JP4786935B2 - 生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラム - Google Patents

生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、工場等の多工程からなる生産プロセスにおいて、複数種類の品種の製品を生産する際に、各品種の生産量を最適化する生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムに関する。
従来から、鉄鋼、アルミ、銅等の素材加工系の生産プロセスに代表される多工程から構成される生産プロセスにおいては、複数種類の品種の製品を生産する場合が多い。そして、近年の多様化した顧客ニーズに適応しながら、企業として利益を上げていくには、従来の操業改善によるコストダウンに加えて、生産する品種構成(プロダクトミックス)、即ち、各品種の生産量を最適化することにより、限られた生産資源(設備など)を有効に活用し、利益を最大化することが必要になっている。しかも、多工程・多品種型の生産プロセスでは、品種毎に要求される生産量の範囲(下限量である生産量下限値/上限量である生産量上限値)、各設備の設備能力、製造ルート(通過工程ルート)の自由度等の条件を考慮しつつ、最適な品種構成を決定することが要求される。
各設備の設備能力の範囲内で、利益を最大化する品種構成を得る技術としては、例えば、非特許文献1や特許文献1に示す技術がある。
非特許文献1に示す技術では、決定変数を各品種の生産量とし、設備負荷を不等式制約で表現し、線形計画法を用いて、利益を最大化する品種構成を求めている。
特許文献1に示す技術では、生産ラインにおけるボトルネック工程に着目し、前半の製造プロセスと後半の製造プロセスがそれぞれ複数の並列型の生産ラインから構成される場合に、前半・後半それぞれの生産ラインにおいて、どの品種を何個(何トン)作るかを、プロセス全体の利益を最大化するように決定する技術である。また、特許文献1に示す技術は、以下の特徴を持ち、結果として、各品種で使う通過工程ルートと、通過工程ルート毎の生産量を、利益の総和が最大となるように決定することができる。
・各生産ラインのボトルネック工程を事前に算出し、このボトルネック工程での利益速度(各品種の1個当たりの利益をボトルネック工程での処理時間で割った値)をもとに、利益の総和が最大化されるように各生産ラインでの製造品種と製造量を決定する。
・前半と後半の製造プロセスそれぞれにおいて、上記方法を適用することにより、プロセス全体として利益の総和が最大となる生産ラインの運用計画(各品種をどの工程でどれだけの量を作れるか)を作成する。
・各生産ラインの能力が異なる場合でも最適化を行うことができる。
・最適化計算には、線形計画法を用いることで、高速に最適解を求めることができる。
人見勝人著「生産システム工学」共立出版、1990年10月20日(第2刷発行)、p.114−115 特開2003−36296号公報
ここで、上述の非特許文献1の技術では、品種毎に使用する設備を事前に特定する必要がある。
しかしながら、実際の生産プロセスにおいては、同じ品種であっても使用できる設備(代替設備)や設備群(代替工程ルート)が複数存在する場合、すなわち、複数の作り方(工程設計)が考えられる場合が多い。例えば、下記のケースが考えられる。
・鉄、アルミ、銅等の圧延ラインにおいて、冷間圧延機が複数あり、どの圧延機でも圧延でき、どの圧延機を使うかによりパス回数(圧延回数)が異なる場合
・連続焼却炉でもバッチ焼却炉でも使え、使う炉によって処理時間が大幅に異なる(バッチ焼却炉の方が長い)場合
・内作でも加工できるが、負荷に応じて外注加工もできる場合
従って、複数の作り方が考えられる場合には、非特許文献1に記載された技術を適用することができないという問題がある。
また、特許文献1の技術では、選択対象となる各生産ラインのボトルネック工程が事前に特定できること、及び、ボトルネック工程はどの品種を生産する場合でも同じであることを前提としている。
しかしながら、実際の生産プロセス(特に、鉄やアルミ等の素材加工系プロセス)では、品種や通過工程ルートにより、使用設備の種類や設備での処理時間が異なるために、品種構成が変わるとボトルネック工程が変化したり、1つの通過工程ルートの中でボトルネック工程が複数出現したりする場合がある。
従って、素材系プロセス等の実際の生産プロセスのように、品種や通過工程ルートにより、使用設備の種類や設備での処理時間が異なる場合には、事前にボトルネック工程を特定することができず、特許文献1の技術を適用することができないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多工程からなる生産プロセスにおいて、複数種類の品種の製品を製造する際に、一つの品種の製品を生産する工程が複数存在する場合や、代替設備が存在する場合等、複数の工程設計が存在する場合においても、各品種の生産量を最適化することができる生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを提供するものである。
課題を解決するための手段及び効果
上記課題を解決するために、本願の第一の発明に係る生産計画作成方法は、CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置により実行される生産計画作成方法であって、前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップと、前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約と、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップと、前記生産計画作成装置を構成する制約緩和手段により、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量が算出できない場合に、1以上の前記設備の前記タームに関して、前記設備能力に関する制約、または、前記生産量の範囲に関する制約を緩和して、前記各工程設計の各スパンの生産量を算出する制約緩和ステップと、を備えることを特徴とする。
願の第一の発明に係るプログラムは、記憶装置とCPUを有するコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化するための生産計画作成装置により実行されるプログラムであって、前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップ、前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約と、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップ、前記生産計画作成装置を構成する制約緩和手段により、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量が算出できない場合に、1以上の前記設備の前記タームに関して、前記設備能力に関する制約、または、前記生産量の範囲に関する制約を緩和して、前記各工程設計の各スパンの生産量を算出する制約緩和ステップ、備え、前記記憶装置にインストールして前記CPUにより読み出して実行されることを特徴とする
願の第一の発明に係る生産計画作成装置は、CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置であって、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定手段と、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶手段と、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶手段と、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶手段と、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約と、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算手段と、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量が算出できない場合に、1以上の前記設備の前記タームに関して、前記設備能力に関する制約、または、前記生産量の範囲に関する制約を緩和して、前記各工程設計の各スパンの生産量を算出する制約緩和手段と、を備えることを特徴とする。
これによると、設備能力を設定する単位として、タームという時間単位を用いる。また、処理量及び生産量(ここで、生産量は最終工程の処理量のことを意味する。)を決定する単位として、スパンという時間単位を用いる。そして、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てて1以上の製造ルートとして登録した工程設計毎の生産量は、各工程設計の工程毎の各スパンの処理量及び生産量を決定変数とし、工程設計毎の各工程について前後工程間の工程間時間を考慮しつつ後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えず(即ち、冷却時間等の工程間時間が必要な場合、スパンtの工程kを開始するためには、そのスパンtから工程間時間遡った時間までに前工程k'が終了していなければならない。また、各工程設計の工程毎の各スパンまでの処理量及び生産量の合計が当該工程の前工程の当該スパンまでの処理量を合計した蓄積量を超えてはならない。即ち、前工程での処理が終わった分しか次工程で処理ができず、前工程である工程k'の処理量を次工程である工程kの処理量又は生産量が越えてはいけない。)、且つ、処理能力から算出される各設備のターム毎の総負荷が設備能力を超えない範囲(各設備のターム毎の設備能力の範囲内)という制約を満たしつつ、生産計画作成を行う期間(全ターム)において、予め設定した評価指標が最大となるように決定される。従って、一つの品種の製品を生産する工程が複数存在する場合や、代替設備が存在する場合等、複数の工程設計が考えられる場合においても、生産計画作成を行う期間(全ターム)において予め設定した評価指標が最大となるような各工程設計の各スパンの生産量が決定される。また、各品種のターム毎において、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内で決定される。従って、生産量下限値を設定することにより、戦略的に生産したい品種を生産した上で、他の品種構成を最適化することができる。また、生産量上限値を設定することにより、販売または保管不可能な量を生産することなく、他の品種構成を最適化することができる。更に、生産量下限値と生産量上限値を同じ値とすることにより、必ず一定量生産する必要がある品種を生産した上で、他の品種構成を最適化することができる。更に、工程設計毎の生産量と、その工程設計での生産に必要な各設備の負荷が線形式で扱える場合は、評価指標の計算に線形計画法を適用することができる。従って、品種や設備の数が多い場合であっても、工程設計毎の生産量を高速に最適化することができる。
ここで、各設備の「設備能力」とは、各設備の稼働能力のことであり、例えば、設備を最大限稼動させた場合に正味の処理に費やすことができる時間(実働率等)のことを意味する。また、各工程で処理することができる「処理能力」とは、各工程における製品または中間製品を処理する能力のことであり、例えば、各工程での所定時間あたりに処理できる製品または中間製品の重量のことを意味する。そして、処理能力により求めた「各設備のターム毎の総負荷」とは、各設備において実際の処理にかかる負荷のターム毎の合計のことであり、例えば、各設備において製品を単位量生産するのに必要な処理時間のターム毎の合計のことを意味し、処理能力をもとに計算される。
そして、制約を満たす各工程設計の各スパンの生産量の解が求められない場合に、従来技術のように1以上の制約条件を省いて解が求められるまで何回も計算を行わず、1以上の設備のタームに関して、設備能力に関する制約条件、または、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以下)に関する制約条件(特に、生産量下限値以上であるという制約条件)を緩和することにより、計算時間や手間を増大させることなく、制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる各工程設計の各スパンの生産量の最適な解を簡便に求めることができる。
そして、設備能力に関する制約条件を緩和して各工程設計の各スパンの生産量の解が得られた場合は、設備能力をオーバーしているタームでの設備負荷を減らすような対応(例えば、適当な品種の生産量下限値を減らす)や、そのタームで設備能力を上げるような対応(残業をしたり、設備能力をフル稼働させたりする)の可否を検討することができる。尚、設備能力に関する制約条件を緩和するのは、一部の設備のタームに関してであっても良いし、全ての設備のタームに関してであっても良い。
また、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以下)に関する制約条件(特に、生産量下限値以上であるという制約条件)を緩和して各工程設計の各スパンの生産量の解が得られた場合は、どの品種がどのタームで生産量下限値に満たないかといった、次の対応を意思決定するのに有効な情報を得ることができる。尚、生産量の範囲に関する制約条件を緩和するのは、一部の品種のタームに関してであっても良いし、全ての品種のタームに関してであっても良い。
ここで、本願の第一の発明及び第二の発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する製造ルート生成手段により、代替設備が存在する場合に、予め設定した代替設備のルールをもとに、代替設備を割り当てた製造ルートを工程設計として作成して登録するステップ、を更に備えることが好ましい。
同様に、本願の第一の発明及び第二の発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する製造ルート生成手段により、代替設備が存在する場合に、予め設定した代替設備のルールをもとに、代替設備を割り当てた製造ルートを工程設計として作成して登録するステップ、を更に備えることが好ましい。
同様に、本願の第一の発明及び第二の発明に係る生産計画作成装置は、代替設備が存在する場合に、予め設定した代替設備のルールをもとに、代替設備を割り当てた製造ルートを工程設計として作成して登録する手段、を更に備えることが好ましい。
これによると、代替設備に関するルール(代替設備のルール)をもとに、予め工程設計として記憶されている1つの製造ルートについて、代替設備を割り当てた1つ以上の製造ルートが新たな工程設計として作成される。従って、新しく作成した工程設計も含めた工程設計毎の生産量を最適化することにより、代替設備への振り分けを含めた品種構成の最適化が可能になる。
ここで、本願の第一の発明に係る生産計画作成方法は、前記制約緩和ステップが、前記処理能力に関する制約を緩和する場合は、前記処理能力により求めた1以上の前記設備の前記タームの総負荷が前記設備能力を超えた設備負荷オーバーに対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記設備負荷オーバーのペナルティを加えて、前記処理能力に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出し、前記生産量の範囲に関する制約を緩和する場合は、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値に満たなかった生産量未達に対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記生産量未達のペナルティを加えて、前記生産量の範囲に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出するか、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を前記生産量下限値及び前記生産量上限値にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を混合整数計画法で算出して良い。
