JP4784057B2 - 楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器 - Google Patents

楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器 Download PDF

Info

Publication number
JP4784057B2
JP4784057B2 JP2004268457A JP2004268457A JP4784057B2 JP 4784057 B2 JP4784057 B2 JP 4784057B2 JP 2004268457 A JP2004268457 A JP 2004268457A JP 2004268457 A JP2004268457 A JP 2004268457A JP 4784057 B2 JP4784057 B2 JP 4784057B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection signal
value
light
hammer
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004268457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006084686A (ja
Inventor
力 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2004268457A priority Critical patent/JP4784057B2/ja
Priority to EP05016784A priority patent/EP1638076B1/en
Priority to AT05016784T priority patent/ATE452397T1/de
Priority to DE602005018296T priority patent/DE602005018296D1/de
Priority to US11/198,437 priority patent/US7361827B2/en
Priority to CN200510099534.5A priority patent/CN1750111B/zh
Priority to KR1020050085611A priority patent/KR100716099B1/ko
Publication of JP2006084686A publication Critical patent/JP2006084686A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4784057B2 publication Critical patent/JP4784057B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/32Constructional details
    • G10H1/34Switch arrangements, e.g. keyboards or mechanical switches specially adapted for electrophonic musical instruments
    • G10H1/344Structural association with individual keys
    • G10H1/346Keys with an arrangement for simulating the feeling of a piano key, e.g. using counterweights, springs, cams
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H3/00Instruments in which the tones are generated by electromechanical means
    • G10H3/12Instruments in which the tones are generated by electromechanical means using mechanical resonant generators, e.g. strings or percussive instruments, the tones of which are picked up by electromechanical transducers, the electrical signals being further manipulated or amplified and subsequently converted to sound by a loudspeaker or equivalent instrument
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2220/00Input/output interfacing specifically adapted for electrophonic musical tools or instruments
    • G10H2220/461Transducers, i.e. details, positioning or use of assemblies to detect and convert mechanical vibrations or mechanical strains into an electrical signal, e.g. audio, trigger or control signal

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

この発明は、操作者の演奏操作に応じた可動部材の変位を物理量として検出する楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器であって、特に、ピアノのハンマや鍵など、演奏操作に応じて変位する演奏操作子の変位の物理量検出に好適なものに関する
従来より、自動演奏ピアノ等の鍵盤楽器においては、鍵やハンマ等の動きをセンサで検知し、検出結果を演奏データとして記録したり、電子音源に供給して楽音を電子的に発生することが行われている。この種の鍵盤楽器において、ハンマの動作を連続量で検出するハンマセンサを設けて、より正確な打弦タイミングおよび打弦速度を取得できるようにしたものが知られている。下記特許文献1には、ハンマセンサを有する鍵盤楽器の一例として、ハンマシャンクの変位を連続量で検出するハンマセンサを設け、鍵操作時に該ハンマセンサからハンマ運動に関する物理量(位置、速度或いは加速度)を連続量で検出し、その検出結果を用いて、ピアノ演奏に関る種々の情報を取得する装置が開示されている。該情報は、例えば下記(1)〜(9)等である。すなわち:(1)ハンマの動作開始タイミング、(2)打弦タイミング、(3)打弦直前のハンマ速度、(4)押鍵タイミング、(5)バックチェックタイミング、(6)バックチェックが外れたタイミング、(7)バックチェックが外れた後のハンマ速度、(8)ダンパ復帰タイミング、(9)ハンマ動作終了タイミング、(10)離鍵タイミングなどである。
特開2001−175262号公報
上記特許文献1に代表される従来の装置構成によると、前記ピアノ演奏に関る種々の情報を生成するに際して、制御系は、ハンマ動作の開始や打弦動作の有無の判定等のハンマ動作の判定処理により、ハンマの動作状態を判断している。そのハンマ動作状態の判断は、ハンマセンサの出力と所定の閾値を比較することによって行われていた。すなわち、センサの出力と所定の閾値を比較することで、センサ出力とハンマの動作位置の対応付けを行い、ハンマの動作位置からハンマ動作状態を判断するのである。また、上記特許文献1に代表される装置においては、ハンマの運動を連続量で検出するセンサの方式としては、光学式センサを適用することが多い。光学式センサは、例えばLEDから成る発光部とフォトダイオードから成る受光部を備え、受光部で受けた光量に応じた検出信号(電圧値)を出力するものである。ところで、この種の光学式センサでは、例えば、使用中に光量が低下してしまうなど、センサの入出力特性に経時的変化が生じるという性質がある。しかしながら、従来の技術では、そのようなセンサの入出力特性の経時変化(例えば、光量の低下など)に対する対応が不十分であったので、センサ出力とハンマの動作位置の対応付けが正確に行えなくなってしまい、制御系がハンマの物理量(例えば位置情報)を正確に検知できなくなってしまうという不都合があった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、経時的変化等によってセンサの入出力特性が変わってしまったとしても、正確な物理量の検出が行えるようにした楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器を提供することを目的とする。
この発明は、操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材と、前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段と、所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を取得し、且つ、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された該検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を取得して、前記取得した検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値xを算出するオフセット値算出手段であり、オフセット値xを下記の式x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)により算出するオフセット値算出手段と、前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、前記変位部材の変位を表す物理量を出力する物理量出力手段とを具える楽器の物理量検出装置である。
