JP4782910B2 - ジシクロペンタジエン/リモネン重合体樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジシクロペンタジエンとリモネンとの間の重合反応の反応生成物である重合体樹脂に関する。本発明の重合体樹脂をゴムタイヤ配合物に使用すると、そのタイヤの静止摩擦特性と操縦性が向上する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
約50℃から約220℃の軟化点および約500から約42,000の範囲の平均分子量を有し、タイヤトレッド用に使用した場合、その静止摩擦特性をその耐久性を低下させずに改善するのに適したゴム組成物を提供する。
【0003】
【課題を解決するための手段】
発明の概要
本発明は、ジシクロペンタジエン/リモネン重合体樹脂に関する。本発明のこの重合体樹脂は約50℃から約220℃の範囲の軟化点および約500から約42,000の範囲の分子量を有する。本発明は、また、ジシクロペンタジエン/リモネン樹脂と、そのジシクロペンタジエン/リモネン樹脂を含むゴム配合物(rubber stock)のブレンドをも含んでいる。
【0004】
発明の詳しい説明
本発明は、ジシクロペンタジエン/リモネン間の重合反応の反応生成物より本質的になり、そして約50℃から約220℃の範囲の軟化点および約500から約42,000の範囲の分子量を有する重合体樹脂に関する。
【0005】
本発明は、さらに、各樹脂がジシクロペンタジエン/リモネン間の重合反応の反応生成物より本質的になる2種またはそれ以上の重合体樹脂のブレンドを含んでなる樹脂組成物に関する。そのブレンドは、別法として、これを反応の場で形成することができる;即ち、その反応温度は、重合中に分子量を増加させ、かつ軟化点を広くするために上げることができる。
【0006】
本明細書には、さらに、(1)天然ゴム、ジエン系単量体もしくはその混合物から誘導されるゴムよりなる群から選ばれるゴム、および(2)ジシクロペンタジエン/リモネン間の重合反応の反応生成物より本質的になり、そして約50℃から約220℃の範囲の軟化点および約500から約42,000の範囲の分子量を有する重合体樹脂組成物を含んでなるゴム配合物からなるトレッドを有する空気入りゴムタイヤが開示される。
【0007】
本明細書には、また、(1)天然ゴム、ジエン系単量体もしくはその混合物から誘導されるゴムよりなる群から選ばれるゴム、および(2)ジシクロペンタジエン/リモネン間の重合反応の反応生成物より本質的になり、そして約50℃から約220℃の軟化点および約500から約42,000の範囲の分子量を有する重合体樹脂組成物を含んでなるゴム配合物も開示される。
【0008】
本発明の樹脂を説明するために「重合体化合物」および「重合体」 という用語が用いられる場合、それらは、単に、ジシクロペンタジエンとリモネンとに由来する単量体単位を含み、そしてジシクロペンタジエンもしくはリモネンに由来する単量体単位の少なくとも一つが繰り返されている分子を含んでいることを意味する。それ故、ジシクロペンタジエンの単一分子とリモネンの単一分子の反応により形成される化合物は、その用語が本明細書で用いられるような重合体のものではない。単量体単位という用語は、重合体化合物中に生じる構造を意味するもので、それは隣接構造への連結時における分子の再配向の結果生じる変化に因り、ジシクロペンタジエンもしくはリモネンの構造とは異なる。これらの変化には、二重結合への付加またはジシクロペンタジエンもしくはリモネンからの水素原子の付加あるいは除去が含まれる。
【0009】
この重合反応におけるジシクロペンタジエンとリモネンとのモル比は、最終重合体生成物に希望される性質に依存して変えることができる。例えば、出発物質としてのジシクロペンタジエンとリモネンとのモル比は、約1:10から約10:1の範囲であることができる。出発物質としてのジシクロペンタジエンとリモネンとの好ましいモル比は、約5:1から約1:5の範囲である。その最も好ましいモル比は約2:1から約1:2の範囲である。最終生成物に関していえば、ジシクロペンタジエンに由来する重合体単位とリモネンに由来する重合体単位とのモル比は、約8:1から約1:8の範囲であることができる。この最終生成物中におけるジシクロペンタジエンとリモネンとの好ましいモル比は、約1:3から約3:1の範囲であり、約2.1:1から約1:2.1の範囲が特に好ましい。