同様に、本願の第一の発明に係るプログラムは、前記制約緩和ステップが、前記処理能力に関する制約を緩和する場合は、前記処理能力により求めた1以上の前記設備の前記タームの総負荷が前記設備能力を超えた設備負荷オーバーに対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記設備負荷オーバーのペナルティを加えて、前記処理能力に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出し、前記生産量の範囲に関する制約を緩和する場合は、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値に満たなかった生産量未達に対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記生産量未達のペナルティを加えて、前記生産量の範囲に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出するか、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を前記生産量下限値及び前記生産量上限値にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を混合整数計画法で算出して良い。
同様に、本願の第一の発明に係る生産計画作成装置は、前記制約緩和手段が、前記処理能力に関する制約を緩和する場合は、前記処理能力により求めた1以上の前記設備の前記タームの総負荷が前記設備能力を超えた設備負荷オーバーに対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記設備負荷オーバーのペナルティを加えて、前記処理能力に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出し、前記生産量の範囲に関する制約を緩和する場合は、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値に満たなかった生産量未達に対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記生産量未達のペナルティを加えて、前記生産量の範囲に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出するか、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を前記生産量下限値及び前記生産量上限値にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を混合整数計画法で算出して良い。
これによると、設備能力に関する制約条件を緩和する場合は、1以上の設備のタームに関して、設備能力に関する制約条件に設備負荷オーバーに対応する変数を追加して、設備能力に関する制約を緩和することにより、1回だけ線形計画法を解くことにより、制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる各工程設計の各スパンの生産量の解を必ず求めることができる。また、評価指標に設備負荷オーバーのペナルティを加えることにより、設備負荷オーバーを最小にする解が優先して求められる。
そして、生産量の範囲に関する制約条件を緩和する場合は、1以上の品種のタームに関して、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以下)に関する制約条件に生産量未達に対応する変数を追加して、生産量下限値に関する制約を緩和することにより、1回だけ線形計画法を解くことにより、制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる各工程設計の各スパンの生産量の解を必ず求めることができる。また、評価指標に生産量未達のペナルティを加えることにより、生産量未達を最小にする解が優先して求められる。
また、生産量の範囲に関する制約条件を緩和する場合は、操業の制約上、生産量下限値以下となる場合では生産ができない場合があり、生産量下限値を下回る場合は生産量ゼロとしたほうが合理的な生産計画となる場合がある。かかる場合に、1以上の品種のタームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以下)に関する制約条件にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、生産量の範囲に関する制約を緩和することにより、1回だけ混合整数計画法を解くことにより、制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる各工程設計の各スパンの生産量の解を必ず求めることができる。
そして、本願の第一の発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップと、を更に備え、前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定して良い。
同様に、本願の第一の発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップ、を更に備え、前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定して良い。
同様に、本願の第一の発明に係る生産計画作成装置は、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶手段と、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶手段と、を更に備え、前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定して良い。
これによると、評価指標である全タームの(売値−原料費−変動費)の総和が最大となるように各工程設計の生産量が決定される。従って、同じ品種を生産する場合でも製造ルートが複数あり、それぞれの変動費や原料費が異なる場合においても、全体の利益を最大化することができる。又は、評価指標である全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和が最大となるように各工程設計の生産量が決定される。従って、利益と生産量のバランスを重み付きのパラメータで調整することができ、利益を確保しながら生産量を大きくしたり小さくしたりする品種構成を決定することが可能になる。
ここで、各工程で発生する「変動費」とは、例えば、各工程で処理するのに要するコストのことを意味する。
また、本願の第一の発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップ、を更に備え、
前記評価指標は、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定して良い。
同様に、本願の第一の発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップ、を更に備え、前記評価指標は、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定して良い。
同様に、本願の第一の発明に係る生産計画作成装置は、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶手段、を更に備え、前記評価指標は、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定して良い。
これによると、中間製品の滞留時間(即ち、製造開始から製造完了までの時間である製造リードタイム)と生産量に依存する在庫コストを評価関数に含めることにより、在庫コストを含めた総利益(即ち、全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和、又は全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和)を最大化するような生産計画を作成することができる。特に、製造開始から製造完了までの各工程の在庫コスト単価を同じにしていることから、計算が容易である。または、製造開始から製造完了に至る中間製品の滞留時間(即ち、製造開始から製造完了までの各工程における工程間の時間である工程間リードタイム)と生産量に依存する在庫コストを評価関数に含めることにより、在庫コストを含めた総利益(即ち、全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和、又は全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和)を最大化するような生産計画を作成することができる。特に、製造開始から製造完了までの各工程において、工程毎の在庫コストの単価が異なる場合において適用することができる。
次に、本願の第二の発明に係る生産計画作成方法は、CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置により実行される生産計画作成方法であって、前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップと、前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップと、前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップと、を備え、前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定し、更に、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする。
ここで、本願の第二の発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップ、を更に備え、前記最適品種構成計算ステップは、更に、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たすようにして良い。
本願の第二の発明に係るプログラムは、記憶装置とCPUを有するコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化するための生産計画作成装置により実行されるプログラムであって、前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップ、前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップ、前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップ、を備え、前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定し、更に、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定し、前記記憶装置にインストールして前記CPUにより読み出して実行されることを特徴とする。
ここで、本願の第二の発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップ、を更に備え、前記最適品種構成計算ステップは、更に、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たすようにして良い。
本願の第二の発明に係る生産計画作成装置は、CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置であって、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定手段と、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶手段と、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶手段と、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶手段と、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶手段と、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶手段と、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算手段と、を備え、前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定し、更に、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする。
ここで、本願の第二の発明に係る生産計画作成装置は、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶手段、を更に備え、前記最適品種構成計算手段は、更に、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たすようにして良い。
これによると、設備能力を設定する単位として、タームという時間単位を用いる。また、処理量及び生産量(ここで、生産量は最終工程の処理量のことを意味する。)を決定する単位として、スパンという時間単位を用いる。そして、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てて1以上の製造ルートとして登録した工程設計毎の生産量は、各工程設計の工程毎の各スパンの処理量及び生産量を決定変数とし、工程設計毎の各工程について前後工程間の工程間時間を考慮しつつ後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えず(即ち、冷却時間等の工程間時間が必要な場合、スパンtの工程kを開始するためには、そのスパンtから工程間時間遡った時間までに前工程k'が終了していなければならない。また、各工程設計の工程毎の各スパンまでの処理量及び生産量の合計が当該工程の前工程の当該スパンまでの処理量を合計した蓄積量を超えてはならない。即ち、前工程での処理が終わった分しか次工程で処理ができず、前工程である工程k'の処理量を次工程である工程kの処理量又は生産量が越えてはいけない。)、且つ、処理能力から算出される各設備のターム毎の総負荷が設備能力を超えない範囲(各設備のターム毎の設備能力の範囲内)という制約を満たしつつ、生産計画作成を行う期間(全ターム)において、予め設定した評価指標が最大となるように決定される。従って、一つの品種の製品を生産する工程が複数存在する場合や、代替設備が存在する場合等、複数の工程設計が考えられる場合においても、生産計画作成を行う期間(全ターム)において予め設定した評価指標が最大となるような各工程設計の各スパンの生産量が決定される。また、工程設計毎の生産量と、その工程設計での生産に必要な各設備の負荷が線形式で扱える場合は、評価指標の計算に線形計画法を適用することができる。従って、品種や設備の数が多い場合であっても、工程設計毎の生産量を高速に最適化することができる。