また、この発明は、操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材と、前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段と、所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を取得し、且つ、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された該検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を取得して、前記取得した検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値xを算出するオフセット値算出手段であり、オフセット値xを下記の式x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)により算出するオフセット値算出手段と、前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、前記変位部材の変位を表す物理量を出力する物理量出力手段とを備える鍵盤楽器である。
また、この発明は、操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材を有する楽器において、前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段を用いて、前記変位部材の変位を表す物理量を検出する方法であって、所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を出力するステップと、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を出力するステップと、前記出力された検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値を算出するステップであって、オフセット値xを下記の式x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)により算出するステップと、前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、該変位部材の変位を表す物理量を出力するステップとを含む方法、或いは、操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材を有する楽器において、前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段を用いて、前記変位部材の変位を表す物理量を検出する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を出力するステップと、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を出力するステップと、前記出力された検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値を算出するステップであって、オフセット値xを下記の式x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)により算出するステップと、前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、該変位部材の変位を表す物理量を出力するステップとを実行させるためのプログラムとして構成することも可能である。
の発明によれば、所定の第1の光量と、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量のそれぞれを使って検出したレスト位置、エンド位置の検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいて、(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)なる式によりオフセット値xを算出する。この構成により、レスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材の変位を検出する検出手段(OPアンプやAD変換器をも含む検出信号の出力系)が有するハードウェア固有のオフセットを得ることができる。そして、演奏操作に応じた変位部材の変位を検出手段が検出したときに、その検出信号を算出されたオフセット値により修正することにより、当該検出手段の出力特性の誤差、詳しくは、当該検出手段(OPアンプやAD変換器をも含む検出信号の出力系)が有するハードウェア固有のオフセットの影響を受けずに、演奏操作に応じた変位部材の物理量を正しく認識することができるという優れた効果を奏する。従って、例えば、経時的変化等によってセンサの入出力特性が変わってしまったとしても、正確な物理量の検出を行うことができる。
以下添付図面を参照して、この発明の一実施例について説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る自動演奏ピアノの構成例を説明するための図であって、機械的な発音機構の要部を抽出して示すと共に、電気的制御系の機能ブロックを示している。図1に示すように、自動演奏ピアノは、機械的な発音機構として、鍵1と、該鍵1に連動して回動ストロークするハンマ2と、該鍵1の運動をハンマ2に伝達するためのアクション機構3と、該ハンマ2によって打撃される弦4と、電気的制御に基づき鍵1を駆動する電磁ソレノイド5と、弦4の振動を止めるためのダンパ6とを含む。これらの構成は、一般的な自動演奏ピアノと同様である。なお、後述するように、この実施例においては、電磁ソレノイド5の駆動をサーボ制御する構成が適用されており、ソレノイド5にはプランジャ動作を検出するフィードバックセンサが具備されるものとする。
また、この自動演奏ピアノには、通常のアコースティックピアノと同様にバックチェック7が設けられており、このバックチェック7は打弦時の反動によるハンマ2の暴れを防止するための部材である。この自動演奏ピアノは、上記のほかにも、通常のアコースティックピアノと同様な各種構成要素を具備するが、それらの説明及び図示は省略する。ハンマ2は、アクション機構3に対して、ハンマシャンク2aを介して動作支点2bを中心にして回動自在に連結されており、対応する鍵1が非押鍵(外力を加えない状態)の時には、図1に示すようなレスト位置(ストローク量0mmの位置)にある。そして、対応する鍵1の変位(上下揺動)に連動して、基本的には該レスト位置から所定のエンド位置の間で回動ストロークする。この実施例において、ハンマ2のエンド位置は、ハンマ2が該レスト位置から48mm変位した位置とする。
図1において、符号26は、ハンマ2の変位に応じた検出信号を連続量で検出するセンサである。センサ26は、例えば、ハンマ2の連続的な位置情報を出力可能な光学式の位置センサを適用してよい。ハンマ2の連続位置を検出に好適な光学式センサの構成例について簡単に説明すると、光学式センサは、例えば、LEDと光ファイバで繋がる発光側センサヘッドとフォトダイオードと光ファイバで繋がる受光側センサヘッドとを有し、該LEDの光が発光側センサヘッドから照射されて、フォトダイオードと光ファイバで繋がる受光側センサヘッドにおいて受光され、フォトダイオードによって受光量に応じた出力電圧を取り出すことができる。該受光側センサヘッドにおいて受光する光量が、ハンマ2の変位に対応して変化するよう構成することで、該ハンマ2のストローク位置に応じた出力電圧を当該センサの検出信号として得ることができる。なお、この実施例において、光学式センサ26は、LEDの発光量の調整(センサ26のゲインの調整)が可能なものとする。
当該センサ26から出力される電圧値(アナログ信号)は、図示を省略したOPアンプ、AD変換器を介して、次に述べる信号処理部27に、ディジタル信号として出力される。以下、この明細書中では、ディジタル信号に変換されたセンサ出力信号を「AD値(アナログ/ディジタル変換値)」と略称する。AD値は、センサ26の出力(すなわちハンマ位置の測定値)を、例えば「0〜1023」の範囲の数値によって表現するデータである。
なお、当該自動演奏ピアノに備わる全てのハンマ(88個)に対して、夫々独立したセンサ26(LEDとフォトダイオード)を配設するとコストが高くなってしまう。この点について、12個のLEDと8個のフォトダイオードとを用いて、88個のハンマの夫々の動きを個別にセンシング可能なセンサマトリクスを構成する技術が本出願人により提案されており(特開平9−54584号公報を参照)、この実施例に係るセンサ26は該センサマトリックスにより構成されるものとする。これに限らず、LEDとフォトダイオードからなるセンサ26を当該自動演奏ピアノに備わる全てのハンマに個別に配設する構成であってもよい。