【0010】
ジシクロペンタジエンとリモネンとの間の重合反応は、熱的(無触媒)重合でもよいし、或いは触媒的に、即ち酸触媒の存在下で行ってもよい。用いることができる酸触媒の例に、ブレーンステッド酸およびルイス酸タイプの触媒がある。このような既知の酸として、H2SO4、HCl、H3PO4;BF3、BCl3、AlCl3、AlBr3、SnCl4、ZnCl2、SbCl3のような金属ハライドおよびそれらのエーテラート(etherate)が挙げられる。特定の触媒をどう選択するかは、反応物の融点もしくは沸点、希望の反応速度、溶媒および製造設備の圧力および温度的制約などを含めて、諸因子に依存する。より高い収率が望まれる場合には、金属ハライドもしくはそれらのエーテラートを用いることができる。好ましい酸触媒はBF3およびAlCl3である。最も好ましい触媒はAlCl3である。
【0011】
触媒重合法における触媒の量は、重合される反応物の総重量を基準として約0.1から約20重量パーセントの範囲であることができる。好ましくは、約3から約5重量パーセントの範囲の触媒が推奨される。触媒の最適濃度は、もし溶媒を使用するなら、触媒の溶解度に影響する溶媒の性質、さらにまた重合反応容器内での撹拌効率に依存する。触媒濃度が高いとその樹脂の分子量分布が小さくなり、従って樹脂の分子量を制御するのに必要な供給添加剤の量が制限される。
【0012】
重合反応は、混ぜものなし(溶媒なし)で、反応物の融点もしくは融点より高い温度で行ってもよいし、或いは溶媒の存在下で行うこともできる。溶媒は、脂肪族C6‐C12炭化水素、芳香族若しくはハロ芳香族(C6‐C9)またはC6‐C9脂肪族ハロ炭化水素である。適した溶媒の例に、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼンがある。好ましい溶媒はヘキサンとシクロヘキサンである。
【0013】
重合反応は、多様な操業条件下で行うことができる。反応圧力は可変であって、約1気圧から約100気圧の範囲であることができ、そして約2気圧から約10気圧の圧力が好ましい。反応温度は約0から100℃の範囲であることができ、約30から約50℃が好ましい範囲である。
【0014】
反応時間は、反応物の反応性、触媒の量、反応圧力および反応温度に依存して変えることができる。一般的に言えば、反応時間は約1から約8時間の範囲で変えられる。
【0015】
本発明の重合体樹脂の分子量分布は約500から約42,000の範囲である。本発明の特に好ましい態様では、樹脂組成物は、2種またはそれ以上の、個々の重合体樹脂のブレンドを含んでなり、その各一つがジシクロペンタジエン/リモネン間の重合反応の反応生成物である。個々の重合体樹脂は各々異なる分子量範囲を有することにより他と異なっているのが好ましい。一般的に言えば、この重合体樹脂の全体はある程度低い分子量値を示すが、個々の樹脂は、全てではないが、より大きい分子量の物を含んでいることができる。他の態様では、樹脂の全体は、大きい分子量値の物は大体同じで、より小さい分子量値の物で変化する分布を有する。例えば、その樹脂ブレンドが3種の個々の重合体樹脂から構成されている場合、第一の樹脂は約700から約24,000の範囲の分子量を有することができ、第二の樹脂は約700から約36,000の範囲の分子量を有することができ、そして第三の樹脂は約700から約42,000の範囲の分子量を有することができる。
【0016】
本発明のもう1つの態様では、本発明の樹脂組成物は4種の個々の樹脂のブレンドから成る。この態様では、第一の樹脂は約500から約15,000の範囲の分子量を有することができ、第二の樹脂は約700から約15,000の範囲の分子量を有することができ、第三の樹脂は約3,000から約15,000の範囲の分子量を有することができ、そして第四の樹脂は約4,000から約15,000の範囲の分子量を有することができる。
【0017】
このブレンドは反応の場で調製することもできるし、或いは機械的ブレンドで調製することもできる。
