JP2003075600A - X線像拡大装置 - Google Patents
X線像拡大装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 試料の観察部位の探査を効率よく行うと共
に、高倍率で試料の観察を行うことが可能なX線像拡大
装置を提供すること。 【解決手段】 本発明は、試料5のX線による像を斜入
射反射鏡7、8で拡大してX線検出手段11で検出する
X線像拡大装置において、斜入射反射鏡7の反射X線
と、斜入射反射鏡8の反射X線とを分岐させる分岐手段
10を備えることを特徴とする。これにより、斜入射反
射鏡8からの反射X線による広視野な像に基づく試料の
観察部位の効率的な探査と、斜入射反射鏡7からの反射
X線による高倍率の像に基づく試料の微細観察とを同時
に行うことができる。
に、高倍率で試料の観察を行うことが可能なX線像拡大
装置を提供すること。 【解決手段】 本発明は、試料5のX線による像を斜入
射反射鏡7、8で拡大してX線検出手段11で検出する
X線像拡大装置において、斜入射反射鏡7の反射X線
と、斜入射反射鏡8の反射X線とを分岐させる分岐手段
10を備えることを特徴とする。これにより、斜入射反
射鏡8からの反射X線による広視野な像に基づく試料の
観察部位の効率的な探査と、斜入射反射鏡7からの反射
X線による高倍率の像に基づく試料の微細観察とを同時
に行うことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を利用して試
料を観察することが可能なX線像拡大装置に関する。
料を観察することが可能なX線像拡大装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体観察や半導体検査等において
は、試料を未処理で観察することができるX線顕微鏡が
利用されている。例えば結像型X線顕微鏡は、試料にX
線を照射し、そのX線像を結像光学系により検出器上に
拡大結像させて試料を観察するように構成されている。
は、試料を未処理で観察することができるX線顕微鏡が
利用されている。例えば結像型X線顕微鏡は、試料にX
線を照射し、そのX線像を結像光学系により検出器上に
拡大結像させて試料を観察するように構成されている。
【0003】上記結像型X線顕微鏡の結像光学系として
は、回折を利用したゾーンプレート光学系(特開平7−
167994号、特開平9−251100号など)、特
定波長のX線に対して高い反射率を有する多層膜を積層
してなるシュヴァルツシルド光学系(特開平6−300
900号など)、斜入射反射鏡を用いた光学系(特許第
1796469号、特開平6−230200号)などが
用いられている。
は、回折を利用したゾーンプレート光学系(特開平7−
167994号、特開平9−251100号など)、特
定波長のX線に対して高い反射率を有する多層膜を積層
してなるシュヴァルツシルド光学系(特開平6−300
900号など)、斜入射反射鏡を用いた光学系(特許第
1796469号、特開平6−230200号)などが
用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の結像光学系において、結像光学系の倍率を高めると
視野が狭くなり、試料の観察部位を探査することが困難
となる。そのため、所望の部位を探査するために試料に
長時間X線を照射する必要があり、試料にダメージを与
えることが避けられなかった。
来の結像光学系において、結像光学系の倍率を高めると
視野が狭くなり、試料の観察部位を探査することが困難
となる。そのため、所望の部位を探査するために試料に
長時間X線を照射する必要があり、試料にダメージを与
えることが避けられなかった。
【0005】なお、特開平6−300900号公報に
は、軟X線対物レンズで拡大された像をフォスファ(蛍
光体、燐光体など)で可視光に変換して観察部位の探査
を行った後、可視光に変換された像を光学顕微鏡の対物
レンズでさらに拡大し、可視光感応性の撮像素子で実際
の観察を行うX線顕微鏡が開示されているが、このよう
なX線顕微鏡はX線の利用効率が低く、また装置が大型
化するため、実用に供し得るものとは言い難い。
は、軟X線対物レンズで拡大された像をフォスファ(蛍
光体、燐光体など)で可視光に変換して観察部位の探査
を行った後、可視光に変換された像を光学顕微鏡の対物
レンズでさらに拡大し、可視光感応性の撮像素子で実際
の観察を行うX線顕微鏡が開示されているが、このよう
なX線顕微鏡はX線の利用効率が低く、また装置が大型
化するため、実用に供し得るものとは言い難い。
【0006】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、試料の観察部位の探査を効率
よく行うと共に、高倍率で試料の観察を行うことが可能
なX線像拡大装置を提供することを目的とする。
みてなされたものであり、試料の観察部位の探査を効率
よく行うと共に、高倍率で試料の観察を行うことが可能
なX線像拡大装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のX線像拡大装置は、X線を試料に照射する
X線照射手段と、試料を透過したX線の光軸に対して回
転対称となるように配置され、試料のX線による像を拡
大する第1の斜入射反射鏡と、光軸に対して回転対称と
なるように配置され、試料のX線による像を前記第1の
斜入射反射鏡よりも低倍率で拡大する第2の斜入射反射
鏡と、光軸上に配置され、第1の斜入射反射鏡からの反
射X線と、第2の斜入射反射鏡からの反射X線とを分岐
させる分岐手段と、第1の斜入射反射鏡で反射し、分岐
手段で分岐したX線による像を検出する第1のX線検出
手段と、第2の斜入射反射鏡で反射し、分岐手段で分岐
したX線による像を検出する第2のX線検出手段と、を
備えることを特徴とする。
に、本発明のX線像拡大装置は、X線を試料に照射する
X線照射手段と、試料を透過したX線の光軸に対して回
転対称となるように配置され、試料のX線による像を拡
