JP4786672B2 - プロセス制御システム内で利用される入出力デバイス、及び該デバイスを設定する方法 - Google Patents

プロセス制御システム内で利用される入出力デバイス、及び該デバイスを設定する方法 Download PDF

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Description

本発明はプロセス制御システムに関し、特に、プロセス制御システムにおける入出力デバイスの設定制御、障害分離制御、および冗長障害支援制御を実施する装置および方法に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題
大規模プロセス、例えば化学プロセス、石油プロセス、ならびにその他の製造プロセスおよび精製プロセスは複数のフィールドデバイスを多種の場所に備えており、そのプロセスのパラメータを測定および制御しており、それによりそのプロセスの制御を達成させている。これらのフィールドデバイスは、例えば、温度センサ、圧力センサ、および流速センサのようなセンサであっても良く、また同様にバルブおよびスイッチのような制御素子であっても構わない。
歴史的には、プロセス制御産業は、手動によるレベルおよび圧力ゲージの読取りまたはバルブホイールの回転等のような手動操作を用いて、プロセス内の測定を操作すると共にフィールドデバイスを制御していた。20世紀のはじめに、プロセス制御産業は局所的な空気制御を利用し始め、そこでは局所的な空気制御装置、トランスミッタ、およびバルブポジショナがプロセスプラント内の多種の場所に置かれ、あるプラント区域の制御を達成していた。1970年代のマイクロプロセッサ式の分散型制御システム(DCS)の登場により、分散型電子プロセス制御がプロセス制御産業内で普及しだした。
公知のように、DCSはアナログまたはデジタルコンピュータ、例えばプログラム可能な論理制御装置を備えており、プロセス全体に亘って設置されており、複数の電子監視および制御デバイス、例えば、電子センサ、トランスミッタ、電流―圧力変換機、またはバルブポジショナに接続されている。そのDCSコンピュータは集中化されそしてしばしば複雑な制御スキームを格納すると共に実施し、そのプロセス内のデバイスの測定および制御を達成し、それにより、ある全体的な制御スキームに従ってプロセスパラメータを制御する。しかしながら、通常、DCSにより実施される制御スキームはそのDCS制御装置製造会社が独自に開発したものであり、それは、言い換えると、そのDCSの普及、機能向上、再プログラム、およびサービスを難しく且つ高価なものにしている。これは、そのDCSプロバイダはこれらの活動のどれを実行するにも一体化された方法で関係しなければならないからである。さらに、どのような特定のDCSに用いられるまたはその中で接続することができる装置であっても、DCS制御装置の財産的価値およびDCS制御装置のプロバイダが他のベンダによって製造される、あるデバイスまたはデバイスの機能ををサポートしないだろうという事実のために制限され得る。
メーカ独自のDCSを利用する際の固有の問題を解決するために、プロセス制御産業は複数の標準的な公開型の通信プロトコルを開発してきており、例えば、HART(登録商標)プロトコル、PROFIBUS(登録商標)プロトコル、WORLDFIP(登録商標)プロトコル、LONWORKS(登録商標)プロトコル、Device-Net(登録商標)プロトコル、およびCANプロトコルが含まれ、それらは、異なる製造業者により造られたフィールドデバイスが同じプロセス制御ネットワーク内で一緒に使われるのを可能にしている。事実、これらのプロトコルの一つに対応する任意のフィールドデバイスはプロセス内で用いることができ、DCS制御装置またはそのプロトコルをサポートするその他の制御装置と通信し且つそれにより制御され、たとえそのフィールドデバイスがそのDCSの製造業者とは異なる製造業者であったとしても同様である。
さらに、プロセス制御産業内にはプロセス制御を非集中型に使用するという動きがあり、それにより、DCSを簡略化するかまたはDCS制御装置の必要性を大幅に減少させる。非集中型制御は、バルブポジショナまたはトランスミッタ等のようなプロセス制御デバイスに一または複数のプロセス制御機能を実行させ、そして、その他のプロセス制御デバイスがその他の制御機能を実行するのに利用するため、バス構造を通じてデータを通信することにより達成される。これらの制御機能を実現するために、各プロセス制御デバイスは一または複数の制御機能を実行する他にその他のプロセス制御デバイスと標準的な開放型の通信プロトコルを利用して通信もすることができるマイクロプロセッサを備えている。この方法により、異なる製造業者により造られたフィールドデバイスは、プロセス制御ネットワーク内で相互接続され、相互に通信すると共に、DCS制御装置の介入なしに制御ループを形成して一または複数のプロセス制御機能を実行することができる。今日Fieldbus FOUNDATIONにより普及されている全デジタル型2線式バスプロトコルはFOUNDATION(商標)Fieldbus(以下「Fieldbus」)プロトコルとして知られている、開放型通信プロトコルの一つであり、異なる製造業者により造られたデバイスが相互運用され、標準バスを介して互いに通信しプロセス内の非集中型制御の達成を可能にしている。さらに、特定の通信プロトコル、例えば、Fieldbusプロトコル内には、異なるバージョンが存在し、その特定のプロトコル内のプロセス制御システムの様々なレベルの機能性を提供している。
プロセス制御システムのデバイスを接続するバスは異なるセクションまたはセグメントを有し、それらはブリッジデバイス、例えば制御装置により分離されている。各セグメントはそのバスに接続されているデバイスのサブセットを相互接続し、プロセス制御中、それらのデバイス間の通信を可能にしている。制御装置は、通常、そのセグメント上のフィールドデバイスと、入出力(I/O)デバイスを介して通信する。その入出力デバイスは、プロセス制御ネットワーク内で用いられている特定の通信プロトコルを実施し、そのセグメント上の制御装置およびデバイス間の通信を制御する。その入出力デバイスおよびその制御装置間の通信は任意の入出力通信プロトコルを利用して達成されるが、メーカ独自の通信プロトコルまたは標準通信プロトコルが含まれる。入出力通信プロトコルは、制御装置とその制御装置にリンクされた入出力デバイスとの間で情報を通信するのに用いられる、任意の通信プロトコルおよびその通信プロトコル内のデータフィールド形式を内包する。例えば、入出力通信プロトコルは、標準通信プロトコル、例えばRailbusプロトコルを制御装置と入出力デバイスとの間の情報伝送のために有しており、その情報はRailbusプロトコルのデータフィールド内に、その制御装置および入出力デバイス製造業者に特定な形式で格納され得る。制御装置と入出力デバイスとの間の通信に用いられる通信プロトコルは、また、複数のバージョンで供給され、プロセス制御システムの様々なレベルの機能性を提供し得る。任意の数の入出力デバイスがセグメントに設けられるかまたは追加し得る。入出力デバイスは、障害のある入出力デバイスを取り替えるためにまたはより多くのデバイスをプロセス制御システムが制御するのを可能にするために追加され得る。
プロセス制御システムの制御装置は、特定の入出力通信プロトコルを利用して、それと同じ入出力通信プロトコルをサポートする入出力デバイスと通信するが、その制御装置はその他の入出力通信プロトコルを利用する入出力デバイスと通信できない。さらに、入出力通信プロトコルの特定のバージョンを利用する制御装置は、その入出力通信プロトコルと同じかまたはより旧いバージョンを利用している入出力デバイスとは通信し得る。しかしながら、制御装置は、プロセス制御システム内の制御装置により用いられるものより新しいバージョンの入出力通信プロトコルを利用する入出力デバイスはサポートできないおそれがある。
多くの入出力通信プロトコルおよび入出力通信プロトコルのバージョンがプロセス制御システムに存在するために、製造業者は新しい入出力デバイスを必要とする顧客から大量の情報を集め、正しい入出力デバイスの提供を保証しなければならない。そのような情報には、必要とされる入出力デバイス(例えば、リンクマスタデバイス、基本デバイス、ブリッジデバイス等のようなHART 入出力デバイスおよびFieldbus 入出力デバイス)、顧客のプロセス制御システムの制御装置と入出力デバイスとの間に用いられている特定の入出力通信プロトコル、およびその制御装置内で用いられる入出力通信プロトコルのバージョンを含まれている。そのような大量の情報を集めるこということはその集められた情報内のエラーの可能性を増加させ、顧客に誤った入出力デバイスを送るという結果になり得る。加えて、入出力デバイス製造業者は各入出力通信プロトコルおよびそのバージョンに対応する特定の入出力デバイスのそれぞれに対し多くの種類の在庫を維持しなければならず、多くの格納スペースと複雑な在庫管理が必要となる。さらに、製造業者からのそのような様々な品揃えは誤った入出力デバイスを検索し顧客に送ってしまう可能性を増加する結果となるが、それは、正しい情報が顧客により提供され製造業者の社員により記録されるとしても同じである。加えて、顧客が入出力デバイスを受け取ると、そのデバイスをシステムユーザが設定し、プロセス制御システムと作動させねばならない。例えば、そのシステムのユーザはその入出力デバイスにより利用される入出力通信プロトコルのバージョンをプロセス制御システム内に入力しなければならない。その入出力デバイスにより用いられる入出力通信プロトコルのバージョンの入力の失敗または誤った入力は、その入出力デバイスに接続されているどのような入出力デバイスでもおよびどのようなフィールドデバイス(センサ、バルブ等)でも不適当に機能する原因となり得る。これは、プロセス制御システムは、そのデバイス内に存在しない機能を入出力デバイスの属性であると考え、そのデバイスにそのような機能を実効するように要求する場合、プロセス制御システムエラーと言う結果になるからである。入出力デバイスは、通常、プロセス制御システムの制御装置の機能向上の際には再設定されなければならない。さらに、特定の通信プロトコルに複数のバージョンが存在するために、顧客は、また、特定の入出力デバイスの複数の種類の在庫をバックアップデバイスとして維持しなければならず、その結果、入出力デバイスが故障した場合、プロセス制御システムの制御装置が作動している特定の入出力通信プロトコルの同じバージョンの他の入出力デバイスに取り替えられ得る。
入出力デバイスはセグメント上の制御装置とデバイスとの間の通信を容易にするが、そのセグメントの入出力デバイスが何かしらの理由で非稼動となる場合、プロセス制御が少なくともある特定のセグメント上のデバイスに関して停止することがある。プロセス制御への動作不能入出力デバイスの影響および混乱は、そのセグメントに接続されると共にその動作不能の入出力デバイスを引き継ぐ、バックアップ入出力デバイスを設けることにより軽減し得る。通常、入出力デバイスは診断ソフトウェアを有しており、その入出力デバイスの障害を検出する。制御装置は、特定の入出力デバイスから所定の回数、例えば3回その入出力デバイスに通信を試みて情報を受信しない場合には、制御装置はその特定の入出力デバイスに自己診断するよう指示をする。その自己診断によりその特定の入出力デバイス内で障害が検出された場合、その障害状態はその特定の入出力デバイスから制御装置に通信され、その制御装置はその特定の入出力デバイスを動作不能にし、そのセグメント上のそれに対応するバックアップ入出力デバイスを動作可能にさせる。しかしながら、複数の失敗した通信の試みが、通常、制御装置が診断を入出力デバイスが実行するように指示するまえに要求されるので、障害のある入出力デバイスが制御装置により検出されるのに数秒掛かり、その時間、その障害のある入出力デバイスカードにより制御されているデバイスは制限され、または非制御/非監視下で作動し続け、潜在的に危険な状況をプロセス制御作業者にもたらし得る。
さらに、ある状況に於いては、障害のある入出力デバイスは、制御装置を多種の入出力デバイスに接続しているバス上の他の全ての入出力デバイスが互いにおよびその制御装置と通信することを妨げる。例えば、障害のある入出力デバイスは望ましくない信号をバス上の全ての入出力デバイスに共通であるバスデータ回線上に発生させ得る。その望ましくない信号はそのバス上の全ての入出力デバイスと制御装置との間の通信を妨げ、そのバスが非稼動となる原因となる。そのような状況は危険をそのプロセス制御システムの近くで働いている作業者にもたらし得る。これは、そのバスにより制御されているプロセス活動は制限された制御および/または監視下か、または全く非制御および/または非監視下で多分作動しているからである。
故に、デバイス製造業者にとって提供するのが負担ではなく、顧客にとって設置するのが負担ではない入出力デバイスが必要である。さらに、入出力デバイス障害を制御装置に迅速に通信する必要がある。加えて、故障の場合に、入出力デバイスを制御装置に接続しているバス上で、他のデバイスおよび制御装置が通信することを妨げない入出力デバイスが必要である。
入出力デバイスが、入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンで動作するプロセス制御システム内での利用に提供されており、入出力デバイスプロセッサを有して入出力デバイスの動作を制御する。インターフェイスがそのプロセッサに通信可能にリンクされて入出力デバイスをプロセス制御システムと接続する。記憶装置が、プロセッサと通信可能に接続され、入出力通信ソフトウェアの複数の潜在的バージョンを格納しており、入出力通信ソフトウェアの複数バージョンのそれぞれは、プロセッサが入出力デバイスを制御する際に使用可能である。入出力デバイスプロセッサはインターフェイスを利用してプロセス制御システム、例えば、制御装置により用いられている入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンを判断し、入出力デバイス内に格納されている入出力通信ソフトウェアの複数のバージョンの内どのバージョンが、その制御装置により用いられている入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンと互換性があるかを判断する。その後、入出力デバイスプロセッサは、入出力通信ソフトウェアと互換性のあるバージョンを用いて、入出力デバイスを設定し作動させる。
一つの実施例においては、入出力デバイスプロセッサは、制御装置により用いられている入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンを、入出力デバイスと制御装置との間で伝送されるメッセージのまだ使用されていない部分を利用して判断する。あるいは、入出力デバイスプロセッサは入出力デバイスと制御装置との間の特定のメッセージを利用して、制御装置により用いられている入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンを判断し得る。
