JP4786743B2 - 車両シート用モータ駆動式アクチュエータ - Google Patents

Description

本発明は、車両シート用モータ駆動式アクチュエータに関し、特に、請求項１の前文の特徴を有するモータ車両シート用のモータ駆動式アクチュエータに関する。

ＤＥ１０２００４０１９４６６Ａ１は、電子的に整流されたモータユニットと第１ギアステージとしての差動ギア（differential gear）とを第２ギアステージとしての耐荷重ギア内に空間的に且つ機能的に組み込んだ従来の車両シート用モータ駆動式アクチュエータを開示している。

本発明の目的は、前述したような従来の車両シート用モータ駆動式アクチュエータを改良することである。
本発明の目的は、請求項１の特徴を有する車両シート用モータ駆動式アクチュエータにより達成される。
有利な改良は、従属する請求項の要旨である。

本発明に係る車両シート用モータ駆動式アクチュエータは、小さく、コンパクトで、分離不可能な、予め組み立てることが可能なユニットであり、低い駆動トルクで電力をほとんど必要とせず且つ全体の占有空間が小さいモータユニットと、耐荷重ギア（＝パワーフラックス内、例えば、相互に移動自在な２つの構成部材間のパワーフラックス内に位置されるギア）を組み込んだ少なくとも２段高ステップダウンギア（two-stage high step-down gear）とを備えている。

製造作業工程において、組み付け済みの車両シート用モータ駆動式アクチュエータ内に対してシール部材を組み込むことにより、車両シート用モータ駆動式アクチュエータの構成部材を組み付ける際に傷付き易い電子部品および機械部品を破損させることなく、部分的に積極的な表面改良（すなわち、洗浄や塗装などの表面処理）を施すことができ、モータユニットおよび／またはモータユニットの電気接点および／またはギアステージのうちの少なくとも１つを保護できるようになっている。
積極的な表面改良の作業工程においてシール効果を発揮し、一方、組み付け済みの車両シート用モータ駆動式アクチュエータからシール部材を除去した際には、遊びを補償するため、あるいは、揺動を補償するための自由空間を確保できるようになっている。

前述した自由空間は、摩擦を減少させて車両シート用モータ駆動式アクチュエータの動作コストを減少させ、駆動効率を向上させるようになっている。
積極的な表面改良の作業工程において簡単に取り付けられるキャップまたは同様のものに関し、および、積極的な表面改良の作業工程の後においてのみ傷付き易い部品が取り付けられるという処理シーケンスの変更に関し、いずれに関しても、組み立て労力、したがって、組み立てコストが低く維持されるようになっている。

車両シート用モータ駆動式アクチュエータの組み付け作業工程において、シール部材は、例えば、シールの形態を成す別個の構成部材として組み付けられ、あるいは、他の構成部材上に構成され、例えば、薄い材料層として、あるいは、材料収縮部を介して一体に形成されている。
そして、複数のシール部材が、設けられているのが好ましい。
また、存在するシール部材（すなわち、未だ除去されていないシール部材）の一部をある方法で設け、他のシール部材を他の方法で設けても何ら構わない。
存在するシール部材は、表面処理の積極的な作業工程中、好ましくは洗浄および／または塗装の積極的な作業工程中に車両シート用モータ駆動式アクチュエータが閉じられた表面を有する状態を形成し、一方、除去されたシール部材は、車両シート用モータ駆動式アクチュエータを機械的および電気的に開放された表面を有する状態、すなわち、少なくとも１つの出力手段と少なくとも１つの電気接点とを有する状態を形成するようになっている。

シール部材は、表面改良の作業工程中、好ましくは洗浄および／または塗層の積極的なの作業工程中に、熱によって除去、例えば、熱可塑性材料または存在する同様の材料からシール部材を形成することによって除去されるように設計しても良く、また、表面改良の作業工程中、例えば、乾燥または他の熱処理の非積極的で最終的な作業工程中に自動的に除去されまたは収縮するように設計しても良い。
シール部材の熱可塑性材料は、乾燥または他の熱処理中に収縮しまたは液化しまたは軟化するとともに、これまでのシール空間（すなわち、シール部材が配置されてシール機能の発揮する空間）から、この目的のためにハウジングに形成されたキャビティ部分内へと重力または毛管現象によって除去されるようになっているのが好ましい。