図1に示す電気的制御系の機能ブロックについて説明する。信号処理部27は、センサ26の出力に基づき演奏データを生成する処理(演奏の録音処理)を担うモジュールである。また、再生前処理部10、モーションコントローラ11及びサーボコントローラ12は演奏データの再生処理を担うモジュールに相当する。この実施例において、これら各モジュールにおいて実施される信号処理は、コンピュータが実行するソフトウェアプログラムによって実現されるものとする。図2は、当該自動演奏ピアノの電気的ハードウェア構成を示すブロック図である。当該自動演奏ピアノは、CPU20、ROM21、RAM22及び記憶装置23を含み、各装置間がデータ及びアドレスバス20Bを介して接続される。センサ26の出力はAD変換器を含むインターフェース(I/O)24を介して所定のサンプリング周期で制御系に取り込まれる。CPU20は、当該自動演奏ピアノの全体的な動作を制御するとともに、演奏データの再生や録音等の各種信号処理を実行する。CPU20が実行する各種処理の制御プログラムは、例えばROM21内に記憶されていてよい。また、ROM21或いはRAM22等の適宜のメモリには、各種信号処理の実行中に発生した各種データや各種パラメータや、該各種信号処理において参照する各種テーブル等が記憶される。また、記憶装置23は、ハードディスク、フレキシブルディスク又はフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD‐ROM)、光磁気ディスク(MO)、ZIPディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、半導体メモリ等、適宜の記録媒体で構成されてよい。
図1に戻ると、信号処理部27は、所定のサンプリング周期でセンサ26の出力を取り込む。信号処理部27内に示す算出部28及び処理部30は、信号処理部27にて実行する信号処理の機能を概念的に抽出して表すものである。算出部28は、センサ26から出力されたAD値(ハンマ2の動作位置を表すデータ)に基づき、打弦タイミングや打弦速度等、演奏に関る種々の情報を算出するモジュールである。処理部30は、前記算出部28で生成した種々の情報に基づき、MIDI形式等の適宜のデータフォーマットの演奏データを生成するモジュールである。前記演奏データは、基本的には、ノートナンバーとベロシティデータを含んで構成されるノートオン/オフデータである。生成された演奏データは記憶装置23に記録しうる。また、生成された演奏データを、図示しない入出力インターフェースを介して図示しない外部機器に供給したり、或いは、図示しない通信ネットワークを介して該ネットワーク上の他の装置にリアルタイムで供給したりしてもよい。
また、この実施例では、信号処理部27は、上記の演奏の録音処理のほかに、センサ26から出力されたAD値に基づき、後述するオフセット値の算出処理等を行う。
再生前処理部10は、図示しない適宜の記録媒体や、リアルタイム通信装置等から供給される演奏データに基づいて、鍵1の動作の軌道を指示する軌道データを生成するとともに、該軌道データを用いて鍵の原速度指示値(t,Vr)を生成する。なお、原速度指示値(t,Vr)において、「t」は時間データであり、Vrが時間データtに対応する原速度指示値である。モーションコントローラ11は該原速度指示値(t,Vr)に基づいて、前記起動データを実現するためにソレノイド5に対して与えるべき速度目標値Vrを生成してサーボコントローラ12に出力する。サーボコントローラ12は、前記速度指示値Vrとソレノイド5から帰還入力されるフィードバック速度信号Vyに基づく励磁電流(例えばPWM発生器25によって発生されるPWM形式の電流信号)によってソレノイド5を駆動させることで、該ソレノイド5の駆動をサーボ制御する。
また、上記のようにソレノイド5の駆動により鍵1の打鍵動作を制御して、機械的に楽音を発生させることのみならず、音源装置やスピーカ等から構成される電子楽音発生部13を利用して電子的に楽音を発生させることもできる。すなわち、再生前処理部10は、記録媒体やリアルタイム通信装置等から供給される演奏データを電子楽音発生部13に供給し、電子楽音発生部13では該供給された演奏データに基づき電子的に楽音を発生することで、該演奏データに応じた演奏音を電子的に発音させることができる。なお、電子楽音発生部13によって電子的に自動演奏を行う際の演奏データのデータ形式や、音源方式等は従来から知られるどのようなものを適用してもよい。
上記構成からなる自動演奏ピアノにおける演奏の記録処理(演奏データの生成処理)と再生処理の動作手順の概略について簡単に説明する。操作者は、例えばコントローラに備わる録音指示スイッチの操作等によって演奏の記録処理の開始を指示できる。信号処理部27では、センサ26からの検出結果に基づいて、打弦速度や打弦時刻等、に関する各種情報を求め、前記各種情報に基づきピアノ演奏の演奏内容を表す演奏データを生成する。生成した演奏データは図示しない適宜の記録媒体に記録したり、図示しない外部機器に出力してよい。
また、操作者は例えばコントローラに備わる再生スイッチの操作等により演奏データの再生処理の開始を指示できる。再生前処理部10は、時々刻々供給される演奏データに基づき鍵1の動作の軌道を指示する軌道データを生成するとともに、該軌道データを用いて鍵の原速度指示値(t,Vr)を生成する。モーションコントローラ11では、該原速度指示値(t,Vr)に基づき、ソレノイド5に対して与えるべき速度目標値Vrが生成される。サーボコントローラ12では、速度指示値Vrとソレノイド5から帰還入力されるフィードバック速度信号Vyに基づきソレノイド5を駆動するための励磁電流を発生し、該ソレノイド5は該励磁電流によって駆動される。これにより、前記演奏データに応じた軌道(ストローク動作)に従い鍵1が打鍵駆動されて、ハンマ2が打弦運動することで、演奏データに応じたピアノ演奏が行われる。また、再生前処理部10は再生すべき演奏データに基づき電子楽音発生部13を制御して、電子楽音発生部13において演奏データに応じた楽音を電子的に発生することも可能である。
上述の通り光学式センサによって構成したハンマセンサ26は、ハンマの動作位置に応じて、受光側センサヘッド(フォトダイオード)にて受光する光量が変化し、該フォトダイオードは該受光した光量に応じた電圧値を出力するものであり、信号処理部27では供給されたAD値(数値)をハンマの実際の動作位置に対応付ける必要がある。
AD値とハンマの動作位置とを対応付ける方法として、例えば特開2000−155579号公報に記載されているような「キャリブレーション比」を利用する方法が知られている。キャリブレーション比は、レスト位置のAD値に対するエンド位置のAD値を表現した比であって、例えば工場出荷時等に、レスト位置のAD値とエンド位置のAD値を実測し、該実測されたした両AD値に基づき算出される。キャリブレーション比の算出は88個の各ハンマ毎に行われる。算出された各ハンマ毎のキャリブレーション比は例えばフラッシュメモリ(ROM21)等の不揮発性メモリ内に記録される。キャリブレーション比はレスト位置に相当するAD値とエンド位置に相当するAD値の関係を比で表したものであるから、当該ハンマについてレスト位置(非動作状態)でのAD値を実測すれば、そのAD値と当該ハンマのキャリブレーション比から、エンド位置に相当するAD値や、或いは、その他任意の地点に相当するAD値を推定できることになる。このように、信号処理部27では、キャリブレーション比を用いてエンド位置に相当するAD値や、或いは、その他任意の地点に相当するAD値を推定することで、供給されたAD値をハンマの動作位置に対応付けて認識することができる。
ところで、従来の技術の問題点として、光学式センサの入出力特性の変化(例えば、光量の低下など)に対する対応の不十分という問題を先に挙げた。図3は、AD値とハンマの動作位置の関係の一例を示すグラフであり、センサの入出力特性が異なる3通りの例を示している。図において、縦軸にAD値をとり、横軸にハンマ位置をとると共に、ハンマのストロークのレスト位置を「R」、また、そのエンド位置を「E」で示す。図3において、直線Aにより、ハンマの変位に応じたセンサ出力(AD値)の真値の出力特性を表現するものとする。真値は、ハンマ変位とセンサ出力の特性(AD値)が比例関係にある或る理想的な測定値として想定した値である。
センサ26(OPアンプやAD変換器をも含む検出信号の出力系)にオフセットがある場合、ハンマの変位に応じたセンサ出力(AD値)の測定値の出力特性は、例えば図4に示す点線Bのようである。図から明らかなように、点線Bの出力特性には特性Aに対してオフセット分だけズレが生じている。この場合において、センサ26のLEDの発光量が弱くなった場合の、ハンマの変位に応じたセンサ出力(AD値)の測定値の出力特性は、例えば図4に示す一点鎖線Cのようになる。
図4は、図3に示すA〜Cの各出力特性ごとのレスト位置R及びエンド位置EにおけるAD値の測定値の一例を示す表である。図4から明らかなように、各特性におけるレスト位置RのAD値に対するエンド位置EのAD値の比率は一様ではない。すなわち、センサ26(OPアンプやAD変換器をも含む検出信号の出力系)にオフセットがある場合(特性B及びCの場合)、ハンマの動作位置に対する測定値(AD値)の出力特性が、真値Aの出力特性と異なってしまう。このため、制御系(信号処理部27)が、レスト位置で測定したAD値からキャリブレーション比を用いてエンド位置に相当するAD値や、或いは、その他任意の地点に相当するAD値を推定したとしても、ハンマの動作位置の正しい推定ができなくなってしまうことになる。