また、入出力デバイスはプロセス制御システム内で用いるために提供され、プロセス制御ネットワーク内で通信し、そこでは、プロセス制御システムはバスを介して通信する複数の入出力デバイスを有している。入出力デバイスはインターフェイスを有し、入出力デバイスをバスに通信可能に接続しており、デバイスプロセッサはインターフェイスと結合され、そのデバイスの動作を制御し、そのデバイスの障害検出も実行する。デバイスプロセッサは、潜在的なデバイス障害を検出すると、インターフェイスより提供されているバスとの通信リンクを切断する。
入出力デバイスはデバイスプロセッサにより制御されているリレイを用いてバスとの通信を切断しても良い。例えば、バスがデータ回線を有しており、インターフェイスが入出力デバイスをそのデータ回線に通信可能にリンクしている場合は、入出力デバイスの障害を検出するとすぐに、デバイスプロセッサがリレイを作動してそのデータ回線との通信リンクを切断する。同様に、バスが複数のデータ回線を有しており、インターフェイスが入出力デバイスをその複数のデータ回線に通信可能にリンクしている場合は、入出力デバイスは複数のリレイを備えても良く、各データ回線に対して一つのリレイということになる。デバイスプロセッサは、デバイス障害を検出するとすぐに、複数のリレイのうちの一または複数を作動させそのバスのデータ回線との通信リンクを切断する。
加えて、複数のデバイスを有するプロセス制御ネットワーク内の通信のためのプロセス制御システムは、バスならびにそのバスと通信する第1および第2冗長デバイスペアを有する。第2冗長デバイスは第1冗長デバイスの障害を検出するようにプログラムされている。第1冗長デバイスの障害を検出すると、第2冗長デバイスは制御装置に潜在的な第1冗長デバイス障害を通知する。第1冗長デバイス障害メッセージに応答して、制御装置は即座に第1冗長デバイスに自己診断を実行するように指示しても良い。あるいは、制御装置は第1冗長デバイスの動作を停止し、第2冗長デバイスの動作を開始させても良い。
障害は第1冗長デバイスと第2冗長デバイスとの間の専用通信リンクを用いて検出され得る。例えば、第2冗長デバイスは、第1冗長デバイスが第2冗長デバイスと所定時間における通信に失敗した場合に、第1冗長デバイスの障害を検出し得る。第1冗長デバイスの障害を検出すると、プロセス制御システムの制御装置に通知され、それは、それから即座に、第1冗長デバイスに自己診断を実行するように指示する。第1冗長デバイスの診断が第1冗長デバイスの障害を示した場合、制御装置は第1冗長デバイスの動作を停止し、第2冗長デバイスの動作を開始させ、システムオペレータに通知しても良い。第1冗長デバイスの診断が第1冗長デバイスの無障害を示した場合、制御装置は第1冗長デバイスを動作状態のままにしておき、システムオペレータに通知しても良い。
本発明のデバイスは、Fieldbusデバイスと、HARTデバイスと、4−20ミリアンペア(mA)デバイスとの一組を用いて、非集中方式または分散方式でプロセス制御機能を実現するプロセス制御ネットワークに関連して詳細に記述されているが、注目すべきことは、本発明のデバイスは他の種類のフィールドデバイス通信プロトコルおよび入出力デバイス通信プロトコルを用いて、分散型制御を実行するプロセス制御ネットワークと共に用いることができ、それらは、2線式バス以外のバスに依存するプロトコル、およびアナログ通信のみまたはアナログ通信およびデジタル通信の両方をサポートするプロトコルを含んでいることである。従って、例えば、本発明のデバイスは分散型制御機能を実行する任意のプロセス制御ネットワーク内で用いることができ、たとえこのプロセス制御ネットワークが、HART通信プロトコルおよびPROFIBUS通信プロトコル等を用いて入出力デバイスとそれに接続されているフィールドデバイスとの間の通信をしようと、任意の標準入出力通信プロトコルまたは任意のメーカ独自の入出力通信プロトコル(例えば、それはDelta Vプロセス制御システム内で実現し得る)を用いてプロセス制御システムの制御装置および入出力デバイス間の通信を達成しようと同じである。現在存在するまたは将来開発され得る他のどのような入出力通信プロトコルであってもまた利用し得る。さらに、本発明の入出力デバイスは所望のどのようなプロセス制御フィールドデバイスとも一緒に用いられても良く、それらにはバルブ、ポジショナ、およびトランスミッタ等が含まれる。
図1はプロセス制御ネットワーク100を図示しており、それは、例えば、テキサス州オースチンにあるフィッシャーローズマウントシステムズ社から販売されているDelta Vプロセス制御システムであっても良い。プロセス制御ネットワーク100は、一または複数の制御装置102、一または複数のホストもしくはオペレータワークステーション104、ならびに/またはコンピュータデバイス、例えば、他のワークステーション、データベース、および設定ステーションを有し、それらは、例えば、イーサネット(登録商標)バスであり得るバス110に接続されている。公知のように、制御装置102およびワークステーション104はプロセッサを有し、それは、それらのデバイスのメモリ内に格納されたソフトウェアを実行する。制御装置102は、例えば、分散型制御システム制御装置または他の種類の任意の制御装置であっても良く、例えば、パーソナルコンピュータ内に、専用プロセッサもしくはサーバ内に、またはユーザもしくはオペレータがプロセス制御システム100に任意の所望の方法でインターフェイスすることを可能にするその他のデバイス内に実現される。
制御装置102は、多種の入出力デバイスにバックプレーン111を介して接続されており、単一入出力デバイスとして一緒に動作する冗長Fieldbus 入出力デバイス120, 122、HART 入出力デバイス140、および4−20mA 入出力デバイス150が含まれる。
複数のフィールドデバイス112〜115が、制御装置102に、冗長I/O Fieldbusデバイス120, 122を介して接続されているように図示されており、本文においてさらに十分に記述する。フィールドデバイス112〜115はバスセグメント124に接続されているように図示されており、そのバスは所望の種類のどのようなバス、例えばFieldbusリンクでも良い。この場合、デバイス112〜115はFoundation Fieldbus通信プロトコルを用いても良い。勿論、デバイス112〜115のそれぞれはプロセス制御ネットワーク100内に用いられる任意の種類のフィールドデバイスであっても良く、例えば、センサ、制御バルブ、ポジショナ、ファン、ビデオカメラ、およびマイクロホーン等が含まれる。
HART入出力デバイス140は、HARTデバイス142, 144を制御装置102に、HART通信回線146, 148をそれぞれ用いて接続し、それは、当業者が理解できるように、デジタルおよびアナログ通信リンクの両方を、HART 入出力デバイス140とHARTデバイス142, 144との間に提供する。4−20mA 入出力デバイス150は、4−20mA デバイス152, 154に、4−20mA通信回線156, 158をそれぞれ介して接続されている。4−20mA通信回線156, 158は、当業者にとって理解可能であるように、アナログ通信回線を、4−20mA 入出力デバイス150と4−20mA フィールドデバイス152, 154との間に提供する。HARTフィールドデバイス142, 144および4−20mA フィールドデバイス152, 154は、例えば、センサ、制御バルブ、およびファンであっても良く、その他に、HART通信プロトコルおよび4−20mA通信プロトコルのそれぞれに互換性のあるデバイスならばその他どのような種類のものでも良い。現在存在するかまたは将来利用できるようになるその他の通信プロトコルを利用する他の入出力デバイスは、当業者にとって理解可能であるように、バックプレーン111に接続しても構わない。
制御装置102は、入出力デバイス120, 122, 140, 150と、バックプレーン111を介して、一つの実施例においては、メーカ独自の入出力通信ソフトウェアを用いて通信しており、そのようなものは、Delta V通信ソフトウェアの一部として提供されている。
図1に図示されているように、冗長入出力デバイス120, 122は、並列に、制御装置102とフィールドデバイス112〜115との間のセグメント124上に接続されている。次の説明の目的上、入出力デバイス120は、また、第1入出力デバイス120として参照され、入出力デバイス122、また、第2入出力デバイス122として参照される。この例においては、入出力デバイス120, 122のそれぞれは固有のアドレスを有しており、それはそのデバイスが接続されているノードに基づいている。制御装置102およびフィールドデバイス112〜115は、入出力デバイス120, 122からのメッセージを、バスセグメント124上で伝送されたメッセージ内のアドレスの存在に基づいて識別する。冗長性を実現するために、入出力デバイス120, 122は単一の仮想入出力デバイス130として作動するように設定され、制御装置102およびフィールドデバイス112〜115と、入出力デバイス120, 122のどちらが作動状態でありバスセグメント124上で通信しているのかに係わらず、同じ方法で通信する。入出力デバイス120, 122の一つは、現在の仮想入出力デバイス130の動作入出力デバイスがどちらのデバイスであっても、制御装置102、フィールドデバイス112〜115、およびネットワーク100のその他のデバイスと、同じアドレス(仮想発行アドレス)を有するメッセージを発行することにより透過的に通信する。メッセージを仮想発行アドレスを用いて発行することにより、全ての仮想入出力デバイス130のメッセージは同じように見え、制御装置102およびフィールドデバイス112〜115により、入出力デバイス120, 122のどちらが実際にはそのメッセージを発行しているかに関係なく同じように処理される。
仮想入出力デバイス130の仮想発行アドレスは、入出力デバイス120, 122の一つの固有な物理的アドレスであっても良く、またはその仮想入出力デバイス130に割り当てられた他のどのような固有のアドレスであっても構わない。仮想発行アドレスの数値または仮想発行アドレスが割り当てられる方法に関係なく、仮想発行アドレスおよび仮想入出力デバイス130を実現するためのコードは、入出力デバイス120, 122の通信スタック内に格納される。加えて、制御装置102内のFieldbusパブリッシャVCRsおよびフィールドデバイス112〜115は、入出力デバイス120, 122のどちらかのアドレスの代わりに、仮想入出力デバイス130の仮想発行アドレスで設定される。
プロセス制御ネットワーク100の通常の動作の間、入出力デバイス120, 122の一つは、活発に、Fieldbusセグメント124上で、メッセージを送信すると共に受信することで、そのバスセグメント124のLASとして動作し、プロセス制御機能を実行するが、それらは、仮想入出力デバイス130によりプロセス制御ネットワーク100内のプロセス制御を達成するために実行されていることになっている。以下の説明の目的上、以前より第1入出力デバイス120として識別されてきた入出力デバイス120が、初期に、仮想入出力デバイス130の動作入出力デバイスとなる。仮想入出力デバイス130の動作入出力デバイスとして作動していない入出力デバイス、この場合第2入出力デバイスは仮想入出力デバイス130のバックアップ入出力デバイスであると考えられる。そのバックアップモードの間、バックアップ入出力デバイス122は、仮想入出力デバイス130プロセス制御機能または通信機能は何も実行しない。しかしながら、バックアップ入出力デバイス122は、仮想入出力デバイス130のVCRsで設定され、仮想入出力デバイス130宛てのバスセグメント124上を伝送されるメッセージを、バスセグメント124をリッスン(待ち受け)する。バックアップ入出力デバイス122はそのメッセージを受信して解読し、動作入出力デバイス120により通常格納されるであろうそのメッセージからの任意の情報を格納する。バックアップ入出力デバイス122は、さらに、情報を処理してその中に格納されるデータを更新し、更新されたリンク動作スケジュールを受信すると共に格納し、動作入出力デバイス120がもし実行不能かまたは非稼動な場合、バックアップ入出力デバイス122が、仮想入出力デバイスのプロセス制御機能を引き継ぐために必要なその他の任意の機能を実行する。
フィールドデバイス112〜115が仮想入出力デバイス130に伝送するメッセージを受信すると共に処理することに加えて、バックアップ入出力デバイス122は、また、動作入出力デバイス120がバス110上の他のデバイスに発行するメッセージを受信すると共に格納する。この機能性は、バックアップ入出力デバイス122が、動作入出力デバイス120の発行するメッセージをリッスンするように、入出力デバイス120, 122の通信スタックをプログラムすることにより実現できる。バス110上で通信する各デバイスは、そのデバイスによりバス110上で通信されるメッセージを編集すると共に格納する発行バッファと、プロセス制御ネットワーク100内の他のデバイスから受信するメッセージを格納する購読バッファとの両方を有している。例えば、第1入出力デバイス120は発行バッファ132および購読バッファ134を有し、第2入出力デバイス122は発行バッファ136および購読バッファ138を有している。バックアップ入出力デバイス122の発行バッファは、好ましくは、最も最近発行されたメッセージを、動作入出力デバイス120の発行バッファから受信すると共に格納する。
バックアップ入出力デバイス122は、バックアップ入出力デバイス122の発行バッファを、動作入出力デバイス120の発行バッファの発行するメッセージの購読バッファとして機能させるように冗長入出力デバイスの通信スタックを設定することにより、動作入出力デバイス120の発行するメッセージを受信し格納することができる。バックアップモードに於いて、バックアップ入出力デバイス122の発行バッファは、例えば強制的なデータ要求および接続確立メッセージに応答する等の発行バッファの通常の機能を中断する。同時に、バックアップ入出力デバイスは、Fieldbusセグメント124をリッスンし、仮想入出力デバイス130の仮想発行アドレスを有する発行されたメッセージを待つ。動作入出力デバイス120が発行するメッセージが検出された場合、バックアップ入出力デバイス122はそのメッセージを解読すると共に自分の購読バッファではなく自分の発行バッファにそのメッセージを格納する。加えて、入出力デバイス120, 122間の直接通信を実現するために、別の回線159で入出力デバイス120, 122を接続しても良い。
