JP4783976B2 - 電圧供給回路及びその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧供給回路、特に半導体集積回路に正常動作を維持できる必要最低限の動作電源電圧を供給し、低消費電力化を実現可能な電圧供給回路及びその電圧制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の消費電力は、供給する動作電源電圧に依存する。低消費電力化を実現するために低電源電圧化が要求される。一方、動作電源電圧が低下すると半導体集積回路の動作速度が低下することになる。このため、半導体集積回路の動作速度が所定の基準値を満たす最低限の動作電源電圧を半導体集積回路に供給する必要がある。
【0003】
一般的に、LSI(大規模半導体集積回路)の低消費電力化を実現する手段として、LSI内部のクリティカルパスの遅延時間を常にモニタし、LSIに供給される電圧が、当該クリティカルパスの遅延時間を一定の基準値より短くなるよう制御される。このような制御によって、LSIが正常な動作を維持できる最低限の電圧が供給され、LSIの正常な動作を維持しながら、低消費電力化を実現できる。
【0004】
通常このような電源電圧を供給する電圧供給回路は、半導体集積回路のクリティカルパスの遅延時間をモニタするレプリカ回路、当該レプリカ回路の遅延時間を検出する遅延検出回路、電圧発生回路及び電圧発生回路の発生電圧を制御する制御回路によって構成されている。電圧発生回路によって発生された電圧は、動作電源電圧として、半導体集積回路及びレプリカ回路にそれぞれ供給される。通常、レプリカ回路は、半導体集積回路内のクリティカルパスと同程度の遅延時間を持つように設計されている。また、LSIの動作マージンを勘案して、クリティカルパスよりわずか長い遅延時間をもつように設計されることもある。
【0005】
上述したように、半導体集積回路の動作速度は、供給する電源電圧に応じて変化する。例えば、供給電源電圧が高い場合動作速度が高く、逆に供給電源電圧が低い場合動作速度が低くなる。レプリカ回路は、半導体集積回路と同じ動作電源電圧が供給され、半導体集積回路のクリティカルパスとほぼ同じ遅延時間を有するので、供給電源電圧が高い場合その遅延時間が短く、逆に供給電源電圧が低いときその遅延時間が長い。このため、レプリカ回路の遅延時間を検出することによって、半導体集積回路の動作速度が所定の基準値を満たしているか否かを判断できる。
【0006】
レプリカ回路に所定の信号を入力し、それに応じた出力信号の時間遅れを検出することによって、供給する動作電圧を制御することができる。ここで、入力信号として、例えば1ショットパルスあるいは周期的なクロック信号がレプリカ回路に入力される。レプリカ回路の出力信号と上記入力信号との時間差あるいは位相差に応じて、当該レプリカ回路の遅延時間を検出できる。そして、検出された遅延時間が所定の基準値と比較し、当該比較結果に応じて電圧発生回路の発生電圧を制御する。例えば、レプリカ回路の遅延時間が所定の基準値より大きいとき、電圧発生回路の出力電圧を上げる制御を行い、逆にレプリカ回路の遅延時間が所定の基準値より小さく、または当該基準値に等しいとき電圧発生回路の出力電圧を下げる制御を行う。
上述した制御によって、半導体集積回路は正常に動作しうる最低限の電圧が供給され、低消費電力化が図れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の電圧供給回路では、遅延検出回路によって検出されたレプリカ回路の遅延時間が所定の基準値より大きく、供給電圧を上げる必要がある場合に、電圧発生回路からの出力である動作電源電圧を早急に上昇させないと、半導体集積回路に動作不良が起きることがありうる。半導体集積回路及びレプリカ回路の遅延時間が基準値を上回ることは、例えば、回路の動作開始時、または電圧発生回路の負荷が急に増加したときに起こりうる。このような場合に、半導体集積回路の動作を正常に保つために電圧発生回路の供給電圧を短時間に所望の電圧レベルに達するように制御を行うことが望ましい。
【0008】
しかし、従来の電圧供給回路では、制御回路による供給電圧の制御幅に限度があるので、供給電圧を急に上昇させる必要が生じた場合、動作遅れが発生し、半導体集積回路の動作が一定の時間において不安定になる可能性が生じる。
以下、図12を参照してこれについてさらに詳細に説明する。
たとえば、時刻Aにおいて、制御回路は遅延時間が基準値より大きいと検知し、電圧発生回路に出力電圧を一定の上げ幅で上昇させるよう要求する。しかしながら、この上げ幅でもまだ遅延時間が所定の基準値より大きい場合、制御回路は時刻Bにおいて、電圧発生回路に再度出力電圧を上昇させるよう要求する。これを繰り返すことで、最終的に遅延時間が所定の基準値を越えないように供給電圧のレベルが高く制御されるが、この間半導体集積回路は正常に動作することができなくなる可能性がある。
【0009】
電圧発生回路の出力電圧の上げ幅を大きく制御することによって、急速な負荷変化などに対応でき、上述した問題をある程度改善できるが、半導体集積回路の遅延時間が所定の基準値を下回ったと検知し、制御回路が電圧発生回路に出力電圧を降下するよう要求したとき、電圧の上げ幅と同様に下げ幅も大きく設定されると、供給される動作電圧が急に低下し、半導体集積回路が正常に動作できなくなることがある。この場合、制御回路は、電圧発生回路に対して出力電圧幅を上昇と降下を繰り返して要求する不安定な状態に陥ることがありうる。
【0010】
また、上述した従来の電圧供給回路では、レプリカ回路の特性を実際のLSI内部のクリティカルパスと全く同等にするためには、クリティカルパスのゲート段数だけでなく、クリティカルパスの配線容量、抵抗をすべて正確に模倣する必要があり、現実的にはこれが困難である。このため、レプリカ回路によって検出された遅延時間は、必ずしも実際のLSIのクリティカルパスの遅延時間と一致しない可能性がある。
【0011】
ここで、一例として、ある動作条件1でのクリティカルパスの電源電圧−遅延特性を図13の線A、クリティカルパスの遅延時間をモニタするレプリカ回路の電源電圧−遅延特性を線Cに示している。この動作条件で周期Tにおいては、クリティカルパスとレプリカ回路の動作電圧差はΔVだけ存在する。一方、別の動作条件2でのクリティカルパスの電源電圧−遅延特性を図13の線B、クリティカルパスの遅延時間をモニタするレプリカ回路の電源電圧−遅延特性を線Dに示している。この動作条件で周期Tにおいては、クリティカルパスとレプリカ回路の動作電圧差はΔV’だけ存在する。このような遅延特性の違いは、例えば製造工程に生じるトランジスタの電流能力のバラツキ具合等により発生する。図13において、ΔVはΔV’より大きい(ΔV>ΔV’)。
【0012】
このような特性を持つLSIに対して、例えば上記条件2のレプリカ回路の遅延情報からΔV’だけ電源電圧マージンを持たせていると、このLSIの動作条件1では、(ΔV−ΔV’)だけ電源電圧が足りず遅延時間が増大し、動作不良が起きる可能性がある。よって、このような回路特性の場合、動作条件1を考慮し、電源電圧を制御するとき、ΔVのマージンを付加する必要がある。
【0013】