本発明の樹脂組成物は約50から約220℃の範囲の軟化点を有する。本発明の目的には、“軟化点”という用語は、融点測定毛細管中で濡れ(wetting)が起きる時点から、その樹脂が完全に液体になるまでの温度範囲を記述するために用いられる。この相対的軟化点を測定するのに適した装置の代表的なものは、シリコーンオイルバスを備えたトーマス‐フーバー(Tomas-Hoover) 融点測定装置である。樹脂組成物が3種の個々の樹脂のブレンドを含んでなる場合の本発明の態様によれば、第一の樹脂は約134から約156℃の範囲の軟化点を有することができ、第二の樹脂は約138から約180℃の範囲の軟化点を有することができ、そして第三の樹脂は約188から約208℃の範囲の軟化点を有することができる。樹脂組成物が4種の個々の樹脂を含んでなる場合の本発明の態様によれば、第一の樹脂は約55から約75℃の範囲の軟化点を有することができ、第二の樹脂は約80から約131℃の範囲の軟化点を有することができ、第三の樹脂は約126から約168℃の範囲の軟化点を有することができ、そして第四の樹脂は約168から約195℃の範囲の軟化点を有することができる。
【0018】
天然ゴムもしくはジエン系単量体から誘導されたゴムを含むゴム配合物は、本発明の樹脂組成物により変性することができる。ジエン単量体から誘導されたゴムの例には、置換および未置換の飽和および不飽和合成重合体がある。天然重合体には様々な形の天然ゴム、例えばペールクレープおよびスモークドシート、並びにバラタゴムおよびグッタペルカがある。合成重合体としては、単一単量体から製造されたもの(単独重合体)、または2種またはそれ以上の共重合性単量体の混合物からの、それら単量体がランダム分布もしくはブロック形で結合しているもの(共重合体)が挙げられる。ジエン系単量体に加えて、他の単量体を用いることもできる。用いられる単量体の全てで、それら単量体は置換されていても、未置換であってもよく、そして一つまたはそれ以上の二重結合を有することができ、その例に、例えば共役および非共役の両ジエン系単量体、および環式および非環式モノオレフィン、特にビニルおよびビニリデン単量体を含めてモノオレフィン類がある。共役ジエンの例は、1,3‐ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2‐エチル‐1,3‐ブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエンおよびピペリレンである。非共役ジエンの例は、1,4‐ペンタジエン、1,4‐ヘキサジエン、1,5‐ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、1,5‐シクロオクタジエンおよびエチリデンノルボルネンである。非環式モノオレフィンの例は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、イソブチレン、1‐ペンテンおよび1‐ヘキセンである。環式モノオレフィンの例は、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンおよび4‐メチル‐シクロオクテンである。ビニル単量体の例は、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸エチル、塩化ビニル、アクリル酸ブチル、メチルビニルエーテル、酢酸ビニルおよびビニルピリジンである。ビニリデン単量体の例は、α‐メチルスチレン、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、イタコン酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジルおよび塩化ビニリデンである。本発明の実施に際して用いられる合成重合体の代表的な例は、ポリクロロプレン、イソプレンおよびブタジエンのような共役1,3‐ジエンの単独共重合体、特に繰返単位の本質的に全てがシス‐1,4‐構造で結合しているポリイソプレンおよびポリブタジエン;およびイソプレンおよびブタジエンのような共役1,3‐ジエンと、50重量パーセントまでの、スチレンもしくはアクリロニトリルのようなエチレン系不飽和単量体を含めて少なくとも1種の共重合性単量体との共重合体;並びに主比率成分のモノオレフィンと少量比率成分のブタジエンもしくはイソプレンのようなジオレフィンとの重合生成物であるブチルゴムである。