図2を参照すると、図1のプロセス制御ネットワーク100の物理的構成が図示されている。制御装置102、入出力デバイス120, 122, 140, 150、およびその他のデバイスは、ピン接続にて、複数のポートまたはスロットを有するバックプレーン111を介して、Fieldbusセグメント124に接続される。入出力デバイス120, 122, 140, 150はバックプレーン111のスロットに接続され、そのバックプレーンは必要ならばそれらの入出力デバイスが適切に接続されるように設定される。例えば、プロセス制御ネットワーク100を実現するために、制御装置102が接続されているスロットがバス110と入出力デバイス120, 122, 140, 150との間で直列であり、入出力デバイス120, 122, 140, 150が接続されているスロットが互いにおよび制御装置102と並列であるようにバックプレーン111は設定される。さらに、入出力デバイス120, 122は、Fieldbusセグメント124上で、制御装置102とフィールドデバイス112〜115との間で直列に接続されている。入出力デバイスのバックプレーンへの物理的接続は主にそれらのデバイス間で情報を交換すると共にプロセス制御を実現するのに用いられるが、その物理的接続は、また、入出力デバイス120, 122, 140, 150およびプロセス制御ネットワーク100上のその他のデバイスに、特定の入出力デバイス、例えば入出力デバイス120, 122が一対の冗長入出力デバイスを形成していると通知するのに利用され得る。
さらに、制御装置102と入出力デバイス120, 122との間の接続はバックアップ入出力デバイス122の動作モードへの切り換えを制御するのに用いられても良い。例えば、入出力デバイス120, 122は状況情報を制御装置102に伝送するように設定し得る。この状況情報は、動作入出力デバイス120は動作不能であるまたは動作不能になるところであるという情報を有するアラームメッセージを含んでいても良い。その制御装置102はアラームメッセージに入出力デバイス120, 122の動作モードを切り換えることにより応答するようにプログラムされても良く、動作入出力デバイス120はバックアップモードを引き受け、バックアップ入出力デバイス122は動作モードを引き受ける。制御装置102は、さらに、メッセージをホスト104に伝送するようにプログラムされても良く、入出力デバイス120の保守が必要であると指示する。
当業者には自明であるように、プロセス制御スキームまたはルーチンは、複数の異なるループまたはセグメントをその中に有するプロセス制御ネットワーク100上で実現され得る。一般的に言えば、各制御ループは一または複数のフィールドデバイスをプロセス制御のある部分を制御するために制御する。プロセス制御を達成し、制御されるプロセスの動作および状況に関連するその他の情報を交換するために、バス上の制御装置およびフィールドデバイスはメッセージをそのバス上で相互に伝送する。制御装置とフィールドデバイスとの間の通信は、それらの制御装置とフィールドデバイスとの間のバスに接続されている入出力デバイスにより容易にされている。例えば、Fieldbus 入出力デバイスのマスタ情報ベース(MIB)は、VCRsによりプログラムされ、その入出力デバイスがフィールドデバイスからメッセージを受信してそのメッセージをセグメントに沿って制御装置に送信するか、またはその逆もまた同様であるように指示する。加えて、入出力デバイスはセグメントのリンクアクセススケジューラとして作動しても良く、そのセグメント上の通信をスケージュールすると共に制御するメッセージをバス上で伝送する。さらに、Fieldbus 入出力デバイスは機能ブロックを有しても良く、プロセス制御機能を実行する。後者の能力において、入出力デバイス自体、購読フィールドデバイスに宛てられたFieldbus上のメッセージを伝送しても良く、購読フィールドデバイスはそのメッセージを検出すると共にその中に含まれる情報を解読して実行する。
図3は図1および図2のバックプレーン111の略図を図示している。バックプレーン111は複数のスロット162〜170を有し、そのそれぞれは入出力デバイスを制御装置102に接続することが可能である。スロット162〜170はそれぞれ複数のピン172を有し、それに接続されるデバイス上の関連するポートに挿入され、バックプレーンと入出力デバイスとの電気的接続を確立する。加えて、バックプレーン111はスロット162〜170間の適切な電気的接続により構成され、スロット162〜170に接続されている入出力デバイスを制御装置102に適切に相互接続する。
冗長入出力デバイスを冗長対として確立するための一つの構成は、その冗長対を設ける第1入出力デバイスと第2入出力デバイスのためにバックプレーン111上に特定のスロットを指定することである。例えば、プロセス制御ネットワーク100のために、バスセグメントのバックプレーン111上の5番目のスロットおよび6番目のスロットは冗長入出力デバイス120, 122のために予約されていると前もって決めておいても良い。具体的には、第1入出力デバイスは5番目のスロット166に接続され、第2入出力デバイスは6番目のスロット167に接続される。この冗長入出力デバイスの実現においては、入出力デバイス120, 122はプログラムされており、5番目のスロット166または6番目のスロット167への接続であるか、それらが接続されるスロット166またはスロット167に依存して第1入出力デバイスまたは第2入出力デバイスのどちらの指定か、および動作またはバックアップのどちらの関連するデフォルト動作モードかを認識する。入出力デバイス120, 122がバックプレーンに接続される場合、第1入出力デバイスである入出力デバイス120は5番目のスロット166に接続され、第2入出力デバイスである入出力デバイス122は6番目のスロット167に接続される。入出力デバイス120は5番目のスロット166への接続を検出し、それが入出力デバイスの冗長対の第1入出力デバイスであると判断し、仮想入出力デバイス130の動作入出力デバイスの役目を引き受ける。同様に、入出力デバイス122は6番目のスロット167への接続を検出し、それが入出力デバイスの冗長対の第2入出力デバイスであると判断し、仮想入出力デバイス130のバックアップ入出力デバイスの役目を引き受ける。さらに、制御装置102はバックプレーン111上の入出力デバイスの冗長対の存在を感知するようにプログラムされている。入出力デバイス120, 122が5番目と6番目とのスロットにそれぞれ接続されていることを感知すると、制御装置102は、また、自動的にホスト/ワークステーション104の表示を冗長入出力デバイス120, 122で更新する。勿論、その入出力デバイスは、特定のスロットへのそれらの接続およびそのスロットに関連する冗長動作を、そのバックプレーン上のピンの設定またはその他のハードウエアの設定により検出し得る。
冗長入出力デバイスの実現のための一つの代替構成は入出力デバイスが接続されるピン172の電圧レベルを操作することである。スロット162〜170のそれぞれが12ピン172を有するように図示され、入出力デバイスをバックプレーン111のスロット162〜170に接続しているが、バス110に接続されるハードウエアの要件に基づき、それより多いまたは少ないピン172を使用することも予期されている。各スロットに入出力デバイス120, 122間の関係を確立するのに二つのピン172が必要であり、第1ピンはそのスロットが一対の冗長入出力デバイスの一つであることを指し、第2ピンはそれに接続されている入出力デバイスは第1入出力デバイスなのか第2入出力デバイスなのかを指す。前述の例の入出力デバイスは、それらが接続されているスロットを検出するようにプログラムされていたように、この代替実施例の入出力デバイスは、指定されたピンの電圧レベルを評価してそれらが入出力デバイスの冗長対であるかどうか判定するようにプログラムされている。この例においては、5番目および6番目のスロット166, 167の10番目のピン174, 178はそれぞれ高にセットされ、それらがに接続されている入出力デバイスは入出力デバイスの冗長対であることを指す。スロット166, 167の11番目のピン176, 180はそれぞれ、高にセットされスロット166またはスロット167は冗長対の正しいスロットであることを指し、低にセットされスロット166またはスロット167は冗長対の残りのスロットであることを指す。11番目のピン176, 180の数値は、また、どちらの入出力デバイスが第1デバイスでありどちらが第2デバイスであるか判定する。今の例においては、11番目のピン176または180の低数値は第1デバイスであることを指す。次に、この例において、10番目のピン174, 178の両方は高に設定されており、5番目のスロット164の11番目のピン176は低に設定され、スロット166はその対の残りのスロットであり、それに接続されている入出力デバイスは第1デバイスであることを指し、6番目のスロット167の11番目のピン180は高に設定されスロット167はその対の正しいスロットであり、それに接続されている入出力デバイスは第2デバイスであることを指す。前の例のように、入出力デバイス120, 122は、それらが接続されているスロットの10番目と11番目のピンを評価して、それらが入出力デバイスの冗長対の一部であるかどうか、およびそれらが第1入出力デバイスなのか第2入出力デバイスなのかどうかを判定するようにプログラムされている。
さらに、ホストワークステーションまたはオペレータワークステーション104は、制御装置102を介して、一対の冗長入出力デバイスがバスセグメント124に接続されているかどうかを検出し、もしそのような対が検出された場合、入出力デバイスの冗長対に関連する情報をユーザに表示し得る。ホストワークステーションまたはオペレータワークステーション104は、プロセス制御ネットワークおよびそのデバイスに関する情報のディスプレイを有するユーザインターフェイスを備え得る。必要なプロセスデータおよびデバイスデータを取得するために、ホスト104は自動感知機能で構成され、それにより制御装置102に周期的にバックプレーン上のノードをポーリングさせ、入出力デバイスが接続されているかどうかを判定し、もし入出力デバイスが存在する場合、その入出力デバイスについての情報をシステムユーザに表示するために取得する。ホスト104および/またはフィールドデバイスは、自動感知機能が冗長入出力デバイス120, 122の存在を検出するように設定できる。例えば、入出力デバイス120が現在の動作モードにおいて冗長であると示すメッセージを、入出力デバイス120, 122は伝送するようにプログラムされても良く、ホスト104は受信するようにプログラムされても構わない。あるいは、ホスト104は、入出力デバイス120, 122と同様に、指定されたスロットは冗長入出力デバイス120, 122のために予約されているという情報を有し、いつデバイスがその指定されているスロットに接続されるかを検出するようにプログラムされても良い。ホスト104に冗長入出力デバイスの存在を検出させ、その情報をユーザインターフェイスに表示するその他の代替構成は本発明者により考えられており、それらは当業者には自明のことであるだろう。
上述したように、制御装置102は入出力デバイスと入出力通信プロトコルを利用して通信し、通常それは、フィッシャープロセス制御システムのDelta V内に含まれるような、メーカ独自の通信プロトコルである。入出力通信プロトコルは、任意の通信プロトコルおよび、制御装置とその制御装置にリンクされている入出力デバイスとの間で情報を通信するのに利用される通信プロトコル内の任意のデータフィールド形式を内包する。例えば、入出力通信プロトコルは、標準通信プロトコル、例えばRailbusプロトコルを含んでいても良く、制御装置と入出力デバイスとの間で情報を伝送し、その情報はRailbusプロトコルのデータフィールドにその制御装置および入出力デバイスの製造業者に特有な形式で格納される。
特定の入出力通信プロトコル内において、そのプロトコルの異なるバージョンが存在しても良く、その特定のプロトコル内においてプロセス制御システムの様々なレベルの機能性を提供する。入出力通信プロトコルの異なるバージョンは、入出力通信プロトコルの物理的な形式を変更する必要はなく、しかしそれよりは、例えば入出力通信プロトコルの同じ物理的な形式内で伝送される新しいコマンドを用いて新しい機能を提供し得る。プロセス制御ソフトウェアの新しいバージョン、例えば新しい機能を組み込んだDelta Vソフトウェアは新しい入出力通信プロトコルを用いるが、それは新しいコマンドまたはデータフィールドが追加の機能性の新しい態様を通信するのに利用されるからである。特定のバージョンの入出力通信プロトコルを用いるプロセス制御システムの制御装置は、そのプロセス制御システムの制御装置により用いられるものより新しいバージョンのプロトコルを用いる入出力デバイスをサポートすることは不可能であり得る。
複数の入出力通信プロトコルおよびこれらのプロトコルのバージョンがプロセス制御システムに存在するので、製造業者は新しい入出力デバイスを必要とする顧客から大量の情報を集め、正しい入出力デバイスの提供を保証しなければならない。そのような大量の情報を集めるこということはその集められた情報内のエラーの可能性を増加させ(例えば、その顧客により提供されるかまたはその製造業者の社員により記録された誤った情報)、顧客に誤った入出力デバイスを送るという結果になり得る。加えて、入出力デバイス製造業者は各入出力通信プロトコルおよびそのバージョンに対応する特定の入出力デバイスのそれぞれに対し多くの種類の在庫を維持しなければならず、多くの格納スペースと複雑な在庫管理が必要となる。さらに、製造業者からのそのような様々な品揃えは誤った入出力デバイスを検索し顧客に送ってしまう可能性を増加する結果となるが、それは、正しい情報が顧客により提供され製造業者の社員により記録されても同じである。加えて、顧客が入出力デバイスを受け取ると、そのデバイスをシステムユーザが設定し、プロセス制御システムと作動させねばならない。例えば、そのシステムのユーザはその入出力デバイスにより利用される入出力通信プロトコルのバージョンをプロセス制御システム内に入力しなければならない。その入出力デバイスにより用いられる入出力通信プロトコルのバージョンの入力の失敗または誤った入力は、その入出力デバイスに接続されているどのような入出力デバイスでもおよびどのようなフィールドデバイス(センサ、バルブ等)でも不適当に機能する原因となり得る。これは、プロセス制御システムは、そのデバイス内に存在しない機能を入出力デバイスの属性であると考え、そのデバイスがそのような機能を実効するように要求されると、プロセス制御システムエラーと言う結果になるからである。さらに、入出力デバイスは、通常、プロセス制御システムの制御装置の機能向上の際には再設定されなければいけない。加えて、特定の通信プロトコルに複数のバージョンが存在するために、顧客は、また、故障したデバイスを取り替えるために、特定の入出力デバイスの複数の種類の在庫をバックアップデバイスとして維持しなければならない。従って、デバイス製造業者にとり保守が容易であり顧客に提供しやすく、そして顧客にとり設置が容易な入出力デバイスの必要性がある。
