JP4784197B2 - 固体電解質型燃料電池の燃料極材料用酸化ニッケル粉及び燃料極材料 - Google Patents

固体電解質型燃料電池の燃料極材料用酸化ニッケル粉及び燃料極材料 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質型燃料電池の燃料極材料用などに使用される酸化ニッケル粉及びその製造方法に関するものである。
一般に固体電解質型燃料電池は、多孔性のLaMnOなどからなる空気極、安定化ジルコニアなどの固体電解質、Ni−安定化ジルコニアなどからなる燃料極を順次積層した構造を有し、空気極側の空気中の酸素と燃料極側の水素との反応により起電力を生じるものであり、環境及びエネルギーの両面から新しい発電システムとして期待されている。
かかる固体電解質型燃料電池は、円筒タイプの場合、一般的には多孔質の支持管上に燃料極、固体電解質、空気極を形成する各スラリーを塗布し、焼成することによって製造される。また、平板タイプの場合、セルを支持する部分、一般的には固体電解質もしくは燃料極を押出成形により作製し、その上に他の構成部材のスラリーを塗布し、焼成することによって製造される。その際、製造工程を簡略化し且つ製造コストを低減するために、通常は各構成材料の少なくとも2つを同時に焼成する方法がとられている。しかしながら、この共焼成法においては、特に燃料極の構成材料が焼成時に加熱収縮しやすいため、他の構成材料との加熱収縮率の差から焼成時に燃料極の割れや剥離が生じたり、反りが発生したりしていた。
このような問題に対する解決策として、例えば、特開2001−185160号公報や特開2001−118589号公報には、固体電解質型燃料電池の厚みの調整や電極構造を工夫することで、焼成工程での収縮による割れ、剥離、反りなどを抑制する方法が開示されている。しかし、これらの方法では、燃料極の構成材料自体の加熱収縮は低減されていないうえ、原料の選択幅が狭くなることや、製品構成の自由度が制限されるという問題があった。
特開2001−185160号公報 特開2001−118589号公報
本発明は、このような従来の事情にかんがみ、固体電解質型燃料電池のセルを製造する際の焼成工程で発生していた燃料極の割れ、剥離、反りなどを抑制するため、燃料極の構成材料の中でも特に加熱収縮の大きい酸化ニッケルについて、その加熱収縮率を低減させた酸化ニッケル粉を提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、固体電解質型燃料電池の燃料極の構成成分として使用される酸化ニッケルについて、酸化クロムを含有させることにより高温で焼成したときの収縮率を低減できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明が提供する固体電解質型燃料電池の燃料極材料用酸化ニッケル粉は、酸化ニッケルに対し0.05〜5重量%の酸化クロムを含有することを特徴とする。また、この燃料極用酸化ニッケル粉は、加圧成形したペレットの1400℃における加熱収縮率が12%以下である。
本発明が提供する固体電解質型燃料電池における燃料極材料用酸化ニッケル粉の製造方法のひとつは、酸化ニッケル粉末に対し0.05〜5重量%の酸化クロム粉末を乾式混合するか、又はその乾式混合後更に酸化雰囲気中にて800〜1200℃で焼成することを特徴とするものである。
また、本発明が提供する固体電解質型燃料電池における燃料極材料用酸化ニッケル粉の他の製造方法は、水溶性ニッケル塩の溶液に酸化ニッケルに対する酸化クロム換算で0.05〜5重量%となるように水溶性クロム塩を溶解し、このニッケル塩溶液から水酸化ニッケルを晶析させた後、酸化雰囲気中にて800〜1200℃で焼成することを特徴とする。
本発明は、また、上記した本発明の燃料極材料用酸化ニッケル粉と、安定化ジルコニアなどの固体電解質とからなることを特徴とする固体電解質型燃料電池の燃料極用材料を提供するものである。
本発明によれば、燃料極の構成材料の酸化ニッケルについて、焼成工程における通常の加熱温度又はそれ以上での加熱収縮率を大幅に低減させることができる。従って、本発明の燃料極材料用酸化ニッケル粉を安定化ジルコニアなどの他の構成成分と共に用いた燃料極は、加熱焼成時における他の層との収縮差が緩和され、共焼成法による焼成工程においても燃料極の割れ、剥離、反りなどを防止することができる。