この発明に係る実施例によれば、上記の点について、測定値(AD値)に出力特性の誤差を相殺するためのパラメータたる「オフセット値x」を加算してAD値の補正を行うことで、センサの出力特性の変化の影響を受けない、正確なAD値を信号処理部27に供給して、ハンマの動作位置を正しく認識することができるようになる点に特徴がある。図4(a)に表れている通り、オフセット値xはセンサ26のLEDの光量0(すなわち入力0)に対する出力の差分として表れる値である。オフセット値xがプラスに出る場合は、光量0の時、オフセットに相当する幾らかの値がAD値として出力されており、オフセット値xがマイナスに出る場合は、光量が幾らか出ていても、AD値の値が出力されない(0のまま)である。図3に示す特性B,Cは後者の一例に該当する。
図5は前記オフセット値xを求める手順の一例を示すフローチャートである。フローチャートを参照して、オフセット値xを求める手順の一例について説明する。
当該処理は、例えばコントローラに備わるオフセット値x設定指示のスイッチ操作によって起動してよい(ステップS1)。ステップS2において、処理対象となる鍵を示すキーナンバKnを0にリセットし、ステップS2において該キーナンバKnを1つインクリメントする。すなわち、当該処理の1巡目では、キーナンバKn=1の鍵に対して以下に述べる処理を実行し、当該ステップS3に処理が戻ってくる毎に処理対象となる鍵のキーナンバKnがインクリメントされることで、当該処理を88鍵の各鍵に順次実行する。
ステップS4では、センサ26のLEDを所定の明るい光量で発光せしめ、該所定の明るい光量によって、ハンマ2がレスト位置R1にあるときのAD値r1を測定する。測定したAD値r1は適宜の記憶メディア(RAM等)にバッファする。ここで、この実施例に係るセンサ26は、上述の通り発光側センサヘッド(LED)のゲイン調整可能なタイプの光学式センサであるからLEDの発光量の調整が可能である。前記所定の明るい光量は、例えばLEDが発光可能な光量で一番明るい発光量である。ステップS5では、自動演奏の再生制御系(図1に示す再生前処理部10、モーションコントローラ11及びサーボコントローラ12)の制御により、所定の速度で鍵1を駆動して、ハンマ2を動かす。前記所定の速度は、適宜の中庸な速度でありさえすればよい。そして、ステップS6では、該駆動されたハンマ2のエンド位置EでのAD値e1を、前記所定の明るい光量で測定し、該測定したAD値e1をバッファする。どの時点でのAD値をエンド位置のものとして採用するかは、周知の適宜の方法によって判断されてよいが、例えば、AD値の大きさが最小値にある(つまり、ハンマの動作軌道の頂点に対応する)ものを採用することができる。このように、ステップS4〜S6では、所定の明るい光量で、ハンマ2のレスト位置及びエンド位置でのAD値の測定値r1,e1を得る。ここで、測定した所定の明るい光量で測定したAD値は、前述図3の点線Bの特性に対応している。
ステップS7では、センサ26のLEDを所定の暗い光量で発光せしめ、該所定の暗いい光量によって、ハンマ2がレスト位置R1にあるときのAD値r2を測定し、該測定したAD値r2をバッファする。前記所定の暗い光量は、例えばLEDが発光可能な光量で一番暗い光量である。そして、ステップS8において、前記所定の速度で鍵1を駆動して、ハンマ2を動かし、ステップS9では、該駆動されたハンマ2のエンド位置EでのAD値e2を、前記所定の暗い光量で測定して、該測定したAD値e2をバッファする。このように、ステップS7〜S9では、所定の暗い光量で、ハンマ2のレスト位置及びエンド位置でのAD値の測定値r2,e2を得る。ここで、測定した所定の暗い光量で測定したAD値は、前述図3の一点鎖線Cの特性に対応している。
ステップS10において、前記ステップS4、S5、S6及びS9で測定した4つのAD値r1,e1,r2及びe2から下記の(式1)によりオフセット値xを算出する。
(式1) x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)
そして、算出したオフセット値xを例えばフラッシュメモリ(ROM21)やRAM22等の適宜のメモリに書き込み(ステップS11)、上述の処理を全88鍵について個別に行う(ステップS12)。かくして、各鍵毎のオフセット値xを求めることができる。
例えば、図4に示す数値を一例として説明すると、所定明るい光量で測定したレスト位置でのAD値r1=760及びそのエンド位置でのAD値e1=360であり、所定暗い光量で測定したレスト位置でのAD値r2=60及びそのエンド位置でのAD値e2=10とされている。これらの値を上記(式1)に代入すると、オフセット値x=40が算出される。図4の例では真値(オフセットの存在しない状態の出力)がレスト位置でのAD値=800及びそのエンド位置でのAD値=400と想定されており、このことはキャリブレーション比(レスト位置のAD値に対するエンド位置のAD値の比)が50%であることを意味する。
上記算出されたオフセット値x=40を上記測定された4つのAD値r1,e1,r2及びe2にそれぞれ加算すれば、所定明るい光量で測定した場合及び所定の暗い光量で測定した場合いずれにおいても、レスト位置でのAD値に対するエンド位置のAD値の比は50%になる。従って、測定値(AD値)にオフセット値xを加算してAD値の補正を行うことで、センサ26(OPアンプやAD変換器をも含む検出信号の出力系)にオフセットがある場合であっても、センサの出力特性の変化の影響を受けずに、キャリブレーション比を利用したハンマ動作位置の推定を適切に行えるようになる。
なお、図5の処理において、オフセット値xの算出に利用した4つのAD値r1,e1,r2及びe2は、オフセット値xを求めた後は不要となるので、その記録をクリアーしてよい。また、図5に示すオフセット値を求める処理は、実際には、当該自動演奏ピアノの工場での組み付け時や、メンテナンス時等において動作するものである。
次に、この実施例に係る自動演奏ピアノにおいて、センサ26のセンサ出力に基づきハンマ2の動きを表す情報を生成して、該生成した情報が表すハンマ2の動作状態の変化から演奏情報を生成するために、信号処理部27において実行する各種の処理について説明する。
電源投入時、信号処理部27は、センサ26から供給されるAD値とハンマ2の実際の動作位置とを対応付けるための「参照位置のパラメータ(参照値)」を設定する処理を行う。すなわち、所定の複数地点のハンマ動作位置が参照位置として予め設定されており、該参照位置を表すAD値の値(数値)を参照値として記憶する。この実施例において、前記参照位置としては、例えば、ハンマ2のレスト位置(ストローク量0mmの位置)、エンド位置(レスト位置からのストローク量48mm)、第1参照位置M1(前記エンド位置から8mm下がった位置)及び第2参照位置M2(前記エンド位置から0.5mm下がった位置)の4点が設定されるものとする。なお、第1参照位置M1と第2参照位置M2は、エンド位置に対する相対的な位置として規定されるものである。
図6は、当該自動演奏ピアノにおいて、上記4点の参照位置に対応する各参照値を設定する処理の一例を示す。この処理は、88個の各ハンマについて行うものであるが、ここでは或る1つのハンマ2についての処理のみ説明して、他を代表するものとする。
図6において、先ず、当該自動演奏ピアノにおいて電源が投入されると、センサ26によってハンマ2の現在位置をセンシングして、該センサ26から出力されるAD値を信号処理部27に取り込む(ステップS13)。このとき、前記図5の処理で算出したオフセット値xをメモリ(ROM21或いはRAM22等)から読み出し、該読み出したオフセット値xをAD値に加算して、センサ26の出力特性のオフセットを修正する。すなわち、信号処理部27には、オフセット値xを加算したAD値が取り込まれる。電源投入直後には、鍵1は非押鍵状態にある、つまりハンマ2はレスト位置に位置しているものと想定できるので、ここで取り込んだAD値は、当該ハンマ2のレスト位置に相当するデータとして参照される参照値「レスト値r」としてRAM等適宜のメモリ内に記憶される。
上記4点の各参照位置(レスト位置、エンド位置、第1参照位置M1及び第2参照位置M2)のうち、レスト位置での参照値(レスト値r)のみがセンサ26によって実測され、他の参照位置での各参照値は、該実測したレスト値rに基づき前記キャリブレーション比を用いて求めることができる。
すなわち、ステップS14では、前記キャリブレーション比を用いて、前記ステップS1で取り込んだレスト値rに基づきハンマ2のエンド位置に相当するデータとして参照される参照値「エンド値e」を算出し、該算出したエンド値eを前記RAM等適宜のメモリ内に記憶する。また、ステップS15では、キャリブレーション比を用いてハンマ2の第1参照位置M1及び第2参照位置M2に相当するデータとして参照される参照値「第1参照値m1」及び「第2参照値m2」を算出し、該算出した第1参照値m1及び第2参照値m2を該RAM等適宜のメモリ内に記憶する。前記第1参照値m1及び第2参照値m2は、後述する当該ハンマの速度の算出処理や、打弦有無判定処理等に際して参照される。
なお、鍵1をはじめとしてその他の可動部材についても同様に、電源投入時に、センサ出力から参照位置パラメータを設定しうる(ステップS16)。
図7は、信号処理部27において実行されるハンマ速度を求めるルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、例えば、演奏者による演奏操作時の演奏の記録処理(演奏データの生成処理)等において、当該自動演奏ピアノの通常の動作中の主要なルーチンの1つとして実行される。この処理は、88個の各ハンマについて行うものであるが、ここでは或る1つのハンマ2についての処理のみ説明し、他を代表するものとする。図示の通り、このルーチンはステップS20〜S27の処理を所定の起動周期に従ってループするようになっている。