これらの問題を避けるために、入出力通信ソフトウェアの特定のバージョン下で動作する、プロセス制御システム内で利用される入出力デバイスが提供されており、入出力デバイスプロセッサを有して入出力デバイスの動作を制御する。インターフェイスがそのプロセッサに通信可能にリンクされており、入出力デバイスをプロセス制御システムと接続している。記憶装置が、プロセッサと通信可能に接続されており、入出力通信ソフトウェアの複数の潜在的バージョンを格納し、入出力通信ソフトウェアの複数バージョンのそれぞれは、プロセッサが入出力デバイスを制御する際に使用可能である。入出力デバイスプロセッサはインターフェイスを利用してプロセス制御システム、例えば、制御装置により用いられている入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンを判断し、入出力デバイス内に格納されている入出力通信ソフトウェアの複数のバージョンの内どのバージョンが、その制御装置により用いられている入出力通信ソフトウェアの特定のバージョンと互換性があるかを判断する。その後、入出力デバイスプロセッサは、入出力通信ソフトウェアと互換性のあるバージョンを用いて、入出力デバイスを設定し作動させる。
複数のバージョンの入出力通信ソフトウェアを格納する記憶装置を有する入出力デバイスが提供され、そこで、入出力デバイスプロセッサが、インターフェイスを利用して制御装置が用いる特定バージョンの入出力通信ソフトウェアを判別し、その記憶装置(メモリ)内に格納されている互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアを用いて、動作するようにその入出力デバイスを設定するならば、正しい入出力デバイスを提供することを確実にするためにデバイス製造業者が顧客から集めなければならない情報量は著しく減少する。記憶装置は複数のバージョンの入出力通信ソフトウェアを格納しているので、その入出力デバイスと、制御装置と、特定の入出力デバイスとの間に用いられる入出力通信ソフトウェアの種類だけを顧客から集めればよい。さらに、入出力デバイスは複数の潜在的なバージョンの入出力通信ソフトウェアを含んでいるので、入出力デバイス製造業者は様々なバージョンの入出力通信ソフトウェアに対応するのに特定の入出力デバイスのそれぞれの単一の種類を保持するだけが必要である。これは、複数のバージョンの入出力通信ソフトウェアがその入出力デバイスの記憶装置内に位置しているからである。これはデバイス製造業者および顧客により必要とされる必要格納空間および在庫管理の複雑さを減少させる。加えて、特定の入出力デバイスのそれぞれの種類の減少は誤った入出力デバイスを検索し顧客に送る可能性をさらに減少させる。加えて、入出力デバイスプロセッサはインターフェイスを利用してプロセス制御システムにより用いられている特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアを判別し、入出力デバイス内の記憶装置からの互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアを用いて、動作するようにその入出力デバイスを設定するので、システムユーザがその入出力デバイスにより用いられる特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアを判別し入力する必要はない。従って、その入出力デバイスの設定に関連する諸経費および誤ったバージョン情報の入力エラーの可能性は減少し、顧客の費用を減少すると共にプロセスシステム作業者の安全性を改善する。
図4は自動設定機能性のための入出力デバイス200を図示している。入出力デバイス200はその入出力デバイス200の動作を制御するためのプロセッサ202と、プロセッサ202に結合されるメモリ204とを備えており、そこでは、メモリ204は、入出力デバイス200のためのプログラムを含んだ多種の項目を格納している。プロセッサ202はさらにインターフェイス208を介してバス206に結合されている。バス206は、例えば、図1のバックプレーン111であっても良い。制御装置220はさらにバス206に接続されており、メモリ224内に格納されているプログラムを用いて制御装置220の動作を制御するプロセッサ222を有している。プロセッサ222はさらにインターフェイス226を介してバス206に結合されている。
入出力デバイス200、制御装置220、およびバス206はプロセス制御システムの全部または一部形成しており、多種のプロセス、例えば化学プロセス、石油プロセス、ならびにその他の製造プロセスおよび精製プロセスの制御に影響を与える。入出力デバイス200および制御装置220により実行される動作は任意の適切な入出力通信ソフトウェア(プロトコル)を用いて実現され実行されても良く、メーカ独自の入出力通信プロトコル、例えばDelta Vプロトコル、または標準入出力通信プロトコルが含まれるがそれに制限されることはない。さらに、入出力デバイス200とその入出力デバイス200に接続されている任意のフィールドデバイス(図示せず)との間の通信はメーカ独自の通信プロトコルまたは標準通信プロトコルを用いて達成され、HARTプロトコル、Profibusプロトコル、およびFoundation Fieldbusプロトコルが含まれるがそれらに制限されることはない。入出力デバイス200は図1の入出力デバイス120, 122, 140, 150のどれであっても良く、制御装置220は図1の制御装置102であっても良く、バスは図1のバックプレーン111であっても構わない。この実施例においては、メモリ204は複数のバージョンの特定な入出力通信プロトコルを有し、その下で入出力デバイス200および制御装置220は通信する。その複数のバージョンは特定な入出力通信プロトコル内で多種の機能性を提供し、入出力デバイス200の動作を制御する際にプロセッサ202により利用可能である。入出力デバイス200の動作は図5を参照にして説明する。
ボックス250に示されるように、制御装置220のプロセッサ222はバス206に接続される入出力デバイスを探索する。通常、そのような探索は探索メッセージにより達成され、そのメッセージは、入出力デバイス、例えば入出力デバイス200が接続され得るバス206上の特定のノードまたはアドレスに送信される。探索メッセージの目的は、プロセス制御システム内で接続されているデバイス、またはそのプロセス制御システムの特定のセグメント上のデバイスのリストを編集することである。そのような探索は、通常、制御装置がバス206に接続されると開始され、そのバスのどのノードが「生」(機能している入出力デバイスに接続されている)であり、どのアドレスのノードが「死」(機能している入出力デバイスに接続されていない)であるかを判別する。さらに、探索メッセージはバス206に新しく追加された入出力デバイスを検出するために開始されても良い。そのような探索ノードメッセージは、また、入出力デバイスを有している以前に記録されていないそのバスのノードのアドレスに周期的に送信されても良く、入出力デバイスがその特定のアドレスのノードに接続されているかどうか判断する。そのような探索ノードメッセージは、一秒間に一度か、またはバス206に追加される新しいデバイスを適時に検出するのに十分な所定のその他どのような間隔で送信されても良い。プロセッサ222から探索メッセージを受信すると、入出力デバイス200はステップ252に示されるように探索返答メッセージを生成する。探索返答メッセージは、その入出力デバイスのバージョン/機能性能力、例えばメモリ204内に存在する入出力通信プロトコルソフトウェアバージョンが含まれる。この情報は、標準探索返答メッセージ内に、前回使われなかった探索返答メッセージの一部分を利用して格納され得る。例えば、Delta Vソフトウェアにより提供される旧い(即ち、最も基本的な)バージョンの入出力通信プロトコルにおいては、入出力デバイス200からのパワーアップシーケンスメッセージは探索返答メッセージを形成し、前回使われなかった部分(そのメッセージ内のビット領域)を有しており、それは入出力デバイス200のバージョン/機能性能力を格納するのに利用され得る。
ボックス254で、探索返答メッセージを受信すると、プロセッサ222は入出力デバイス200からの探索返答メッセージの内容を判断する。制御装置220のプロセッサ222が旧バージョンの入出力通信プロトコル下で動作している場合、プロセッサ222は、入出力デバイス200内で利用できる入出力通信プロトコルのバージョンを示す探索返答メッセージの部分を見る能力を有しておらず、従って、ボックス256で、探索返答メッセージにより示されるそのバージョン/機能性能力を認識しない。従って、制御装置220から入出力デバイス200に送信される次のメッセージは、プロセッサ222および制御装置220は旧バージョンの入出力通信プロトコル下で動作している旨を指摘するであろう。ボックス258で、この指摘は、例えば制御装置220が、制御装置220と入出力デバイス200との間で伝送されたメッセージの前回使われていないメッセージの部分を利用するのに失敗することにより提供される。従って、入出力デバイス200のプロセッサ202は、前回使われていない部分が制御装置220により使用されていないことを判定し、ボックス260に示すように、入出力デバイス200が旧バージョンの入出力通信プロトコル下で動作するように設定する。これは、プロセッサ202が、制御装置220により使用されている入出力通信プロトコルソフトウェアのバージョン/機能性を有するメモリ204の部分をアクセスし、メモリ204からのこの特定のソフトウェアバージョンを利用して入出力デバイス200の動作を制御することにより達成される。
ボックス256で、プロセッサ222は探索返答メッセージ(特に、入出力デバイス200からの探索返答メッセージの前回未使用部分に格納される情報)内のそのバージョン/機能性能力を認識し、ステップ262で、制御装置220から入出力デバイス200への次のメッセージは制御装置220のバージョン/機能性を示す。制御装置220のバージョン/機能性はプロセッサ222により制御装置220から入出力デバイス200への次のメッセージの前回未使用部分を利用して示されても良く、そこでは次のメッセージの前回未使用部分は制御装置220が動作できる入出力通信プロトコルのバージョンを示す。従って、入出力デバイス200のプロセッサ202は、制御装置220から入出力デバイス200への次のメッセージの前回未使用部分にアクセスし、制御装置220が利用できるプロトコルのバージョンを判断し、ボックス264に示されるように、その次のメッセージにより示された入出力通信プロトコルのソフトウェアのバージョン下で動作するように自体を設定する。そのバージョン/機能性は前回未使用部分内に例えば一または複数のバイナリビットを用いて示されても良く、そこではそのビットのバイナリ数値は入出力通信プロトコル特定のバージョン/機能性と対応する。
もう一つの実施例においては、入出力通信プロトコルのバージョンは、入出力デバイスが検出され動作するために初期化された後、特別なメッセージを利用してバス206上を伝送させ入出力デバイスに通信され得る。例えば、制御装置220が入出力デバイス200を検出しており、制御装置220と入出力デバイス200との間を通るメッセージが入出力デバイス200の初期化を実行すると、その後、制御装置は、入出力デバイス200宛ての特別なメッセージ、例えばバージョン識別メッセージを入出力デバイス200に生成するようプログラムされても良く、そこでは入出力デバイス200はその制御装置からバージョン識別メッセージを受信するようにプログラムされている。入出力デバイス200は、バージョン識別メッセージ内の制御装置220
により識別された入出力通信プロトコルのバージョンを判断し、その入出力通信プロトコルのバージョンに設定する。
もう一つの実施例においては、制御装置220により利用される入出力通信プロトコルの同じバージョンが入出力デバイス200に格納されていない場合、その入出力デバイスはその制御装置220により利用されるバージョンと互換性のある入出力通信プロトコルに設定してもよい。その互換性のある入出力通信プロトコルは、例えば、制御装置220により用いられているものよりより古いバージョンの入出力通信プロトコルであっても良い。
さらに、上述の設定能力は入出力デバイスとフィールドデバイスとの間に発生し得る。そのようなシステムは図6を参照して説明され、そこではバスセグメント上にFieldbus 入出力デバイスおよびフィールドデバイスが図示されている。図6のFieldbus 入出力デバイス300はプロセス制御システムのバスセグメント上でFieldbus通信プロトコルを利用して用いられる。入出力デバイス300はプロセッサ302を備えており、そのプロセッサは、入出力デバイス300の動作をプロセッサ302に結合されているメモリ304内に位置するソフトウェアを用いて制御する。メモリ304は、プロセス制御システムのバスセグメントを設定する設定装置機能性306と、入出力デバイスによりそれに接続されているフィールドデバイスとの通信の用いられる通信プロトコル、ここではFieldbusプロトコルのソフトウェアバージョンを含んだ、入出力デバイス300に関連する情報を維持する識別オブジェクト308とを有している。プロセッサ302は、さらに、第1インターフェイス311に結合され、入出力デバイス300を、例えばプロセス制御システムのバックプレーン(図示せず)、例えば図1のバックプレーン111にインターフェイスする。入出力デバイス300は、第1ノードアドレス314における第2インターフェイス312を介して、バスセグメント310に接続されている。バスセグメント310は、さらに、インターフェイス320を介して、第2ノードアドレス318におけるフィールドデバイス316に接続されている。そのフィールドデバイスはインターフェイス320に接続されているプロセッサ322を備えており、それはメモリ324内に存在するソフトウェアを用いてフィールドデバイス316の動作を制御する。メモリ324はリソースブロック326を有しており、そこではリソースブロック326は、フィールドデバイス316の幾つかの特徴に付随するデバイス特定データを有しており、それらには、例えばデバイスの種類、その他のデバイス特定情報をメモリ内の何処で手に入れ得るかの指標、およびメモリ324内に存在する多種のバージョンの通信プロトコルが含まれている。入出力デバイス300は図1のFieldbus 入出力デバイス120または122のどちらかであって良く、設定機能性(例えば、リンクマスタデバイス)を有する。バス310は図1のバスセグメント124であって良く、フィールドデバイス316は図1のフィールドデバイス112, 113, 114, 115の何れであっても良い。
