JP4784404B2 - ロータリーダイ及びロータリーダイの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、このような切断方法によると、切刃による切断位置がわずかでもずれると、隣接する製品を切込んで製品不良が発生し、却って製造コストを押し上げるという問題があった。
しかし、この場合、ひとつの製品を切断する切刃と隣接する製品を切断する切刃は、ふたつの切刃が隣接して延設されることとなり、その結果、切刃の加工が非常に困難であり、ロータリーダイの製造コストが増大するという問題があった。
また、ロータリーダイの刃部に一部でも欠けが発生すると、切刃を再研磨、場合によってはロータリーダイ全体を交換したりしなければならず、生産全体への大きな影響が出るという問題があった。
このことは、切断に関わらず、エンボス加工や圧着加工等に関しても同様である。
請求項1に記載の発明は、軸線回りに回転される円柱状のダイの外周面に、前記外周面から隆起する刃部を備え、前記刃部と、前記刃部と対向する受部材との間で被加工物を挟み込んで前記被加工物を加工するロータリーダイであって、前記軸線に沿って延びる回転軸と、前記回転軸が挿入可能な孔を有して前記軸線方向に分割された複数のダイ構成体とを備え、前記刃部は、前記軸線方向に隣接する前記ダイ構成体の互いに対向する側端部の外周面に、それぞれ周方向に形成される2つの周方向刃体が隣接配置されることにより構成される周方向刃対を備えていることを特徴とする。
その結果、ロータリーダイの加工精度の向上や製造コスト削減が可能となる。
また、ダイ構成体に回転軸を挿入して固定した後に、軸方向刃対の谷部を構成する軸方向溝を形成するので、ロータリーダイが一体で製造される場合と同様の精度及び製造コストで軸方向刃対を加工することができる。
その結果、ロータリーダイの製造コストを低減することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るロータリーダイカッター1が、シート状の被加工物Sを所定の形状で切断する状態を示したものであり、符号2はロータリーダイを、符号3は切刃部(刃部)示している。
また、それぞれのダイ構成体21には、回転軸25が嵌挿される孔24が形成されている。
また、軸方向刃部36は、図2(c)に示すように、ダイ20の外周面2AにV字状に形成された2つの軸方向刃体36aが、周方向に隣接して軸線O1方向に延設されることにより形成される軸方向刃対36cを備えている。
ロータリーダイ2とアンビルロール4を、少なくとも一方の軸部25(45)が駆動部に接続された図示せぬ駆動装置の駆動によって、それぞれ軸線O1、O2回りに矢印R1、R2方向に回転させる。そして、回転するロータリーダイ2とアンビルロール4の間に、シート状の被加工物Sを送り込むことによって、ロータリーダイ2とアンビルロール4が回転するとともにこの間を被加工物Sが走行することとなり、切刃部3とアンビルロール4の外周面4Aとで被加工物Sが押圧されつつ挟み込まれて、切刃部3で所定形状の製品Wが切断される。
〔第1の製造工程〕
図3は、本実施形態のロータリーダイ2の第1の製造工程を示す図である。
ロータリーダイ2を構成する5つのダイ構成体21a、21b、21c、21d、21eに対応する第1工程のダイ構成体23a、23b、23c、23d、23eを成形する。
第1工程のダイ構成体23a、23b、23c、23d、23eは、ダイ20を軸線O1方向の所定位置で分割し、例えば、円環状の素材にそれぞれ回転軸25を挿入するための孔24を形成する。
また、第1工程のダイ構成体23a、23eには、ベアラ22a、22eを成形する。
このようにして形成された面取り35aは、軸線O1方向に隣接するダイ構成体21の互いに対向する側端部35の外周面2Aにそれぞれ周方向に形成される周方向刃体32aの対向する側の面を構成するとともに、2つのダイ構成体21bと21c、21cと21dが隣接配置されることにより周方向刃対32cの谷部を構成する周方向溝33となる。
次に、第1工程のダイ構成体23a、23b、23c、23d、23eを軸線O1方向に隣接配置させるとともに、孔24に回転軸25を挿入し、第1工程のダイ構成体23a、23b、23c、23d、23eを回転軸25に固定する。
図5は、第1工程のダイ構成体23に回転軸25が挿入された状態の第2の製造工程におけるロータリーダイ20Aを示す図である。
