JP4784874B2 - 改良耐熱性エンドグルカネース及びその遺伝子 - Google Patents

改良耐熱性エンドグルカネース及びその遺伝子 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースのβ-1,4-グルコシド結合を加水分解する耐熱性エンドグルカネ
ース、及びその製造方法に関する。
セルロースは、D-グルコースがβ-1,4-結合により直鎖状に結合したホモ多糖類であり
、自然界に最も多く存在するバイオマスである。セルロースは、結晶状又は非結晶状で、リグニン、ヘミセルロース類、ペクチン類などと複雑に結合して植物組織を構成している。
セルラーゼは、セルロースをセロオリゴ糖、セロビオース、最終的にはグルコースにまで分解する酵素反応系を触媒する酵素群の総称である。セルラーゼは、真菌、アクチノマイセス類、粘液細菌、真の細菌を含む広範な微生物や植物により生産される。例えば糸状菌アクレオニウム・セルロティカス(Acreonium cellulolyticus)が生産するセルラーゼは、糖化力が強いことが特徴であり、サイレージ調製のための添加剤としての有用性が報告されている(特開平4-117244、特開平7-236431)。この他にも、多様な基質特異性のセルラーゼが同定されてきている。
セルラーゼの工業的に重要な用途としては、洗剤組成物又は布帛柔軟化組成物中の成分としての用途、セルロース繊維又は布帛の処理剤としての用途、新しい布帛のバイオポリッシング剤(酵素による仕上げ加工剤)としての用途、セルロース含有布帛、特にデニムのいわゆるストーンウォッシュド外観のための処理剤としての用途などが挙げられる。この他、紙パルプの処理、廃水処理、リサイクル紙の脱インクなどにも使用できる。
セルラーゼは、その作用形式により、エンドグルカネース、エキソグルカナーゼ、β-
グルコシダーゼに大別される。
中でもエンドグルカネース(エンドβ-1,4-グルカネース(EC3.2.1.4))は、生理的条件下でセルロースの構成成分であるD-グルコース同士のβ-1,4-グルコシド結合を加水分
解することから、セルロースの加水分解処理に有効な酵素である。本エンドグルカネースは、セルロースのみならず、通常、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース誘導体、リグニン、穀物のβ-D-グルカンのような混合β-1,3-グルカン、キシログルカン及びセルロース部分を含有する他の植物材料などのβ-1,4-結
合のエンド型での加水分解を触媒する反応を触媒するとされている。
ここで、エンドグルカネースを用いた植物試料又は繊維製品などの処理は高温中で行う方が加水分解効率が高い。また、エンドグルカネースを洗剤組成物に添加する場合は、高温で洗浄する方が洗浄効率が高い。従って、高温下でも失活しないエンドグルカネースが求められる。
さらに、高温下で失活しないエンドグルカネースであれば、高温下でセルロースを加水分解処理することができ、それにより夾雑酵素及び微生物類を失活させることができるため、目的産物を高純度で得ることができる。また、エンドグルカネース自体の精製時にエンドグルカネース含有試料を熱処理することができ、それにより夾雑タンパク質を失活させて、酵素サンプルのエンドグルカネース純度を著しく高めることができる。
しかし、本酵素を大腸菌およびその他の宿主で発現生産する場合、大量に分泌生産させ
ることが難しく、また夾雑タンパク質が同時に生産されるという難点がある。
本発明は、高温下でセルロースを分解する活性を示すエンドグルカネースであって、夾雑タンパク質の同時生産を抑えつつ大量に分泌生産させることができる酵素、及び、夾雑タンパク質の同時生産を抑えつつ耐熱性エンドグルカネースを大量に分泌生産させることができる耐熱性エンドグルカネースの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) 好熱性古細菌パイロコッカスホリコシ(Pyrococcus horikoshii)由来のエンドグルカネース(アミノ酸数431個)について、そのカルボキシル末端(以下、「C末端」という)側から43個のアミノ酸を削除したポリペプチドは、外来タンパク質として大腸菌およびその他の宿主(枯草菌、バチラスブレビス等)を使用して生産させた場合、改変前のエンドグルカネースに較べて、活性を示す形態での発現量が向上する。
(ii) 上記のC末端から43個のアミノ酸を除去したポリペプチドのシステイン残基をアラ
ニン残基に変換したものは、外来タンパク質として大腸菌およびその他の宿主(枯草菌、バチラスブレビス、酵母等)を使用して生産させた場合、S−S結合の形成が不必要であるために蛋白質の折り畳み効率が向上し、分泌生産し易くなり、その結果分泌生産量が向上する。なお、システイン残基の置換により、酵素の耐熱性及び分子活性は若干低下するが、実用上十分な耐熱性及び分子活性を有している。