プロセス制御システム内の入出力デバイス300の動作を図7を参照して説明するが、そこでは、その入出力デバイスは、Fieldbus通信プロトコルを利用して、フィールドデバイス316と通信している。図7の説明の目的のために、フィールドデバイス316は丁度今プロセス制御システムに加えられ、例えば故障デバイスを取り替えるか、またはそのプロセス制御システム内に以前存在していなかったフィールドデバイスとしてそのプロセス制御システムに追加の機能を提供すると想定する。あるいは、
入出力デバイス300は、設定能力を有する故障入出力デバイスの交換品であるか、または例えばFieldbus通信プロトコルの新しいバージョン下で動作する入出力デバイスであり、故にバスセグメント310のアドレスノードを探索してそのバスセグメントに接続されているフィールドデバイスを判定しなければいけないと想定しても良い。
ステップ350に示されているように、デバイス300の設定装置306は探索ノードメッセージを生成し、その探索ノードメッセージは、当業者には認識されるように、第2ノードアドレス318に宛てられる。フィールドデバイス316は探索ノードメッセージを受信して応答するが、そこでは、ステップ352が示すように、プロセッサ322が第1ノードアドレス314宛てに、故に入出力デバイス300宛てに探索ノード返答メッセージを生成している。設定装置306は、ステップ354が示すように、さらなるパラメータメッセージをフィールドデバイス316に生成し、そのフィールドデバイス316の一般的な初期デバイス設定を生成する。さらに、ステップ356で示すように、設定装置306は、特別のメッセージ、例えば第2ノードアドレス318宛ての、従ってフィールドデバイス316宛ての識別メッセージを生成しており、その識別メッセージは入出力デバイス300がバスセグメント310上で通信可能なソフトウェアのバージョン/機能性を指摘する。識別メッセージを受信すると、フィールドデバイス316は、ステップ358が示すように、その識別メッセージからのソフトウェアのバージョン/機能性を判定し、プロセッサ322はフィールドデバイス316を設定して、ステップ264に関連して上述したように、メモリ324内に格納されているそのバージョン/機能性と互換性のあるソフトウェア下で動作するようにする。特に、プロセッサ322は、入出力デバイス316が識別メッセージを受信することを可能にし、その識別メッセージの所定の部分からバージョン/機能性情報を検索するのを可能にするようにプログラムされている。プロセッサ322は識別されたバージョン/機能性と互換性のある機能を有するメモリ324の特定の部分の位置を見つけ、この機能を利用してフィールドデバイス316が動作するように設定する。その互換性のある機能性は識別メッセージ内で識別された通信プロトコルの同じバージョン(例えば、Fieldbus通信プロトコル)であっても良く、またあるいは、メモリ324が識別メッセージで識別されたのと同じバージョンを有していなければ、より古いバージョンであっても良い。さらに、フィールドデバイス316のプロセッサ322は、そのフィールドデバイス316のソフトウェアのバージョン/機能性情報を含む識別返答メッセージを生成するが、それにはフィールドデバイス316が設定されている通信プロトコルの実際のバージョンを含まれていても良く、その識別返答メッセージはバス310上を入出力デバイス300に伝送される。
入出力デバイス200およびフィールドデバイス316は制御装置220に自動設定が可能である。それぞれのデバイスのメモリは一つの特定の入出力通信プロトコルに対して複数のソフトウェアバージョンを有しているので、入出力デバイス200は制御装置220によって利用される入出力通信プロトコルのバージョンに自動的に設定することができ、および/または、フィールドデバイスはバスセグメント上の特定の入出力デバイスとフィールドデバイスとの間で利用される通信プロトコルのバージョンに設定することが可能である。そのような設定は、新しい入出力デバイスがバスに加えられた場合、または新しい制御装置がバスに加えられた場合に発生する。同様に、そのような設定は、新しいフィールドバスがバスセグメントに加えられた場合、または新しい入出力デバイスがバスセグメントに加えられた場合に発生する。さらに、取り替えられる制御装置(または入出力デバイス)よりも新しいバージョンの入出力通信プロトコルを用いている新しい制御装置(または入出力デバイス)を設置する際、バスに接続されている入出力デバイス(またはバスセグメントに接続されているフィールドデバイス)は、その制御装置(または交換Fieldbus 入出力デバイス)により用いられているより新しいバージョンの入出力通信プロトコルに自動的に設定することが可能である。従って、デバイス製造業者は特定の入出力デバイスに対して一つの種類を生産および在庫する必要があるだけで、それにより在庫管理システムの複雑さおよび顧客のためにデバイスを保持するのに必要な格納空間を減少する。さらに、顧客のプロセス制御システムに互換性のあるデバイスを提供するために顧客から集める必要のある情報はより少なくなり、それにより例えば顧客により提供されるかまたはデバイス製造業者の社員により記録される誤った情報によるエラーの可能性が減少し、正しいデバイスを顧客に届ける成功率がより高いという結果になる。加えて、入出力デバイスのメモリが多種のバージョンの入出力通信プロトコルを有しているので、顧客は交換デバイスとして、多種のバージョンの入出力通信プロトコルに互換性のあるデバイスの大規模な在庫を維持する必要がない。それよりも、顧客は特定の入出力デバイスの一つの種類を持つ必要があるだけである。これは、その一つの種類が入出力通信プロトコルの複数のバージョン/機能性を有しているからである。さらに、そのデバイスは、制御装置または入出力デバイスより用いられている入出力通信プロトコルのバージョンに、自動的に設定することが可能であり、その入出力デバイスの設定に関連する諸経費は減少し、誤ったバージョン情報の入力エラーの可能性は実質的に除去され、プロセス制御作業者の安全状態を提供する。
ある状況においては、あるバス、例えば図1のバックプレーン111に接続されている障害のある入出力デバイスは、そのバス上の他の全ての入出力デバイスが互いにおよび制御装置と通信するのを妨げる。例えば、障害のある入出力デバイスは、望ましくない信号を、入出力デバイスを制御装置に接続させているバス上の全ての入出力デバイスに共通である一または複数のバス回線上に発生させ得る。例えば、バスクロック回線、またはそのバスの入出力デバイスデータ伝送回線は故障の入出力デバイスにより高に保持され得る。その望ましくない信号はそのバス上の全ての入出力デバイスと制御装置との間の通信を妨げ、そのバスおよびそのバスに接続されている全ての入出力デバイスが非稼動となる原因となる。そのような状態は危険をそのプロセス制御システムの近くで働いている作業者にもたらし得る。これは、そのバスにより制御されているプロセス活動は制限された制御および/または監視下か、または全く非制御および/または非監視下で多分作動しているからである。従って、故障の場合に、入出力デバイスを制御装置に接続しているバス上で、他のデバイスおよび制御装置が通信するのを妨げない入出力デバイスの必要性が存在する。
これらの問題を避けるために、プロセス制御システム内で利用する入出力デバイスが提供されており、バスを介して制御装置と通信する複数の入出力デバイスを備えている。入出力デバイスは、その入出力デバイスをバスと通信可能にリンクさせるインターフェイスと、そのインターフェイスに接続されデバイスの障害検出の実行を含むデバイスの動作の制御をするデバイスプロセッサとを備えている。デバイスプロセッサは、潜在的なデバイス障害を検出すると、インターフェイスより提供されているバスとの通信リンクを切断する。入出力デバイスのデバイスプロセッサを有し、デバイス障害を検出した際にインターフェイスにその入出力デバイスとバスとの間の通信リンクの切断を引き起こさせれば、障害デバイス自体をバスからを隔離することを可能にする。これは特に有益である。これは、障害デバイスが自体をバスから隔離するのでプロセス制御作業の安全性が改善されるからである。この機能性はそのバスに接続されているその他のデバイスが制御装置と依然として通信することを可能にし、その制御装置により制御されるプロセスの一層優れた制御および監視を提供する。
入出力デバイス401を備えるプロセス制御システム400が図8に図示されている。入出力デバイス401はプロセッサ402を有してその入出力デバイスの動作を制御する。プロセッサ402は、入出力デバイス401にプロセス制御システム内での機能性を提供するプロセッサ402のプログラムを有しているメモリ404に結合されている。入出力デバイス401、および、特にメモリ404により提供される機能性は、フィールドデバイスインターフェイス405を介して、フィールドデバイス、例えばセンサ406およびバルブ407を制御するのに利用され得る。
プロセッサ402は、さらに、ラインドライバ409を有するインターフェイス408に結合されており、当業者は理解するだろうが、それはデバイス401に駆動能力(例えば、信号増幅)およびバッファ能力を提供する。ラインドライバ409は、さらに、一または複数のリレイ、例えばリレイ410, 412に結合されている。特に、プロセッサ402は、一または複数のラインドライバ入力回線414を介して、ラインドライバ409に結合されており、対応するラインドライバ出力回線416はそのラインドライバをリレイ410, 412に結合する。ラインドライバ出力回線416は、さらに、ラインドライバ出力読み取り回線418を介して、プロセッサ402に結合され、下に記述されているように、プロセッサ402がラインドライバ出力回線416の状態を読み取るのを可能にしている。リレイ出力回線420はプロセス制御システム400のバス424に結合されている。リレイ410, 412は、リレイ制御回線430, 432を介して、プロセッサ402により制御されている。
リレイ410, 412は、リレイ410により示されるように、第1状態を有し、それはラインドライバ出力回線416をリレイ出力回線420、従ってバス424に通信可能に接続する。リレイ410, 412は、また、リレイ412により示されるように、第2状態を有しており、それは入出力デバイス401、さらに特定すれば特定のデータ回線、例えばラインドライバ出力回線416の一つとバス424との間の通信リンクを切断する。リレイ410, 412は対応するリレイ制御回線430, 432により制御され、そこではプロセッサ402は、リレイ制御回線430, 432を用いて、リレイ410を駆動することができ、ラインドライバ出力回線416とバス424との間の通信リンクを提供または切断する。
バス424は、さらに、その他のデバイスに結合されるが、それらは、例えば、その他の入出力デバイス440, 442、および入出力デバイス401, 440, 442を制御する制御装置デバイス444である。制御装置444と入出力デバイス401, 440, 442との間の通信は、Delta Vソフトウェア内に含まれるようなメーカ独自の通信プロトコルを含む任意の入出力通信プロトコルを用いて達成し得る。プロセス制御システム400により用いられる特定の入出力通信プロトコルに依存して、入出力デバイス401, 440, 442は互いに通信し得るか、または制御装置444とのみ通信し得る。さらに、プロセス制御システム400により用いられる特定の入出力通信プロトコルに依存して、当業者ならば理解できるだろうが、バス424は、入出力デバイス401, 440, 442と制御装置444との間で情報を伝送する、一つのデータ回線、または複数のデータ回線を有し得る。
例えば、プロセス制御システム400がDelta Vシステムである場合、バス424は、通常、三つのデータ回線を有する。それらは、入出力デバイスから制御装置444に情報を伝送する伝送データ回線、制御装置444から入出力デバイスに情報を受信する受信データ回線、およびバス424上のデバイス401, 440, 442, 444間の同期を提供するクロックデータ回線である。
その他の入出力通信プロトコルはプロセス制御システム400により利用されても良く、当業者ならば理解できるだろうが、そこではバス424は、例えばデバイス401, 440, 442, 444により情報をバス424上に発送するのに利用される伝送データ回線およびデバイス401, 440, 442, 444によりそのバスから情報を読み込むのに利用される受信データ回線を含む二つのデータ回線を有し得る。ラインドライバ入力回線414、対応するラインドライバ出力回線416、およびリレイ出力回線420は、入出力デバイスが影響を与えるのが可能なバス424のデータ回線に結合されている。バスのデータ回線に影響を与えるということには、例えば、さらに下で記述されるが、データ回線の状態を論理「0」または論理「1」に強いる事が含まれる。Delta Vプロセス制御システムにおいては、入出力デバイス401は、伝送データ回線、およびクロックデータ回線に影響を与えることが可能である。したがって、回線414およびリレイ410, 412はバス424の伝送データ回線およびクロックデータ回線に対応する。2線式バスを用いるその他のプロトコルにおいては、入出力デバイス401は伝送データ回線に影響を与えることが可能であり得る。従って、単一回線414およびリレイ410, 412のリレイは必要であり、それはバス424の単一伝送データ回線に対応する。この実施例に係る入出力デバイス401は、それが影響を与えることができるバス424上の任意のデータ回線との通信を切断することが可能であり、図9のフローチャートに関連して説明する。
図9は入出力デバイス401の動作を図示しているフローチャートである。ボックス450においては、入出力デバイス401のプロセッサ402が、制御回線430, 432を介して、リレイ410, 412を第1状態に設定しており、それにより入出力デバイス401をバス424に通信可能にリンクしている。プロセッサ402は、それから、バス424のデータ回線に影響を与える。例えば、それらは伝送データ回線およびクロックデータ回線である。通信プロトコルが、同期通信および非同期通信を、例えばマクロサイクルを用いて動作する通信プロトコル、例えばFieldbus通信プロトコル内で利用する場合、当業者ならば理解するであろうが、入出力デバイス401は、マクロサイクル内の非同期通信時間フレームの間、そしてその対応する同期通信時間フレームの後に、バスデータ回線に影響を与える。