大する第1の斜入射反射鏡と、光軸に対して回転対称と
なるように配置され、試料のX線による像を前記第1の
斜入射反射鏡よりも低倍率で拡大する第2の斜入射反射
鏡と、光軸上に配置され、第1の斜入射反射鏡からの反
射X線と、第2の斜入射反射鏡からの反射X線とを分岐
させる分岐手段と、第1の斜入射反射鏡で反射し、分岐
手段で分岐したX線による像を検出する第1のX線検出
手段と、第2の斜入射反射鏡で反射し、分岐手段で分岐
したX線による像を検出する第2のX線検出手段と、を
備えることを特徴とする。
【0008】本発明のX線像拡大装置においては、X線
照射手段により試料にX線を照射することによって、試
料を透過したX線による像が、第1及び第2の斜入射反
射鏡により異なる倍率で拡大される。そして、これらの
斜入射反射鏡により光軸方向に反射されたX線を分岐手
段により所定の方向に分岐させることによって、第1の
X線検出手段により高倍率のX線像、第2のX線検出手
段により広視野なX線像がそれぞれ検出されるので、広
視野な像に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の像
に基づく試料の微細観察とを同時に行うことが可能とな
る。従って、作業効率が向上し、また、試料へのX線照
射時間が短縮されるため試料のX線によるダメージを十
分に低減することができる。
照射手段により試料にX線を照射することによって、試
料を透過したX線による像が、第1及び第2の斜入射反
射鏡により異なる倍率で拡大される。そして、これらの
斜入射反射鏡により光軸方向に反射されたX線を分岐手
段により所定の方向に分岐させることによって、第1の
X線検出手段により高倍率のX線像、第2のX線検出手
段により広視野なX線像がそれぞれ検出されるので、広
視野な像に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の像
に基づく試料の微細観察とを同時に行うことが可能とな
る。従って、作業効率が向上し、また、試料へのX線照
射時間が短縮されるため試料のX線によるダメージを十
分に低減することができる。
【0009】また、本発明のX線像拡大装置は、分岐手
段が、第1又は第2の斜入射反射鏡からの反射X線を所
定の方向に反射する多層膜反射鏡を備えることを特徴と
してもよい。これにより、第1の斜入射反射鏡からの反
射X線と、第2の斜入射反射鏡からの反射X線とがそれ
ぞれ所定の方向に分岐され、各反射X線による像が第1
及び第2のX線検出手段で検出されるので、広視野な像
に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の像に基づく
試料の微細観察とを同時に行うことが可能なX線像拡大
装置が実現される。
段が、第1又は第2の斜入射反射鏡からの反射X線を所
定の方向に反射する多層膜反射鏡を備えることを特徴と
してもよい。これにより、第1の斜入射反射鏡からの反
射X線と、第2の斜入射反射鏡からの反射X線とがそれ
ぞれ所定の方向に分岐され、各反射X線による像が第1
及び第2のX線検出手段で検出されるので、広視野な像
に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の像に基づく
試料の微細観察とを同時に行うことが可能なX線像拡大
装置が実現される。
【0010】また、本発明のX線像拡大装置は、可視光
又は紫外光のうちのいずれかの光を試料に照射する光照
射手段と、試料を透過し、高倍率斜入射反射鏡で反射さ
れ、多層膜反射鏡で分離された光による像を検出する第
1の光検出手段と、試料を透過し、低倍率斜入射反射鏡
で反射され、多層膜反射鏡で分離された光による像を検
出する第2の光検出手段と、を更に備えることを特徴と
してもよい。当該光照射手段からの光を用い、高倍率及
び低倍率斜入射反射鏡のフォーカシング(ピント合わ
せ)や試料の観察位置の探査を行うことによって、試料
へのX線照射時間がより短縮され、試料のX線によるダ
メージを一層低減することができる。
又は紫外光のうちのいずれかの光を試料に照射する光照
射手段と、試料を透過し、高倍率斜入射反射鏡で反射さ
れ、多層膜反射鏡で分離された光による像を検出する第
1の光検出手段と、試料を透過し、低倍率斜入射反射鏡
で反射され、多層膜反射鏡で分離された光による像を検
出する第2の光検出手段と、を更に備えることを特徴と
してもよい。当該光照射手段からの光を用い、高倍率及
び低倍率斜入射反射鏡のフォーカシング(ピント合わ
せ)や試料の観察位置の探査を行うことによって、試料
へのX線照射時間がより短縮され、試料のX線によるダ
メージを一層低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の好適な
実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を
省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ず
しも一致していない。
実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を
省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ず
しも一致していない。
【0012】図1は、本発明の第1実施形態に係るX線
像拡大装置の概略構成を示す断面図である。図1に示し
た装置はX線源1及び可視光源15を備えるもので、X
線源1からX線、可視光源15から可視光が照射光学系
2に向けて放射される。
像拡大装置の概略構成を示す断面図である。図1に示し
た装置はX線源1及び可視光源15を備えるもので、X
線源1からX線、可視光源15から可視光が照射光学系
2に向けて放射される。
【0013】X線源1としては、シンクロトロン(S
R)光源を利用してもよく、ガスパフ型プラズマX線
源、レーザープラズマX線源、パルスX線源等の比較的
低エネルギーのX線源を用いてもよい。なお、ガスパフ