ステップS20において、信号処理部27では、センサ26から出力されるAD値を当該ルーチンの1回の起動機会毎に取り込み、ステップS21では、前記図5の処理で算出したオフセット値xをメモリ(ROM21或いはRAM22等)から読み出し、該読み出したオフセット値xをAD値に加算して、センサ26の出力特性のオフセットを修正し、オフセットの修正を施したAD値(以下単に「AD値」という)を、その時刻情報TIMEと共にRAM等適宜のメモリ内に格納する。ここで、信号処理部27は、ある時点から過去20回分のサンプリング時点で取り込んだAD値及びその時刻情報TIMEからなるデータセットを格納しておき、これら20個のデータセットから図8(a)に示すようなデータテーブルTABLE1を作成する。テーブルTABLE1には、図示の通り、過去20回分のサンプリング点で取り込んだAD値とその時刻情報のデータセットが順次記述されており、信号処理部27では、テーブルTABLE1により、所定時間内における時間的推移に応じたハンマの連続的な動作位置の情報を把握することができる。
ステップS22では、取り込んだAD値からハンマ動作(つまり鍵操作)の有無の判定を行う。ハンマ動作の有無判定は、例えば、前述のレスト値rを参照して、取り込まれたAD値が非押鍵状態(レスト位置)から変位しているか否かによって判定できる。ハンマ動作(鍵操作)がなければ(ステップS22のno)、処理は当該ルーチンの先頭に戻る。
一方、ハンマ動作(鍵操作)があれば(ステップS22のyes)、ステップS23において、現時点で取り込まれたAD値が第2参照値m2を越えたかどうか、つまり、ハンマ2のストローク位置が第2の参照位置M2よりも上方に変位したかどうかを判定する。第2参照位置M2は、前述の通りエンド位置から0.5mm下がった位置である。これは、ハンマ2が打弦する位置(エンド位置)の直前の位置であから、この参照位置M2をハンマ2が超えれば、打弦が行われる(エンド位置に達する)であろうと推断することができる。よって、この第2参照位置M2は、打弦有無推定用の位置として定められており、第2参照値m2は、打弦有無推定用の閾値として参照される。このようにセンサ26から出力されるAD値と閾値に基づき打弦有無の推定を行うことは、ハンマ動作判断のハンマ実動作に対するリアルタイム性、すなわち、迅速な動作判断といった点で有利である。この実施例においては、詳しくは後述するような判断構成によってキャリブレーション比の補正を行うことで、ステップS23の打弦有無推定をより正確に行うことができるようになることが後段から明らかになる。
そして、ステップS24では、前記ステップS23での判断(現時点で取り込んだAD値が参照値m2を越えたかどうか?)に応じて、第1の打弦ステートst1の設定を行う。第1の打弦ステートst1は、AD値と参照値m2による打弦有無推定の推定結果に応じて、「推定打弦」の有無の状態を識別する2状態のステートである。AD値が参照値m2を越えていれば、第1の打弦ステートst1が「推定打弦有り」状態に設定される。なお、通常(すなわち、ステップS12での参照値m2越えが否の状態)では、第1の打弦ステートst1は非打弦(推定打弦無し)に設定されている。
ステップS25では、図8(a)のテーブルTABLE1を参照して、20点のサンプリング時点のうちから、或る時点からみて過去5点前のサンプリング時点においてハンマ2の動作向きが反転したかどうかを調べる。ハンマ2の動作が反転した時点は、テーブルTABLE1に基づきAD値の増減変化の状態から特定できる。すなわち、当該ハンマ2がレスト値にあるときのAD値の数値が最大値で表現され、エンド位置のAD値を最小値で表現されるとすると、ハンマの一回のストローク変位では、基本的には、センサ26から出力されるAD値は、最大値から漸減変化して、ハンマ軌道の頂点(エンド位置相当)にて、最小値になり、そこからレスト位置に至るまで漸増変化する。すなわち、AD値の変動が減少から増加に転じた時点において、ハンマ移動のピーク(打弦点)に相当するものと考えることができ、その時点を、ハンマ2の動作が反転した時点と特定できる。
信号処理部27は、当該ルーチンの起動機会毎に、テーブルTABLE1を参照して、最新のサンプリング時点からみて過去5点前のサンプリング時点前後でのAD値変動を調べておりハンマ2の動作が反転する時点を探している。そして、そのハンマ2の動作向きが反転した時点が特定されると、そこをハンマ移動のピーク(つまり打弦点)に相当する基準時点として、該基準時点から前後5点のサンプリング時点でのデータセットを抽出し、図8(b)に示すようなデータテーブルTABLE2を作成するのである。ここで、前記基準時点は、テーブルTABLE1内の或るサンプリング時点(例えば最新のサンプリング時点)からみて過去5点前のサンプリング時点に相当するものであるから、テーブルTABLE2は、該或るサンプリング時点から過去11点のサンプリング時点におけるデータセットから構成される。
図8(b)に示すように、テーブルTABLE2には、前記11点のサンプリング時点でのデータセット(「AD(−5)、t(−5)」〜「AD(5)、t(5)」)と、各時点での速度情報(「v(−4)」〜「v(5)」)及び加速度情報(「a(−4)」〜「a(4)」)が記述される。すなわち、ハンマ2の移動のピーク(打弦点)に相当する基準時点(AD(0),t(0))と、この基準時点に対して時間的に前後5回分のサンプリング時点でにおける各データセットについて、夫々速度情報と加速度情報を求めている。各時点での速度情報は、例えば直線近似により、任意の2点間のデータ(例えば、あるサンプリング時点でのデータセットとその1つ前のサンプリング時点でのデータセット)の差分に基づき算出することができる。また、算出した速度情報を微分演算することで、加速度情報を求めることができる。なお、速度情報及び加速度情報の算出の具体的な方法については、上述の例に限らず、従来から知られるいかなる方法を適用しても差し支えない。なお、速度情報の算出は、任意の2点間のデータの差分に基づき比較的簡単に求まるので、テーブルTABLE2の作成に先立って、例えば前述のステップS20において当該テーブルTABLE1を作成する際に算出しておいてもよい。テーブルTABLE1を作成する際に各時点での速度情報を算出しておけば、ステップS25でのハンマ2の動作反転の判別に速度情報を利用することも可能である。
さて、ステップS25において、ハンマ2の動作向きの反転があれば(ステップS25のyes)、ステップS26において、図9を参照して後述するサブルーチン「打弦判定処理」を実行する。一方、ハンマ2の動作向きの反転がなければ(ステップS25のno)、先頭のステップS20に戻り上述した処理を繰り返す。
そして、ステップS27では、前記第1の打弦ステートst1及び後述する「打弦判定処理」において設定する第1の打弦ステートst2に基づき、ノート・オン/オフ(発音指示)信号の生成処理等、その他処理を行う。ノート・オン/オフ信号は、キーナンバ及びベロシティデータ(打弦速度)を含む演奏データであって、例えばMIDI形式等のデータフォーマットで構成されてよい。
次に、図9に示すフローチャートを参照して「打弦判定処理」の手順の一例について説明する。先ず、ステップS30において、前記図8(b)に示すテーブルTABLE2を参照して、ハンマ2によって実際に打弦が行われたかどうかの判定を行う。この打弦判定においては、該テーブルTABLE2における基準時点(AD(0),t(0))から、ハンマ2が弦に近接動作する際(打弦前)の速度情報及び加速度情報と、ハンマ2が弦から離間動作する際(打弦後)の速度情報及び加速度情報と、次に述べる判定条件に照合して、ハンマ2によって実際に打弦がなされたかどうかを事後的に判定する。
ステップS30における打弦判定の条件は以下の通りである。
(1)確実に打弦したと判定する条件:基準時点(AD(0),t(0))での速度情報v(0)、及び、基準時点の直前の時点(AD(−1),t(−1))での速度情報v(−1)、及び、基準時点よりも2サンプリング時点前先行した時点(AD(−2),t(−2))での速度情報v(−2)を調べ、速度情報v(0)、v(−1)及びv(−2)の中に、所定速度(例えば0.3m/s)以上のものがあるかどうかを調べる。これにより、弦4に対して近接するハンマ2の打弦直前の運動状態の時間的推移を調べ、ハンマ2が打弦を行うのに十分な所定速度(例えば0.3m/s)で運動していたのであれば、確実に打弦有りと判断することができる。
(2)打弦した可能性が高いと判定する条件:基準時点(AD(0),t(0))での加速度情報の絶対値a(0)、並びに、該基準時点の前後3回分のサンプリング時点(「AD(−3),t(−3)」〜「AD(3),t(3)」)での各加速度情報の絶対値a(−3)〜絶対値a(3)を調べることで、打弦直前に弦4に対して接近するハンマ2の運動状態と、打弦後に弦4に対して離間するハンマ2の運動状態とを調べる。ここで、基準時点での加速度情報の絶対値a(0)が各加速度情報の絶対値a(−3)〜絶対値a(3)の中で最大であれば、当該ハンマ2の運動によって打弦が行われた可能性が高いと判断できる。
(3)非打弦の可能性が高いと判定する条件:前記(2)の判定条件に適合しないこと、つまり、各加速度情報の絶対値a(−3)〜絶対値a(3)の中に基準時点での加速度情報の絶対値a(0)よりも大きい値があること、及び/又は、複数の速度情報から得られる2次曲線に適合させる2次曲線適合法によって求めた基準時点における速度情報v(0)が「0」に近い値である場合は、当該ハンマ2の運動によっては、打弦が行われなかった可能性が高いと判断できる。
ステップS31では、前記ステップS30での判定結果に応じて、当該ハンマ2の動作状態(打弦有無)を表す第2の打弦ステートst2を設定する。第2の打弦ステートst2は、単純に打弦有り(前記条件(1)又は(2)に適う場合)か、打弦無し(前期条件(3)の場合)を表現するものであってよい。勿論前記条件(1)〜(3)の夫々に応じて、(1)確実に打弦、(2)打弦の可能性大及び(3)非打弦の可能性大、の3状態を表現してもよい。
