JP4786093B2 - 白点症候群ウイルス由来のタンパク質及びその使用 - Google Patents
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Description
本発明は、白点症候群ウイルス由来のタンパク質、前記タンパク質をコードする核酸配列、及び甲殻類動物において白点症候群を予防及び/または治療するためのワクチンの製造における前記タンパク質の使用に関する。
【0002】
白点症候群ウイルス(WSSV)は東南アジアの多くの地域でのシュリンプの重大なウイルス疾患である。このウイルスは甲殻類動物において広い宿主域を有し(Flegel,1997)、単離体間での遺伝子変化はほとんどない(Loら,1999)。電子顕微鏡(EM)研究から、前記ビリオンはエンベロープを有し、長さ約275nm、幅120nmで一端にテール様付属体を有するロッドまたはビュレット形の外観を有する。エンベロープを欠くヌクレオキャプシドは網状外観及び約300nm×70nmのサイズを有する(Wongteerasupayaら,1995)。このビリオン形態、その核局在化及びその形態形成は昆虫のバキュロウイルスを連想させる(Durandら,1997)。元々、WSSNはバキュロウイルス科の非帰属メンバーとして分類されており(Franckiら,1991)、よってシステミックエクトダーマルメソダーマル(Systemic Ectodermal Mesodermal)バキュロウイルス(SEMBV)または白点(White Spot)バキュロウイルス(WSBV)と呼ばれていた。現在、WSSVは分子情報がないのでこの科に属さない(Murphyら,1995)。二本鎖ウイルスDNAは制限エンドヌクレアーゼ分析(Yangら,1997)から推定されるように200kb以上のサイズを有する。
【0003】
東南アジアで養殖シュリンプにWSSVが流行し、シュリンプが大量に死亡している。この病気の特徴は甲皮、付属体及び及びクチクラ上の白点及びシュリンプの肝膵臓の赤みがかった色である。感染を受けたシュリンプは致死的兆候及び餌消費の急速な低下を示し、3〜5日以内にこれらのシュリンプは死亡する。WSSVの流行により、養殖シュリンプ業界はかなりの損失を受け、その結果シュリンプをWSSV感染から防御し得るワクチンが強く要望されている。前記ワクチンに使用することができる主要構造WSSVタンパク質を同定及び特性化すると、前記ワクチンが開発されるであろう。
【0004】
クーマシーブリリアントブルー染色SDS−PAGEゲルの移動度から推定される分子量により、VP28(28kDa)、VP26(26kDa)、VP24(24kDa)及びVP19(19kDa)と命名されたWSSPの4つの主要タンパク質が同定された。VP26及びVP24はヌクレオキャプシドタンパク質であり、VP28及びVP19はエンベロープタンパク質である。WSSVタンパク質のN末端アミノ酸残基はタンパク質の配列決定により得られ、WSSVゲノム上の遺伝子(それぞれ、vp28、vp26、vp24及びvp19)を同定するために使用した。vp26のオープンリーディングフレーム(ORF)は555ヌクレオチドを含み、図2bに184アミノ酸残基配列(配列番号3)として示すVP26の推定アミノ酸配列と共に図2b(配列番号1)に示す。vp26の第2オープンリーディングフレームは612ヌクレオチドを含み、配列番号10として別に示す204残基からなる推定アミノ酸配列と共に配列番号9に示す。vp28のオープンリーディングフレームは615ヌクレオチド(配列番号2)を含み、推定アミノ酸配列(配列番号4)と共に図2cに示す。VP28の推定アミノ酸配列は204アミノ酸である。VP26及びVP28はN末端に想定膜貫通ドメイン及び多くの想定N−及びO−グリコシル化サイトを含む。遺伝子vp26及びvp28のORFはそれぞれ20kDa及び22kDaの理論サイズを有するタンパク質をコードしていた。VP26及びVP28の推定アミノ酸配列は直接タンパク質配列決定により確認された。VP26及びVP28の理論サイズはクーマシーブリリアントブルー染色SDS−PAGEゲルの移動度により推定されるサイズとは6kDa異なる。このサイズの差はグリコシル化、リン酸化等の翻訳後修飾から説明され得る。VP24のN末端アミノ酸配列及びVP19の部分アミノ酸配列をそれぞれ配列番号5及び6に示す。vp24の完全オープンリーディングフレームは627ヌクレオチドを含み、VP24の推定アミノ酸配列と共に配列番号11に示す。VP24の推定アミノ酸配列は208残基を有し、配列番号12に別に示す。4つのタンパク質及び各ヌクレオチド配列はWSSVに対して特異的である。
【0005】
本発明は第1に甲殻類動物をWSSV感染から防御するための組換えワクチンを作製する手段を提供する。既に同定され、特性化されているWSSVの4つの主要タンパク質VP28、VP26、VP24及びVP19が甲殻類動物をWSSV感染から防御するためのサブユニットワクチンの製造に使用するのに適していることが判明した。本発明のヌクレオチド配列のクローニング及び特性化により、WSSVの構造タンパク質が組換えテクノロジーを用いて作製される。このようにして、他のWSSVタンパク質を実質的に含まない組換え構造WSSVタンパク質を得ることができる。単離された構造WSSVタンパク質は甲殻類動物をWSSV感染から防御するためのサブユニットワクチンを製造するために使用され得る。或いは、WSSVの構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列は甲殻類動物をWSSV感染から防御するためのベクターワクチンを作製するために使用され得る。更に、本発明のヌクレオチド配列は診断目的で、例えば現場でWSSVの存在を検出するために使用され得る。加えて、本発明のWSSVタンパク質はWSSV特異的抗体を作製するために使用され得る。前記抗体は甲殻類動物の受動免疫化のためのWSSVワクチンを作製するために使用され得る。前記抗体は甲殻類動物においてまたはフィールドでのWSSVの検出のような診断目的でも使用され得る。
【0006】
従って、第1の態様で、本発明はWSSVの構造タンパク質を提供する。より具体的には、本発明は構造タンパク質VP24、VP26、VP28及びVP19を提供する。特に、本発明は図2bに示すアミノ酸配列(配列番号3)またはその誘導体配列(例えば、配列番号10)を有するタンパク質VP26;及び図2cに示すアミノ酸配列(配列番号4)またはその誘導体配列を有するタンパク質VP28を提供する。本発明は更に配列番号5に示すN末端アミノ酸配列MHMWGVYAAILAGLTLILVVISIVVTNIELNKKLDKKDKまたはその誘導体を含むタンパク質VP24;及び配列番号6に示す部分アミノ酸配列IVLISI(G/V)ILVLAVMNV(P/A/T)MGPKKDSまたはその誘導体を含むタンパク質VP19を提供する。好ましくは、タンパク質VP24は配列番号12に示すアミノ酸配列またはその誘導体配列を有する。配列番号3、4、5、6、10または12に示すアミノ酸配列の誘導体配列を有するタンパク質も本発明の範囲に含まれると理解すべきである。本発明では、タンパク質アミノ酸配列の誘導体は配列番号3、4、10または12に示すアミノ酸配列或いは配列番号5または6に示す部分配列に比較してタンパク質の抗原性または免疫原性に影響を及ぼさない程度の変更を含む。本発明では、タンパク質の抗原性特性はWSSVタンパク質を認識し得る及び/または該タンパク質と反応し得る抗体を作製するタンパク質の能力と理解される。免疫原性は甲殻類動物においてWSSV感染に対する防御応答を誘発するタンパク質の能力であると理解される。
【0007】
本発明の配列中で起こり得る変更は、例えば全体配列における1つ以上のアミノ酸の保存アミノ酸の置換、欠失、挿入、逆位または付加により生じ得る。免疫特性を変更しないと予想されるアミノ酸置換は公知である。関連アミノ酸間のアミノ酸置換または進化過程にしばしば起こる置換は、特にSer/Ala、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Valである(Dayhof,M.D.,タンパク質配列及び構造のアトラス(Atlas of protein sequence and structure),Nat.Biomed.Res.Found.,Washington D.C.(1978),5巻、追補3参照)。この情報に基づいて、Lipman及びPearsonはタンパク質を迅速且つ鋭敏に比較し、タンパク質相同性を有するタンパク質及びペプチドの機能類似性を調べる方法を開発した(Science,Vol.227,p.1435−1441(1985))。所与のアミノ酸配列及びその誘導体を有するタンパク質またはペプチド間の配列相同性を決定するためにFASTA、TFASTA、BLAST等の数種のコンピュータプログラムを利用することができる。配列間の最も整合する領域はこれらのプログラムにより自動的に決定され得る。よって、本発明の誘導体タンパク質は依然として構造WSSVタンパク質を認識し、それと反応することができる抗体を作製するかまたは予防接種した甲殻類動物においてWSSV感染から防御する防御応答を誘発することができる。本発明で使用し得る他の誘導体タンパク質は、構造WSSVタンパク質を認識し、それと反応することができる抗体を作製するかまたは予防接種した甲殻類動物においてWSSV感染から防御する防御応答を誘発することができるならば、WSSVタンパク質の断片である。
【0008】
第2の態様で、本発明は1つ以上のWSSVの構造タンパク質をコードする核酸配列を提供する。より好ましくは、本発明はそれぞれ主要構造タンパク質VP24、VP26、VP28及び/またはVP19をコードする核酸配列を提供する。特に、本発明はそれぞれVP26、VP28及びVP24をコードする配列番号1または9、配列番号2または配列番号11に示すvp26、vp28及びvp24の核酸配列を提供する。各ヌクレオチド配列は推定アミノ酸配列の第1M残基をコードするATGコドンから始まり、C末端アミノ酸残基をコードするコドンまで続く。本発明では、配列番号1、配列番号2、配列番号9または配列番号11に示す配列と配列相同性を有する核酸配列も本発明の範囲に入ると理解すべきである。本発明において配列相同性は少なくとも70%、好ましくは75%、より好ましくは80%、更に好ましくは85%であると見做される。配列番号1、2、9または11に示す配列と少なくとも90%、より好ましくは95%の配列相同性を有する核酸配列が非常に好ましい。
【0009】
本発明では、配列相同性は当該ヌクレオチド配列を配列番号1、配列番号2または配列番号11に示す配列の対応部分と比較することにより決定される。本発明において配列相同%は比較した配列間での同一ヌクレオチドの%と定義される。配列相同性は、例えばBLAST N等のようなコンピュータプログラムにより決定され得る。前記プログラムは自動的に最も整合する領域を定める。
【0010】
本発明の配列相同性を有する核酸配列は、密接に関連するMSSV菌株から一般的なクローニング・ハイブリダイゼーション法により配列番号1、2、11または9に示す配列の1つまたは前記配列の断片を用いて容易に単離され得る。本発明では、ハイブリダイゼーションをストリンジェントな条件下、好ましくは非常にストリンジェントな条件下で実施する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は65℃の温度で1×SSC、0.1%SDSの洗浄条件であると理解される。非常にストリンジェントな条件はSCC濃度を0.3×SSCに下げた洗浄条件を指す。誤って同定された塩基の排除を要するように特定情報を狭く解釈すべきではない。本明細書に記載の特定配列は他の菌株から相同性ヌクレオチド配列を単離するために容易に使用され得る。
【0011】
配列番号1、2または11に示す配列の1つと配列相同性を有する核酸配列は、配列番号3、4、10及び12に示すアミノ酸配列の1つまたは配列番号5及び6に示す部分アミノ酸配列の1つと比較してタンパク質の抗原性または免疫原性に影響を与えない程度の変更を含むアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。VP26タンパク質をコードする前記相同性ヌクレオチド配列の例は配列番号9に示すヌクレオチド配列であり、これは配列番号3に示すアミノ酸に比較して変更を有するVP26タンパク質をコードする。
【0012】
本発明のWSSVタンパク質は一般的な生化学分離及び精製方法により得ることができ、或いはこのタンパク質は一般的な組換えテクノロジーにより作製され得る。本発明のヌクレオチド配列は、実質的に他のWSSVタンパク質を含まない構造WSSVタンパク質の組換え産生に使用するのに特に適している。ヌクレオチド配列はタンパク質を発現し得る適当な発現ベクターに挿入し、適当な宿主細胞を前記発現ベクターを用いて形質転換し、宿主細胞を適当な培地で培養する。発現させたタンパク質を細胞または培地から単離、精製することができる。適当な発現ベクターは、特にプラスミド、コスミド、ウイルス、及び複製及び発現のために必要な制御領域を含むYAC(酵母人工染色体)である。発現ベクターを宿主細胞で発現するために使用し得る。適当な宿主細胞は、例えば細菌、酵母細胞、昆虫細胞及び哺乳動物細胞である。前記発現技術は当業界で公知である(Sambrookeら,分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: a Laboratory Manual),Cold Spring Harborに所在のCold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)発行;King and Possee,1992)。
【0013】
第3態様で、本発明は1つ以上のWSSVの構造ビリオンタンパク質VP24、VP26、VP28またはVP19及び医薬的に許容され得る担体を含むワクチンを提供する。より具体的には、本発明のワクチンはビリオンタンパク質VP24、VP26、VP28またはVP19、または前記タンパク質の2つ以上の組合せを含む。好ましくは、本発明のワクチンは、配列番号12に示すアミノ酸配列、配列番号5に示すN末端アミノ酸配列、または前記のいずれかの配列の誘導体配列を含むVP24;配列番号3または配列番号10に示すアミノ酸配列、または前記のいずれかの配列の誘導体配列を含むVP26;配列番号4に示すアミノ酸配列またはその誘導体配列を含むVP28;または配列番号6に示すN末端アミノ酸配列またはその誘導体配列を含むVP19;または前記した2つ以上のタンパク質の組合せを含む。より好ましくは、本発明のワクチンはWSSVタンパク質VP26及びVP28、及び任意にVP24を含む。
【0014】
更に、本発明の核酸配列は甲殻類動物にWSSV感染に対する予防接種をするためのベクターワクチンを製造するために使用することができる。ベクターワクチンは、弱毒化生細菌またはウイルスが遺伝子材料に挿入された異種ヌクレオチドを1つ以上含むように修飾されているワクチンであると理解されたい。これらの所謂ベクター細菌またはウイルスは挿入されたヌクレオチドによりコードされる異種タンパク質を同時発現することができる。従って、第4の態様で、本発明は遺伝子材料中に1つ以上の本発明のヌクレオチド配列を含むように修飾されてなる弱毒化生細菌または細菌及び医薬的に許容され得る担体を含むベクターワクチンを提供する。
【0015】
本発明のワクチンは甲殻類動物、例えばP.monodon、P.vannamei、P.chinensis、P.merguensisまたはMetapeaeus spp.のようなPenaeidae科のメンバーを含めたシュリンプ類;Macrobrachium spp.またはPalaemon spp.のようなPalaemonidae科のメンバーを含めたプローン類;Calinectes spp.、Palinurus spp.、Panuliris spp.またはHomarus spp.のようなPalinuridae及びNephropidae科のメンバーを含めたロブスター類;Astacus spp.、Procambarus spp.及びOronectes spp.のようなAstacidae科のメンバーを含めたザリガニ類;Cancer spp.、Callinectes spp.、Carcinus spp.及びPortunus spp.のようなCancridae及びPortuidae科のメンバーを含めたカニ類を防御するために使用することができる。ただし、甲殻類動物は上に挙げたメンバーに限定されない。
【0016】
本発明のワクチンは当業者に公知であり、例えばA.R.Gennaroら編、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、72章、p.1389−1404、Philadelphic College of Pharmacy and Science(1990年)発行に記載されている方法に従って製造され得る。
【0017】
本発明のワクチンは有効量の1つ以上の本発明のタンパク質、ベクター細菌またはウイルス、及び医薬的に許容され得る担体を含む。本明細書中、「有効」は甲殻類動物において防御応答を誘発するのに十分な量として定義される。ベクターまたはタンパク質の量はベクターまたはタンパク質の種類、投与経路、投与時期、予防接種対象、年令、全身健康状態、体温及び食餌に依存する。
【0018】
通常、動物1匹あたり0.01〜1,000μgのタンパク質、好ましくは動物1匹あたり0.5〜500μg、より好ましくは動物1匹あたり0.1〜100μgのタンパク質が使用され得る。ウイルスベクターワクチンの場合、通常動物1匹あたり103〜108pfu(プラーク形成単位)の量が使用され得る。
【0019】
本発明のワクチンに使用するのに適した医薬的に許容され得る担体は無菌且つ生理学的に適合するもの、例えば滅菌水、食塩水、水性緩衝液(例えば、PBSのようなアルカリ金属ホスフェート)、アルコール、ポリオール等である。更に、本発明のワクチンは他の添加剤、例えば助剤、安定剤、酸化防止剤、保存剤等を含んでいてもよい。
【0020】
適当な助剤には、アルミニウム塩またはゲル、カルボマー、非イオン性ブロックコポリマー、トコフェロール、モノホスフェリル脂質A、ムラミルジペプチド、油エマルション、グルカン、サイトカイン、サポニン(例えば、Quil A)等が含まれるが、これらに限定されない。添加される助剤の量は助剤そのもものの種類に依存する。
【0021】
本発明のワクチンに使用するのに適した安定剤には、炭水化物(例えば、ソルビトール、マンニトール、スターチ、スクロース、デキストリン及びグルコース)、タンパク質(例えば、アルブミンまたはカゼイン)、または緩衝液(例えば、アルカリホスフェート)が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
好適な保存剤には、特にチメロサール及びメルチオラートが含まれる。
【0023】
本発明のワクチンは注射、液浸、浸漬、噴霧またはエアゾールを介して、または経口的に投与され得る。好ましくは、前記ワクチンは、特に商業的養殖場では液浸または経口により甲殻類動物に投与される。
【0024】
経口投与の場合、ワクチンを経口投与に適した担体、すなわち、セルロース、食物、代謝可能物質、例えばα−セルロース、または植物または動物起源の各種油と混合することが好ましい。本発明のワクチンを経口デリバリーするための特に好適に食物担体はワクチンをカプセル化することができる生餌生物(lived-feed organism)である。好適な生餌生物には、プランクトン様非選択的フィルタフィーダー、好ましくは輪形動物(Rotifera)、ホウネンエビ(Artemia)等が含まれるが、これらに限定されない。ブラインシュリンプArtemia sp.が非常に好ましい。
【0025】
本発明のタンパク質は、当業者が利用できる一般的方法を用いて抗体の作製に使用することができる。好ましくは、前記タンパク質は特異的モノクローナル抗体を作製するために使用される。本発明の抗体は標準的方法に従って作製され得る。動物(例えば、マウス)をタンパク質で免疫化し、タンパク質特異的モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択する方法は当業界で公知である(例えば、Cliganら編,Current protocols in immunology,1992;Kohler及びMilstein,Nature,256,p.495−497(1975);Steenbakkersら,Mol.Biol.Rep.,19,p.125−134(1994)参照)。得られた抗体は現場でWSSVを検出するため、または甲殻類動物におけるWSSVの存在を検出するための診断において使用され得る。本発明のヌクレオチド配列は診断に使用するのにも適している。前記配列またはその断片は、例えば現場でまたは甲殻類動物においてWSSVの存在を検出するためのPCR法において使用され得る。従って、別の態様で、本発明は1つ以上の本発明のヌクレオチド配列または抗体を含む診断キットを提供する。
【0026】
本発明のタンパク質VP28、VP26、VP24及びVP19に対する抗体は更に甲殻類動物の受動免疫化のための抗体ワクチンを製造するために使用され得る。従って、別の態様で、本発明はVP28、VP26、VP24またはVP19、または前記タンパク質の2つ以上の組合せに対する抗体を含むWSSVに対する受動免疫化のためのワクチンを提供する。前記ワクチンは上記したように標準的方法により製造され得る。好ましくは、抗体の経口投与用ワクチンは、抗体を食用担体(例えば、魚の餌)と混合して製造される。より好ましくは、ワクチンは鶏卵で作製した抗体(IgY抗体)から製造される。
【0027】
下記実施例は本発明の例示であり、決して本発明を限定すると解釈すべきでない。
【0028】
(図面の説明)
図1は、WSSVタンパク質。(A)逆染色した無傷のビリオンのTEM写真。(B)逆染色したWSSVヌクレオキャプシドのTEM写真。(C)精製WSSVの15%クーマシー染色SDS−PAGEゲル。レーン1:低分子量タンパク質マーカー、レーン2:非感染シュリンプの精製「WSSV粒子」、レーン3:精製WSSV粒子、レーン4:精製WSSVヌクレオキャプシド。
【0029】
図2は、WSSV VP26及びVP28のヌクレオチド配列。(A)WSSVゲノム断片上のVP26及びVP28の位置。(B)VP26のヌクレオチド及びタンパク質配列。(C)VP28のヌクレオチド及びタンパク質配列。vp26及びvp28のORFはそれぞれ推定アミノ酸配列の第1M残基をコードするATGコドンから始まる。N末端配列アミノ酸は太字で示す。想定N−グリコシル化サイトの位置には下線を付し、想定O−グリコシル化サイトの位置には二重下線を付した。VP28上の縮重プライマー位置のヌクレオチド配列はイタリックで示す。
【0030】
図3は、(A)VP26及び(B)VP28の疎水性プロットである。
【0031】
図4は、15% SDS−PAGEゲル及びウェスタンブロットで分析した昆虫細胞におけるWSSV構造タンパク質のバキュロウイルス発現。(A)Sf21細胞の抽出物のクーマシー染色ゲル。レーン1:低分子量タンパク質マーカー、レーン2:モック感染、レーン3:AcMNPV−wt感染、レーン4:AcMNPV−GFP感染、レーン5:AcMNPV−WSSVvp26感染、レーン6:AcMNPV−WSSVvp26感染、レーン7:WSSV。(B)精製WSSVに対するポリクローナル抗体を用いたウェスタンブロット。
【0032】
図5は、構造タンパク質VP28に対する抗血清によるシュリンプ中のWSSVの中和。ネガティブコントロール:NaCl溶液を投与されたシュリンプ、ポジティブコントロール:WSSVを投与されたが、抗血清を投与されなかったシュリンプ、前免疫血清:WSSV及び前免疫血清を投与されたシュリンプ、VP28抗血清:ウイルス及び抗−VP28抗血清を投与されたシュリンプ。
【0033】
図6は、シュリンプへのWSSVタンパク質の予防接種。ネガティブコントロール:NaCl溶液を投与されたシュリンプ、ポジティブコントロール:NaCl及びWSSVを投与されたシュリンプ、群3:VP24を予備接種されたシュリンプ、群4:VP26cを予備接種されたシュリンプ、群5:VP28を予備接種されたシュリンプ、群6:VP24、VP26c及びVP28の混合物を予備接種されたシュリンプ。
【0034】
(実施例)
方法
白点症候群ウイルスの調製及び精製
本研究で使用したウイルスはタイからの感染Penaeus monodonシュリンプから単離した。感染組織をTN緩衝液(20mM トリス−HCl,400mM NaCl,pH7.4)中で均質化した。1,700×gで10分間遠心後、上清を0.45μmフィルターを用いて濾過した。濾液を健康なP.monodonの第4腹節の外側域に筋肉内注射して、感染を開始した。4日後に体液を瀕死状態のシュリンプから抜き、抗凝固剤として修飾Alsever溶液(Rodriguezら,1995)と混合した。TNE(20mM トリス−HCl,400mM NaCl,5mM EDTA,pH7.4)で希釈後、体液を4℃において1,700×gで10分間遠心して清澄化した。ウイルス粒子を4℃において45,000×gで1時間遠心して沈降させ、ペレットからTNに懸濁させた。
【0035】
ウイルスエンベロープを、Nonidet P40(NP40)で処理して上記ウイルス粒子から除去した。1% NP40をウイルス溶液に添加し、ゆっくり揺り動かしながら室温で30分間インキュベートした。ヌクレオキャプシドを4℃において80,000×gで30分間沈降させた。ペレットをTE(10mM トリス−HCl,1mM EFTA,pH7.5)に溶解した。
【0036】
ビリオン懸濁液のSDS−PAGE
タンパク質分析のために、WSSVビリオン調製物(エンベロープを有するビリオン、ヌクレオカプトジ及びネガティブコントロール)を15% SDS−PAGEゲルにおいて分析した。タンパク質をクーマシーブリリアントブルー染色を用いてSDS−PAGEゲルに可視化した。
【0037】
電子顕微鏡検査
透過型電子顕微鏡検査(TEM)のために、ウイルス懸濁物を、リンタングステン酸(2% PTA)で逆染色されているformvarコートした炭素安定化ニッケルグリッド(400メッシュ)上に載せた。試料をPhilips CM12電子顕微鏡を用いて検査した。
【0038】
核酸精製
ウイルスDNAを、プロテイナーゼK(0.2mg/ml)及びサルコシル(1%)を用いて45℃で3時間処理した後フェノール/クロロホルム抽出し、TE(10mM トリス−HCl,1mM EDTA,pH7.5)に対して透析することにより精製ビリオンから単離した。DNAの純度及び濃度をマーカーを用いてアガロースゲル電気泳動により測定した。
【0039】
プラスミドの構築
WSSVサブゲノム断片を標準的方法(Sambrookら,1989)を用いてpBluescript SK+(Statagene)にクローン化し、大腸菌DH5αに形質転換した、DNA単離、制限酵素消化、アガロースゲル電気泳動及びコロニーリフティングは標準プロトコル(Sambrookら,1989)に従って実施した。PCRは注文設計し、合成したプライマーを用いて実施した。vp28のN末端をコードするDNAを、全WSSV DNAからVP28のN末端アミノ酸配列に基づく縮重プライマーを用いてPCR増幅した。使用した前進プライマーは5’CAGAATTCTCDATNGTYYTNGTNAC3’(配列番号7)であり、逆プライマーは5’CAGAATTCATGGAYYTNWSNTTYAC3’(配列番号8)であり、いずれもEcoRIサイト(下線部)を有する(D=A、TまたはG;N=A、C、GまたはT;Y=CまたはT;W=AまたはT;S=CまたはG)。vp24のN末端を、全WSSV DNAからVP24のN末端アミノ酸配列に基づく1組の縮重プライマーを用いてPCR増幅した。前進プライマーとして5’CAGAATTCATGCAYATGTGGGGNGT3’(配列番号3)を使用し、逆プライマーとして5’CAGAATTCYTTRTCYTTYTTRTCIARYTT3’(配列番号14)を使用し、いずれもEcoRIサイト(下線部)を含む。
【0040】
DNA配列決定及びコンピュータ分析
配列決定のためのプラスミドDNAを、QIAprep MiniprepシステムまたはJETstarプラスミド精製システム(Qiagen,Inc.)を用いて精製した。配列決定は普遍pBluescript前進及び逆ヌクレオチドプライマー及び両鎖由来の注文合成したプライマーを用いて実施した。自動配列決定はApplied Biosystems自動化DNAシーケンサー(ベルギー国に所在のEurogentec)を用いて実施した。
【0041】
作製した配列をUWGCGコンピュータプログラム(リリース10.0)を用いて分析した。DNA及び推定アミノ酸排列をプログラムFASTA、TFASTA(Pearson & Lipman,1988)及びBLAST(Altschulら,1997)を用いて最新のGenBank/EMBL、SWISSPORT及びPIRデータベースと比較した
細胞及びウイルス
Spodoptera frugiperda(Sf−AE−21)細胞(Vaughnら,1977)を10%ウシ胎仔血清(FCS)を補充したグレース昆虫培地(GIBCO BRL)において培養した。Autograph californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)のE2−株(Smith及びSummers,1982)を野生型(wt)ウイルスとして使用した。日常的な細胞培養維持及びウイルス感染方法は公表された方法(Summers及びSmith,1987;King Possee,1992)に従って実施した。
【0042】
組換え体の工学処理
昆虫細胞においてWSSV VP24(配列番号12)、VP26(配列番号3)、VP26c(配列番号10)及びVP28(配列番号4)を過剰発現するためにBac−To−Bacシステム(GIBCO BRL)を使用した。昆虫細胞の感染時にBac−to−Bac組換え体の検出及び滴定を容易にするために、緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子をp10プロモーターの下流のpFastBac−DUALベクターに導入した。プラスミドpVL92GFP(Reilanderら,1996)をXbal及びkpnlで消化後このプラスミドからGFP遺伝子を除去した。700bp GFP含有断片をアガロースゲル電気泳動及びGlassMAX精製(GIBCO BRL)により単離し、DNAポリメラーゼを用いて平滑末端とし、p10プロモーターの下流のpFastBac−DUALの多重クローニング領域IIのSmaIサイトに挿入した。生じたプラスミドをpFastBac−D−GFPと呼び、ポリヒドリンプロモーターの下流に外来遺伝子の挿入のための領域1を含んでいた。p10プロモーターからGFPのみを発現する組換えウイルスをBac−to−Bacシステムプロトコル(GIBCO BRL)に従って構築し、このウイルスをAcMNPV−GFPと命名した。
【0043】
PCRをvp26(配列番号1)及びvp28(配列番号2)の推定完全オープンリーディングフレーム(ORF)を含むWSSVプラスミドに対して実施し、ORFの3’末端にBamHIサイト及び5’末端にHindIIIサイトを導入した。vp26(配列番号1)及びvp28(配列番号2)をまずpET28aベクター(Novagen)にクローン化し、BamHI及びNotIで切除し、プラスミドpFastBac−D/GFPのポリヒドリンプロモーターの下流に挿入した。生じたプラスミドをそれぞれpFastBac−D/G−vp26及びpFastBac−D/G−vp28と命名した。vp26c(配列番号9)及びvp24(配列番号11)を5’末端にBamHIサイト及び3’末端にEcoRIサイトに導入するプライマーを用いて推定ORF含有プラスミドに対してPCR増幅した。消化後、vp26c(配列番号9)及びvp24(配列番号11)のORFをpFastBac−D/GFPのポリヒドリンプロモーターの下流に挿入すると、プラスミドpFastBac−D/G−vp26c及びpFastBac−D/G−vp−24が生じた。p10プロモーターからGFP及びポリヒドリンプロモーターからVP24(配列番号12)、VP26(配列番号3)、VP26c(配列番号10)またはVP28(配列番号4)を発現する組換えウイルスをBac−to−Bacシステムプロトコル(GIBCO BRL)を用いて構築し、これらのウイルスをそれぞれAcMNPV−WSSVvp24、AcMNPV−WSSVvp26、AcMNPV−WSSVvp26c及びAcMNPV−WSSVvp28と命名した。
【0044】
SDS−PAGE、タンパク質配列決定及び免疫ブロッティング
野生型AcMNPV及び異種タンパク質(GFP、VP26、VP28)を発現する組換えAcMNPVを感染させた昆虫細胞を15% SDS−PAGEゲルにおいて分析した。タンパク質をクーマシーブリリアントブルー染色を用いて可視化した。半乾燥ブロッティングは、CAPS緩衝液(10%メタノール中10mM CAPS)を用いてポリビニリデンジフロリド(PVDF)膜(Bio−Rad)に対して、またはトリス−グリシン緩衝液(25mM トリス塩基,192mM グリシン,10%(v/v)メタノール,pH3.8)を用いてImmunobilon(商標)−P(Millipore)に対して実施した。タンパク質をクーマシーブリリアントブルー染色を用いてPVDF膜上に可視化した。WSSVビリオン調製物からの主要タンパク質バンドをフィルターから切除し、N−末端の配列を決定した(マサチュセッツに所在のProSeq,Inc.)。
【0045】
Immobulon−P膜をTBS(0.2M NaCl,50mM トリス−HCl,pH7.4)中2%低脂肪粉乳(オランダ国のCampina)でブロックした。ブロットをTBS中で0.2%低脂肪粉乳で1:2,000希釈したポリクローナル家兎抗−WSSV血清(ハワイ州ホノルル大学のP.C.Loh教授から提供された)において室温で1時間インキュベートすることにより免疫検出した。その後、ホースラディシュペルオキシダーゼ(Amersham)をコンジュゲートした抗−家兎抗体を1:2,000の濃度で使用し、強化化学ルミネセント光検出キット(Amersham)で実施した。
【0046】
VP28ポリクローナル抗体
主要WSSV構造エンベロープタンパク質VP28をバキュロウイルスAcMNPV−WSSVvp28を用いて昆虫細胞において発現させ、Prepcell(Biorad)及び分画コレクターを用いて精製した。VP28を含有する分画を収集し、濃縮した。精製VP28タンパク質を家兎に注入して、ポリクローナル抗体を作製した。この抗体を精製WSSVビリオンを含有するウェスタンブロットで検査し、WSSVビリオン由来のVP28と十分反応させた。このVP28抗血清をWSSV中和実験において使用した。
【0047】
WSSVウイルスストック
1週間前に低濃度WSSVを筋肉内注射したザリガニProcambarus clarkiiの体液からウイルスを精製して白点症候群ウイルス(WSSV)ウイルスストックを調製した。前記体液を連続スクロース勾配で精製し、ウイルスバンドを採取した。ウイルスをペレット化した後、ウイルスをTE(pH7.5)に溶解した。実験に使用するまでウイルスストックを−70℃で保存した。
【0048】
タンパク質のワクチン接種
主要WSSV構造エンベロープタンパク質VP28(配列番号4)、ヌクレオキャプシドタンパク質VP26c(配列番号10)及びVP24(配列番号12)を、p10プロモーターからGFP及びポリヒドリンプロモーターからWSSV構造タンパク質を発現するバキュロウイルスAcMNPV−WSSVvp28、AcMNPV−WSSVvp26c及びAcMNPV−WSSVvp24を用いて昆虫細胞において発現させた。感染から3日後に、感染した昆虫細胞を収集し、音波により破壊した。上清をP.monodonに予防接種するために使用した。
本実験には6群のシュリンプを使用した。
【0049】
【表1】
【0050】
ミックスでは、等容量のVP28溶液、VP26c溶液及びVP24溶液を混合してから注射した。予防接種から5日後、シュリンプに追加接種する。2日後、WSSV(ストックウイルス、中和実験参照)を注射することによりチャレンジする。注射後、シュリンプを6日間追跡し、死亡したシュリンプについては電子顕微鏡によりWSSVの存在を調べた。
【0051】
結果
配列決定のためのWSSVタンパク質の単離
精製ウイルス調製物を筋肉内注射することによりPenaeus monodonシュリンプをWSSV感染させた。感染から4日後、感染動物の体液からウイルスを単離した。ネガティブコントロールとして、非感染シュリンプから体液を採取した。これらの調製物をWSSVビリオンの存在及び純度について電子顕微鏡により分析した。非感染動物のサンプルにはウイルス粒子が観察されなかったが、感染動物のサンプル中には多くの主にエンベロープビリオンが観察された(図1a)。NP40で処理後ウイルス粒子からウイルスエンベロープを除去すると、WSSVヌクレオキャプシドの表面に近いセグメント外観特徴(Durandsら,1997)を有する精製ヌクレオキャプシドが生じた(図1b)。エンベロープビリオン及びヌクレオキャプシドのタンパク質をSDS−PAGEで分離した(図1c)。ビリオン中にそれぞれ28kDa(VP28)、26kDa(VP26)、24kDa(VP24)及び19kDa(VP19)の見かけ分子量を有する4つの主要ペプチドが同定された。数個のやや弱いバンドも観察された。そこには30〜65kDaの範囲に約6個のバンドがあり、86〜130kDaの範囲に少なくとも7つの弱いタンパク質バンドがある。体液に由来する3つの主要タンパク質バンドはビリオンと共精製され、67〜78kDaの範囲に存在する。この領域に存在する小さいタンパク質バンドはこのゲルでは観察できなかった(図1)。主要WSSVタンパク質VP28及びVP19で見られるサイズは精製ヌクレオキャプシドを含むレーン(図1c)には存在せず、よってウイルスエンベロープまたは外皮に由来しているようである。VP26及びVP24はヌクレオキャプシド及びビリオンの両方に存在していた。これから、VP26及びVP24はヌクレオキャプシドに由来すると示唆される。
【0052】
SDS−PAGEゲルの内容物を半乾燥ブロッティングによりポリビニリデンジフロリド膜に移し、主要ウイルスタンパク質バンドを切り取り、配列決定した。VP28及びVP26から40以上のアミノ酸がN末端から配列決定された(それぞれ、図2b及び2cに太字で示す)。VP26のN末端配列はMEFGNLTNLDVAIIAILSIAIIALIVIMVIMIVFNTRVGRSVVANを含んでいた。VP28のN末端配列決定により、アミノ酸配列MDLSFTLSVVSAILAITAVIAVFIVIFRYHNTVTKTIEtHsDが得られ、このうち39位のスレオニン及び41位のセリンは未確定である。N末端配列はいずれも疎水性である(図3)。VP24についてN末端ペプチド配列決定して得たN末端アミノ酸配列はMHMWGVYAAILAGLTLILVVISIVVTNIELNKKLDKKDK(配列番号5)である。VP19はN末端ブロックされていることが判明し、VP19の部分内部配列はN末端ブロックしたペプチドをCNBr消化すると得られ、アミノ酸配列ILVISI(G/N)ILVLAVMNV(P/A/T)MGPKKDS(配列番号6)であった。VP19部分配列の7位のアミノ酸残基はGまたはVであり、17位はP、AまたはT残基であり得る。
【0053】
24kDaタンパク質遺伝子の局在化及び配列
VP24のN末端タンパク質配列に基づいて、いずれもEcoRIサイト(下線)を含む、前進プライマーとして5’CAGAATTCATGCAYATGTGGGGNGT3’(配列番号13)、逆プライマーとして5’CAGAATTCYTTRTCYTTYTTRTCIARYTT3’(配列番号14)を有する1組の縮重PCRプライマーを開発した。鋳型としてWSSVゲノムDNAを用いてPCRを実施した。133bp長断片を得、2%アガロースゲルから精製後pBluescript SK+にクローン化し、配列決定した。このPCR産物の配列はWSSV VP24のN末端タンパク質配列(配列番号5)に相当し、VP24の完全ORFを同定するためにWSSVプラスミドライブラリーに対するコロニーリフトアッセイ(Sambrook,1989)におけるプローブとして使用した。この断片とハイブリダイズする18kbp BamHI断片を更なる分析のために選択した。
【0054】
627ヌクレオチドを含む完全vp24 ORF及びこの遺伝子のプロモーター領域が18kbp BamHI断片上で認められた。翻訳開始コドンは効率的な真核翻訳開始(Kozak,1989)のための好ましい範囲(AAAATGC)に存在していた。プロモーター領域には、A/Tリッチ配列のストレッチが見られたが、コンセンサスTATAボックスは見られなかった。ポリAシグナルは翻訳停止コドンと重複していた。vp24 ORF(配列番号11)は、VP24の実験的に決定したN末端配列(配列番号5)を含むアミノ酸配列を有する208アミノ酸(配列番号12)の推定タンパク質をコードした。VP24は23kDaの理論サイズ及び8.7の等電点を有する。N−結合グリコシル化に対する4つの潜在的サイト(N−{P}−[ST]−{P})、O−グリコシル化に対する1つのサイト(Hansenら,1998)及び9つの可能なリン酸化サイト([ST]−X−X−[DE]または[ST−X−[RX])がVP24内に認められたが、これらの修飾が起こったかどうかは不明である。PROSITEデータベースに存在する他のモチーフはVP24中には見られなかった。208アミノ酸のコンピュータ分析から、VP24のN末端にアミノ酸6〜25により形成される想定膜貫通α−らせんを含む非常に疎水性の領域が存在することが判明した。Garnierら(1978)のアルゴリズムから、タンパク質に沿って数個の他のα−らせん及びβ−シートが予測された。
【0055】
26kDaタンパク質遺伝子の局在化及び配列
HindIII及びBamHIの部分WSSVゲノムライブラリーをpBluescript−SK+(van Hultenら,2000)において構築し、多くのWSSV断片から末端ヌクレオチド配列を得た。VP26のN末端配列をコードするヌクレオチド配列は6kb BamHI断片の末端近くに存在していた(図2a)。メチオニン出発コドン(AAAATGG)の周りの配列は効率的な真核翻訳開始のKozakルール(Kozak,1989)に一致した。vp26の非翻訳リーダーの49ヌクレオチドのみが決定され得、末端BamHIサイトまで延びていた(図2a)。
【0056】
6kb BamHI断片は、VP26のN末端アミノ酸をコードするものを含めた555ntのオープンリーディングフレームを含んでいた(図2b)。ポリAシグナルはvp26の翻訳停止コドンの94ヌクレオチド(nt)下流に存在している。このORF(vp26)は20kDaの理論サイズを有する184アミノ酸のタンパク質をコードした。推定タンパク質は9.4の等電点を有する塩基性であった。N−結合グリコシル化のための3つの潜在サイト(N−{P}−[ST]−{P})が存在し、3つの想定O−グリコシル化サイト(図2b)をプログラムNetOglyc(Hansenら,1998)を用いて予想した。13の可能なリン酸化サイト([ST]−X−X−[DE]または[ST−X−[RK])が見つかったが、他のモチーフはPROSITEデータベースには存在しない。VP26の184アミノ酸の疎水性分析は、非常に疎水性の領域がタンパク質のN末端に存在することを示した(図3a)。この領域は、α−らせんの形態でアミノ酸12〜34で形成される想定膜貫通アンカーを含んでいた。このアンカーの後には2つのアルギニンを含む正帯電領域があり、このことからC末端部分が細胞質側に向いていることが示唆される(Sonnhammerら,1998)。膜貫通α−らせんの他に、Gamierら(1978)のアルゴリズムを用いて127〜141位に潜在的なβ−シートが見つかった。タンパク質には1つのシステインしか存在せず、タンパク質内ジスルフィド架橋が形成され得ないことが示された。このシステインはVP28の場合のようにタンパク質のC末端部分に局在化していた。
【0057】
28kDaタンパク質遺伝子の局在化及び配列
VP28のアミノ酸配列はWSSV末端断片配列の翻訳から得られなかった。このペプチドのN末端配列に基づいて、1組の縮重プライマーが開発された。前進プライマーは5’CAGAATTCTCD ATNGTYTTNGTNAC3’(配列番号7)であり、逆プライマーは5’CAGAATTCATGGAYYTN WSNTTYAC3’(配列番号8)であり、いずれもEcoRIサイト(下線)を含んでいた。配列上のプライマーの位置を図2cに示す。鋳型としてゲノムWSSV DNAを用いてPCRを実施した。128bp長断片が得られ、2.5%アガロースゲルから精製後pBluescript SK+にクローン化し、配列決定した。ヌクレオチド配列はWSSV VP28のN末端タンパク質配列をコードし、この128bp断片を数個のWSSVプラスミドライブラリーに対するコロニーリフトアッセイ(Sambrookら,1989)で使用した。3kb HindIII断片をこの断片とハイブリダイズし、更に分析した。
【0058】
この遺伝子の612nt及びプロモーター領域の完全ORF(vp28)が3kb HindIII断片に認められた(図2c)。メチオニン出発コドン(GTCATGG)は効率的な真核翻訳開始(Kozak,1989)のための好ましい範囲にある。プロモーター領域には、コンセンサスTATAボックスは存在しなかったが、A/Tリッチ領域のストレッチは存在していた。ポリAシグナルは翻訳停止コドンの55ヌクレオチド下流に観察された。前記ORFはN末端配列アミノ酸を含む204アミノ酸の推定タンパク質をコードした。この酸性タンパク質の理論サイズは22kDであり、等電点は4.6であった。5つの可能なN−結合グリコシル化サイト(N−{P}−[ST]−{P})、2つのO−グリコシル化サイト(Hansenら,1998)(図2c)及び9つの可能なリン酸化サイト([ST]−X−X−[DE]または[ST−X]−[RK])が見られた。PROSITEデータベース中に存在する他のモチーフはVP28では認められなかった。
【0059】
204アミノ酸タンパク質のコンピユータ分析は、アミノ酸9〜27により形成される想定膜貫通α−らせん配列を含む非常に疎水性の領域がタンパク質のN末端に存在したことを示した(図3b)。VP26の場合のように、前記膜貫通アンカー配列の後に正帯電領域があり、これから前記タンパク質は外から内に向かっていると示唆される。配列のC末端部分には、膜貫通配列を構成するであろう他の疎水性領域が認められた。しかしながら、Garnierら(1978)のアルゴリズムはVP28のこの位置にα−らせんを予測していなかった。前記アルゴリズムは89〜99位に別のα−らせんを予測したが、タンパク質に沿ったβ−シートは予測していなかった。VP26の場合のように、VP28には1つのシステインしか存在していなかった。このシステインはタンパク質のC末端部分に局在化していた。
【0060】
組換えvp24、vp26及びvp28の発現及び分析
昆虫細胞において推定WSSVビリオンタンパク質VP24、VP26、VP26c及びVP28を発現する組換えバキュロウイルスを作製するためにBac−to−Bacシステム(GIBCO BRL)を使用した。vp24、vp26、vp26c及びvp28遺伝子(それぞれ、配列番号11、配列番号1、配列番号9及び配列番号2)を、p10プロモーターの下流にGFP遺伝子を含むプラスミドpFastBac−D/GFP由来のポリヒドリンプロモーターの下流にクローン化した。pFastBac−D/GFP(コントロール)及びvp24、vp26、vp26c及びvp28を含むプラスミドから作製した組換えウイルスをそれぞれAcMNPV−GFP、AcMNPV−WSSVvp24、AcMNPV−WSSVvp26、AcMNPV−WSSVvp26c及びAcMNPV−WSSVvp28と命名した。すべての組換えウイルスはp10プロモーターからGFPを発現した。後者の4つは更にポリヒドリンプロモーターからVP24(配列番号12)、VP26(配列番号3)、VP26c(配列番号10)及びVP28(配列番号4)を発現した。
【0061】
AcMNPV−wt、AcMNPV−GFP、AcMNPV−WSSVvp26及びAcMNPV−WSSVvp8を感染させたSf21細胞の抽出物を15% SDS−PAGEゲルで分析した。野生型AcMNPVを感染させた細胞(図4aのレーン3)では、ポリヒドリンである32kDaバンドが目視された。AcMNPV−GFP感染細胞(レーン4)及びWSSVタンパク質を発現する組換え体を感染させた細胞(レーン5及び6)の抽出物を含むレーンでは、約29kDaでGFPタンパク質バンドが観察された。AcMNPV−GFP感染細胞におけるGFP発現はポリヒドリンプロモーター由来のWSSVタンパク質を発現するバキュロウイルスにおけるGFP発現に比してより強かった(レーン5及び6)。これは、各種AcMNPV−GFP組換え体を感染させた細胞をUV照射後にも容易に観察された。AcMNPV−GFP感染細胞中のGFPの蛍光が最強である(図示せず)。ポリヒドリンプロモーター由来のWSSVタンパク質の発現はp10プロモーター由来のGFPの発現に比して有意に高い(レーン5及び6)。多分WSSV VP26を表す21kDaタンパク質の強い発現はAcMNPV−WSSVvp26感染細胞の抽出物で観察された(レーン5)。28kDaタンパク質の強い発現はAcMNPV−WSSVvp28感染細胞で観察された(レーン6)。これらのゲル中のGFPの位置は抗−GFP抗血清を用いるウェスタン分析により確認された(データ示さず)。
【0062】
SDS PAGEゲルで電気泳動にかけた野生型及び組換えAcMNPV感染Sf21細胞のサンプルをウェスタン分析した。組換えVP26及びVP28を検出するためにWSSVビリオンに対するポリクローナル抗体を使用した(図4b)。VP26及びVP28の両方が前記細胞抽出物中で検出された。VP26は21kDaで検出され、クマーシーブリリアントブルー染色ゲルと一致した(図4aのレーン5;図4bのレーン5)。組換えVP28はVP28と同一位置でWSSVビリオンから遊走し、このタンパク質の理論サイズ22kDaよりも有意に高い。ポリクローナル抗体は、前記サンプルの非常に低いバックグラウンド反応で観察されたように昆虫細胞(レーン2)またはバキュロウイルス(レーン3及び4)と主要な交差反応性を示さなかった。
【0063】
AcMNPV−WSSVvp26c及びAcMNPV−WSSVvp24を感染させたSf21細胞の抽出物を15% SDS−PAGEゲルで分析した。低分子量マーカー及び精製WSSVビリオンをも同一ゲルで分析した。AcMNPV−WSSVvp26c及びAcMNPV−WSSVvp24感染細胞を含むレーンでは29kDaでGFPを表す弱いバンドが観察され、このバンドは感染細胞をUV照射後はっきりと観察された。更に、AcMNPV−WSSVvp26c感染細胞を含むレーンでは、ゲル中のWSSVビリオンの26kDバンドと同じ位置に強いバンドが26kDで観察された。AcMNPV−WSSVvp24感染細胞を含むレーンでは、WSSVビリンオンの24kDaタンパク質の位置に相当する24kDaに明らかなバンドが観察された。AcMNPV−WSSVvp26c感染細胞中の26kDaバンド及びAcMNPV−WSSVvp24感染細胞中の24kDaバンドがWSSVビリンオンの26kDa及び24kDaタンパク質に相当することを確認するために、このゲルのウェスタンブロットをWSSVビリオンに対するポリクローナル抗体を用いて実施した。AcMNPV−WSSVvp26c感染細胞中の26kDaバンド及びAcMNPV−WSSVvp24感染細胞中の24kDaバンドがうまく検出された。
【0064】
VP26及びVP28の関連性
WSSV VP24、VP26、VP26c及びVP28の相同性研究をFASTA、TFASTA及びBLASTを用いてGenBank/EMBL、SWISSPORT及びPIRデータベースに対して実施した。GenBank中の配列は、バキュロウイルスエンベロープまたはキャプシドタンパク質、他の大きなDNAウイルス由来の構造タンパク質と有意な相同性が認められなかった。
【0065】
中和実験
ウイルスストックの力価を滴定実験で求めた。ウイルスストックを1×107〜5×1011倍希釈し、各希釈物10μlを10シュリンプ(Penaeus monodon,3〜4カ月令)に筋肉内注射した。ストックWSSV溶液の1×108希釈物では7〜12日後の死亡率は50%であり、これを更なる実験で使用した。
4群のシュリンプを中和実験で使用した。
【0066】
【表2】
【0067】
1シュリンプに投与したウイルスの総量はすべての群で一定であり、ウイルスストックの1×108希釈物10μlに等しい。群3及び4における血清濃度は同じである(注射1回につき、WSSV 1μl及び血清 9μl)。注射後、シュリンプを4週間追跡し、死亡したシュリンプをWSSVの存在について電子顕微鏡で調べた。結果を図5に示す。
【0068】
群1(ネガティブコントロール)のシュリンプはいずれもWSSVで死亡しなかったので、死亡率は0%である。群2(ポジティブコントロール)では、23日後に死亡率は100%に達した。前免疫血清(家兎にVP28タンパク質を注射する前に採取した血清)をWSSVに添加した群(群3)では、25日後に死亡率は100%に達した。VP28抗血清をWSSVに添加したとき(群4)、すべてのシュリンプが生存しており、死亡率は0%であった。これらの結果は、VP28抗血清がP.monodonにおけるWSSV感染を中和できることを示す。
【0069】
タンパク質の予防接種
群3〜6に異なるタンパク質溶液5μl(予防接種)及びl0μl(追加接種)を注射した。予防接種のために、群3にはVP28タンパク質2.5μg、群4にはVP26cタンパク質3.6μg、群5にはVP24タンパク質0.7μgを与えた。群6には等容量のVP28溶液、VP26c溶液及びVP24溶液を含む混合物(タンパク質総量2.7μg)を与えた。追加接種のためにはシュリンプに高量のタンパク質を与えた。すなわち、群3にはVP28タンパク質9.6μg、群4にはVP26cタンパク質5.7μg、群5にはVP24タンパク質5.9μg、群6にはタンパク質総量7.1μgを与えた。すべての群のシュリンプにストックWSSV溶液の1×108希釈物10μlを注射した。
【0070】
予防接種の結果を図6に示す。群1(ネガティブコントロール)のシュリンプはいずれもWSSVで死亡せず、よって死亡率は0%である。群2では、シュリンプは1日後からWSSV感染のために死亡しはじめ、死亡率は増加し続ける。これらのシュリンプには中和実験のシュリンプと同一用量のWSSVウイルスを与えたが、群2のシュリンプは早くから死亡している。これは多分、この実験でシュリンプが複数回注射を受けたストレスの結果であろう。群3〜5(それぞれVP24、VP26c及びVP28を予防接種したシュリンプ)では、死亡は遅くなったが、群6(VP24、VP26c及びVP28の混合物を予防接種したシュリンプ)ではWSSVで死亡したシュリンプはなく、よって死亡率は0%である。予防接種中の各タンパク質の用量を最適にすると、WSSV感染に対して高い防御効果が得られる。
【0071】
【参考文献】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1a】 WSSVタンパク質であり、逆染色した無傷のビリオンの形態を示す写真である。
【図1b】 WSSVタンパク質であり、逆染色したWSSVヌクレオキャプシドの形態を示す写真である。
【図1c】 WSSVタンパク質であり、精製WSSVの15%クーマシー染色SDS−PAGEゲル(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の写真である)。
【図2a】 WSSV VP26及びVP28のヌクレオチド配列であり、WSSVゲノム断片上のVP26及びVP28の位置を示す。
【図2b】 WSSV VP26及びVP28のヌクレオチド配列であり、VP26のヌクレオチド及びタンパク質配列を示す。
【図2c】 WSSV VP26及びVP28のヌクレオチド配列であり、VP28のヌクレオチド及びタンパク質配列を示す。
【図3a】 VP26の疎水性プロットである。
【図3b】 VP28の疎水性プロットである。
【図4a】 15% SDS−PAGEゲル及びウェスタンブロットで分析した昆虫細胞におけるWSSV構造タンパク質のバキュロウイルス発現を示す。
【図4b】 15% SDS−PAGEゲル及びウェスタンブロットで分析した昆虫細胞におけるWSSV構造タンパク質のバキュロウイルス発現を示す。
【図5】 構造タンパク質VP28に対する抗血清によるシュリンプ中のWSSVの中和の結果を示す。
【図6】 シュリンプへのWSSVタンパク質の予防接種の結果を示す。
【配列表】
Claims (11)
- 医薬的に許容され得る担体及びタンパク質を含む甲殻類動物における白点症候群の予防及び/または治療に使用するためのワクチンであって、前記タンパク質は配列番号4に示すアミノ酸配列を含む前記ワクチン。
- ワクチンが、配列番号3または10に示すアミノ酸配列を有するタンパク質、及び/または配列番号4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質及び/または配列番号12に示すアミノ酸配列を有するタンパク質を更に含む請求の範囲第1項に記載のワクチン。
- 甲殻類動物における白点症候群の予防または治療に使用するためのベクターワクチンであって、前記ワクチンはゲノム中に白点症候群ウイルスタンパク質をコードする異種核酸配列を含む弱毒化細菌またはウイルスを含み、前記白点症候群ウイルスタンパク質は配列番号4に示すアミノ酸配列を含む前記ベクターワクチン。
- 白点症候群ウイルス由来の構造タンパク質であって、該タンパク質のアミノ酸配列が配列番号4に示すアミノ酸配列であることを特徴とする前記構造タンパク質。
- 白点症候群ウイルスの構造タンパク質をコードする核酸であって、前記構造タンパク質が配列番号4に示すアミノ酸配列を有する前記核酸。
- 白点症候群ウイルスの構造タンパク質をコードする核酸であって、前記核酸が配列番号2に示す配列と相補的な塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることを特徴とする前記核酸。
- 請求の範囲第4項に記載の構造タンパク質の甲殻類動物のための薬剤としての使用。
- 医薬的に許容され得る担体、及び少なくとも請求の範囲第4項に記載の構造タンパク質または少なくとも請求の範囲第5項または第6項に記載の核酸を含む医薬組成物。
- 請求の範囲第4項に記載の構造タンパク質に対する抗体。
- 医薬的に許容され得る担体またはビヒクル及び少なくとも請求の範囲第9項に記載の抗体を含むワクチンまたは医薬組成物。
- 請求の範囲第5項または第6項に記載の核酸または請求の範囲第9項に記載の抗体を含む白点症候群ウイルス検出用診断キット。
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