しかしながら、このマージンは動作条件2の場合には過剰なものとなり、このマージン分だけ調整した電源電圧がLSIが正常な動作を維持する最低限の電圧より高く、無駄な消費電力が発生する結果となる。
【0014】
さらに、LSIの遅延特性、即ち、供給される電源電圧と遅延時間との関係はLSIの製造条件に応じて変化する。LSIの遅延は、ゲート遅延とRC配線遅延との合計によって決まる。このうち、ゲート遅延は、駆動すべき負荷容量をトランジスタの電流値で割った値によって決まり、トランジスタの電流能力が供給される電源電圧に依存するので、電源電圧に応じて変動する。一方、RC配線遅延は、駆動するバッファの電流能力が大きい場合、動作電圧によらず一定であり、例えば、電源電圧VDDレベルまで遷移する時間は、(0.38×R×C)と近似できることが一般的に知られている。
【0015】
ところで、実際のLSIの製造において、このRC成分にかかわる配線抵抗、配線容量の製造バラツキと、トランジスタのゲート遅延にかかわるトランジスタの電流駆動能力の製造バラツキが存在する。図14は、LSIの遅延特性、即ち電源電圧と遅延値との関係を示すグラフである。図14において、線Aは設計通りできあがった場合のLSIの特性、線Bはトランジスタの電流能力が設計値より低くなり、配線抵抗及び配線容量が設計通りできあがった場合のLSIの特性、線Cはトランジスタの電流能力は設計通り、配線抵抗及び配線容量が設計値より大きくできあがった場合のLSIの特性を示している。また、線Dは設計通りに配線遅延がついている場合の配線遅延値、線Eは設計値より大きく配線遅延がついている場合の配線遅延値である。即ち、線AとBには、配線遅延値として線Dの成分が含まれ、線Cには配線遅延値として線Eの成分が含まれる。
【0016】
図14に示すように、動作電圧と遅延時間がいくつかのパターンを含む場合、動作電圧の変動の影響が遅延値に与える割合が一定でなくなるので、電圧をどの程度変動させればよいかが決定しにくい。特に、線Cの特性を前提として電圧を低下させていくと、実際のLSIの特性が線Bであった場合に、遅延の変動幅が大きくなり、動作周波数スペックを満たさない遅延値を取り、動作不良が起きる可能性がある。
【0017】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電圧発生回路の出力電圧の上げ幅と下げ幅をそれぞれ異なるように制御することによって、負荷の急速な変化に対応でき、安定した動作電源電圧を供給でき、また、レプリカ回路によって検出された遅延情報から、LSIの動作条件を推測し、動作電圧マージンを適宜補正することで低消費電力化をはかり、さらに遅延情報の変動量を検出することで、LSIの動作条件を推定し、半導体集積回路が正常な動作を維持しながら、低消費電力化を実現できる電圧供給回路及びその電圧制御方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1観点の電圧供給回路は、供給される電源電圧に基づいた動作速度で、入力信号に応じて所定の処理を行い、上記入力信号を受けてから所定の遅延時間を経過した後処理結果を出力する機能回路と、上記機能回路の遅延時間を検出する遅延検出回路と、上記遅延検出回路によって検出された遅延時間に応じて、上記電源電圧を上昇または降下させ、上記電源電圧を上昇させるときの変動幅を降下させるときの変動幅より大きく制御する制御信号を出力する制御回路と、上記制御信号に応じた電圧を発生し、電源電圧として上記機能回路に供給する電圧発生回路とを有する。
【0019】
また、本発明では、好適には、上記遅延検出回路は、上記機能回路のクリティカルパスと同程度の遅延時間をもつレプリカ回路と、上記レプリカ回路に所定の信号を入力し、当該入力信号に応じた出力信号の遅延時間を検出する遅延時間検出回路とを有する。
【0020】
また、本発明では、好適には、上記制御回路は、上記遅延時間検出回路によって検出された遅延時間と予め設定された基準値とを比較する比較回路を有し、上記比較の結果、上記検出された遅延時間が上記基準値より大きいとき、上記電圧発生回路の出力電圧を第1の変動幅で上昇させ、上記検出された遅延時間が上記基準値より小さいとき、上記電圧発生回路の出力電圧を上記第1の変動幅より小さい第2の変動幅で降下させる制御信号を出力する。
【0021】
また、本発明では、好適には、上記制御回路は、上記遅延時間検出回路によって検出された遅延時間と予め設定された基準値との差を求める手段と、上記遅延時間と基準値との差に応じて上記電圧変動幅を設定する電圧変動幅決定手段とを有する。
【0022】
また、本発明の第2の観点の電圧供給回路は、供給される電源電圧に基づいた動作速度で、入力信号に応じて所定の処理を行い、上記入力信号を受けてから所定の遅延時間を経過した後処理結果を出力する機能回路と、上記機能回路のクリティカルパスとほぼ同じ遅延時間を持つレプリカ回路と、上記レプリカ回路の遅延時間を検出する遅延検出回路と、上記遅延検出回路によって検出された遅延時間に応じて、所定の基準値を満たすように上記レプリカ回路に供給すべき電源電圧を求め、同じ動作条件における上記レプリカ回路の電源電圧と上記機能回路の電源電圧との関係に基づき、遅延時間が上記所定の基準値を満たすために上記機能回路に供給すべき電源電圧を求め、当該電源電圧に応じた制御信号を出力する制御回路と、上記制御信号に応じた電圧を発生し、当該電圧を上記電源電圧として上記機能回路に供給する電圧発生回路とを有する。
【0023】
また、本発明では、好適には、同じ動作条件において、上記レプリカ回路の遅延時間と上記機能回路のクリティカルパスの遅延時間を等しくするため、上記レプリカ回路及び上記機能回路に供給する電源電圧の関係を示すデータベースを有し、上記制御回路は、上記データベースに基づき、求められた上記レプリカ回路への供給電圧に対応する上記機能回路への供給電圧を求める。
【0024】
また、本発明では、好適には、同じ動作条件において、上記レプリカ回路の遅延時間と上記機能回路のクリティカルパスの遅延時間を等しくするため、上記レプリカ回路及び上記機能回路に供給する電源電圧の関係を示す数式を有し、上記制御回路は、上記数式に基づき、求められた上記レプリカ回路への供給電圧に対応する上記機能回路への供給電圧を求める。
【0025】
さらに、本発明の第3の観点の電圧供給回路は、供給される電源電圧に基づいた動作速度で、入力信号に応じて所定の処理を行い、上記入力信号を受けてから所定の遅延時間を経過した後処理結果を出力する機能回路と、上記機能回路の遅延時間を検出する遅延検出回路と、上記遅延検出回路によって検出された遅延時間に応じて、上記電源電圧の変動幅に対応する遅延時間の変動幅を求め、上記電源電圧の変動幅、上記遅延時間の変動幅及び予め取得した各製造条件における電源電圧と遅延時間との関係を示す情報に基づき、製造条件を推定し、当該推定した製造条件における上記機能回路に供給すべき電源電圧を求め、当該電源電圧に応じた制御信号を出力する制御回路と、上記制御信号に応じた電圧を発生し、上記電源電圧として上記機能回路に供給する電圧発生回路とを有する。
【0026】
また、本発明では、好適には、各動作条件において、上記電源電圧と遅延時間との関係を示すデータベースを有し、上記制御回路は、求められた上記電源電圧の変動幅と上記遅延時間の変動幅、及び上記データベースに基づき、製造条件を推定し、当該推定した製造条件に応じて、上記データベースに基づき当該製造条件における上記機能回路が正常に動作する電源電圧を取得する。