【0019】
本発明の樹脂により変性することができるゴム化合物は、シス‐1,4‐ポリイソプレン(天然もしくは合成)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、およびイソプレンとブタジエンとの共重合体、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体、アクリロニトリルとイソプレンとの共重合体、スチレンとブタジエンとイソプレンとの共重合体、スチレンとブタジエンとの共重合体並びにそれらの混合物であるのが好ましい。
【0020】
これらジエン含有重合体と共に用い得る重合体樹脂の量は変えることができ、そしてそれは変性されるべき重合体、個々の重合体樹脂、希望の変性度および同様の因子に依存する。一般的にいえば、この重合体樹脂は、ジエン系重合体100部当たり約5から約50部(phr)の範囲の量で用いられる。この重合体樹脂は約5から約25phrの量で用いられ、約10から約25phrの範囲が特に推奨される。
【0021】
この重合体樹脂は、ジエン含有重合体中に、常用の混合法により、例えばバンバリー・ミキサー中でそれら樹脂を添加することにより、あるいはそれら樹脂をゴムにミルで添加することにより添入、配合することができる。好ましくは、重合体樹脂がより大きい分子量を有する場合には、それらを、十分な分散を確保するために、微粉末にすり潰すことが推奨される。このような粉末は、粉塵を抑えるために、これを、例えばオイルを添加することにより処理することができ、あるいはそれらをバインダー、例えば重合体ラテックスおよび5重量パーセントまでのバインダーを含む顆粒あるいはペレットと混合することもできる。また、それらは予備分散物として調合することもできるし、或いは予備分散物が例えば15から50重量パーセントの重合体樹脂を含んでいる、ジエン系ゴム配合物でマスタバッチ化することもできる。
【0022】
常用のゴム配合物の加硫と同様に、本発明の重合体樹脂を含むゴム配合物も硫黄加硫剤を必要とする。適した硫黄加硫剤の例に、元素硫黄(フリー硫黄)もしくは硫黄供与性加硫剤、例えばアミンジスルフィド、高分子ポリスルフィドもしくは硫黄オレフィン付加物がある。硫黄加硫剤は元素硫黄であるのが好ましい。硫黄加硫剤の量は、ゴム配合物の成分、および使用される硫黄加硫剤の個々のタイプに依存して変わる。一般的に言えば、硫黄加硫剤の量は約0.1から約8phrの範囲であり、約1.5から約6phrの範囲が好ましい。
【0023】
常用のゴム添加剤が、本発明のゴム配合物に配合される。硫黄加硫剤および常用の添加剤の存在自体は、本発明の態様であるとは見なされない。ゴム配合物中で普通に用いられる添加剤に、充填材、可塑剤、加硫剤、プロセスオイル、遅延剤、オゾン亀裂防止剤、酸化防止剤および同様の添加剤がある。用い得る充填材の総量は約45から約130phrの範囲であることができる。充填材に、シリカ、粘土、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタンおよびカーボンブラックがある。充填材の少なくとも一部分はカーボンブラックであるのが好ましい。可塑剤、オイルもしくはそれらの混合物は、普通、約2から約150phrの範囲の量で用いられ、約5から約130phrの範囲が好ましい。用いられる可塑剤の量は、希望される軟化効果に依存する。適した可塑剤の例に、芳香族系抽出油、アスファルテン、飽和および不飽和の炭化水素および窒素系塩基を含めて石油系の柔軟剤、コールタール製品、クマロン‐インデン樹脂およびジブチルフタレートおよびトリクレジルホスフェートのようなエステル類がある。オイルの例は、高度に芳香族性のプロセスオイル、プロセス大豆油および高パラフィン性のプロセスオイルとして普通知られているものである。配合時に用いられる促進剤‐活性化剤として機能する物質に、酸化亜鉛、酸化マグネシウムおよびリサージのような金属酸化物があり、これらは、脂肪酸、例えばステアリン酸、オレイン酸、ムラスチン酸および同様の脂肪酸のような酸性の物質と組み合わせて用いられる。金属酸化物の量は約1から約10phrの範囲であることができ、約2から約8phrの範囲が好ましい。用いられる脂肪酸の量は約0.25phrから約5.0phrの範囲であることができ、約0.5から約2phrの範囲が好ましい。
