリスクの増大、或いは、
骨軟化症や頻回投与による効果の低下(エスケープ現
象)が大きな問題となっていた。
【0004】最近、破骨細胞分化を制御する分子メカニ
ズムが次第に解明され、破骨細胞の分化誘導を促す破骨
細胞形成因子/NFκB受容体活性化(以下、ODF/
RANKLと称する)、その作用を抑制する破骨細胞形
成抑制因子/オステオプロテゲリン(以下、OCIF/
OPGと称する)が見出されている。[Yasuda,
H.et al.Osteoclast differ
entiationfactor is a liga
nd for osteoprotegerin/os
teoclastogenesis−inhibito
ry factor and is identica
l to TRANCE/RANKL,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA.95,3597−3
602(1998)]。
ズムが次第に解明され、破骨細胞の分化誘導を促す破骨
細胞形成因子/NFκB受容体活性化(以下、ODF/
RANKLと称する)、その作用を抑制する破骨細胞形
成抑制因子/オステオプロテゲリン(以下、OCIF/
OPGと称する)が見出されている。[Yasuda,
H.et al.Osteoclast differ
entiationfactor is a liga
nd for osteoprotegerin/os
teoclastogenesis−inhibito
ry factor and is identica
l to TRANCE/RANKL,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA.95,3597−3
602(1998)]。
【0005】一方、サイトカインの一つであるIL−6
は骨芽細胞に作用してODF/RANKLを発現させる
が、エストロゲンは、IL−6遺伝子を抑制し骨吸収を
抑制することが報告されている。[Girasole,
G.et al.17 beta−estradiol
inhibits interleukin−6pr
oduction by bone marrow−d
erived stromal cells and
osteoblasts in vitro:a po
tential mechanism for the
antiosteoporotic effect
of estrogens.J Clin Inves
t 89,883−891(1992)]。
は骨芽細胞に作用してODF/RANKLを発現させる
が、エストロゲンは、IL−6遺伝子を抑制し骨吸収を
抑制することが報告されている。[Girasole,
G.et al.17 beta−estradiol
inhibits interleukin−6pr
oduction by bone marrow−d
erived stromal cells and
osteoblasts in vitro:a po
tential mechanism for the
antiosteoporotic effect
of estrogens.J Clin Inves
t 89,883−891(1992)]。
【0006】サイトカインは免疫反応や生体防御を介し
て生体の恒常性維持(homeostasis)に寄与
しているだけでなく、癌や炎症アレルギー、自己免疫疾
患などにも深く関与していることが報告されている。
[Kishimoto,T.,Akira,S.& T
aga,T.interleukin−6 and i
ts receptor:a paradigm fo
r cytokines.Science 258,5
93−597(1992)]。これらサイトカインの中
でIL−6は抗体産生やT細胞活性化、造血、急性期反
応などの制御に関与する多機能性サイトカインであるこ
とから、IL−6活性の非制御は様々な重篤な疾患を引
き起こす要因となる。
て生体の恒常性維持(homeostasis)に寄与
しているだけでなく、癌や炎症アレルギー、自己免疫疾
患などにも深く関与していることが報告されている。
[Kishimoto,T.,Akira,S.& T
aga,T.interleukin−6 and i
ts receptor:a paradigm fo
r cytokines.Science 258,5
93−597(1992)]。これらサイトカインの中
でIL−6は抗体産生やT細胞活性化、造血、急性期反
応などの制御に関与する多機能性サイトカインであるこ
とから、IL−6活性の非制御は様々な重篤な疾患を引
き起こす要因となる。
【0007】事実、IL−6の過剰産生が癌性悪液質に
深く関与していることが報告されている。[Stras
smann,G.,Jacob,C.O.,Evan
s,R.,Beall,D.& Fong,M.Mec
hanism of experimental ca
ncer cachexia.Interaction
between mononuclear phago
cytes andcolon−26 carcino
ma and its relevanceto IL
−6−mediated cancer cachex
ia.J.Immunol.,148,3674−36
78(1992)]。
深く関与していることが報告されている。[Stras
smann,G.,Jacob,C.O.,Evan
s,R.,Beall,D.& Fong,M.Mec
hanism of experimental ca
ncer cachexia.Interaction
between mononuclear phago
cytes andcolon−26 carcino
ma and its relevanceto IL
−6−mediated cancer cachex
ia.J.Immunol.,148,3674−36
78(1992)]。
【0008】また、IL−6の過剰産生が、キャッスル
マン症候群[Yoshizaki,K.et al.P
athogenic significance of
interleukin−6(IL−6/BSF−
2)in Csatleman’s disease.
Blood 74,1360−1367(198
9)];リウマチ関節炎[Takagi,N.et a
l.Blockage ofinterleukin−
6 receptor ameliorates jo
int disease in murine col
lagen−induced arthritis.A
rthritis Rheum.41,2117−21
21(1998)にも深く関与していることも報告され
ている。
マン症候群[Yoshizaki,K.et al.P
athogenic significance of
interleukin−6(IL−6/BSF−
2)in Csatleman’s disease.
Blood 74,1360−1367(198
9)];リウマチ関節炎[Takagi,N.et a
l.Blockage ofinterleukin−
6 receptor ameliorates jo
int disease in murine col
lagen−induced arthritis.A
rthritis Rheum.41,2117−21
21(1998)にも深く関与していることも報告され
ている。
【0009】更にまた、IL−6の過剰産生が、高カル
シウム血症および多発性骨髄腫に深く関与していること
が報告されている。[de la Mata,J.,U
y,H.L.,Guise T.A.,Story,
B.,Boyce,B.F.,Mundy,G.R.&
Roodman,G.D.Interleukin−
6 enhances hypercalcemia
and bone resorption media
ted by parathyroid hormon
e−related protein in viv
o.J.Clin.Invest.95,2846−2
852(1995)及びZhang,X.G.et a
l.Granulocyte−macrophage
colony−stimulating factor
synergizes withinterleuk
in−6 in supporting the pr
oliferation of human myel
oma cells.Blood,76,2599−2
605(1990)]。
シウム血症および多発性骨髄腫に深く関与していること
が報告されている。[de la Mata,J.,U
y,H.L.,Guise T.A.,Story,
B.,Boyce,B.F.,Mundy,G.R.&
Roodman,G.D.Interleukin−
6 enhances hypercalcemia
and bone resorption media
ted by parathyroid hormon
e−related protein in viv
o.J.Clin.Invest.95,2846−2
852(1995)及びZhang,X.G.et a
l.Granulocyte−macrophage
colony−stimulating factor
synergizes withinterleuk
in−6 in supporting the pr
oliferation of human myel
oma cells.Blood,76,2599−2
605(1990)]。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
疾患に対する有効な予防治療薬は未だ開発されていなか
った。それ故、サイトカインの機能を特異的に修飾する
低分子化合物は、新たな作用機序を有する治療薬として
期待されてきた。IL−6受容体機構は、配位子結合性
80−kD糖タンパク鎖(以下、IL−6Rと称する)
と情報伝達性130−kD糖タンパク鎖(以下、gp1
30と称する)の2成分から構成され、さらにこれとリ
ンクしたIL−6特異的情報伝達系であるジェーナスキ
ナーゼ/情報伝達及び転写活性化因子3(以下、JAK
/STAT3と称する)のリン酸化により活性を表わ
す。従って、このカスケード(cascade)を阻害
するものはIL−6特異的阻害剤になり得ると本発明者
らは推測した。
疾患に対する有効な予防治療薬は未だ開発されていなか
った。それ故、サイトカインの機能を特異的に修飾する
低分子化合物は、新たな作用機序を有する治療薬として
期待されてきた。IL−6受容体機構は、配位子結合性
80−kD糖タンパク鎖(以下、IL−6Rと称する)
と情報伝達性130−kD糖タンパク鎖(以下、gp1
30と称する)の2成分から構成され、さらにこれとリ
ンクしたIL−6特異的情報伝達系であるジェーナスキ
ナーゼ/情報伝達及び転写活性化因子3(以下、JAK
/STAT3と称する)のリン酸化により活性を表わ
す。従って、このカスケード(cascade)を阻害
するものはIL−6特異的阻害剤になり得ると本発明者
らは推測した。
【0011】本発明者らはこれまでに微生物代謝産物よ
り抗寄生虫薬であるエバーメクチン、キナーゼ阻害剤で
あるスタウロスポリン、及びプロテアゾーム阻害剤であ
るラクタスチン等、数多くの有用活性物質を見出した。
そして、IL−6阻害剤の探索の過程でフロインドリン
(fuloindoline)骨格にディケトサイクロ
ペンテン(diketcyclopenten)がメチ
ル基で結合した化合物を見出し、この化合物を新規物質
としてマジンドリン(madindoline)と命名
した。[Hayashi,M.et al.Madin
doline,a novel inhibitor
of IL−6 activity from Str
eptomyces sp.K93−0711.I.T
axonomy,fermentation,isol
ation and biological acti
vities.J.Antibiot(Tokyo)4
9,1091−1095(1996)。
り抗寄生虫薬であるエバーメクチン、キナーゼ阻害剤で
あるスタウロスポリン、及びプロテアゾーム阻害剤であ
るラクタスチン等、数多くの有用活性物質を見出した。