【0027】
また、本発明では、好適には、上記制御回路は、前回検出された遅延時間と設定された電源電圧とを記憶する第1の記憶手段と、今回検出された遅延時間と設定される電源電圧とを記憶する第2の記憶手段とを有し、上記第1と第2の記憶手段に記憶されているデータに応じて、電源電圧の変動幅及びそれに応じた遅延時間の変動幅を算出する。
【0028】
また、本発明では、好適には、上記機能回路のクリティカルパスに基づいたレプリカ回路を有し、上記遅延検出回路は、上記レプリカ回路の遅延時間を検出する。
【0029】
また、本発明の第1の観点の電圧制御方法は、所定の機能を実行する機能回路が正常動作するための最低限の電源電圧を供給する電圧制御方法であって、上記機能回路の遅延時間を検出するステップと、上記検出された遅延時間に応じて、上記電源電圧を上昇または降下させ、上記電源電圧を上昇させるときの変動幅を降下させるときの変動幅より大きく設定するステップと、上記設定された変動幅に応じて上記電源電圧を変化させて、上記機能回路に供給するステップとを有する。
【0030】
また、本発明の第1の観点の電圧制御方法は、所定の機能を実行する機能回路が正常動作するための最低限の電源電圧を供給する電圧制御方法であって、上記機能回路の遅延時間をモニタするレプリカ回路の遅延時間を検出するステップと、検出された上記レプリカ回路の遅延時間に応じて、当該レプリカ回路の遅延時間が所定の基準値を満たすように上記レプリカ回路に供給すべき電源電圧を求めるステップと、同じ動作条件における上記レプリカ回路に供給される電源電圧と上記機能回路に供給される電源電圧との関係に基づき、遅延時間が上記所定の基準値を満たすために上記機能回路に供給すべき上記最低限の電源電圧を求めるステップと、上記求めた最低限の電源電圧を発生し、当該発生した電源電圧を上記機能回路に供給するステップとを有する。
【0031】
また、本発明の第3の観点の電圧制御方法は、所定の機能を実行する機能回路が正常に動作するための最低限の電源電圧を供給する電圧制御方法であって、上記機能回路の遅延時間を検出するステップと、検出された上記機能回路の遅延時間に応じて、当該機能回路に供給する電源電圧の変動幅及び当該電源電圧の変動幅に対応する遅延時間の変動幅を取得するステップと、上記電源電圧の変動幅、上記遅延時間の変動幅及び予め取得した上記電源電圧と遅延時間との関係を示す情報に基づき、製造条件を推定し、当該推定した製造条件における上記機能回路に供給すべき上記最低限の電源電圧を求めるステップと、上記求めた最低限の電源電圧を発生し、当該発生した電源電圧を上記機能回路に供給するステップとを有する。
【0032】
本発明によれば、入力信号に応じて所定の処理を行う機能回路に対応して、当該機能回路のクリティカルパスと同程度の遅延時間を持つレプリカ回路が設けられ、機能回路とレプリカ回路に電圧発生回路によって生成される電源電圧が供給される。遅延検出回路によって、レプリカ回路に所定の入力信号が入力されたときの遅延時間が検出され、当該検出された遅延時間と所定の基準値との比較結果に応じて、制御回路によって供給される電源電圧を上昇させるまたは降下させる制御が行われる。さらに、電源電圧を上昇させるときの電圧変動幅を降下させるときの電圧変動幅より大きく設定することによって、負荷の変動などによって、電源電圧が低下し、機能回路のクリティカルパスの遅延時間が所定の基準値を上回ったとき、電源電圧を短時間で基準値以上に回復でき、機能回路が動作不良を起こす確率を低く抑制でき、また、電源電圧を降下させるとき、小幅で徐々に電圧レベルを下げることによって、電圧制御の不安定性を解消できる。
【0033】
また、本発明によれば、半導体素子のバラツキなどによって、同じ動作条件においてレプリカ回路と機能回路であるLSIのクリティカルパスの遅延時間が異なる場合、予めそれぞれの動作条件におけるレプリカ回路の動作電源電圧とLSIの動作電源電圧との関係を求めて、回路動作時に検出されたレプリカ回路の遅延時間に応じて当該レプリカ回路に供給する電源電圧が求められ、予め求められたレプリカ回路の動作電源電圧とLSIの動作電源電圧との関係に基づきLSIに供給すべき電源電圧が求められる。これによって、レプリカ回路と機能回路との遅延時間のバラツキによる推定動作電源電圧の誤差を補正でき、LSIを正常に動作する必要最低限の電源電圧を供給でき、低消費電力化を実現できる。
【0034】
さらに、本発明によれば、製造条件のバラツキなどによって、機能回路であるLSIの遅延特性が変化する場合、LSIに供給される電源電圧の変動幅とそれに応じて遅延時間の変動幅を検出し、予めそれぞれの製造条件におけるLSIの電源電圧と遅延時間との関係を示すデータベース求めて、回路動作時に検出されたLSIの遅延時間に応じて、供給される電源電圧の変動幅と遅延時間の変動幅が求められ、さらにデータベースを参照し、LSIの製造条件を推定でき、当該推定した製造条件に基づきLSIに供給すべき電源電圧が求められる。
これによって、LSIの製造条件のバラツキによる電源電圧の推定誤差を補正でき、また、LSIを正常に動作する必要最低限の電源電圧を供給でき、低消費電力化を実現できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1は本発明に係る電圧供給回路の第1の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態の電圧供給回路100は、入力信号生成回路30、レプリカ回路20、遅延検出回路40、制御回路50及び電圧発生回路60によって構成されている。電圧供給回路100によって出力される電源電圧VDDは、LSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給される。
【0036】
LSI10は、所定の処理機能を有する機能回路であり、入力信号に応じて所定の信号処理を行い、処理結果を出力する。
レプリカ回路20は、LSI10のクリティカルパスに対応して設計され、LSI10のクリティカルパスの遅延時間をモニタするための回路である。レプリカ回路20とLSI10には、同じ動作電源電圧VDDが供給されるので、電源電圧VDDの変化に応じて、レプリカ回路20は、LSI10のクリティカルパスとほぼ同程度の遅延時間をもつ。
【0037】
入力信号生成回路30は、レプリカ回路20への入力信号Sinを生成する。ここで、入力信号生成回路30によって生成される入力信号Sinは、例えば、1ショットパルスまたは周期的なクロック信号である。
【0038】
レプリカ回路20は、入力信号Sinを所定の遅延時間TD で遅らせた遅延信号SD を出力する。遅延検出回路40は、入力信号Sinに対して、レプリカ回路20の出力信号SD の遅延時間TD を検出し、遅延データDL を出力する。
【0039】
制御回路50は、遅延検出回路40によって出力された遅延データDL に応じて、電圧発生回路60に発生電圧を制御する制御信号SC を出力する。制御回路50は、入力される遅延データDL と所定の基準値DR とを比較し、当該比較の結果に応じて、発生電圧を上昇または降下させる制御信号SC を出力する。本実施形態の電圧供給回路100においては、制御回路50によって電圧発生回路60の出力電圧VDDを上昇させるまたは降下させる制御を行う場合、電圧変動幅が異なるように制御される。