第1工程のダイ構成体23と回転軸25の固定方法については、例えば、キー又は位置決めピンで位置決めするとともにボルト等の固定部材で固定する。また、焼き嵌めや冷し嵌め等によって固定してもよい。
図6は、回転軸25が挿入された状態の第1工程のダイ構成体23に、軸方向刃部36を形成した第3の製造工程におけるロータリーダイ20Bを示す図である。
第2の製造工程におけるロータリーダイ20Aの外周面の軸線O1方向に、軸方向刃対36cの谷部を構成する軸方向溝37を所定の数だけ成形する。このようにして、ロータリーダイ2の軸方向刃対36cの谷部を構成する面を構成する軸方向溝37が形成される。
成形に際しては、研削、放電加工等の工法を用いることが可能である。
図7は、完成状態のロータリーダイ2を示す図である。
第3の製造工程におけるロータリーダイ20Bは、その後、周方向刃体32aと、軸方向刃体36aで区画され、切刃部3で切断しない製品に該当する部分に凹部39を形成する。
凹部39を形成することにより、周方向刃体32aと軸方向刃体36aの刃先が形成される。
凹部39の形成は、例えば、研削、放電加工等によって行ない、必要に応じて、表面処理を施す。
その結果、ロータリーダイ2の加工精度の向上や製造コスト削減が可能となる。
上記実施の形態においては、切刃部3が周方向刃部32及び軸方向刃部36をともに備え、全ての周方向刃部32が周方向刃対32cとされ、全ての軸方向刃部36が軸方向刃対36cとされる場合について説明したが、切刃部3として周方向刃部32のみを備えたスリッタタイプとして構成することも可能である。
また、ダイ構成体21の軸線O1方向の分割を、周方向刃対32cの谷部以外の部分で行なうことも可能である。
また、周方向刃部32が、ダイ構成体21の側端部35以外の部分に周方向刃部を備え、又は軸方向刃部36が軸方向刃対36cを構成しない単一の軸方向刃体36aを備えていても、本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
S 被加工物
1 ロータリーダイカッター
2 ロータリーダイ
2A 外周面
3 切刃部(刃部)
4 アンビルロール(受部材)
21、21a〜21e ダイ構成体
24、24a〜24e 孔
25 回転軸
32 周方向刃部
32a 周方向刃体
32c 周方向刃対
33 周方向溝
35 側端部
36 軸方向刃部
36a 軸方向刃体
36c 軸方向刃対
37 軸方向溝
Claims (4)
- 軸線回りに回転される円柱状のダイの外周面に、前記外周面から隆起する刃部を備え、
前記刃部と、前記刃部と対向する受部材との間で被加工物を挟み込んで前記被加工物を加工するロータリーダイであって、
前記軸線に沿って延びる回転軸と、
前記回転軸が挿入可能な孔を有して前記軸線方向に分割された複数のダイ構成体とを備え、
前記刃部は、前記軸線方向に隣接する前記ダイ構成体の互いに対向する側端部の外周面に、それぞれ周方向に形成される2つの周方向刃体が隣接配置されることにより構成される周方向刃対を備えていることを特徴とするロータリーダイ。 - 請求項1記載のロータリーダイであって、
前記刃部は、前記ダイ構成体において、前記周方向刃体と交差し、前記周方向に隣接して前記軸線方向に延設される2つの軸方向刃体から構成される軸方向刃対を備えていることを特徴とするロータリーダイ。 - 請求項1又は請求項2に記載のロータリーダイの製造方法であって、
前記複数のダイ構成体を前記軸線方向に分割した状態で、前記側端部に前記周方向刃対の谷部を構成する面を形成することを特徴とするロータリーダイの製造方法。 - 請求項3に記載のロータリーダイの製造方法であって、
前記側端部に前記周方向刃体の谷部を構成する面を形成した前記複数のダイ構成体に、前記回転軸を挿入して固定した後、これらダイ構成体の外周面に前記軸線方向に延びる軸方向溝を形成して、前記周方向刃体と交差し前記周方向に隣接して前記軸線方向に延設される2つの軸方向刃体から構成される軸方向刃対の間の谷部を構成する面を形成することを特徴とするロータリーダイの製造方法。
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JP2006159644A JP4784404B2 (ja) | 2006-06-08 | 2006-06-08 | ロータリーダイ及びロータリーダイの製造方法 |
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