そして、IL−6阻害剤の探索の過程でフロインドリン
(fuloindoline)骨格にディケトサイクロ
ペンテン(diketcyclopenten)がメチ
ル基で結合した化合物を見出し、この化合物を新規物質
としてマジンドリン(madindoline)と命名
した。[Hayashi,M.et al.Madin
doline,a novel inhibitor
of IL−6 activity from Str
eptomyces sp.K93−0711.I.T
axonomy,fermentation,isol
ation and biological acti
vities.J.Antibiot(Tokyo)4
9,1091−1095(1996)。
【0012】本マジンドリンは非常にユニークな活性を
示すものの産生量が微量であったため、その特異性の検
討や作用機序の解析は遅れていたが、本マジンドリンの
化学合成法の成功[Sunazuka,T.et a
l.Total Synthesis of(+)−M
adindoline A and(−)−Mdind
oline B,Potent,Selective
Inhibitorsof Interleukin
6.Determination of the Re
lative and Absolute Confi
gurations;ジャーナル オブ ザ アメリカ
ン ケミカル ソサイティー(J.Am.Chem.S
oc.2000,122,9,pp.2122−212
3(2000)]により、それの特異性や作用機序の解
析が本発明者らによって検討された。
示すものの産生量が微量であったため、その特異性の検
討や作用機序の解析は遅れていたが、本マジンドリンの
化学合成法の成功[Sunazuka,T.et a
l.Total Synthesis of(+)−M
adindoline A and(−)−Mdind
oline B,Potent,Selective
Inhibitorsof Interleukin
6.Determination of the Re
lative and Absolute Confi
gurations;ジャーナル オブ ザ アメリカ
ン ケミカル ソサイティー(J.Am.Chem.S
oc.2000,122,9,pp.2122−212
3(2000)]により、それの特異性や作用機序の解
析が本発明者らによって検討された。
【0013】その結果、意外にもマジンドリン(mad
indoline)−A(以下、MDL−Aと称する)
が高いサイトカイン選択抑制を示すこと、さらに情報伝
達性130−kD糖タンパク鎖の2量体化を介した6量
体を形成するインターロイキン−6及びインターロイキ
ン−11の活性を抑制し、6量体の形成を阻害するとい
う新たな作用機序があることを見出した。
indoline)−A(以下、MDL−Aと称する)
が高いサイトカイン選択抑制を示すこと、さらに情報伝
達性130−kD糖タンパク鎖の2量体化を介した6量
体を形成するインターロイキン−6及びインターロイキ
ン−11の活性を抑制し、6量体の形成を阻害するとい
う新たな作用機序があることを見出した。
【0014】このような選択的サイトカイン阻害剤及び
情報伝達性130−kD糖タンパク鎖の阻害物質は未だ
報告はなされておらず、このようなMDL−Aによる作
用機序は本発明者らによって初めて解明されたものであ
る。従って、本発明に用いるMDL−Aは高いサイトカ
イン選択抑制を示すこと、さらに情報伝達性130−k
D糖タンパク鎖の2量体化を介した6量体を形成するイ
ンターロイキン−6及びインターロイキン−11の活性
を抑制し、6量体の形成を阻害するという新たな作用機
序にもとずいたものである。すなわち、細胞を用いた実
験においては破骨細胞形成を阻害し、動物実験において
は閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マウ
スにおける骨吸収を抑制し、gp130阻害物質が破骨
細胞分化を制御して骨吸収を抑制することを見出し、本
発明は完成されたものである。
情報伝達性130−kD糖タンパク鎖の阻害物質は未だ
報告はなされておらず、このようなMDL−Aによる作
用機序は本発明者らによって初めて解明されたものであ
る。従って、本発明に用いるMDL−Aは高いサイトカ
イン選択抑制を示すこと、さらに情報伝達性130−k
D糖タンパク鎖の2量体化を介した6量体を形成するイ
ンターロイキン−6及びインターロイキン−11の活性
を抑制し、6量体の形成を阻害するという新たな作用機
序にもとずいたものである。すなわち、細胞を用いた実
験においては破骨細胞形成を阻害し、動物実験において
は閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マウ
スにおける骨吸収を抑制し、gp130阻害物質が破骨
細胞分化を制御して骨吸収を抑制することを見出し、本
発明は完成されたものである。
【0015】本発明は、このような特異的な作用機序に
より、これまでの薬物により起因していた子宮出血、子
宮内膜癌、乳癌等のリスクの増大、或いは、骨軟化症や
頻回投与による効果の低下(エスケープ現象)等の問題
を全て解消し、骨吸収を抑制する骨粗鬆症の予防、治療
に有効な予防治療剤を提供することを目的とするもので
ある。
より、これまでの薬物により起因していた子宮出血、子
宮内膜癌、乳癌等のリスクの増大、或いは、骨軟化症や
頻回投与による効果の低下(エスケープ現象)等の問題
を全て解消し、骨吸収を抑制する骨粗鬆症の予防、治療
に有効な予防治療剤を提供することを目的とするもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、高いサイトカ
イン選択抑制を示し、さらに情報伝達性130−kD糖
タンパク鎖の2量体化を介した6量体を形成するインタ
ーロイキン−6及びインターロイキン−11の活性を抑
制し、6量体の形成を阻害する下記式
イン選択抑制を示し、さらに情報伝達性130−kD糖
タンパク鎖の2量体化を介した6量体を形成するインタ
ーロイキン−6及びインターロイキン−11の活性を抑
制し、6量体の形成を阻害する下記式
【0017】
【化3】
(式中、Hは水素、Oは酸素、Nは窒素、R及びSは絶
対立体配置を表す記号)で表されるマジンドリン−Aを
有効成分とする骨粗鬆症の予防治療剤である。
対立体配置を表す記号)で表されるマジンドリン−Aを
有効成分とする骨粗鬆症の予防治療剤である。
【0018】更に本発明は、マジンドリン−Aはサイト
カイン選択的抑制を有し、この選択的抑制が細胞内情報
伝達系であるジェーナスキナーゼ/情報伝達及び転写活
性化因子の抑制であり、さらにまた、マジンドリン−A
の選択的抑制が情報伝達性130−kD糖タンパク鎖の
2量体化を介した6量体を形成するインターロイキン−
6及びインターロイキン−11の活性を抑制し、6量体
形成を阻害することである骨粗鬆症の予防治療剤であ
る。
カイン選択的抑制を有し、この選択的抑制が細胞内情報
伝達系であるジェーナスキナーゼ/情報伝達及び転写活
性化因子の抑制であり、さらにまた、マジンドリン−A
の選択的抑制が情報伝達性130−kD糖タンパク鎖の
2量体化を介した6量体を形成するインターロイキン−
6及びインターロイキン−11の活性を抑制し、6量体
形成を阻害することである骨粗鬆症の予防治療剤であ
る。
【0019】以下に本発明の作用機序を詳しく説明す
る。微生物代謝産物より得られたマジンドリン(特開平
9−194494号公報)は、IL−6依存細胞増殖や
分化誘導を抑制したが他のサイトカインであるインター
ロイキン−2(以下、IL−2と称する)、インターロ
イキン−3(以下、IL−3と称する)、インターロイ
キン−4(以下、IL−4と称する)、インターロイキ
ン−8(以下、IL−8と称する)、組織壊死因子(以
下、TNFと称する)、神経成長因子(以下、NGFと
称する)、顆粒球コロニー刺激因子(以下、GCSFと
称する)の作用は抑制しなかった。
る。微生物代謝産物より得られたマジンドリン(特開平
9−194494号公報)は、IL−6依存細胞増殖や
分化誘導を抑制したが他のサイトカインであるインター
ロイキン−2(以下、IL−2と称する)、インターロ
イキン−3(以下、IL−3と称する)、インターロイ
キン−4(以下、IL−4と称する)、インターロイキ
ン−8(以下、IL−8と称する)、組織壊死因子(以
下、TNFと称する)、神経成長因子(以下、NGFと
称する)、顆粒球コロニー刺激因子(以下、GCSFと
称する)の作用は抑制しなかった。
【0020】IL−6はIL−6レセプター(以下、I
L−6Rと称する)と結合してIL−6/IL−6R複
合体を形成し、さらに共有サブユニットの情報伝達性1
30−kD糖タンパク鎖(以下、gp130と称する)
と結合し、IL−6/IL−6R/gp130の3量体
を形成する。次いで、もう一つのIL−6/IL−6R
/gp130の3量体と会合し6量体を形成する。これ
によりジェーナスキナーゼ2(以下、JAK2と称す
る)を活性化して情報伝達及び転写活性化因子3(以
下、STAT3と称する)をリン酸化し、2分子会合し
たSTAT3が核内に移行することによって情報が核内
に伝達される。
L−6Rと称する)と結合してIL−6/IL−6R複
合体を形成し、さらに共有サブユニットの情報伝達性1
30−kD糖タンパク鎖(以下、gp130と称する)
と結合し、IL−6/IL−6R/gp130の3量体
を形成する。次いで、もう一つのIL−6/IL−6R
/gp130の3量体と会合し6量体を形成する。これ
によりジェーナスキナーゼ2(以下、JAK2と称す
る)を活性化して情報伝達及び転写活性化因子3(以
下、STAT3と称する)をリン酸化し、2分子会合し
たSTAT3が核内に移行することによって情報が核内
に伝達される。
【0021】インターロイキンは共有するサブニットの
種類によりいくつかの系に分類される。gp130を共
有する系にはIL−6、IL−11、白血病抑制因子
(以下、LIFと称する)、オンコスタチンM(以下、
OSMと称する)、カルディオトロフィン1(以下、C
T−1と称する)等が含まれる。このファミリーは更に
IL−6やIL−11のようにgp130同士が会合し
て6量体を形成する同種2量体タイプと、LIFやOS
MのようにLIFレセプターあるいはOSMレセプター
とgp130が会合する異種2量体タイプにそれぞれ区
別される。
種類によりいくつかの系に分類される。gp130を共
有する系にはIL−6、IL−11、白血病抑制因子
(以下、LIFと称する)、オンコスタチンM(以下、
OSMと称する)、カルディオトロフィン1(以下、C
T−1と称する)等が含まれる。このファミリーは更に
IL−6やIL−11のようにgp130同士が会合し
て6量体を形成する同種2量体タイプと、LIFやOS
MのようにLIFレセプターあるいはOSMレセプター
とgp130が会合する異種2量体タイプにそれぞれ区
別される。
【0022】本発明に用いられるMDL−Aはgp13
0を共有サブユニットとするIL−6系のサイトカイン
であるLIFの作用を抑制しなかった。すなわち、細胞
内情報伝達系は同種2量体タイプ(IL−6、IL−1
1)、異種2量体タイプ(LIF、OSM、CT−1)
とも共通の経路であることから、MDL−Aは、ジェー
ナスキナーゼ/情報伝達及び転写活性化因子系には影響
しないことが示唆された。このことは、顆粒球コロニー
刺激因子(以下、GCSFと称する)−gp130キメ
ラレセプター/ヒトプロB細胞(以下、Baf3と称す
る)の結果からも裏付けられた。
0を共有サブユニットとするIL−6系のサイトカイン
であるLIFの作用を抑制しなかった。すなわち、細胞
内情報伝達系は同種2量体タイプ(IL−6、IL−1
1)、異種2量体タイプ(LIF、OSM、CT−1)
とも共通の経路であることから、MDL−Aは、ジェー
ナスキナーゼ/情報伝達及び転写活性化因子系には影響
しないことが示唆された。このことは、顆粒球コロニー
刺激因子(以下、GCSFと称する)−gp130キメ
ラレセプター/ヒトプロB細胞(以下、Baf3と称す
る)の結果からも裏付けられた。