【0040】
電圧発生回路60は、制御回路50からの制御信号SC に応じて、発生する電圧VDDのレベルを制御し、発生電圧VDDをLSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給する。
【0041】
図2は、本実施形態の電圧供給回路100の動作を示すフローチャートである。以下、図1及び図2を参照しながら、本実施形態の電圧供給回路100の動作を詳述する。
【0042】
図2のフローチャートにおいて、ステップS1は、遅延検出回路40によって行われ、ステップS2〜S6は、制御回路50によって行われる制御である。
まず、ステップS1において、遅延検出回路40によってレプリカ回路20の遅延時間TD が検出され、それに応じた遅延データDL が出力される。そして、制御回路50は、遅延データDL を受けて、LSI10の遅延情報を取得する(ステップS2)。そして、制御回路50によって、遅延情報に基づいてLSI10に供給する電源電圧VDDを上昇、降下またはレベル維持の何れかを決定する(ステップS3)。例えば、制御回路50は入力される遅延データDL と所定の基準値DR とを比較し、遅延データDL が基準値DR より大きい場合、LSI10の動作速度が所定の基準値を満たしていないと判断し、電源電圧VDDを上昇させる決定をする。一方、遅延データDL が基準値DR より小さい場合、LSI10の動作速度が所定の基準値を満たしていると判断し、電源電圧VDDを降下させる決定をする。また、遅延データDL が基準値DR とほぼ一致しているとき、電源電圧VDDをそのレベルに維持する決定をする。
【0043】
次に、制御回路50によって、電圧供給回路60によって供給される電源電圧VDDの変動幅が決定される(ステップS4)。例えば、電源電圧VDDを上昇させる場合、その上げ幅ΔVA とし、電源電圧VDDを降下させる場合、その下げ幅をΔVB とすると、制御回路50において、ΔVA >ΔVB を満たすように制御される。電源電圧VDDの上昇幅ΔVA を大きく設定することによって、LSI10の遅延時間が基準値を上回ったと判断したとき、供給される電源電圧VDDを急速に上昇させ、LSI10の遅延時間を短時間に正常値に戻すことができ、動作不良が発生しうる時間を短縮できる。LSI10の遅延時間が基準値を下回ったと判断したとき、LSI10に供給される電源電圧VDDを急激に下げることなく、小さい下げ幅で徐々に低下させることで、電源電圧VDDの急低下による動作の不安定性を回避することができる。
【0044】
制御回路50において、上述したように電源電圧VDDの変動幅が決定され、それに必要なマージンを加え、電圧発生回路60の供給電圧VDDが決定され、それに応じた制御信号SC が電圧発生回路60に出力される(ステップS5,S6)。これに応じて、電圧発生回路60は、制御回路50の指示に基づき、電源電圧VDDを発生し、LSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給する(ステップS7)。
【0045】
図3は、上述した制御によって電圧発生回路60の供給電圧VDDの一例を示す図である。図示のように、時刻Dにおいて、制御回路50は遅延データDL が基準値DR より大きくなったことを検知し、それに応じて電圧発生回路60の供給電圧を上昇させるための上昇幅、電圧マージンなどを決定し、制御信号SC を出力する。これに応じて電圧発生回路60によって、供給電圧VDDを上げ幅ΔVAで上昇させる。このため、電源電圧VDDを急速に上昇し、時刻Fにおいて、所望の電圧値Vp に達する。この電圧においてLSI10は正常に動作できる。このような制御によって、制御開始から動作不良が回避されるまでの時間Δtがわずかであり、動作不良による影響を最小限に抑制できる。
【0046】
時刻Eにおいて、電源電圧VDDが制御回路50によって決定された上昇幅ΔVA 一杯に達する。このとき、すでに制御回路50によってレプリカ回路20の遅延時間TD が所定の基準値より小さくなったことが検出され、これに応じて制御回路50は、電圧発生回路60の供給電圧VDDを降下させるための下げ幅、電圧マージンなどを決定し、制御信号SC を出力する。これに応じて電圧発生回路60の供給電圧VDDが下げ幅ΔVB で降下する。最終的に電圧発生回路60の供給電圧VDDが所望の電圧値Vp より電圧マージン分ΔVM だけ高いレベルに安定される。
【0047】
なお、上述した制御では、制御回路50によって設定された供給電圧VDDの上げ幅ΔVA 及び下げ幅ΔVB は予め設定された固定値であるが、供給電圧の変動幅の制御はこれに限定されるものではなく、例えば、電圧の変動幅を可変にし、遅延検出回路40によって得られた遅延データDL に応じて供給電圧VDDの変動幅を制御することも可能である。例えば、遅延データDL と予め設定された基準値DR との比較結果に応じて、供給電圧VDDの変動幅を制御し、遅延データDLと基準値DR との差が大きい場合、供給電圧VDDの変動幅を大きく制御し、逆に、遅延データDL と基準値DR との差が小さい場合、供給電圧VDDの変動幅を小さく制御することで、LSIの動作電源電圧VDDを必要な分だけ上昇または降下させることができるので、最適な制御を実現できる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、レプリカ回路20を設けて、LSI10のクリティカルパスの遅延時間を検出し、制御回路50によって検出された遅延時間と所定の基準値とを比較し、当該比較の結果、遅延時間が基準値より大きい場合、LSI10への供給電圧VDDを上昇させ、遅延時間が基準値より小さい場合、LSI10への供給電圧VDDを降下させるよう制御し、供給電圧VDDを上昇させるときの上げ幅を降下させるときの下げ幅より大きく制御することによって、供給電圧VDDが基準値以下に低下した場合、急速に基準値以上に回復でき、LSI10の動作不良が発生しうる時間を大幅に短縮できるほか、電圧供給回路の動作安定性を改善できる。
【0049】
第2実施形態
図4は本発明に係る電圧供給回路の第2の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態の電圧供給回路100aは、入力信号生成回路30、レプリカ回路20、遅延検出回路40、制御回路50a、電圧発生回路60及びデータベース70aによって構成されている。電圧供給回路100aによって出力される電源電圧VDDは、LSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給される。
【0050】
LSI10は、所定の処理機能を有する機能回路であり、入力信号に応じて所定の信号処理を行い、処理結果を出力する。