本発明の燃料極材料用酸化ニッケル粉中に含まれる酸化クロムの量は、酸化ニッケルに対して0.05〜5重量%が好ましく、0.2〜2重量%が更に好ましい。酸化ニッケル粉中の酸化クロム量が酸化ニッケルに対して0.05重量%未満では、焼成工程での加熱収縮率の低減効果が十分でないため、燃料極の割れ、剥離、反りなどを防止することができない。また、酸化クロム量が2重量%を超えた場合、加熱収縮率の低減効果の更なる増大が期待できず、原料コストが上昇するうえ、発電特性に著しく影響を及ぼすことになるため好ましくない。
酸化クロムを酸化ニッケルに対して0.05〜5重量%含有する本発明の燃料極材料用酸化ニッケル粉は、加圧成形したペレットで測定したとき、焼成工程で通常用いられる加熱温度又はそれ以上の加熱温度で、具体的には1400℃で加熱収縮率が12%以下と極めて小さくなり、酸化クロム量が増えるほど加熱収縮率も小さくなる。この収縮抑制効果の原因については明らかではないが、焼成時に酸化ニッケルと酸化クロムとが反応してNiCrが生成することにより、酸化ニッケル同士の焼結抑制効果を発現していることによるものと考えられる。
また、酸化クロムを酸化ニッケルに対して0.05〜5重量%含有する本発明の酸化ニッケル粉とイットリアで安定化したジルコニア(YSZ)とからなる燃料極材料は、加圧成形したペレットで測定したとき、焼成工程で通常用いられる加熱温度又はそれ以上の加熱温度、具体的には1400℃での加熱収縮率が8%以下と極めて小さくなり、酸化クロム量が増えるほど加熱収縮率も小さくなる。また、本発明ではYSZを使用しているが、スカンジア安定化ジルコニアやセリアなど他の固体電解質(酸素イオン伝導体)を用いることもできる。
尚、上記1400℃でのペレットの加熱収縮率は、酸化ニッケル粉あるいは燃料極材料を圧力1t/cmで一軸加圧成形して直径5mmの円柱状のペレットとし、TMA装置(ブルカーエイエックスエス社製、型式TMA−4000S)を用いて測定した。具体的には、空気を0.3リットル/分で導入しながら、ペレットを10℃/分の昇温速度で加熱し、1400℃での厚さ方向における加熱収縮率を測定した。
酸化クロムを酸化ニッケルに対して0.05〜5重量%含有する本発明の酸化ニッケル粉とイットリアで安定化したジルコニア(YSZ)とからなる燃料極材料を燃料極とし、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)を空気極、及びYSZを電解質として用い、いわゆる単セルを作製して、三端子法にて900℃における発電特性を評価した。その結果、酸化クロムの添加量が酸化ニッケルに対して2重量%までは、電流密度0.5A/cmにおいて参照極−燃料極間における電位差は0.74〜0.77V程度と良好であった。しかし、酸化クロムの添加量が酸化ニッケルに対して3重量%以上になると電圧降下が徐々に大きくなり、5重量%では電流密度0.3A/cm程度までしか電流を取り出すことができなくなる。
これは、発電時に酸化ニッケルは還元されてニッケルメタルとなるが、酸化クロムはそのままの形態で存在するため、ニッケルメタルと比べてはるかに比抵抗が高い酸化クロム量が増加することによって、導電性に悪影響を与えることが原因の一つと考えられる。尚、室温におけるニッケルの比抵抗は6.84×10−6Ω・cmであり、室温における酸化クロムの比抵抗は10Ω・cmである。
上記発電特性の評価は、具体的には以下のとおり行った。即ち、酸化クロムを含有する本発明の酸化ニッケル粉とYSZとからなる燃料極用材料に、溶媒としてターピネオールと、増粘剤若しくは電極のポア構造に寄与する物質としてエチルセルロースを5重量%添加し、混練してペーストを作製した。このペーストを厚み0.5mmのYSZ製の焼結円板上に、電極面積2cmとなるようにスクリーン印刷機を用いて塗布し、10℃/分の昇温速度で加熱し、1300℃で3時間焼結して燃料極とした。更に、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)からなる空気極を作製し、単セルを作製した。この単セルの燃料極雰囲気を5%加湿水素、参照極雰囲気を1%酸素99%アルゴン、空気極雰囲気を大気に調整し、三端子法にて900℃における発電特性を測定した。
本発明の燃料極材料用酸化ニッケル粉の製造方法については、酸化ニッケルと酸化クロムを所定量共存させることができれば、如何なる方法であってもよい。最も簡単な方法としては、酸化ニッケル粉末と酸化クロム粉末を所定重量比(Cr/NiO=0.0005〜0.05)で乾式混合する方法がある。また、酸化ニッケル粉末と酸化クロム粉末を乾式混合した後、更に空気などの酸化雰囲気中にて800〜1200℃で焼成することもできる。尚、酸化ニッケル粉末と酸化クロム粉末の乾式混合には、ブレンダー、ミキサーなどが好適に使用できる。