【0023】次に、IL−6Rを多く発現しているU2
66細胞(ヒト)について本発明のMDL−Aの影響に
ついて検討した。U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を
用いて免疫沈降法とオートラヂオグラフィー法によりM
DL−Aの標的分子をしらべた。免疫沈降法による検討
の結果、IL−6/IL−6R/gp130の3量体の
形成は阻害しなかった。しかしながら、放射性MDL−
Aを用いたオートラヂオグラフィー法による検討では、
gp130相当位置に放射性MDL−Aによるバンドが
観察され、MDL−Aがgp130に結合していること
が示唆された。一方、過剰の非放射性MDL−Aを添加
してオートラヂオグラフィー法で測定したところ、gp
130相当のバンドが減少したことが観察された。
66細胞(ヒト)について本発明のMDL−Aの影響に
ついて検討した。U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を
用いて免疫沈降法とオートラヂオグラフィー法によりM
DL−Aの標的分子をしらべた。免疫沈降法による検討
の結果、IL−6/IL−6R/gp130の3量体の
形成は阻害しなかった。しかしながら、放射性MDL−
Aを用いたオートラヂオグラフィー法による検討では、
gp130相当位置に放射性MDL−Aによるバンドが
観察され、MDL−Aがgp130に結合していること
が示唆された。一方、過剰の非放射性MDL−Aを添加
してオートラヂオグラフィー法で測定したところ、gp
130相当のバンドが減少したことが観察された。
【0024】この結果は、過剰の非放射性MDL−A添
加によりgp130に結合していた放射性標識MDL−
Aが外れたことを示している。すなわち、これらの結果
は、MDL−Aがgp130に結合するが、IL−6/
IL−6R/gp130の3量体形成は阻害しないこと
を示している。MDL−A処理によりジェーナスキナー
ゼ/情報伝達及び転写活性化因子(以下、JAK/ST
ATと称する)による細胞内情報伝達系は阻害されない
こと、3量体形成は阻害されないこと、およびgp13
0の異種2量体タイプのLIFやOSMの活性は抑制さ
れないこと、等からMDL−Aの作用点はgp130を
介した6量体形成の阻害であることが示唆された。
加によりgp130に結合していた放射性標識MDL−
Aが外れたことを示している。すなわち、これらの結果
は、MDL−Aがgp130に結合するが、IL−6/
IL−6R/gp130の3量体形成は阻害しないこと
を示している。MDL−A処理によりジェーナスキナー
ゼ/情報伝達及び転写活性化因子(以下、JAK/ST
ATと称する)による細胞内情報伝達系は阻害されない
こと、3量体形成は阻害されないこと、およびgp13
0の異種2量体タイプのLIFやOSMの活性は抑制さ
れないこと、等からMDL−Aの作用点はgp130を
介した6量体形成の阻害であることが示唆された。
【0025】IL−6/IL−6R/gp130複合体
の会合による6量体化の安定化に際して、最近、Bar
ton,V.A.et al.はIL−6のサイト3と
gp130のIgドメインにあるサイト2が結合し、安
定化に寄与していることを報告した。[Interle
ukin−11 signals throughth
e formation of a hexameri
c receptor complex.J.Bio
l.Chem.275,36197−36203(20
00)]。本発明による作用機序は彼らの仮説とよく一
致しており、本発明によるMDL−Aがgp130の結
合サイト2に結合している6量体形成による安定化を阻
害することが強く示唆される。
の会合による6量体化の安定化に際して、最近、Bar
ton,V.A.et al.はIL−6のサイト3と
gp130のIgドメインにあるサイト2が結合し、安
定化に寄与していることを報告した。[Interle
ukin−11 signals throughth
e formation of a hexameri
c receptor complex.J.Bio
l.Chem.275,36197−36203(20
00)]。本発明による作用機序は彼らの仮説とよく一
致しており、本発明によるMDL−Aがgp130の結
合サイト2に結合している6量体形成による安定化を阻
害することが強く示唆される。
【0026】更にまた、MDL−Aは破骨細胞新生を顕
著に抑制し、卵巣摘出マウスでの骨吸収を17β−エス
トラジオール(estradiol)と異なる作用機序
で抑制することが観察された。すなわち、新生児マウス
頭頂骨より分離した骨芽細胞と大腿骨より調整した骨髄
細胞との共培養系に20ng/mLのIL−6と50n
g/mLのIL−6Rを添加することにより多核性破骨
細胞が形成される。MDL−AはこのIL−6刺激によ
る破骨細胞形成を用量依存的に抑制した。一方、閉経後
骨粗鬆症モデルである卵巣摘出マウスでの骨量比減少の
抑制においてもMDL−Aは10〜60mg/kg/d
ayの経口投与により顕著に抑制した。
著に抑制し、卵巣摘出マウスでの骨吸収を17β−エス
トラジオール(estradiol)と異なる作用機序
で抑制することが観察された。すなわち、新生児マウス
頭頂骨より分離した骨芽細胞と大腿骨より調整した骨髄
細胞との共培養系に20ng/mLのIL−6と50n
g/mLのIL−6Rを添加することにより多核性破骨
細胞が形成される。MDL−AはこのIL−6刺激によ
る破骨細胞形成を用量依存的に抑制した。一方、閉経後
骨粗鬆症モデルである卵巣摘出マウスでの骨量比減少の
抑制においてもMDL−Aは10〜60mg/kg/d
ayの経口投与により顕著に抑制した。
【0027】閉経後骨粗鬆症は女性ホルモンである17
β−エストラジオールの欠乏により発症するが、17β
−エストラジオールは、通常IL−6産生を抑制してい
る。しかしながら、閉経により17β−エストラジオー
ルが減少するとIL−6産生抑制が抑制されたことによ
りIL−6産生が増加し、骨粗鬆症の引き金になると言
われている。卵巣摘出マウスに17β−エストラジオー
ルを投与することにより骨量比減少の抑制、血中Ca
2 + 濃度増加の抑制が観察される。
β−エストラジオールの欠乏により発症するが、17β
−エストラジオールは、通常IL−6産生を抑制してい
る。しかしながら、閉経により17β−エストラジオー
ルが減少するとIL−6産生抑制が抑制されたことによ
りIL−6産生が増加し、骨粗鬆症の引き金になると言
われている。卵巣摘出マウスに17β−エストラジオー
ルを投与することにより骨量比減少の抑制、血中Ca
2 + 濃度増加の抑制が観察される。
【0028】一方、MDL−A投与においても17β−
エストラジオールと同様の現象が観察される。しかしな
がら、17β−エストラジオール投与により子宮重量増
加、血中IL−6増加抑制が認められるが、MDL−A
投与においては子宮重量増加、血中IL−6増加抑制は
共に認められなかった。これらの事実から、MDL−A
は現在用いられている17β−エストラジオールとは全
く異なった作用機序により骨吸収を抑制していることが
示された。
エストラジオールと同様の現象が観察される。しかしな
がら、17β−エストラジオール投与により子宮重量増
加、血中IL−6増加抑制が認められるが、MDL−A
投与においては子宮重量増加、血中IL−6増加抑制は
共に認められなかった。これらの事実から、MDL−A
は現在用いられている17β−エストラジオールとは全
く異なった作用機序により骨吸収を抑制していることが
示された。
【0029】骨量比減少の抑制を測定することにより、
正常骨量比への回復度合いが判断できる。また、血中C
a2+濃度増加抑制の測定は、骨吸収により血中に放出さ
れるCa2+が増加するため、これを測定することによっ
て、骨吸収が起こっているか、その程度が評価できる。
更に、子宮重量増加の測定は、投与した物質に女性ホル
モン様作用があるかどうか判定できる。特に17β−エ
ストラジオールは女性ホルモンであることから、投与に
より子宮重量は増加するが、MDL−Aは増加しない。
このことから、MDL−Aにはホルモン様作用は無いこ
とが示される。更にまた血中IL−6増加抑制の測定
は、その物質にIL−6産生作用があるか否か判定でき
る。特に17β−エストラジオールはIL−6産生を増
加させて骨吸収を抑制するが、MDL−Aはそのような
作用を示さないことからIL−6産生を介さないことを
示すことになる。
正常骨量比への回復度合いが判断できる。また、血中C
a2+濃度増加抑制の測定は、骨吸収により血中に放出さ
れるCa2+が増加するため、これを測定することによっ
て、骨吸収が起こっているか、その程度が評価できる。
更に、子宮重量増加の測定は、投与した物質に女性ホル
モン様作用があるかどうか判定できる。特に17β−エ
ストラジオールは女性ホルモンであることから、投与に
より子宮重量は増加するが、MDL−Aは増加しない。
このことから、MDL−Aにはホルモン様作用は無いこ
とが示される。更にまた血中IL−6増加抑制の測定
は、その物質にIL−6産生作用があるか否か判定でき
る。特に17β−エストラジオールはIL−6産生を増
加させて骨吸収を抑制するが、MDL−Aはそのような
作用を示さないことからIL−6産生を介さないことを
示すことになる。
【0030】以上の作用機序により、MDL−Aが高い
サイトカイン選択抑制を示すこと、更にgp130に作
用してgp130の2量体化(dimerizatio
n)を阻害すること、の新たな作用機序が見出された。
すなわち、選択的サイトカイン阻害剤およびgp130
阻害作用による骨吸収抑制作用はこれまでに報告されて
おらず、この特異的な作用機序により、はじめて閉経後
骨粗鬆症の実験モデルである卵巣摘出マウスにおける骨
吸収を顕著に抑制することが解明された。
サイトカイン選択抑制を示すこと、更にgp130に作
用してgp130の2量体化(dimerizatio
n)を阻害すること、の新たな作用機序が見出された。
すなわち、選択的サイトカイン阻害剤およびgp130
阻害作用による骨吸収抑制作用はこれまでに報告されて
おらず、この特異的な作用機序により、はじめて閉経後
骨粗鬆症の実験モデルである卵巣摘出マウスにおける骨
吸収を顕著に抑制することが解明された。
【0031】IL−6は種々の重篤な疾患の主因子とな
ることについての報告は前述の通りであるが、IL−6
ノックアウトマウスは、期待された様な疾患は起こらな
かった。その理由としては、IL−6が欠損しても他の
サイトカインがその作用を補完、修飾する、いわゆる作
用の重複性により恒常性を維持すると考えられる。それ
故、IL−6遺伝子のみをノックアウトしてもIL−6
と同様の作用をするIL−6タイプのサイトカイン、I
L−11等がその作用を補完し、IL−6ノックアウト
の効果を打ち消していると推測される。
ることについての報告は前述の通りであるが、IL−6
ノックアウトマウスは、期待された様な疾患は起こらな
かった。その理由としては、IL−6が欠損しても他の
サイトカインがその作用を補完、修飾する、いわゆる作
用の重複性により恒常性を維持すると考えられる。それ
故、IL−6遺伝子のみをノックアウトしてもIL−6
と同様の作用をするIL−6タイプのサイトカイン、I
L−11等がその作用を補完し、IL−6ノックアウト
の効果を打ち消していると推測される。
【0032】一方、IL−6タイプサイトカインの共有
サブユニットであるgp130のノックアウトは致死的
であり、gp130が恒常性維持に重要な働きをしてい
ることが示唆されている。[Yoshida,K.Ta
ga,Saito,M.acommon signal
transducer for the inter
leukin 6 family of cytoki
nes,leadsto mycocardial a
nd hematological disorder
s.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
93,407−411(1996)]。
サブユニットであるgp130のノックアウトは致死的