ボックス450において、データ回線に影響を与えた後、プロセッサ402は、ステップ452において、ラインドライバ出力読み取り回線418を用いて、その影響を与えたバス回線の読み取りを実施する。ボックス454において、プロセッサ402は、その影響を与えたバス回線の読み取りが期待していたものかどうかを判断する。例えば、プロセッサ402が特定のバス回線に影響を与え論理「1」の状態に変更した場合、プロセッサ402は、ボックス454において、バス424の影響を与えたバス回線が確かに論理「1」として登録しているかどうか判断する。同様に、プロセッサ402がバスデータ回線に影響を与え論理「0」の状態に変更する場合、プロセッサ402は、影響を与えたバス回線が、事実、論理「0」であるかどうか判断する。ボックス454において、その読み取りが期待していたものである場合、プロセッサ402は、ボックス456において、その入出力デバイスが影響を与え得るさらなるバス回線があるかどうか判断する。
ボックス456において、影響を与えるさらなるバス回線がある場合、そのプロセスはボックス450に戻り、そこではプロセッサ402はバス424上の次のバスデータ回線に影響を与える。しかしながら、その入出力デバイスが影響を与え得るさらなるバス回線がない場合、ボックス458において、プロセス制御システム400は通常動作を継続する。その他のデバイスは、入出力デバイス401のより影響を受け得る全てのバス回線は試験されていると判断し、故にそのバスはその他のデバイスにより利用されるためにあると判断し得る。あるいは、入出力デバイス401は診断完了メッセージをバス上のその他のデバイスに送信し、その他のデバイスにデバイス401はバス424とのその接続の試験を終了した旨を知らせても良い。
ボックス454において、影響を与えたバス回線の読み取りが期待していたものでない場合、ボックス460に示されているように、入出力デバイス401はバス424からのその通信を切断する。特に、これは、入出力デバイス401が、そのときに影響を与えているバス424の特定のデータ回線とのそのリンクを、その対応するリレイ制御回線430, 432を用いて切断し、その対応するリレイ410, 412を第2状態に置いたところで達成される。あるいは、プロセッサ402はリレイ制御回線430, 432を利用して全てのリレイ410, 412を第2状態に置き、それにより入出力デバイス401と入出力デバイス401により影響を与えられ得る全てのバスデータ回線との間の通信を切断しても良い。
バス424からの通信を切断した後、ボックス462において、プロセッサ402は入出力デバイス401の診断を実行する。例えば、その診断は上述したバス回線に影響を与える試みの試験と同様の試験を実行するだけでも良い。しかしながら、影響供与可能なバス回線はすでに入出力デバイス401に接続されていないので、読み取りは、影響を与えられたラインドライバ出力回線416からラインドライバ出力読み取り回線418を用いて行なわれる。これらの読み取りは、ボックス452に於いて、上述された影響を与えられたバス回線を読み取るのと同様の方法で行なわれても良い。勿論、プロセッサ402はメモリ404内に格納された任意の診断ルーチンを実行して入出力デバイス401に問題があるか判断しても良い。
プログラムされた診断試験を実行しているプロセッサ402が入出力デバイス401に問題がないと判断した場合、ボックス466において、プロセッサ402は、リレイ制御回線430, 432を介して。リレイ410, 412に入出力デバイス401とバス424との間の通信を再接続させ、ボックス456に示されるようにプロセスを継続する。しかしながら、障害が検出されプロセッサ402がデバイス障害が存在すると判断する場合(ボックス464)、入出力デバイス401は、ボックス468に示されるように、バス424から切断されたままでいる。所望の診断が入出力デバイス401により実行されても良く、それには入出力デバイス401により影響を与えられたバス回線との接続を試験することが含まれることは、当業者にとり自明の事であろう。さらに、診断には回線ドライバ出力回線に複数の方法で影響を与えることが含まれても良く、そこでは読み取りが影響を与える試みのそれぞれに行なわれ、入出力デバイス401が適切に機能しているか判断される。図10はプロセス制御システム400の動作を図示する他のフローチャートであり、複数のバス回線が影響を与えられている。
ボックス470において示されているように、プロセッサ402は複数のバスデータ回線に影響を与え、ボックス472において、全ての影響を与えられたバスデータ回線の状態を読み込む。例えば、メーカ独自のプロトコルにおいては、プロセッサ402は、バス424の伝送データ回線およびクロックデータ回線の両方に、論理「0」および論理「1」を伝送データ回線およびクロックデータ回線のそれぞれに強要することにより、同時に影響を与えても良い。プロセッサ402は、それから、ボックス474において、読み取りが期待していたものかどうか判断する。プロセッサ402はこのステップをボックス454において上述した同様の方法で達成する。
影響を与えたバス回線の読み取りが期待していたものである場合、ボックス476において、プロセッサ402はそのバスデータ回線に影響を与えるその他の方法があるかどうかを判断する。例えば、プロセッサ402は、論理「1」および論理「0」を伝送データ回線およびクロックデータ回線のそれぞれに強要しても良く、論理「0」をバス424の伝送データ回線およびクロックデータ回線の両方に強要しても良く、および/または伝送データ回線およびクロックデータ回線に影響を与えないままにしておいても良い(例えばリレイ出力回線420上のプルアップレジスタ(図示せず)がバス伝送データ回線およびクロックデータ回線を論理「1」に引き上げる)。それらのバス回線に影響を与えるその他の方法がある場合、図12のプロセスはボックス470に戻り、それらのバス回線を異なる方法で影響を与えることにより継続する。しかしながら、それらのバスデータ回線に影響を与えるその他の方法がない場合は、ボックス478において、入出力デバイス401は、図9のボックス458に関連して上で説明したものと同様の通常動作を継続する。
影響を与えたバス回線の読み取りがボックス474で期待したものでない場合、プロセッサ402は、リレイ410, 412を用いて、上のボックス460で説明したものと同様の方法で、ボックス480において、バス424からの通信を切断する。入出力デバイス401は、それから、ボックス482において、診断を実行する。ボックス462に関連して上で説明したように、デバイス401はもうそれが影響を与えることができるバス424のバス回線に接続されていないので、ラインドライバ出力回線416に影響を与えようとする試みまたはその他の診断ルーチンを実行しても良く、そこでは、読み取りを、ラインドライバ出力読み取り回線418を介して、またはデバイス401内のその他の任意の場所で、ラインドライバ出力回線416から行なっても良い。さらに、その診断には、ラインドライバ出力回線に複数の方法で影響を与えることが含まれ、読み取りは、影響を与える試みのそれぞれに実施され、入出力デバイス401が適切に機能しているか判断される。ボックス484においては、プロセッサ402はデバイス障害が存在するかどうか判断する。デバイス障害が存在する場合、ボックス486において、入出力デバイス401はバス424から非接続のままでいる。しかしながら、プロセッサ402が入出力デバイス401内にはデバイス障害がないと判断した場合、その入出力デバイスは、ボックス488において、図9のボックス466において上で説明したのと同様の方法で、バス424に再接続し、そのプロセスはボックス476に進み、上述したように継続する。
さらなる実施例においては、入出力デバイスは所定の時間にリレイ410, 412を試験することが可能であり、そのリレイの動作状態を第1状態から第2状態に、そして第2状態から第1状態に変更し、それらのリレイの適切な動作を点検する。そのような試験は、入出力デバイス401が、バス424にまたはそのバスから情報(例えば,メッセージ)を伝送または受信していない任意の時間に実行しても良い。
もう一つの示されていない実施例においては、バス424は、フィールドバス 入出力デバイスとフィールドデバイス、例えばFieldbus 入出力デバイス120または122との間のバスセグメント、バスセグメント124、および図1の任意のフィールドデバイス112〜115であっても良い。Fieldbusプロトコルは、2線式バスを用いて、Fieldbus 入出力デバイスとそれに接続されるフィールドデバイスとの間で通信をし、フィールドデバイスはそのバスセグメントの伝送データ回線にだけ影響を与えることが可能である。そのバスセグメントに接続される一つのフィールドデバイスは、バスセグメントの伝送データ回線に影響を与えるか、またはそれを不法に使用し、それにより全てのその他のフィールドデバイスが互いにおよびFieldbus 入出力デバイスと通信するのを妨げ得る。このシナリオにおいて、そのバスセグメントにより制御されるプロセス活動は、プロセス制御システムによる、制限された制御および/または監視下で、または非制御および/または非監視下で動作し、潜在的に危険な状況をプロセス制御システム作業者にもたらす。
リレイはフィールドデバイス内に設けられ、フィールドデバイスプロセッサにより制御されても良く、それにより、そのフィールドプロセッサが潜在的なまたは実際のフィールドデバイス障害を検出した場合、フィールドデバイスがバス(または、そのバスの伝送データ回線)との通信を切断する。リレイは図9に関連して上で説明したのと類似した方法で動作し、潜在的なフィールドデバイス障害を検出すると、そのフィールドプロセッサはリレイを駆動させてフィールドデバイスとバスセグメントとの間の通信を切断し、それにより、もしそのフィールドデバイスがFieldbusバスに有害な影響を与える障害を有しているならば、そのバスセグメント上のその他のフィールドデバイスおよび入出力デバイスが、もう一度互いに通信するのを可能にする。
回線ドライバ409およびリレイ410〜412はインターフェイス408の一部であるように説明されてきている。当業者は、回線ドライバ409およびリレイ410〜412はインターフェイスの一部である必要がなく、それより入出力デバイス401内の任意の場所に位置しても良く、そうした場合、リレイ410〜412はバス424との通信を切断することが可能であることを理解するだろう。
従って、入出力デバイスが、事実上、バス上の通信に影響を与え(またはフィールドデバイスがFieldbusバス上の通信に影響を与え)、そのバス上のその他のデバイスが通信するのを妨げる場合、その入出力デバイスはそのバスとの通信を切断することが可能である。これはバス上のその他のデバイスが通信するのを可能にする。この方法で、その他の入出力デバイス(またはフィールドデバイス)により制御されるプロセス活動は、プロセス制御システムにより再び監視および/または制御され、それによりプロセス制御作業者の安全性を強化する。バスセグメント上の入出力デバイスは制御装置をハードウエアデバイスに接続する。従って、その入出力デバイスの障害は、そのセグメント上の通信およびプロセス制御の実行の両方を、その入出力デバイスが修理されるかまたは取り替えられるまで中断させる。プロセス制御の中断を最小化する一つの別の方法は、そのセグメント上にバックアップ入出力デバイスを設けることであり、第1入出力デバイスが動作不能になった場合に、それは動作可能になる。前もって設けられたバックアップ入出力デバイスは、その入出力デバイスを修理する必要性、または動作不能入出力デバイスを取り除き新しい入出力デバイスと取り替える必要性をなくすことにより、その中断を減少させる。しかしながら、その中断は減少するがプロセス制御は依然とある時間中断する。例えば、バックアップ入出力デバイスが制御装置により作動させられるためには、入出力デバイス障害が検出されなければならない。制御装置が入出力デバイスにより実行される診断を要求する前には、複数の失敗した通信の試みが必要なので、障害のある入出力デバイスが制御装置により検出されるには数秒必要である。バックアップ入出力デバイスは、従って、制御するのに作動せず、障害入出力デバイスにより制御されるプロセスは、制限された制御および/または監視下で、または非制御および/または非監視下で動作し続け、潜在的に危険な状況をプロセス制御システム作業者にもたらす。
この問題を減少させるのを助けるために、複数のデバイスを有するプロセス制御ネットワークはバスと、そのバスと通信する第1冗長デバイスを有する。第1冗長デバイスは第1固有のアドレスを有しても良く、バスと結合されている。第2冗長デバイスは、また、そのバスに結合されており、第2固有のアドレスを有しても良い。第2冗長デバイスは、例えば、冗長対のデバイス間に存在する専用接続回線を介して、第1冗長デバイスの障害を検出するようにプログラムされている。第2冗長デバイスは、第1冗長デバイスの障害を検出すると、バス上に第1冗長デバイス障害メッセージを載せ、第1冗長デバイスが潜在的に故障している旨制御装置に通知する。第1冗長デバイス障害メッセージは制御装置により受信される。第1冗長デバイス障害メッセージに応答して、制御装置は第1冗長デバイスにすぐ自己診断を実行するように指示する。あるいは、制御装置は第1冗長デバイスを動作不能にし、第2冗長デバイスを動作可能にする。
第2冗長デバイスに第1冗長デバイスの障害検出を実行する能力を提供し、第1冗長デバイス障害メッセージを発行することは有益である。これは、プロセス制御システムの制御装置に、第1冗長デバイスの潜在的な障害が、より素早く通知されるからである。結果として、もし第1冗長デバイスの障害が実際に存在すれば、第2(バックアップ)入出力デバイスはすぐに作動され制御を取得し、その結果、障害入出力デバイスにより制御されるプロセスは、制御装置による制御および監視下で、動作し続ける。
本発明のこの態様の実施例に係るプロセス制御システム500は図11に図示されている。プロセス制御システム500はバス504に接続されている制御装置502を有し、それは例えば図1のバックプレーン111であっても良い。入出力デバイス506, 508、ならびにプロセス制御システム内でデバイス515として共に動作する、第1冗長入出力デバイスおよび第2冗長入出力デバイス512, 514は、また、バス504に接続されている。第1冗長デバイスおよび第2冗長デバイス512, 514は、それぞれバス504に結合されている。第1冗長デバイス512は、第1メモリ518と接続されている第1プロセッサ516を有しており、それは第1冗長デバイス512の動作を制御するためのプログラムを有している。第2冗長デバイス514は、その第2冗長デバイス514の第2メモリ522と接続されている第2プロセッサ520を有しており、そこでは、第2メモリ522は第2冗長デバイス514の動作を制御するための第2プロセッサ520により実行されるプログラムを格納している。第1冗長デバイス512は、専用の通信リンク524を介して、第2冗長デバイス514と結合している。
