JP4785177B2 - X線顕微鏡及び顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、X線顕微鏡及び顕微鏡に関し、特に、明視野観察及び暗視野観察の両方を行うX線顕微鏡及び顕微鏡に関する。
明視野観察法は、照明用光学系のNA(開口数)と結像用光学系のNAを一致させて、主に、試料を透過する0次光を検出することにより明視野像を得る通常の観察法である。一方、暗視野観察法は照明用光学系のNAと結像用光学系のNAを意図的にずらし、試料により散乱、回折等された2次光のみを検出することにより暗視野像を得る方法である。
従来のX線顕微鏡として、照明用斜入射ミラーと結像用斜入射ミラーのNAを一致させた光学系を備え、照明用斜入射ミラーの射出開口と結像用斜入射ミラーの入射開口とのそれぞれに絞りが設けられたものが知られている。それぞれの絞りのNAをずらすことにより0次光(透過光)が遮蔽されて2次光(散乱、回折光等)が得られるため、暗視野観察が可能となる。また、これらの絞りを取り外すことにより、明視野観察に切り替えることが可能である(例えば、非特許文献1参照。)。
また、X線像検出手段、試料、照明光学系のうち少なくとも1つを光軸方向に沿って移動させることで、X線像の結像倍率を調整する結像倍率調整手段を備えたX線像拡大装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
高野秀和、青木貞雄,「軟X線暗視野顕微鏡の開発(Development of a Soft X−ray Dark−Field Imaging Microscope)」,第6回国際X線顕微鏡学会(1999年)会報(X−RAY MICROSCOPY Proceedings of the Sixth International Conference 1999),p.55−59 特開2003−279693号公報
しかし、非特許文献1に示されるX線顕微鏡においては、もともと照明用斜入射ミラー、結像用斜入射ミラーの開口が小さい上に(設計仕様にもよるが約0.5mm以下)さらに細い絞り(約0.1mm)を挿入しなければならず、その製作や位置決めが難しいという問題がある。また、明視野観察と暗視野観察との切替えの度にスリットの正確な位置調整が要求されるため、絞りを駆動及び位置決めするための精密なステージが必要となる。したがって、システムが複雑になり、製作コストが上昇するという問題もある。特に、その切替えを手動で行う場合、時間を要し、作業効率が悪化する。
一方、特許文献1に示されるX線像拡大装置においては、結像倍率調整手段がX線像検出手段等を光軸方向に沿って移動させることにより、X線像の結像倍率を調整している。しかしながら、当該X線像拡大装置は明視野観察を前提とした装置であるから、暗視野観察を行うための構成は示されておらず、したがって明視野観察と暗視野観察とを切り替えるための構成についても何ら開示されていない。
そこで本発明は、明視野観察モードと暗視野観察モードとを容易に切り替えることが可能であり、かつ、システム構成が簡便なX線顕微鏡及び顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光軸方向に沿ってX線を発するX線源と、該光軸方向に二つの反射領域を有し、該X線源から発せられたX線を該二つの反射領域のうち少なくとも一つにより反射して試料に照射する照明光学系と、該試料よりも該光軸方向下流側に所定の入射領域を有し、該試料に照射されたX線のうち該所定の入射領域に入射したX線を所定の位置に結像させる結像光学系と、該所定の位置に受光面を有し、該結像光学系により結像されたX線を該受光面において検出するX線検出器と、明視野観察を行うための第1の位置と暗視野観察を行うための第2の位置との間を、該照明光学系を該光軸方向に移動させ、もって明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替え可能とする移動手段と、を備え該二つの反射領域は、第1の反射領域と、該第1の反射領域よりも該光軸方向下流側に位置する第2の反射領域とを有し、該照明光学系が該第1の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第1の反射領域と該第2の反射領域との両方により反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料を透過したX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出され、該照明光学系が該第2の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第2の反射領域のみにより反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料により進行方向が変えられたX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出されることを特徴とするX線顕微鏡を提供している。更には、該第1の反射領域は回転楕円面であり、該第2の反射領域は回転双曲面であるのが好ましい。