であり、gp130が恒常性維持に重要な働きをしてい
ることが示唆されている。[Yoshida,K.Ta
ga,Saito,M.acommon signal
transducer for the inter
leukin 6 family of cytoki
nes,leadsto mycocardial a
nd hematological disorder
s.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,
93,407−411(1996)]。
【0033】本発明に用いたMDL−Aの各種サイトカ
インや成長因子に対する特異性の検討法は、以下の方法
に従った。 1.IL−6依存性増殖 96穴プレートに5×104 cells/mLに調製し
たIL−6依存性MH60細胞懸濁液を100μL、
0.4U/mLに調製したIL−6溶液を100μL加
え、サンプル5μLを添加し、72時間インキュベート
した。細胞増殖の測定はMTT法により行った。細胞培
養液中にMTT試薬5mg/mLを20μL/well
で添加し、4時間培養後、4℃、1000rpm、5分
間遠心し、培養上清を捨てた。各wellにジメチルス
ルホキシド100μLを加え、マイクロミキサーで15
分間攪拌した後、MTT試薬により生成されたホルマザ
ンを溶出した。これを96穴マルチプレートリーダー
[Titertek Multiskan PLUS
MKII(大日本製薬社製)]を用いて測定波長540
nm、対照波長620nmで比色定量した。
インや成長因子に対する特異性の検討法は、以下の方法
に従った。 1.IL−6依存性増殖 96穴プレートに5×104 cells/mLに調製し
たIL−6依存性MH60細胞懸濁液を100μL、
0.4U/mLに調製したIL−6溶液を100μL加
え、サンプル5μLを添加し、72時間インキュベート
した。細胞増殖の測定はMTT法により行った。細胞培
養液中にMTT試薬5mg/mLを20μL/well
で添加し、4時間培養後、4℃、1000rpm、5分
間遠心し、培養上清を捨てた。各wellにジメチルス
ルホキシド100μLを加え、マイクロミキサーで15
分間攪拌した後、MTT試薬により生成されたホルマザ
ンを溶出した。これを96穴マルチプレートリーダー
[Titertek Multiskan PLUS
MKII(大日本製薬社製)]を用いて測定波長540
nm、対照波長620nmで比色定量した。
【0034】2.PC−12細胞分化誘導
PC−12細胞懸濁液を、無血清のRPMI−1640
培地で2.5×104cells/mLに調製し、コラ
ーゲンコートした96穴平底プレートに200μLずつ
まき、24時間インキュベートした。βNGF(50n
g/mL、12.5ng/mL)及びサンプル5μLを
添加し、4日間インキュベートし、細胞の形態変化を毎
日観察した。PC−12細胞はβNGF(50ng/m
L、12.5ng/mL)刺激により突起を伸長して細
胞間ネットワークを形成し、神経様細胞へ分化する。こ
のβNGF(50ng/mL、12.5ng/mL)に
よるPC−12細胞の分化誘導は、12.5μg/mL
のMDL−A添加による有意な変化を生じなかった。
培地で2.5×104cells/mLに調製し、コラ
ーゲンコートした96穴平底プレートに200μLずつ
まき、24時間インキュベートした。βNGF(50n
g/mL、12.5ng/mL)及びサンプル5μLを
添加し、4日間インキュベートし、細胞の形態変化を毎
日観察した。PC−12細胞はβNGF(50ng/m
L、12.5ng/mL)刺激により突起を伸長して細
胞間ネットワークを形成し、神経様細胞へ分化する。こ
のβNGF(50ng/mL、12.5ng/mL)に
よるPC−12細胞の分化誘導は、12.5μg/mL
のMDL−A添加による有意な変化を生じなかった。
【0035】3.M1細胞分化誘導
24穴平底プレートにM1細胞を5×105 cells
/well(250μL)ずつまき、MDL−A 68
μM、IL−6 12.5U/mL添加し、72時間、
37℃、5%CO2 下でインキュベートした。そこに、
1×109 個オプソニン化した蛍光ビーズを加え、更に
24時間、37℃、5%CO2 下でインキュベートした
後、フローサイトメーター(ベックマンコールター社
製、米国)で貪食能を評価した。
/well(250μL)ずつまき、MDL−A 68
μM、IL−6 12.5U/mL添加し、72時間、
37℃、5%CO2 下でインキュベートした。そこに、
1×109 個オプソニン化した蛍光ビーズを加え、更に
24時間、37℃、5%CO2 下でインキュベートした
後、フローサイトメーター(ベックマンコールター社
製、米国)で貪食能を評価した。
【0036】4.IL−4によるFcεRII(CD2
3)発現 U937細胞は10%FCS−RPMI−1640培地
で継代した。これをHanks液で2回洗浄した後、5
×105 cell/mLにRPMI培地で調整し、24
穴平底プレートに200μLで播種し、MDL−A 6
8μM、IL−4 10ng/mLを添加し、最終容量
を500μLとし、37℃、5%CO2下、48時間イ
ンキュベートした。これにフルオレセインイソチオシア
ネート(以下、FITCと称する)標識抗CD23抗体
2μg/10μLを添加し、常法にしたがって染色、洗
浄し、PBS(−)緩衝液1mLに懸濁後、フローサイ
トメーター(ベックマンコールター社製、米国)で測定
した。
3)発現 U937細胞は10%FCS−RPMI−1640培地
で継代した。これをHanks液で2回洗浄した後、5
×105 cell/mLにRPMI培地で調整し、24
穴平底プレートに200μLで播種し、MDL−A 6
8μM、IL−4 10ng/mLを添加し、最終容量
を500μLとし、37℃、5%CO2下、48時間イ
ンキュベートした。これにフルオレセインイソチオシア
ネート(以下、FITCと称する)標識抗CD23抗体
2μg/10μLを添加し、常法にしたがって染色、洗
浄し、PBS(−)緩衝液1mLに懸濁後、フローサイ
トメーター(ベックマンコールター社製、米国)で測定
した。
【0037】5.IL−8による細胞遊走活性
健常成人男子より採血し、常法に従いデキストランT5
00、Ficol遠心分離法により好中球を分離した。
得られた好中球は、カルボキシフルオレセインジアセテ
ートサクシニルエステル(以下、CSFEと称する)に
より蛍光標識された。ボイデンチャンバー上室に68μ
MのMDL−Aと1×109 個の好中球を添加した。2
0ng/mLのIL−8はボイデンチャンバー(Boy
denchamber)下室に添加した。次いで37
℃、5%CO2 下、4時間インキュベートした後、ボイ
デンチャンバー下室の液を回収し、遠心分離後、沈渣の
蛍光を測定した。
00、Ficol遠心分離法により好中球を分離した。
得られた好中球は、カルボキシフルオレセインジアセテ
ートサクシニルエステル(以下、CSFEと称する)に
より蛍光標識された。ボイデンチャンバー上室に68μ
MのMDL−Aと1×109 個の好中球を添加した。2
0ng/mLのIL−8はボイデンチャンバー(Boy
denchamber)下室に添加した。次いで37
℃、5%CO2 下、4時間インキュベートした後、ボイ
デンチャンバー下室の液を回収し、遠心分離後、沈渣の
蛍光を測定した。
【0038】6.TNF−αによる細胞増殖抑制試験
96穴丸底プレートにU937細胞を1×105 cel
ls/well(200μL)ずつまき、1時間後、M
DL−A 68μM添加し、3時間、37℃、5%CO
2 下でインキュベートした。そこに、TNF−α 20
ng/mL添加し、72時間、37℃、5%CO2 下で
インキュベートした。細胞増殖の測定は、MTT法によ
り行った。細胞培養液中にMTT試薬(5mg/mL)
を20μL/wellで添加し、4時間培養後、4℃、
1000rpm、5分間遠心し、培養上清を捨てた。
ls/well(200μL)ずつまき、1時間後、M
DL−A 68μM添加し、3時間、37℃、5%CO
2 下でインキュベートした。そこに、TNF−α 20
ng/mL添加し、72時間、37℃、5%CO2 下で
インキュベートした。細胞増殖の測定は、MTT法によ
り行った。細胞培養液中にMTT試薬(5mg/mL)
を20μL/wellで添加し、4時間培養後、4℃、
1000rpm、5分間遠心し、培養上清を捨てた。
【0039】次に、各wellにジメチルスルホキシド
100μLを加えて、マイクロミキサーで15分間攪拌
したのち、MTT試薬により生成されたホルマザンを溶
出した。これを96穴マルチプレートリーダー[Tit
ertek Multiskan PLUS MKII
(大日本製薬社製)]を用いて測定波長540nm、対
照波長620nmで比色定量した。TNF−α無添加の
ウェルを100%として細胞増殖率を算出した。
100μLを加えて、マイクロミキサーで15分間攪拌
したのち、MTT試薬により生成されたホルマザンを溶
出した。これを96穴マルチプレートリーダー[Tit
ertek Multiskan PLUS MKII
(大日本製薬社製)]を用いて測定波長540nm、対
照波長620nmで比色定量した。TNF−α無添加の
ウェルを100%として細胞増殖率を算出した。
【0040】本MDL−Aの各種サイトカインや成長因
子に対する選択特異性は下記のとおりである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サイトカイン 細胞 活性 IC50(μM) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ IL−2 CTLL−2 細胞増殖 >70 IL−3 Baf3 細胞増殖 >70 IL−4 U937 FcεRII 発現 >70 IL−6 MH−60 細胞増殖 8.2 PC12 神経分化 4.3 M1 分化(マクロファージ様) 14.5 卵巣細胞 破骨発生 3.8 IL−8 PMNLs 細胞遊走活性 >70 TNF U937 成長抑制 >70 NGF PC12 神経分化 >70 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
子に対する選択特異性は下記のとおりである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サイトカイン 細胞 活性 IC50(μM) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ IL−2 CTLL−2 細胞増殖 >70 IL−3 Baf3 細胞増殖 >70 IL−4 U937 FcεRII 発現 >70 IL−6 MH−60 細胞増殖 8.2 PC12 神経分化 4.3 M1 分化(マクロファージ様) 14.5 卵巣細胞 破骨発生 3.8 IL−8 PMNLs 細胞遊走活性 >70 TNF U937 成長抑制 >70 NGF PC12 神経分化 >70 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0041】尚、上記細胞の略号名は下記の通りであ
る。CTLL−2;細胞障害性マウスT細胞株(IL−
2感受性)、Baf3;ヒトプロB細胞株(IL−3感
受性)、U937;ヒト組織球性リンパ腫(TNF感受
性)、MH−60;マウス骨髄細胞由来のIL−6依存
性MH−60、PC12;ラット副腎髄質褐色細胞腫
(NGF感受性)、M1;マウス骨髄芽球様白血病細胞
株(IL−6感受性)、PMNLs;ヒト多核性白血球
(IL−8感受性)を意味する。
る。CTLL−2;細胞障害性マウスT細胞株(IL−
2感受性)、Baf3;ヒトプロB細胞株(IL−3感
受性)、U937;ヒト組織球性リンパ腫(TNF感受
性)、MH−60;マウス骨髄細胞由来のIL−6依存
性MH−60、PC12;ラット副腎髄質褐色細胞腫
(NGF感受性)、M1;マウス骨髄芽球様白血病細胞
株(IL−6感受性)、PMNLs;ヒト多核性白血球
(IL−8感受性)を意味する。
【0042】MDL−Aの各種サイトカインや成長因子
に対する選択特異性は、IL−2、IL−3、TNFに