プロセス制御システム500の通常の動作の間、入出力デバイス512, 514の一つはバスセグメント624上でメッセージを活発に送信したり受信したりし、プロセス制御機能等を実行している。次の説明の目的のために、前に第1入出力デバイスとして識別されている入出力デバイス512は最初はデバイス510の動作入出力デバイスである。デバイス510の動作入出力デバイスとして作動していない入出力デバイス、この場合第2入出力デバイス514はデバイス510のバックアップ入出力デバイスであると考えられる。バックアップモードの間、バックアップ入出力デバイス514はデバイス510のプロセス制御または通信機能を何も実行しない。しかしながら、バックアップ入出力デバイス514は、バス504をリッスンし、バス上を伝送するデバイス510宛てのメッセージを待機するように設定し得る。バックアップ入出力デバイス514はメッセージを受信すると共に解読し、動作入出力デバイス512により通常格納されるであろうメッセージのどのような情報をも格納する。もし動作入出力デバイス512が動作不能になるか、またはそうでなければ中断させられたならば、バックアップ入出力デバイス514は情報を処理し、それに格納されているデータを更新し、バックアップ入出力デバイス514が仮想入出力デバイス512のプロセス制御機能を引き継ぐのに必要なその他どのような機能でさえも実行し得る。
制御装置と入出力デバイスとの間の通信には、標準入出力通信プロトコル、またはDelta Vソフトウェア内に含まれるようなメーカ独自の入出力通信プロトコルを利用しても良い。さらに、入出力デバイスとそれに接続されるフィールドデバイスとの間の通信は任意の通信プロトコルを利用しても良く、Fieldbus通信プロトコル、HART通信プロトコル、Profibus通信プロトコル等が含まれる。専用通信回線524は、第1冗長デバイス512と第2冗長デバイス514との間のシリアル通信リンクであっても良く、そうでなければ、第1冗長デバイス512と第2冗長デバイス514との間のパラレル通信を実行する複数のデータ回線を有し得る。さらに重要なことは、専用通信回線524はデバイス512, 514の間の、それらのデバイスが通信し得る任意の標準接続で良く、例えば、冗長デバイス512, 514の間の物理的接続、および冗長デバイス512, 514の間の直接ハードワイヤード接続等が含まれる。冗長デバイス512, 514は、プロセス制御システム500内でそれらのデバイスが冗長デバイスとして機能するのに必要などのような種類の情報でさえも交換し得る。
第1冗長デバイス512は、所定の通信間隔で、またはその他の任意の方法で第2冗長デバイス514と通信しても良い。さらに、独立した通信リンク524上で発生する通信は、第1冗長デバイスおよび第2冗長デバイス512, 514が、専用通信回線524上を互いに通信するように十分にプログラムされていれば、プロセス制御システムにより利用される任意の入出力通信プロトコルから独立していても良い。プロセス制御システム500の動作は、図12のフローチャートに関連して説明される。
ボックス530において、第2冗長デバイス514は、第1デバイス512を第1デバイス障害のために監視する。第2冗長デバイス514が第1冗長デバイス障害を検出し得る一つの場合とは、第1冗長デバイス512が、専用通信回線524を介して、第2デバイス514にメッセージを適時に伝送しない場合である。
ボックス532において、第2冗長デバイス514は第1冗長デバイス512に障害を検出したかどうかを判断する。第1冗長デバイス512に障害を検出した場合、第2デバイス514は、ボックス534に示されるように、第1冗長デバイス障害メッセージをバス504上に送信する。第1冗長デバイス障害メッセージは、例えば制御装置502により受信され、それにより制御装置502に第1デバイスの潜在的な障害を通知する。制御装置502は、それから、ボックス536に示されるように、第1デバイス障害が確かにあるかどうか判断する。そのような判断は制御装置502により下されても良く、第1冗長デバイス512に自己診断するように指示する。第1冗長デバイス512はバス504上に情報を載せ自己診断の結果、従って第1冗長デバイスの障害が存在するかどうかを示す。
ボックス536において、第1冗長デバイスの障害が存在すると判断された場合、制御装置502は、ボックス538において、第1冗長デバイス512を動作不能にし、第2冗長デバイス514を動作可能にする。しかしながら、制御装置502が第1冗長デバイスの障害は存在しないと判断した場合(ボックス536)、制御装置502は、ステップ540において、第2冗長デバイス514に自己診断するように指示し得る。これは、第1冗長デバイスの障害の誤った指摘は第2冗長デバイス514の障害を示し得るからである。制御装置502は、それから、ボックス542において、第2冗長デバイス514にデバイス障害が存在するかどうか判断する。この判断は、第1冗長デバイスと同じような方法で行なわれ、その自己診断の結果は第2冗長デバイス514によりバス504上に載せられる。第2冗長デバイス514にデバイス障害が存在する場合、制御装置502は、第2冗長デバイス514を動作不能にし、ボックス544に示されるように、そのプロセス制御システムのオペレータに通知する。しかしながら、第2冗長デバイス514にデバイス障害が存在しない場合、制御装置502は、ボックス546において、第1冗長デバイス512のさらなる診断を指示しても良く、および/または、プロセス制御システムのオペレータに、第1冗長デバイスおよび第2冗長デバイス512, 514の一つまたは両方のデバイス障害の可能性に関して通知しても良い。
第1冗長デバイス512のデバイス障害を検出することが可能な第2冗長デバイス514を有すると、制御装置502は第1冗長デバイス512の障害をより速く判断し、それにより、第2冗長デバイス514が従来のプロセス制御システムよりもより速く動作することを可能にする。従って、特定の入出力デバイスにより制御されるプロセスは、このように、そのプロセス制御システムにより制御されるプロセス制御の実質的な中断もなく、制御システム502により制御および/または監視される。従って、その冗長デバイス対により制御されるプロセス活動は実質的な中断もなく制御されると共に監視される。
もう一つの実施例によれば、冗長入出力デバイスは冗長Fieldbus 入出力デバイスであり、図1の冗長Fieldbus 入出力デバイス120, 122に関連して、説明される。この説明の目的のために、第1冗長Fieldbus 入出力デバイス120は動作入出力デバイスであり、第2冗長Fieldbus 入出力デバイス122は仮想デバイス130のバックアップ入出力デバイスである。バックアップ入出力デバイス122は仮想デバイス130のプロセスの状況に関する情報の更新を維持し、さらに、動作入出力デバイス120よりバス124上に載せられたメッセージを受信することが可能である。第2デバイス122は動作入出力デバイス120内の障害を検出し得る。入出力デバイス120, 122は、また、直接通信リンク159を有し、それを介して、入出力デバイス120, 122は、バスセグメント124またはバックプレーン111上に実装された入出力通信プロトコルにより必ずしも命令されなければならないというわけではない方法で互いに通信する。通信リンク159は入出力デバイス120, 122間の任意の標準接続であって良く、その上をそれらのデバイスが通信し、例えば入出力デバイス120, 122の間のそのバスのバックボーンへの物理的接続、および入出力デバイス120, 122の間の直接ハードワイヤード接続等である。入出力デバイス120, 122は冗長デバイスとして機能するのにそのデバイスに必要などのような種類の情報を交換しても良く、それにより、上記のように仮想入出力デバイス130を実現する。その情報には、入出力デバイス120, 122の内どちらが第1入出力デバイスでありどちらが第2入出力デバイスであるか、どちらのデバイスが動作デバイスでありどちらがバックアップデバイスであるか、およびバックアップ入出力デバイスが動作入出力デバイスとして引き継ぐために必要な動作入出力デバイスからの更新された情報が含まれる。加えて、入出力デバイス120, 122は機能ブロックをを有してプロセス制御を実行しても良く、入出力デバイス120, 122はそれらの機能ブロックによりプロセス制御を達成するのに利用される情報を交換しても良い。それらの入出力デバイスは、また、所定の間隔で入出力デバイス120, 122のそれぞれに関する状況情報を交換しても構わない。
第2Fieldbus 入出力デバイス122は、専用通信回線159上で受信または伝送される情報に基づいて、デバイス障害を検出することが可能である。例えば、第1入出力デバイス120が、専用通信回線159を介して、所定の間隔で、第2入出力デバイス122に状況情報通信するのに失敗した場合、第1入出力デバイス120のデバイス障害の可能性が指摘される。
第2入出力デバイス122が第1入出力デバイス120のデバイス障害の可能性を検出すると、第2入出力デバイス122は、Fieldbusバス124上に特別なメッセージ、例えば第1入出力デバイス障害メッセージをを、制御装置102に発行する。応答として、制御装置102は第1入出力デバイス120に自己診断を実行するように指示する。その診断を通してデバイス障害を検出すると、制御装置102は第1入出力デバイス120を動作不能にし、第2入出力デバイス122を動作可能にして仮想デバイス130の制御をする。例えば、第2入出力デバイス122がバックアップモードから動作モードにいったん変更すると、入出力デバイス122は、仮想入出力デバイス130の仮想発行アドレスを有するメッセージの待機を中断し、通常状態活動、例えばデータコマンドメッセージおよび接続達成メッセージの要求に応答を再開する。
しかしながら、第1入出力デバイス120により実行された診断がその第1デバイスのデバイス障害を指摘しない場合、制御装置は第2入出力デバイス122に自己診断を実行するように指示する。これは、第1冗長デバイス障害の誤った判断は第2冗長デバイス障害を指し得るからである。第2入出力デバイス122の診断が第2入出力デバイス122のデバイス障害を指摘する場合、制御装置102は第2入出力デバイス122に動作不能状態を維持させ、そのデバイスの障害をプロセス制御システムのシステムオペレータに指摘する。しかしながら、第2入出力デバイス122の診断が第2入出力デバイス122のデバイス障害を指摘しない場合、制御装置102は、プロセス制御システムのシステムオペレータに、潜在的なデバイス障害が、第1入出力デバイスおよび第2入出力デバイス120, 122の一つまたは両方に存在し得る旨を通知しても良い。
入出力デバイス120, 122がプロセス制御ネットワーク内に設置される場合、入出力デバイス120, 122は、それらは一対の冗長入出力デバイスであり、入出力デバイス120, 122の一つは第1入出力デバイスで、他方の入出力デバイスは第2入出力デバイスであり、入出力デバイス120, 122の一つは動作入出力デバイスで、他方の入出力デバイスはバックアップ入出力デバイスであることを知らなくてはいけない。入出力デバイス120, 122の間の関係を確定させる一つの方法としては、上述した通信リンク159を介して、入出力デバイス120, 122の間の情報を交換することである。入出力デバイス120, 122の間の関係を確定させるもう一つの方法としては、ユーザが入出力デバイス120, 122を直接プログラムするか,またはバス110上を伝送されるメッセージを介して、入出力デバイス120, 122のプログラムを引き起こす、ホストデバイスまたはワークステーション104のプログラムルーチンを実行することである。あるいは、上述したように、入出力デバイス120, 122とプロセス制御ネットワーク100との間の関係は、それらのデバイス物理的設定、および/または入出力デバイス120, 122がプロセス制御ネットワーク100と接続される方法により判断できる。第2入出力デバイスが第1入出力デバイスのデバイス障害を検出できるプロセス制御システムを有することは有益である。これは、そのデバイス障害を従来のプロセス制御システムによりも速く制御装置に通知されるからである。上で説明したように、従来のシステムは、複数の失敗した通信の試みの後でないと故障したデバイスを検出し得なく、数秒も掛かってしまう。第2冗長入出力デバイスは、通常、制御装置により動作状態にされるので、第2冗長入出力デバイスは数秒間動作状態にはならなく、従って特定の冗長入出力デバイス対により制御されるプロセスは実質的に監視および制御されないままにされ、そのプロセス制御作業者に危険な状態をもたらす。対照的に、第2入出力デバイスは第1冗長入出力デバイス障害を検出することが可能なので、第1冗長入出力デバイスの潜在的な障害を制御装置により早く通信される。診断は、このように、早く実行され、第2入出力デバイスの動作状態が、特定の冗長入出力デバイス対により制御されるプロセスの監視および/または制御が少しもまたは全く中断されることなく発生し、それによりプロセス制御作業者の安全性が増加する。
本文で記述された入出力デバイスおよびプロセス制御システムは、入出力デバイスと制御装置との間の通信にDelta V 入出力通信プロトコルが、入出力デバイスとそれに接続されるフィールドデバイスとの間の通信にFieldbus通信プロトコル、HART通信プロトコル、および4−20 mA通信プロトコルが用いられるプロセス制御ネットワーク内に実現されるように記述されている。しかしながら、本文で記述されるI/O機能性は、その他の種類の制御システムおよび/または入出力通信プロトコルに関連する、その他の種類のプログラム、ハードウエア、およびファームウエア等を用いて実現することも可能であることは注目すべきことである。さらに、Fieldbusプロトコルは用語「機能ブロック」をプロセス制御機能を実行することができる特定の種類の実体を記述しているが、本文で用いられる用語機能ブロックは制限するためのものではなく、任意の種類のデバイス、プログラム、ルーチン、またはプロセス制御ネットワーク内の分散した場所において、任意の方法でプロセス制御機能を実行できるその他の実体が含まれる。従って、本文で記述されクレームされる入出力デバイスは、その他のプロセス制御入出力通信プロトコルまたはスキーム(現在存在するかまたは将来開発される)を用いるプロセス制御ネットワーク内に実現できるが、それはこれらのネットワークまたはプロトコルが、プロセス内の分散した場所において実行される制御機能を提供するかまたはそれを可能にする範囲ににおいてそうである、ということは注意すべきことである。
従って、本発明は特定の例を引用して記述されているが、それらは例示のみを意図したものであり、本発明を制限するものではなく、当業者にとり変更、追加、または削除が開示された実施例に本発明の精神および範疇を逸脱することなく行ない得るということは自明のことである。