また、例えば、シール部材を薄いシートとして形成することによって、あるいは、車両シート用モータ駆動式アクチュエータの構成部材に対して所定の破壊点またはフィルムヒンジを設けることによって、シール部材を機械的に除去するように設計しても何ら構わない。
この場合、シール部材は、設置によって、あるいは、その意図された場所で車両シート用モータ駆動式アクチュエータを動作状態に置くことによって、設置前に破壊され、破られ、開放され、全体的にまたは部分的に折り曲げられ、または、除去されるようになっている。
シール部材が電気接点のコネクタ上に設けられる場合には、必要な嵌め合い接点の取り付けによってシール部材が除去されるように設計しても良い。
シール部材が同伴手段または他のドライブ部材に設けられる場合には、必要な伝達ロッドの取り付けによってシール部材が除去されるように設計しても良い。

例えば、時間的に、すなわち、熱処理によってシール部材をできる限り最初に除去した後に残りの部分を機械的な処理によって除去するように設計する（あるいは、その逆の作業手順）ことで、両方の変形例を組み合わせても良く、また、空間的に、すなわち、シール部材が複数ある場合に一部を熱によって除去するとともに他の部分を機械的に除去することで、両方の変形例を組み合わせても良い。

第１ギアステージは、例えば、ＵＳ４２２８６９８Ａに開示されているように、歯車の簡単な回転およびピニオンを用いてハウジングに固定されたガイド部材を有する円形のスラストギア（thrust gear）、すなわち、表面圧力ギア（surface pressure gear）として構成されているのが好ましいが、例えば、ＥＰ０４５０３２４Ｂ１に記載されているように、オールダムカップリング（oldham coupling）、すなわち、クロスクランクギア（cross-crank gear）として構成されていても良い。
円形のスラスト動作に起因して、歯は、リニア接触を発生するために任意のインボリュートを有している必要は全くないが、その代わり、平坦にすることができ、したがって、かなり高い負荷に耐えることができるようになっている。
複数の歯の噛み合い、したがって、ねじれ面バックラッシュの減少は、この点でも有利な効果を奏するようになっている。
ギアステージに何らかの不均衡が存在する場合には、質量補償を行っても良く、その結果、高調波経路（harmonic path）を確保できるようになっている。

そのディスク形状以外に、第２ギアステージは、例えば、ＤＥ１０２００４０１９４６６Ａ１に記載される耐荷重ギア（load-bearing gear）として設計されている。
すなわち、（好ましくは自動ロック式の）偏心経路ギア（eccentric path gear）によって（固定して調整するために）相互に連結される２つの取り付け部材は、多重揺動を伴う回転動作を相互に対して行うようになっている。
取り付け部材がディスク形状を呈していない場合、第２ギアステージのせいぜい僅かな部分しかハウジング内に組み込むことができない。
第２ギアステージの全ての変形例において、例えば、第１ギアステージと第２ギアステージとの間に更なるギアステージを設けても良い。

中空シャフト構造は、好ましくは耐荷重ギアのための駆動部材における凹凸状の中心のレセプタクル部分によって、すなわち、以下に示す本発明の一実施例の場合には第２ギアステージの同伴手段によって、車両シートの両サイド間における伝達ロッドの簡単な接続を実現するようになっている。

本発明を図面に示された一実施例に基づいて以下に詳細に説明する。

本発明の一実施例である車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、例えば、自動車の車両シート２に用いられ、モータハウジング３を備えている。
回転軸が主軸Ａと称され且つ以下で使用される方向表示を画定する回転自在に装着されるロータ６と、モータハウジング３内に装着固定されるステータ７とが、モータハウジング３の内部に配置されている。
中空シャフトとして構成されるロータ６は、その外周面上に複数の永久磁石を周方向で支持している。
永久磁石の径方向外周側には、複数の固定極および巻線積層体を有するステータ７が配置されている。
そして、ロータ６およびステータ７は、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１内に組み込まれる電子的に整流されたモータユニット１１を協働して構成している。
ステータ７から軸方向にオフセットした状態でモータハウジング３内に配置されるプリント回路基板１３は、ステータ７を電子的に整流するために設けられている。
なお、モータユニット１１をブラシで整流しても良い。
本実施例では、モータハウジング３から軸方向に突出するコネクタ１５が、モータハウジング３と一体に取り付けられ、あるいは、形成されている。
コネクタ１５の内面は、プリント回路基板１３に接続される電気接点１７を取り囲んでいる。
モータハウジング３の製造途中段階において、コネクタ１５は、図４に示すように、以下で第１シール部材１９と称する蓋部材を伴った状態を呈している。
第１シール部材１９とコネクタ（プラグ）１５との間には、所定の破壊点またはフィルムヒンジの形態を成す材料収縮部が設けられているのが好ましく、あるいは、第１シール部材１９の全体が薄いシートとして形成されているのが好ましい。