ステップS32では、前記図7のステップS24で設定した第1の打弦ステートst1と、前記第2の打弦ステートst2とを比較して、双方が示す状態(打弦有無)が一致するかどうかを調べる。不一致であった場合(ステップS32のyes)、処理をステップS33に進めて、次に述べるサブルーチン「補正処理」を行う。一方、第1のステートst1と第2のステートst2が一致していれば(ステップS32のno)、打弦判定ルーチンを抜けて、前記図7のハンマ速度を求めるルーチンに戻る。
図10を参照して補正処理の手順の一例について説明する。
ステップS40において、両打弦ステートst1、st2の不一致が、以下に述べるいずれのケースに相当するかを判別し、各ケースに応じた補正処理を行う。
(ケース1)打弦ステートst1では非打弦と推定しながらも、打弦ステートst2では打弦有りの判定がなされた場合:打弦ステートst1では非打弦と推定しながらも、実際には打弦動作が行われているので、打弦ステートst1の根拠となる参照位置パラメータとして設定された参照エンド値eが実際のエンド位置よりも高く想定されてしまっていると考えられる。このケース1の場合は、ステップS41において、テーブルTABLE2にて基準時点として設定された時点でのAD値「AD(0)」を新規エンド値eとして設定して、この新規エンド値eと現在のレスト値rとの比を求めることで、当該ハンマ2のキャリブレーション比を更新する。キャリブレーション比を更新したら、新規キャリブレーション比から各種パラメータ(参照位置パラメータなど)を再算出する。
(ケース2)打弦ステートst1では打弦と推定しながらも、打弦ステートst2では打弦無しの判定がなされた場合:打弦ステートst1では打弦と推定しているものの、実際には打弦動作は行われていないので、参照位置パラメータとして設定された参照エンド値eが実際のエンド位置よりも低く想定されてしまっていると考えられる。このケース2の場合は、ステップS42において、テーブルTABLE2にて基準時点として設定された時点でのAD値「AD(0)」に対して、所定数値加算した値を新規エンド値eとして設定して、この新規エンド値eと現在のレスト値rとの比を求めることで、当該ハンマ2のキャリブレーション比を更新する。キャリブレーション比を更新したら、新規キャリブレーション比から推定打弦位置に相当する閾値(第2の参照位置M2の参照値m2)等の各種パラメータを再算出する。そして、当該補正処理のルーチンを抜けて、図7のハンマ速度を求めるルーチンに戻る。
上述の補正処理によってセンサ26から出力されたAD値を基にキャリブレーション比を適切な値に補正することで、新規キャリブレーション比に基づき、打弦推定を行う閾値(第2の参照値m2)を、より適切な値に設定し直すことができる。従って、例えば経時変化によりアクションメカニズムの相対位置が変動し、キャリブレーション比が変わってしまった場合にも、キャリブレーション比をリアルタイムで補正することができる。よって、図7のステップS23における打弦推定をより正確に行えるようになり、リアルタイムでの打弦有無判断がより正確に行える。
なお、上記実施例では、補正処理においてキャリブレーション比を補正する処理例について説明したが、これに限らず、参照位置パラメータとして設定されたレスト値rやエンド値eを補正するように処理してもよい。さらに、センサからの出力値に修正をかけるようにしてもよい。
また、上記実施例において、図9の打弦有無の判定要素として用いる情報は、上述したハンマ2の速度情報と加速度情報に限定されず、ハンマによる打弦運動に関する物理情報であればどのような情報であっても利用しうる。例えば、適宜のセンサによって打弦時の弦4の振動を検出するよう構成して、その振動情報を利用してもよいし、或いは、打弦時の弦4の振動を直接検出するのではなく、該振動によって発生する振動音を適宜のピックアップで検知できるよう構成してもよい。
以上説明したとおり、この実施例によれば、図5に示す処理によりオフセット値xを求め、ハンマ2の動作の実際の測定値(AD値)に該オフセット値xを加えたものを、ハンマ2の検出位置とすることで、センサ26の出力特性の経時的変化による光量の低下など、経時変化によらず、正確なハンマの動作位置の検出が行えるようになる、という優れた効果を奏する。
なお、上述の図5のステップS4、S6或いはステップS7、S9においては、オフセット値xを算出するための測定値のサンプル位置として、レスト位置及びエンド位置でのAD値を測定する例を示したが、サンプル位置として適用可能なストローク位置は、再現性のあるストローク位置でさえあればよく、上記に限定されない。また、上記の例では、レスト位置及びエンド位置でのAD値を2種の光量で測定することで、オフセット値xを算出するために4点の測定値のサンプルを使用する例を示したが、サンプルとして使用する測定値の数は、4点に限定されない。例えば、サンプル点数を多く取り算出精度を上げるようにしてもよい。また、上述の例では、AD値の出力特性が直線によって表現される例を示したが、サンプル点数を必要な数とることができれば、AD値の出力特性が二次曲線によって表現される場合でも、本実施例を適用可能である。
また、上記の実施例では、図5のオフセット値を求める処理や、図7のハンマ速度を求めるルーチンなどの種々の信号処理(つまり信号処理部27の動作)が、コンピュータが実行するソフトウェアプログラムによって構成及び実施されるものとしたが、これに限らず、信号処理部27を構成する各モジュールが担う各種演算処理を実行する専用のハードウェア的信号処理装置を具備し、該各モジュールの各種機能をハードウェア装置として構成及び実現することも可能である。
また、上述の実施例では、センサ26の一例として、ハンマ2の動作位置を連続量で検出する光学式センサを例として説明したが、この発明はセンサの出力特性が経時変化するものであれば、センサの方式は光学式に限定されない。また、検出する物理量は、位置情報に限らず、速度や加速度等、その他の物理量であってもよい。例えば、速度検出可能なMMセンサ等に本発明を適用することができる。
また、上述の実施例では、ハンマ2の動作検出を一例に説明したが、これ限らず、鍵1やその他適宜の変位部材に対して、その動きを検出するセンサを備え、鍵1やダンパ、シャンク等、その他の変位部材の動作検出に本発明を適用するよう構成して差し支えない。
また、上記実施例では、自動演奏ピアノとして、自動演奏機能及び演奏操作記録機能を有するアコースティックピアノについて説明したが、ここでアコースティックピアノは、グランドピアノ或いはアップライトピアノの何れであっても差し支えない。また、この発明は、自動演奏ピアノに限らず、消音ピアノにも適用することもできる。また、アコースティックピアノに限らず、電子ピアノ等のその他楽器の操作子の物理量の検出に適用可能である。
この発明の一実施例に係る自動演奏ピアノの全体構成を示す図。 同実施例に係る自動演奏ピアノの電気的ハードウェア構成を示すブロック図。 同実施例においてAD値とハンマの動作位置の関係の一例を示すグラフ。 図3に示す各出力特性毎にレスト位置及びエンド位置の数値例を示す表。 同実施例に係るオフセット値を求める処理の一例を示すフロー。 同実施例に係る自動演奏ピアノにおいて電源投入時に実行される処理例を示すフロー。 同実施例に係る自動演奏ピアノにおけるハンマ速度を求めるルーチンの一例を示すフロー。 (a)ハンマ動作の時間的推移を表すデータテーブルTABLE1の一例を示す図であり、(b)は、(a)のテーブルTABLE1に基づき作成される打弦直前のハンマの運動状態の時間的推移を表すデータテーブルTABLE2の一例を示す図。 同実施例に係る打弦判定処理の一例を示すフローチャート。 同実施例に係る補正処理の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 鍵、2 ハンマ、3 アクションメカニズム、4 弦、5 電磁ソレノイド、6 ダンパ、7 バックチェック、10 再生前処理部、11 モーションコントローラ、12 サーボコントローラ、13 電子楽音発生部、20 CPU、21 ROM、22 RAM、23 記憶装置、24 I/O、25 PWM発生器、26 センサ、27 信号処理部、28 算出部、30 処理部

Claims (4)

  1. 操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材と、
    前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段と、
    所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を取得し、且つ、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された該検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を取得して、前記取得した検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値xを算出するオフセット値算出手段であり、オフセット値xを下記の式
    x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)
    により算出するオフセット値算出手段と、
    前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、前記変位部材の変位を表す物理量を出力する物理量出力手段と
    を具える楽器の物理量検出装置。
  2. 操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材と、