また、他の製造方法として、湿式法による方法がある。即ち、水溶性ニッケル塩の溶液に水溶性クロム塩を酸化物換算で所定重量比(Cr/NiO=0.0005〜0.05)となるように溶解し、このニッケル塩溶液から前駆体の水酸化ニッケルを晶析させる。このとき、水酸化ニッケルの晶析と同時にクロムも晶析するので、この晶析物を酸化雰囲気中にて800〜1200℃で焼成することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得ることができる。尚、水溶性ニッケル塩と水溶性クロム塩は、焼成後の酸化ニッケル粉中に残留しない非金属元素の塩が望ましく、例えば塩化ニッケル(NiCl)と塩化クロム(CrCl)が最も好ましい。
更には、塩化クロムなどの水溶性クロム塩の溶液に酸化ニッケル粉末を分散混合させ、これを乾燥させた後、酸化雰囲気中にて800〜1200℃で焼成する方法によっても、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得ることができる。このときの乾燥には、大気乾燥機、真空乾燥機、媒体流動乾燥機、スラリー乾燥機、噴霧乾燥機などが使用できる。
上記したいずれの方法においても、焼成にはマッフル炉、管状炉、ポット炉、転動炉などが使用できる。酸化ニッケルの前駆体である水酸化ニッケルを焼成する場合は300℃以上で酸化ニッケルとすることができるが、固体電解質型燃料電池用の燃料極に好適に使用できる酸化ニッケルは、空気などの酸化雰囲気中にて800〜1200℃で焼成することが好ましい。ただし、焼成条件によっては酸化ニッケルが焼結して粒成長や二次粒子を形成するため、求める酸化ニッケル粉の特性に応じて望ましい焼成条件を定める必要がある。
本発明の燃料極材料用酸化ニッケル粉は、従来と同様に固体電解質型燃料電池を製造する際に、イットリアで安定化したジルコニアなどの固体電解質その他の構成成分と混練して、燃料極用材料のスラリーとして使用する。本発明の酸化クロムを含有する酸化ニッケル粉を燃料極用のスラリーに用いることにより、加熱焼成時における他の層との収縮差が緩和され、燃料極の割れ、剥離、反りなどを防止することができる。
[実施例1]
1.7モル/リットルの塩化ニッケル溶液500cmに塩化クロム六水和物9.06g(0.034モル)を溶解して、酸化物換算したときの重量比をCr/NiO=0.01の溶液とした。この溶液に6モル/リットルの水酸化ナトリウムを添加してpH9.5とし、水酸化ニッケルを晶析させた。晶析した水酸化ニッケルを洗浄、ろ過、乾燥した後、マッフル炉中にて空気を0.5リットル/分で流しながら1000℃で2時間焼成することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得た。
この酸化クロムを含む酸化ニッケル粉は、平均一次粒径が0.6μmであり、比表面積は0.9m/gであった。また、この酸化ニッケル粉中の酸化クロム濃度は、化学分析の結果、酸化ニッケルに対して0.98重量%であり、仕込み組成時における酸化クロムのほぼ全量を含有することが分かった。この酸化ニッケル粉を圧力1t/cmで直径5mmの円柱状ペレットに一軸加圧成形し、TMA装置によりペレットの厚さ方向の加熱収縮率を測定したところ、1400℃における加熱収縮率は4%であった。
[実施例2]
塩化クロム六水和物4.53g(0.017モル)を添加し、酸化物換算したときの重量比をCr/NiO=0.005とした以外は、実施例1と同様に実施することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を製造した。得られた酸化ニッケル粉について、ペレットの加熱収縮率を実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は9%であった。
[実施例3]
一次粒径0.6μm、比表面積3.0m/gの酸化ニッケル粉末100gに酸化クロム粉末5g(Cr/NiO重量比=0.05)を添加し、ミキサーを用いて混合した。この混合粉末を、マッフル炉中にて空気を0.3リットル/分で流しながら800℃で2時間焼成することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得た。得られた酸化クロムを含む酸化ニッケル粉について、ペレットの加熱収縮率を実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は0.5%であった。