車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、円形のスラストギア（thrust gear）、すなわち、表面圧力ギア（surface pressure gear）の作動原理に基づくとともにモータユニット１１の出力側に配置される一体化された第１ギアステージ２１を有している。
そして、モータユニット１１の出力手段として機能するロータ６は、ステータ７を超えて軸方向に延びているとともに、相互に周方向に１８０°オフセットした状態で配置されて径方向に突出する２つのカム部分または同様のものを軸方向に連続して有している。
このロータ６の偏心手段として機能するこれらロータ６のカム部分には、歯車部材２４がそれぞれ取り付けられている。
軸方向に前後して配置される２つの歯車部材２４は、共通の内歯車部材２５と噛み合っており、歯車部材２４を取り付けることによって生じる噛み合いは、内歯車部材２５の２つの対向するポイントで行なわれる、すなわち、各歯車部材２４と内歯車部材２５とは、それぞれ１つのポイントを介して相互に噛み合うようになっている。
内歯車部材２５は、モータハウジング３に対して強固に接続されている。
したがって、これら２つの歯車部材２４は、ロータ６によって駆動された際、多重揺動（superimposed wobbling）を伴う回転動作を呈するようになっている。

そして、前述した第１ギアステージ２１の出力手段として、同伴手段２８が設けられている。
この同伴手段２８は、中空シャフト構造を成して構成されており、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１の軸方向の長さ全体にわたって延びているのが好ましい。
同伴手段２８の全長の一部は、ロータ６の内側に配置されている。
組み付け作業工程において、同伴手段２８とモータハウジング３との間には、以下に第２シール部材２９と称するシールが、モータハウジング３の外側に向かう同伴手段２８の端部に配置されている。
図２に示すように、モータハウジング３は、この位置にキャビティ部分３ａを有している。

そして、前述した同伴手段２８は、プリント回路基板１３から離れたロータ６の端部側に、径方向外周側に突出するフランジ部分を有しており、このフランジ部分は、内歯車部材２５の径方向内周側に突出するフランジ部分の径方向内側に位置している。
組み付け作業工程において、同伴手段２８のフランジ部分と内歯車部材２５のフランジ部分との間には、以下に第３シール部材３０と称する更なるシールが配置されている。
内歯車部材２５は、この位置に、キャビティ部分２５ａを有している。
複数のガイド部材（例えば、ボルト）は、同伴手段２８のフランジ部分から軸方向に突出して、遊びを有した状態で歯車部材２４に形成された開口部内にそれぞれ達しており、また、ガイド部材の個数と歯車部材２４に形成された開口部の数とは、相互に対応している。
歯車部材２４が周方向に１８０°にわたってオフセットして配置されていることにより、すなわち、周方向に１８０°オフセットして配置されたロータ６の２つのカム部分によって２つの歯車部材２４が半径方向に相互にオフセットしていることにより、歯車部材２４の揺動を補償するガイド部材の明確な横方向力の無い設計が実現する(すなわち、２つの歯車部材２４が半径方向にオフセット、換言すると、２つの歯車部材２４に形成された開口部が半径方向にオフセットしていることによって、単一の歯車部材２４の開口部とガイド部材との間に存在していた遊びを保証する）とともに、主軸Ａを中心とする同伴手段２８の純粋な回転動作が実現するようになっている。

そして、前述した同伴手段２８は、同時に、第２ギアステージ３１の一部として機能している。
第２ギアステージ３１は、主軸Ａと同軸な歯車を有する第１取り付け部材３３と、ギアリムを有する第２取り付け部材３４とを備えており、これら第１取り付け部材３３と第２取り付け部材３４は、相互に噛み合って偏心経路ギア（eccentric path gear）を構成しているとともに、偏心手段によって駆動されることにより、回転動作と多重揺動とから成る相互に上下の相対的な転がり動作を行うようになっている。
偏心手段は、同伴手段２８と、ブロック（blocking）および遊びを開放（releasing play）するための楔手段とによって構成されている。
このタイプの偏心経路ギアの原理は、ＤＥ４４３６１０１Ａ１に記載されており、その開示内容は、本明細書に明示的に組み入れられている。
本実施例で用いられる第２ギアステージ３１のディスク形状は、ＤＥ１０１０５２８２Ａ１に記載されており、この開示内容も本明細書に明示的に組み入れられている。