そして、中間製品の滞留時間(即ち、製造開始から製造完了までの時間である製造リードタイム)と生産量に依存する在庫コストを評価関数に含めることにより、在庫コストを含めた総利益(即ち、全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和、又は全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和)を最大化するような生産計画を作成することができる。特に、製造開始から製造完了までの各工程の在庫コスト単価を同じにしていることから、計算が容易である。または、製造開始から製造完了に至る中間製品の滞留時間(即ち、製造開始から製造完了までの各工程における工程間の時間である工程間リードタイム)と生産量に依存する在庫コストを評価関数に含めることにより、在庫コストを含めた総利益(即ち、全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和、又は全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和)を最大化するような生産計画を作成することができる。特に、製造開始から製造完了までの各工程において、工程毎の在庫コストの単価が異なる場合において適用することができる。
更に、各品種のターム毎において、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内で決定されると、生産量下限値を設定することにより、戦略的に生産したい品種を生産した上で、他の品種構成を最適化することができる。また、生産量上限値を設定することにより、販売または保管不可能な量を生産することなく、他の品種構成を最適化することができる。更に、生産量下限値と生産量上限値を同じ値とすることにより、必ず一定量生産する必要がある品種を生産した上で、他の品種構成を最適化することができる。
尚、本願の第一の発明または第二の発明に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムは、前記製造リードタイムは、第一工程を処理するスパンと、最終工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことによりを計算し、前記工程間リードタイムは、各工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことにより計算すると良い。
これによると、第一工程と最終工程において、各スパンでの生産量に重み付けられた平均的な処理するスパンを用いているため、製造開始での処理の単位と製造完了での処理の単位を直接に紐付けなくても在庫コストを扱うことができる。そのため、直接に紐付ける場合に比べて、変数の数を大幅に削減することができ、最適化計算の高速化が可能となる。また、各工程において、各スパンでの生産量に重み付けられた平均的な処理するスパンを用いているため、製造開始での処理の単位と製造完了での処理の単位を直接に紐付けなくても在庫コストを扱うことができる。そのため、直接に紐付ける場合に比べて、変数の数を大幅に削減することができ、最適化計算の高速化が可能となる。
尚、かかる場合には、本発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップと、前記生産計画作成装置を構成する発生コスト原単位計算手段により、前記変動費をもとに、製品を単位量生産する場合に要する前記工程設計毎の発生コストを発生コスト原単位として計算する発生コスト原単位計算ステップと、を更に備え、前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位と前記発生コスト原単位を用いて線形計画法により行うことが好ましい。
同様に、かかる場合には、本発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップ、前記生産計画作成装置を構成する発生コスト原単位計算手段により、前記変動費をもとに、製品を単位量生産する場合に要する前記工程設計毎の発生コストを発生コスト原単位として計算する発生コスト原単位計算ステップ、を更に備え、前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位と前記発生コスト原単位を用いて線形計画法により行うことが好ましい。
同様に、かかる場合には、本発明に係る生産計画作成方法は、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算手段と、前記変動費をもとに、製品を単位量生産する場合に要する前記工程設計毎の発生コストを発生コスト原単位として計算する発生コスト原単位計算手段と、を更に備え、前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位と前記発生コスト原単位を用いて線形計画法により行うことが好ましい。
これによると、生産ライン内の全設備について、各工程における処理能力に関する情報をもとに、各工程設計の工程毎の工程負荷原単位(例えば、製品を1トン生産するのに必要な各工程設計の工程毎の時間を意味する。)が計算される。従って、各工程における処理能力に基づいて、各設備の設備能力に対する制約を線形式で扱うことができ、最適品種構成の決定に線形計画法を適用することができる。
また、工程設計での工程毎の情報である変動費の情報が、工程設計ごとに単位生産量あたりの発生コスト原単位として集約される。従って、線形計画法における変数の数を減らすことができ、計算の高速化が可能になる。
そして、本願の第一の発明に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムは、前記評価指標を、全品種の全タームの生産量の総和と設定して良い。
これによると、評価指標である全品種の全タームの生産量の総和が最大となるように各工程設計の生産量が決定される。従って、シェアを優先する場合のように、総生産量を重視した品種構成を決定することが可能になる。
また、本願の第一の発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値を登録する製品情報記憶ステップ、を更に備え、前記評価指標は、全品種の全タームの売値の総和と設定して良い。
また、願の第一の発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値を登録する製品情報記憶ステップ、を更に備え、前記評価指標は、全品種の全タームの売値の総和と設定して良い。
また、願の第一の発明に係る生産計画作成装置は、前記品種毎に、売値を登録する製品情報記憶手段、を更に備え、前記評価指標を、全品種の全タームの売値の総和と設定して良い。
これによると、評価指標である全品種の全タームの売値の総和が最大となるように各工程設計の生産量が決定される。従って、利益よりも入金総額を重視した品種構成を決定することが可能になる。
尚、かかる場合、本発明に係る生産計画作成方法は、前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップ、を更に備え、前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位を用いて線形計画法により行うことが好ましい。
同様に、かかる場合、本発明に係るプログラムは、前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップ、を更に備え、前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位を用いて線形計画法により行うことが好ましい。
同様に、かかる場合、本発明に係る生産計画作成装置は、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算手段、を更に備え、前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位を用いて線形計画法により行うことが好ましい。
従って、各工程における処理能力に基づいて、各設備の設備能力に対する制約を線形式で扱うことができ、最適品種構成の決定に線形計画法を適用することができる。
尚、本発明に係るプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、FD(Floppy(登録商標) Disk)、MO(Magneto-Optic)などのリムーバブル型記録媒体やハードディスクなどの固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。
以下、図面を参照しつつ、本発明である生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを実施するための最良の形態について、具体的な一例に即して説明する。
まず、本実施の形態で対象とする生産ラインの一例について、図2に基づいて説明する。図2は、生産ラインを示す図である。
図2に示すように、原料100から製品160に至るまでの生産ラインは、溶解(溶解01及び溶解02)110、熱延120、冷延(冷延01、冷延02及び冷延03)130、焼純(焼純01及び焼純02)140及びスリッタ(スリッタ01、スリッタ02及びスリッタ03)150から構成されており、熱延120以外は能力の違う複数の設備で構成されている。ここでは、製品の種類(品種)により使用する設備とその順序が異なるものとし、図中の矢印は製造ルートを示している(個別のルートについては表3に基づいて後述する。)
また、各設備の設備能力として、表1に示す各タームの「実働率」が定義されている。ここで、実働率とは、設備を最大限稼動させた場合に、正味の処理に費やすことができる時間の割合で、設備の稼動実績から統計的に設定する。たとえば、実働率が80%であると、1日の中で、19.2時間を正味の処理に費やすことができ、残りの時間は作業準備やメンテナンス等に消費されることを意味する。
そして、本実施の形態においては、タームの長さを30日(1ヶ月)、スパンの長さを3日とした。また、本実施の形態において生産計画を作成する期間を6ターム(約6ヶ月)とした。尚、初タームと最終タームにおける設備にかかる負荷が他タームに比べて小さくなることを考慮して、本実施の形態では、初タームの前に初タームと同じ情報を持つタームを、最終タームの後に最終タームと同じ情報を持つタームをそれぞれ追加して計算を行った。
次に、本実施の形態で用いる品種テーブルを、表2に示す。
表2に示すように、「品種」はA〜Eまでの5種類存在し、それぞれの品種の「工程設計」として2〜3種類の製造ルートが存在する。例えば、品種Cでは、工程設計番号5〜7までの3種類の工程設計が存在する。
また、表2に示すように、各品種には、各ターム内で要求される生産量、即ち、各ターム内で生産するべき下限量(「生産量下限値」)と、これ以上は生産しても販売できない、或いは、保管できないという上限量(「生産量上限値」)と、が与えられている。従って、与えられたいずれかの工程設計を使って、生産量下限値以上生産量上限値以内の範囲内において、生産を行う必要がある。
更に、表2に示すように、1トンあたりの「原料費」と「売値」とが与えられている。なお、本実施の形態においては、原料費は工程設計ごとに異なる値を設定できるようにした。
次に、本実施の形態で用いる各工程設計の通過工程テーブルを、表3に示す。ここで、通過工程テーブルでは、「品種」毎の各「工程設計」における製造ルートを示しており、表3に示す「工程追番」の順番に工程を通過して、中間製品が製造され、最終的にそれぞれの品種の製品が製造される。それぞれの工程では、表3に示すように、処理可能な「設備」が割り付けられている。
表3に示すように、各工程での処理時間1時間あたりに処理できる製品または中間製品の重量が各工程における「負荷」(処理能力)として定義されている。例えば、工程設計番号1の品種Aを、工程追番1の設備である溶解01では1時間あたり30.0トン処理することができる。
また、各工程で1トン処理するのに発生するコストが「変動費」として定義されている。例えば、工程設計番号1の品種Aを1トン処理するのに、工程追番1の設備である溶解01では変動費が45千円かかる。
更に、設備の出側と入側の重量費が「工程歩留」として定義されている。例えば、工程追番1の設備である溶解01では、工程設計番号1の品種Aを99トン完成させるには、100トンの入力が必要である。なお、1トンは先後端の不良部分として廃棄する。
[第一の実施形態]
次に、第一の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムについて、説明する。まず、第一の実施形態に係る生産計画作成装置について、図1に基づいて説明する。図1は、第一の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。
図1に示すように、生産計画作成装置1は、生産量情報記憶部(生産量情報記憶手段)2と、原料・売値情報記憶部(製品情報記憶手段)3と、設備情報記憶部(設備情報記憶手段)4と、評価指標設定部5と、ターム・スパン情報設定部(ターム・スパン情報設定手段)6と、工程負荷原単位計算部(工程負荷原単位計算手段)10と、製造ルート情報記憶部(製造ルート情報記憶手段)11と、発生コスト原単位計算部(発生コスト原単位計算手段)20と、発生コスト情報記憶部(発生コスト情報記憶手段)21と、最適品種構成計算部(最適品種構成計算手段)30と、結果出力部40と、から構成される。
生産量情報記憶部2は、品種毎に使用可能な工程設計番号と生産量下限値及び生産量上限値に関する情報を記憶するためのものである。本実施の形態においては、上述した表2の品種テーブルの「工程設計番号」と「生産量下限値」及び「生産量上限値」の列に相当する。
原料・売値情報記憶部3は、品種毎の原料費と売値に関する情報を記憶するためのものである。本実施の形態においては、上述した表2の品種テーブルの「原料費」と「売値」の列に相当する。なお、本実施の形態においては、原料費を工程設計ごとに設定するようにしており、品種A〜品種Eのすべての品種において、工程設計により原料費が異なる。
設備情報記憶部4は、各設備の設備能力に関する情報を記憶するためのものである。本実施の形態においては、上述した表1の品種テーブルの「実働率」の列に相当する。
評価指標設定部5は、各品種の生産量を最適化するための基準となる評価指標を設定するためのものである。本実施の形態においては、(売値−原料費−変動費)の総和である総利益と、全品種の生産量の総和である総生産のいずれかを評価指標とする。
ターム・スパン情報設定部6は、タームの長さ、スパンの長さ、生産計画を作成する期間に関する情報を設定するためのものである。本実施の形態においては、タームの長さを30日(1ヶ月)、スパンの長さを3日とした。また、本実施の形態において生産計画を作成する期間を6ターム(約6ヶ月)とした
製造ルート記憶部11は、工程設計毎の使用設備と使用順序、及び工程設計毎の各工程の処理能力を記憶するためのものである。
本実施の形態においては、上述した表3の通過工程テーブルの「工程追番」における「設備」、及び「負荷」の列に相当する。
工程負荷原単位計算部10は、製造ルート記憶部11に記憶された各工程の処理能力をもとに、工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位(製品を1トン作るのに要する工程設計毎の各工程における処理時間を意味する。)を計算するためのものである。本実施の形態における工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位の計算方法について、表4を用いて、以下で説明する。