(iii) パイロコッカスホリコシ由来の耐熱性エンドグルカネースの遺伝子配列中に存在
するリボソーム結合配列(以下、「SD配列」という)を、それがコードするポリペプチド
のアミノ酸配列を変化させることなく除去して、リボゾームとの結合能を消滅させることにより、この遺伝子の発現に際して異種タンパク質が同時に生産されるのが回避される。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の改良耐熱性エンドグルカネース及びその製造方法などを提供する。
項1 パイロコッカスホリコシ(Pyrococcus horikoshii)由来の耐熱性エンドグルカネースの全領域又は耐熱性エンドグルカネース活性を示す一部の活性領域をコードするポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドがコードするポリペプチドのアミノ酸配列を変化させることなく、ポリヌクレオチドに含まれるリボソーム結合配列を除去したポリヌクレオチドを用いて、エンドグルカネースを製造する方法。
項2 ポリヌクレオチドが以下の(1)又は(2)である項1に記載の方法。
(1) 配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(2) 配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズし、配列番号3の塩基番号731〜748に対応する部分にSD配列が含まれず、かつ耐熱性エンドグルカネース活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
本発明によれば、高温下で活性を示すエンドグルカネースであって、効率的に生産できるもの、及びこのような耐熱性エンドグルカネースの効率的な製造方法が提供された。本発明の改良耐熱性エンドグルカネースは、活性及び耐熱性がほぼ維持されたままで、効率的に製造できるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)ジスルフィド(s−s)結合欠失耐熱性エンドグルカネース
本発明のジスルフィド結合を欠失させた耐熱性エンドグルカネースは、天然型耐熱性エンドグルカネースの全領域又は耐熱性エンドグルカネース活性を示す一部の領域のシステイン残基の1又は2以上が他のアミノ酸に置換された酵素である。
耐熱性エンドグルカネース活性を示す天然型ポリペプチドに存在するジスルフィド結合を消去することにより蛋白質の折り畳み効率を向上させ、酵素活性及び耐熱性を維持したままで、その生産量を向上させることができる。即ち、このように改良されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを大腸菌のような宿主に導入して外来遺伝子として発現させる場合に、分泌生産量が向上する。
本来、ジスルフィド結合は酵素の耐熱性に寄与するファクターであることから、一般にジスルフィド結合を除去すると酵素の耐熱性は低下する。しかし、天然型耐熱性エンドグルカネースは極めて高い耐熱性を有することから、ジスルフィド結合の除去によるわずかな耐熱性の低下は、実用上問題を生じない。
耐熱性エンドグルカネース活性を示すポリペプチドに含まれるシステイン残基の置換数は、特に限定されず、天然型酵素に存在するシステイン残基の一部を置換してもよく、又は全部を置換してもよい。また、システイン残基を奇数個置換してもよく、偶数個置換してもよい。ジスルフィド結合は、1個のシステイン残基を置換するだけでも除去することができる。
パイロコッカスホリコシ(Pyrococcus horikoshii)由来の耐熱性エンドグルカネース
には、2個のジスルフィド結合が存在する。この場合、4個のシステイン残基のうち好ましくは2個、より好ましくは4個を置換すればよい。
置換される他のアミノ酸の種類は特に限定されないが、システイン残基と嵩、電荷、極性などの点で構造が類似しているアミノ酸が好ましく、このような構造類似のアミノ酸としてアラニン残基、セリン残基及びグリシン残基が挙げられる。特に、アミノ酸置換による構造変化を抑えるためには、アラニン残基が好ましい。
この改良型エンドグルカネースは耐熱性を有し、85℃で0.5時間の熱処理によっても実
質的に活性が低下しない。
また、SDS-PAGEで測定した分子量が43キロダルトン程度であり、至適温度が80℃以上、好ましくは85℃程度であり、かつ、至適pHが5.4〜6程度であるエンドグルカネースがよ
り好ましい。
天然型耐熱性エンドグルカネースの全部又は一部
天然型耐熱性エンドグルカネースは、セルロースを構成するD-グルコース間のβ-1,4-
結合の加水分解による開裂を触媒できる酵素である。そのようなエンドグルカネースのEC番号は3.2.1.4である。