レプリカ回路20は、LSI10のクリティカルパスに対応して設計され、LSI10のクリティカルパスの遅延時間をモニタするための回路である。レプリカ回路20とLSI10には、同じ動作電源電圧VDDが供給されるので、電源電圧VDDの変化に応じて、レプリカ回路20は、LSI10のクリティカルパスとほぼ同程度の遅延時間を持つ。しかし、実際に製造工程によるバラツキなどの原因で、動作条件が等しくてもレプリカ回路20の遅延時間はLSI10のクリティカルパスの遅延時間と異なることが生じる。このため、レプリカ回路20から検出された遅延時間に対して、動作条件に応じて補正する必要がある。当該補正は、例えば制御回路50aによって行われる。なお、この補正について後にさらに詳しく説明する。
【0051】
入力信号生成回路30は、レプリカ回路20への入力信号Sinを生成する。ここで、入力信号生成回路30によって生成される入力信号Sinは、例えば、1ショットパルスまたは周期的なクロック信号である。
【0052】
レプリカ回路20は、入力信号Sinを所定の遅延時間TD で遅らせた遅延信号SD を出力する。遅延検出回路40は、入力信号Sinに対して、レプリカ回路20の出力信号SD の遅延時間TD を検出し、遅延データDL を出力する。
【0053】
制御回路50aは、遅延検出回路40によって出力された遅延データDL に応じて、電圧発生回路60に発生電圧を制御する制御信号SC を出力する。制御回路50aは、入力される遅延データDL に基づき実際に電圧マージンを計算し、このマージンを含めた値を供給電圧として設定する。なお、電圧マージンの決定は種々の方法があるが、例えば、実測データに基づき予めレプリカ回路20の遅延時間と電圧マージンとの関係を示すデータベース70aを作成する。このデータベース70aには、予めLSI10の特性評価を通じて、LSI10内部のクリティカルパスの必要な電源電圧とレプリカ回路20への設定電圧との関係を示すデータが格納されている。
【0054】
そして、制御回路50aは検出されたレプリカ回路の遅延時間に応じて、レプリカ回路20の設定電圧を求めて、データベース70aに基づいてLSI10のクリティカルパスの必要な電圧マージンを求めることができる。
また、実測データに基づき、予めレプリカ回路20の遅延特性と電圧マージンとの関係を一意的に定める数式にまとめておいて、制御回路50aは、検出されたレプリカ回路の遅延時間に応じて、数式を用いて必要な電圧マージンを算出することも可能である。
制御回路50aは、求めた電圧マージンに応じて、電圧発生回路60の出力電圧VDDを制御する制御信号SC を出力する。
【0055】
電圧発生回路60は、制御回路50aからの制御信号SC に応じて、発生する電圧VDDのレベルを制御し、発生電圧VDDをLSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給する。
【0056】
図5は、本実施形態の電圧供給回路100aの動作を示すフローチャートである。以下、図4及び図5を参照しながら、本実施形態の電圧供給回路100aの動作を詳述する。
【0057】
まず、ステップSS1において、遅延検出回路40によってレプリカ回路20の遅延時間が検出され、これに応じて遅延データDL が作成される。
ステップSS2において、制御回路50aは遅延データDL を受けて遅延情報を取得する。そして、取得した遅延情報に基づいて、ステップSS3に示すように、各条件における電圧変動と遅延時間変動の相関データを参照し、電圧変動幅及び遅延変動幅を求めて、これらに基づき、ステップSS4において供給電圧のマージンを決定する。
【0058】
制御回路50aは、上述した情報に応じて供給電圧を決定し(ステップSS5)、電圧発生回路60に制御信号SC を出力する。
電圧発生回路60は、制御回路50aからの制御信号SC に応じて、発生する電圧を制御し、当該電圧を動作電源電圧として、LSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給する(ステップSS6)。
【0059】
図6は、検出されたレプリカ回路の遅延時間に基づき、LSI10に実際に供給すべき電源電圧VDDを求めるためのデータベースを例示している。図6(a)は、レプリカ回路20への供給電圧に対するLSI10への実際の供給電圧との関係を示すデータベースの一例を示している。図示のように、例えば、レプリカ回路20の遅延時間に基づき、当該レプリカ回路への供給電圧が3.0V必要な場合、LSI10に供給すべき電圧は3.3Vである。他の動作条件において、レプリカ回路への供給電圧が3.2V必要な場合、LSI10に供給すべき電圧は3.6Vである。このように、図6(a)のデータベースに応じて、レプリカ回路20への供給電圧から実際のLSIへの供給すべき電圧を求めることができる。
【0060】
図6(b)は、実際のLSIに供給すべき電圧とレプリカ回路に供給する電圧との差分データで構築されたデータベースの一例を示している。図示のように、例えば、検出されたレプリカ回路20の遅延時間に応じて、当該レプリカ回路に供給する電圧が3.0V必要なとき、実際のLSI10に供給される電圧は、それより0.3V高い電圧、即ち、3.3Vと求められる。他の動作条件において、レプリカ回路に3.2Vの電圧を供給する必要があるとき、LSI10には、それよりさらに0.4V高い電圧を供給すべき、即ち、3.6Vの電圧を供給すべきと判断できる。
【0061】
図7は、二つの動作条件3と動作条件4におけるレプリカ回路20及びLSI10に供給すべき電圧を示すグラフである。図7では、動作条件3においてレプリカ回路の電源電圧−遅延特性が線G、実際のLSIのクリティカルパスの電源電圧−遅延特性が線Eによってそれぞれ示されている。また、動作条件4においてレプリカ回路の電源電圧−遅延特性が線H、実際のLSIのクリティカルパスの電源電圧−遅延特性が線Fによってそれぞれ示されている。図示のように、動作条件3において、同じ遅延時間で動作する場合、例えば、周期Tの場合に、レプリカ回路に対して3.2Vの電源電圧を供給する必要がある場合、実際のLSIに3.6Vの電源電圧を供給すべきである。動作条件4において、レプリカ回路に対して3.0Vの電源電圧を供給する必要がある場合、実際のLSIには3.3Vの電源電圧を供給すべきである。
【0062】
制御回路50aにおいて、レプリカ回路20の遅延時間に応じて実際のLSI10に供給すべき電圧を求めるために、上述したデータベースの他に、予めまとめておいたレプリカ回路の供給電圧とLSIの供給電圧との関係に基づき、LSIに供給すべき電圧を算出することも可能である。例えば、LSIへの供給電圧をVDDL とし、レプリカ回路への供給電圧をVDDR とすると、予め取得したLSI及びレプリカ回路の遅延特性に応じて、LSIへの供給電圧VDDL とレプリカ回路への供給電圧VDDR との関係を、例えば、次式に示す関係にまとめられる。
【0063】
【数1】
DDL =VDDR ×0.5+1.8 …(1)
【0064】
制御回路50aは、まず検出されたレプリカ回路20の遅延時間に応じて、当該レプリカ回路20に供給すべき電圧VDDR を算出する。そして、式(1)に応じて実際のLSIに供給すべき電圧VDDL が求められる。制御回路50aは、算出された供給電圧VDDL に応じて、電圧発生回路60に制御信号SC を出力する。電圧発生回路60は、制御信号SC に応じて発生する電圧のレベルを制御し、発生された電圧を電源電圧としてLSI10及びレプリカ回路20に供給する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、LSI10のクリティカルパスの遅延時間をモニタするレプリカ回路20を設けて、遅延検出回路40によってレプリカ回路20の遅延時間を検出し、制御回路50aは検出された遅延時間に応じてレプリカ回路20の遅延時間が所定の基準を満たすための供給電圧を求め、さらに予め求めたデータベースまたは数式に基づいて、実際にLSI10に供給すべき電圧を求めて、これに応じて制御信号SC を出力する。電圧発生回路60は、制御信号SC に応じて発生する電圧を制御し、これを動作電源電圧としてLSI10に供給するので、製造工程のバラツキなどによるレプリカ回路の遅延時間とLSIのクリティカルパスの遅延時間との誤差に応じて、LSIに供給すべき電圧が求められ、様々な動作条件下でLSIを正常に動作させるための必要最低限の電源電圧を供給でき、低消費電力化を実現できる。
【0066】
第3実施形態
図8は本発明に係る電圧供給回路の第3の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態の電圧供給回路110は、レプリカ回路20、入力信号生成回路30、遅延検出回路40、制御回路50b及び電圧発生回路60、データベース70b及びレジスタ80,90によって構成されている。電圧供給回路110によって出力される電源電圧VDDは、LSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給される。データベース70bは、予め求められた複数の異なる製造条件における電源電圧と遅延時間との関係を示すデータを含む。レジスタ80には、今回制御回路50bによって設定される電源電圧とそれに対応した遅延値が格納され、レジスタ90には、前回制御回路50bによって設定された電源電圧とそれに対応した遅延値が格納されている。
【0067】
LSI10は、所定の処理機能を有する機能回路であり、入力信号に応じて所定の信号処理を行い、処理結果を出力する。
レプリカ回路20は、LSI10のクリティカルパスに対応して設計され、LSI10のクリティカルパスの遅延時間をモニタするための回路である。レプリカ回路20とLSI10には、同じ動作電源電圧VDDが供給されるので、電源電圧VDDの変化に応じて、レプリカ回路20は、LSI10のクリティカルパスとほぼ同程度の遅延時間を持つ。
【0068】
入力信号生成回路30は、レプリカ回路20への入力信号Sinを生成する。ここで、入力信号生成回路30によって生成される入力信号Sinは、例えば、1ショットパルスまたは周期的なクロック信号である。
【0069】
レプリカ回路20は、入力信号Sinを所定の遅延時間TD で遅らせた遅延信号SD を出力する。遅延検出回路40は、入力信号Sinに対して、レプリカ回路20の出力信号SD の遅延時間TD を検出し、遅延データDL を出力する。
【0070】
制御回路50bは、遅延検出回路40によって出力された遅延データDL に応じて、電源電圧及び遅延時間の変動幅を求め、データベース70bのデータを参照して、電圧発生回路60に制御信号SC を出力する。
制御回路50bは、遅延検出回路40から得られた遅延データDL に応じて、LSIに供給すべき電源電圧を求める。さらに、レジスタ80及び90に記憶されている前回の電源電圧、遅延時間及び今回求められた電源電圧、遅延時間に基づき、電源電圧の変動幅及びそれに応じた遅延時間の変動幅を求めて、これの変動幅情報及びデータベース70bのデータに基づき、LSI10の製造条件を推定し、推定した製造条件に基づき、LSI10に供給すべき電源電圧を求めて、電圧発生回路60の出力電圧VDDを制御する制御信号SC を出力する。
【0071】
電圧発生回路60は、制御回路50bからの制御信号SC に応じて、発生する電圧VDDのレベルを制御し、発生電圧VDDをLSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給する。
【0072】
図9は、LSIの遅延特性、即ちLSIの動作電源電圧VDDと遅延値DL との関係を示すグラフである。理想的な場合、LSIの遅延特性は、動作条件などによってばらつくことなく、すべて等しくなることが望ましい。しかし、製造工程におけるバラツキなどの原因によって、同じ設計条件であっても、製造条件の違いによってLSIの遅延特性が異なるようになる。
【0073】
LSIの遅延特性は、トランジスタの電流能力と配線抵抗及び配線容量によって決まる。図9において、製造条件Aにおいて、例えばトランジスタの電流能力は設計とおり、配線抵抗と配線容量が設計値より大きくできあがった場合LSIが一つの遅延特性が得られる。また、製造条件Bにおいては、例えば、トランジスタの電流能力が設計値より低くなり、配線抵抗及び配線容量が設計とおりできあがった場合LSIが条件Aの場合と異なる遅延特性が得られる。即ち、LSIが同等の設計条件であっても、製造条件の違いによって、例えば、図9に示す条件AとBの2とおりの遅延特性が取りうる。さらに、このLSIが所定の遅延値DL0をとるには、条件Aでは3.0V、条件Bでは3.1Vの電源電圧をそれぞれ供給する必要がある。このため、遅延データDL に応じて供給する電源電圧を制御する場合、LSIの製造条件を取得し、当該製造条件における遅延特性に基づき、LSIに供給すべき電源電圧を求める必要がある。以下、本実施形態の電圧供給回路110における製造条件の求め方について説明する。
【0074】
図8に示す電圧供給回路110において、例えば、遅延検出回路40によってレプリカ回路の遅延時間を検出し、得られた遅延データDL に応じて供給する電源電圧VDDを制御する場合、例えば、3.3Vの電源電圧が供給されている場合、条件Aと条件Bは同じ遅延値が得られる。このとき、LSI10が条件Aまたは条件Bの何れにおいて製造されているかを判断することができない。電源電圧VDDを例えば0.1V低下させたとき遅延値DL を検出し、仮にΔdだけ遅延値が変化したとすれば、このLSIは条件Bで製造されていると判断できるので、このLSIへの供給電源電圧VDDは3.1Vまで低下することができると判断される。また、電源電圧VDDを0.1V低下させたとき、遅延値が仮にΔd’だけ変化したとすれば、このLSIは条件Aで製造されていると判断できるので、供給電源電圧VDDは3.0Vまで低下させることができると判断される。
【0075】
本実施形態の電圧供給回路110では、予めLSIのそれぞれの製造条件における電源電圧VDDと遅延値DL との関係を示すデータベースを作成しておき、電圧供給回路110が動作するとき、当該データベースを参照して、電源電圧VDDの変動幅及び当該変動幅に対応する遅延値の変動幅に応じて、LSIの製造条件を求め、取得した製造条件における最低限の供給電圧を求めることができる。
【0076】
