JP4783204B2 - 脱穀装置 - Google Patents
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具体的には、挾持搬送中の茎稈の穂先側の藁や切れ藁が送塵口の奥部開口縁に引っ掛からないように扱室から扱室後壁後方に案内することによって藁が送塵口奥部の開口縁に引っ掛かるのを防止しようとするものである。
請求項1に係る発明(第1発明)の特徴構成は、刈取装置で刈取った茎稈をフィードチェーンで挾持搬送しながら脱穀装置の扱室内で下扱き式の扱胴によって扱き処理し、扱き処理を終えた茎稈を扱室後部の後壁に形成した送塵口から排出するように構成してある自脱型コンバインにおける脱穀装置において、前記扱胴に対して前記フィードチェーンとは反対側に位置する脱穀機横壁を、受網の支持枠よりも扱室横外側に離間するように配備するとともに、前記後壁を、前記支持枠よりも扱室後方側に離間するように配備し、前記送塵口の扱胴回転方向下手側の奥部開口縁を形成する前記後壁の奥部下端縁を、扱胴軸芯方向視において前記扱胴の外周部から水平な直線状で前記脱穀機横壁に至るように形成し、前記後壁の奥部下端縁よりも低い配置高さで前記支持枠から前記脱穀機横壁に向かって外方後方に傾斜する藁ガイド板を、前記支持枠と前記脱穀機横壁とに亘る状態で設けた点にあり、その作用効果は次の通りである。
第1発明によれば、挾持搬送茎稈から離脱した切れ藁が生じてもそれが送塵口の開口縁に引っ掛かって藁詰まりが生じるという不都合が少ない。
したがって、第1発明では、作業中に送塵口付近で藁詰まりが生じることが少ないから、選別性能を阻害するという不都合が少なく、作業中に詰まり藁を取り除くという作業も少なくなるから、作業能率を低下させることが少ないだけでなく、詰まりが少ないことによって刈取速度も速くでき、能率よく良好な作業を継続することができるに至ったものである。
請求項2に係る発明(第2発明)の特徴構成は、請求項1の発明において、前記後壁の前記奥部下端縁が形成される固定後壁と前記支持枠との間に、前記固定後壁を前記支持枠側に支持させる支持部材を設けてある点にある。
請求項3に係る発明(第3発明)の特徴構成は、請求項2の発明において、前記支持部材の下端部に、扱胴軸芯方向視で扱室横外側に至るほど低い配置高さに位置するように傾斜した傾斜面を形成し、前記支持部材の傾斜面の下側に前記藁ガイド板を配備してある点にある。
請求項4に係る発明(第4発明)の特徴構成は、請求項1〜3のいずれか一つの発明において、前記送塵口の前記藁ガイド板より扱胴回転方向上手側の位置に前記支持枠から扱胴回転方向下手側で且つ機体後方側に向かって斜めに延設された藁ガイド部材を配備してあるものであり、その作用効果は次の通りである。
第4発明によれば、藁ガイド部材がない場合、扱室から後方に排出される切れ藁は、扱胴の回転力で扱胴回転方向下手に放出されるので、扱室後端の後壁に開設された送塵口の奥部開口縁に切れ藁が引っ掛かりやすくなるが、送塵口範囲の部分において受網後端部から扱胴回転方向下手側で且つ機体後方側に向かう方向に藁ガイド部材を設けることによって、扱室から送塵口を通して後方に排出される切れ藁は、そのまま扱胴回転方向下手側に放出されず、その前に藁ガイド部材に引っ掛かってこの藁ガイド部材を伝って、扱胴による回転力による放出方向とは異なる藁ガイド部材に沿った後方に放出されるので、切れ藁が送塵口奥部の開口縁に引っ掛かって堆積することが少なくなり、比較的長期に亘って詰まりを少なくした状態で作業を継続することができる利点がある。
請求項5に係る発明(第5発明)の特徴構成は、請求項4の発明において、前記藁ガイド部材の複数が扱胴回転方向に等間隔で並んでいる点にあり、その作用効果は次の通りである。
第5発明によれば、藁ガイド部材を受け網に沿う扱胴回転方向に複数個設けることにより、切れ藁が送塵口奥部の開口縁に引っ掛かって堆積することが少なくなり、比較的長期に亘って詰まりを少なくした状態で作業を継続することができる利点がある。
この場合、藁ガイド部材を、送塵口の奥部開口縁近くにも設けて、扱胴回転力により扱胴回転方向下手側に放出された切れ藁が送塵口の奥部開口縁に引っ掛かるのを回避できる位置に設けることによって、長期に亘って詰まりを回避できることになり、作業性を向上させることができる利点がある。
又、挾持搬送茎稈は、複数の藁ガイド部材に案内されて送塵口を通過して扱室後壁後方に円滑に搬送される。
請求項6に係る発明(第6発明)の特徴構成は、請求項1〜5のいずれか一つの発明において、前記後壁の奥部下端縁を、前記扱胴に対して前記フィードチェーン側に位置して前記フィードチェーンを取り付ける脱穀機下部横壁の上端よりも上方に離れた配置高さに位置するように形成してある点にある。