よる細胞増殖、IL−4刺激により誘導されるFcεR
II発現、IL−8による好中球の細胞遊走活性、NG
FによるPC12細胞の神経分化等に対して阻害しなか
った。一方において、MDL−AはIL−6によるMH
60細胞の増殖のみならず、PC12細胞、M1細胞、
骨髄幹細胞の各機能細胞への分化を顕著に抑制した。こ
れらの結果は、MDL−AがIL−6の作用を、幼弱化
活性化プロテインキナーゼ(以下、MAPKと称する)
が関与している細胞増殖作用のみならず、STATが関
与する情報伝達系による分化をも特異的に抑制すること
を示している。
に対する選択特異性は、IL−2、IL−3、TNFに
よる細胞増殖、IL−4刺激により誘導されるFcεR
II発現、IL−8による好中球の細胞遊走活性、NG
FによるPC12細胞の神経分化等に対して阻害しなか
った。一方において、MDL−AはIL−6によるMH
60細胞の増殖のみならず、PC12細胞、M1細胞、
骨髄幹細胞の各機能細胞への分化を顕著に抑制した。こ
れらの結果は、MDL−AがIL−6の作用を、幼弱化
活性化プロテインキナーゼ(以下、MAPKと称する)
が関与している細胞増殖作用のみならず、STATが関
与する情報伝達系による分化をも特異的に抑制すること
を示している。
【0043】また、サイトカインは他のレセプター機構
と異なり、以下のサブユニットを共有している。 (1)γ鎖を共有(share)するIL−2タイプの
サイトカインであるIL−4、IL−7、IL−9、I
L−15。 (2)β鎖を共有(share)するIL−3タイプの
サイトカインであるIL−3、IL−5、グラニュロサ
イト マクロファージ コロニー スティミュレーティ
ング ファクター(以下、G−MCSFと称する)。 (3)gp130を共有(share)するIL−6タ
イプのサイトカインであるIL−11、OSM、カルヂ
オトロピン−1(以下、CT−1と称する)、毛様体神
経親和性因子(以下、CNTFと称する)。
と異なり、以下のサブユニットを共有している。 (1)γ鎖を共有(share)するIL−2タイプの
サイトカインであるIL−4、IL−7、IL−9、I
L−15。 (2)β鎖を共有(share)するIL−3タイプの
サイトカインであるIL−3、IL−5、グラニュロサ
イト マクロファージ コロニー スティミュレーティ
ング ファクター(以下、G−MCSFと称する)。 (3)gp130を共有(share)するIL−6タ
イプのサイトカインであるIL−11、OSM、カルヂ
オトロピン−1(以下、CT−1と称する)、毛様体神
経親和性因子(以下、CNTFと称する)。
【0044】MDL−AがIL−6の反応を特異的に抑
制することは前述した通りであるが、IL−6と同様の
活性を示すgp130を共有サブユニットとするIL−
6タイプのサイトカイン等に対する作用は不明である。
そこで、gp130を共有サブユニットとするIL−6
タイプのサイトカインの作用について検討する。IL−
6タイプのサイトカインは特異的なJAK/STATの
情報伝達系を有しているが、IL−6タイプのサイトカ
インのレセプターは2種類に分けられる。すなわち、g
p130の同種2量体化を必須とするIL−6、IL−
11と、特異的サイトカインレセプターとgp130と
の異種2量体化を必要とするLIF、OSM、CT−
1、CNTFに分類される。
制することは前述した通りであるが、IL−6と同様の
活性を示すgp130を共有サブユニットとするIL−
6タイプのサイトカイン等に対する作用は不明である。
そこで、gp130を共有サブユニットとするIL−6
タイプのサイトカインの作用について検討する。IL−
6タイプのサイトカインは特異的なJAK/STATの
情報伝達系を有しているが、IL−6タイプのサイトカ
インのレセプターは2種類に分けられる。すなわち、g
p130の同種2量体化を必須とするIL−6、IL−
11と、特異的サイトカインレセプターとgp130と
の異種2量体化を必要とするLIF、OSM、CT−
1、CNTFに分類される。
【0045】従って、これら2種のIL−6タイプのサ
イトカインに対するMDL−Aの反応の違いによってM
DL−Aの作用機序を推測することができる。例えば、
M1細胞は、gp130の同種2量体化を必須とするI
L−6或いはLIFの刺激により貪食能を有したマクロ
ファージ様細胞に分化する。そこで、マクロファージ様
細胞に対するM1細胞のIL−6またはLIF分化誘導
に対するMDL−Aの効果について検討を行った。検討
法は以下に従った。
イトカインに対するMDL−Aの反応の違いによってM
DL−Aの作用機序を推測することができる。例えば、
M1細胞は、gp130の同種2量体化を必須とするI
L−6或いはLIFの刺激により貪食能を有したマクロ
ファージ様細胞に分化する。そこで、マクロファージ様
細胞に対するM1細胞のIL−6またはLIF分化誘導
に対するMDL−Aの効果について検討を行った。検討
法は以下に従った。
【0046】24穴プレートにM1細胞を5×105 細
胞/250μL/wellでまき、IL−6の50ng
/mLあるいはLIFの5ng/mLの存在下、あるい
は不在下にMDL−Aを70μM添加、あるいは非添加
で72時間、37℃、5%CO2 下でインキュベートし
た。次いで、1×109 個のオプソニン(opsoni
n)化した蛍光ビーズを加え、24時間、37℃、5%
CO2 下でインキュベートした。未反応のビーズを洗浄
後、フローサイトメーター(ベックマンコールター社
製、米国)で貪食能を測定した。
胞/250μL/wellでまき、IL−6の50ng
/mLあるいはLIFの5ng/mLの存在下、あるい
は不在下にMDL−Aを70μM添加、あるいは非添加
で72時間、37℃、5%CO2 下でインキュベートし
た。次いで、1×109 個のオプソニン(opsoni
n)化した蛍光ビーズを加え、24時間、37℃、5%
CO2 下でインキュベートした。未反応のビーズを洗浄
後、フローサイトメーター(ベックマンコールター社
製、米国)で貪食能を測定した。
【0047】マクロファージ様細胞へのM1細胞のIL
−6またはLIF分化誘導に対するMDL−Aの効果の
測定結果は、下記に示す通りである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 処理 分類(%) 未分化 分化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無処理 83.4±4.6 11.3±0.2 MDL−A,70μM 72.4±6.7 13.9±1.2 IL−6,50ng/mL 30.4±4.2 48.3±8.6 +MDL−A,70μM 57.7±4.3 26.4±3.5 LIF,5ng/mL 28.8±5.6 50.4±8.9 +MDL−A,70μM 33.1±4.4 48.3±7.6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
−6またはLIF分化誘導に対するMDL−Aの効果の
測定結果は、下記に示す通りである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 処理 分類(%) 未分化 分化 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無処理 83.4±4.6 11.3±0.2 MDL−A,70μM 72.4±6.7 13.9±1.2 IL−6,50ng/mL 30.4±4.2 48.3±8.6 +MDL−A,70μM 57.7±4.3 26.4±3.5 LIF,5ng/mL 28.8±5.6 50.4±8.9 +MDL−A,70μM 33.1±4.4 48.3±7.6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0048】上記の測定結果から、IL−6の50ng
/mL刺激により分化したM1細胞の増加はMDL−A
の70μMの処理により減少した。しかしながら、LI
Fの5ng/mLの刺激による増加は、同濃度のMDL
−Aでは抑制されなかった。そこで、M1細胞分化に対
するIL−6とLIFとの作用の違いについて検討する
ことにする。
/mL刺激により分化したM1細胞の増加はMDL−A
の70μMの処理により減少した。しかしながら、LI
Fの5ng/mLの刺激による増加は、同濃度のMDL
−Aでは抑制されなかった。そこで、M1細胞分化に対
するIL−6とLIFとの作用の違いについて検討する
ことにする。
【0049】IL−6レセプターとLIFレセプターは
共にgp130を共有サブユニットに持つIL−6レセ
プターファミリーである。IL−6はIL−6レセプタ
ーと結合した後gp130と結合し、形成された3量体
は別の3量体とgp130同士で会合して6量体を形成
し、2量体を形成したgp130によるJAKの活性化
とSTATのリン酸化を介して核内へ情報を伝達する。
一方、LIFはLIFレセプター、gp130と結合す
る。しかしながら、LIFの場合はIL−6と異なり、
6量体は形成せず、同じJAK/STATの情報伝達系
を使って、核内に情報を伝達する。
共にgp130を共有サブユニットに持つIL−6レセ
プターファミリーである。IL−6はIL−6レセプタ
ーと結合した後gp130と結合し、形成された3量体
は別の3量体とgp130同士で会合して6量体を形成
し、2量体を形成したgp130によるJAKの活性化
とSTATのリン酸化を介して核内へ情報を伝達する。
一方、LIFはLIFレセプター、gp130と結合す
る。しかしながら、LIFの場合はIL−6と異なり、
6量体は形成せず、同じJAK/STATの情報伝達系
を使って、核内に情報を伝達する。
【0050】IL−6やLIF刺激によるM1細胞分化
経路は形成される受容体複合体以外は共通である。両者
における相違点は、IL−6の反応においてはIL−6
/IL−6R/gp130同士のgp130を介した6
量体を、一方、LIFの反応においてはLIFレセプタ
ーとgp130との3量体を形成することである。上記
の結果より、M1細胞分化誘導においてMDL−AはL
IFではなく、IL−6刺激による分化誘導のみを阻害
したことから、受容体複合体形成、とくにgp130の
2量体化による6量体形成を抑制することによって、I
L−6の作用を阻害していることが示唆された。
経路は形成される受容体複合体以外は共通である。両者
における相違点は、IL−6の反応においてはIL−6
/IL−6R/gp130同士のgp130を介した6
量体を、一方、LIFの反応においてはLIFレセプタ
ーとgp130との3量体を形成することである。上記
の結果より、M1細胞分化誘導においてMDL−AはL
IFではなく、IL−6刺激による分化誘導のみを阻害
したことから、受容体複合体形成、とくにgp130の
2量体化による6量体形成を抑制することによって、I
L−6の作用を阻害していることが示唆された。
【0051】更に、サイトカイン特有の情報伝達系であ
るJAK/STATにも数種のサブユニットタイプがあ
り、その組み合わせでサイトカインに特異的な情報伝達
を制御していることが知られている。例えば、IL−6
タイプのサイトカインではジェーナスキナーゼ1(以
下、JAK1と称する)、ジェーナスキナーゼ2(以
下、JAK2と称する)、STAT3のキナーゼのサブ
ユニットが関与している。[Lutticken,C.
et al.Association of tran
scription factor APRF and
proteinkinase Jak1 with
the interleukin−6 signal
transducer,gp130.Science,
263,89−92(1994)]。
るJAK/STATにも数種のサブユニットタイプがあ
り、その組み合わせでサイトカインに特異的な情報伝達
を制御していることが知られている。例えば、IL−6
タイプのサイトカインではジェーナスキナーゼ1(以
下、JAK1と称する)、ジェーナスキナーゼ2(以
下、JAK2と称する)、STAT3のキナーゼのサブ
ユニットが関与している。[Lutticken,C.