一方では、同伴手段２８の関与を伴って構成される偏心手段は、第１取り付け部材３３の内周に圧入された滑り軸受ブシュ３７の内部に装着されている。
他方では、同伴手段２８は、カラー部分３８の内部に取り付けられて、クリップ留めされたサークリップ４０を介して第２取り付け部材３４を軸方向に固定しており、第２取り付け部材３４は、同伴手段２８に対して回転自在な状態を呈している。
そして、第２取り付け部材３４およびカラー部分３８は、主軸Ａと平行にオフセットして配置され且つ揺動を画定する副軸Ｂと同軸状に配置されている。
第１取り付け部材３３は、内歯車部材２５を介してモータハウジング３に対して強固に接続されている。
把持リング４３は、モータハウジング３と内歯車部材２５と第１取り付け部材３３とに対して強固に接続され、これにより、共通のハウジング４５を構成しているとともに、第２取り付け部材３４の径方向外周側縁部と重なり合っており、また、摩擦を低減するための摺動部材を挿入しても良い。

車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、モータユニット１１と第１ギアステージ２１と第２ギアステージ３１とを組み立てることによって前述したように製造されて共通のハウジング４５の内部に組み付けられると、最初に、その全体を洗浄され、より具体的には浸漬槽内でその全体を洗浄され、あるいは、噴射プロセスを介してグリース除去作業を受けるようになっている。
その後、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、同様に浸漬槽内で、あるいは、噴射プロセスを用いてその全体を塗装されるようになっている。
洗浄および塗装の両方の作業工程において、第１シール部材１９と第２シール部材２９と第３シール部材３０とによって、電気接点１７またはモータハウジング３の内部および内歯車部材２５の内部、したがって、モータユニット１１および第１ギアステージ２１の構成部材は、洗浄剤および塗料と接触しないように保護され、したがって、製品特性を害しないように保護されるようになっている。
このように、第１シール部材１９と第２シール部材２９と第３シール部材３０とは、モータユニット１１と電気接点１７と第１ギアステージ２１とをシールしている。

そして、塗装後、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、乾燥炉内で乾燥を受け、すなわち、熱処理されるようになっている。
モータユニット１１および第１ギアステージ２１の構成部材は、同様に高い作動温度ピークに合わせて設計されているため、何の問題なく約１４０℃から１６０℃までの使用温度に耐えるように設計されている。
本発明では、第２シール部材２９と第３シール部材３０は、熱可塑性物質から成形されており、その融点は、乾燥炉の温度に対応し、あるいは、それよりも低くなっている。
したがって、第２シール部材２９と第３シール部材３０は、乾燥炉内で液化するようになっている。
第２シール部材２９と第３シール部材３０の材料は、例えば、モータハウジング３のキャビティ部分３ａおよび内歯車部材２５のキャビティ部分２５ａの容積が小さい場合、これまでのシール空間（すなわち、第２シール部材２９と第３シール部材３０とが液化するまで配置されてシールしていた空間）から、フリー状態に保たれたモータハウジング３のキャビティ部分３ａおよび内歯車部材２５のキャビティ部分２５ａへと毛管現象により自動的に流れ込むようになっている。
第２シール部材２９および第３シール部材３０の組み付け作業工程においてモータハウジング３のキャビティ部分３ａおよび内歯車部材２５のキャビティ部分２５ａをフリー状態に保つために、例えば、第２シール部材２９と第３シール部材３０が液化する際に事後的に再び除去され、あるいは、抜け落ちるプレースホルダを設けても良い。
その後、これまでのシール空間は、遊びを補償するための自由空間、あるいは、揺動を補償するための自由空間として同伴手段２８によって利用されるようになっている。
変形例として、第２シール部材２９と第３シール部材３０の材料は、乾燥または他の熱処理中に収縮するように設計されても良く、そのため、これまでのシール空間が、少なくとも部分的に解放される（すなわち、空けられる）ようになっている。
全ての場合において、シールされる構成部品間の既存の接触力は、解消されるようになっている。

