JP5941824B2 - 測光装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、このような測光装置の一例である反射率測定装置が記載されている。
この反射率測定装置は、対物レンズと、該対物レンズの後方に配置された光路分割素子と、該光路分割素子により分けられた一方の光路中に配置された輪帯状光束を発する光源と、上記光路分割素子により分けられた他方の光路中に配置された微小開口絞りと、該微小開口絞りの後方に配置された光感応素子とを具え、上記光源を発した光束を上記光路分割素子を介して上記対物レンズにより被検面に集束し、該被検面による反射光を上記対物レンズ、光路分割素子、微小開口絞りを介して上記光感応素子により受けるようにして成る装置である。
このような反射率測定装置によれば、被測定試料の被測定面と微小開口絞りとを互いに光学的に共役な位置関係に配置する。これにより、被測定面の表面反射光は、微小開口絞りに入射して光感応素子に入射する。一方、被測定面と対向する被測定試料の裏面における裏面反射光は、微小開口絞り上では輪帯状にぼけた像として投影され、微小開口絞りの開口よりも外側に到達して遮光される。
このため、裏面反射光に起因する測定ノイズを低減することが可能となる。
特許文献1の反射率測定装置では、被測定面と裏面とが平行である場合には、被測定面での反射光束と裏面での裏面反射光とが同軸に進むため裏面反射光が遮光される。
しかし、裏面が被測定面に対して傾斜している場合には、微小開口絞り上の裏面反射光の中心が測定光束の光軸からずれるため、輪帯状にぼけていても、裏面反射光の一部が微小開口絞りの開口に入射してしまう場合がある。
このため、微小開口絞りの開口に入射した裏面反射光が測定ノイズになり、被測定面の光学特性を正確に測定できなくなるという問題がある。
本発明の第1の実施形態の測光装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の測光装置の概略構成を示す模式的な構成図である。図2(a)は、図1におけるA視図である。図2(b)は、図2(a)におけるB−B断面図である。図2(c)は、光束整形部からの出射される測定光束を示す模式的な斜視図である。
また、被測定面7aおよび裏面7bが平面の場合であっても、互いに平行とは限らず、互いに傾斜していることが可能である。
被測定試料7の肉厚は限定されず、例えば、1mm以下の薄肉形状も可能である。
また、レンズの場合には、測定場所により、被測定面7aと裏面7bとの間隔が変化することが一般的であり、凸レンズの外周部や凹レンズの中心部では、例えば、1mm以下の薄肉形状になる場合もある。
このうち、保持台19、対物レンズ6、ハーフミラー5、結像レンズ8、観察光学系14、および分光器10は、分光器10の入射光軸で規定される測光装置50の測定基準軸O上に、この順に配置されている。
照明レンズ2は、光源1で発生された測定光束L0によってピンホール絞り3を照明する光学素子である。
ピンホール絞り3は、照明レンズ2によって照明された測定光束L0の通過範囲をピンホール3aの内側の範囲に制限する絞り部材である。
光束整形部20は、図示略の支持部材に支持され、図1に示すように、コリメータレンズ4を透過した測定光束L0の光路上に配置されている。
光束整形部20は、図2(a)、(b)に示すように、輪帯開口絞り21、遮光部材22、回転支軸23、移動操作部24(遮光位置変更部、遮光部材移動部)、および位置保持部材25を備える。
開口部21aは、完全な輪帯形状、または擬似的な輪帯状に形成することができる。
擬似的な輪帯状とは、輪帯形状が周方向に途切れているため、厳密には輪帯とは言えないものの、全体としては略輪帯状をなしている形状を意味する。例えば、開口部21aの内周部と外周部とを接続するための線状部が一部に形成され、この線状部を除く1以上の開口が全体として略輪帯状をなして配列された形状の例などを挙げることができる。
輪帯開口絞り21は、例えば、開口部21aの形状が打ち抜かれた金属板や、開口部21aを除く領域に遮光層が成膜されたガラス板などによって構成することができる。
遮光部材22の長手方向の一端部には、後述する回転支軸23と回転可能に連結する軸受部22aが形成されている。
遮光部材22の長手方向の長さは、長手方向の一端部を輪帯中心点P21に配置したときに、長手方向の他端部が開口部21aを横断できる長さになっている。
遮光部材22の短手方向の幅は、輪帯欠損部Dとして必要な周方向の大きさに応じて適宜設定する。例えば、開口部21aの周方向の1/6〜1/3程度の大きさとすることが可能である。