また、本発明は、光軸方向に沿ってX線を発するX線源と、該光軸方向に二つの反射領域を有し、該X線源から発せられたX線を該二つの反射領域のうち少なくとも一つにより反射して試料に照射する照明光学系と、該試料よりも該光軸方向下流側に所定の入射領域を有し、該試料に照射されたX線のうち該所定の入射領域に入射したX線を所定の位置に結像させる結像光学系と、該所定の位置に受光面を有し、該結像光学系により結像されたX線を該受光面において検出するX線検出器と、明視野観察を行うための第1の位置と暗視野観察を行うための第2の位置との間を、該照明光学系を該光軸方向に移動させ、もって明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替え可能とする移動手段と、を備え、該二つの反射領域は、第1の反射領域と、該第1の反射領域よりも該光軸方向下流側に位置する第2の反射領域とを有し、該照明光学系が該第1の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第2の反射領域のみにより反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料を透過したX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出され、該照明光学系が該第2の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第1の反射領域と該第2の反射領域との両方により反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料により進行方向が変えられたX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出されることを特徴とするX線顕微鏡を提供している。更には、該第1の反射領域は回転楕円面であり、該第2の反射領域は回転双曲面であるのが好ましい。
請求項1記載のX線顕微鏡によれば、明視野観察を行うための第1の位置と暗視野観察を行うための第2の位置との間を、該照明光学系を該光軸方向に移動させ、もって明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替え可能とする移動手段を備えているため、明視野観察モードと暗視野観察モードとを容易に切り替えることが可能である。したがって、明視野観察モード及び暗視野観察モードのために別々の照明光学系を用意する場合と比べて、その切替えに要する時間が短く、作業効率が向上する。また、結像用斜入射ミラーの開口に絞りを挿入する場合のように、絞りの製作や位置決めが難しいという問題が生じない。また、絞りを駆動及び位置決めするための精密なステージは要求されないため、システム構成が簡便となる。
さらに、請求項1記載のX線顕微鏡によれば、明視野観察モードにおける照明用に第1の反射領域と第2の反射領域との両方により反射されたX線を用いるため、集光強度が強くなり、明視野像を形成するX線の強度を高めることができる。
請求項2記載のX線顕微鏡によれば、暗視野観察モードにおける照明用に第1の反射領域と第2の反射領域との両方により反射されたX線を用いるため、集光強度が強くなり、暗視野像を形成するX線の強度を高めることができる。
請求項3記載のX線顕微鏡によれば、第1の反射領域は回転楕円面であり、第2の反射領域は回転双曲面であるから、照明光学系は、X線源から発せられたX線を回転楕円面及び回転双曲面により効果的に集光して試料に照射することができる。
本発明の第1の実施の形態によるX線顕微鏡について図1乃至図6に基づき説明する。図1に示されるように、第1の実施の形態によるX線顕微鏡1は、X線源10と、フィルタ15と、照明用斜入射ミラー20と、結像用斜入射ミラー30と、受光面41を有するX線検出器40と、移動装置50とを備えている。X線源10、フィルタ15、照明用斜入射ミラー20、結像用斜入射ミラー30、およびX線検出器40は、試料60と共に光軸L上に沿って配置されている。
明視野観察モードにおけるX線顕微鏡1について、図2および図3を参照して説明する。図2は明視野観察モードにおけるX線顕微鏡1を示す斜視図であり、図3は図2の光軸Lを通るIII−III線断面図である。
図2および図3に示されるように、X線源10は光軸L方向に沿ってX線を発するように設けられている。本実施の形態においては、X線源10としてガスパフ型プラズマX線源を用いる。フィルタ15は、入射したX線のうち特定の波長領域(X線検出器40で検出する波長領域)のみを透過する。
図3に示されるように、照明用斜入射ミラー20は、回転楕円面21と、回転楕円面21よりも光軸L方向下流側に位置する回転双曲面22とを有している。回転楕円面21および回転双曲面22は、具体的には図4に示される断面形状を有している。すなわち、楕円Eは点F1およびF2を焦点とする楕円であり、双曲線Hは点F2およびF3を焦点とする双曲線である。かかる楕円Eおよび双曲線Hの一部をX軸の回りに回転させることにより回転楕円面21および回転双曲面22が得られる。
図3に示されるように、試料60は照明用斜入射ミラー20の光軸L方向下流側に配置され、結像用斜入射ミラー30は更に試料60の光軸L方向下流側に配置されている。本実施の形態においては、結像用斜入射ミラー30も照明用斜入射ミラー20と同様に回転双曲面31および回転楕円面32を備えている。ただし、照明用斜入射ミラー20と異なり、回転双曲面31が光軸L方向上流側であり、回転楕円面32が下流側である。なお明視野観察モード位置においては、照明用斜入射ミラー20および結像用斜入射ミラー30のNA(開口数)は一致している。
X線検出器40は、受光面41を備え、結像用斜入射ミラー30により結像されたX線を受光面41において検出する。遮蔽板61、62は、それぞれ支持手段(図示せず)により照明用斜入射ミラー20、結像用斜入射ミラー30に固定されている。遮蔽板61および62は、X線源10から照明用斜入射ミラー20、結像用斜入射ミラー30に反射されずに直接X線検出器40に入射するX線を遮蔽する機能を有する。
移動装置50は市販のステージである。移動装置50は、照明用斜入射ミラー20を固定支持し、光軸L方向(上流方向および下流方向)に移動させることができる。後述するように、移動装置50によって照明用斜入射ミラー20を移動させることにより明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替えることが可能である。なお、結像用斜入射ミラー30および試料60も、光軸調整およびフォーカス調整を行えるように別のステージ(図示せず)に固定されている。
かかる構成を有するX線顕微鏡1において、X線源10から発生されたX線はフィルタ15により、観察するX線の波長領域(X線検出器40で検出する波長領域)に制限される。フィルタ15を透過したX線のうちB1〜B2間のX線(以下、B1〜B2間のX線をX線B1〜B2と表すことにする。)は回転楕円面21および回転双曲面22の両方により続けて反射され、試料60に照射される。照明用斜入射ミラー20と結像用斜入射ミラー30のNAは一致しているので、試料60を透過したX線B1〜B2は入射領域35を通過して結像用斜入射ミラー30の回転双曲面31に入射する。X線B1〜B2は回転双曲面31および回転楕円面32で続けて反射され、X線検出器40の受光面41で拡大されたX線像(明視野像)が検出される。
一方、X線源10から発せられたX線のうちX線B3〜B4は、回転楕円面21に入射せずに直接回転双曲面22に入射する。なお図3では、照明用斜入射ミラー20に入射するX線B2とX線B3とが重なって見えるが、X線B2は回転楕円面21の端部に入射するX線であり、X線B3は直接回転双曲面22の端部に入射するX線である。直接回転双曲面22に入射し反射されたX線B3〜B4は、試料60よりも上流側の集光点P1において集光する。なお、この集光は回転双曲面22のみの反射を用いたものなので完全に一点に集光するわけでなく、少し広がった焦点となる。また遮蔽板61はX線B1〜B2を遮蔽しないような位置と大きさに設けられている。
次に暗視野観察モードにおけるX線顕微鏡1について、図5および図6を参照して説明する。図5は暗視野観察モードにおけるX線顕微鏡1を示す斜視図であり、図6は図5の光軸Lを通るVI−VI線断面図である。
図2および図3に示される明視野観察モード位置から、移動装置50を用いて照明用斜入射ミラー20を試料60側(図2の矢印A1方向)に所定量だけ移動すると、図5および図6に示される暗視野観察モード位置に達する。このとき、照明用斜入射ミラー20に固定されている遮蔽板61も一緒に移動する。暗視野観察モード位置においては、照明用斜入射ミラー20および結像用斜入射ミラー30のNAは一致していない。
ここで、図3の明視野観察モードにおけるX線源10と照明用斜入射ミラー20との距離をK1、照明用斜入射ミラー20と結像用斜入射ミラー30との距離をK2、図6の暗視野観察モードにおけるX線源10と照明用斜入射ミラー20との距離をK11、照明用斜入射ミラー20と結像用斜入射ミラー30との距離をK12とすると、K1<K11およびK2>K12の関係が成り立つ。なお、ここでは便宜上、回転楕円面21と回転双曲面22との接続箇所を照明用斜入射ミラー20の位置とし、回転双曲面31と回転楕円面32との接続箇所を結像用斜入射ミラー30の位置としている。
図6に示されるように、X線源10から発生されフィルタ15を透過したX線のうちX線D1〜D2は、回転楕円面21および回転双曲面22により続けて反射される。回転双曲面22で反射されたX線D1〜D2は試料60よりも下流側の集光点P3にて集光されるが、遮蔽板62によって遮られる。すなわち、暗視野観察モードでは、X線D1〜D2は撮像には使用されない。
一方、X線源10から発せられたX線のうちX線D3〜D4は回転双曲面22のみにより反射され、試料60の位置で集光される。すなわち、回転双曲面22により反射されたX線D3〜D4の集光点P2の位置と試料60の位置とが一致する。上述したように照明用斜入射ミラー20および結像用斜入射ミラー30のNAは一致していないため、試料60を透過したX線D3〜D4は結像用斜入射ミラー30には入射しない。
また試料60に照射されるX線の中には、試料60を透過するX線D3〜D4だけでなく、試料60により散乱、回折などして進行方向が変えられるX線も存在する。散乱、回折などして進行方向が変えられたX線を2次X線という。2次X線D5〜D6は結像用斜入射ミラー30の回転双曲面31に入射し、回転双曲面31および回転楕円面32で続けて反射される。回転楕円面32で反射された2次X線D5〜D6は、X線検出器40の受光面41で結像され、拡大されたX線像(暗視野像)が検出される。
本実施の形態においては、明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替えるために照明用斜入射ミラー20を移動させる距離は約17mmであり、これは市販のステージで移動可能な距離である。もちろん、この移動距離は照明用斜入射ミラー20の設計によって異なる。
また、明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替えて撮像を行う際には、それぞれの観察モードに応じて適切なフィルタを用いたり、X線検出器40のゲインを変えて撮像したりすることが望ましい。これは暗視野観察モードにおけるX線の強度よりも明視野観察モードにおけるX線の強度が強いためである。
本発明の第2の実施の形態によるX線顕微鏡について図7および図8に基づき説明する。第2の実施の形態によるX線顕微鏡101は、第1の実施の形態によるX線顕微鏡1と同様の構成を有するX線源10、照明用斜入射ミラー20、結像用斜入射ミラー30、X線検出器40および移動装置50を備えている。ただし、各装置間の距離がX線顕微鏡1とは異なっている。
明視野観察モードにおけるX線顕微鏡101について、図7を参照して説明する。図7は、X線顕微鏡101により、明視野観察モードにおいて撮像を行っている状態を示す断面図である。
X線源10から発生されフィルタ15を透過したX線のうちX線B11〜B12は回転楕円面21および回転双曲面22の両方により続けて反射される。回転双曲面22で反射されたX線B11〜B12は、試料60より下流側の集光点P11にて集光されるが、遮蔽板62によって遮られる。すなわち、明視野観察モードでは、X線B11〜B12は撮像には使用されない。
一方、X線源10から発せられたX線のうちX線B13〜B14は、回転楕円面21に入射せずに直接回転双曲面22に入射する。図3では照明用斜入射ミラー20に入射するX線B12とX線B13とが重なって見えるが、X線B12は回転楕円面21の端部に入射するX線であり、X線B13は直接回転双曲面22の端部に入射するX線である。回転双曲面22で反射されたX線B13〜B14は、試料60に照射される。試料60に照射されて試料60を透過したX線B13〜B14は入射領域35を通過して結像用斜入射ミラー30の回転双曲面31に入射する。X線B13〜B14は回転双曲面31および回転楕円面32で続けて反射され、X線検出器40の受光面41で拡大されたX線像(明視野像)が検出される。なお、回転双曲面22で反射され試料60を透過したX線B13〜B14が結像用斜入射ミラー30の入射領域35に入射するように、結像用斜入射ミラー30の開口が調整されている。
次に暗視野観察モードにおけるX線顕微鏡101について、図8を参照して説明する。図8は、X線顕微鏡101により暗視野観察モードにおいて撮像を行っている状態を示す断面図である。図7に示される明視野観察モード位置から、移動装置50を用いて照明用斜入射ミラー20をX線源10側(図7の矢印A2方向)に所定量だけ移動すると、図8に示される暗視野観察モード位置に達する。
ここで、図7の明視野観察モードにおけるX線源10と照明用斜入射ミラー20との距離をK21、照明用斜入射ミラー20と結像用斜入射ミラー30との距離をK22、図8の暗視野観察モードにおけるX線源10と照明用斜入射ミラー20との距離をK31、照明用斜入射ミラー20と結像用斜入射ミラー30との距離をK32とすると、K21>K31およびK22<K32の関係が成り立つ。
図8に示されるように、X線源10から発生されフィルタ15を透過したX線のうちX線D11〜D12は、回転楕円面21および回転双曲面22により続けて反射される。回転双曲面22で反射されたX線D11〜D12は、試料60の位置で集光される。すなわち、回転双曲面22により反射されたX線D11〜D12の集光点P12の位置と試料60の位置とが一致する。試料60に照射されたX線のうち試料60を透過したX線D11〜D12は、遮蔽板62によって遮られる。なお遮蔽板62は、X線D11〜D12を遮蔽し、後述する2次X線D15〜D16を遮蔽しない大きさに構成されている。
また、試料60に照射されたX線のうち、試料60により散乱、回折などして進行方向が変えられた2次X線D15〜D16は、回転双曲面31に入射し、回転双曲面31および回転楕円面32で続けて反射される。回転楕円面32で反射された2次X線D15〜D16は、X線検出器40の受光面41で結像され、拡大されたX線像(暗視野像)が検出される。
一方、X線源10から発せられたX線のうちX線D13〜D14は回転双曲面22のみにより反射され、試料60より上流側の集光点P13にて集光される。しかし、X線D13〜D14は、結像用斜入射ミラー30には入射せずに結像用斜入射ミラー30の外側へ進むため撮像には使用されない。
以上説明したように第2の実施の形態においては、明視野観察モードにおいて回転双曲面22のみにより反射されたX線B13〜B14を撮像に用い、暗視野観察モードにおいて回転楕円面21および回転双曲面22の両方により続けて反射されたX線D11〜D12を撮像に用いている。
通常、暗視野観察では散乱光や回折光のみを用いるため、明視野観察よりも信号強度が低くなる。しかし、第2の実施の形態によるX線顕微鏡101によれば、暗視野観察の照明に一点集光可能な回転楕円面21−回転双曲面22の反射を用いているため、集光強度が高い。よって、散乱、回折などの2次X線の信号強度を高めることができるため、露光時間の短縮や高いS/N比を有する画像の撮影が可能となる。また明視野観察においては、もともと高い信号強度が得られるため、回転双曲面22のみの1回反射による疑似的な集光でも十分高い信号強度が得られる。
本発明によるX線顕微鏡は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、X線源としてガスパフ型プラズマX線源を用いたが、レーザープラズマX線源、放射光光源、真空紫外光(VUV光)光源を用いてもよい。照明用斜入射ミラー20および結像用斜入射ミラー30に用いる斜入射ミラーは、光源の波長依存性がないためである。なお、真空紫外光(VUV光)とは、一般的に200nm〜10nmの波長を有する光をいう。
また、上述した実施の形態においては、遮蔽板61は照明用斜入射ミラー20に固定されていたが、照明用斜入射ミラー20と独立して又は連動して動くようにしてもよい。これより、明視野観察モードおよび暗視野観察モードのそれぞれの場合において、必要なX線を妨げない最適な位置に移動することができる。例えば図3に示される第1の実施の形態において、遮蔽板61を回転双曲面22のみの反射によるX線B3〜B4を遮蔽できる位置P21に移動することにより、明視野観察に必要なX線B1〜B2のみを透過することができる。また図8に示される第2の実施の形態においても、遮蔽板61を位置P31に移動することにより同様の効果が得られる。
さらに、上述した実施の形態においては、結像用レンズとして回転双曲面31および回転楕円面32からなる斜入射ミラーを用いたが、ゾーンプレートやシュバルツシルト反射鏡を用いてもよい。この場合、照明用斜入射ミラー20の回転楕円面21−回転双曲面22による2回反射光、或いは回転双曲面22による1回反射光の何れか一方にNAを合わせ、他方の光は結像用レンズに入射しないようにすればよい。ただし、ゾーンプレートやシュバルツシルト反射鏡は波長依存性を有するため、光源としては単色(単一波長)の光源を用いるのが望ましい。
以上のように、本発明にかかるX線顕微鏡および顕微鏡は、微細な傷や段差および粒子等の微小な対象物を観察するのに適した暗視野観察と、その対象物の場所を特定すること等に適した明視野観察とを容易に切替え可能であり、かつ、システム構成が簡便な明視野・暗視野両用顕微鏡として有用である。
本発明の第1の実施の形態によるX線顕微鏡の全体構成を示す斜視図。 第1の実施の形態によるX線顕微鏡を用いて、明視野観察モードによる撮像を行っている状態を示す斜視図。 図2のIII−III線断面図。 第1の実施の形態によるX線顕微鏡における照明用斜入射ミラーの回転楕円面および回転双曲面の具体的形状を示す説明図。 第1の実施の形態によるX線顕微鏡を用いて、暗視野観察モードによる撮像を行っている状態を示す斜視図。 図5のVI−VI線断面図。 本発明の第2の実施の形態によるX線顕微鏡を用いて、明視野観察モードによる撮像を行っている状態を示す断面図。 第2の実施の形態によるX線顕微鏡を用いて、暗視野観察モードによる撮像を行っている状態を示す断面図。
符号の説明
1、101・・・X線顕微鏡、 10・・・X線源、 15・・・フィルタ、 20・・・照明用斜入射ミラー、 21・・・回転楕円面、 22・・・回転双曲面、 30・・・結像用斜入射ミラー、 31・・・回転双曲面、 32・・・回転楕円面、 35・・・入射領域、 40・・・X線検出器、 41・・・受光面、 50・・・移動装置、 60・・・試料、 61、62・・・遮蔽板。

Claims (3)

  1. 光軸方向に沿ってX線を発するX線源と、
    該光軸方向に二つの反射領域を有し、該X線源から発せられたX線を該二つの反射領域のうち少なくとも一つにより反射して試料に照射する照明光学系と、
    該試料よりも該光軸方向下流側に所定の入射領域を有し、該試料に照射されたX線のうち該所定の入射領域に入射したX線を所定の位置に結像させる結像光学系と、
    該所定の位置に受光面を有し、該結像光学系により結像されたX線を該受光面において検出するX線検出器と、
    明視野観察を行うための第1の位置と暗視野観察を行うための第2の位置との間を、該照明光学系を該光軸方向に移動させ、もって明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替え可能とする移動手段と、を備え、
    該二つの反射領域は、第1の反射領域と、該第1の反射領域よりも該光軸方向下流側に位置する第2の反射領域とを有し、
    該照明光学系が該第1の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第1の反射領域と該第2の反射領域との両方により反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料を透過したX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出され、
    該照明光学系が該第2の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第2の反射領域のみにより反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料により進行方向が変えられたX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出されることを特徴とするX線顕微鏡。
  2. 光軸方向に沿ってX線を発するX線源と、
    該光軸方向に二つの反射領域を有し、該X線源から発せられたX線を該二つの反射領域のうち少なくとも一つにより反射して試料に照射する照明光学系と、
    該試料よりも該光軸方向下流側に所定の入射領域を有し、該試料に照射されたX線のうち該所定の入射領域に入射したX線を所定の位置に結像させる結像光学系と、
    該所定の位置に受光面を有し、該結像光学系により結像されたX線を該受光面において検出するX線検出器と、
    明視野観察を行うための第1の位置と暗視野観察を行うための第2の位置との間を、該照明光学系を該光軸方向に移動させ、もって明視野観察モードと暗視野観察モードとを切替え可能とする移動手段と、を備え、
    該二つの反射領域は、第1の反射領域と、該第1の反射領域よりも該光軸方向下流側に位置する第2の反射領域とを有し、
    該照明光学系が該第1の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第2の反射領域のみにより反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料を透過したX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出され、
    該照明光学系が該第2の位置にあるときは、該X線源から発せられたX線のうち該第1の反射領域と該第2の反射領域との両方により反射されたX線が該試料に照射され、該試料に照射されたX線のうち該試料により進行方向が変えられたX線が該結像光学系により結像されて該X線検出器により検出されることを特徴とするX線顕微鏡。
  3. 該第1の反射領域は回転楕円面であり、該第2の反射領域は回転双曲面であることを特徴とする請求項1又は2記載のX線顕微鏡。
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