本実施の形態においては、まず、工程設計番号毎に、工程追番が大きい工程(最終工程)から順に、「工程歩留」をもとに製品を1トン生産する場合の各工程での設備出側の重量(「基準重量」と定義する。)を計算する。そして、第一工程では、必要となる原料の重量(「必要原料」と定義する。)を算出する。計算結果を次の表4に示す。
表4に示すように、例えば、工程設計番号1の工程追番5の設備である冷延02では、基準重量は、工程追番6の設備であるスリッタ03での工程歩留を用いて、1[トン]/0.9=1.11111111・・・[トン]となる。また、工程追番4の設備であるスリッタ01では、基準重量は、工程追番5の設備である冷延02の工程歩留と負荷とを使って、1.11111111・・・[トン]/0.98=1.13378685・・・[トン]となる。同様に、工程追番1の工程(第一工程)まで基準重量を計算する。そして、工程追番1の工程(第一工程)の基準重量と工程歩留を使って、製品を1トン生産する場合の必要原料を計算する。例えば、工程設計番号1では、必要原料は、1.42900859・・・[トン]/0.99=1.44344302・・・[トン]となる。
次に、各工程での「基準重量」と「負荷」をもとに、製品を1トン生産する場合の各工程での処理時間(「基準時間」と定義する。)を計算する。計算結果を表4に示す。
表4に示すように、例えば、工程設計番号1の工程追番3の設備である冷延01では、基準時間は、1.28839415・・・[トン]/60.0[トン/hr]=0.021473236・・・[hr]となる。
発生コスト情報記憶部21は、各工程で1トン処理するのに発生するコスト、即ち、変動費を記憶するためのものである。本実施の形態においては、上述した表3の通過工程テーブルの「変動費」の列に相当する。
発生コスト原単位計算部20は、発生コスト情報記憶部11に記憶された変動費をもとに、工程設計毎の発生コスト原単位(製品を1トン作るのに発生する工程設計毎のコストを意味する。)を計算するためのものである。本実施の形態における工程設計毎の発生コスト原単位の計算方法について、表7及び表8を用いて、以下で説明する。
本実施の形態では、まず、発生コスト情報記憶部21で記憶された「変動費」と、工程負荷原単位計算部10で計算した「基準時間」をもとに、製品を1トン生産する場合の各工程で発生するコスト(「基準コスト」と定義する。)を計算する。ここでは、基準重量として各設備の入側の重量を用いる。計算結果を表4に示す。
表4に示すように、例えば、工程設計番号2において、工程追番2の設備である熱延では、熱延の変動費と熱延の基準時間をもとに、基準コストは、21[千円/hr]×0.021473236・・・[トン]=4.509379509・・・[千円]となる。
次に、計算した各工程の基準コストを、工程設計番号毎に集計し、工程設計毎の発生コスト原単位を計算する。計算結果を表5に示す。
最適品種構成計算部30は、発生コスト原単位計算部20で計算した工程設計毎の発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10で計算した工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位と、生産量情報記憶部2で記憶した生産量情報と、原料・売値情報記憶部3で記憶した原料・売値情報と、設備情報記憶部4で記憶した設備情報と、評価指標設定部5で設定した評価指標とを参照して、設備能力に関する制約、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約、及び、前後工程の製造量に関する制約(尚、本実施の形態においては、前後工程間の工程間時間を全て0としている。)を考慮しつつ、評価式が最大化するような工程設計毎の生産量を決定する。
本実施の形態においては、線形計画法を用いて以下の数1に示す式の最適化問題を解くことにより、工程設計毎の各スパンの生産量を決定する。尚、数1に示す式における設備負荷原単位は、上述の工程負荷原単位を意味する。

上述の数1に示す式は、評価指標が利益の場合の評価式であるが、評価指標が生産量の場合は、評価式として、以下の数2に示す式を用いればよい。尚、数2に示す式における設備負荷原単位は、上述の工程負荷原単位を意味する。

結果出力部40は、図示しない出力用インタフェースを介して、最適品種構成計算部30での計算結果を表示するための出力装置(ディスプレイ、ハードディスク、またはプリンタ等)である。計算結果として、最適化された品種構成や、最適化された品種構成に対する利益や、設備の負荷状況等を出力する。
尚、出力用インタフェースは、最適品種構成計算部30での計算結果を、結果出力部40(ディスプレイ、ハードディスク、またはプリンタ等)に出力するためのデータ変換や通信を行うプログラム又はハードウェアである。
本実施の形態において、結果出力部40において出力される最適化された品種構成を以下の表6〜表8及び図4〜図5に示す。表6〜表8及び図4〜図5では、利益最大となるように最適化した(評価指標が利益最大)場合と、生産量最大となるように最適化(評価指標が生産量最大)した場合の2種類を実施した。
表6は、利益最大となるように最適化された各工程設計のターム内のスパン毎の生産量を示すものである。表7は、利益最大となるように最適化された各工程設計の全タームの生産量の合計を示すものである。表8は、生産量最大となるように最適化された各工程設計の全タームの生産量の合計を示すものである。
図4は、利益最大となるように最適化された各工程設計の各タームの生産量の推移を示すものである。図5は、生産量最大となるように最適化された各工程設計の各タームの生産量の推移を示すものである。尚、図4(a−1)〜(e−1)及び図5(a−1)〜(e−1)は、それぞれ、品種A〜E内の製品、即ち、工程設計番号(図4及び図5中の「Product」に相当)1〜11の製品の生産量の推移を示すものである。そして、図4(a−2)〜(e−2)及び図5(a−2)〜(e−2)は、それぞれ、品種(図4及び図5中の「Item」に相当)A〜Eの製品の生産量の推移と各タームにおける生産量の範囲(図4及び図5中の「Production range」に相当)の関係を示すものである。ここで、生産量の範囲とは、各タームにおける生産量下限値以上生産量上限値以下の範囲のことを示す。
表6〜表8及び図4〜図5から、下記のことがわかる。
・各品種の生産量が、表2に示される生産量下限値以上生産量上限値以内の範囲内となっている。
・品種毎に用いる工程設計の割合(生産量比)が得られる。
・評価指標により、品種構成、使用する工程設計の割合が異なる。
次に、結果出力部40において出力される最適化された品種構成に対する利益と生産量とを、以下の表9に示す。表9では、評価指標が利益最大の場合と生産量最大の場合の双方の結果について示している。
ここで、利益は(売値−原料費−変動費)の総和を計算したものであり、総生産量は全品種の生産量の総和を計算したものである。
表9から、利益を最大化した場合は、生産量を最大化した場合より、約19.9%の利益が増え、生産量を最大化した場合は、利益を最大化した場合より約5.2%生産量が増えることがわかる。
更に、結果出力部40において出力される最適化された品種構成に対する設備の負荷状況を、以下の表10及び表11に示す。表10では、評価指標が利益最大の場合の結果について示している。表11では、評価指標が生産量最大の場合の結果について示している。
ここで、設備の負荷状況とは、各設備の設備能力(本実施の形態においては、スパン時間×設備毎の実働率)に対する総負荷(本実施の形態においては、工程設計毎の工程負荷原単位×生産量を設備毎に合計したもの)の割合を意味している。また、100%とは、各設備の設備能力と総負荷とが同じであることを示している。
表10及び表11の結果から、指定した設備の設備能力の範囲内で、品種構成が決定されていることがわかる。また、この結果からネックとなる設備を具体的に判断することができ、操業改善や設備の設備能力向上の検討に活用することができる。
次に、第一の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順について、図3に基づいて、説明する。図3は、第一の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順について説明したフローチャートである。
尚、以下で説明する第一の実施形態に係る生産計画作成方法の処理は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
図3に示すように、まず、事前に工程設計毎の発生コスト情報、製造ルート情報、生産量情報、原料・売値情報、設備情報、評価指標、及び、ターム・スパンに関するデータを入力し、それぞれ、磁気記憶装置等の発生コスト情報記憶部21、製造ルート情報記憶部11、生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、評価指標記憶部5、及び、ターム・スパン情報設定部6に登録しておく(ステップS1:生産量情報記憶ステップ、製品情報記憶ステップ、設備情報記憶ステップ、ターム・スパン情報設定ステップ、発生コスト情報記憶ステップ)。
尚、本ステップの詳細については、上述した生産計画作成装置1の発生コスト情報記憶部21、製造ルート情報記憶部11、生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、評価指標記憶部5、及び、ターム・スパン情報設定部6の記載と同様であり、その説明を省略する。
次に、製造ルート情報記憶部11に記憶された製造ルート情報をもとに、工程負荷原単位計算部10において、工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位を計算する(ステップS2:工程負荷原単位計算ステップ)。
尚、本ステップの詳細については、上述した生産計画作成装置1の工程負荷原単位計算部10の記載と同様であり、その説明を省略する。
また、発生コスト情報記憶部21に記憶された発生変動費と、工程負荷原単位計算部10で計算した基準時間をもとに、発生コスト原単位計算部20において、工程設計毎の発生コスト原単位を計算する(ステップS3:発生コスト原単位計算ステップ)。
尚、本ステップの詳細については、上述した生産計画作成装置1の発生コスト原単位計算部20の記載と同様であり、その説明を省略する。
そして、最適品種構成計算部30において、発生コスト原単位計算部20で計算した発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10において計算した工程負荷原単位と、事前に生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、及び、評価指標記憶部5にそれぞれ登録した生産量情報、原料・売値情報、設備情報、及び、評価指標を参照し、線形計画法を用いて最適化問題を解くことにより、工程設計毎の生産量を決定する(ステップS4:最適品種構成計算ステップ)。
尚、本ステップの詳細については、上述した生産計画作成装置1の最適品種構成計算部30の記載と同様であり、その説明を省略する。
最後に、最適品種構成計算部30での計算結果を、結果出力部40、即ち、出力装置(ディスプレイ、ハードディスク、またはプリンタ等)に表示する(ステップS5)。
尚、本ステップの詳細については、上述した生産計画作成装置1の結果出力部40の記載と同様であり、その説明を省略する。
このように、第一の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムによれば、ターム・スパン情報設定部6に設定された情報に基づいて、設備能力を設定する単位として、タームという時間単位を用いる。また、処理量及び生産量を決定する単位として、スパンという時間単位を用いる。そして、最適品種構成計算部30で、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てて1以上の製造ルートとして製造ルート記憶部11に登録した工程設計毎の生産量は、各工程設計の工程毎の各スパンの処理量及び生産量を決定変数とし、工程設計毎の各工程について前後工程間の工程間時間を考慮しつつ後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えず、且つ、製造ルート記憶部11に記憶された処理能力から算出される各設備のターム毎の総負荷が設備情報記憶部4に予め記憶した各設備の設備能力を超えない範囲(各設備のターム毎の設備能力の範囲内)という制約を満たしつつ、生産計画作成を行う期間(全ターム)において、評価指標記憶部5に予め設定した評価指標が最大となるように決定される。
従って、一つの品種の製品を生産する工程が複数存在する場合や、代替設備が存在する場合等、複数の工程設計が考えられる場合においても、生産計画作成を行う期間(全ターム)において予め設定した評価指標が最大となるような各工程設計の各スパンの生産量が決定される。
また、各品種のターム毎において、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が、生産量情報記憶部2に予め記憶した生産量下限値以上生産量上限値以内の範囲で決定される。
従って、下限量として生産量下限値を設定することにより、戦略的に生産したい品種を生産した上で、他の品種構成を最適化することができる。また、上限量として生産量上限値を設定することにより、販売または保管不可能な量を生産することなく、他の品種構成を最適化することができる。更に、生産量下限値と生産量上限値を同じ値とすることにより、必ず一定量生産する必要がある品種を生産した上で、他の品種構成を最適化することができる。
また、評価指標記憶部5で記憶した評価指標である全タームの(売値−原料費−変動費)の総和が最大となるように各工程設計の生産量が決定される。
従って、同じ品種を生産する場合でも製造ルートが複数あり、それぞれの変動費や原料費が異なる場合においても、全体の利益を最大化することができる。
また、評価指標記憶部5で記憶した評価指標である全品種の全タームの生産量の総和が最大となるように各工程設計の生産量が決定される。
従って、シェアを優先する場合のように、総生産量を重視した品種構成を決定することが可能になる。
また、最適品種構成計算部30では、評価指標の計算に線形計画法を適用している。
従って、品種や設備の数が多い場合であっても、工程設計毎の生産量を高速に最適化することができる。
なお、工程負荷原単位計算部10で、生産ライン内の全設備について、製造ルート情報記憶部11に予め記憶された各工程における処理能力に関する情報をもとに、各工程設計の工程毎の工程負荷原単位(例えば、製品を1トン生産するのに必要な各工程設計の工程毎の時間を意味する。)が計算される。
従って、各工程における処理能力に基づいて、各設備の設備能力に対する制約を線形式で扱うことができ、最適品種構成計算部30での最適品種構成の決定に線形計画法を適用することができる。
また、発生コスト原単位計算部20では、発生コスト情報記憶部21で予め記憶された工程設計での工程毎の情報である変動費の情報をもとに、工程設計ごとに単位生産量あたりの発生コスト原単位として集約される。
従って、最適品種構成計算部30での線形計画法による評価指標の計算において、変数の数を減らすことができ、計算の高速化が可能になる。
[第二の実施形態]