このエンドグルカネースは耐熱性酵素である。このような耐熱性エンドグルカネースとしては、それには限定されないが、例えばパイロコッカス属、アエロパイラム属、スフォロバス属、サーモプラズマ属、サーモプロテウス属、バチルス属、シネココッカス属、サーマス属等の好熱性菌に由来するものが挙げられる。
超好熱性微生物である点で、特に古細菌、中でもパイロコッカス属由来のエンドグルカネースが好ましい。最も好ましいのは、結晶性のセルロースを分解できるパイロコッカスホリコシ由来のエンドグルカネースである。
天然型耐熱性エンドグルカネースは、耐熱性が高いものほどよいが、例えば85℃、特に90℃、さらに特に97℃で3時間の熱処理により実質的に活性が低下しないエンドグルカネースが好ましい。本発明において、「実質的に活性が低下しない」とは85%以上の活性が残存することをいう。
外来タンパク質の大量発現を行う場合、その外来タンパク質が複雑に絡み合った活性のないインクルージョンボディと呼ばれる顆粒として菌体内に蓄積し易い。ここで、好熱性エンドグルカネースの通常C末端付近には、膜結合に寄与すると思われる領域が存在する
が、この膜結合領域の全部又は一部を削除することにより、インクルージョンボディになり難くなり、すなわち活性を示す形態での発現量が著しく向上する。
また、エンドグルカネースの一部を削除する場合は、全長エンドグルカネースの活性の80%以上、特に90%以上の活性を有する程度に削除することが好ましい。具体的には、耐熱性エンドグルカネースの活性領域は、全アミノ酸数の1〜20%、特に5〜15%程度、さらに特に7〜13%程度のアミノ酸を特にそのC末端側から削除して得られる領域であることが好ましい。削除するアミノ酸数が多すぎるとエンドグルカネース活性が低下し、少なすぎると発現量向上効果が見られないが、上記範囲であればこのような問題は生じない。
例えばパイロコッカスホリコシ由来のエンドグルカネースは、配列番号4に示すアミノ酸431個の酵素であるが、融合エンドグルカネースに使用する活性領域は、この酵素のC末端から4〜86個程度、特に21〜65個程度のアミノ酸残基を削除した領域であることが好ま
しい。
また、削除することで発現量増大効果があるアミノ酸種としては、プロリン、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニンなどが挙げられる。これらのアミノ酸がC末端側に多く存在する場合、これらのアミノ酸を削除
することにより発現量が効果的に増大する。特にロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、プロリンを削除することによる効果が大きい。
また、天然型の耐熱性エンドグルカネースのN末端に存在するシグナルペプチドを削除
したものを用いることが好ましく、これにより宿主による生産を効率的に行うことができる。
本発明におけるエンドグルカネース活性は、以下の方法により測定した値である。
<エンドグルカネース活性測定法>
本発明において、エンドグルカネース活性は、結晶性セルロースを基質としたソモジーネルソン法(Hiromi, K., Takahashi, Y. and Ono, S. Bull. Chem. Soc. Jpn. (1963)
36: 563-569)により加水分解後に生じる還元末端を定量することにより求めた値であ
る。
具体的には以下の方法により求めた値である。100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.6)を用いて基質として結晶性セルロース(アビセル;旭化成社製)の0.5重量%溶液を調整
する。この基質溶液の1mlにエンドグルカネースを10〜100μl添加し、85℃で加水分解反応を行い、加水分解により得られる糖鎖の還元性末端を定量することによりエンドグルカネース活性の初速度を求める。酵素活性は、1分子の酵素が、何回基質分子に作用したかを示す分子活性として表す。
アミノ酸配列
本発明のジスルフィド結合を消去した改良耐熱性エンドグルカネースの1例としては、以下の(3)又は(4)のポリペプチドが挙げられる。
(3) 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。
(4) 配列番号2において1又は2以上のアミノ酸残基が欠失、付加又は置換されたアミ
ノ酸配列からなり、かつ、エンドグルカネース活性を有するポリペプチド。
(4)のポリペプチドは、(3)のポリペプチドにおいて、1〜100個程度、特に1〜50個程
度のアミノ酸が欠失、付加又は置換されたものであることが好ましい。