[実施例4]
酸化ニッケル粉末100gに酸化クロム粉末0.2g(Cr/NiO重量比=0.002)を添加した以外は、実施例3と同様に実施することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得た。得られた酸化クロムを含む酸化ニッケル粉について、ペレットの加熱収縮率を実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は9%であった。
[実施例5]
酸化ニッケル粉末100gに酸化クロム粉末0.05g(Cr/NiO重量比=0.0005)を添加した以外は、実施例3と同様に実施することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得た。得られた酸化クロムを含む酸化ニッケル粉について、ペレットの加熱収縮率を実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は12%であった。
[実施例6]
一次粒径0.6μm、比表面積3.0m/gの酸化ニッケル粉末20kgに酸化クロム粉末200g(Cr/NiO重量比=0.01)を添加し、Vブレンダーを用いて混合して、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を得た。得られた酸化クロムを含む酸化ニッケル粉について、焼成を行わない以外は実施例1と同様に一軸加圧成形し、ペレットの加熱収縮率を実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は3%であった。
[実施例7]
実施例6と同様の方法により、混合する酸化ニッケルと酸化クロムの重量比のみをCr/NiO=0.001、0.005、0.01、0.02、0.05と変化させて、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を作製した。これらの酸化クロムを含む酸化ニッケル粉65gと、イットリアで安定化したジルコニア(YSZ)粉35gを、乳鉢を用いて混合し、酸化クロムを含む酸化ニッケル−YSZ混合粉を得た。
得られた各酸化クロムを含む酸化ニッケル−YSZ混合粉について、焼成を行わない以外は実施例1と同様に一軸加圧成形し、ペレットの加熱収縮率を実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は、それぞれ8%、6%、5%、5%、3%あった。
[比較例1]
塩化クロムを添加しないこと以外は、実施例1と同様に実施することにより、酸化ニッケル粉末を製造した。即ち、1.7モル/リットルの塩化ニッケル溶液500cmに、6モル/リットルの水酸化ナトリウムを添加してpH9.5とし、晶析した水酸化ニッケルを洗浄、ろ過、乾燥した後、マッフル炉中にて空気を0.5リットル/分で流しながら1000℃で2時間焼成した。
得られた酸化ニッケル粉末は、平均一次粒径が0.6μmであり、比表面積は0.9m/gであった。この酸化ニッケル粉末について、実施例1と同様に、直径5mmの円柱状ペレットに一軸加圧成形し、TMA装置により加熱収縮率を測定したところ、1400℃における加熱収縮率は17%であった。
[比較例2]
酸化物換算したときのCr/NiO重量比=0.0001となるように塩化クロム六水和物を添加した以外は、実施例1と同様に実施することにより、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を製造した。
得られた酸化ニッケル粉は、平均一次粒径が0.6μmであり、比表面積は0.9m/gであった。また、酸化ニッケル粉中の酸化クロム濃度は、酸化ニッケルに対して0.01重量%であり、仕込み組成と同一であることが分かった。この酸化ニッケル粉のペレットの加熱収縮率を、実施例1と同様に測定したところ、1400℃における加熱収縮率は16%であった。
[比較例3]
一次粒径0.6μm、比表面積3.0m/gの酸化ニッケル粉末について、焼成することなく、そのまま実施例1と同様に一軸加圧成形して、ペレットの加熱収縮率を測定したところ、1400℃における加熱収縮率は16%であった。
[比較例4]