【0024】
促進剤は、ゴム配合物の加硫に必要な時間および/または温度を調節するために用いることができる。この技術分野の習熟者に知られているように、単一の促進剤を用いることができ、その場合それは約0.2から約3.0phrの範囲の量で存在する。他の態様では、ゴム配合物を活性化し、そしてその性質を改善するために、1種またはそれ以上の促進剤の組み合わせを用いることができ、その場合その組み合わせは一般により大量(0.3から約3.0phr)で用いられる一次促進剤と、一般により少量(0.05から約1.50phr)で用いられる二次促進剤とからなる。これら促進剤の組み合わせは最終製品の性質に相乗効果を生むことが知られており、そしていずれかの促進剤を単独で使用する場合より幾分良好な効果をもたらす。また、正規の加工温度では影響されないが、普通の加硫温度で満足できる曲線を与える遅延作用型の促進剤も知られている。適したタイプの促進剤に、アミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類およびザンテート類がある。適している特定の化合物の例は、亜鉛・ジエチル‐ジチオカルバメート、4,4'-ジチオジモルホリン、N,N‐ジメチル‐S‐tert‐ブチルスルフェニルジチオカルバメート、テトラメチルチウラムジスルフィド、2,2'-ジベンゾチアジルジスルフィド、ブチルアルデヒドアニリン、メルカプトベンゾチアゾール、N‐オキシジエチレン‐2‐ベンゾチアゾールスルフェンアミドがある。促進剤はスルフェンアミド化合物であるのが好ましい。
【0025】
スコーチ遅延剤として知られている一群の配合材料が普通用いられる。フタル酸無水物、サリチル酸、酢酸ナトリウムおよびN‐シクロヘキシルチオフタルイミドが良く知られた遅延剤である。遅延剤は、一般に、約0.1から0.5phrの範囲の量で用いられる。
【0026】
予備調製されたフェノール‐ホルムアルデヒドタイプの樹脂が、ゴム配合物に用いられることもあり、その場合それは一般に約1.0から約5.0phrの範囲の量で存在し、そして約1.5から約3.5phrの範囲が好ましい。
【0027】
通常、以後分解防止剤と呼ばれる、酸化防止剤と、時にはオゾン分解防止剤がゴム配合物に添加される。代表的な分解防止剤に、モノフェノール類、ビスフェノール類、チオビスフェノール類、ポリフェノール類、ヒドロキノン誘導体、ホスファイト類、チオエステル類、ナフチルアミン類、ジフェニル‐p‐フェニレンジアミン類、ジフェニルアミン類および他のジアリールアミン誘導体、p‐フェニレンジアミン類、キノリン類およびそれらの混合物がある。このような分解防止剤の特定の例は、ヴァンデルビルトのゴムハンドブック(Vanderbilt Rubber Handbook)(1990年)、282−286頁に開示されている。分解防止剤は一般に約0.25から約5.0phrの範囲の量で用いられ、約1.0から約3.0phrの範囲が好ましい。
【0028】
本発明のゴム組成物の混合は、ゴム混合技術分野の習熟者に知られている方法によって行うことができる。例えば、その構成成分は、典型的には、少なくとも二つの段階、即ち少なくとも一つの非‐硬化発現(non-productive)段階とそれに続く硬化発現(productive)混合段階で混合される。硫黄加硫剤を含めて最終硬化剤は、典型的には、普通“硬化発現”混合段階と呼ばれる最終段階で混合され、この硬化発現混合段階では、混合は、典型的には、それに先行する非硬化発現混合段階(一段階または複数段階)より低い混合温度(一つまたは複数)である、ある一定の温度、即ち最終温度で行われる。ゴムと本発明の重合体樹脂は、一つまたはそれ以上の非硬化発現混合段階で混合される。この“非‐硬化発現”および“硬化発現”混合段階という用語は、ゴム混合技術分野の習熟者にはよく知られているものである。
【0029】
本発明の空気入りゴムタイヤの加硫は、一般に約100℃から約200℃の範囲の常用温度で行われる。この加硫は約110℃から約180℃の範囲の温度で行われるのが好ましい。加圧装置もしくは金型中での加熱、過熱蒸気もしくは熱空気による加熱または塩浴中での加熱のような、通常の加硫方法がいずれも用い得る。
【0030】
【実施例】