型プラズマX線源及びレーザープラズマX線源では可視
光からX線までの波長領域の光が放射されるが、所定の
フィルターを用いて波長を制限することによって、特定
の波長領域のX線を利用することができる。また、フィ
ルターを可視光用又はUV用のものに交換すれば、光源
を交換せずに可視光、UV光を利用することもできる。
R)光源を利用してもよく、ガスパフ型プラズマX線
源、レーザープラズマX線源、パルスX線源等の比較的
低エネルギーのX線源を用いてもよい。なお、ガスパフ
型プラズマX線源及びレーザープラズマX線源では可視
光からX線までの波長領域の光が放射されるが、所定の
フィルターを用いて波長を制限することによって、特定
の波長領域のX線を利用することができる。また、フィ
ルターを可視光用又はUV用のものに交換すれば、光源
を交換せずに可視光、UV光を利用することもできる。
【0014】照射光学系2は、特定の波長領域のX線を
透過するフィルター3、並びに全反射を利用した楕円面
を有する集光鏡4を備えるもので、フィルター3はX線
源1から出射するX線の光軸aに対して垂直に、集光鏡
4は光軸aに対して所定の角度をなすように配置されて
いる。これによりX線源1から光軸a方向に出射するX
線は、フィルター3により特定の波長領域に制限され、
集光鏡4により光軸b方向に反射されて試料5(観察対
象物)の所定の位置に集光される。
透過するフィルター3、並びに全反射を利用した楕円面
を有する集光鏡4を備えるもので、フィルター3はX線
源1から出射するX線の光軸aに対して垂直に、集光鏡
4は光軸aに対して所定の角度をなすように配置されて
いる。これによりX線源1から光軸a方向に出射するX
線は、フィルター3により特定の波長領域に制限され、
集光鏡4により光軸b方向に反射されて試料5(観察対
象物)の所定の位置に集光される。
【0015】また、照射光学系2は、光軸a上の反射位
置16aと退避位置16bとを移動可能な可視光用反射
鏡16を備えており、可視光用反射鏡16を反射位置1
6aに配置することによって、可視光源15からの可視
光を光軸a方向に反射することができる。そして、フィ
ルター3を光軸aから取り除き、可視光用反射鏡16を
反射位置16aに配置することによって、可視光源15
からの可視光は可視光用反射鏡16で反射され、集光鏡
4により試料台17に固定された試料5の所定の位置に
集光される。
置16aと退避位置16bとを移動可能な可視光用反射
鏡16を備えており、可視光用反射鏡16を反射位置1
6aに配置することによって、可視光源15からの可視
光を光軸a方向に反射することができる。そして、フィ
ルター3を光軸aから取り除き、可視光用反射鏡16を
反射位置16aに配置することによって、可視光源15
からの可視光は可視光用反射鏡16で反射され、集光鏡
4により試料台17に固定された試料5の所定の位置に
集光される。
【0016】試料を透過するX線の光軸b上には、試料
台17、結像光学系6及び2次元X線検出器11がこの
順で配置されている。試料台17は光軸bに垂直な面内
を2次元的に移動可能なもので、試料台17の移動によ
り試料5のX線(又は可視光)の照射位置を選択するこ
とができる。また、試料台17は開口部を有しており、
試料5を透過したX線(又は可視光)は当該開口部を通
って結像光学系6に入射する。
台17、結像光学系6及び2次元X線検出器11がこの
順で配置されている。試料台17は光軸bに垂直な面内
を2次元的に移動可能なもので、試料台17の移動によ
り試料5のX線(又は可視光)の照射位置を選択するこ
とができる。また、試料台17は開口部を有しており、
試料5を透過したX線(又は可視光)は当該開口部を通
って結像光学系6に入射する。
【0017】結像光学系6は、高倍率斜入射反射鏡7、
低倍率斜入射反射鏡8、多層膜反射鏡9、ストッパー1
0及び可視光用反射鏡18、20を備えている。
低倍率斜入射反射鏡8、多層膜反射鏡9、ストッパー1
0及び可視光用反射鏡18、20を備えている。
【0018】高倍率斜入射反射鏡7(倍率:100倍以
上)及び低倍率斜入射反射鏡8(倍率:10〜50倍)
は、回転双曲面(X線の入射口側)と回転楕円面(X線
の出射口側)とで構成されるいわゆるウォルター型と呼
ばれるもので、可視領域からX線領域までの光に対して
使用可能することができる。これらは光軸bに対して回
転対称となるように固定されているが、各斜入射反射鏡
の固定位置は、各斜入射反射鏡からの出射X線による像
がX線検出器11(又は13)の結像面12(又は1
4)で結像するように設定される。また、高倍率斜入射
反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8の形状は、それぞれ
の固定位置に配置したときに、一方が他方の入射X線又
は出射X線を遮断しないように選択される。
上)及び低倍率斜入射反射鏡8(倍率:10〜50倍)
は、回転双曲面(X線の入射口側)と回転楕円面(X線
の出射口側)とで構成されるいわゆるウォルター型と呼
ばれるもので、可視領域からX線領域までの光に対して
使用可能することができる。これらは光軸bに対して回
転対称となるように固定されているが、各斜入射反射鏡
の固定位置は、各斜入射反射鏡からの出射X線による像
がX線検出器11(又は13)の結像面12(又は1
4)で結像するように設定される。また、高倍率斜入射
反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8の形状は、それぞれ
の固定位置に配置したときに、一方が他方の入射X線又
は出射X線を遮断しないように選択される。
【0019】また、高倍率斜入射反射鏡7の出射口近傍
には、ストッパー9が光軸bに垂直に配置され、低倍率
斜入射反射鏡8の出射口近傍には、多層膜反射鏡10が
光軸bに対して所定の角度を有して配置されている。
には、ストッパー9が光軸bに垂直に配置され、低倍率
斜入射反射鏡8の出射口近傍には、多層膜反射鏡10が
光軸bに対して所定の角度を有して配置されている。
【0020】ストッパー9は鉛を円盤状に成形したもの