具体的には、例えばアミノ酸の置換の場合は、タンパク質の構造保持の観点から、極性、電荷、可溶性、親水性/疎水性の点で、置換前のアミノ酸と類似した性質を有するアミノ酸に置換することができる。例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンは非極性アミノ酸に分類され;セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミンは極性アミノ酸に分類され;フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンは芳香族アミノ酸に分類され;アスパラギン酸、グルタミン酸は酸性アミノ酸に分類される。従って、同じ群のアミノ酸から選択して置換することができる。
また、アミノ酸の置換により側鎖が小さくなる場合は、ポリペプチドのホールディングが変化し難く、それにより活性が変化し難いため、置換を行う場合はこのような置換であることが好ましい。
(3)の配列番号2に示されるポリペプチドは、パイロコッカスホリコシ由来の耐熱性エ
ンドグルカネースをコードするポリヌクレオチド(配列番号4)の5'末端からシグナル配列(塩基番号1〜84)を削除し、これに代えて開始コドンATGを付加し、システイン残基
をコードする4個のコドンをアラニン残基をコードするコドンに置換し、さらにC末端か
ら43塩基を削除することにより得たものである。
また、(4)の変異したポリペプチドは、(3)のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対してエキソヌクレアーゼを用いたヌクレオチド欠失導入、リンカー導入、位置指定突然変異導入、変異プライマーを用いたPCR等の方法により変異を導入し、その変異体の
コードするタンパク質を大腸菌の発現系を使用することにより得られる。遺伝子配列
本発明のジスルフィド結合を消去したエンドグルカネース遺伝子の1例としては、以下の(1)又は(2)のポリヌクレオチドが挙げられる。
(1) 配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(2) 配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズし、かつ耐熱性エンドグルカネース活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(2)のポリヌクレオチドは、(1)のポリヌクレオチドについて、全塩基数の30%以内、特に15%以内の範囲で、ヌクレオチドの欠失、付加又は置換を行ったものであることが好ましい。
本発明のポリヌクレオチドには、特に言及しない限り、その塩基配列を有するポリヌクレオチドの他に、それに相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドも含まれる。また、
DNA及びRNAの双方が含まれる。また1本鎖及び2本鎖の双方が含まれ、2本鎖ポリヌク
レオチドにはDNA・RNAハイブリッドも含まれる。さらに、本発明の目的を達成できる範囲であれば、修飾されたDNA(例えばホスホロチオエートDNA、H-ホスホネートDNA)及び修
飾されたRNAも含まれる。
本発明において、ストリンジェントな条件としては、例えば、1×SSC(standard saline citrate;1×SSC=0.15M NaCl,0.015M sodium cirate)
中65℃一夜の条件下、又はホルムアミドを含む4×SSC中37℃一夜の条件下においてハイ
ブリダイズし、2×SSC中55℃での30分間の洗浄によりそのDNAから脱離しない条件が挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドは、例えば上記説明した方法により製造できる。
(II)SD配列消去耐熱性エンドグルカネース遺伝子
本発明のSD配列を消去した耐熱性エンドグルカナーゼをコードするポリヌクレオチドは、耐熱性エンドグルカネースの全領域又は耐熱性エンドグルカネース活性を示す一部の活性領域をコードするポリヌクレオチドにおいて、このポリヌクレオチドがコードするアミノ酸を変化させることなくポリヌクレオチドに含まれるSD配列を消去したポリヌクレオチドである。
天然型耐熱性エンドグルカネースは、それをコードするポリヌクレオチドを適当な宿主に導入して外来タンパク質として発現させる場合に、この耐熱性エンドグルカネース以外の機能不明の夾雑タンパク質が同時に生産されてしまう。SD配列を消去することにより、このような夾雑タンパク質の同時生産が抑えられて、目的とする耐熱性エンドグルカネースを効率よく生産することができる。
アミノ酸配列を変更することなくSD配列を消去するには、通常4〜10個の塩基で構成されているSD配列のうち4〜6個程度を、コドンが指定するアミノ酸を変更しないような異種塩基に変更すればよい。