上述の第一の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムでは、品種毎に利用可能な製造ルートが工程設計として事前に設定されている場合について説明しているが、品種によっては代替設備が存在する場合もあり、本発明は代替設備が存在する場合にも適用することができる。ここで、第一の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムの変形例として、代替設備に関するルールが存在する場合についての第二の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムについて、説明する。まず、第二の実施形態に係る生産計画作成装置1について、図6に基づいて説明する。図6は、第二の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。
図6に示すように、第二の実施形態に係る生産計画作成装置1では、代替設備ルール記憶部13に事前に登録・記憶された代替設備ルールをもとに、製造ルート生成部(製造ルート生成手段)12が代替設備での製造ルートを新規の工程設計として作成し、製造ルート情報記憶部11に記憶するようになっている。
次に、第二の実施形態に係る生産計画作成装置1の代替設備ルール記憶部13に入力する代替設備ルールの一例を、表12に示す。
表12に示すように、品種Fのスリッタ01(表12に示す「元の設備」)の代わりにスリッタ02(表12に示す「代替設備」)を使用できることが示されている。また、その際は、負荷[トン/hr]が0.8倍(表12に示す「負荷係数」)、変動費[千円/トン]が1.2倍(表12に示す「変動係数」)、工程歩留は88%(表12に示す「工程歩留」)になることがあわせて指定されている。尚、原料単価が変わる場合には、原料単価を指定しても良い。また、変動費の単位が上述の実施の形態における単位と異なっているが、この変形例の場合は、「変動費」と、工程負荷原単位計算部10で計算した「基準重量(各設備の入側の重量)」をもとに、製品を1トン生産する場合の各工程で発生するコスト(基準コスト)を計算すればよい。
ここで、製造ルート情報記憶部11に事前に登録されている品種Fの工程設計(工程設計番号12及び13)は、表13のとおりである。
次に、事前に登録されている品種Fの工程設計(工程設計番号12及び13)を参照しつつ、代替設備ルール記憶部13に記憶された代替設備ルール(表12)に基づいて、元の設備の替わりに代替設備を割り当てることにより作成した品種Fの新規の工程設計(工程設計番号14及び15)を表14に示す。
表14に示すように、上述の代替設備ルール(表12)に従って、工程設計番号12から工程設計番号14が、工程設計番号12から工程設計番号15が作成されている。
作成された品種Fについての工程設計(工程設計番号14及び15)は、事前に登録されている品種Fの工程設計(工程設計番号12及び13)とともに、製造ルート情報記憶部11に記憶され、最適品種構成計算部30において、品種Fについての工程設計(工程設計番号12〜15)を含めた工程設計毎の生産量が最適化される。そして、品種Fの生産量工程設計番号12から15のそれぞれについて、最適な生産量を得ることができる。即ち、スリッタ01からスリッタ02への設備振り替えの最適な比率を得ることができる。
尚、第二の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順は、図7に示すように、まず、代替設備ルール記憶部13に記憶した代替設備ルールに基づいて、製造ルート生成部12で新たに工程設計を作成して(ステップS0:製造ルート生成ステップ)、新たに生成した工程設計を製造ルート情報として登録すると共に、工程設計毎の発生コスト情報、生産量情報、原料・売値情報、設備情報、評価指標、及び、ターム・スパンに関するデータを入力し、それぞれ、磁気記憶装置等の発生コスト情報記憶部21、製造ルート情報記憶部11、生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、評価指標記憶部5、及び、ターム・スパン情報設定部6に登録する(ステップS1)。尚、以降の手順については、第一の実施形態と同様であり、その説明を省略する。また、第二の実施形態に係る生産計画作成方法の処理は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
以上のように、第二の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムによれば、代替設備ルール記憶部13に記憶した代替設備ルールに基づいて、製造ルート生成部12で新たに作成した工程設計を、製造ルート情報記憶部11に記憶することにより、代替設備への設備振り替えの最適な比率を得ることができる。
[第三の実施形態]
上述の第一の実施形態及び第二の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムにおいては、制約を満たす各工程設計の各スパンの生産量の解が求められない場合も有りうる。かかる場合は、第三の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを適用すると良い。まず、第三の実施形態に係る生産計画作成装置について、図8に基づいて説明する。図8は、第三の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。
図8に示すように、生産計画作成装置1は、生産量情報記憶部2と、原料・売値情報記憶部3と、設備情報記憶部4と、評価指標設定部5と、ターム・スパン情報設定部6と、工程負荷原単位計算部10と、製造ルート情報記憶部11と、発生コスト原単位計算部20と、発生コスト情報記憶部21と、最適品種構成計算部30と、制約緩和部(制約緩和手段)31と、結果出力部40と、から構成される。尚、第一の実施形態に係る生産計画作成装置と同一の部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
制約緩和部31は、第一の実施形態で説明した最適品種構成計算部30において、発生コスト原単位計算部20で計算した工程設計毎の発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10で計算した工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位と、生産量情報記憶部2で記憶した生産量情報と、原料・売値情報記憶部3で記憶した原料・売値情報と、設備情報記憶部4で記憶した設備情報と、評価指標設定部5で設定した評価指標とを参照して、設備能力に関する制約、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約、及び、前後工程の製造量に関する制約を考慮しつつ、評価式が最大化するような工程設計毎の生産量の解が出ない場合は、評価式の設備能力に関する制約条件、または生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約条件を緩和して、最適品種構成計算部30において工程設計毎の生産量を決定する。尚、制約緩和部31を備える第二の実施形態に係る生産計画作成装置1は、第一の実施形態に係る生産計画作成装置1最適品種構成計算部30で数1に示す式の最適化問題の解が出ない場合において適用することができるが、最適品種構成計算部30で数1に示す式の最適化問題の解が出る場合においても適用することができる。
ここで、制約緩和部31において、評価式の設備能力に関する制約条件を緩和した場合の実施形態について説明する。例えば、制約緩和部31において、上述した数1に示す評価式の設備能力に関する制約条件を緩和した以下の数3に示す式を用いて、線形計画法を用いて、最適品種構成計算部30で最適化問題を解くことにより、工程設計毎の各スパンの生産量を決定する。

数3に示す式において、Vmtは設備mのスパンtにおける設備負荷オーバーに対応する非負の変数であり、数1に示す式に対して、設備能力に関する制約の中に減算する形で加えられている。これにより、数1に示す式における設備能力の制約を満たす解が存在しない場合でも、設備能力を超えた分(設備負荷オーバー)をVmtが打ち消すことにより、数3に示す式では、必ず解が存在する。また、評価式の中では、それらに対するペナルティ係数を減算する項が追加されている。このペナルティ係数を十分大きい値とすることにより、まず、Vmtを最小とする解が優先して求められることになり、数1に示す式の制約条件をすべて満たす解が存在する場合には数3に示す式でも全てのVmtがゼロとなり、数1に示す式と同じ解が得られる。逆に、数1に示す式に解が存在しない場合にのみ、数3に示す式の解はVmtが正の値を持つことにより設備能力オーバーの解となる。従って、1回だけ線形計画法を解くことにより、最適な解が得られると同時に、設備能力がオーバーする場合にはどの設備能力がどのスパンにおいてオーバーするかといったユーザが次の対応を意思決定するのに有効な情報を得ることができる。
また、制約緩和部31において、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約条件を緩和した場合の実施形態について説明する。例えば、制約緩和部31において、上述した数1に示す評価式の設備能力に関する制約条件を緩和した以下の数4に示す式を用いて、線形計画法を用いて、最適品種構成計算部30で最適化問題を解くことにより、工程設計毎の各スパンの生産量を決定する。

数4に示す式において、品種jのタームuにおける生産量未達に対応する非負の変数Wjuが、生産量下限値に関する制約の中に加算されている。これにより、数1に示す式における生産量下限値の制約を満たす解が存在しない場合でも、不足した分をWjuが打ち消すことにより、数4に示す式では必ず解が存在する。また、評価式の中では、それらに対するペナルティ係数を減算する項が追加されており、このペナルティ係数を十分大きい値とすることで、まずを最小とする解が優先して求められることになり、数1に示す式の制約条件を全て満たす解が存在する場合には数4に示す式でも全てのWjuがゼロとなり、数1に示す式と同じ解が得られる。逆に、数1に示す式に解が存在しない場合にのみ、数4に示す式の解はWjuが正の値を持つことで生産量未達の解となる。従って、1回だけ線形計画法を解くことにより、最適な解が得られると同時に、生産量が未達となる場合にはどの品種がどのタームで不足するかといったユーザが次の対応を意思決定するのに有効な情報を得ることができる。
ところで、各品種の各タームでの生産量下限値は、例えば鉄鋼やアルミなどの生産では溶解炉や転炉などで処理される単位生産量である1チャージに対応する量に設定されることもあり得る。これは、操業の制約上、それよりも少ない量での生産ができない制約であり、生産量下限値より少ない生産量の生産計画では意味がなく、むしろ生産量をゼロとした生産計画としたほうが合理的な回となる場合がある。そこで、そのような場合には、上述した評価式の生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約条件を緩和した場合(数4に示す式)とは別の実施形態が有効となる。ここで、評価式の生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約条件を緩和した場合の別の実施形態について説明する。例えば、制約緩和部31において、上述した数1に示す評価式の設備能力に関する制約条件を緩和した以下の数5に示す式を用いて、混合整数計画法を用いて、最適品種構成計算部30で最適化問題を解くことにより、工程設計毎の各スパンの生産量を決定する。

数5に示す式において、タームuに品種jを生産するか生産量をゼロにするかを表す0−1の整数変数Zjuを導入する。これにより、Zjuが1の場合には生産量上下限の制約は数1に示す式と同じになり、Zjuが0の場合には生産量上下限値は共に0となる制約条件となるため生産されない解となる。数5に示す式において、特に評価式にZjuを入れていないのは、通常は利益や生産量を最大にする評価式であれば、できる限り生産しようという解が求められるため、必然的にZjuが1となるような解が優先的に求められるためである。数5に示す式では、連続変数以外に0−1の整数変数Zjuを含むため、この問題を解く場合は、線形計画法ではなく混合整数計画法を用いて解けばよい。従って、1回だけの混合整数計画法を解くことにより、最適な解が得られると同時に、生産量が未達となる場合はいずれかの品種のZjuが0となり生産量ゼロの解が得られ、どの品種がタームで不足するかといったユーザが次の対応を意思決定するのに有効な情報を得ることができる。尚、数5に示す式においては、混合整数計画問題を解くため、線形計画法を用いた数4に示す式よりも処理時間が増加するが、上述したように、生産量下限値未満の生産量で生産ができないような生産計画となるのを防止することができる。
尚、上述した評価式の設備能力に関する制約条件、または生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約条件を緩和して工程設計毎の生産量を決定する実施形態においては、全ての設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和した変数を導入して数3〜5に示す式の最適化問題を解くことにより生産量を決定したが、一部の設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和した変数を導入して数3〜5に示す式の最適化問題を解くことにより生産量を決定しても良い。また、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約条件を緩和して工程設計毎の生産量を決定する実施形態においては、例えば、生産量上下限値をゼロにしたい品種・タームのみ数5に示す式の最適化問題を解くことにより生産量を決定し、それ以外の品種・タームには数4に示す式の最適化問題を解くことにより生産量を決定する等、品種・タームによって制約条件を緩和する実施形態を選択しても良い。
次に、第三の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順について、図9に基づいて、説明する。図9は、第三の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順について説明したフローチャートである。尚、第一の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順と同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
尚、以下で説明する第二の実施形態に係る生産計画作成方法の処理は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
図9に示すように、まず、事前に工程設計毎の発生コスト情報、製造ルート情報、生産量情報、原料・売値情報、設備情報、評価指標、及び、ターム・スパンに関するデータを入力し、それぞれ、磁気記憶装置等の発生コスト情報記憶部21、製造ルート情報記憶部11、生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、評価指標記憶部5、及び、ターム・スパン情報設定部6に登録しておく(ステップS1:生産量情報記憶ステップ、製品情報記憶ステップ、設備情報記憶ステップ、ターム・スパン情報設定ステップ、発生コスト情報記憶ステップ)。次に、製造ルート情報記憶部11に記憶された製造ルート情報をもとに、工程負荷原単位計算部10において、工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位を計算する(ステップS2:工程負荷原単位計算ステップ)。また、発生コスト情報記憶部21に記憶された発生変動費と、工程負荷原単位計算部10で計算した基準時間をもとに、発生コスト原単位計算部20において、工程設計毎の発生コスト原単位を計算する(ステップS3:発生コスト原単位計算ステップ)。