で、ストッパー9の光軸bに垂直な面の直径及び位置
は、高倍率斜入射反射鏡7からの反射X線(又は可視
光)及び低倍率斜入射反射鏡8への入射X線(又は可視
光)を遮断せずに高倍率斜入射反射鏡7からのバックグ
ラウンド光(結像に関与しないX線又は可視光)を遮断
するように設定されている。ストッパー9の光軸b方向
の厚さは、X線を遮断することが可能であれば特に制限
されないが、通常0.1〜1mmである。
で、ストッパー9の光軸bに垂直な面の直径及び位置
は、高倍率斜入射反射鏡7からの反射X線(又は可視
光)及び低倍率斜入射反射鏡8への入射X線(又は可視
光)を遮断せずに高倍率斜入射反射鏡7からのバックグ
ラウンド光(結像に関与しないX線又は可視光)を遮断
するように設定されている。ストッパー9の光軸b方向
の厚さは、X線を遮断することが可能であれば特に制限
されないが、通常0.1〜1mmである。
【0021】多層膜反射鏡10は、カーボン(C)、シ
リコン(Si)、ベリリウム(Be)などの軽元素層と
モリブデン(Mo)などの重元素層とを交互に堆積させ
た多層膜を備えるもので、所定の波長領域のX線及び可
視光に対して高い反射率を有する。多層膜反射鏡10の
形状及び位置は、低倍率斜入射反射鏡8で反射されたX
線(又は可視光)の光路を遮断せずに、高倍率斜入射反
射鏡7で反射されたX線(又は可視光)を光軸c方向に
反射するように設定されている。更に、多層膜反射鏡1
0は、低倍率斜入射反射鏡8からのバックグラウンド光
を遮断する機能をも有している。
リコン(Si)、ベリリウム(Be)などの軽元素層と
モリブデン(Mo)などの重元素層とを交互に堆積させ
た多層膜を備えるもので、所定の波長領域のX線及び可
視光に対して高い反射率を有する。多層膜反射鏡10の
形状及び位置は、低倍率斜入射反射鏡8で反射されたX
線(又は可視光)の光路を遮断せずに、高倍率斜入射反
射鏡7で反射されたX線(又は可視光)を光軸c方向に
反射するように設定されている。更に、多層膜反射鏡1
0は、低倍率斜入射反射鏡8からのバックグラウンド光
を遮断する機能をも有している。
【0022】斜入射反射鏡7、8は同一の光軸bに対し
て回転対称となるように配置されているため、それらの
反射X線(又は可視光)は光軸b方向に反射されるが、
多層膜反射鏡10によりそれぞれ光軸c方向と光軸b方
向とに分岐する。そして、光軸b方向に分離された低倍
率斜入射反射鏡8からの反射X線(又は可視光)による
像が2次元X線検出器11の結像面12に結像されると
共に、光軸c方向に分離された高倍率斜入射反射鏡7か
らの反射X線による像が2次元X線検出器13の結像面
14に結像される。なお、斜入射反射鏡7、8からのバ
ックグラウンド光は、ストッパー9及び多層膜反射鏡1
0により遮断される。
て回転対称となるように配置されているため、それらの
反射X線(又は可視光)は光軸b方向に反射されるが、
多層膜反射鏡10によりそれぞれ光軸c方向と光軸b方
向とに分岐する。そして、光軸b方向に分離された低倍
率斜入射反射鏡8からの反射X線(又は可視光)による
像が2次元X線検出器11の結像面12に結像されると
共に、光軸c方向に分離された高倍率斜入射反射鏡7か
らの反射X線による像が2次元X線検出器13の結像面
14に結像される。なお、斜入射反射鏡7、8からのバ
ックグラウンド光は、ストッパー9及び多層膜反射鏡1
0により遮断される。
【0023】結像光学系6の倍率は、観察対象に対する
所望の分解能とX線検出器の分解能及び画素サイズに応
じて適宜選択される。例えば生体観察の場合、細胞の大
きさは大きいもので100μm程度であるため、観察位
置を探査するための広視野な像を得るには倍率が数十倍
であることが好ましい。また、細胞内部の小器官などの
観察は0.05μm以下の分解能で行う必要があり、X
線検出器として画素サイズ12μm□、面積約12×1
2mm(1000×1000)のX線CCDを用いると
すれば300倍程度の倍率が必要である。
所望の分解能とX線検出器の分解能及び画素サイズに応
じて適宜選択される。例えば生体観察の場合、細胞の大
きさは大きいもので100μm程度であるため、観察位
置を探査するための広視野な像を得るには倍率が数十倍
であることが好ましい。また、細胞内部の小器官などの
観察は0.05μm以下の分解能で行う必要があり、X
線検出器として画素サイズ12μm□、面積約12×1
2mm(1000×1000)のX線CCDを用いると
すれば300倍程度の倍率が必要である。
【0024】例えば図1に示した装置では、各条件を以
下のように設定することで、高倍率反射鏡7による倍率
300倍のX線像と、低倍率反射鏡8による倍率29.
1倍のX線像とを結像面12に結像させることができ
る。 高倍率斜入射反射鏡7の入射口径:φ1.5mm 高倍率斜入射反射鏡7の出射口径:φ3mm 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心(回転双曲面
と回転楕円面との境界)と試料5との距離W1:10m
m 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心と多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心との距離F1と、多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心と結像面12との距離F2と
の和:3000mm 低倍率斜入射反射鏡8の入射口径:φ9mm 低倍率斜入射反射鏡8の出射口径:φ11mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と試料5との
距離W2:100mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と結像面14
との距離F3:2910mm。
下のように設定することで、高倍率反射鏡7による倍率
300倍のX線像と、低倍率反射鏡8による倍率29.