天然型耐熱性エンドグルカネースがパイロコッカスホリコシ由来の天然型耐熱性エンドグルカネースである場合は、遺伝子操作により、その構造遺伝子中の塩基配列GGAGGAをGGTGGTに変換することにより、アミノ酸配列を変化させることなく、SD配列を消去できる。
即ち、本発明のSD配列消去エンドグルカネースをコードするポリヌクレオチドの1例としては、以下の(5)又は(6)のポリヌクレオチドが挙げられる。(5)のポリヌクレオチドは
、パイロコッカスホリコシ由来の天然型耐熱性エンドグルカネース遺伝子を改変したものである。
(5) 配列番号3に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(6) 配列番号3に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、配列番号3の塩基番号731〜748に対応する部分にSD配列が含まれず、かつエンドグルカネース活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(6)のポリヌクレオチドは(5)のポリヌクレオチドについて、全塩基数の30%以内、特に1
5%以内の範囲で、ヌクレオチドの欠失、付加又は置換を行ったものであることが好まし
い。
天然型耐熱性エンドグルカネース及びその一部の活性領域については、前述した通りである。
(III)ベクター
本発明のベクターは、上記(3)若しくは(4)のポリヌクレオチド(ここではDNA)、又は
上記(5)若しくは(6)のポリヌクレオチド(ここではDNA)が挿入された組み換えベクター
である。ベクターとしては公知の細菌用、酵母用、動物細胞用等のものを広く使用できる。公知のベクターとしては、大腸菌ベクターのpBR322、pUC19、pKK233-2など、バチルス
用ベクターとしてはpUB110、pC197、pE194、pTHT15、pBD16など、酵母用ベクターとして
はYip5、Yrp17、Yep24など、動物細胞用としてはpUC18、pUC19、M13mp18などが挙げられ
る。
(IV)形質転換体
本発明の形質転換体は、本発明の組み換えベクターを保持する形質転換体である。宿主は、ベクターに適したものを使用すればよい。目的タンパク質の生産量が多い点で、バチルス属細菌(例えばバチルスズブティリス、バチルスブレビス)、酵母、カビなどが好ましい。形質転換方法は当業者に周知である。
(V)改良耐熱性エンドグルカネースの製造方法
本発明の改良耐熱性エンドグルカネースの製造方法は、上記本発明の形質転換体を培養し、培養物から改良耐熱性エンドグルカネースを回収する方法である。
培養条件(培地、温度、時間)は特に限定されず、宿主に適した条件とすればよい。改良耐熱性エンドグルカネースは、宿主内に蓄積される場合は形質転換体の培養液から菌体を集め、菌体破砕液から回収すればよい。また、宿主により培養液中に分泌される場合は、培養液を回収すればよい。さらに、精製する場合は、ゲルろ過、イオン交換、アフィニティなどの各種クロマトグラフィーにより精製すればよい。
以下、本発明を実施例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
菌の培養
パイロコッカスホリコシJCM9974及びパイロコッカスフリオーサスJCM8422を、次の方法で培養した。
13.5gの食塩、4gのNa2SO4、0.7gのKCl、0.2gのNaHCO3、0.1gのKBr、30mgのH3BO3、10gのMgCl2・6H2O、1.5gのCaCl2、25mgのSrCl2、1.0mlのレザスリン溶液(0.2g/L)、1.0gの酵母エキス、5gのバクトペプトンを1リットルに溶かし、この溶液のpHを6.8に調整し加圧殺菌した。
次いで、乾熱滅菌した元素硫黄を0.2%となるように加え、この培地をアルゴンで飽和
して嫌気性とした後、JCM9974およびJCM8422をそれぞれ植菌した。培地が嫌気性となったか否かはNa2S溶液を加えて、培養液中でNa2Sによるレザスリン溶液のピンク色が着色しないことにより確認した。この培養液を95℃で2〜4日培養した。
染色体DNAの調整
JCM9974及びJCM8422の染色体DNAを以下の方法により調製した。
培養終了後5000rpm、10分間の遠心分離により菌体を集菌した。菌体を10mM Tris(pH 7.5)-1mM EDTA溶液で2回洗浄後InCert Agarose(FMC社製)ブロック中に封入した。このブロックを1%N-lauroylsarcosine-1mg/mlプロテアーゼK溶液中で処理することにより、染色体DNAはAgaroseブロック中に分離調製された。
染色体DNAを含むライブラリークローンの作製
実施例2で得られた染色体DNAを制限酵素HindIIIにより部分分解後アガロースゲル電気
泳動により約40kb長の断片を調製した。このDNA断片と制限酵素HindIIによって完全分解