et al.Association of tran
scription factor APRF and
proteinkinase Jak1 with
the interleukin−6 signal
transducer,gp130.Science,
263,89−92(1994)]。
【0052】そこで、細胞外ドメインに顆粒球コロニー
刺激因子レセプター(以下、GCSFRと称する)を、
細胞内ドメインにBOX1,2構造(gp130の細胞
内リン酸化部位)のJAK2を組み込んだGCSFR−
gp130キメラレセプターを発現したBaf3/GC
SFR−gp130細胞を用いてJAK2/STAT3
に対するMDL−Aの効果を検討した。その検討は以下
の方法に従った。
刺激因子レセプター(以下、GCSFRと称する)を、
細胞内ドメインにBOX1,2構造(gp130の細胞
内リン酸化部位)のJAK2を組み込んだGCSFR−
gp130キメラレセプターを発現したBaf3/GC
SFR−gp130細胞を用いてJAK2/STAT3
に対するMDL−Aの効果を検討した。その検討は以下
の方法に従った。
【0053】共有サブユニットgp130及びIL−6
の特異的情報伝達系JAK/STATについて検討する
ため、遺伝子操作により細胞外にGCSFの細胞外ドメ
インを、細胞内にgp130の細胞内ドメインを持つキ
メラレセプターを発現させたBaf3細胞を作製した。
このキメラ細胞はIL−6には反応せず、GCSFの刺
激で反応し、増殖する。従って、レセプター複合体形成
に関わりなく、情報伝達系であるJAK/STATに対
する効果を検討することができる。
の特異的情報伝達系JAK/STATについて検討する
ため、遺伝子操作により細胞外にGCSFの細胞外ドメ
インを、細胞内にgp130の細胞内ドメインを持つキ
メラレセプターを発現させたBaf3細胞を作製した。
このキメラ細胞はIL−6には反応せず、GCSFの刺
激で反応し、増殖する。従って、レセプター複合体形成
に関わりなく、情報伝達系であるJAK/STATに対
する効果を検討することができる。
【0054】キメラレセプター細胞(Baf3/GCS
FR−gp130、104 cells/100μL/w
ell)を80μMのMDL−Aの存在下あるいは不在
下に、100ng/mLのGCSFあるいは50ng/
mLのIL−6を添加し、5%CO2 下、37℃で72
時間インキュベートした。次いで、5mg/mLのMT
T試薬を20μL添加し、4時間、37℃でインキュベ
ートした。遠心分離後、染色した細胞を100μLのジ
メチルスルホキシド溶液で溶解し、645nmの吸光度
を96穴マルチプレートリーダー(Titertek
Multiskan Plus MKII、大日本製薬
社製)により測定した。測定結果は以下の通りであっ
た。
FR−gp130、104 cells/100μL/w
ell)を80μMのMDL−Aの存在下あるいは不在
下に、100ng/mLのGCSFあるいは50ng/
mLのIL−6を添加し、5%CO2 下、37℃で72
時間インキュベートした。次いで、5mg/mLのMT
T試薬を20μL添加し、4時間、37℃でインキュベ
ートした。遠心分離後、染色した細胞を100μLのジ
メチルスルホキシド溶液で溶解し、645nmの吸光度
を96穴マルチプレートリーダー(Titertek
Multiskan Plus MKII、大日本製薬
社製)により測定した。測定結果は以下の通りであっ
た。
【0055】キメラレセプター細胞のJAK/STAT
情報伝達系に対するMDL−Aの効果の測定結果は、下
記に示す通りである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細 胞 増 殖(%) 作用因子 MDL−A,0μM MDL−A,80μM ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ GCSF,0ng/mL 21.2±0.5 18.4±1.1 GCSF,100ng/mL 100.0 108.6±6.9 +GCSF抗体,3μg/mL 18.9±0.2 20.3±1.4 +チロフォスチンAG490,10μg/mL 13.5±1.8 15.8±1.8 IL−3,20ng/mL 125.7±10.3 130.1±12.4 IL−6, 50ng/mL 23.5±1.7 20.6±1.4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
情報伝達系に対するMDL−Aの効果の測定結果は、下
記に示す通りである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細 胞 増 殖(%) 作用因子 MDL−A,0μM MDL−A,80μM ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ GCSF,0ng/mL 21.2±0.5 18.4±1.1 GCSF,100ng/mL 100.0 108.6±6.9 +GCSF抗体,3μg/mL 18.9±0.2 20.3±1.4 +チロフォスチンAG490,10μg/mL 13.5±1.8 15.8±1.8 IL−3,20ng/mL 125.7±10.3 130.1±12.4 IL−6, 50ng/mL 23.5±1.7 20.6±1.4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0056】上記の測定結果が示すように、GCSFの
100ng/mL添加時の細胞増殖を100%としたと
き、GCSFモノクロナール抗体の3μg/mL、JA
K2阻害剤、チロフォスチンAG490の10μg/m
Lの処理による細胞増殖は、それぞれ完全に抑制され
た。この結果から、この実験系がGCSFの刺激により
JAK/STATの情報伝達系を介して反応しているこ
とが確認された。GCSFの100ng/mL刺激によ
る細胞増殖は、MDL−Aの80μMの添加により抑制
されなかった。
100ng/mL添加時の細胞増殖を100%としたと
き、GCSFモノクロナール抗体の3μg/mL、JA
K2阻害剤、チロフォスチンAG490の10μg/m
Lの処理による細胞増殖は、それぞれ完全に抑制され
た。この結果から、この実験系がGCSFの刺激により
JAK/STATの情報伝達系を介して反応しているこ
とが確認された。GCSFの100ng/mL刺激によ
る細胞増殖は、MDL−Aの80μMの添加により抑制
されなかった。
【0057】更に、前記の測定結果が示すように、ヒト
プロB細胞株はIL−3依存的であることから、IL−
3の20ng/mLの添加によっても増殖するが、MD
L−Aはこの増殖にも影響しなかった。キメラレセプタ
ー細胞は、過剰のIL−6の50ng/mL添加によっ
ても増殖しなかった。これらの結果は、MDL−Aが顆
粒球コロニー刺激レセプターには作用せず、更に細胞内
ドメインのJAK/STATにも作用していないことを
明確に示している。これらの結果より、MDL−Aの作
用部位は情報伝達系及び、リン酸化や転写ではないこと
が示唆されたことからレセプター機構について検討する
必要がある。
プロB細胞株はIL−3依存的であることから、IL−
3の20ng/mLの添加によっても増殖するが、MD
L−Aはこの増殖にも影響しなかった。キメラレセプタ
ー細胞は、過剰のIL−6の50ng/mL添加によっ
ても増殖しなかった。これらの結果は、MDL−Aが顆
粒球コロニー刺激レセプターには作用せず、更に細胞内
ドメインのJAK/STATにも作用していないことを
明確に示している。これらの結果より、MDL−Aの作
用部位は情報伝達系及び、リン酸化や転写ではないこと
が示唆されたことからレセプター機構について検討する
必要がある。
【0058】そこで、レセプター機構の実験には、IL
−6Rを多く発現しているU266細胞(ヒト)の細胞
破砕液を用いた。図1のAに示すように、抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後、抗gp130抗体
でブロッティングした。IL−6添加によりMDL−A
処理([ 3H]MDL−A、0.1μgを含む)、未処
理の、いずれの場合もgp130のバンドが観察された
ことから、MDL−AはIL−6/IL−6R/gp1
30の複合体の形成を阻害しないことが示された。しか
しながら、図1のBに示したように、オートラヂオグラ
フィーにより、gp130に相当する位置に明瞭な[ 3
H]MDL−Aによるバンドが認められ、更に過剰の非
放射性標識MDL−A添加によりバンドの減少が観察さ
れた。
−6Rを多く発現しているU266細胞(ヒト)の細胞
破砕液を用いた。図1のAに示すように、抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後、抗gp130抗体
でブロッティングした。IL−6添加によりMDL−A
処理([ 3H]MDL−A、0.1μgを含む)、未処
理の、いずれの場合もgp130のバンドが観察された
ことから、MDL−AはIL−6/IL−6R/gp1
30の複合体の形成を阻害しないことが示された。しか
しながら、図1のBに示したように、オートラヂオグラ
フィーにより、gp130に相当する位置に明瞭な[ 3
H]MDL−Aによるバンドが認められ、更に過剰の非
放射性標識MDL−A添加によりバンドの減少が観察さ
れた。
【0059】一方、図1のCに示すIL−6Rのオート
ラヂオグラフィーを示す図1のDには、IL−6R相当
部分にはバンドは認められなかった。これらの結果は、
MDL−Aがgp130と競合的に結合するが、IL−
6/IL−6R/gp130の複合体の形成は阻害して
いないことを明瞭に示している。なお、STAT3抗体
による免疫沈降法とフォスホチロシンキナーゼ抗体によ
るブロッテイング法よりMDL−AはSTAT3を阻害
しないことが確認された。
ラヂオグラフィーを示す図1のDには、IL−6R相当
部分にはバンドは認められなかった。これらの結果は、
MDL−Aがgp130と競合的に結合するが、IL−
6/IL−6R/gp130の複合体の形成は阻害して
いないことを明瞭に示している。なお、STAT3抗体
による免疫沈降法とフォスホチロシンキナーゼ抗体によ
るブロッテイング法よりMDL−AはSTAT3を阻害
しないことが確認された。
【0060】MDL−AはIL−6/IL−6R/gp
130の複合体の形成を阻害しないことについて検討す
る。U266細胞破砕液にIL−6を添加していること
から、IL−6/IL−6R/gp130複合体が形成
される。この反応液を抗IL−6R抗体で免疫沈降して
いるのでIL−6R、IL−6/IL−6R複合体およ
びIL−6/IL−6R/gp130複合体がそれぞれ
沈降する。沈降物を電気泳動し、抗gp130抗体でウ
ェスタン ブロッティング(westernblott
ing)した。その結果、染色されたのはIL−6/I
L−6R/gp130複合体のみである。
130の複合体の形成を阻害しないことについて検討す
る。U266細胞破砕液にIL−6を添加していること
から、IL−6/IL−6R/gp130複合体が形成
される。この反応液を抗IL−6R抗体で免疫沈降して
いるのでIL−6R、IL−6/IL−6R複合体およ
びIL−6/IL−6R/gp130複合体がそれぞれ
沈降する。沈降物を電気泳動し、抗gp130抗体でウ
ェスタン ブロッティング(westernblott
ing)した。その結果、染色されたのはIL−6/I
L−6R/gp130複合体のみである。
【0061】MDL−AがIL−6/IL−6R/gp
130複合体の形成を阻害すれば、gp130のバンド
は減少あるいは消失するはずであるが、そのような結果
が得られなかったことから、MDL−Aは、3量体形成
には影響しないことが示された。更に、[3 H]MDL
−Aを同時に添加したオートラヂオグラフィーの結果よ
り、gp130のバンドに一致して[3 H]MDL−A
の活性が認められた。これらの結果は、MDL−Aが3
量体形成は阻害しないが、gp130に結合しているこ
とを明確に示している。従って、MDL−Aが細胞内情
報伝達系JAK/STATには影響しないこと、gp1
30の2量体化を介した6量体を形成するIL−6やI
L−11の活性を選択的に抑制すること、からMDL−
AのIL−6阻害作用はgp130に作用して6量体形
成を阻害することが示唆される。
130複合体の形成を阻害すれば、gp130のバンド
は減少あるいは消失するはずであるが、そのような結果
が得られなかったことから、MDL−Aは、3量体形成
には影響しないことが示された。更に、[3 H]MDL
−Aを同時に添加したオートラヂオグラフィーの結果よ
り、gp130のバンドに一致して[3 H]MDL−A
の活性が認められた。これらの結果は、MDL−Aが3
量体形成は阻害しないが、gp130に結合しているこ
とを明確に示している。従って、MDL−Aが細胞内情
報伝達系JAK/STATには影響しないこと、gp1