遮光部材22の材質は、例えば、金属板や光透過性を有しない合成樹脂などを採用することができる。
移動操作部24は、遮光部材22の回転移動を操作するため、遮光部材22の長手方向において軸受部23と反対側の端部に、長手方向に沿って固定された棒状部材である。
移動操作部24は、測光装置50の外部から操作者が操作可能な位置に、延出方向の先端部が露出されている。
位置保持部材25の構成としては、例えば、回転移動に抗する摩擦力を発生させる弾性部材や、一定の操作力によって乗り越え可能な微細な波形の凹凸を有する弾性部材などを採用することができる。
なお、位置保持部材25を用いなくても、例えば、移動操作部24および遮光部材22の自重等により、測光中に遮光部材22が移動しない構成になっている場合には、位置保持部材25を省略した構成とすることも可能である。
対物レンズ6のレンズ光軸は測定基準軸Oに整列されている。
このため、対物レンズ6は、測定光束L1を被測定面7a(基準測定面70a)上に集光する第1の集光光学系を構成している。
本実施形態では、保持台19の構成は、被測定試料7(基準被測定試料70)を保持する保持部19aと、保持部19aの測定基準軸Oに対する傾斜角を調整する傾斜ステージ19bと、傾斜ステージ19bを測定基準軸Oに直交する方向および測定基準軸Oに沿う方向に移動するXYZ移動ステージ19cとを備える。
このため、保持台19の保持部19aに保持された被測定面7a(基準測定面70a)は、傾斜ステージ19bおよびXYZ移動ステージ19cによって姿勢および位置を調整することで、測定基準軸Oに対して垂直、かつ対物レンズ6の焦点位置に一致するように保持される。このような配置によれば、光源1で発生した測定光束L0によるピンホール3aの像がスポット状に投影されるようになっている。
なお、保持台19は、被測定試料7(基準被測定試料70)を配置するだけで、被測定面7a(基準測定面70a)が測定基準軸Oに対して垂直、かつ対物レンズ6の焦点位置に一致するように保持できれば、傾斜ステージ19bおよびXYZ移動ステージ19cの少なくともいずれかを削除してもよい。
このため、対物レンズ6および結像レンズ8で構成される結像光学系9は、被測定面7a(基準測定面70a)と、入射開口絞り10aが配置された像面I0とを、光学的に共役な位置関係としている。
また、結像光学系9は、測定光束L1のうち、被測定試料7(基準被測定試料70)によって反射された反射光束を集光する第2の集光光学系を構成している。
このため、光路分岐部材14aと接眼レンズ14bとの間の光路上には、入射開口絞り10aが配置された像面I0と等価な像面I1が形成される。
また、図示は省略するが、本実施形態では、観察光学系14の光路内に、像面I1において、像面I0における開口部10bの開口範囲を参照するための参照線(レティクル)を表示する照準部材が設けられている。本実施形態では、開口部10bの開口形状に一致する円状等の参照線を採用している。ただし、参照線は、開口部10bの中心からの距離や方向が参照可能なパターンを有していてもよい。例えば、一定角度をおいて放射線状に設けられた参照線や、放射線状のパターンと同心円状のパターンとを組み合わせた参照線や、方眼状の参照線などを採用することも可能である。
なお、観察光学系14では、接眼レンズ14bに代えて撮像カメラを配置し、撮像カメラで撮像した画像をモニタに表示して観察できるようにしてもよい。この場合には、参照線は、画像データとして生成して、撮像した画像と重ね合わせて表示することが可能であるため、観察光学系14中の照準部材は省略することも可能である。
入射開口絞り10aは、結像光学系9によって結像された測定光束を分光器10内に導くため、分光器10の外周部において、結像光学系9の像面I0に配置された板状部材である。入射開口絞り10aは、入射開口絞り10aには、微小なピンホールからなる開口部10bが貫通して設けられている。開口部10bの内径は、結像光学系9による結像スポットよりもわずかに大きい適宜径に設定されている。
入射開口絞り10aは、結像光学系9を挟んで、被測定面7aと光学的に共役な位置関係に配置された開口絞りを構成している。
制御回路13は、一次元撮像素子12に駆動クロックおよびスタートパルス信号を供給し、各受光素子の蓄積電荷をビデオ信号として読み出す制御回路であり、一次元撮像素子12と測定制御部16とに電気的に接続されている。
制御回路13は、ビデオ信号をA/D変換してデジタル化された出力信号を測定制御部16に送出する構成としてもよいし、ビデオ信号を測定制御部16に送出し、A/D変換は、測定制御部16で行う構成としてもよい。以下では、一例として、制御回路13からの出力信号はデジタル化されているものとして説明する。
測定制御部16には、測定制御部16に送出された出力信号や相対分光反射率の情報をグラフや数値情報として表示する表示モニタ15と、測定制御部16に操作入力を行うため、例えばキーボード、マウス、操作ボタンなどからなる操作部17とが接続されている。
図3(a)、(b)は、被測定試料が被測定面と裏面とが平行な場合であって、光束整形部を有しない場合の模式的な光路図、および像面の様子の一例を示す模式図である。図4(a)、(b)は、被測定面と裏面とが非平行な場合であって、光束整形部を有しない場合の模式的な光路図、および像面の様子の一例を示す模式図である。図5(a)は、本発明の第1の実施形態の測光装置における光束整形部および遮光位置変更部の動作を示す正面図である。図5(b)、(c)は、被測定面と裏面とが平行な場合の像面の様子の一例を示す模式図、および被測定面と裏面とが非平行な場合の像面の様子の一例を示す模式図である。図6(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の測光装置の遮光部材の移動前、移動後の観察部による観察像の例を示す模式図である。
図1に示すように、光源1から出射された測定光束L0は、照明レンズ2によって集光され、これによりピンホール絞り3が照明される。ピンホール絞り3のピンホール3aは、コリメータレンズ4の焦点位置に配置されているため、ピンホール3aを透過した測定光束L0はコリメータレンズ4に入射して平行光束として出射され、光束整形部20に入射する。
対物レンズ6の焦点面には、コリメータレンズ4および対物レンズ6からなる照明光学系の光学倍率に応じたピンホール3aの像が投影される。
ハーフミラー5では、測定光束L4の一部が透過して、結像レンズ8に入射し、結像レンズ8によって集光されて、観察光学系14の光路分岐部材14aに到達する。
測定光束L5は、分光器10の開口部10bに入射し、回折格子11によって波長に応じて回折されて、一次元撮像素子12上の異なる位置に結像され、一次元撮像素子12の受光素子によって受光される。これにより、一次元撮像素子12の各受光素子の電荷量に対応するビデオ信号が制御回路13に送出され、各受光素子の受光量に対応する出力信号に変換される。この出力信号は、測定制御部16からの制御信号に応じて、測定制御部16に送出される。
一方、測定光束L6は、接眼レンズ14bに入射し、被測定面7a上の像が観察可能となる。これにより、例えば、この像を観察して上記のような被測定面7aの位置および姿勢の調整を行うことができる。
なお、図3(a)は、被測定面7aと裏面7bとが平行な場合、図4(a)は、被測定面7aと裏面7b’とが非平行な場合である。裏面7b、7b’は、平面とは限らないが、簡単のため、平面であるとして説明する。
このとき、測定光束L13は、測定光束L2の結像位置である点Paを裏面7bで折り返した点Pbからの拡散光束になっている。なお、点Pbは、測定基準軸O上にあって点Paよりも物体側に位置している。
このため、測定光束L13は、測定光束L14、L15として示すように、対物レンズ6、結像レンズ8によって集光され、結像光学系9の倍率に応じて、測定光束L5の結像位置である点Qaよりも物体側の点Qbで像を結んでから、拡散光束として入射開口絞り10aに到達する。
このため、入射開口絞り10aを像側から見ると、図3(b)に示すように、測定光束L5は、ピンホール状の開口部10bを透過するものの、測定光束L15は、測定光束L5の同心円状に広がる輪帯光束として開口部10bの外周側に照射される。これにより、測定光束L15は入射開口絞り10aによって遮光される。
測定光束L13’は、点Paよりも物体側に位置する軸外の点Pb’から、対物レンズ6に斜め入射する拡散光束になっている。
このため、測定光束L13’は、測定光束L14’、L15’として示すように、対物レンズ6、結像レンズ8によって集光され、結像光学系9の倍率に応じて、測定光束L5の結像位置である点Qaよりも物体側かつ測定基準軸Oに関して点Pb’と反対側に位置する点Qb’で像を結んでから、輪帯状に拡散して入射開口絞り10aに到達する。
このため、入射開口絞り10aを像側から見ると、図4(b)に示すように、測定光束L15’は、測定基準軸Oに対して偏心した輪帯光束として入射開口絞り10a上に照射される。この結果、偏心の程度によっては、測定光束L15’の一部である入射光束Fとして、開口部10b内を透過してしまう。入射光束Fは、分光器10内の回折格子11で回折されて一次元撮像素子12に到達するおそれがあり、一次元撮像素子12で受光されると測定誤差をもたらす。
このとき、入射開口絞り10aには、開口部21aと遮光部材22とで形成される開口形状が、結像光学系9の倍率に応じて投影されるため、入射開口絞り10aを像側から見ると、図5(b)、(c)にそれぞれ破線で示す輪帯の一部を欠いたC字状の光像が投影される。参考のため、各図には、遮光部材22の対応位置を二点鎖線で描いている。
特に、図5(c)では、遮光部材22が、入射光束Fが形成される領域に遮光部材22による遮光部分が投影されるため、入射光束Fは消失する。
このため、測光装置50では、遮光部材22を回転移動することにより、裏面7b、7b’による裏面反射光である入射光束Fの一部または全部が、開口部10b内に入射することを防止できる。
例えば、図6(a)に示すように、接眼レンズ14bの視野内は、図示略の照準部材における円状の参照線14cとともに、測定光束L5、L15’が分岐された測定光束L6、L16’による光像S6、S16’が観察される。光像S16’は、点O16’を中心とする輪帯の一部に、輪帯欠損部Dに対応して輪帯欠損部dが形成されたC字状の画像である。本実施形態では、参照線14cは、開口部10bの開口形状と等価である。
図6(a)に示す例では、光像S16’が参照線14cの内側に入っているため、測定者は入射光束Fが発生していることが分かる。
そこで、測定者は、接眼レンズ14bを通して光像S15’を観察しながら、移動操作部24を回転支軸23回りに回転させて遮光部材22を移動させる。これにより、光像S16’は点O16’を中心として回転し、これに伴って、輪帯欠損部dの位置も回転する。測定者は、輪帯欠損部dが参照線14cを覆う位置関係となり、光像S16’が参照線14cの外側に位置することを確認できたら回転を停止する。
これにより、入射光束Fが消失するため、分光反射率の測定を開始することができる。
すなわち、測定制御部16は、制御回路13に制御信号を送出して、制御回路13からの出力信号を取得し、この出力信号を一次元撮像素子12の画素位置の情報とともに記憶する。これにより、測定制御部16に、被測定面7aの分光反射率データRb(λ)が記憶される。
このとき、本実施形態では、基準被測定試料70の裏面70bは、基準測定面70aから充分離れているため、裏面70bで反射した反射光束が開口部10bに入射するおそれがない。このため、測定者は、遮光部材22の位置を移動させることなく、操作部17から操作入力して基準被測定試料70の分光反射率測定を実行させる。
すなわち、測定制御部16は、制御回路13に制御信号を送出して、制御回路13からの出力信号を取得し、この出力信号を一次元撮像素子12の画素位置の情報とともに記憶する。これにより、測定制御部16に、基準測定面70aの分光反射率データRa(λ)が記憶される。
以上で、測光装置50による被測定試料7の測光が終了する。
このため、被測定試料7の被測定面7aに対して裏面7bが傾斜している場合でも、裏面反射の影響を低減して測定精度を向上することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の測光装置について説明する。
図7(a)は、本発明の第2の実施形態の測光装置の主要部の構成を示す図1におけるA視図である。図7(b)は、図7(a)におけるC−C断面図である。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
絞り部材31は、円状の外形を有する板状部材であり、その中心点P31は、回転支軸32と同軸になっている。
絞り部材31には、中心点P31を中心する同心円弧状に延び、厚さ方向に貫通された開口部31a(輪帯状パターンの周方向の一部に遮光領域が形成された開口形状)が形成されている。
このため、開口部31aの周方向の両端部の間には、例えば、120°〜60°程度の範囲にわたって、測定光束L0を遮光する遮光部31b(遮光領域)が形成されている。
なお、開口部31aの両端部は、図7(a)のような中心点P31を通る径方向に沿う形状には限定されず、例えば、開口部31aの対称軸に平行に形成されていてもよい。この場合、両端部の対向間隔を上記第1の実施形態の遮光部材22の短手方向の幅寸法と一致させれば、開口部31aの形状は、上記第1の実施形態の開口部21aと遮光部材22とが重なって形成されるC字状の形状と同一になる。
移動操作部33の周方向の固定位置は特に限定されないが、本実施形態では、開口部31aの対称軸と重なる位置になっている。このため、移動操作部33の周方向の位置は、遮光部31bの中心位置に対応している。
移動操作部33は、上記第1の実施形態の移動操作部24と同様に、絞り部材31の外周側に配置された一対の位置保持部材25によって、回転移動可能、かつ回転停止時の位置の保持が可能となるように係止されている。
このため、移動操作部24に代えて、移動操作部33を操作する点を除いては、上記第1の実施形態と同様にして、被測定試料7の被測定面7aの相対分光反射率測定を行うことができる。
この測定では、移動操作部33による回転操作によって、裏面反射して入射開口絞り10aの開口部10bに到達する測定光束の一部を遮光することができる。
このため、被測定試料7の被測定面7aに対して裏面7bが傾斜している場合でも、裏面反射の影響を低減して測定精度を向上することができる。
次に、本発明の第3の実施形態の測光装置について説明する。
図8(a)は、本発明の第3の実施形態の測光装置の主要部の構成を示す図1におけるA視図である。図8(b)は、図8(a)におけるD−D断面図である。図8(c)は、本発明の第3の実施形態の測光装置の主要部の動作説明図である。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
遮光板41A、41B、41C、41Dの外形は、輪帯開口絞り21の開口部21aを径方向外側から、例えば、約1/3程度覆うことができる大きさの矩形状とされ、遮光板保持部材43によって互いに直交する2軸方向に、それぞれ対をなして配置されている。本実施形態では、遮光板41A、41Cが図8(a)の図示横方向に互いに対向して配置され、遮光板41B、41Dが図8(a)の図示縦方向に互いに対向して配置されている。
遮光板41A、41B、41C、41Dには、進退量を操作するためのそれぞれの退避方向側の端部に、棒状の移動操作部42が固定されている。
以下、各遮光板の位置を問題にしない場合には、簡単のため、添字を省略して、遮光板41A、41B、41C、41Dをいずれも遮光板41と称する場合がある。また、遮光板41A、41B、41C、41Dを総称する場合、各遮光板41と称する場合がある。
各平面部43aは、各遮光板41を移動可能に保持する摺動面を構成するもので、延在方向の両側部に遮光板41の側面を遮光板41の進退方向に沿って案内するガイド面43bが立設されている。
また、各平面部43aの延在方向の端部には、各平面部43a上に配置された各遮光板41の進退方向に沿って移動操作部42を移動可能に保持する進退ガイド部43cが設けられている。
遮光板41が進出すると、開口部43dから中心側に突出して、輪帯開口絞り21の開口部21aの一部を覆うことができる。本実施形態では、例えば、図8(a)に示すように、遮光板41Aを最大限進出させると、開口部21aの径方向において、例えば、約1/3が覆われるようになっている。
遮光板41を後退させると、輪帯開口絞り21の開口部21aの外周側の位置に退避して、開口部21aと重ならないようにすることが可能である。
移動操作部42の操作量は、無段階で可変できるため、遮光板41Aが開口部21aを覆う範囲は、移動操作部42の進出量に応じて変化させることができる。
図9(a)、(b)は、本発明の第3の実施形態の測光装置の光束整形部の遮光前、および遮光後の観察部による観察像の一例を示す模式図である。
上記第1の実施形態との違いは、光束整形部20と光束整形部40との構成の相違であるため、この点に関係する分光反射率測定前の動作を中心に説明する。
このため、観察光学系14で観察される観察像は、例えば、図9(a)に示すように、測定光束L6に対応するスポット状の光像S6と、裏面反射による測定光束L16’に対応する輪帯状の偏心した光像S16’とである。
測定者は、参照線14c内に入る光像S16’の位置を見て、この位置に輪帯欠損部Dを形成できる遮光板41を適宜進出させる。
これにより、遮光板41が開口部21aに重なっていくにつれて、上記第1の実施形態と同様に、測定光束L1に輪帯欠損部D(図9(a)には図示略)が形成されていく。ただし、輪帯欠損部Dの形状は、遮光板41の重なり方に応じて形成され、図2(c)に示す形状とは異なる。
測定者は、図9(b)に示すように、輪帯欠損部d’’が参照線14cを覆うことにより、光像S16’’が参照線14cの外側に位置することを確認できたら、遮光板41の進出を停止する。
これにより、裏面7bの反射光束による開口部10bへの入射光束が消失するため、分光反射率の測定を開始することができる。