1倍のX線像とを結像面12に結像させることができ
る。 高倍率斜入射反射鏡7の入射口径:φ1.5mm 高倍率斜入射反射鏡7の出射口径:φ3mm 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心(回転双曲面
と回転楕円面との境界)と試料5との距離W1:10m
m 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心と多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心との距離F1と、多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心と結像面12との距離F2と
の和:3000mm 低倍率斜入射反射鏡8の入射口径:φ9mm 低倍率斜入射反射鏡8の出射口径:φ11mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と試料5との
距離W2:100mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と結像面14
との距離F3:2910mm。
【0025】また、可視光用反射鏡18は、光軸bに対
して所定の角度を有して配置され、、光軸b上の反射位
置18aと、低倍率斜入射反射鏡8で反射されたX線を
遮断しない退避位置18bとを移動可能である。そし
て、可視光用反射鏡18を反射位置18aに配置するこ
とによって、低倍率斜入射反射鏡8で反射された可視光
を可視光用検出器19に向けて反射することができる。
して所定の角度を有して配置され、、光軸b上の反射位
置18aと、低倍率斜入射反射鏡8で反射されたX線を
遮断しない退避位置18bとを移動可能である。そし
て、可視光用反射鏡18を反射位置18aに配置するこ
とによって、低倍率斜入射反射鏡8で反射された可視光
を可視光用検出器19に向けて反射することができる。
【0026】また、可視光用反射鏡20は、光軸cに対
して所定の角度を有して配置され、光軸b上の反射位置
20aと、多層膜反射鏡10で反射されたX線を遮断し
ない退避位置20bとを移動可能である。そして、可視
光用反射鏡20を反射位置20aに配置することによっ
て、高倍率斜入射反射鏡7で反射され、多層膜反射去1
0で分離された可視光を可視光用検出器21に向けて反
射することができる。
して所定の角度を有して配置され、光軸b上の反射位置
20aと、多層膜反射鏡10で反射されたX線を遮断し
ない退避位置20bとを移動可能である。そして、可視
光用反射鏡20を反射位置20aに配置することによっ
て、高倍率斜入射反射鏡7で反射され、多層膜反射去1
0で分離された可視光を可視光用検出器21に向けて反
射することができる。
【0027】なお、図1には示していないが、可視光用
反射鏡18、20の移動手段は特に制限されない。例え
ば遮断位置18a(又は20a)と退避位置18b(又
は20b)との間で可視光用反射鏡18(又は20)を
スライドさせるものであってもよく、所定の軸を中心と
して可視光用反射鏡18(又は20)を回転させるもの
であってもよい。
反射鏡18、20の移動手段は特に制限されない。例え
ば遮断位置18a(又は20a)と退避位置18b(又
は20b)との間で可視光用反射鏡18(又は20)を
スライドさせるものであってもよく、所定の軸を中心と
して可視光用反射鏡18(又は20)を回転させるもの
であってもよい。
【0028】2次元X線検出器11、13は、その詳細
は図示していないが、X線に対する感度を有する裏面照
射CCDカメラである。これにより、低倍率斜入射反射
鏡8からの反射X線による像が2次元X線検出器11、
高倍率斜入射反射鏡7からの反射X線による像が2次元
X線検出器13にて検出される。
は図示していないが、X線に対する感度を有する裏面照
射CCDカメラである。これにより、低倍率斜入射反射
鏡8からの反射X線による像が2次元X線検出器11、
高倍率斜入射反射鏡7からの反射X線による像が2次元
X線検出器13にて検出される。
【0029】可視光用検出器19、21はCCDカメラ
であり、これにより可視光用反射鏡18又は20により
反射された可視光に基づく像から光学像を得ることがで
きる。
であり、これにより可視光用反射鏡18又は20により
反射された可視光に基づく像から光学像を得ることがで
きる。
【0030】なお、図1には示していないが、X線の空
気による吸収を避けるため、可視光源15及び可視光用
検出器19、21以外はすべて真空容器内に収容され、
可視光用反射鏡16、18、20は真空容器の外部から
移動できるようになっている。
気による吸収を避けるため、可視光源15及び可視光用
検出器19、21以外はすべて真空容器内に収容され、
可視光用反射鏡16、18、20は真空容器の外部から
移動できるようになっている。
【0031】図1に示した装置において、X線を用いて
試料の観察を行う場合、可視光用反射鏡16、18、2
0がそれぞれ退避位置16b、18b、20bに配置さ
れる。そして、X線源1から出射し、フィルター3で特
定の波長領域に制限されたX線が集光鏡4により試料5
の所定の位置に集光され、試料5を透過したX線による
像が高倍率斜入射反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8に
より異なる倍率で拡大される。
試料の観察を行う場合、可視光用反射鏡16、18、2
0がそれぞれ退避位置16b、18b、20bに配置さ
れる。そして、X線源1から出射し、フィルター3で特
定の波長領域に制限されたX線が集光鏡4により試料5
の所定の位置に集光され、試料5を透過したX線による
像が高倍率斜入射反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8に
より異なる倍率で拡大される。
【0032】ここで、高倍率斜入射反射鏡7と低倍率斜
入射反射鏡8とは同一の光軸bに対して回転対称となる
ように配置されているため、各斜入射反射鏡に入射した
X線はいずれも光軸b方向に反射されるが、このうち高
倍率斜入射反射鏡7からの反射X線を多層膜反射鏡10
で反射させ、各反射X線を光軸b方向と光軸c方向とに
分岐させることによって、2次元X線検出器11にて低
倍率斜入射反射鏡8からの反射X線による広視野な像、
2次元X線検出器13にて高倍率斜入射反射鏡7からの
反射X線による高倍率の像がそれぞれ検出されるので、
広視野な像に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の
像に基づく試料の微細観察とを同時に行うことができ
る。従って、作業効率が向上し、また、試料へのX線照
射時間が短縮されるため試料のX線によるダメージを十
分に低減することができる。
入射反射鏡8とは同一の光軸bに対して回転対称となる
ように配置されているため、各斜入射反射鏡に入射した
X線はいずれも光軸b方向に反射されるが、このうち高
倍率斜入射反射鏡7からの反射X線を多層膜反射鏡10
で反射させ、各反射X線を光軸b方向と光軸c方向とに
分岐させることによって、2次元X線検出器11にて低