そして、制約条件緩和部31において、一部の設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和する(ステップS7:制約緩和ステップ)。次に、最適品種構成計算部30において、発生コスト原単位計算部20で計算した発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10において計算した工程負荷原単位と、事前に生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、及び、評価指標記憶部5にそれぞれ登録した生産量情報、原料・売値情報、設備情報、及び、評価指標を参照し、ステップS7で一部の設備・スパンや品種・タームについて緩和した制約条件を考慮しつつ、最適化問題を解くことにより、工程設計毎の生産量を決定する(ステップS4)。具体的には、一部の設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和した変数を導入して数3〜5に示す式の最適化問題を解くことにより生産量を決定する(ステップS7,S4)。尚、本ステップの詳細については、上述した生産計画作成装置1の最適品種構成計算部30及び制約条件緩和部31の記載と同様であり、その説明を省略する。
次に、最適品種構成計算部30において工程設計毎の生産量の解が得られたかどうかを判断する(ステップS6)。そして、最適品種構成計算部30において工程設計毎の生産量の解が得られない場合は(ステップS6:NO)、ステップS7に戻り、制約条件緩和部31において、更に制約条件を緩和する設備・スパンや品種・タームを増やす(ステップS7)。
一方、最適品種構成計算部30において工程設計毎の生産量の解が得られた場合は(ステップS6:YES)、最適品種構成計算部30での計算結果を、結果出力部40、即ち、出力装置(ディスプレイ、ハードディスク、またはプリンタ等)に表示する(ステップS5)。
尚、図9に示す第三の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順では、一部の設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和して(ステップS7)、最適品種構成計算部30において工程設計毎の生産量の解が得られない場合は(ステップS6:NO)、ステップS7に戻り、制約条件緩和部31において、逐次、制約条件を緩和する設備・スパンや品種・タームを増やしていく形態について示したが、制約条件緩和部31において最初から全ての設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和することにより、最適品種構成計算部30における1回の計算により、工程設計毎の生産量の解が必ず得られるようにしても良い。具体的には、全ての設備・スパンや品種・タームについて制約条件を緩和した変数を導入して数3〜5に示す式の最適化問題を解くことにより生産量を決定する(ステップS7,S4)。
ここで、第三の実施形態の生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを用いて実際に生産計画を作成した結果を示す。例えば、上述の第一の実施形態の生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムにおいて、表1に示す実働率、表2に示す品種テーブル、表3に示す各工程設計の通過工程テーブルを同じ条件とし、工程間の時間の条件を変えた場合、負荷の集中が起こって、工程設計毎の生産量の解が得られない場合がある。かかる場合に、第二の実施形態の生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを用いて、設備能力に関する制約条件を緩和すると、下記の表15に示すような設備使用率(第一の実施形態の生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを用いた場合の表10に示す設備使用率の説明を参照)の結果が得られる。
表15に示すように、スリッタ02のターム1〜5、スリッタ03のターム5,6で設備使用率が100%を超えた解を出すことにより、解なしの結果に終わることを避けている。
また、第三の実施形態の生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを用いて、生産量の範囲に関する制約条件を緩和すると、下記の表16に示すような各品種のターム毎生産量の結果が得られる。
表17に示すように、表2に示された各品種のターム毎の生産量下限値と比較して、ターム1での品種Bは生産量下限値に未達であり、ターム6での品種Aは全く生産せず生産量下限値に未達である解を出すことにより、解なしの結果に終わることを避けている。
以上の結果を見ることにより、ユーザは負荷の多い設備の稼働率を上げたり、品種の生産量下限値を調整したりする等、次のアクションを判断する情報を得ることができる。
このように、第三の実施形態の生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムによれば、最適品種構成計算部30で制約を満たす各工程設計の各スパンの生産量の解が求められない場合に、従来技術のように1以上の制約条件を省いて解が求められるまで何回も計算を行わず、制約緩和部31において、設備能力に関する制約条件、又は、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以下)に関する制約条件(特に、生産量下限値以上であるという制約条件)を緩和することにより、計算時間や手間を増大させることなく、制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる各工程設計の各スパンの生産量の最適な解を簡便に求めることができる。そして、制約緩和部31で設備能力に関する制約条件を緩和して各工程設計の各スパンの生産量の解が得られた場合は、設備能力をオーバーしているタームでの設備負荷を減らすような対応(例えば、適当な品種の生産量下限値を減らす)や、そのタームで設備能力を上げるような対応(残業をしたり、設備能力をフル稼働させたりする)の可否を検討することができる。また、制約緩和部31で生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以下)に関する制約条件(特に、生産量下限値以上であるという制約条件)を緩和して各工程設計の各スパンの生産量の解が得られた場合は、どの品種がどのタームで生産量下限値に満たないかといった、次の対応を意思決定するのに有効な情報を得ることができる。
[第四の実施形態]
上述の第一〜第三の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムにおいては、設備能力に関する制約、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約、及び、前後工程の製造量に関する制約を考慮しつつ、(売値−原料費−変動費)の総和である総利益と、全品種の生産量の総和である総生産のいずれかの評価指標を最大化するような工程設計毎の生産量を求めている。従って、製品の製造開始から製造完了までの時間(製造リードタイム)に依存する在庫コストを含めた総利益を考えたものではなく、設備能力に関する制約を満たすために、製造リードタイムが長くなっても(つまり製造開始を早めても)総利益(=(売値−原料費−変動費)の総和)が悪化しないので、必要以上に製造リードタイムが長い生産計画が作成される可能性がある。そこで、在庫コストを含めた総利益を考える場合には、第四の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを適用することができる。まず、第四の実施形態に係る生産計画作成装置について、図10に基づいて説明する。図10は、第四の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。
図10に示すように、生産計画作成装置1は、生産量情報記憶部2と、原料・売値情報記憶部3と、設備情報記憶部4と、評価指標設定部5と、ターム・スパン情報設定部6と、在庫コスト単価記憶部(在庫コスト単価記憶手段)7と、工程負荷原単位計算部10と、製造ルート情報記憶部11と、発生コスト原単位計算部20と、発生コスト情報記憶部21と、最適品種構成計算部30と、結果出力部40と、から構成される。尚、第一の実施形態に係る生産計画作成装置と同一の部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
評価指標設定部5は、各品種の生産量を最適化するための基準となる評価指標を設定するためのものであり、本実施の形態においては、(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和である総利益を評価指標とする。
在庫コスト単価記憶部7は、工程設計毎の、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録するためのものである。
最適品種構成計算部30は、発生コスト原単位計算部20で計算した工程設計毎の発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10で計算した工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位と、生産量情報記憶部2で記憶した生産量情報と、原料・売値情報記憶部3で記憶した原料・売値情報と、設備情報記憶部4で記憶した設備情報と、在庫コスト単価記憶部7で登録した在庫コスト単価と、評価指標設定部5で設定した評価指標とを参照して、設備能力に関する制約、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約、及び、前後工程の製造量に関する制約を考慮しつつ、評価式が最大化するような工程設計毎の生産量を決定する。
本実施の形態においては、線形計画法を用いて、例えば、製造リードタイムが長くなった場合に製造リードタイムと生産量に依存する在庫コストが増加するようにした以下の数6に示す式の最適化問題を解くことにより、工程設計毎の各スパンの生産量を決定する。尚、数6に示す式における設備負荷原単位は、上述の工程負荷原単位を意味する。

数6に示す式では、評価式として、総利益={売値−(原料費+変動費+在庫コスト)}の総和となっている。また、各工程設計の在庫コストは、
1)最終工程を処理する各スパン(例えば日)を各スパンでの生産量の重み付き平均する。
2)第一工程を処理する各スパンを各スパンでの生産量の重み付き平均する。
3)1)と2)の差にトータルの生産量と在庫コスト単価をかける。(数6に示す式では、トータルの生産量は約分でキャンセルされている。)
ことにより、計算される。
図11に、本実施の形態に係る在庫コストの計算のイメージを示す。図11は、本実施の形態に係るある工程設計についての在庫コストの計算を示したものである。図11において、色の薄い長方形は各工程でのスパン(本実施形態では日)別の生産量を示す。また、色の濃い長方形(第一工程及び最終工程)は、生産量の重み付き平均された時刻での総生産量を処理したと想定した場合を示す。つまり、数6に示す式においては、総生産量に対応する中間製品が、この間製造ラインに滞留していたとみなして在庫コストの計算を行う。従って、本実施形態においては、各工程・各スパン(日)での生産量は、どの日に製造完了するかという紐付けが必要なく、変数の数を大幅に減らすことができ、最適化計算の高速化が可能である。尚、製造完了日と各工程の生産量を紐付ける場合は、図12に示すように、厳密な在庫コストの計算が可能となるが、各工程・各スパンでの生産量を「何日に完成する製品に対応するか」というメッシュで分ける必要があるため、変数の数が爆発的に増え、最適化の計算時間が大幅に増加する。
次に、第四の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順について説明する。尚、第四の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順は、第一の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順と同一のステップからなり、図3に基づいて説明する。また、第四の実施形態に係る生産計画作成方法の処理は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
第四の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順は、図3に示すように、まず、事前に工程設計毎の発生コスト情報、製造ルート情報、生産量情報、原料・売値情報、設備情報、評価指標、ターム・スパン、及び在庫コスト単価に関するデータを入力し、それぞれ、磁気記憶装置等の発生コスト情報記憶部21、製造ルート情報記憶部11、生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、評価指標記憶部5、及び、ターム・スパン情報設定部6、在庫コスト単価記憶部7に登録しておく(ステップS1:生産量情報記憶ステップ、製品情報記憶ステップ、設備情報記憶ステップ、ターム・スパン情報設定ステップ、発生コスト情報記憶ステップ、在庫コスト単価記憶ステップ)。尚、ステップS2、S3の手順については、第一の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
そして、最適品種構成計算部30において、発生コスト原単位計算部20で計算した発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10において計算した工程負荷原単位と、事前に生産量情報記憶部2、原料・売値情報記憶部3、設備情報記憶部4、評価指標記憶部5、及び、在庫コスト単価記憶部7にそれぞれ登録した生産量情報、原料・売値情報、設備情報、評価指標、及び、在庫コスト単価を参照し、線形計画法を用いて最適化問題を解くことにより、工程設計毎の生産量を決定する(ステップS4:最適品種構成計算ステップ)。尚、ステップS5の手順については、第一の実施形態と同様であり、その説明を省略する。
以上のように、第四の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムによれば、中間製品の滞留時間(即ち、製造開始から製造完了までの時間である製造リードタイム)と生産量に依存する在庫コストを評価関数に含めることにより、在庫コストを含めた総利益(即ち、全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和を最大化するような生産計画を作成することができる。特に、製造開始から製造完了までの各工程の在庫コスト単価を同じにしていることから、計算が容易である。
[第五の実施形態]
上述の第四の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムにおいては、各工程の在庫コスト単価を同じにして在庫コストを計算しているがそれに限らない。即ち、各工程で在庫コスト単価が異なる場合には、第五の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムを適用することができる。まず、第五の実施形態に係る生産計画作成装置について説明する。尚、第五の実施形態にかかる生産計画作成装置は、第四の実施形態に係る生産計画作成装置と同一の部材を備え、図10に基づいて説明する。
図10に示すように、生産計画作成装置1は、生産量情報記憶部2と、原料・売値情報記憶部3と、設備情報記憶部4と、評価指標設定部5と、ターム・スパン情報設定部6と、在庫コスト単価記憶部7と、工程負荷原単位計算部10と、製造ルート情報記憶部11と、発生コスト原単位計算部20と、発生コスト情報記憶部21と、最適品種構成計算部30と、結果出力部40と、から構成される。尚、第一の実施形態に係る生産計画作成装置と同一の部材については同一の符号を付して、その説明を省略する。