その後、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、意図された所定の場所に設置されて、いつでも動作可能な状態を呈するようになっている。
電気的な接続のため、コネクタ１５に差し込まれ、あるいは、嵌め付けられる工具または好ましくは嵌め合いコネクタ５５を使用して、第１シール部材１９を破壊し、破り、全体的にまたは部分的に折り曲げ、あるいは、除去するとともに、嵌め合いコネクタ５５を挿入し、あるいは、スライドさせるようになっている。
これらのステップは、図５Ａ乃至図５Ｃに概略的に示されている。
第１シール部材１９の折り曲げられた部分は、嵌め合いコネクタ５５のためのロック機能を果たすようになっているのが好ましい。
第１シール部材１９は、熱によって、すなわち、第２シール部材２９と第３シール部材３０と同様に除去されるように設計しても良い。
第１シール部材１９を除去するための熱処理は、機械的な除去に代わる手段として、あるいは、機械的な除去の準備段階として用いても良い。
後者の変形例では、工具または嵌め合いコネクタ５５が、第１シール部材１９の残留物のみを排除するようになっている。

そして、前述した同伴手段２８は、副軸Ｂと同軸な凹凸形状のレセプタクル部分２８ａを有している。
この同伴手段２８のレセプタクル部分２８ａは、車両シート２の他方サイドに配置された単一の第２ギアステージ３１を同期の取れた状態で駆動させるため、伝導ロッドを回り止め状態で受容するように設計されている。
なお、電子整流によって車両シート２の両サイド間の同期を取るように設計しても良い。
図６に示す変形例では、同伴手段２８の端面、特に、開放されたレセプタクル部分２８ａを第１シール部材１９と同様の形式で第４シール部材５６によって覆っており、この第４シール部材５６は、例えば、所定の破壊点またはフィルムヒンジの形態を成す材料収縮部によってモータハウジング３または特にハウジング４５の他の構成部材に対して接続されているとともに、前述した第２シール部材２９の代替として用いられている。
前述した同伴手段２８を回転させ、あるいは、伝達ロッドを挿入する際に、第４シール部材５６は破られ、したがって、第４シール部材５６は除去されるようになっている。
また、熱処理を用いて第４シール部材５６を除去しても良く、あるいは、第４シール部材５６の除去の準備段階として熱処理を用いても良い。

第２ギアステージ３１は、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１によって相互に移動する車両シート２の２つの構成部材間のパワーフラックス（power flux）、すなわち、動力伝達部内に位置する耐荷重ギアとしての機能を果たし、特に、衝突時に力を吸収して伝えるようになっている。
本発明に係る車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、例えば、車両シート２の座部５９に対する車両シート２の背もたれ５８の傾斜角度を調整するために用いられ、そのため、第２ギアステージ３１は、背もたれ５８と座部５９との間のパワーフラックス内に位置している。
例えば、共通のハウジング４５が、座部５９の構造体に接続されているとともに、第２取り付け部材３４が、出力手段として背もたれ５８の構造体に接続されている。

しかしながら、本発明の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１は、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１が、例えば、一方のロッカと他方のシートフレームまたはシートレールとの間で作用するという点で、座部５９の高さを調整するために用いられても良い。
そして、相互に移動自在な車両シート２の他の構成部材間で車両シート用モータ駆動式アクチュエータ１を用いても何ら構わない。

本発明の一実施例である車両シート用モータ駆動式アクチュエータを示す断面図。 図１の矢印IIの方向から見た車両シート用モータ駆動式アクチュエータの部分平面図。 車両シートの概略図。 シール部材を装着した状態のコネクタの斜視図。 シール部材を装着した状態を示す説明図。 シール部材が破られて折り曲げられた状態を示す説明図。 嵌め合いコネクタを嵌着した状態を示す説明図。 第４シール部材を用いた変形例を示す断面図。

符号の説明

１ ・・・ 車両シート用モータ駆動式アクチュエータ
２ ・・・ 車両シート
３ ・・・ モータハウジング
３ａ ・・・ モータハウジングのキャビティ部分
６ ・・・ ロータ
７ ・・・ ステータ
１１ ・・・ モータユニット
１３ ・・・ プリント回路基板
１５ ・・・ コネクタ
１７ ・・・ 電気接点
１９ ・・・ 第１シール部材
２１ ・・・ 第１ギアステージ
２４ ・・・ 歯車部材
２５ ・・・ 内歯車部材
２５ａ ・・・ 内歯車部材のキャビティ部分
２８ ・・・ 同伴手段
２８ａ ・・・ レセプタクル部分
２９ ・・・ 第２シール部材
３０ ・・・ 第３シール部材
３１ ・・・ 第２ギアステージ
３３ ・・・ 第１取り付け部材
３４ ・・・ 第２取り付け部材
３７ ・・・ 滑り軸受ブシュ
３８ ・・・ カラー部分
４０ ・・・ サークリップ
４３ ・・・ 把持リング
４５ ・・・ ハウジング
５５ ・・・ 嵌め合いコネクタ
５６ ・・・ 第４シール部材
５８ ・・・ 背もたれ
５９ ・・・ 座部
Ａ ・・・ 主軸
Ｂ ・・・ 副軸