30の2量体化を介した6量体を形成するIL−6やI
L−11の活性を選択的に抑制すること、からMDL−
AのIL−6阻害作用はgp130に作用して6量体形
成を阻害することが示唆される。
【0062】更にまた、IL−6は3個のトポロジー的
な結合サイト1、2および3を持ち、結合サイト1を介
してIL−6Rと、結合サイト2を介してgp130
(第一gp130)と結合し、IL−6/IL−6R/
gp130の3量体複合体を形成する。次いで、3量体
複合体はgp130の同種2量体化を誘導して6量体複
合体を形成し、JAK/STATの情報伝達系の活性化
へと導く。
な結合サイト1、2および3を持ち、結合サイト1を介
してIL−6Rと、結合サイト2を介してgp130
(第一gp130)と結合し、IL−6/IL−6R/
gp130の3量体複合体を形成する。次いで、3量体
複合体はgp130の同種2量体化を誘導して6量体複
合体を形成し、JAK/STATの情報伝達系の活性化
へと導く。
【0063】これまで不明とされていたIL−6の結合
サイト3の役割が3量体を形成したgp130(第二g
p130)と結合し、6量体レセプター複合体の安定化
への寄与であることが提唱された[Paonessa,
G.et al.Two distinct and
independent sites on IL−6
trigger gp130 dimer form
ation andsignaling.EMBO
J.14,1942−1955)]。以上の結果より、
MDL−Aの作用機序はgp130に存在するIL−6
サイト3のリガンドに結合し、gp130の同種2量体
化を阻害してIL−6やIL−11の作用を抑制するこ
とが解明された。
サイト3の役割が3量体を形成したgp130(第二g
p130)と結合し、6量体レセプター複合体の安定化
への寄与であることが提唱された[Paonessa,
G.et al.Two distinct and
independent sites on IL−6
trigger gp130 dimer form
ation andsignaling.EMBO
J.14,1942−1955)]。以上の結果より、
MDL−Aの作用機序はgp130に存在するIL−6
サイト3のリガンドに結合し、gp130の同種2量体
化を阻害してIL−6やIL−11の作用を抑制するこ
とが解明された。
【0064】MDL−Aは、マウス頭頂骨細胞と大腿骨
細胞との共培養系においてIL−6誘導破骨細胞新生を
阻害したことから、IL−6と同様にgp130の2量
体化形成を必須とするIL−11の反応も抑制すること
が推測された。図2のAに示したIL−6の20ng/
mLとIL−6Rの50ng/mLとを同時添加した場
合、および図2のBに示したIL−11の10ng/m
Lの添加の場合により酒石酸抵抗性酸性フォスファター
ゼ陽性(TRAP陽性)の多核細胞、破骨細胞がそれぞ
れ観察された。これらの破骨細胞新生は、それぞれMD
L−Aの用量依存的に抑制された。
細胞との共培養系においてIL−6誘導破骨細胞新生を
阻害したことから、IL−6と同様にgp130の2量
体化形成を必須とするIL−11の反応も抑制すること
が推測された。図2のAに示したIL−6の20ng/
mLとIL−6Rの50ng/mLとを同時添加した場
合、および図2のBに示したIL−11の10ng/m
Lの添加の場合により酒石酸抵抗性酸性フォスファター
ゼ陽性(TRAP陽性)の多核細胞、破骨細胞がそれぞ
れ観察された。これらの破骨細胞新生は、それぞれMD
L−Aの用量依存的に抑制された。
【0065】破骨細胞の実験には新生児マウス頭頂骨細
胞を用い骨髄細胞と共培養下でのサイトカイン誘導によ
る破骨細胞分化を指標としてMDL−Aの効果を検討し
た。IL−6、IL−11のいずれの刺激においても破
骨細胞分化が顕著に観察された。更に具体的に観察する
と、図3のAはIL−11が40ng/mL投与された
場合であり、大きく分化した細胞が観察された。図3の
BはIL−11が40ng/mL+MDL−Aが50μ
g/mL投与された場合であり、分化誘導作用が抑制さ
れていることが観察された。
胞を用い骨髄細胞と共培養下でのサイトカイン誘導によ
る破骨細胞分化を指標としてMDL−Aの効果を検討し
た。IL−6、IL−11のいずれの刺激においても破
骨細胞分化が顕著に観察された。更に具体的に観察する
と、図3のAはIL−11が40ng/mL投与された
場合であり、大きく分化した細胞が観察された。図3の
BはIL−11が40ng/mL+MDL−Aが50μ
g/mL投与された場合であり、分化誘導作用が抑制さ
れていることが観察された。
【0066】同様に、図3のCはIL−6が50U/m
L+IL−6Rが50ng/mL投与された場合であ
り、大きく分化した細胞が観察された。図3のDはIL
−6が50U/mL+IL−6Rが50ng/mL+M
DL−Aが50μg/mL投与された場合であり、分化
誘導作用が抑制されていることが観察された。従って、
MDL−Aは、IL−6、IL−11共通の刺激伝達系
に対して阻害することが示唆された。
L+IL−6Rが50ng/mL投与された場合であ
り、大きく分化した細胞が観察された。図3のDはIL
−6が50U/mL+IL−6Rが50ng/mL+M
DL−Aが50μg/mL投与された場合であり、分化
誘導作用が抑制されていることが観察された。従って、
MDL−Aは、IL−6、IL−11共通の刺激伝達系
に対して阻害することが示唆された。
【0067】ホルモン依存性骨粗鬆症は、通常は17β
−エストラジオールの産生によりIL−6が抑制される
が、閉経後はホルモンバランスが崩れ、増加したIL−
6により骨粗鬆症が誘発されることが提唱されている。
[Atkins,G.J.et al.Coordin
ated cytokine expressionb
y stromal and hemotopoiet
ic cellsduring human oste
oclast formation.Bone,26,
653−661(2000)、Papadopoulo
s,N.G.,Georganas,K.,Skout
ellas,V.,Konstantellos,E.
& Lyritis,G.P.Correlation
of interleukin−6 serum l
evels with bone density i
n postmenopausal women.Cl
in.Rheumatol.16,162−165(1
997)]。
−エストラジオールの産生によりIL−6が抑制される
が、閉経後はホルモンバランスが崩れ、増加したIL−
6により骨粗鬆症が誘発されることが提唱されている。
[Atkins,G.J.et al.Coordin
ated cytokine expressionb
y stromal and hemotopoiet
ic cellsduring human oste
oclast formation.Bone,26,
653−661(2000)、Papadopoulo
s,N.G.,Georganas,K.,Skout
ellas,V.,Konstantellos,E.
& Lyritis,G.P.Correlation
of interleukin−6 serum l
evels with bone density i
n postmenopausal women.Cl
in.Rheumatol.16,162−165(1
997)]。
【0068】そこで、閉経後骨粗鬆症(postmen
opausal osteoporosis)モデルの
実験動物モデルである卵巣摘出(Ovariectom
yOVX)マウスを用いて骨吸収に対するMDL−Aの
効果を、以下の実施例により検討した。
opausal osteoporosis)モデルの
実験動物モデルである卵巣摘出(Ovariectom
yOVX)マウスを用いて骨吸収に対するMDL−Aの
効果を、以下の実施例により検討した。
【0069】
【実施例】本発明に用いられるMDL−Aの化合物は、
[Sunazuka,T.etal.Total Sy
nthesis of(+)−Madindoline
A and(−)−Mdindoline B,Pot
ent,Selective Inhibitors
of Interleukin 6.Determin
ation of the Relative and
Absolute Configurations
(J.Am.Chem.Soc.2000,122,
9,pp.2122−2123(2000)]の文献に
記載の方法に従って調製した。
[Sunazuka,T.etal.Total Sy
nthesis of(+)−Madindoline
A and(−)−Mdindoline B,Pot
ent,Selective Inhibitors
of Interleukin 6.Determin
ation of the Relative and
Absolute Configurations
(J.Am.Chem.Soc.2000,122,
9,pp.2122−2123(2000)]の文献に
記載の方法に従って調製した。
【0070】4週齢のddy系雌性マウス(日本SLC
社より入手)をエーテル軽麻酔下に背部皮膚を切開し、
卵巣を摘出した。正常群(a)、卵巣摘出群(b)には
5%エタノールを投与した。一方、卵巣を摘出し、17
β−エストラジオール(同仁堂社製)の5μg/kgを
腹腔内投与した群(c)、MDL−Aの10mg/kg
経口投与群(d)、MDL−Aの60mg/kg投与群
(e)として、それぞれ隔日に4週間投与した。
社より入手)をエーテル軽麻酔下に背部皮膚を切開し、
卵巣を摘出した。正常群(a)、卵巣摘出群(b)には
5%エタノールを投与した。一方、卵巣を摘出し、17
β−エストラジオール(同仁堂社製)の5μg/kgを
腹腔内投与した群(c)、MDL−Aの10mg/kg
経口投与群(d)、MDL−Aの60mg/kg投与群
(e)として、それぞれ隔日に4週間投与した。
【0071】4週間後における骨量比減少の抑制、血中
Ca2+濃度増加抑制、子宮重量減少、及び血中IL−6
濃度増加抑制をそれぞれ以下の方法に従って測定した。
骨量比減少抑制は体重に対する大腿骨重量の比で表し
た。血中カルシウム濃度増加抑制や血中IL−6濃度増
加抑制はそれぞれOCPC法(オルトクレゾールフタレ
インコンプレキソン法)、ELIZA法(Enzyme
−linkedimmunosorbent assa
y)法により測定した。なお、記号*、**は卵巣摘出
群を対照として、それぞれ5%、1%の統計的有意差を
示している。実験は各群を5匹とした。
Ca2+濃度増加抑制、子宮重量減少、及び血中IL−6
濃度増加抑制をそれぞれ以下の方法に従って測定した。
骨量比減少抑制は体重に対する大腿骨重量の比で表し
た。血中カルシウム濃度増加抑制や血中IL−6濃度増
加抑制はそれぞれOCPC法(オルトクレゾールフタレ
インコンプレキソン法)、ELIZA法(Enzyme
−linkedimmunosorbent assa
y)法により測定した。なお、記号*、**は卵巣摘出
群を対照として、それぞれ5%、1%の統計的有意差を
示している。実験は各群を5匹とした。
【0072】実験結果は図4に示した通りであった。図
4のAに示した骨量比減少の抑制においては、正常群
(a)では2.19±0.13、卵巣摘出群(b)では
1.42±0.19、17β−エストラジオール投与群
(c)では2.02±0.28 * 、MDL−Aの10m
g/kg投与群(d)では1.72±0.18、MDL
−Aの60mg/kg投与群(e)では1.94±0.
27* であった。これらの結果によれば、MDL−Aは
陽性対象として用いた17β−エストラジオールと同等
の効果が示された。
4のAに示した骨量比減少の抑制においては、正常群
(a)では2.19±0.13、卵巣摘出群(b)では
1.42±0.19、17β−エストラジオール投与群
(c)では2.02±0.28 * 、MDL−Aの10m
g/kg投与群(d)では1.72±0.18、MDL
−Aの60mg/kg投与群(e)では1.94±0.
27* であった。これらの結果によれば、MDL−Aは
陽性対象として用いた17β−エストラジオールと同等
の効果が示された。
【0073】図4のBに示した血中Ca2+濃度(mg/
dL)抑制においては、正常群(a)では10.7±
0.7、卵巣摘出群(b)では14.7±2.0、17
β−エストラジオール投与群(c)では10.3±0.
5* 、MDL−Aの10mg/kg投与群(d)では1
2.9±0.9、MDL−Aの60mg/kg投与群
(e)では12.3±2.8であった。これらの結果に
よれば、MDL−Aは陽性対照とした17β−エストラ
ジオールと同様に骨吸収が起こっていることが認められ
た。
dL)抑制においては、正常群(a)では10.7±
0.7、卵巣摘出群(b)では14.7±2.0、17
β−エストラジオール投与群(c)では10.3±0.