評価指標設定部5は、各品種の生産量を最適化するための基準となる評価指標を設定するためのものであり、本実施の形態においては、(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和である総利益を評価指標とする。
在庫コスト単価記憶部7は、工程設計毎の、各工程の単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録するためのものである。
最適品種構成計算部30は、発生コスト原単位計算部20で計算した工程設計毎の発生コスト原単位と、工程負荷原単位計算部10で計算した工程設計毎の各工程に対する工程負荷原単位と、生産量情報記憶部2で記憶した生産量情報と、原料・売値情報記憶部3で記憶した原料・売値情報と、設備情報記憶部4で記憶した設備情報と、在庫コスト単価記憶部7で登録した在庫コスト単価と、評価指標設定部5で設定した評価指標とを参照して、設備能力に関する制約、生産量の範囲(生産量下限値以上生産量上限値以内)に関する制約、及び、前後工程の製造量に関する制約を考慮しつつ、評価式が最大化するような工程設計毎の生産量を決定する。
本実施の形態においては、線形計画法を用いて、例えば、工程間リードタイムが長くなった場合に工程間リードタイムと生産量に依存する在庫コストが増加するようにした以下の数7に示す式の最適化問題を解くことにより、工程設計毎の各スパンの生産量を決定する。尚、数7に示す式における設備負荷原単位は、上述の工程負荷原単位を意味する。
数7に示す式では、評価式として、総利益={売値−(原料費+変動費+在庫コスト)}の総和となっている。また、各工程設計の在庫コストは、
1)工程kを処理する各スパン(例えば日)を各スパンでの生産量の重み付き平均する。
2)工程k´=k−1(工程kの直前工程)を処理する各スパンを各スパンでの生産量の重み付き平均する。
3)1)と2)の差に工程kでの生産量と工程kでの在庫コスト単価をかける。(数7に示す式では、工程kでの生産量は約分でキャンセルされている。)
4)第二工程(k=2)から最終工程(k=Ki)まで1)〜3)を繰り返す。
ことにより、計算される。
図13に、本実施の形態に係る在庫コストの計算のイメージを示す。図13は、本実施の形態に係るある工程設計についての在庫コストの計算を示したものである。図13において、色の薄い長方形は各工程でのスパン(本実施形態では日)別の生産量を示す。また、色の濃い長方形(第一工程〜第四工程)は、生産量の重み付き平均された時刻での総生産量を処理したと想定した場合を示す。上述した第四の実施形態の図11と比較して、各工程間で個別に在庫コストを計算していることがわかる。つまり、数7に示す式においては、現工程での生産量に対応する中間製品が、この間前工程との間に滞留していたとみなして各工程での在庫コストの計算を行い、それらを合計してトータルの在庫コストとしている。従って、本実施形態においては、工程間で在庫コスト単価が異なる場合(例えば、特定の工程間では倉庫代がかかる場合など)に適用することができる。また、各工程・各スパン(日)での生産量は、どの日に製造完了するかという紐付けが必要なく、変数の数を大幅に減らすことができ(第四の実施形態と同じ変数の数)、最適化計算の高速化が可能である。
次に、第五の実施形態に係る生産計画作成装置1を用いた生産計画作成方法の処理の手順については、第四の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順と同一のステップからなり、その説明を省略する。また、第五の実施形態に係る生産計画作成方法の処理は、コンピュータにおいても同様に、プログラムとしてCPUにより読み出して実行することができる。また、このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータの記憶装置にインストールすることが可能である。
以上のように、第五の実施形態に係る生産計画作成方法及び生産計画作成装置、並びにプログラムによれば、製造開始から製造完了に至る中間製品の滞留時間(即ち、製造開始から製造完了までの各工程における工程間の時間である工程間リードタイム)と生産量に依存する在庫コストを評価関数に含めることにより、在庫コストを含めた総利益(即ち、全タームの(売値−原料費−変動費−在庫コスト)の総和を最大化するような生産計画を作成することができる。特に、製造開始から製造完了までの各工程において、工程毎の在庫コストの単価が異なる場合において適用することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
上述の実施形態においては、評価指標を利益最大化および生産量最大化としているが、それに限らない。
例えば、利益と生産量の重み和としてもよい。この場合は、下記のような場合に適用することができる。
・生産量を確保しながら利益を極力大きくする場合。
・生産量をなるべく小さくして利益を極量大きくする場合(評価指標について、生産量に負の重みを掛ける)。
・利益が同じであれば、生産量が大きい製品構成が望ましい場合。
また、例えば、評価指標を品種毎の売値の合計とし、総売上を最大化しても良い。
この場合は、利益よりも入金総額を重視した品種構成を決定したい場合に適用することができる。
更に、上述の実施形態においては、前後工程間の工程間時間を全て0として計算したが、それに限らず、前後工程間の工程間時間を設定した場合であっても適用することができる。この場合、製造ルート記憶部11において、予め工程間時間を設定しておき、最適品種構成計算部30において、工程間時間を含めた前後工程の製造量に関する制約を満たしつつ(上述の数1及び数2)、評価式を最大化するような工程設計毎の生産量を決定する。
第一の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。 本実施形態の対象とする生産ラインの一例を示す図である。 第一の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順について説明したフローチャートである。 利益最大となるように最適化された各工程設計の各タームの生産量の推移を示すものである。 生産量最大となるように最適化された各工程設計の各タームの生産量の推移を示すものである。 第二の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。 第二の実施形態に係る生産計画方法の処理の手順について説明したフローチャートである。 第三の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。 第三の実施形態に係る生産計画作成方法の処理の手順について説明したフローチャートである。 第四の実施形態に係る生産計画作成装置のブロック図である。 第四の実施形態に係るある工程設計についての在庫コストの計算を示したものである。 製造完了日と各工程の生産量を紐付けた場合のある工程設計についての在庫コストの計算を示したものである。 第五の実施形態に係るある工程設計についての在庫コストの計算を示したものである。
符号の説明
1 生産計画作成装置
2 生産量情報記憶部(生産量情報記憶手段)
3 原料・売値情報記憶部(製品情報記憶手段)
4 設備情報記憶部(設備情報記憶手段)
5 評価指標設定部
6 ターム・スパン情報設定部(ターム・スパン情報設定手段)
7 在庫コスト単価記憶部(在庫コスト単価記憶手段)
10 工程負荷原単位計算部(工程負荷原単位計算手段)
11 製造ルート情報記憶部(製造ルート情報記憶手段)
12 製造ルート生成部(製造ルート生成手段)
13 代替設備ルール記憶部
20 発生コスト原単位計算部(発生コスト原単位計算手段)
21 発生コスト情報記憶部(発生コスト情報記憶手段)
30 最適品種構成計算部(最適品種構成計算手段)
31 制約緩和部(制約緩和手段)
S0 製造ルート生成ステップ
S1 生産量情報記憶ステップ、製品情報記憶ステップ、設備情報記憶ステップ、ターム・スパン情報設定ステップ、発生コスト情報記憶ステップ、在庫コスト単価記憶ステップ
S2 工程負荷原単位計算ステップ
S3 発生コスト原単位計算ステップ
S4 最適品種構成計算ステップ
S7 制約緩和ステップ

Claims (36)

  1. CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置により実行される生産計画作成方法であって、
    前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約と、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する制約緩和手段により、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量が算出できない場合に、1以上の前記設備の前記タームに関して、前記設備能力に関する制約、または、前記生産量の範囲に関する制約を緩和して、前記各工程設計の各スパンの生産量を算出する制約緩和ステップと、
    を備えることを特徴とする生産計画作成方法。
  2. 前記制約緩和ステップは、
    前記処理能力に関する制約を緩和する場合は、前記処理能力により求めた1以上の前記設備の前記タームの総負荷が前記設備能力を超えた設備負荷オーバーに対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記設備負荷オーバーのペナルティを加えて、前記処理能力に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出し、
    前記生産量の範囲に関する制約を緩和する場合は、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値に満たなかった生産量未達に対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記生産量未達のペナルティを加えて、前記生産量の範囲に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出するか、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を前記生産量下限値及び前記生産量上限値にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を混合整数計画法で算出することを特徴とする請求項に記載の生産計画作成方法。
  3. 前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップと、を更に備え、
    前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定することを特徴とする請求項1または2に記載の生産計画作成方法。
  4. 前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップ、を更に備え、
    前記評価指標は、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする請求項3に記載の生産計画作成方法。
  5. CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置により実行される生産計画作成方法であって、
    前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップと、 前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップと、
    備え、
    前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定し、更に、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする生産計画作成方法。
  6. 前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップ、を更に備え、
    前記最適品種構成計算ステップは、更に、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たすことを特徴とする請求項に記載の生産計画作成方法。
  7. 前記製造リードタイムは、第一工程を処理するスパンと、最終工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことによりを計算し、
    前記工程間リードタイムは、各工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことにより計算することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の生産計画作成方法。
  8. 前記生産計画作成装置を構成する製造ルート生成手段により、代替設備が存在する場合に、予め設定した代替設備のルールをもとに、代替設備を割り当てた製造ルートを工程設計として作成して登録する製造ルート生成ステップ、を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の生産計画作成方法。
  9. 前記評価指標は、全品種の全タームの生産量の総和と設定することを特徴とする請求項1または2に記載の生産計画作成方法。
  10. 前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値を登録する製品情報記憶ステップ、を更に備え、
    前記評価指標は、全品種の全タームの売値の総和と設定することを特徴とする請求項1または2に記載の生産計画作成方法。
  11. 前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップと、
    前記生産計画作成装置を構成する発生コスト原単位計算手段により、前記変動費をもとに、製品を単位量生産する場合に要する前記工程設計毎の発生コストを発生コスト原単位として計算する発生コスト原単位計算ステップと、を更に備え、
    前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位と前記発生コスト原単位を用いて線形計画法により行うことを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の生産計画作成方法。
  12. 前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップ、を更に備え、
    前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位を用いて線形計画法により行うことを特徴とする請求項または10に記載の生産計画作成方法。
  13. 記憶装置とCPUを有するコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化するための生産計画作成装置により実行されるプログラムであって、
    前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約と、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する制約緩和手段により、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量が算出できない場合に、1以上の前記設備の前記タームに関して、前記設備能力に関する制約、または、前記生産量の範囲に関する制約を緩和して、前記各工程設計の各スパンの生産量を算出する制約緩和ステップ、