したBACベクターpBAC108L及びpFOS1とをそれぞれT4リガーゼを用いて結合させた。
前者のベクターを用いた場合には結合終了後のDNAをただちに大腸菌内へ電気孔窄法に
より導入した。後者のベクターpFOS1を用いた場合には結合終了後のDNAをGIGA Pack Gold
(ストラタジーン社製)により試験管内でλファージ粒子内に詰め込み、この粒子を大腸菌に感染させることによりDNAを大腸菌内に導入した
これらの方法により得られた抗生物質クロラムフェニコール耐性の大腸菌集団をBAC及
びFosmidライブラリーとした。ライブラリーからJCM9974及びJCM8422の染色体をカバーするのに適したクローンをそれぞれ選択して、クローンの整列化を行った。
エンドグルカネース遺伝子の同定
実施例3で決定されたBACクローン及びFosmidクローンの各塩基配列について、大型計
算機による解析を行い、パイロコッカスホリコシJCM9974の染色体DNAからエンドグルカネースをコードする遺伝子が同定された。
ジスルフィド結合消去耐熱性エンドグルカネース遺伝子およびその発現プラスミドの構築
天然型エンドグルカネース構造遺伝子領域の第162番目のシステイン残基をアラニン残
基に変換する目的でDNAプライマー5'-GGAATTCCATATGGAAAATACAACATATCAAACACC-3'(配列
番号5)及び5'-TGGTTTTACAGACTCAGTAGCGAAAGGAAGTCTTATTGC-3'(配列番号6)を合成し、
PCRでその遺伝子のアミノ酸残基の第85〜168番目に相当する領域の断片を第162番目のシステイン残基がアラニン残基に変換した形で増幅した。
次に、エンドグルカネース構造遺伝子領域の第162番目及び第215番目のシステイン残基をアラニン残基に変換する目的でDNAプライマー5'-GCAATAAGACTTCCTTTCGCTACTGAGTCTGTAA
AACCA -3'(配列番号7)及び5'-GAGGGGTTCTATGTGAGTGGCTCCTATCCTATGATAGTC -3'(配列番号8)を合成し、PCRでその遺伝子のアミノ酸残基の第156〜221番目に相当する領域の断片を第162番目及び第215番目のシステイン残基がアラニン残基に変換した形で増幅した。
同様にエンドグルカネース構造遺伝子領域の第215番目及び第428番目のシステイン残基をアラニン残基に変換する目的でDNAプライマー5'-GACTATCATAGGATAGGAGCCACTCACATAGAACCCCTC-3'(配列番号9)及び5'-CCAGCTCCAGTAAAAGAAATCAGCAAATTTATTCTCTATCATCC-3'(配列番号10)を合成し、PCRでその遺伝子のアミノ酸残基の第209〜435番目に相当する領域の断片を第215番目及び第428番目のシステイン残基がアラニン残基に変換した形で増幅した。
最後にエンドグルカネース構造遺伝子領域の第428番目及び第468番目のシステイン残基をアラニン残基に変換する目的でDNAプライマー5'-GGATGATAGAGAATAAATTTGCTGATTTCTTTTACTGGAGCTGG-3'(配列番号11)及び5'-GTAGGGATCCGTACTTCAAGAACTTTTGGAAGCACTATCCATCAATCTCTTCAG-3'(配列番号12)を合成し、PCRでその遺伝子のアミノ酸残基の第422〜472
番目に相当する領域の断片を第428番目及び第468番目のシステイン残基がアラニン残基に変換した形で増幅した。
それら構造遺伝子の断片を精製した後、各断片が等molになるように混合したものを鋳
型として、エンドグルカネース構造遺伝子を再構築する為にDNAプライマー5'-GGAATTCCATATGGAAAATACAACATATCAAACACC-3'(配列番号8)及び5'-GTAGGGATCCGTACTTCAAGAACTTTTGGAAGCACTATCCATCAATCTCTTCAG-3'(配列番号12)を用いてPCRを行い、4箇所のシステイン残基がアラニン残基に変換したエンドグルカネース構造遺伝子を得た。その遺伝子の前後
には制限酵素のNdeIサイト及びBamHIサイトが導入してありPCR反応後、制限酵素Nde I及びBamHIで37℃で2時間消化処理することにより、完全分解し、その構造遺伝子を精製した。
プラスミドpET-21a(Novagen社製)を制限酵素NdeI及びBamHIで切断・精製した後、こ
れを上記のエンドグルカネース構造遺伝子と、T4リガーゼで16℃、2時間反応させる
ことにより連結した。連結したDNAの一部をE. coli-JM109のコンピテントセルに導入
し形質転換体のコロニーを得た。得られたコロニーから発現プラスミドをアルカリ法で精製し、プラスミドpET-EG(delSS)を得た。