このとき、各遮光板41の位置は、被測定試料7の測定時の位置から変更しないようにする。これにより、被測定面7aの測定時と、基準測定面70aの測定時の測定光束L1の光量を合わせることができる。
このため、上記第1の実施形態と略同様にして、被測定試料7の被測定面7aの相対分光反射率測定を行うことができる。
この測定では、開口部21aの外周に配置された複数の遮光板41を、移動操作部42の操作により選択的に進退させることによって、裏面反射して入射開口絞り10aの開口部10bに到達する測定光束の一部を遮光することができる。
このため、被測定試料7の被測定面7aに対して裏面7bが傾斜している場合でも、裏面反射の影響を低減して測定精度を向上することができる。
また、本実施形態では、遮光板41による遮光量を、開口部10bへの入射光束の発生状態に合わせて設定することができるため、入射光束の発生が少ない場合には、測定光束の光量を低減しなくて済むため、一律に遮光する場合に比べると測定のS/N比を向上することが可能である。
また、例えば、各遮光板41を互いに独立に進退できるように保持することも可能である。この場合、2枚以上の遮光板41によって、より広い範囲を覆うことができるため、開口部10b上で、裏面反射光が種々の位置に現れる場合でも、より確実に開口部10bへの入射を防止することができる。
例えば、1枚の遮光板を用いる例としては、内径が開口部21aの外径よりも大きい円環状の遮光板を、開口部21aの中心に向かう任意方向に進退させる構成の例などを挙げることができる。
2 照明レンズ
4 コリメータレンズ
5 ハーフミラー
6 対物レンズ(第1の集光光学系)
7 被測定試料
7a 被測定面
7b、7b’、70b 裏面
8 結像レンズ
9 結像光学系(第2の集光光学系)
10 分光器(測光部)
10a 入射開口絞り(開口絞り)
10b 開口部(開口)
14 観察光学系(観察部)
14c 参照線
16 測定制御部
20、30、40 光束整形部
21 輪帯開口絞り
21a 開口部(輪帯状の開口)
22 遮光部材
24、42 移動操作部(遮光位置変更部、遮光部材移動部)
31 絞り部材
31a 開口部(輪帯状パターンの周方向の一部に遮光領域が形成された開口形状)
31b 遮光部(遮光領域)
33 移動操作部(遮光位置変更部)
41、41A、41B、41C、41D 遮光板(遮光部材)
50、51、52 測光装置
70 基準被測定試料(被測定試料)
70a 基準測定面(被測定面)
D、d、d’’ 輪帯欠損部
F 入射光束
I0、I1 像面
L0、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L15、L15’、L16、L16’ 測定光束
O 測定基準軸
Claims (4)
- 光源と、
該光源から出射される光束を、その光軸に直交する断面において輪帯状パターンの周方向の一部に輪帯欠損部が形成された断面形状を有する測定光束に整形可能な光束整形部と、
前記輪帯欠損部の形成位置を変更する遮光位置変更部と、
前記測定光束を被測定試料の被測定面上に集光する第1の集光光学系と、
前記測定光束のうち、前記被測定試料によって反射された反射光束を集光する第2の集光光学系と、
該第2の集光光学系を挟んで、前記被測定面と光学的に共役な位置関係に配置された開口絞りと、
該開口絞りを通過した光束を測光する測光部と、
前記第2の集光光学系によって、前記被測定面と光学的に共役とされた像面における前記第2の集光光学系による投影像が観察可能な観察部と、
を備える、測光装置。 - 前記光束整形部は、
輪帯状の開口が形成された輪帯開口絞りと、
前記開口に対して移動可能に設けられ、前記輪帯開口絞りの前記開口の一部を遮光して前記測定光束の前記輪帯欠損部を形成する遮光部材と
を備え、
前記遮光位置変更部は、
前記遮光部材を、前記輪帯開口絞りの前記開口に対して移動可能に保持する遮光部材移動部を備える
ことを特徴とする、請求項1に記載の測光装置。 - 前記遮光部材移動部は、
前記遮光部材を、前記開口の周方向に沿って回転移動させる
ことを特徴とする、請求項2に記載の測光装置。 - 前記光束整形部は、
輪帯状パターンの周方向の一部に遮光領域が形成された開口形状を有する絞り部材を備え、
前記遮光位置変更部は、
前記絞り部材を前記輪帯状パターンの周方向に回転移動する
ことを特徴とする、請求項1に記載の測光装置。
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