図10は、このデータベースの一例を示す図である。図示のように、各々の供給電源電圧に対して、製造条件A及び製造条件Bそれぞれにおける遅延値A1〜A17、B1〜B17が予め求められている。図示のように、例えば、供給電圧が3.3Vのとき、条件A及び条件Bの何れにおいても遅延値が等しく、A9となるので、この情報のみでは、LSIの製造条件を推定することができない。供給電圧がわずかに変動する場合、例えば、供給電圧を0.1V変動させる場合、これに応じて遅延値の変動を検出することで、電圧の変動幅に対する遅延値の変動幅を求めることができ、電源電圧VDDの変動幅及び遅延値DL の変動幅の情報が取得されたとき、図10に示すデータベースに基づき、製造条件を推定することができ、推定された製造条件においてLSIが正常に動作可能な最低限の電源電圧を求めることができる。
【0077】
図11は、本実施形態の電圧供給回路における電圧制御の流れを示すフローチャートである。以下、図11を参照しつつ、本実施形態の電圧供給回路110の動作について説明する。
【0078】
まず、ステップSP1において、遅延検出回路40によってレプリカ回路20の遅延時間が検出され、これに応じて遅延データDL が作成される。
ステップSP2において、制御回路50bは遅延データDL を受けて遅延情報を取得する。そして、取得した遅延情報に基づいて、ステップSP3に示すように、各条件における電圧変動と遅延時間変動の相関データを参照し、電圧変動幅及び遅延変動幅を求めて、これらに基づき、ステップSP4において実際のLSIの製造条件を取得する。
【0079】
制御回路50bは、上述した情報に応じて供給電圧を決定し、電圧発生回路60に制御信号SC を出力する(ステップSP5)。
電圧発生回路60は、制御回路50bからの制御信号SC に応じて、発生する電圧を制御し、当該電圧を動作電源電圧として、LSI10及びレプリカ回路20にそれぞれ供給する(ステップSP6)。
【0080】
以上説明したように、本実施形態によれば、LSI10のクリティカルパスの遅延時間をモニタするレプリカ回路20を設けて、遅延検出回路40によってレプリカ回路20の遅延時間を検出し、LSI10の遅延情報を取得し、供給電圧の変動幅に対する遅延値の変動幅に応じて、予め求められた各製造条件における動作電源電圧と遅延値との関係を示すデータベースに基づいて、LSI10の製造条件を推定し、推定した製造条件においてLSI10が正常に動作する最低限の電源電圧を求めて、電圧発生回路60に発生させるので、製造工程のバラツキなどによるLSIの遅延特性の変化に対応でき、様々な動作条件下でLSIを正常に動作させるための必要最低限の電源電圧を供給でき、低消費電力化を実現できる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電圧供給回路及びその電圧制御方法によれば、LSIに正常な動作を維持するための必要最低限の電圧を供給でき、負荷変化などによってLSIの動作速度が低下した場合、供給電圧が急速に上昇するように制御が行われ、LSIにおける動作不良を起こす確率が大幅に低減され、低消費電力化を実現でき、動作の安定性を改善できる電圧供給回路を実現できる。
また、本発明の電圧供給回路及びその電圧制御方法によれば、レプリカ回路と実際のLSIのクリティカルパスの遅延時間のバラツキを補正でき、様々な動作条件においてLSIが正常な動作を維持できる最低限の電源電圧を供給することができ、製造バラツキによる遅延時間の推定誤差を防止でき、LSIに最適な動作電源電圧を供給することにより低消費電力化を実現できる。
さらに、本発明の電圧供給回路及びその電圧制御方法によれば、LSIの正常な動作条件のバラツキによる遅延特性の変動に対応でき、検出した遅延情報に応じて、動作電圧の変動幅と遅延値の変動幅を求め、予め取得したデータベースに応じて、LSIの製造条件を推定し、推定した製造条件における最低限の電源電圧を供給することができるので、製造条件のバラツキによる遅延時間の推定誤差を防止でき、LSIに最適な動作電源電圧を供給することにより低消費電力化を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電圧供給回路の第1の実施形態を示す回路図である。
【図2】第1の実施形態の電圧供給回路の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の電圧供給回路の供給電圧を示す波形図である。
【図4】本発明に係る電圧供給回路の第2の実施形態を示す回路図である。
【図5】第2の実施形態の電圧供給回路の動作を示すフローチャートである。
【図6】レプリカ回路の供給電圧とLSIの供給電圧との関係を示すデータベースを示す図である。
【図7】異なる動作条件におけるレプリカ回路の供給電圧とLSIの供給電圧との関係を示すグラフである。
【図8】本発明に係る電圧供給回路の第3の実施形態を示す回路図である。
【図9】製造条件に応じてLSIの遅延特性の変化を示す図である。
【図10】LSIの動作電圧と遅延値との関係を表すデータベースを示す図である。
【図11】図1に示す電圧供給回路の動作を示すフローチャートである。
【図12】従来の電圧供給回路の供給電圧を示す波形図である。
【図13】異なる動作条件において、レプリカ回路の動作電圧とLSIの動作電圧との関係を示すグラフである。
【図14】LSIの動作電圧と遅延値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100,100a,110…電圧供給回路、10…LSI、20…レプリカ回路、30…入力信号発生回路、40…遅延検出回路、50,50a,50b…制御回路、60…電圧発生回路、70a,70b…データベース、80,90…レジスタ、VDD…電源電圧。

Claims (23)

  1. 供給される電源電圧に基づいた動作速度で、入力信号に応じて所定の処理を行い、上記入力信号を受けてから所定の遅延時間を経過した後処理結果を出力する機能回路と、
    上記機能回路の遅延時間を検出する遅延検出回路と、
    上記遅延検出回路によって検出された遅延時間に応じて、上記電源電圧を上昇または降下させ、上記電源電圧を上昇させるときの変動幅を降下させるときの変動幅より大きく制御する制御信号を出力する制御回路と、
    上記制御信号に応じた電圧を発生し、上記電源電圧として上記機能回路に供給する電圧発生回路と
    を有する電圧供給回路。
  2. 上記遅延検出回路は、
    上記機能回路のクリティカルパスと同程度の遅延時間をもつレプリカ回路と、
    上記レプリカ回路に所定の信号を入力し、当該入力信号に応じた出力信号の遅延時間を検出する遅延時間検出回路と
    を有する請求項1記載の電圧供給回路。
  3. 上記制御回路は、上記遅延時間検出回路によって検出された遅延時間と予め設定された基準値とを比較する比較回路を有し、
    上記比較の結果、上記検出された遅延時間が上記基準値より大きいとき、上記電圧発生回路の出力電圧を第1の変動幅で上昇させ、上記検出された遅延時間が上記基準値より小さいとき、上記電圧発生回路の出力電圧を上記第1の変動幅より小さい第2の変動幅で降下させる制御信号を出力する
    請求項1記載の電圧供給回路。
  4. 上記制御回路は、
    上記遅延時間検出回路によって検出された遅延時間と予め設定された基準値との差を求める手段と、
    上記遅延時間と基準値との差に応じて上記電圧変動幅を設定する電圧変動幅決定手段と
    を有する請求項1記載の電圧供給回路。