Claims (13)

1. 電子的に整流されたモータユニット（１１）と、該モータユニット（１１）の出力側に配置される第１ギアステージ（２１）と、該第１ギアステージ（２１）の出力側に配置されて耐荷重ギアとしての機能を果たす第２ギアステージ（３１）とを備え、共通のハウジング（４５）内に組み込んだ状態で備え、車両または車両シート（２）の相互に移動自在な２つの構成部材（５８、５９）の間に設けられる車両用のモータ駆動式アクチュエータ、特に、車両シート（２）用の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）において、
   組み立てられた車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）が、モータユニット（１１）および／またはその電気接点（１７）および／または第１ギアステージ（２１）および第２ギアステージ（３１）のうちの少なくとも１つを保護するために製造中に組み込まれ且つ設置された直ぐに動作できる状態の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）から除去されるシール部材（１９、２９、３０、５６）を有していることを特徴とする車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）。
2. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、洗浄および／または塗装における少なくとも特定の部分で積極的な表面処理中に活性する熱可塑性材料から成形されていることを特徴とする請求項１記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ。
3. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、表面処理の積極的な作業工程の後の乾燥中または他の熱処理中に自動的に除去されまたは収縮されて、シール空間を全体的または部分的に解放する熱可塑性材料から成形されていることを特徴とする請求項２記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ。
4. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、乾燥中または他の熱処理中に液化または軟化するとともに、シール空間から毛管現象によって除去される熱可塑性材料から成形されていることを特徴とする請求項３記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ。
5. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、全体が薄いシートとして構成され、または、所定の破壊点またはフィルムヒンジまたは他の材料収縮部によって車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）の構成部材（３、１５、２５）に対して接続されていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ。
6. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、設置によって、あるいは、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）を動作状態に置くことによって設置前に破壊され、破られ、開放され、全体的にまたは部分的に折り曲げられ、または、除去されるようになっていることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ。
7. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）のコネクタ（１５）上に設けられるとともに、嵌め合いコネクタ（５５）の取り付けによって除去されるようになっていることを特徴とする請求項６記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ。
8. 座部（５９）と、背もたれ（５８）と、座部（５９）と背もたれ（５８）との間に設けられる請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）とを備えていることを特徴とする車両シート（２）。
9. 請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）を製造するための方法であって、この製造方法にしたがって、電気接点（１７）によって接続自在なモータユニット（１１）と、該モータユニット（１１）の出力側に配置される第１ギアステージ（２１）と、該第１ギアステージ（２１）の出力側に配置されて耐荷重ギアとしての機能を果たす第２ギアステージ（３１）とが組み合わされて車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）が形成され、組み立てられた車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）が、洗浄および／または塗装における特定の部分で積極的な表面処理に晒される方法において、
   前記モータユニット（１１）および／またはその電気接点（１７）および／または第１ギアステージ（２１）が、表面処理前に少なくとも１つのシール部材（１９、２９、３０、５６）を導入する、あるいは、形成することによってシールされていることを特徴とする方法。
10. 前記車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）が、洗浄および塗装における表面処理の積極的な作業工程の後に乾燥または他の熱処理を施されるようになっていることを特徴とする請求項９記載の方法。
11. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、乾燥中または他の熱処理中に液化または軟化しまたは収縮する材料から成形されていることを特徴とする請求項１０記載の方法。
12. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、液化または軟化した後に自動的に車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）のハウジング（４５）のキャビティ部分（３ａ、２５ａ）内へ流れる材料から成形されていることを特徴とする請求項１１記載の方法。
13. 前記シール部材（１９、２９、３０、５６）が、車両シート用モータ駆動式アクチュエータ（１）の表面処理後に特に挿入された伝達ロッドまたは差し込まれまたは嵌め付けられた嵌め合いコネクタ（５５）によって破壊されおよび／または全体的にまたは部分的に除去されるようになっていることを特徴とする請求項９乃至請求項１２のいずれかに記載の方法。

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