酸化クロムを含まない酸化ニッケル粉末を用いたこと以外は、実施例7と同様の方法により、酸化ニッケル−YSZ混合粉を作製した。この酸化ニッケル−YSZ混合粉を用いて、焼成することなく、そのまま実施例1と同様に一軸加圧成形し、ペレットの加熱収縮率を測定したところ、1400℃における加熱収縮率は9.4%であった。
上記した実施例1〜6及び比較例1〜3における酸化ニッケル粉又は酸化ニッケル粉末のペレットの加熱収縮率、並びに実施例7及び比較例4における酸化ニッケル−YSZ混合粉のペレットの加熱収縮率を、下記表1にまとめて示した。
Figure 0004784197
[実施例8]
上記実施例6と同様の方法により、混合する酸化ニッケルと酸化クロムの重量比のみをCr/NiOで0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05と変化させて、酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を作製した。これらの酸化クロムを含む酸化ニッケル粉を用いて、上記実施例7と同様にして、酸化クロムを含む酸化ニッケル−YSZ混合粉を作製した。
これらの酸化ニッケル−YSZ混合粉に、溶媒としてターピネオール、増粘剤若しくは電極のポア構造に寄与する物質としてエチルセルロースを5重量%添加し、混練してペーストを作製した。このペーストを、厚さ0.5mmのイットリアで安定化したジルコニア製の焼結円板上に、スクリーン印刷機を用いて電極面積2cmとなるように塗布し、10℃/分の昇温速度で加熱し、1300℃で3時間焼結させて燃料極とした。更に、上記と同様の方法を用いてLSM(ランタンストロンチウムマンガナイト)を1300℃で焼結させて空気極とし、単セルを作製した。
これらの単位セルについて、燃料極雰囲気を5%加湿水素、参照極雰囲気を1%酸素99%アルゴン、空気極雰囲気を大気に調整し、三端子法にて900℃における発電特性を評価した。その結果、酸化クロムの添加量が酸化ニッケルに対して0.1〜2重量%(上記Cr /NiO重量比=0.001〜0.02)では、電流密度0.5A/cmまで、参照極−燃料極間における電位差は0.74〜0.97Vであり、良好な発電特性を示すことが分かった。しかし、酸化クロムの添加量が酸化ニッケルに対して3重量%(上記Cr /NiO重量比=0.03)以上になると電圧降下が徐々に大きくなり、5重量%(上記Cr /NiO重量比=0.05)ではもはや電流密度0.4〜0.5A/cmで電流を取り出すことができなくなり、電流密度0.3A/cmにおいて参照極−燃料極間における電位差は0.73Vであった。
[比較例5]
酸化クロムを含まない酸化ニッケル粉末を用いた以外は、実施例7と同様の方法により、酸化ニッケル−YSZ混合粉を作製した。この酸化ニッケル−YSZ混合粉を用いて、実施例8と同様にして、ペーストを作製し、単セルを作製して発電特性を評価した。その結果、電流密度0.5A/cmにおいて、参照極−燃料極間における電位差は0.79Vであった。
上記した実施例8及び比較例5における単位セルの発電特性を、0.1〜0.5A/cmの電流密度において、酸化ニッケルに対する酸化クロムの添加量ごとに下記表2にまとめて示した。表2に示したように、酸化ニッケルに対する酸化クロムの添加量が本発明の範囲内である0.1〜5.0重量%では、添加量の多い場合に同じ電流密度での参照電極−燃料極の電位差にやや低下がみられるが、大きな影響のない範囲であり、燃料極材料として好適に使用できる。
Figure 0004784197

Claims (3)

  1. 固体電解質型燃料電池における燃料極材料の構成成分として用いる酸化ニッケル粉であって、酸化ニッケルに対し0.05〜5重量%の酸化クロムを含有することを特徴とする固体電解質型燃料電池の燃料極材料用酸化ニッケル粉。
  2. 前記燃料極材料用酸化ニッケル粉を加圧成形したペレットの1400℃における加熱収縮率が12%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の固体電解質型燃料電池の燃料極材料用酸化ニッケル粉。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料極材料用酸化ニッケル粉と、安定化ジルコニアの固体電解質とからなることを特徴とする固体電解質型燃料電池の燃料極材料
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