  5. 供給される電源電圧に基づいた動作速度で、入力信号に応じて所定の処理を行い、上記入力信号を受けてから所定の遅延時間を経過した後処理結果を出力する機能回路と、
    上記機能回路のクリティカルパスとほぼ同じ遅延時間を持つレプリカ回路と、
    上記レプリカ回路の遅延時間を検出する遅延検出回路と、
    上記遅延検出回路によって検出された遅延時間に応じて、所定の基準値を満たすように上記レプリカ回路に供給すべき電源電圧を求め、同じ動作条件における上記レプリカ回路の電源電圧と上記機能回路の電源電圧との関係に基づき、遅延時間が上記所定の基準値を満たすために上記機能回路に供給すべき電源電圧を求め、当該電源電圧に応じた制御信号を出力する制御回路と、
    上記制御信号に応じた電圧を発生し、当該電圧を上記電源電圧として上記機能回路に供給する電圧発生回路と
    を有する電圧供給回路。
  6. 同じ動作条件において、上記レプリカ回路の遅延時間と上記機能回路のクリティカルパスの遅延時間を等しくするため、上記レプリカ回路と上記機能回路に供給する電源電圧の関係を示すデータベースを有し、
    上記制御回路は、上記データベースに基づき、求められた上記レプリカ回路への供給電圧に対応する上記機能回路への供給電圧を求める
    請求項5記載の電圧供給回路。
  7. 同じ動作条件において、上記レプリカ回路の遅延時間と上記機能回路のクリティカルパスの遅延時間を等しくするため、上記レプリカ回路と上記機能回路に供給する電源電圧の関係を示す数式を有し、
    上記制御回路は、上記数式に基づき、求められた上記レプリカ回路への供給電圧に対応する上記機能回路への供給電圧を求める
    請求項5記載の電圧供給回路。
  8. 供給される電源電圧に基づいた動作速度で、入力信号に応じて所定の処理を行い、上記入力信号を受けてから所定の遅延時間を経過した後処理結果を出力する機能回路と、
    上記機能回路の遅延時間を検出する遅延検出回路と、上記遅延検出回路によって検出された遅延時間に応じて、上記電源電圧の変動幅に対応する遅延時間の変動幅を求め、上記電源電圧の変動幅、上記遅延時間の変動幅及び予め取得した各製造条件における電源電圧と遅延時間との関係を示す情報に基づき、製造条件を推定し、当該推定した製造条件における上記機能回路に供給すべき電源電圧を求め、当該電源電圧に応じた制御信号を出力する制御回路と、上記制御信号に応じた電圧を発生し、上記電源電圧として上記機能回路に供給する電圧発生回路と
    を有する電圧供給回路。
  9. 各動作条件において、上記電源電圧と遅延時間との関係を示すデータベースを有し、
    上記制御回路は、求められた上記電源電圧の変動幅と上記遅延時間の変動幅、及び上記データベースに基づき、製造条件を推定する
    請求項8記載の電圧供給回路。
  10. 上記制御回路は、上記推定した製造条件に応じて、上記データベースに基づき当該製造条件における上記機能回路が正常に動作する電源電圧を取得する
    請求項9記載の電圧供給回路。
  11. 上記制御回路は、前回検出された遅延時間と設定された電源電圧とを記憶する第1の記憶手段と、
    今回検出された遅延時間と設定される電源電圧とを記憶する第2の記憶手段とを有する請求項8記載の電圧供給回路。
  12. 上記制御回路は、上記第1と第2の記憶手段に記憶されているデータに応じて、上記電源電圧の変動幅及びそれに応じた遅延時間の変動幅を算出する請求項11記載の電圧供給回路。
  13. 上記機能回路のクリティカルパスに基づいたレプリカ回路を有する請求項8記載の電圧供給回路。
  14. 上記遅延検出回路は、上記レプリカ回路の遅延時間を検出する請求項13記載の電圧供給回路。
  15. 所定の機能を実行する機能回路が正常動作するための最低限の電源電圧を供給する電圧制御方法であって、
    上記機能回路の遅延時間を検出するステップと、
    上記検出された遅延時間に応じて、上記電源電圧を上昇または降下させ、上記電源電圧を上昇させるときの変動幅を降下させるときの変動幅より大きく設定するステップと、
    上記設定された変動幅に応じて上記電源電圧を変化させて、上記機能回路に供給するステップと
    を有する電圧制御方法。
  16. 上記機能回路のクリティカルパスと同程度の遅延時間をもつレプリカ回路の遅延時間を検出する検出ステップを有する
    請求項15記載の電圧制御方法。
  17. 上記検出された遅延時間と所定の基準値とを比較し、当該比較結果に応じて上記電源電圧の変動幅を決定するステップを有する
    請求項15記載の電圧制御方法。
  18. 所定の機能を実行する機能回路が正常動作するための最低限の電源電圧を供給する電圧制御方法であって、
    上記機能回路の遅延時間をモニタするレプリカ回路の遅延時間を検出するステップと、
    検出された上記レプリカ回路の遅延時間に応じて、当該レプリカ回路の遅延時間が所定の基準値を満たすように上記レプリカ回路に供給すべき電源電圧を求めるステップと、
    同じ動作条件における上記レプリカ回路に供給される電源電圧と上記機能回路に供給される電源電圧との関係に基づき、遅延時間が上記所定の基準値を満たすために上記機能回路に供給すべき上記最低限の電源電圧を求めるステップと、
    上記求めた最低限の電源電圧を発生し、当該発生した電源電圧を上記機能回路に供給するステップと
    を有する電圧制御方法。
  19. 同じ動作条件において、上記レプリカ回路の遅延時間と上記機能回路のクリティカルパスの遅延時間を等しくするため、上記レプリカ回路と上記機能回路に供給する電源電圧の関係を示すデータベースを求めるステップを有する
    請求項18記載の電圧制御方法。
  20. 同じ動作条件において、上記レプリカ回路の遅延時間と上記機能回路のクリティカルパスの遅延時間を等しくするため、上記レプリカ回路と上記機能回路に供給する電源電圧の関係を示す数式を求めるステップを有する
    請求項18記載の電圧制御方法。
  21. 所定の機能を実行する機能回路が正常に動作するための最低限の電源電圧を供給する電圧制御方法であって、
    上記機能回路の遅延時間を検出するステップと、
    検出された上記機能回路の遅延時間に応じて、当該機能回路に供給する電源電圧の変動幅及び当該電源電圧の変動幅に対応する遅延時間の変動幅を取得するステップと、
    上記電源電圧の変動幅、上記遅延時間の変動幅及び予め取得した上記電源電圧と遅延時間との関係を示す情報に基づき、製造条件を推定し、当該推定した製造条件における上記機能回路に供給すべき上記最低限の電源電圧を求めるステップと、
    上記求めた最低限の電源電圧を発生し、当該発生した電源電圧を上記機能回路に供給するステップと
    を有する電圧制御方法。
  22. 各動作条件において、上記機能回路の電源電圧と遅延時間との関係を示すデータベースを求めるステップを有する
    請求項21記載の電圧制御方法。
  23. 上記機能回路のクリティカルパスをモニタするレプリカ回路を設け、所定の電源電圧における上記レプリカ回路の遅延時間を検出するステップを有する
    請求項21記載の電圧制御方法。
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