プロセス制御システムの略機能ブロック図である。 図1のプロセス制御ネットワークの略機能ブロック図である。 図1の制御装置と入出力デバイスとの間の通信を実現させるバックプレーンの概略図である。 プロセス制御システム内で用いられる入出力デバイスおよび制御装置の略ブロック図である。 図4の入出力デバイスの動作を図示するフローチャートである。 プロセス制御システム内で用いられる入出力デバイスおよびフィールドデバイスの略ブロック図である。 図6の入出力デバイスの動作を図示するフローチャートである。 一つの制御装置および三つの入出力デバイスを有するプロセス制御システムの他の略ブロック図である。 図8のプロセス制御システムの動作を図示するフローチャートである。 図8のプロセス制御システムの動作を図示する他のフローチャートである。 冗長入出力デバイスに結合された一つの制御装置を有するプロセス制御システムの他の略ブロック図である。 図11のプロセス制御システムの動作を図示したフローチャートである。
符号の説明
100 プロセス制御ネットワーク
102, 220, 444, 502 制御装置
104 ホストステーションまたはオペレータワークステーション
110, 206, 424, 504 バス
111 バックプレーン
112〜115, 316 フィールドデバイス
120, 122 冗長Fieldbus 入出力デバイス
124, 310, 624 バスセグメント
130 仮想入出力デバイス
132, 136 発行バッファ
134, 138 購読バッファ
140 HART 入出力デバイス
142, 144 HARTフィールドデバイス
146, 148 HART通信回線
150 4-20 mA 入出力デバイス
152, 154 4-20 mAフィールドデバイス
156, 158 4-20 mA通信回線
159 通信リンク
162〜170 スロット
172 12ピン
174, 178 10番目のピン
176, 180 11番目のピン
200 自動設定機能性のための入出力デバイス
202, 222, 302, 322, 402, 516, 520 プロセッサ
204, 224, 304, 324, 404, 518, 522 メモリ
208, 226, 311, 312, 320, 405, 408 インターフェイス
300 Fieldbus 入出力デバイス
306 設定装置
308 識別オブジェクト
314, 318 ノードアドレス
326 リソースブロック
400, 500 プロセス制御システム
401, 440, 442, 506, 508 入出力デバイス
405 フィールドデバイスインターフェイス
406 センサ
407 バルブ
409 ラインドライバ
416 ラインドライバ出力回線
418 ラインドライバ出力読み取り回線
410, 412 リレイ
420 リレイ出力回線
430, 432 リレイ制御回路
512, 514 冗長入出力デバイス
524 専用通信回線

Claims (18)

  1. 特定のバージョンの入出力通信ソフトウェア下で動作する制御装置を有するプロセス制御システム内で利用される入出力デバイスであって、
    前記入出力デバイスの動作を制御するデバイスプロセッサと、
    前記入出力デバイスを前記制御装置に接続するために前記デバイスプロセッサと通信可能にリンクされるインターフェイスと、
    前記デバイスプロセッサと通信可能にリンクされ、前記デバイスプロセッサによって前記入出力デバイスを制御するために利用可能な一つの旧バージョンと、少なくとも一つの該旧バージョンよりも新しいバージョンとを含む複数のバージョンの入出力通信ソフトウェアを格納する記憶装置とを備え、
    前記制御装置が、前記入出力デバイスにメッセージを伝送するように設定されており、
    前記デバイスプロセッサが、前記記憶装置に格納された入出力通信ソフトウェアの前記バージョンに関する情報を有する応答メッセージを生成するように構成されており、
    前記応答メッセージが、前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンおよび該旧バージョンよりも新しいバージョンで利用される第1メッセージ部と、前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンよりも新しいバージョンでのみ利用される第2メッセージ部とを有し、前記デバイスプロセッサが、前記応答メッセージの前記第2メッセージ部に、前記入出力通信ソフトウェアの前記バージョンに関する情報を格納するように構成されており、
    前記デバイスプロセッサが、前記インターフェイスを利用して前記制御装置により利用される特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアを特定し、前記記憶装置に格納されている複数のバージョンの入出力通信ソフトウェアの中から、前記制御装置によって利用される前記特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアと互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアを特定し、特定した互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアを利用して動作するように前記入出力デバイスを設定してなる入出力デバイス。
  2. 前記制御装置により生成される前記メッセージが第1メッセージであり、前記制御装置はさらに前記入出力デバイスに第2メッセージを生成、該第2メッセージが、
    前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンおよび該旧バージョンよりも新しいバージョンの両方により利用される第1メッセージ部と、
    前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンよりも新しいバージョンのみにより利用される第2メッセージ部とを有し、
    前記制御装置が前記入出力通信ソフトウェアの旧バージョンよりも新しいバージョンを利用している場合に前記第2メッセージの前記第2メッセージ部に前記制御装置が情報を格納し、
    前記制御装置が前記入出力通信ソフトウェアの最も旧いバージョンを利用している場合に前記第2メッセージの前記第2メッセージ部に前記制御装置が情報を格納せず、
    前記デバイスプロセッサが、前記第2メッセージの第2メッセージ部の情報に応答して、前記制御装置によって利用される前記特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアを判断するように構成されている請求項記載の入出力デバイス。
  3. 前記制御装置が、該制御装置により利用される入出力通信ソフトウェアの前記バージョンに関する情報を含む識別メッセージを前記入出力デバイスに伝送し、
    前記デバイスプロセッサが、前記識別メッセージから前記バージョンに関する情報を利用して前記制御装置によって利用される前記特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアを特定するように構成されている請求項1記載の入出力デバイス。
  4. 前記識別メッセージに応答して前記入出力デバイス応答識別メッセージをさらに生成し、該応答識別メッセージは、これを用いて前記記憶装置に格納され前記入出力通信ソフトウェアの前記バージョンを識別できるように構成されている請求項記載の入出力デバイス。
  5. 前記互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアが、前記制御装置により利用される前記特定バージョンの入出力通信ソフトウェアと同じバージョンである請求項1記載の入出力デバイス。
  6. 前記互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアが、前記制御装置によって利用される前記特定の入出力通信ソフトウェアよりも旧いバージョンの入出力通信ソフトウェアである請求項1記載の入出力デバイス。
  7. 前記インターフェイスが第1インターフェイスであり、前記デバイスプロセッサと通信可能にリンクされる第2インターフェイスをさらに有し、前記第2インターフェイスが、Fieldbus通信プロトコルを利用して少なくとも一つのフィールドデバイスと通信するためのものである請求項1記載の入出力デバイス。
  8. 前記インターフェイスが第1インターフェイスであり、前記デバイスプロセッサと通信可能にリンクされる第2インターフェイスをさらに有し、該第2インターフェイスが、HART通信プロトコルを利用して少なくとも一つのフィールドデバイスと通信するためのものである請求項1記載の入出力デバイス。
  9. 前記インターフェイスが第1インターフェイスであり、前記デバイスプロセッサに通信可能にリンクされる第2インターフェイスをさらに有し、該第2インターフェイスが、4−20ミリアンペア通信プロトコルを利用して少なくとも一つのフィールドデバイスと通信するためのものである請求項1記載の入出力デバイス。
  10. 特定のバージョンの入出力通信ソフトウェア下で動作する制御装置を有しているプロセス制御システム内で利用される入出力デバイスを設定する方法であって、
    前記入出力デバイスを制御するために前記入出力デバイスのデバイスプロセッサにより利用可能な一つの旧バージョンと、少なくとも一つの該旧バージョンよりも新しいバージョンとを含む前記入出力通信ソフトウェアの複数のバージョンを前記入出力デバイスの記憶装置に格納するステップと、
    前記制御装置から前記入出力デバイスにメッセージを伝送するステップと、
    前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンおよび該旧バージョンよりも新しいバージョンで利用される第1メッセージ部と、前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンよりも新しいバージョンでのみ利用される第2メッセージ部とを有する応答メッセージを前記デバイスプロセッサによって生成し、前記入出力デバイスの記憶装置に格納されている前記入出力通信ソフトウェアの前記バージョンに関する情報を前記第2メッセージ部に載せるステップと、
    前記制御装置によって利用されている前記特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアを、前記デバイスプロセッサにより特定するステップと、
    前記制御装置によって利用される前記特定のバージョンの通信プロトコルと互換性のある、前記記憶装置に格納されている前記複数のバージョンの入出力通信ソフトウェアの中から一つのバージョンの入出力通信ソフトウェアを、前記デバイスプロセッサにより特定するステップと、
    互換性のあるバージョンの入出力通信ソフトウェアを利用して、動作するように前記入出力デバイスを設定するステップと
    を有する方法。
  11. 前記制御装置によって生成される前記メッセージは第1メッセージであり、
    前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンおよび該旧バージョンよりも新しいバージョンで利用される第1メッセージ部と、前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンよりも新しいバージョンにおいてのみ利用される第2メッセージ部とを有する第2メッセージを前記制御装置により生成するステップと、
    前記制御装置が、前記入出力通信ソフトウェアの旧バージョンよりも新しいバージョンを利用する場合、前記第2メッセージの前記第2メッセージ部に、前記制御装置により情報を格納するステップと、
    前記制御装置が前記入出力通信ソフトウェアの前記旧バージョンを利用する場合、前記第2メッセージの前記第2メッセージ部を未使用のままに残しておくステップと、
    前記制御装置からの前記第2メッセージを前記入出力デバイスに送信するステップと、
    前記第2メッセージの前記第2メッセージ部に格納されている情報に応答して、前記制御装置により利用される前記特定バージョンの入出力通信ソフトウェアを前記デバイスプロセッサにより特定するステップと
    を有する請求項10記載の方法。
  12. 前記制御装置により利用される入出力通信ソフトウェアの前記バージョンに関する情報を有する識別メッセージを該制御装置により生成するステップと、
    前記制御装置から前記入出力デバイスに前記識別メッセージを送信するステップとをさらに有し、
    前記入出力通信ソフトウェアのバージョンを特定するステップが、前記デバイスプロセッサにより前記識別メッセージから前記バージョン情報を抽出するステップと、前記バージョン情報を利用して、前記制御装置によって利用される入出力通信ソフトウェアの前記特定のバージョンを特定するステップとを含む請求項10記載の方法。
  13. 前記記憶装置に格納される前記入出力通信ソフトウェアの前記バージョンを識別する前記識別メッセージに応答して、応答識別メッセージを前記デバイスプロセッサにより生成するステップをさらに有する請求項12記載の方法
  14. 前記入出力通信ソフトウェアの前記互換性のあるバージョンを特定するステップが、前記制御装置により利用される前記特定バージョンの入出力通信ソフトウェアと同じバージョンの入出力通信ソフトウェアを前記デバイスプロセッサにより特定するステップを含む請求項10記載の方法
  15. 前記入出力通信ソフトウェアの前記互換性のあるバージョンを特定するステップが、前記制御装置により利用される前記特定のバージョンの入出力通信ソフトウェアよりも旧いバージョンの入出力通信ソフトウェアを前記デバイスプロセッサにより特定するステップを含む請求項10記載の方法
  16. 前記入出力デバイスが、少なくとも一つのフィールドデバイスに通信可能にリンクされており、Fieldbus通信プロトコルを利用して、前記少なくとも一つのフィールドデバイスと通信するステップをさらに有する請求項10記載の方法。
  17. 前記入出力デバイスが、少なくとも一つのフィールドデバイスに通信可能にリンクされており、HART通信プロトコルを利用して、前記少なくとも一つのフィールドデバイスと通信するステップをさらに有する請求項10記載の方法。
  18. 前記入出力デバイスが、少なくとも一つのフィールドデバイスに通信可能にリンクされており、4−20ミリアンペア通信プロトコルを利用して、前記少なくとも一つのフィールドデバイスと通信するステップをさらに有する請求項10記載の方法。
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