SD配列消去耐熱性エンドグルカネース遺伝子およびその発現プラスミドの構築天然型エンドグルカネース構造遺伝子領域の前後に制限酵素(NdeI 及びBamHI)サイトを構築する目的でDNAプライマー5'-GGAATTCCATATGGAAAATACAACATATCAAACACC-3'(配列番号13)及び5'-CGGGATCCAGAACTTTTGGAACAACTATCCATC-3'(配列番号14)を合成した。さらに、エンドグルカネース構造遺伝子中の第822番目の塩基のA及び第825番目の塩基のAをそれぞれTに変換
しSD配列を消去する目的で、DNAプライマー5'-CGCTTGGTGGGGTGGTAATCTAATG-3'(配列番号15)及び5'-CATTAGATTACCACCCCACCAAGCG-3'(配列番号16)を合成した。
天然型エンドグルカネース遺伝子を鋳型として、配列番号13のプライマーと配列番号16のプライマーとの組み合わせでPCRを行うことにより、0.8kbpのDNA断片を調製した。また、配列番号15のプライマーと配列番号14のプライマーとの組み合わせでPCR反応を行うこ
とにより、0.4kbpのDNA断片を調製した。
このようにして得られた2種のDNA断片を適量混合したものを鋳型として、配列番号13
及び配列番号14のDNAプライマーを用いて再度PCR反応を行い、構造遺伝子内のSD配列を欠失させた改良エンドグルカネース遺伝子を作成した。得られた約1.2kbpのDNA断片を制限
酵素NdeI及びBamHIで完全消化し、同じく制限酵素NdeI及びBamHIで切断したプラスミドpET11aと、T4DNAリガーゼを用いて16℃、3時間処理することにより連結した。この溶液の
一部をE.coliJM109に導入し、形質転換体のコロニーを得た。得られたコロニーから発現
プラスミドをアルカリ法で精製した、プラスミドpET-EG(delDS)を得た。
組換え遺伝子の発現
大腸菌(E. coli Rosetta(DE3),Novagen社製)のコンピテントセルを融解して、ファルコンチューブに0.1mL移した。その中に実施例5で得られた発現プラスミド溶液0.005mLを加え氷中に30分間放置した後、42℃で30秒間処理することによりヒートショックを与え、さらにSOC medium 0.9mLを加え、37℃で1時間振とう培養した。このようにして得た
菌液をアンピシリン及びクロラムフェニコールを含むLB寒天プレートに適量塗布し、37℃で一晩培養し、形質転換体を得た。
この形質転換体をアンピシリン及びクロラムフェニコールを含むLB培地で600nmの吸収
が0.6に達するまで培養した後、IPTG(Isopropyl-b-D-thiogalactopyranoside)を加えさらに6時間培養した。培養後、7,000rpmで5分間遠心分離することにより集菌した。
エンドグルカネースの精製
公知の耐熱性エンドグルカネース精製方法と同様の手法で行なった。すなわち、集菌した菌体の10倍量の50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)を加え、超音波ホモモジナイザーで菌体を
破砕した後、75℃で30分間加熱した後、28000 ×gで20分間遠心分離し、その上清に2.5重量%になるようにストレプトマイシン硫酸塩を加え、1時間緩やかに撹拌した。これを28000×gで20分間遠心分離した後、上清に50重量%飽和になるように硫酸アンモニウムを添加し、1時間緩やかに撹拌した。
これをさらに28000×gで20分間遠心分離し、得られた沈殿を少量の50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)に溶解し、一晩、同緩衝液に対して透析した。透析後、上清をHiTrap Q(ファルマシア社製)カラムに吸着させ活性画分を得た。この活性画分をさらに、HiTrap Phenyl(ファルマシア社製)に吸着させることで、SDS-PAGEにより単一バンドを与える単一なタ
ンパク質を得た。
酵素の活性測定
(1)改良耐熱性エンドグルカネースの至適pHの検討
100mM酢酸ナトリウム緩衝液、100mMリン酸緩衝液及び100mMホウ酸を含む緩衝液
(pH4〜9)を用いて基質として結晶性セルロース(アビセル;旭化成社製)の2mM溶液
を調整した。この基質溶液の1mlに、実施例7において得られた改良エンドグルカネース
を10〜100μl添加し、85℃で加水分解反応を行い、ソモジーネルソン法で加水分解された糖鎖の還元性末端を定量することによりエンドグルカネース活性の初速度を測定して求めた。酵素活性は、1分子の酵素が、何回基質分子に作用したかを示す分子活性で表した。
結果を図1に示す。図1から明らかなように、pH5.6近傍で最大初速度が得られた。至
適pHは5.6である。
(2)ジスルフィド結合消去耐熱性エンドグルカネースと天然型耐熱性エンドグルカネー