5* 、MDL−Aの10mg/kg投与群(d)では1
2.9±0.9、MDL−Aの60mg/kg投与群
(e)では12.3±2.8であった。これらの結果に
よれば、MDL−Aは陽性対照とした17β−エストラ
ジオールと同様に骨吸収が起こっていることが認められ
た。
【0074】図4のCに示した子宮重量(mg)減少に
おいては、正常群(a)では182.9±45.3、卵
巣摘出群(b)では35.9±5.1、17β−エスト
ラジオール投与群(c)では229.9±26.
5 ** 、MDL−Aの10mg/kg投与群(d)では
41.0±6.8、MDL−Aの60mg/kg投与群
(e)では38.5±6.8であった。これらの結果に
よれば、陽性対照とした17β−エストラジオールは女
性ホルモンであることから子宮重量が増加したが、MD
L−Aにはホルモン様作用がないことが示された。
おいては、正常群(a)では182.9±45.3、卵
巣摘出群(b)では35.9±5.1、17β−エスト
ラジオール投与群(c)では229.9±26.
5 ** 、MDL−Aの10mg/kg投与群(d)では
41.0±6.8、MDL−Aの60mg/kg投与群
(e)では38.5±6.8であった。これらの結果に
よれば、陽性対照とした17β−エストラジオールは女
性ホルモンであることから子宮重量が増加したが、MD
L−Aにはホルモン様作用がないことが示された。
【0075】図4のDに示した血中IL−6濃度(pg
/mL)増加においては、正常群(a)では26.9±
11.3、卵巣摘出群(b)では391.5±76.
3、17β−エストラジオール投与群(c)では22
9.9±26.5 ** 、MDL−Aの10mg/kg投
与群(d)では41.0±6.8、MDL−Aの60m
g/kg投与群(e)では38.5±6.8であった。
これらの結果によれば、陽性対照とした17β−エスト
ラジオールはIL−6産生を増加させて骨吸収を抑制す
るが、MDL−AはIL−6産生を介さないことを示し
ている。
/mL)増加においては、正常群(a)では26.9±
11.3、卵巣摘出群(b)では391.5±76.
3、17β−エストラジオール投与群(c)では22
9.9±26.5 ** 、MDL−Aの10mg/kg投
与群(d)では41.0±6.8、MDL−Aの60m
g/kg投与群(e)では38.5±6.8であった。
これらの結果によれば、陽性対照とした17β−エスト
ラジオールはIL−6産生を増加させて骨吸収を抑制す
るが、MDL−AはIL−6産生を介さないことを示し
ている。
【0076】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、骨量比
減少の抑制、血中Ca2+濃度増加抑制、子宮重量増加お
よび血中IL−6濃度増加は、MDL−Aが、17β−
エストラジオールのごとき女性ホルモン作用を介して作
用しているのではなく、それとは全く異なる作用機序に
よって骨吸収抑制作用を示し、骨粗鬆症モデルにおいて
効果を発揮していることを示している。すなわち、細胞
を用いた実験においては破骨細胞形成を阻害し、動物実
験においては閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵
巣摘出マウスにおける骨吸収を抑制し、gp130阻害
物質が破骨細胞分化を制御して骨吸収を抑制する。従っ
て、17β−エストラジオール治療時に見られるホルモ
ン作用による子宮出血や子宮内膜癌、乳癌等のリスクの
増大、或いは骨軟化症や頻回投与による効果の低下が解
消され、骨粗鬆症の有効な治療薬として期待される。
減少の抑制、血中Ca2+濃度増加抑制、子宮重量増加お
よび血中IL−6濃度増加は、MDL−Aが、17β−
エストラジオールのごとき女性ホルモン作用を介して作
用しているのではなく、それとは全く異なる作用機序に
よって骨吸収抑制作用を示し、骨粗鬆症モデルにおいて
効果を発揮していることを示している。すなわち、細胞
を用いた実験においては破骨細胞形成を阻害し、動物実
験においては閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵
巣摘出マウスにおける骨吸収を抑制し、gp130阻害
物質が破骨細胞分化を制御して骨吸収を抑制する。従っ
て、17β−エストラジオール治療時に見られるホルモ
ン作用による子宮出血や子宮内膜癌、乳癌等のリスクの
増大、或いは骨軟化症や頻回投与による効果の低下が解
消され、骨粗鬆症の有効な治療薬として期待される。
【図1】A:U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を抗I
L−6R抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗gp13
0抗体でブロッティングした電気泳動図である。 B:U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗IL−6R抗体で
ブロッティングした電気泳動図である。 C:U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗gp130抗体で
ブロッティングしたオートラヂオグラフィーである。 D:U266細胞(ヒト)の細胞破砕気を抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗IL−6R抗体で
ブロッティングしたオートラヂオグラフィーである。
L−6R抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗gp13
0抗体でブロッティングした電気泳動図である。 B:U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗IL−6R抗体で
ブロッティングした電気泳動図である。 C:U266細胞(ヒト)の細胞破砕液を抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗gp130抗体で
ブロッティングしたオートラヂオグラフィーである。 D:U266細胞(ヒト)の細胞破砕気を抗IL−6R
抗体により免疫沈降し、電気泳動後抗IL−6R抗体で
ブロッティングしたオートラヂオグラフィーである。
【図2】A:IL−6とIL−6Rの同時添加の場合に
おける形成された破骨細胞数に対するMDL−Aの用量
依存的抑制を示すグラフである。 B:IL−11の添加の場合における形成された破骨細
胞数に対するMDL−Aの用量依存的抑制を示すグラフ
である。
おける形成された破骨細胞数に対するMDL−Aの用量
依存的抑制を示すグラフである。 B:IL−11の添加の場合における形成された破骨細
胞数に対するMDL−Aの用量依存的抑制を示すグラフ
である。
【図3】A:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵
巣摘出マウスを用いてMDL−Aの効果確認のための骨
量比減少を示すものであり、(a)は正常群、(b)は
卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、(d)及び(e)は
MDL−Aの経口投与に対するグラフである。 B:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マ
ウスを用いてMDL−Aの効果確認のための血中Ca2+
濃度増加抑制を示すものであり、(a)は正常群、
(b)は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、(d)及び
(e)はMDL−Aの経口投与に対するグラフである。 C:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マ
ウスを用いてMDL−Aの効果確認のための子宮重量減
少を示すものであり、(a)は正常群、(b)は卵巣摘
出群、(c)は陽性対象群、(d)及び(e)はMDL
−Aの経口投与に対するグラフである。 D:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マ
ウスを用いてMDL−Aの効果確認のための血中IL−
6濃度増加を示すものであり、(a)は正常群、(b)
は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、(d)及び(e)
はMDL−Aの経口投与に対するグラフである。
巣摘出マウスを用いてMDL−Aの効果確認のための骨
量比減少を示すものであり、(a)は正常群、(b)は
卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、(d)及び(e)は
MDL−Aの経口投与に対するグラフである。 B:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マ
ウスを用いてMDL−Aの効果確認のための血中Ca2+
濃度増加抑制を示すものであり、(a)は正常群、
(b)は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、(d)及び
(e)はMDL−Aの経口投与に対するグラフである。 C:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マ
ウスを用いてMDL−Aの効果確認のための子宮重量減
少を示すものであり、(a)は正常群、(b)は卵巣摘
出群、(c)は陽性対象群、(d)及び(e)はMDL
−Aの経口投与に対するグラフである。 D:閉経後骨粗鬆症モデルの実験動物である卵巣摘出マ
ウスを用いてMDL−Aの効果確認のための血中IL−
6濃度増加を示すものであり、(a)は正常群、(b)
は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、(d)及び(e)
はMDL−Aの経口投与に対するグラフである。
【図4】A:骨量比減少の抑制を示すもので、(a)は
正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、
(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラフである。 B:血中Ca2+濃度(mg/dL)の抑制を示すもの
で、(a)は正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽
性対象群、(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラ
フである。 C:子宮重量((mg)の減少を示すもので、(a)は
正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、
(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラフである。 D:血中IL−6濃度(pg/mL)の増加を示すもの
で、(a)は正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽
性対象群、(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラ
フである。
正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、
(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラフである。 B:血中Ca2+濃度(mg/dL)の抑制を示すもの
で、(a)は正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽
性対象群、(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラ
フである。 C:子宮重量((mg)の減少を示すもので、(a)は
正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽性対象群、
(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラフである。 D:血中IL−6濃度(pg/mL)の増加を示すもの
で、(a)は正常群、(b)は卵巣摘出群、(c)は陽
性対象群、(d)及び(e)はMDL−Aに対するグラ
フである。
フロントページの続き
(72)発明者 林 正彦
東京都港区白金5丁目9番1号 社団法人
北里研究所内
Fターム(参考) 4C050 AA01 AA07 BB04 CC16 EE01
FF01 GG03 HH01
4C086 AA01 AA02 CB22 MA01 MA04
NA14 ZA97 ZB11 ZC02
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式 【化1】 (式中、Hは水素、Oは酸素、Nは窒素、R及びSは絶
対立体配置を表す記号)で表されるマジンドリン−Aを
有効成分とする骨粗鬆症の予防治療剤。 - 【請求項2】 請求項1記載のマジンドリン−Aはサイ
トカイン選択的抑制を有するマジンドリン−Aを有効成
分とする骨粗鬆症の予防治療剤。 - 【請求項3】 選択的抑制が細胞内情報伝達系であるジ
ェーナスキナーゼ/情報伝達及び転写活性化因子の抑制
である請求項2に記載のマジンドリン−Aを有効成分と
する骨粗鬆症の予防治療剤。 - 【請求項4】 選択的抑制が情報伝達性130−kD糖
タンパク鎖の2量体化を介した6量体を形成するインタ
ーロイキン−6及びインターロイキン−11の活性を抑
制し、この6量体の形成を請求項1記載のマジンドリン
−Aが阻害することからなる請求項2に記載のマジンド
リン−Aを有効成分とする骨粗鬆症の予防治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001389363A JP2003183161A (ja) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | 骨粗鬆症の予防治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001389363A JP2003183161A (ja) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | 骨粗鬆症の予防治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003183161A true JP2003183161A (ja) | 2003-07-03 |
Family
ID=27597599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001389363A Pending JP2003183161A (ja) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | 骨粗鬆症の予防治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003183161A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007512284A (ja) * | 2003-11-26 | 2007-05-17 | ウニフェルシテット ベルン | 骨吸収上昇の治療のための植物抽出物 |
JP4787765B2 (ja) * | 2004-01-08 | 2011-10-05 | メディヴィル・アクチボラグ | システインプロテアーゼ阻害剤 |
-
2001
- 2001-12-21 JP JP2001389363A patent/JP2003183161A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007512284A (ja) * | 2003-11-26 | 2007-05-17 | ウニフェルシテット ベルン | 骨吸収上昇の治療のための植物抽出物 |
JP4787166B2 (ja) * | 2003-11-26 | 2011-10-05 | ウニフェルシテット ベルン | 骨吸収上昇の治療のための植物抽出物 |
JP4787765B2 (ja) * | 2004-01-08 | 2011-10-05 | メディヴィル・アクチボラグ | システインプロテアーゼ阻害剤 |
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