    前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段と、
    所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を取得し、且つ、所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された該検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を取得して、前記取得した検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値xを算出するオフセット値算出手段であり、オフセット値xを下記の式
    x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)
    により算出するオフセット値算出手段と、
    前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、前記変位部材の変位を表す物理量を出力する物理量出力手段と
    を備える鍵盤楽器。
  3. 操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材を有する楽器において、前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段を用いて、前記変位部材の変位を表す物理量を検出する方法であって、
    所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を出力するステップと、
    所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を出力するステップと、
    前記出力された検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値を算出するステップであって、オフセット値xを下記の式
    x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)
    により算出するステップと、
    前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、該変位部材の変位を表す物理量を出力するステップと
    を含む方法。
  4. 操作者の演奏操作に応じてレスト位置からエンド位置の範囲で変位する変位部材を有する楽器において、前記変位部材の変位に応じた検出信号を出力する検出手段であって、発光部の発した光を受光部で受光した光量に応じた前記検出信号を出力するよう構成され、且つ、前記発光部が発する光量の調整が可能な光学式の検出手段を用いて、前記変位部材の変位を表す物理量を検出する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータに、
    所定の第1の光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r1とエンド位置の検出信号e1を出力するステップと、
    所定の第2の光量であって前記第1の光量よりも暗い光量に調整された前記検出手段を用いて、レスト位置の検出信号r2とエンド位置の検出信号e2を出力するステップと、
    前記出力された検出信号r1、e1,r2及びe2に基づいてオフセット値を算出するステップであって、オフセット値xを下記の式
    x=(r2e1−r1e2)/(r1−r2+e2−e1)
    により算出するステップと、
    前記算出されたオフセット値によって、前記検出手段から出力する検出信号を修正することにより、該変位部材の変位を表す物理量を出力するステップと
    を実行させるためのプログラム。
JP2004268457A 2004-09-15 2004-09-15 楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器 Expired - Fee Related JP4784057B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268457A JP4784057B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器
AT05016784T ATE452397T1 (de) 2004-09-15 2005-08-02 Alterungkorrektur eines sensors, verwendung in einem musikinstrument, und verfahren hierfür
DE602005018296T DE602005018296D1 (de) 2004-09-15 2005-08-02 Alterungkorrektur eines Sensors, Verwendung in einem Musikinstrument, und Verfahren hierfür
EP05016784A EP1638076B1 (en) 2004-09-15 2005-08-02 Sensor aging correction, musical instrument using the same and method used therein
US11/198,437 US7361827B2 (en) 2004-09-15 2005-08-05 Transducer free from aged deterioration, musical instrument using the same and method used therein
CN200510099534.5A CN1750111B (zh) 2004-09-15 2005-09-13 免于老化的变换器、使用该变换器的乐器及其使用方法
KR1020050085611A KR100716099B1 (ko) 2004-09-15 2005-09-14 경년 열화가 없는 트랜스듀서, 그를 사용하는 악기 및 사용방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268457A JP4784057B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006084686A JP2006084686A (ja) 2006-03-30
JP4784057B2 true JP4784057B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=35482238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004268457A Expired - Fee Related JP4784057B2 (ja) 2004-09-15 2004-09-15 楽器の物理量検出装置、楽器の物理量検出方法、楽器の物理量検出プログラム及び鍵盤楽器

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7361827B2 (ja)
EP (1) EP1638076B1 (ja)
JP (1) JP4784057B2 (ja)
KR (1) KR100716099B1 (ja)
CN (1) CN1750111B (ja)
AT (1) ATE452397T1 (ja)
DE (1) DE602005018296D1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4013251B2 (ja) * 2003-02-21 2007-11-28 ヤマハ株式会社 自動演奏装置の取り付け用加工装置
JP4736883B2 (ja) * 2006-03-22 2011-07-27 ヤマハ株式会社 自動演奏装置
CA2558857A1 (en) * 2006-09-06 2008-03-06 Paul Seney System and method for the controlled hitting of a percussion instrument
US20090282962A1 (en) * 2008-05-13 2009-11-19 Steinway Musical Instruments, Inc. Piano With Key Movement Detection System
JP5359246B2 (ja) * 2008-12-17 2013-12-04 ヤマハ株式会社 電子鍵盤楽器
JP2010160424A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Yamaha Corp ペダル出力変換装置及びプログラム
US8350143B2 (en) * 2010-02-02 2013-01-08 Yamaha Corporation Keyboard musical instrument
CN102262873B (zh) * 2011-07-29 2012-12-05 环高乐器制造(宜昌)有限公司 校准装置、使用该校准装置的自动演奏钢琴及校准方法
JP6299621B2 (ja) 2015-02-04 2018-03-28 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器
JP6485082B2 (ja) 2015-02-04 2019-03-20 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器