倍率斜入射反射鏡8からの反射X線による広視野な像、
2次元X線検出器13にて高倍率斜入射反射鏡7からの
反射X線による高倍率の像がそれぞれ検出されるので、
広視野な像に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の
像に基づく試料の微細観察とを同時に行うことができ
る。従って、作業効率が向上し、また、試料へのX線照
射時間が短縮されるため試料のX線によるダメージを十
分に低減することができる。
【0033】また、X線源1がパルスX線である場合
や、試料5のX線に対する耐性が非常に低い場合には、
X線を用いた試料の観察部位の探査やフォーカシング
(ピント合わせ)が困難となることがあるが、その際に
は可視光を利用して以下の操作を行えばよい。すなわ
ち、フィルター3を光軸aから取り除き、可視光用反射
鏡16、18、20を反射位置16a、18a、20a
に配置し、可視光源15から放射された可視光を可視光
用反射鏡16で反射させ、集光鏡4により試料5の所定
の位置に集光することによって、試料5を透過した可視
光が高倍率斜入射反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8に
より光軸b方向に反射される。低倍率斜入射反射鏡8で
反射された可視光は可視光用反射鏡18で更に反射さ
れ、その可視光による像が可視光用検出器19で検出さ
れる。他方、高倍率斜入射反射鏡7で反射された可視光
は多層膜反射鏡10により光軸c方向に反射された後、
可視光用反射鏡20により更に反射され、その可視光に
よる像が可視光用検出器21に検出される。このように
して得られる可視光像に基づいて、高倍率斜入射反射鏡
7及び低倍率斜入射反射鏡8のフォーカシング、試料の
観察位置の探査、あるいは更に試料の微細観察を行った
後、上記した高倍率のX線像に基づく試料の微細観察を
行うことによって、試料へのX線照射時間をより短縮す
ることができ、試料のX線によるダメージを一層低減す
ることができる。
や、試料5のX線に対する耐性が非常に低い場合には、
X線を用いた試料の観察部位の探査やフォーカシング
(ピント合わせ)が困難となることがあるが、その際に
は可視光を利用して以下の操作を行えばよい。すなわ
ち、フィルター3を光軸aから取り除き、可視光用反射
鏡16、18、20を反射位置16a、18a、20a
に配置し、可視光源15から放射された可視光を可視光
用反射鏡16で反射させ、集光鏡4により試料5の所定
の位置に集光することによって、試料5を透過した可視
光が高倍率斜入射反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8に
より光軸b方向に反射される。低倍率斜入射反射鏡8で
反射された可視光は可視光用反射鏡18で更に反射さ
れ、その可視光による像が可視光用検出器19で検出さ
れる。他方、高倍率斜入射反射鏡7で反射された可視光
は多層膜反射鏡10により光軸c方向に反射された後、
可視光用反射鏡20により更に反射され、その可視光に
よる像が可視光用検出器21に検出される。このように
して得られる可視光像に基づいて、高倍率斜入射反射鏡
7及び低倍率斜入射反射鏡8のフォーカシング、試料の
観察位置の探査、あるいは更に試料の微細観察を行った
後、上記した高倍率のX線像に基づく試料の微細観察を
行うことによって、試料へのX線照射時間をより短縮す
ることができ、試料のX線によるダメージを一層低減す
ることができる。
【0034】図2は、本発明の第2実施形態に係るX線
像拡大装置の概略構成を示す断面図である。図2に示し
たX線像拡大装置は、低倍率斜入射反射鏡8の出射口近
傍に光軸bに対して所定の角度を有するように配置さ
れ、中央部に開口部が形成された多層膜反射鏡10を備
えている点で図1に示した装置と相違する。この多層膜
反射鏡10の形状及び位置は、低倍率斜入射反射鏡8か
らの反射X線(又は可視光)が光軸c方向に反射され、
高倍率斜入射反射鏡7からの反射X線(又は可視光)が
開口部を通るように設定されている。
像拡大装置の概略構成を示す断面図である。図2に示し
たX線像拡大装置は、低倍率斜入射反射鏡8の出射口近
傍に光軸bに対して所定の角度を有するように配置さ
れ、中央部に開口部が形成された多層膜反射鏡10を備
えている点で図1に示した装置と相違する。この多層膜
反射鏡10の形状及び位置は、低倍率斜入射反射鏡8か
らの反射X線(又は可視光)が光軸c方向に反射され、
高倍率斜入射反射鏡7からの反射X線(又は可視光)が
開口部を通るように設定されている。
【0035】なお、斜入射反射鏡7、8の固定位置は、
各斜入射反射鏡からの出射X線による像がX線検出器1
1(又は13)の結像面12(又は14)で結像するよ
うに設定される。例えば図2に示した装置では、各条件
を以下のように設定することで、高倍率反射鏡7による
倍率300倍のX線像を結像面12に、低倍率反射鏡8
による倍率29.1倍のX線像を結像面14に結像させ
ることができる。 高倍率斜入射反射鏡7の入射口径:φ1.5mm 高倍率斜入射反射鏡7の出射口径:φ3mm 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心(回転双曲面
と回転楕円面との境界)と試料5との距離W1:10m
m 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心と結像面12
との距離F4:3000mm 低倍率斜入射反射鏡8の入射口径:φ9mm 低倍率斜入射反射鏡8の出射口径:φ11mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と試料5との
距離W2:100mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心との距離F5と、多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心と結像面14との距離F6:
2910mm。
各斜入射反射鏡からの出射X線による像がX線検出器1
1(又は13)の結像面12(又は14)で結像するよ
うに設定される。例えば図2に示した装置では、各条件
を以下のように設定することで、高倍率反射鏡7による
倍率300倍のX線像を結像面12に、低倍率反射鏡8
による倍率29.1倍のX線像を結像面14に結像させ
ることができる。 高倍率斜入射反射鏡7の入射口径:φ1.5mm 高倍率斜入射反射鏡7の出射口径:φ3mm 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心(回転双曲面
と回転楕円面との境界)と試料5との距離W1:10m
m 高倍率斜入射反射鏡7の光軸b方向の中心と結像面12
との距離F4:3000mm 低倍率斜入射反射鏡8の入射口径:φ9mm 低倍率斜入射反射鏡8の出射口径:φ11mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と試料5との
距離W2:100mm 低倍率斜入射反射鏡8の光軸b方向の中心と多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心との距離F5と、多層膜反射
鏡10の光軸b方向の中心と結像面14との距離F6:
2910mm。
【0036】図2に示した装置において、X線を用いて
試料の観察を行う場合、可視光用反射鏡16、18、2
0がそれぞれ退避位置16b、18b、20bに配置さ
れる。そして、X線源1から出射し、フィルター3で特
定の波長領域に制限されたX線が集光鏡4により試料5
の所定の位置に集光され、試料5を透過したX線による
像が高倍率斜入射反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8に
より異なる倍率で拡大される。
試料の観察を行う場合、可視光用反射鏡16、18、2
0がそれぞれ退避位置16b、18b、20bに配置さ
れる。そして、X線源1から出射し、フィルター3で特
定の波長領域に制限されたX線が集光鏡4により試料5
の所定の位置に集光され、試料5を透過したX線による
像が高倍率斜入射反射鏡7及び低倍率斜入射反射鏡8に
より異なる倍率で拡大される。
【0037】ここで、高倍率斜入射反射鏡7と低倍率斜
入射反射鏡8とは同一の光軸bに対して回転対称となる
ように配置されているため、各斜入射反射鏡に入射した
X線はいずれも光軸b方向に反射されるが、このうち低
倍率斜入射反射鏡8からの反射X線を多層膜反射鏡10
で反射させ、各反射X線を光軸b方向と光軸c方向とに
分岐させることによって、2次元X線検出器13にて低
倍率斜入射反射鏡8からの反射X線による広視野な像、
2次元X線検出器11にて高倍率斜入射反射鏡7からの
反射X線による高倍率の像がそれぞれ検出されるので、
広視野な像に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の
像に基づく試料の微細観察とを同時に行うことができ
る。従って、作業効率が向上し、また、試料へのX線照
射時間が短縮されるため試料のX線によるダメージを十
分に低減することができる。
入射反射鏡8とは同一の光軸bに対して回転対称となる
ように配置されているため、各斜入射反射鏡に入射した
X線はいずれも光軸b方向に反射されるが、このうち低
倍率斜入射反射鏡8からの反射X線を多層膜反射鏡10
で反射させ、各反射X線を光軸b方向と光軸c方向とに
分岐させることによって、2次元X線検出器13にて低
倍率斜入射反射鏡8からの反射X線による広視野な像、
2次元X線検出器11にて高倍率斜入射反射鏡7からの
反射X線による高倍率の像がそれぞれ検出されるので、
広視野な像に基づく試料の観察位置の探査と、高倍率の
像に基づく試料の微細観察とを同時に行うことができ
る。従って、作業効率が向上し、また、試料へのX線照
射時間が短縮されるため試料のX線によるダメージを十
分に低減することができる。
【0038】また、X線源1がパルスX線である場合
や、試料5のX線に対する耐性が非常に低い場合には、
可視光源15からの可視光を利用し、第1実施形態と同
様の手順で各斜入射反射鏡のフォーカシングや試料の観
察位置の探査を行うことによって、試料へのX線照射時
間をより短縮することができ、試料のX線によるダメー
ジを一層低減することができる。
や、試料5のX線に対する耐性が非常に低い場合には、
可視光源15からの可視光を利用し、第1実施形態と同
様の手順で各斜入射反射鏡のフォーカシングや試料の観
察位置の探査を行うことによって、試料へのX線照射時
間をより短縮することができ、試料のX線によるダメー
ジを一層低減することができる。
【0039】なお、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではない。例えば図1及び図2に示した装置で
は、多層膜反射鏡10により斜入射反射鏡7、8からの
反射X線の分岐手段が実現されているが、多層膜反射鏡
10の代わりにX線全反射ミラーを用いてもよい。かか
るX線全反射ミラーとしては、例えばシリコン単結晶上
にロジウム(Rh)、白金(Pt)などの重金属元素を
成膜したものが挙げられる。これにより各反射X線を所
定の方向に分岐させる分岐手段が実現され、低倍率斜入
射反射鏡8からの反射X線による広視野な像に基づく試
料の観察位置の探査と、高倍率斜入射反射鏡8からの反
射X線による高倍率の像に基づく試料の微細観察とを同
時に行うことが可能となる。
るものではない。例えば図1及び図2に示した装置で
は、多層膜反射鏡10により斜入射反射鏡7、8からの
反射X線の分岐手段が実現されているが、多層膜反射鏡
10の代わりにX線全反射ミラーを用いてもよい。かか
るX線全反射ミラーとしては、例えばシリコン単結晶上
にロジウム(Rh)、白金(Pt)などの重金属元素を
成膜したものが挙げられる。これにより各反射X線を所
定の方向に分岐させる分岐手段が実現され、低倍率斜入
射反射鏡8からの反射X線による広視野な像に基づく試
料の観察位置の探査と、高倍率斜入射反射鏡8からの反
射X線による高倍率の像に基づく試料の微細観察とを同
時に行うことが可能となる。
【0040】また、上記の実施形態では、ストッパー9
として鉛製のものを用いたが、当該ストッパーは、X線
を十分に遮断し得る厚みを有するものであれば鉄などの
他の金属からなるものであってもよい。
として鉛製のものを用いたが、当該ストッパーは、X線
を十分に遮断し得る厚みを有するものであれば鉄などの
他の金属からなるものであってもよい。
【0041】また、図1及び図2に示した装置はX線源
1と可視光源13とを備えるものであるが、光源として
X線源のみを備えるものであってもよく、X線源とUV
光源とを備えるものであってもよい。なお、X線源とU
V光源とを用いた場合には、紫外光を用いて各斜入射反
射鏡のピント合わせや試料の観察位置の探査を行った
後、X線を用いて高倍率のX線像に基づく試料の微細観
察を行うことによって、試料へのX線照射時間をより短
縮することができ、試料のX線によるダメージを一層低
減することができる。
1と可視光源13とを備えるものであるが、光源として
X線源のみを備えるものであってもよく、X線源とUV
光源とを備えるものであってもよい。なお、X線源とU
V光源とを用いた場合には、紫外光を用いて各斜入射反
射鏡のピント合わせや試料の観察位置の探査を行った
後、X線を用いて高倍率のX線像に基づく試料の微細観
察を行うことによって、試料へのX線照射時間をより短
縮することができ、試料のX線によるダメージを一層低
減することができる。
【0042】また、図1及び図2に示した装置は、光学
系倍率だけで十分な倍率を達成することが可能なもので
あるが、X線ズーミング管をさらに備えるものであって
もよい。これにより、高倍率斜入射反射鏡からの反射X
線による像がより高倍率に拡大されるので、試料をより
微細に観察することができる。なお、X線ズーミング管
を用いる場合、低倍率斜入射反射鏡からの反射X線によ
る像がX線ズーミング管によりさらに拡大されても広視
野な像が維持されるように、低倍率斜入射反射鏡の倍率
を適宜選定することが好ましい。
系倍率だけで十分な倍率を達成することが可能なもので
あるが、X線ズーミング管をさらに備えるものであって
もよい。これにより、高倍率斜入射反射鏡からの反射X