以下の実施例は、本発明を例示説明するために提出されるもので、本発明を限定するためのものではない。
【0031】
硬化性を、温度150℃、周波数11ヘルツで操作されるモンサント式(Monsanto)振動板レオメーターを用いて測定した。振動板レオメーターの説明は、ロバート O.オーム(Robert O. Ohm)編、ヴァンデルビルトのゴムハンドブック[コネチカット州(Conn.)、ノーウォーク(Norwalk)のR.T.ヴァンデルビルト社(R. T. Vanderbilt Company, Inc.)、1990年]、554−557頁に見ることができる。この硬化メーターとその曲線から読み取った標準化値の利用は、ASTM D‐2084に明細に説明されている。振動板レオメーターで得られる典型的な硬化曲線は、ヴァンデルビルトのゴムハンドブック、1990年版、555頁に示されている。
【0032】
このような振動板レオメーター中で、混練ゴム試料に、一定振幅の振動せん断作用を加える。試験されるゴム配合物中に埋め込まれた振動板の、その加硫温度でローターを振動させるのに必要なトルクを測定する。この硬化試験を用いて得られる値は、そのゴムでの変化または混練処方の変化を非常に容易に検出できるので、非常に意義の大きいものである。通常、速い硬化速度を有することが有利なことは明らかである。
【0033】
以下の実施例では、動機械的粘弾性を測定するためにフレキシス・ゴム加工分析計(Flexsys Rubber Process Analyser)(RPA)2000が用いられた。硬化条件は、160℃、1.667Hz、15.8分および0.7パーセント変形であった。このRPA2000の説明、その容量、試料調製法、試験法および補助試験法は、下記の引用文献中に見いだすことができる:H.A.パウロウスキー(H. A. Pawlowski)およびJ.S.デイック(J. S. Dick)のRubber World、1992年6月号;J.S.デイックおよびH.A.パウロウスキーのRubber World、1997年1月号;およびJ.S.デイックおよびH.A.パウロウスキーのRubber & Plastics News、1993年4月26日号および5月10日号。
【0034】
配合ゴム試料をボトム・ダイ(bottom die)の上に置く。これらダイを合わせると、試料は加圧されたキャビティー中に入り、そこでそのボトム・ダイの正弦波振動せん断作用を受ける。上部ダイに連結されたトルク変換器が、その振動の結果として試料を通して伝達されたトルクの量を測定する。トルクは、ダイの形状因子とひずみについて補正することにより、せん断モジュラスGに変換される。このRPA2000は、未硬化ゴムまたは硬化ゴムを、高度の反復性と再現性で試験することができる。利用できるこれらの試験および補助試験には、温度および変形一定での周波数掃引、温度および周波数一定での硬化、温度および周波数一定での変形掃引、並びに変形および周波数一定での温度掃引がある。この装置の正確度と精密さにより、混練試料中での変化を再現性良く検出することができる。
【0035】
貯蔵モジュラス(G')、損失コンプライアンス(J”)およびタンデルタについて報告される値は、100℃および1Hzでの変形掃引後の硬化試験から得られた値である。これらの性質は、一定の温度および周波数でのせん断変形に対する試験試料の粘弾性応答を表すものである。
【0036】
以下の実施例は、本発明を例証するために提出されるものであって、本発明を限定するためのものではない。特に断らない限りは、部は全て重量部である。
参考実施例1
1リットル(L)のステンレススチール製オートクレーブに、洗滌、乾燥されたジシクロペンタジエン170g、洗滌、乾燥された(+)−リモネン80gおよびキシレン100ミリリットル(mL)を装填した。この反応器を窒素でフラッシュし、密封し、そして撹拌しながら270℃に加熱した。この反応器の圧力は270℃で185psigのピークに達した。温度を270℃に維持していると、反応器の圧力が低下し始めた。約15分以内に、圧力は20から30psig低下した。保持時間1時間後に、反応器を冷却した。その内容物をフラスコに移し、約170℃に加熱し、そしてその内容物の表面の圧力を水銀柱で約25インチまで減圧にした。このように駆出処理された樹脂を約150℃で融解物としてフラスコから注ぎ出した。測定された軟化点は55‐75℃であった。測定された分子量範囲は500から15,000であった。