スとの活性の比較
100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.6)を用いて基質として結晶性セルロース(アビセル;旭化成社製)の0.5重量%溶液を調整した。この基質溶液の1mlに、実施例7において得られた改良エンドグルカネース及び別途精製したパイロコッカスホリコシJCM9974由来
の天然型エンドグルカネースをそれぞれ10〜100μl添加し、85℃で加水分解反応を行い、ソモジーネルソン法で加水分解された糖鎖の還元性末端を定量してエンドグルカネース活性の初速度を測定することにより酵素活性を求めた。
この結果、分子活性は、天然型エンドグルカネースでは、0.184(s-1)であり、ジスルフィド結合消去耐熱性エンドグルカネースでは0.153(s-1)であった。ジスルフィド結合を消去することにより、85℃における分子活性はやや低下したが、実用上十分な分子活性を維持していた。
(3)耐熱性の検討
0.5% カルボキシメチルセルロースの0.1M酢酸緩衝液(pH5.6)溶液にジスルフィド結合消去耐熱性エンドグルカネース(実施例7で得られた酵素)を加え、それぞれ50℃、60℃
、85℃及び95℃で10分間反応させ、(2)と同様の方法で活性を測定した。
分子活性は、50℃で7.4(s-1)、60℃で11.8(s-1)、85℃で22.9(s-1)及び95℃で30.5(s-1)であった。分子活性は95℃が最も高く、天然型エンドグルカナーゼと同等の至適温
度を示した。
また、熱量計(Calorimetry Science Corp.,(USA);nanoDSCII)を用いて温度を定速で上昇させ蛋白質の変性吸収熱から酵素の変性温度を正確に測定した。天然型エンドグルカネースでは変性温度は96℃であったが、改良エンドグルカネースでは変性温度は89℃であった。
このように、改良エンドグルカネースは、至適温度は天然型と同等である。また、耐熱性は天然型に較べて若干低下しているが、実用上十分な耐熱性を示した。
また、実施例7で得られた改良耐熱性エンドグルカネースを85℃で0.5時間インキュベ
ートしたところ、熱処理前の分子活性の92%が維持された。測定誤差を考慮すると、85℃で0.5時間の熱処理により実質的に活性が低下していないことが分かる。
酵素の発現量の比較
天然型エンドグルカネース、ジスルフィド結合欠失エンドグルカネース、及びSD配列欠失エンドグルカネースを、それぞれ公知の手法で発現生産し精製した。
すなわち、天然型エンドグルカネース遺伝子、配列番号1の塩基番号1〜1164のジスルフィド結合欠失エンドグルカネース構造遺伝子、及び配列番号3のSD配列欠失エンドグルカネース遺伝子を、実施例5と同様の手法でプラスミドpET11aに挿入し、得られた組み換えベクターで、実施例6と同様にしてE.coli-JM109を形質転換し、形質転換体を得た。さらに、実施例7と同様にして、菌体破砕液の上清から各酵素を精製した。
前述したように、インクルージョンボディは菌体破砕液を遠心することにより沈殿となって除去されるが、活性を示す酵素は遠心上清に溶解した状態で残る。従って、菌体破砕液の上清の各酵素量を測定することにより、活性体の発現量を評価することができる。
この結果、培養した大腸菌培地の容量当たりの本酵素発現重量は、パイロコッカスホリコシJCM9974由来の天然型エンドグルカネース(C末端部分削除)の活性領域酵素では37.0mg/ml、ジスルフィド結合欠失エンドグルカネースは48.0mg/mlとなった。SD配列欠失エンドグルカネースは、従来発現していた低分子性蛋白質の発現が消滅し、本酵素発現重量51.0mg/mlであった。
このことから、天然型エンドグルカネースのジスルフィド結合欠失およびSD配列欠失により、本酵素の発現量が向上したことが分かる。この発現量の増加は、酵素を菌体外に分泌生産する宿主(枯草菌、バチラスブレビス、酵母等)を使用することにより顕著になると思われる。
本発明の改良エンドグルカネースは、高いセルロース分解活性を有することから、洗剤組成物又は布帛柔軟化組成物中の成分、セルロース繊維又は布帛の処理剤、新しい布帛のバイオポリッシング剤、デニムなどのストーンウオッシュド外観のための処理剤、紙パルプの処理剤、廃水処理剤、リサイクル紙の脱インク剤などとして好適に使用できる。さらに本発明により、種々の宿主で耐熱性エンドグルカネースを効率よく生産することができる。
ジスルフィド結合欠失耐熱性エンドグルカネースの1例の至適pHを示すグラフである。

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  1. 配列番号3の塩基配列からなるポリヌクレオチドを用いて、エンドグルカネースを製造する方法。
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