JP6069875B2 - 車両のドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ドア本体の内部空間にインパクトバーを備えた車両のドア構造に関し、車体構造の技術分野に属する。
一般に、車両のドア本体の内部空間には、ドア本体の側突耐力を大きくして側突時における乗員の保護性能を向上させる目的で、車両の前後方向に延びるインパクトバーが備えられる。インパクトバーの曲げ強度を大きくするために、形状を工夫する等の試みがなされている。
例えば、特許文献1では、厚さ方向に複数個並設され、ドア外面と略直角に立上がる立上がり壁を備えた車両用ドアの補強ビームが開示されている。また、立上がり壁は、少なくとも一部が焼入れ処理されている。
一方、燃費向上のため、車両の軽量化が求められており、ドアの全体重量を小さくするために、インパクトバーの軽量化も求められている。
特開2003−094943号公報
特許文献1記載の補強ビームによれば、立ち上がり壁の数を増やすことで、曲げ強度を確保することは可能である。しかし、立ち上がり壁の数が増えるごとに重量が増加する。また、焼入れ処理を行うことにより、製造過程が複雑化するため、生産性が低下する。
そこで、本発明は、生産性が高く、軽量かつ曲げ強度の大きいインパクトバーを備えた車両のドア構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、請求項1に係る発明は、インナパネル及びアウタパネルで形成されたドア本体と、前記ドア本体内部に配設され、車両の前後方向に延びるインパクトバーとを備えた車両のドア構造であって、前記インパクトバーは、前記アウタパネルの内面に対向する第1面部と、該第1面部の上下の端部から前記インナパネル側に向けてそれぞれ延びる上下の第2面部と、該第2面部の端部から前記第1面部と略平行に、上方の第2面部からは上方に、下方の第2面部からは下方にそれぞれ延びる上下の第3面部と、該上下の第3面部の端部から前記インナパネル側に向けてそれぞれ延びる上下の第4面部と、前記上下の第3面部を連結する第5面部と、前記上下の第4面部のインナパネル側の端部を連結する第6面部とを有し、前記第1面部、上下の第2面部及び第5面部によりアウタパネル側の第1閉断面部が形成され、前記上下の第3面部、上下の第4面部、第5面部及び第6面部によりインナパネル側の第2閉断面部が形成され、前記第5面部は、前記インナパネル側から、前記上下の第3面部に、それぞれ溶接部を介して接合され、前記第5面部は、前記インパクトバーに側突荷重が加わったときにおいて、前記上下の第3面部を前記第2閉断面部へ引き込む方向へ力を加える面部であり、前記第6面部は、前記上下の第4面部のインナパネル側の端部に、それぞれ溶接部を介して接合されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第5面部及び第6面部は、前記インパクトバーの長手方向において、該インパクトバーが前記ドア本体に接合される領域とは異なる領域に設けられることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記第5面部及び第6面部は別体で構成されることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、前記第5面部は略平面状に形成されていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明において、前記第5面部及び第6面部は、前記インパクトバーの長手方向の略中央部に設けられていることを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に係る発明において、前記第4面部のインナパネル側の端部間の距離Bに対する前記第2面部のインナパネル側の端部間の距離Aの比の値A/Bは、0.65〜0.80の範囲内にあることを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
本願の請求項1に係る発明によれば、アウタパネル側の第1閉断面部及びインナパネル側の第2閉断面部で二重閉断面構造が形成されることにより、荷重入力時にインパクトバーの断面の開きが抑制され、曲げ強度が向上する。また、荷重入力時に第1閉断面部が第2閉断面部に引き込まれるため、第3面部には、第2閉断面部の内側に向かう力が作用する。それゆえ、第3面部と第4面部とで形成される角部の座屈、即ち外方への開きを抑制することができ、インパクトバーの曲げ強度が向上する。これらのインパクトバーの曲げ強度向上により、車両のドア構造の側突耐力を大きくすることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、第5面部及び第6面部が、インパクトバーの長手方向において、インパクトバーが前記ドア本体に接合される領域とは異なる領域に設けられることにより、請求項1に記載の効果が具体的に達成される。
また、請求項に係る発明によれば、第5面部及び第6面部が別体で構成されることにより、荷重入力時の第1閉断面部の第2閉断面部への引き込みを大きくすることができるため、さらにインパクトバーの曲げ強度が向上する。また、別体としたことにより、インパクトバーの長手方向の任意の位置に、第5面部及び第6面部を容易に設けることができ、容易に目的とする特性に応じた構造とすることができる。
また、請求項に係る発明によれば、第5面部が略平面状に形成されていることにより、荷重入力時の第1閉断面部の第2閉断面部への引き込みを応答よく行うことができるため、さらにインパクトバーの曲げ強度が向上する。つまり、第3面部と第4面部とで形成される両側の角部を最短距離でつなぐことにより、第1閉断面部が第2閉断面部に引き込まれる際に、より早く両側の角部を内方へ引き込むことにより、両側の角部の座屈、即ち外方への開きを抑制することができ、インパクトバーの曲げ強度が向上する。
また、請求項に係る発明によれば、荷重入力時に最も荷重負担度の高いインパクトバーの中央部に閉断面部を形成することにより、インパクトバーの曲げ強度の質量効率が向上する、即ち曲げ強度を維持しつつ軽量化することができる。
また、請求項に係る発明によれば、第4面部のインナパネル側の端部間の距離Bに対する前記第2面部のインナパネル側の端部間の距離Aの比の値A/Bを、0.46〜0.80の範囲内に設定することにより、荷重入力時に第1閉断面部が第2閉断面部へ充分引き込まれるため、インパクトバーの曲げ強度を向上させることができる。つまり、A/Bの値が0.46未満の場合は、荷重の大きさ又は方向によっては、第1閉断面部が横倒れする場合があり、曲げ強度を維持することができない。また、特にA/Bの値が0.65以上の場合に、曲げ最大荷重の質量効率が向上する。また、A/Bの値が0.80を超える場合は、即ち第1閉断面部の幅が広すぎる場合は、第1閉断面部の第2閉断面部への引き込み効果が低下する。さらに、A/Bの値が0.80以下の場合は、第5面部を別体としたときに、第5面部を第3面部に溶接する隙間を充分確保でき、溶接を用いてインパクトバーを容易に製造でき、生産性が向上する。
本発明の実施の形態による車両用ドアの側面図である。 図1のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 本発明の実施の形態による車両用ドアが備えるインパクトバーの斜視図である。 図4のC−C断面図(図5(a))及びD−D断面図である(図5(b))。 車両用ドアが備える代替のインパクトバーの、図5(a)に対応する断面図である。 第1の比較例のインパクトバーに荷重を加えた際の変形の様子を示す図である。 第2の比較例のインパクトバーに荷重を加えた際の変形の様子を示す図である。 本発明の実施の形態によるインパクトバーに荷重を加えた際の変形の様子を示す図である。 最大曲げ荷重の解析条件を説明する図である。 最大曲げ荷重の解析に用いた従来技術によるインパクトバー及び本実施形態によるインパクトバーの寸法を示す図である。 最大曲げ荷重の解析結果を示す図である。 第1閉断面部の横倒れを説明する図である。 第2面部のインナパネル側の端部間の距離が小さいインパクトバーに荷重を加えた際の変形の様子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による車両用ドアについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態による車両用ドアの側面図である。また、図2は図1のA−A断面図であり、図3は図2のB−B断面図である。車両用ドア1は、アウタパネル3及びインナパネル4で形成されたドア本体2と、ドア本体2の内部に配設され、車両の前後方向に延びるインパクトバー10とを備える。
尚、以下の説明で「上」「下」は、図2を正面と見た場合の上下を指すものとする。
図4は、本発明の実施の形態による車両用ドアが備えるインパクトバーの斜視図である。図5(a)(b)は、それぞれ図4のC−C断面図、D−D断面図である。インパクトバー10は、アウタパネル3の内面に対向する第1面部11と、第1面部の上下の端部から前記インナパネル4側に向けてそれぞれ延びる上下の第2面部12a,12bと、第2面部の端部から第1面部11と平行に、かつ、上方の第2面部12aからは上方に、下方の第2面部12bからは下方にそれぞれ延びる上下の第3面部13a,13bと、上下の第3面部の端部からインナパネル4側に向けてそれぞれ延びる上下の第4面部14a,14bとを有する。
図5(a)に示すように、本実施形態によるインパクトバー10は、断面高さがh1,h2の二段階に変化する構成を有する。以下、断面高さ方向とは、アウタパネル3側からインナパネル4側に延び、図5において、h1,h2で示す矢印の方向をいうものとする。
図5(a)に示すように、第1面部11と第2面部12a,12bとの間、第2面部12a,12bと第3面部13a,13bとの間、及び第3面部13a,13bと第4面部14a,14bとの間は、それぞれ滑らかに形成されている。
図4に両矢印(ア)で示す範囲には、図5(a)に示すように、上下の第3面部13a,13bを連結する平面状の第5面部15が設けられている。第1面部11、上下の第2面部12a,12b及び第5面部15により、アウタパネル3側の第1閉断面部C1が形成される。また、図4の両矢印(ア)で示す範囲には、上下の第4面部14a,14bのインナパネル4側の端部間を連結する第6面部16が設けられている。上下の第3面部13a,13b、上下の第4面部14a,14b、第5面部15及び第6面部16により、インナパネル4側の第2閉断面部C2が形成される。
第5面部15は、第3面部13a,13bにインナパネル4側からスポット溶接され、第6面部16は、第4面部14a,14bの下端付近にスポット溶接される。それゆえ、第5面部15の幅の大きさは、第2面部12a,12bのインナパネル側の端部間の距離に加えて、スポット溶接するのに必要な幅を加えた大きさとする。第5面部15の幅をさらに大きくすることも可能であるが、スポット溶接に用いるスポット溶接ガンが溶接時に入る隙間は確保する必要がある。
車両用ドア1は、インパクトバー10の中央部で荷重入力時に最も荷重負担度が高い。それゆえ、本実施形態では、インパクトバー10の中央部を含む図4に示す(ア)の範囲にのみ、第5面部15及び第6面部16が設けられた構成としているが、より広い範囲に第5面部15及び第6面部16が設けられる構成でもよい。
また、本実施形態では、第3面部13a,13bが第2面部12a,12bの端部から第1面部11と平行に延びる構成を有するが、アウタパネル3側又はインナパネル4側に数度傾斜した方向に延びる構成とすることも可能である。
図6は、車両用ドアが備える代替のインパクトバーの、図5(a)に対応する断面図である。本実施形態では、第5面部15は、第3面部13a,13bにインナパネル4側からスポット溶接されている。代替として、図6に示すように、第3面部と第5面部とが一体形成された面25が設けられ、第2面部12a,12bが、一体形成された面25にスポット溶接された構成を有してもよい。
次に、本実施形態による車両用ドア1の作用及び効果を、図7〜図10を用いて説明する。
図7,図8は、比較例のインパクトバーに荷重を加えた際の変形の様子を示す図である。図7(a)に示す第1の比較例のインパクトバーは、本実施形態によるインパクトバー10のように、断面高さが二段階に変化する構成を有しない。
第1の比較例のインパクトバーに側突による荷重が加わると、図7(b)に示すように、壁面と荷重入力面とで形成された角部に荷重が加わりやすいため、壁面と荷重入力面とで形成された角部が座屈しやすい。壁面と荷重入力面とで形成された角部が座屈すると、インパクトバーの曲げ強度が低下する。その結果、車両用ドア1の側突耐力が低下し、側突時に乗員を充分保護することができない。そこで、インパクトバーの曲げ強度を向上させるために、例えばインパクトバーの1)厚みを増加させる、2)断面高さを増加させることが考えられる。
しかし、1)厚みを増加させるとインパクトバーが重量化し、2)断面高さを増加させるとインパクトバーが重量化するだけでなく、壁面と荷重入力面とで形成された角部がさらに座屈しやすくなる。
図8(a)に示す第2の比較例のインパクトバーは、本実施形態によるインパクトバーと同様に第1面部〜第4面部を有するが、第5面部、第6面部が設けられていない構成を有する。図8(a)に示す比較例の場合、断面高さが二段階に変化する構成としたことで、個々の断面高さh1,h2を抑えることができ、その結果、側突時の第2面及び第4面の座屈が生じにくくなる。
しかし、断面高さを抑えた第2の比較例のインパクトバーに、側突による荷重が加わると、図8(b)に矢印で示すように、第2面及び第4面で断面開きが発生しやすくなる。断面開きが発生した場合も、インパクトバーの曲げ強度が低下してしまう。
図9は、本実施形態によるインパクトバーに荷重を加えた際の変形の様子を示す図である。本実施形態によるインパクトバー10では、図4に(ア)で示す中央部を含む範囲に第5面部15が設けられ、第1閉断面部C1が形成されている。それゆえ、図9に矢印(A)で示すように、インパクトバー10に対して、第2面部12a,12bの断面開きを抑制する方向に力が作用する。同様に、第6面部16が設けられ、第2閉断面部C2が形成されていることにより、図9に矢印(B)で示すように、インパクトバー10に対して、第4面部14a,14bの断面開きを抑制する方向に力が作用する。
これにより、インパクトバー10に側突荷重が加わった場合に、第2面部12a,12b、第4面部14a,14bの断面開きを抑制することができる。それゆえ、インパクトバー10の曲げ強度が向上し、車両用ドア1の側突耐力を大きくすることができる。
また、側突による荷重を受けると、図9に点線で示すように、第1閉断面部C1が第2閉断面部C2へ引き込まれる。その際、第3面部13a,13bには、矢印(C)で示すように、第3面部13a,13bを第2閉断面部C1へ引き込む方向へ力が加わる。それゆえ、第4面部14a,14bの断面高さ方向に加わる力を低減することができ、第3面部13a,13bと第4面14a,14bとで形成される両側の角部の座屈、即ち外方への開きを抑制することができる。
これにより、インパクトバー10に側突荷重が加わった場合に、第3面部13a,13bと第4面14a,14bとで形成される両側の角部の座屈を抑制することができる。それゆえ、インパクトバー10の曲げ強度が向上し、車両用ドア1の側突耐力を大きくすることができる。
また、本実施形態では、車両用ドア1としての荷重入力時に最も荷重負担度が高いインパクトバー10の中央部を含む、図4に(ア)で示す範囲に第5面部15及び第6面部16を設けることにより、インパクトバーの曲げ強度の質量効率が向上する、即ち曲げ強度を維持しつつ、軽量化することができる。
また、第5面部15及び第6面部16が第1面部11〜第4面部14a,14bと別体で構成されているので、インパクトバー10に側突荷重が加わった際に、第1閉断面部C1の第2閉断面部C2への引き込みをさらに大きくすることができる。それゆえ、さらにインパクトバー10の曲げ強度を向上させることができる。
さらに、第5面部15及び第6面部16が別体で構成されていることにより、長手方向の任意の位置に、かつ、容易に第5面部15及び第6面部16を設けることができるため、容易に目的とする特性に応じた構造とすることができる。また、スポット溶接を用いて第5面部15及び第6面部16を接合することにより、高い生産性を維持することができる。
また、第5面部15を平面状に形成しているので、インパクトバー10に側突荷重が加わった際に、第1閉断面部C1の第2閉断面部C2への引き込みをさらに応答よく行うことができる。それゆえ、さらにインパクトバー10の曲げ強度を向上させることができる。つまり、第3面部13a,13bと第4面部14a,14bとで形成される両側の角部を最短距離でつなぐことにより、第1閉断面部C1が第2閉断面部C2に引き込まれる際に、より早く両側の角部を内方へ引き込むことにより、両側の角部の座屈、即ち外方への開きを抑制することができ、インパクトバー10の曲げ強度が向上する。
次に、図10a〜図11を用いて、第4面部のインナパネル側の端部間の距離Bに対する前記第2面部のインナパネル側の端部間の距離Aの比の値A/Bを変化させた場合の最大曲げ荷重の質量効率の変化について説明する。尚、最大曲げ荷重は、図10aに示すようにインパクトバー10の中央部に圧子17を用いて荷重を加えた場合に、圧子の押圧ストロークと、外部入力荷重としての押圧荷重(曲げ荷重)との関係において押圧荷重(曲げ荷重)が最大となる荷重である。つまり、押圧荷重の最大値が大きいほど、曲げに対する強度が高いことになる。また、最大曲げ荷重の質量効率は、インパクトバー10の単位質量当たりの最大曲げ荷重をいう。
下記の表1においては、図10bに示すように、先行技術で示した2つの立上がり壁を有する形状の補強ビームを比較対照とした。図10bに示すように、比較対照の補強ビームの断面高さ(26.0)と本実施形態のインパクトバー10の第2閉断面部の断面高さh2とを一致させた。また、A/Bの値を変化させる際に、Bの値は74.0に固定した。
また、図10cにおいて、下記の表1をグラフ化したものを示す。尚、下記の表1の値は、所定の解析条件の下、コンピュータ解析により算出した値であり、比較対照の補強ビームの解析結果を100%としている。
Figure 0006069875
以下、A/Bの好ましい範囲について検討する。
図11に示すように、距離Aが短い、即ちA/Bの値が小さい場合に、第1面部11の端部付近に側突荷重が加わると、荷重の大きさ又は方向によっては、矢印(D)で示すように第1閉断面部C1が横倒れする場合がある。
また、図12に示すように、距離Aが短い、即ちA/Bの値が小さい場合に、第1面部11に側突荷重が加わると、第1閉断面部C1が第2閉断面部C2へ引き込まれる範囲が小さくなる。それゆえ、第4面部14a,14bの断面高さ方向に加わる力を充分低減することができない場合がある。
図10(c)及び表1に示すように、A/Bの値が0.46以上の場合に、最大曲げ荷重の質量効率が大きく向上することがわかる。それゆえ、A/Bの値が0.46以上の場合には、第1閉断面部C1が第2閉断面部C2へ充分引き込まれると考えられる。さらに、A/Bの値が0.46以上の場合には、第1閉断面部C1の横倒れの可能性を充分低減できると考えられる。
図10(c)及び表1に示すように、A/Bが0.65以上の場合に、曲げ最大荷重の質量効率がさらに高くなることがわかる。それゆえ、第1閉断面部C1が第2閉断面部C2へ引き込まれる作用は、A/Bが0.65以上の場合に最も大きくなるといえる。
A/Bの値が0.86についても解析したが、A/Bの値が0.80より大きい場合、第5面部15を第3面部13a,13bに溶接する隙間を充分確保できないため、第5面部15を第3面部13a,13bにスポット溶接することが難しい。押出成形により第5面部を形成することも考えられるが、生産性は低下する。それゆえ、生産性向上の観点から、A/Bの値を0.80以下にすることが好ましい。
尚、本実施形態において第3面部13a,13bと第5面部15とが一体形成された構成を有する実施例の場合、請求項における第3面部及び第5面部は、第3面部と第5面部とが一体形成された面25のうち、第3面部及び第5面部にそれぞれ相当する部分に対応するものとする。
以上、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、車両のドア構造に広く適用することができる。
1 車両用ドア、 2 ドア本体、 3 アウタパネル、 4 インナパネル、 10 インパクトバー、 11 第1面部、 12a,12b 第2面部、 13a,13b 第3面部、 14a,14b 第4面部、 15 第5面部、 16 第6面部

Claims (6)

  1. インナパネル及びアウタパネルで形成されたドア本体と、
    前記ドア本体内部に配設され、車両の前後方向に延びるインパクトバーとを備えた車両のドア構造であって、
    前記インパクトバーは、前記アウタパネルの内面に対向する第1面部と、
    該第1面部の上下の端部から前記インナパネル側に向けてそれぞれ延びる上下の第2面部と、
    該第2面部の端部から前記第1面部と略平行に、上方の第2面部からは上方に、下方の第2面部からは下方にそれぞれ延びる上下の第3面部と、
    該上下の第3面部の端部から前記インナパネル側に向けてそれぞれ延びる上下の第4面部と、
    前記上下の第3面部を連結する第5面部と、
    前記上下の第4面部のインナパネル側の端部を連結する第6面部とを有し、
    前記第1面部、上下の第2面部及び第5面部によりアウタパネル側の第1閉断面部が形成され、
    前記上下の第3面部、上下の第4面部、第5面部及び第6面部によりインナパネル側の第2閉断面部が形成され、
    前記第5面部は、前記インナパネル側から、前記上下の第3面部に、それぞれ溶接部を介して接合され、
    前記第5面部は、前記インパクトバーに側突荷重が加わったときにおいて、前記上下の第3面部を前記第2閉断面部へ引き込む方向へ力を加える面部であり、
    前記第6面部は、前記上下の第4面部のインナパネル側の端部に、それぞれ溶接部を介して接合されることを特徴とする車両のドア構造。
  2. 前記第5面部及び第6面部は、前記インパクトバーの長手方向において、該インパクトバーが前記ドア本体に接合される領域とは異なる領域に設けられる、
    請求項1に記載の車両のドア構造。
  3. 前記第5面部及び第6面部は、前記第1面部、第2面部、第3面部及び第4面部と別体で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のドア構造。
  4. 前記第5面部は略平面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のドア構造。
  5. 前記第5面部及び第6面部は、前記インパクトバーの長手方向の略中央部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のドア構造。
  6. 前記第4面部のインナパネル側の端部間の距離Bに対する前記第2面部のインナパネル側の端部間の距離Aの比の値A/Bは、0.65〜0.80の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両のドア構造。
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