図1および図2の1はコンバインに搭載された脱穀装置1を示している。この脱穀装置1は、図示しないクローラ走行装置に支持された機台の左側に搭載してある。脱穀装置1は上部側に扱室A、中間部側に選別装置B及び下部側に回収装置Cを配設して構成してある。扱室Aには、刈取処理された茎稈をフィードチェーン4で挟持搬送しながら扱処理する扱胴5を備え、その下方に扱処理された処理物を漏下させる受網6を備えている。扱胴5は扱室Aの前壁7と後壁8に軸架してある。選別装置Bには、受網6から漏下した処理物を受け止めるグレンパン9、このグレンパン9の後方に順に位置させたチャフシーブ10及びストローラック11、チャフシーブ10の下方に位置するグレンシーブ12を、前後揺動駆動される左右の枠板に架設するとともに、グレンパン9の下方側に唐箕13を設けている。回収部Cには、グレンシーブ12の下方にグレンシーブ12からの漏化物を回収して横一側に横送りする一番物搬送スクリュー14を配設するとともに、グレンシーブ12の上部後端から後方に放出される選別物(二番物)やチャフシーブ10等からの漏化物(二番物)を回収して横一側に横送りする二番物横送り装置としての二番物搬送スクリュー15を配設している。
固定藁切り体29は、U字状に形成した一対の鋭利な刃部30を備えた固定刃31からなり、U字状の底部平面部の中央にボルト挿通用の孔を穿設してある。そして、受網6を構成する後端の受網支持枠32に固定刃取付けブラケット33を溶接し、これに穿設したボルト挿通孔に固定藁切り体29の底部に穿設した前記ボルト挿通用の孔を合せてこれらの孔に取付けボルト34を挿通してダブルナット35で締付け固定して固定藁切り体29を取付けてある。固定藁切り体29は背面視で送塵口20の奥部開口縁26より、多少のスペースを空けて、扱胴回転方向上手側に位置させてあり、上記切断装置Dで切断させた切れ藁を後壁8の後方に飛散させやすくしてある。
引っ掛かり防止手段Eとしては、上記藁ガイド部材41を備えずに、切断装置Dだけで構成してもよい。
扱き歯21とは別の形状の回転藁切り体28としては、図3に示すL型の板体の他、鋭利な刃部を備えた切断刃や刃部を備えていない無頭ボルトや丸棒、四角形、六角形等の角棒、V字板など種々な構造のものを採用できる。
図5は本発明の実施形態の扱室後端部を示す背面図、図6は背面図、図7は平面図、図8は側面図である。
符号41は丸棒からなる藁ガイド部材で、前記参考形態のものと同じ構造である。図では、藁ガイド部材41は3本備えているが、それ以上でも或いは1本でもよい。
この実施例構造のものによると、受網下端部分から送塵口20後方に排出される切れ藁は送塵口20を通して藁ガイド部材41に沿って扱室Aから後壁8の後方に案内されるとともに、送塵口20の奥部の開口縁26付近で扱室Aから後方に排出されようとしている切れ藁は藁ガイド板42の端縁44や傾斜面43に沿って後方に排出され、奥部開口縁26に引っかかって詰まりが生じるような不都合を回避することができる。
又、藁ガイド部材41をなくして、藁ガイド板42と切断装置Dだけを設けるようにしてもよい。
1a 脱穀機横壁
1b 脱穀機下部横壁
1c 脱穀機下部横壁の上端
5 扱胴
6 受網
8 扱室の後壁
20 送塵口
25 固定後壁
25a 後壁の奥部下端縁
40 支持部材
40a 支持部材の傾斜面
41 藁ガイド部材
42 藁ガイド板
A 扱室
Claims (6)
- 刈取装置で刈取った茎稈をフィードチェーンで挾持搬送しながら脱穀装置の扱室内で下扱き式の扱胴によって扱き処理し、扱き処理を終えた茎稈を扱室後部の後壁に形成した送塵口から排出するように構成してある自脱型コンバインにおける脱穀装置において、
前記扱胴に対して前記フィードチェーンとは反対側に位置する脱穀機横壁を、受網の支持枠よりも扱室横外側に離間するように配備するとともに、前記後壁を、前記支持枠よりも扱室後方側に離間するように配備し、前記送塵口の扱胴回転方向下手側の奥部開口縁を形成する前記後壁の奥部下端縁を、扱胴軸芯方向視において前記扱胴の外周部から水平な直線状で前記脱穀機横壁に至るように形成し、
前記後壁の奥部下端縁よりも低い配置高さで前記支持枠から前記脱穀機横壁に向かって外方後方に傾斜する藁ガイド板を、前記支持枠と前記脱穀機横壁とに亘る状態で設けてあることを特徴とする自脱型コンバインにおける脱穀装置。 - 前記後壁の前記奥部下端縁が形成される固定後壁と前記支持枠との間に、前記固定後壁を前記支持枠側に支持させる支持部材を設けてあることを特徴とする請求項1記載の自脱型コンバインにおける脱穀装置。
- 前記支持部材の下端部に、扱胴軸芯方向視で扱室横外側に至るほど低い配置高さに位置するように傾斜した傾斜面を形成し、
前記支持部材の傾斜面の下側に前記藁ガイド板を配備してあることを特徴とする請求項2記載の自脱型コンバインにおける脱穀装置。 - 前記送塵口の前記藁ガイド板より扱胴回転方向上手側の位置に前記支持枠から扱胴回転方向下手側で且つ機体後方側に向かって斜めに延設された藁ガイド部材を配備してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自脱型コンバインにおける脱穀装置。
- 前記藁ガイド部材の複数が扱胴回転方向に等間隔で並んでいることを特徴とする請求項4記載の自脱型コンバインにおける脱穀装置。
- 前記後壁の奥部下端縁を、前記扱胴に対して前記フィードチェーン側に位置して前記フィードチェーンを取り付ける脱穀機下部横壁の上端よりも上方に離れた配置高さに位置するように形成してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の自脱型コンバインにおける脱穀装置。
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