線による像がより高倍率に拡大されるので、試料をより
微細に観察することができる。なお、X線ズーミング管
を用いる場合、低倍率斜入射反射鏡からの反射X線によ
る像がX線ズーミング管によりさらに拡大されても広視
野な像が維持されるように、低倍率斜入射反射鏡の倍率
を適宜選定することが好ましい。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のX線像拡大
装置においては、X線照射手段により試料にX線を照射
することによって、試料を透過したX線による像が、第
1及び第2の斜入射反射鏡により異なる倍率で拡大され
る。そして、これらの斜入射反射鏡により光軸方向に反
射されたX線を分岐手段により所定の方向に分岐させる
ことによって、第1のX線検出手段により高倍率のX線
像、第2のX線検出手段により広視野なX線像がそれぞ
れ検出されるので、広視野な像に基づく試料の観察位置
の探査と、高倍率の像に基づく試料の微細観察とを同時
に行うことが可能となる。従って、作業効率が向上し、
また、試料へのX線照射時間が短縮されるため試料のX
線によるダメージを十分に低減することができる。
装置においては、X線照射手段により試料にX線を照射
することによって、試料を透過したX線による像が、第
1及び第2の斜入射反射鏡により異なる倍率で拡大され
る。そして、これらの斜入射反射鏡により光軸方向に反
射されたX線を分岐手段により所定の方向に分岐させる
ことによって、第1のX線検出手段により高倍率のX線
像、第2のX線検出手段により広視野なX線像がそれぞ
れ検出されるので、広視野な像に基づく試料の観察位置
の探査と、高倍率の像に基づく試料の微細観察とを同時
に行うことが可能となる。従って、作業効率が向上し、
また、試料へのX線照射時間が短縮されるため試料のX
線によるダメージを十分に低減することができる。
【図1】本発明の第1実施形態に係るX線像拡大装置の
概略構成を示す断面図である。
概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るX線像拡大装置の
概略構成を示す断面図である。
概略構成を示す断面図である。
1…X線源、2…照明光学系、3…フィルター、4…集
光鏡、5…試料、6…結像光学系、7…高倍率斜入射反
射鏡、8…低倍率斜入射反射鏡、9…ストッパー、10
…多層膜反射鏡、11、13…2次元X線検出器、1
2、14…結像面、15…可視光源、16、18、20
…可視光用反射鏡、17…試料台、19、21…可視光
用検出器。
光鏡、5…試料、6…結像光学系、7…高倍率斜入射反
射鏡、8…低倍率斜入射反射鏡、9…ストッパー、10
…多層膜反射鏡、11、13…2次元X線検出器、1
2、14…結像面、15…可視光源、16、18、20
…可視光用反射鏡、17…試料台、19、21…可視光
用検出器。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小野田 忍
静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ
トニクス株式会社内
Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 CA01 DA02 DA06
EA05 FA21 GA01 GA06 HA09
HA13
2H042 DA08 DA09 DA12 DB02
2H087 KA12 NA05 TA02
Claims (3)
- 【請求項1】 X線を試料に照射するX線照射手段と、
前記試料を透過したX線の光軸に対して回転対称となる
ように配置され、前記試料のX線による像を拡大する第
1の斜入射反射鏡と、前記光軸に対して回転対称となる
ように配置され、前記試料のX線による像を前記第1の
斜入射反射鏡よりも低倍率で拡大する第2の斜入射反射
鏡と、前記光軸上に配置され、前記第1の斜入射反射鏡
からの反射X線と、前記第2の斜入射反射鏡からの反射
X線とを所定の方向に分岐させる分岐手段と、前記第1
の斜入射反射鏡で反射し、前記分岐手段で分岐したX線
による像を検出する第1のX線検出手段と、前記第2の
斜入射反射鏡で反射し、前記分岐手段で分離したX線に
よる像を検出する第2のX線検出手段と、を備えること
を特徴とするX線像拡大装置。 - 【請求項2】 前記分岐手段が、前記第1又は第2の斜
入射反射鏡からの反射X線を所定の方向に反射する多層
膜反射鏡を備えることを特徴とする、請求項1に記載の
X線像拡大装置。 - 【請求項3】 可視光又は紫外光のうちのいずれかの光
を試料に照射する光照射手段と、前記試料を透過し、前
記第1の斜入射反射鏡で反射し、前記分岐手段で分岐し
た光による像を検出する第1の光検出手段と、前記試料
を透過し、前記第2の斜入射反射鏡で反射し、前記分岐
手段で分岐した光による像を検出する第2の光検出手段
と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2
に記載のX線像拡大装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001270761A JP2003075600A (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | X線像拡大装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001270761A JP2003075600A (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | X線像拡大装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003075600A true JP2003075600A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=19096373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001270761A Pending JP2003075600A (ja) | 2001-09-06 | 2001-09-06 | X線像拡大装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003075600A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016223831A (ja) * | 2015-05-28 | 2016-12-28 | 株式会社ニコン | X線装置および構造物の製造方法 |
-
2001
- 2001-09-06 JP JP2001270761A patent/JP2003075600A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016223831A (ja) * | 2015-05-28 | 2016-12-28 | 株式会社ニコン | X線装置および構造物の製造方法 |
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