JP6070735B2 (ja) * 2015-02-04 2017-02-01 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器
JP6645128B2 (ja) * 2015-11-04 2020-02-12 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器及び該鍵盤楽器における補正情報取得方法
WO2017121049A1 (en) * 2016-01-15 2017-07-20 Findpiano Information Technology (Shanghai) Co., Ltd. Piano system and operating method thereof
CN110322865B (zh) * 2019-07-25 2024-02-06 广东复安科技发展有限公司 一种光纤吉他

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5001339A (en) * 1989-03-27 1991-03-19 Gulbransen, Inc. Opto-electronic sensing method and device for an acoustic piano
JP2934346B2 (ja) * 1990-10-20 1999-08-16 富士写真フイルム株式会社 オートフォーカスカメラ及びその調整方法
JPH11167175A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Nikon Corp 検査システム及び交換レンズ
US6229081B1 (en) * 1998-09-18 2001-05-08 Yamaha Corporation Keyboard musical instrument, position sensing device and light-emitting controller both incorporated therein
JP4081908B2 (ja) * 1998-09-18 2008-04-30 ヤマハ株式会社 オペアンプのオフセット電圧補償装置
JP3900712B2 (ja) * 1998-10-23 2007-04-04 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器のセンサ較正装置及びセンサ較正方法
JP3202699B2 (ja) * 1998-10-27 2001-08-27 米沢日本電気株式会社 光センサの制御方式
JP2000356733A (ja) * 1999-06-15 2000-12-26 Sony Corp カメラ装置
WO2001095308A1 (en) * 2000-06-06 2001-12-13 Overture Music Systems, Inc. Detecting and recording movement in musical keyboard
JP2003315365A (ja) * 2002-04-26 2003-11-06 Nippon Denki Keiki Kenteisho 電力量計の試験標検出器
JP4094402B2 (ja) * 2002-10-23 2008-06-04 Smk株式会社 操作パネル入力装置
JP2004294772A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Yamaha Corp 自動演奏ピアノ
US6992241B2 (en) * 2003-12-25 2006-01-31 Yamaha Corporation Automatic player musical instrument for exactly reproducing performance and automatic player incorporated therein

Also Published As

Publication number Publication date
ATE452397T1 (de) 2010-01-15
DE602005018296D1 (de) 2010-01-28
CN1750111B (zh) 2010-05-05
CN1750111A (zh) 2006-03-22
KR20060051282A (ko) 2006-05-19
JP2006084686A (ja) 2006-03-30
US7361827B2 (en) 2008-04-22
US20060054010A1 (en) 2006-03-16
EP1638076B1 (en) 2009-12-16
EP1638076A1 (en) 2006-03-22
KR100716099B1 (ko) 2007-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4483636B2 (ja) 鍵盤楽器
US7435895B2 (en) Automatic playing system used for musical instruments and computer program used therein for self-teaching
JP4222280B2 (ja) 演奏情報出力装置及び楽器及び演奏情報を出力するための方法及び該方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
KR100716099B1 (ko) 경년 열화가 없는 트랜스듀서, 그를 사용하는 악기 및 사용방법
US6359207B1 (en) Position transducer system with built-in calibrator for moving object, method for accurately determining position of moving object and keyboard musical instrument equipped with the position transducer system
JP4479554B2 (ja) 鍵盤楽器
JP4617921B2 (ja) 楽器演奏の再生駆動装置、鍵盤楽器及び自動演奏ピアノ
EP1471497B1 (en) Automatic player keyboard musical instrument equipped with key sensors shared between automatic playing system and recording system
US7285718B2 (en) Keyboard musical instrument and other-type musical instrument, and method for generating tone-generation instructing information
JP5028849B2 (ja) 鍵盤楽器のペダルのハーフポイント特定方法及び装置
US9099062B2 (en) Keyboard musical instrument, method of controlling actuator in the keyboard musical instrument, and non-transitory recording medium storing program for controlling the actuator
JP4193752B2 (ja) 自動演奏ピアノ
US6992241B2 (en) Automatic player musical instrument for exactly reproducing performance and automatic player incorporated therein
US8546679B2 (en) Keyboard musical instrument, program, performance data conversion program and device
US8859878B2 (en) Method and device for identifying half point of pedal on keyboard musical instrument
JP4218620B2 (ja) 鍵盤楽器
US20140305286A1 (en) Keyboard musical instrument, and method for reproducing half performance of pedal or key damper on keyboard musical instrument
JP4626241B2 (ja) 楽器及び発音指示情報を生成するための方法及び該方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
JP4228913B2 (ja) 楽器
US20140305285A1 (en) Keyboard musical instrument, and method for recording half performance of pedal or key damper on keyboard musical instrument
JP4110691B2 (ja) 鍵盤楽器のセンサデータ変換装置及びセンサデータ変換方法
US20140305277A1 (en) Method and apparatus for identifying key-damper half region of keyboard musical instrument
JP2004029143A (ja) 再生性能評価装置、楽器及び鍵盤楽器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees