JP4785493B2 - 車両用衝突補強材及びその製造方法 - Google Patents

車両用衝突補強材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両の衝突時に乗員を保護することを目的として車両に装着される車両用衝突補強材と、車両用衝突補強材の製造方法とに関する。
車両用衝突補強材としては例えば、車両の側面衝突時の衝撃から乗員を保護する目的でドア内部に配設されるドアインパクトビーム(サイドインパクトビーム又は安全バーとも言う)が知られている。ドアインパクトビームのような車両用衝突補強材にあっては、十分な強度があり衝突エネルギーの吸収量が大きいことが求められる一方で、燃費向上等の観点から極力軽量であることも要求される。このため、車両用衝突補強材においては、軽量化を図りながらも十分な強度を確保することが重要な技術的課題となっている。
この点、特許文献1は、高張力鋼板に対していわゆるUO曲げ(段階的な曲げ成形の一種)を施すことにより、取付ブラケット部を除くビーム本体部が横断面円形状(正しくは横断面円環形状)の中空な閉断面構造をなす車両用サイドインパクトビームを開示する。ビーム本体部を中空な閉断面構造とすることにより、軽量化と衝突エネルギーの吸収量増大とを図っている。これに対し、横断面が閉断面形状の安全バーは製造工数が多く加工コストや防食用の表面処理コストが高くつくことから、特許文献2は、本体部が開放断面形状をなす安全バーを提案する。即ち特許文献2の安全バーは、2個のウェブ(7)によって抱かれた中央フランジ(6)と、それぞれのウェブに接続すると共にバー構造体の両側部から外方に延出する側部フランジ(8)とを備え、中央フランジ、二つのウェブ及び二つの側部フランジによって開放型の横断面形状を構築している。但し、開放断面型の安全バーにおいて必要最小限の強度を確保するためには、一般に、材料鋼板の板厚をあまり薄くしないという配慮が必要になる。
以上述べたように、横断面円環状の中空な閉断面構造を採用すれば、軽量化と衝突エネルギーの吸収量増大との両立を図りやすいが、製造工程が複雑化し製造コストが高くなるという欠点がある。他方、開放型の横断面構造を採用すれば、製造工程を簡素化することができるが、耐荷重性を確保するために材料鋼板の板厚をある程度厚くする等の対策が必要になり、劇的な軽量化を達成するというわけにはいかない。つまり、いずれの構造にも一長一短がある。
一つの車両用衝突補強材に中空な閉断面構造と開放断面構造とを取り入れ、両構造を併存させることによって両構造の長所を折衷的に生かすような設計が実現するならば、それは非常に望ましい。しかしながら、横断面円環状の中空な閉断面構造と横断面多角形状の開放断面構造とでは互いの幾何学的な形状に大きな差があるので、単純に両者を組み合わせた構造を一つの車両用衝突補強材中に具現化しようとしても、製造手順の複雑化を回避することまで考慮するとなると容易ではない。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものである。
特開平10−109537号公報(第0014〜0019段落) 実開2004−8号公報(要約、第0003〜0005段落)
本発明の目的は、複雑な製造手順を経ることなく一つの車両用衝突補強材中に中空な閉断面構造と開放断面構造との併存を容易に可能とするような構造を採用することにより、比較的安価に製造可能であると共に、衝突エネルギーの吸収量増大と軽量化とを両立させることが可能な車両用衝突補強材を提供することにある。また、そのような車両用衝突補強材を製造する方法を提供することにある。
請求項1の発明は、長尺な本体部を備えた車両用衝突補強材であって、前記長尺な本体部は、その長手方向に延びる中央フランジ、当該中央フランジによって互いの前端部が連結された一対のウェブ及び各ウェブの後端部から幅方向外側に延出する一対の側部フランジを具備すると共に、長手方向に沿って隣り合う開放断面部及び中空な閉断面部を有しており、前記開放断面部は、前記中央フランジ、一対のウェブ及び一対の側部フランジにより中央フランジと反対側に開口したハット型の横断面形状をなすように形成されており、前記中空な閉断面部は、前記中央フランジ、一対のウェブ及び一対の側部フランジに加えて、基端部が各側部フランジの外端部につながると共に先端部が互いに接近するように折り曲げられた一対の突片を更に具備し、前記中央フランジ、一対のウェブ、一対の側部フランジ及び一対の突片により略凸字型のほぼ又は完全に閉じた横断面形状をなすように形成されていることを特徴とする車両用衝突補強材である。
請求項1の作用]
本発明の車両用衝突補強材によれば、長尺な本体部を開放断面部及び中空な閉断面部の二部構成としたことにより、特に高い耐荷重性が必要とされる部位には中空な閉断面部を配置して衝突エネルギー吸収性能を担保させ、さほど高い耐荷重性が必要とされない部位には開放断面部を配置して製造工程の簡素化に配慮することができる。その結果、従来の開放型横断面構造のみで構築された車両用衝突補強材に比べ、更なる軽量化を達成しつつ衝突エネルギーの吸収量増大を図ることができる(後記発明の実施形態中の説明参照)。また、長尺な本体部において隣り合う開放断面部及び中空な閉断面部はいずれも、両部に共通した構成要素として、中央フランジ、一対のウェブ及び一対の側部フランジを具備するため、これら共通の構成要素を通じて開放断面部と中空な閉断面部との間には、構造的な連続性及び一部横断面形状の均質性又は相似性が存在する。故に、例えば一枚の金属板材(出発材)に対する1回のプレス加工で、開放断面部及び中空な閉断面部で構造的な共通性又は連続性のある部分(即ち中央フランジ、ウェブ、側部フランジ)を一度に形成することができる。そしてその後に、基端部が各ウェブの後端部に直接又は間接的につながる一対の突片をそれぞれの先端部が互いに接近するように折り曲げるだけで、ほぼ又は完全に閉じた横断面形状の中空な閉断面部を完成させることができる。従って本発明によれば、複雑な製造手順を経ることなく、中空な閉断面構造と開放断面構造とが併存した車両用衝突補強材を比較的安価に製造可能となる。
請求項2の発明は、長手方向に沿って隣り合う開放断面部及び中空な閉断面部を有する長尺な本体部を備えた車両用衝突補強材を製造する方法であって、長手方向に延びる金属板材の幅方向両側に一対の突片が形成されてなる長尺な突片付き金属板材を準備する板材準備工程と、付形型を用いたプレス成形に基づいて、前記長尺な突片付き金属板材に対し、長手方向に延びる中央フランジ、当該中央フランジによって互いの前端部が連結された一対のウェブ及び各ウェブの後端部から幅方向外側に延出する一対の側部フランジを付形することにより、横断面形状がハット型の開放断面部及び未だ開放断面状態のプレ閉断面部を同時成形する開放断面成形工程と、突片曲げ型を用いたプレス成形に基づいて、前記開放断面成形工程で得られた中間製品のプレ閉断面部の各側部フランジの外端部につながった各突片に対し、それぞれの突片の先端部が互いに接近するような曲げ成形を施すことにより、中央フランジ、一対のウェブ、一対の側部フランジ及び一対の突片により略凸字型のほぼ又は完全に閉じた横断面形状をなす中空な閉断面部を成形する閉断面成形工程とを備えることを特徴とする車両用衝突補強材の製造方法である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用衝突補強材の製造方法において、前記長尺な突片付き金属板材の各突片に対し、突片の基端部(14a)と突片の先端部(14b)とがほぼ直角になるような曲げ加工を施す事前曲げ工程を更に備え、前記閉断面成形工程では、二種類以上の突片曲げ型を用いた二工程以上のプレス成形に基づいて、前記開放断面成形工程で得られた中間製品のプレ閉断面部の各側部フランジの外端部につながった各突片の基端部(14a)に対し、それぞれの突片の先端部(14b)が互いに接近すると共に側部フランジと突片の基端部(14a)とがほぼ直角になるような曲げ成形を施すことを特徴とするものである。
請求項2及び3の作用]
請求項2及び3は、請求項1の車両用衝突補強材の製造方法に相当する。本発明の製造方法によれば、長尺な突片付き金属板材がプレス成形の出発材として選択されると共に、開放断面成形工程において、開放断面部及び未だ開放断面状態のプレ閉断面部の双方にとって共通の構成要素である中央フランジ、一対のウェブ及び一対の側部フランジを同時成形した後、閉断面成形工程において、プレ閉断面部の各突片に対し曲げ成形を施すことによりプレ閉断面部を中空な閉断面部に変えるという手順がとられる。従って本発明によれば、中空な閉断面構造と開放断面構造とが併存した車両用衝突補強材を、製造工程を複雑化することなく比較的安価に製造することができる。また、長尺な突片付き金属板材の各突片に対し、突片の基端部と突片の先端部とがほぼ直角になるような事前の曲げ加工を施した後、二種類以上の突片曲げ型を用いた二工程以上のプレス成形に基づいて、各突片の基端部に対し側部フランジと突片の基端部とがほぼ直角になるような曲げ成形を施すという段階的曲げ手順を採用することにより、中空な閉断面部における略凸字型の横断面形状を無理なく正確に成形することができる。
(付記)本発明の更に好ましい態様や追加的構成要件を以下に列挙する。
請求項1〜3の車両用衝突補強材はドアインパクトビームであること。
請求項1に記載の車両用衝突補強材によれば、複雑な製造手順を経ることなく一つの車両用衝突補強材中に中空な閉断面構造と開放断面構造とを併存させることができる構造であるため、比較的安価に製造可能であると共に、衝突エネルギーの吸収量増大と軽量化とを両立させることができる。
請求項2及び3に記載の車両用衝突補強材の製造方法によれば、中空な閉断面構造と開放断面構造とが併存した車両用衝突補強材を、製造工程を複雑化することなく比較的安価に製造することができる。
以下、本発明を車両用衝突補強材の一種であるドアインパクトビームに具体化した一実施形態を図1〜図6を参照しつつ説明する。
本実施形態のドアインパクトビームは、後述するように金属板材に対し多段階のプレス成形を施して得たものであり、図1(A)に示すように、ビームの長手方向に延びる比較的長尺な本体部10と、その本体部10の長手方向両端部にそれぞれ位置する一対の取付ブラケット部20とを備えている。各取付ブラケット部20は魚尾のような多角形状をなしており、これらは当該ビームを自動車のドアフレーム内に溶接等により固定する際の取付介在部の役目を果たす。
図1及び図2に示すように、ドアインパクトビームの本体部10は、その長手方向のほぼ全体にわたって延びる中央フランジ11、一対のウェブ12及び一対の側部フランジ13を備えている。中央フランジ11は、その幅方向両側辺に位置する両ウェブ12の前端部12a同士を連結すると共に、前面を当該ビームでの主たる衝突面として提供するものである。各ウェブ12は中央フランジ11に対してほぼ直角に設けられており、これらウェブ12の高さ及び厚さの設定値に応じてビーム本体部10の曲げ剛性や耐荷重性能がある程度調節される。本実施形態では、二つのウェブ12は略平行な対面関係にある。
更に、各ウェブ12の後端部12bには、側部フランジ13が幅方向外側に延出するように設けられている。二つの側部フランジ13とも中央フランジ11と略平行な関係にある。これら一対の側部フランジ13はドアインパクトビームの衝撃吸収性能の改善に貢献する。即ち一般に開放断面構造のドアインパクトビームにあっては、衝突時に、ウェブ前端側(衝突面側、圧縮側)の応力よりもウェブ後端側(引張側)の応力の方が大きくなる傾向にあり、曲げの中立軸の位置が衝突面側(即ち中央フランジ11側)に片寄り易いという事情がある。この点、各ウェブの後端部12bに側部フランジ13を付加することで、圧縮側と引張側との応力差を小さくして前記曲げの中立軸をウェブ12の高さ方向中程に設定でき、ビームの曲げ剛性の向上を図ることが可能になる。
図1(A)及び図2に示すように、ドアインパクトビームの本体部10は、長手方向に沿って隣り合う開放断面部OP及び中空な閉断面部CL(図1(A)の斜線部分)を有している。中空な閉断面部CLは、本体部10のほぼ中央に位置し、その左右にはそれぞれ開放断面部OPが隣接している。つまり、開放断面部OPは中空な閉断面部CLと取付ブラケット部20との間に位置する。本体部10の全長のうち約20%〜50%の範囲(図1では約30%)を中空な閉断面部CLが占め、残りを開放断面部OPが占める。
図1(B)及び図2に示すように、開放断面部OPは、前記中央フランジ11、一対のウェブ12及び一対の側部フランジ13から構成されており、これら(11〜13)によって中央フランジ11と反対側に開口したハット型の横断面形状をなすように形成されている。また、中央フランジ11及び一対のウェブ12により中央フランジ11と反対側に開口したコ字型の横断面形状をなすように、開放断面部OPが形成されている。
図1(C)及び図2に示すように、中空な閉断面部CLは、前記中央フランジ11、一対のウェブ12及び一対の側部フランジ13を具備するほかに、略L字形に折り曲げ形成された一対の突片14を具備している。各突片14は、それぞれ対応する側部フランジ13の外端部につながれると共に当該側部フランジ13に対してほぼ直角に立設された基端部14aと、その基端部14aに対してほぼ直角に折り曲げられた先端部14bとを有している。二つの突片の各先端部14bは、それぞれの先端縁がほぼ突合せ状態で近接するように対向配置されている。本実施形態では、略L字形突片の先端部14bと中央フランジ11とは略平行な関係にある。また、略L字形突片の基端部14aとウェブ12とは略平行な関係にあり、各突片の基端部14aは側部フランジ13を介して各ウェブの後端部12bに間接的につながっている。そして、中央フランジ11、一対のウェブ12、一対の側部フランジ13及び一対の突片14によって略凸字型のほぼ閉じた横断面形状を区画するように、中空な閉断面部CLが形成されている。
次に、上記ドアインパクトビームの製造手順を図3〜図6を参照しつつ説明する。
先ず、出発材となる金属板材Mを準備する。図3に示すように、金属板材Mは、長手方向に延びる比較的長尺なものであって、長手方向両端部には取付ブラケット部20形成用の魚尾部20’を有している。また、金属板材Mの略中央であってその幅方向両側には一対の突片14’を有している。この突片付き金属板材Mとして使用可能な金属板材としては、ステンレス鋼板、亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板などを例示することができる。
次に、上記金属板材Mにおける突片14’及び魚尾部20’以外の長尺な本体部全体に対して開放断面形状を付与する(開放断面成形工程)。具体的には図4(A)に示すように、突片付き金属板材Mを固定型としての第1の下型41と、可動型としての第1の上型45との間に配置する。下型41は、上型45のほぼ全体が嵌入可能であると共に水平な凹部底面42aを有する凹部42と、その凹部42の幅方向中央に位置すると共に凹部内にて長手方向に延びる溝部43とを備えている。上型45は、下型の凹部底面42aに対向する水平な型底面46と、その型底面46から下方に突出すると共に長手方向に延びる突条部47とを備えている。そして図4(B)に示すように、第1の下型41に対して第1の上型45を押下することにより、両型41,45間で金属板材Mをプレス成形する。このプレス成形により、金属板材Mの長尺な本体部全体に対して、中央フランジ11、ウェブ12及び側部フランジ13を付形する。中央フランジ11及び一対のウェブ12は、下型の溝部43及び上型の突条部47による挟圧によって形成される。また、一対の側部フランジ13は、下型の凹部底面42a及び上型の型底面46による挟圧によって形成される。更に、下型の凹部42の左右両隅では、下型41と上型45との嵌合形状に基づき、最終製品における突片14の基端部14aと先端部14bとの境界にあたる直角曲げ部が形成される。なお、プレス完了直後にあっては、突片14の基端部14aに相当する部分は、下型の凹部底面42a上に位置して側部フランジ13と同一平面をなす。
このように第1の下型41及び第1の上型45を付形型として用いるプレス成形に基づき、中間製品としての一次成形品M1が得られる。この一次成形品M1には、突片14’が未だ開放状態のプレ閉断面部と、そのプレ閉断面部に隣接する開放断面部OPとが併存する。
次に、一次成形品M1のプレ閉断面部に対し中空な閉断面形状を付与する(閉断面成形工程)。この閉断面成形工程は、図5に示す予備曲げ工程と、図6に示す最終曲げ工程との二工程からなる。
先ず図5(A)に示すように、一次成形品M1を固定型としての第2の下型51と、可動型としての第2の上型55との間に配置する。下型51は、水平な凹部底面52a及び左右一対の傾斜した凹部底面52bを有する凹部52と、その凹部52の幅方向中央に位置すると共に凹部内にて長手方向に延びる溝部53とを備えている。水平な凹部底面52aに対する凹部底面52bの傾斜角度は約45度である。上型55は、その型底にあって長手方向に延びる突条部57を備えている。そして図5(B)に示すように、第2の下型51に対して第2の上型55を押下することにより、両型51,55間で一次成形品M1をプレス成形する。すると、一次成形品M1の中央フランジ11及び一対のウェブ12にあたる部分が上型の突条部57に押されて下型の溝部53に嵌入される。また、一次成形品M1の側部フランジ13にあたる部分が下型の水平な凹部底面52aに押し付けられると共に、一次成形品M1の突片基端部14aにあたる部分が傾斜した凹部底面52bに強く押し付けられる。その結果、突片基端部14aと側部フランジ13とのなす角度が約135(=90+45)度となるように、突片基端部14aが側部フランジ13に対して折り曲げられる。この折り曲げにより、二つの突片先端部14bは上型55に向かって互いに少しだけ接近する。こうして、第2の下型51及び第2の上型55を突片曲げ型として用いたプレス成形に基づいて、二次成形品M2が得られる。
続いて図6(A)に示すように、二次成形品M2を固定型としての第3の下型61と、可動型としての第3の上型65との間に配置する。下型61は、水平な凹部底面62aを有する凹部62と、その凹部62の幅方向中央に位置すると共に凹部内にて長手方向に延びる溝部63とを備えている。上型65は、その型底において下方に開口した凹部66を備えている。下型61と上型65との接合時、両型内には凹部62、溝部63及び凹部66によって、横断面形状が略凸字型をなす成形室が構築される。そして、図6(A)の状態から上型65を下型61に向けて徐々に押下する。この過程で、二次成形品M2の各突片の先端部14bが上型の凹部66の天井面にガイドされて互いに接近すると共に、突片基端部14aと側部フランジ13とのなす角度が約135度から減少する方向に、それぞれの突片基端部14aが更に折り曲げられる。そして図6(B)のように上型65が下型61に接合したところで、二次成形品M2のうちで開放状態にあったプレ閉断面部が、両型61,65により構築される横断面略凸字型の成形室の内部形状に合致するように再成形され、左右の突片先端部14bが突合せ対向状態となって、略凸字型のほぼ閉じた横断面形状をなす中空な閉断面部CLが完成される。
このように、二種類の突片曲げ型(51,55,61,65)を用いた二工程のプレス成形に基づいて、前記開放断面成形工程で得られた中間製品(一次成形品M1)のプレ閉断面部の各側部フランジ13の外端部につながった各突片14に対し、それぞれの突片の先端部14bが互いに接近するような曲げ成形を施すことにより、中央フランジ11、一対のウェブ12、一対の側部フランジ13及び一対の突片14により、略凸字型のほぼ閉じた横断面形状をなす中空な閉断面部CLが成形される。その結果、図1及び図2に示すような最終製品としてのドアインパクトビームを得ることができる。
[従来例との比較による性能評価]
中央フランジ11、一対のウェブ12及び一対の側部フランジ13を具備すると共に、上記開放断面部OPに相当する開放断面構造のみで本体部10の全体が構成されたドアインパクトビーム(従来例)を比較対象として準備し、これを本実施形態のドアインパクトビームと比較した。その結果、本実施形態のドアインパクトビームの各部の板厚を従来例のドアインパクトビームの各部の板厚の約80%に薄肉化して本実施形態のドアインパクトビームを従来例よりも約20%程度軽量化した場合でも、本実施形態のドアインパクトビームの衝突エネルギー吸収量を従来例の場合よりも約10%程度向上させることができた。つまり、本体部10の中央部分を中空な閉断面部CLとすることで、ドアインパクトビームの軽量化を図りつつ衝突エネルギーの吸収量増大を図ることができた。
[実施形態の効果]
本実施形態のドアインパクトビームでは、長尺な本体部10を中空な閉断面部CLと開放断面部OPとの二部構成としているため、特に高い耐荷重性が必要とされる中央部分には中空な閉断面部CLを配置して衝突エネルギー吸収性能を担保させ、耐荷重要求が相対的に低い残りの部分には開放断面部OPを配置して製造工程の簡素化に配慮することができる。その結果、従来の開放型横断面構造のみで構築されたドアインパクトビームよりも更なる軽量化を達成しつつ衝突エネルギーの吸収量増大を図ることができる(前段落の従来例との比較参照)。
本実施形態のドアインパクトビームでは、長尺な本体部10において隣り合う開放断面部OP及び中空な閉断面部CLはいずれも、両部に共通した構成要素として中央フランジ11、一対のウェブ12及び一対の側部フランジ13を具備するため、これら共通の構成要素を通じて開放断面部OPと中空な閉断面部CLとの間には、構造的な連続性及び一部横断面形状の均質性が存在する。それ故、一枚の突片付き金属板材Mに対する1回のプレス加工で、開放断面部OP及び中空な閉断面部CLで構造的な共通性又は連続性のある部分(即ち中央フランジ11、ウェブ12、側部フランジ13)を一度に形成することができる。そしてその後に、プレ閉断面部における一対の突片14をそれぞれの先端部14bが互いに接近するように折り曲げるだけで、ほぼ閉じた横断面形状の中空な閉断面部CLを完成させることができる。従って本実施形態によれば、比較的簡素な製造手順を経て、中空な閉断面部CLと開放断面部OPとが併存したドアインパクトビームを比較的安価に製造することができる。
[変更例]:本発明は、自動車の車室の両側に配置される車両用衝突補強材としてのセンターピラー材に具体化されてもよい。即ち図7(A)〜(C)に示すように、上下に長尺な本体部10を有するセンターピラー材において、本体部10の高さ方向中程に中空な閉断面部CLを設定すると共に、その上下両隣に開放断面部OPを設定する。そして、上記実施形態と同様、開放断面部OPを中央フランジ11、一対のウェブ12及び一対の側部フランジ13によってハット型の横断面形状にすると共に、中空な閉断面部CLを中央フランジ11、一対のウェブ12、一対の側部フランジ13及び一対の突片14によって略凸字型のほぼ閉じた横断面形状にする。
[変更例]:図1(C)及び図2、並びに図7(C)において、一対の突片14の突合せ部分(互いに対向する端部同士)を互いに接触させて、中空な閉断面部CLを完全に閉じた横断面形状としてもよい。また、更に一対の突片14の突合せ部分を溶接して、二つの突片14を完全連結してもよい。
一実施形態のドアインパクトビームを示し、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面での端面図、(C)は(A)のC−C線断面での端面図。 図1のドアインパクトビームの一部を背面側からみた斜視図。 出発材となる突片付き金属板材の平面図。 (A)及び(B)は金属板材への最初のプレス成形の概略を示す断面図。 (A)及び(B)は突片の予備曲げ工程の概略を示す断面図。 (A)及び(B)は突片の最終曲げ工程の概略を示す断面図。 センターピラー材を示し、(A)は正面図、(B)は(A)のD−D線断面での端面図、(C)は(A)のE−E線断面での端面図。
符号の説明
10…本体部、11…中央フランジ、12…ウェブ、12a…ウェブの前端部、12b…ウェブの後端部、13…側部フランジ、14,14’…突片、14a…突片の基端部、14b…突片の先端部、20…取付ブラケット部、41…第1の下型、45…第1の上型(41,45は付形型を構成する)、51…第2の下型、55…第2の上型、61…第3の下型、65…第3の上型(51,55,61,65は突片曲げ型を構成する)、CL…中空な閉断面部、OP…開放断面部、M…突片付き金属板材、M1…一次成形品(中間製品)、M2…二次成形品。

Claims (3)

  1. 長尺な本体部を備えた車両用衝突補強材であって、
    前記長尺な本体部は、その長手方向に延びる中央フランジ、当該中央フランジによって互いの前端部が連結された一対のウェブ及び各ウェブの後端部から幅方向外側に延出する一対の側部フランジを具備すると共に、長手方向に沿って隣り合う開放断面部及び中空な閉断面部を有しており、
    前記開放断面部は、前記中央フランジ、一対のウェブ及び一対の側部フランジにより中央フランジと反対側に開口したハット型の横断面形状をなすように形成されており、
    前記中空な閉断面部は、前記中央フランジ、一対のウェブ及び一対の側部フランジに加えて、基端部が各側部フランジの外端部につながると共に先端部が互いに接近するように折り曲げられた一対の突片を更に具備し、前記中央フランジ、一対のウェブ、一対の側部フランジ及び一対の突片により略凸字型のほぼ又は完全に閉じた横断面形状をなすように形成されていることを特徴とする車両用衝突補強材。
  2. 長手方向に沿って隣り合う開放断面部及び中空な閉断面部を有する長尺な本体部を備えた車両用衝突補強材を製造する方法であって、
    長手方向に延びる金属板材の幅方向両側に一対の突片が形成されてなる長尺な突片付き金属板材を準備する板材準備工程と、
    付形型を用いたプレス成形に基づいて、前記長尺な突片付き金属板材に対し、長手方向に延びる中央フランジ、当該中央フランジによって互いの前端部が連結された一対のウェブ及び各ウェブの後端部から幅方向外側に延出する一対の側部フランジを付形することにより、横断面形状がハット型の開放断面部及び未だ開放断面状態のプレ閉断面部を同時成形する開放断面成形工程と、
    突片曲げ型を用いたプレス成形に基づいて、前記開放断面成形工程で得られた中間製品のプレ閉断面部の各側部フランジの外端部につながった各突片に対し、それぞれの突片の先端部が互いに接近するような曲げ成形を施すことにより、中央フランジ、一対のウェブ、一対の側部フランジ及び一対の突片により略凸字型のほぼ又は完全に閉じた横断面形状をなす中空な閉断面部を成形する閉断面成形工程と
    を備えることを特徴とする車両用衝突補強材の製造方法。
  3. 前記長尺な突片付き金属板材の各突片に対し、突片の基端部(14a)と突片の先端部(14b)とがほぼ直角になるような曲げ加工を施す事前曲げ工程を更に備え、
    前記閉断面成形工程では、二種類以上の突片曲げ型を用いた二工程以上のプレス成形に基づいて、前記開放断面成形工程で得られた中間製品のプレ閉断面部の各側部フランジの外端部につながった各突片の基端部(14a)に対し、それぞれの突片の先端部(14b)が互いに接近すると共に側部フランジと突片の基端部(14a)とがほぼ直角になるような曲げ成形を施すことを特徴とする請求項2に記載の車両用衝突補強材の製造方法。
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