    備え、前記記憶装置にインストールして前記CPUにより読み出して実行されることを特徴とするプログラム。
  14. 前記制約緩和ステップは、
    前記処理能力に関する制約を緩和する場合は、前記処理能力により求めた1以上の前記設備の前記タームの総負荷が前記設備能力を超えた設備負荷オーバーに対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記設備負荷オーバーのペナルティを加えて、前記処理能力に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出し、
    前記生産量の範囲に関する制約を緩和する場合は、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値に満たなかった生産量未達に対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記生産量未達のペナルティを加えて、前記生産量の範囲に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出するか、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を前記生産量下限値及び前記生産量上限値にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を混合整数計画法で算出することを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
  15. 前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップ、を更に備え、
    前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定することを特徴とする請求項13または14に記載のプログラム。
  16. 前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップ、を更に備え、
    前記評価指標は、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
  17. 記憶装置とCPUを有するコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化するための生産計画作成装置により実行されるプログラムであって、
    前記生産計画作成装置を構成するターム・スパン情報設定手段により、制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する製造ルート情報記憶手段により、前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する設備情報記憶手段により、前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶ステップ、 前記生産計画作成装置を構成する発生コスト情報記憶手段により、前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する在庫コスト単価記憶手段により、前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶ステップ
    前記生産計画作成装置を構成する最適品種構成計算手段により、前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算ステップ、
    を備え、
    前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定し、更に、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定し、
    前記記憶装置にインストールして前記CPUにより読み出して実行されることを特徴とするプログラム。
  18. 前記生産計画作成装置を構成する生産量情報記憶手段により、前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶ステップ、を更に備え
    前記最適品種構成計算ステップは、更に、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たすことを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
  19. 前記製造リードタイムは、第一工程を処理するスパンと、最終工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことによりを計算し、
    前記工程間リードタイムは、各工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことにより計算することを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項に記載のプログラム。
  20. 前記生産計画作成装置を構成する製造ルート生成手段により、代替設備が存在する場合に、予め設定した代替設備のルールをもとに、代替設備を割り当てた製造ルートを工程設計として作成して登録する製造ルート生成ステップ、を更に備えることを特徴とする請求項13〜19のいずれか一項に記載のプログラム。
  21. 前記評価指標は、全品種の全タームの生産量の総和と設定することを特徴とする請求項13または14に記載のプログラム。
  22. 前記生産計画作成装置を構成する製品情報記憶手段により、前記品種毎に、売値を登録する製品情報記憶ステップ、を更に備え
    前記評価指標は、全品種の全タームの売値の総和と設定することを特徴とする請求項13または14に記載のプログラム。
  23. 前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップ、
    前記生産計画作成装置を構成する発生コスト原単位計算手段により、前記変動費をもとに、製品を単位量生産する場合に要する前記工程設計毎の発生コストを発生コスト原単位として計算する発生コスト原単位計算ステップ、を更に備え
    前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位と前記発生コスト原単位を用いて線形計画法により行うことを特徴とする請求項15〜20のいずれか一項に記載のプログラム。
  24. 前記生産計画作成装置を構成する工程負荷原単位計算手段により、前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算ステップ、を更に備え
    前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位を用いて線形計画法により行うことを特徴とする請求項21または22に記載のプログラム。
  25. CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置であって、
    制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定手段と、
    前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶手段と、
    前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶手段と、
    前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶手段と、
    前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約と、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算手段と、
    前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量が算出できない場合に、1以上の前記設備の前記タームに関して、前記設備能力に関する制約、または、前記生産量の範囲に関する制約を緩和して、前記各工程設計の各スパンの生産量を算出する制約緩和手段と、
    を備えることを特徴とする生産計画作成装置。
  26. 前記制約緩和手段は、
    前記処理能力に関する制約を緩和する場合は、前記処理能力により求めた1以上の前記設備の前記タームの総負荷が前記設備能力を超えた設備負荷オーバーに対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記設備負荷オーバーのペナルティを加えて、前記処理能力に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出し、
    前記生産量の範囲に関する制約を緩和する場合は、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値に満たなかった生産量未達に対応する変数を追加するとともに、前記評価指標に対して前記生産量未達のペナルティを加えて、前記生産量の範囲に関する制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法で算出するか、1以上の前記品種の前記タームに関して、当該タームを構成するスパンの生産量の合計を前記生産量下限値及び前記生産量上限値にかかわらず0とするかどうかを表す0−1変数を追加して、前記制約を満たした予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を混合整数計画法で算出することを特徴とする請求項25に記載の生産計画作成装置。
  27. 前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶手段と、
    前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶手段と、を更に備え、
    前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定することを特徴とする請求項25または26に記載の生産計画作成装置。
  28. 前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶手段、を更に備え、
    前記評価指標は、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする請求項27に記載の生産計画作成装置。
  29. CPUと記憶装置を備えるコンピュータにおいて、複数の工程で生産する複数の品種の製品の生産量を最適化する生産計画作成装置であって、
    制約を評価する最小時間の単位であるスパンと、1以上のスパンから構成され生産計画作成の単位であるタームと、生産計画作成を行うターム数と、を記憶するターム・スパン情報設定手段と、
    前記品種毎に、製品を製造するための複数の工程について処理可能な設備を割り当てた1以上の製造ルートを工程設計として登録するとともに、前記工程設計毎に、各工程の処理能力を登録する製造ルート情報記憶手段と、
    前記各設備の前記ターム毎に、設備能力を登録する設備情報記憶手段と、
    前記品種毎に、売値と原料費を登録する製品情報記憶手段と、 前記工程設計毎に、各工程で発生する変動費を登録する発生コスト情報記憶手段と、
    前記工程設計毎に、単位時間・単位量あたりの在庫コスト単価を登録する在庫コスト単価記憶手段と、
    前記処理能力と、前記設備能力と、を参照して、前記工程設計毎の各工程について、後工程は、前工程に対して、前工程と後工程の間に必要な工程間時間だけ先までの時刻において後工程で処理する量が前工程で処理する量を超えないとする前後工程の製造量に関する制約と、前記処理能力により求めた前記各設備の前記ターム毎の総負荷が前記設備能力を超えないとする設備能力に関する制約を満たしつつ、予め設定した評価指標が最大となる前記各工程設計の各スパンの生産量を線形計画法により算出する最適品種構成計算手段と、
    備え、
    前記評価指標は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和、又は、全タームの(売値−原料費−変動費)の総和と全品種の全タームの生産量の総和との重み付きの和、と設定し、更に、前記工程設計毎に、第一工程を処理するスパンと最終工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの製造リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コスト、又は、前記工程設計毎に、各工程を処理するスパンをもとにして得られる製造開始から製造完了までの各工程における工程間リードタイムと、生産量とから、前記在庫コスト単価に基づいて計算される在庫コストを含めて設定することを特徴とする生産計画作成装置。
  30. 前記各品種の前記ターム毎に、要求される生産量の範囲として、生産量下限値と生産量上限値とを登録する生産量情報記憶手段、を更に備え、
    前記最適品種構成計算手段は、更に、前記各品種の前記ターム毎に、当該タームを構成するスパンの生産量の合計が前記生産量下限値以上前記生産量上限値以内の範囲内であるとする生産量の範囲に関する制約を満たすことを特徴とする請求項29に記載の生産計画作成装置。
  31. 前記製造リードタイムは、第一工程を処理するスパンと、最終工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことによりを計算し、
    前記工程間リードタイムは、各工程を処理するスパンを、それぞれスパン毎の生産量の重み付き平均として扱うことにより計算することを特徴とする請求項28〜30のいずれか一項に記載の生産計画作成装置。
  32. 代替設備が存在する場合に、予め設定した代替設備のルールをもとに、代替設備を割り当てた製造ルートを工程設計として作成して登録する製造ルート生成手段、を更に備えることを特徴とする請求項25〜31のいずれか一項に記載の生産計画作成装置。
  33. 前記評価指標は、全品種の全タームの生産量の総和と設定することを特徴とする請求項25または26に記載の生産計画作成装置。
  34. 前記品種毎に、売値を登録する製品情報記憶手段、を更に備え、
    前記評価指標は、全品種の全タームの売値の総和と設定することを特徴とする請求項25または26に記載の生産計画作成装置。
  35. 前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算手段と、
    前記変動費をもとに、製品を単位量生産する場合に要する前記工程設計毎の発生コストを発生コスト原単位として計算する発生コスト原単位計算手段と、を更に備え、
    前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位と前記発生コスト原単位を用いて線形計画法により行うことを特徴とする請求項27〜32のいずれか一項に記載の生産計画作成装置。
  36. 前記処理能力をもとに、製品を単位量生産する場合の前記工程設計毎の各工程の負荷を工程負荷原単位として計算する工程負荷原単位計算手段、を更に備え、
    前記評価指標の計算は、前記工程負荷原単位を用いて線形計画法により行うことを特徴とする請求項33または34に記載の生産計画作成装置。
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