【0037】
参考実施例2
270℃での保持時間を、1時間に代えて2時間としたことを除いて、参考実施例1の方法を繰り返した。この重合体樹脂の軟化点は約80から131℃の範囲であった。測定された分子量範囲は700から15,000であった。
【0038】
参考実施例3
270℃での維持時間を4時間としたことを除いて、参考実施例1の方法を繰り返した。この重合体樹脂生成物は約126から168℃の範囲の軟化点を有していた。測定された分子量範囲は3,000から15,000であった。
【0039】
参考実施例4
270℃での維持時間を、1時間に代えて6時間としたことを除いて、参考実施例1の方法を繰り返した。この樹脂の軟化点は約168から195℃の範囲であった。測定された分子量範囲は4,000から15,000であった。
【0040】
実施例5
参考実施例1‐4からのジシクロペンタジエン/リモネン樹脂を、2Lのステンレススチール製ビーカーで、それら重合体樹脂各150gを混合することによに混和した。ホット・プレートを用いて、それら重合体樹脂を融解させ、かき混ぜて均質な混合物を得た。このブレンドを室温まで冷却し、細断して、小さい粒状の細片にした。この裁断片の全体としての軟化点は約78から約173℃の範囲であった。この生成物は琥珀色の固体であった。
【0041】
参考実施例6
3Lの丸底フラスコに、機械的撹拌機、定温ウォーターバス、熱電対および滴下漏斗を取り付けた。このフラスコに窒素を通して掃気し、そして無水塩化アルミニウム10gを含む200mLのシクロヘキサンを装填した。撹拌を開始し、ウォーターバスでその塩化アルミニウム/シクロヘキサン懸濁物の温度を30℃に上げた。滴下漏斗に、禁止剤としての6%水酸化ナトリウム水溶液で洗滌されているが、2回目の水洗の後では乾燥されていないジシクロペンタジエン170g、イーストマン・コダック社(Eastman Kodak)からの工業用(+)−リモネン80gおよびシクロヘキサン100mLを装填した。この供給液流は、反応温度を32±2℃に維持しながらできるだけ迅速に加えられた。約25分後に、供給液は全て添加され、そして撹拌しながら32±2℃の反応温度を3時間保持した。この反応混合物にイソプロパノール200mLと水600mLとの溶液を、熱を除去しながら添加した。この水‐有機化合物の混合物を、触媒が全て加水分解されるまで激しく撹拌した。懸濁した固体を含んでいる有機層を分離し、2部分に分けられた200mLの水で洗滌した。この懸濁した固体を含んでいる有機層を乾燥オーブン中で、150℃および水銀柱28インチにおいて乾燥した。この生成物は、融点測定毛細管の中で188から約208℃において軟化するか、もしくは濡れることを示し、そして分子量範囲は700から40,000であった。
【0042】
参考実施例7
参考実施例6の反応条件と方法を42±2℃で繰り返して、融点測定毛細管の中で138から180℃において軟化するか、もしくは濡れることを示し、そして分子量範囲が700から36,000である樹脂を得た。
【0043】
参考実施例8
反応が52±2℃で行われたことを除き、参考実施例6の反応条件と方法を繰り返して、融点測定毛細管の中で134から156℃で軟化するか、もしくは濡れることを示し、そして分子量範囲が700から24,000である樹脂を得た。
【0044】
参考実施例9
参考実施例6、7および8からのジシクロペンタジエン/リモネン樹脂を、2Lのステンレススチール製ビーカーでそれら重合体樹脂各75gを混合することにより混和した。ホット・プレートを用いて、それら重合体樹脂を液化させ、かき混ぜて均質な混合物を得た。このブレンドを室温まで冷却し、細断して、小さい粒状の細片にした。この裁断片の全体としての軟化点は約132から191℃の範囲であった。
【0045】
参考実施例10
反応器に、300部のシクロヘキサンと50部の無水塩化アルミニウムを入れた。この混合物を連続的に撹拌しながら、その反応器に600部の炭化水素混合物を約60分かけてゆっくり添加した。この炭化水素混合物は30%の不活性炭化水素と、残り70重量%の次の樹脂形成用成分を含む混合物より成るものであった:
成分 パーセント
リモネン 67.0
ジシクロペンタジエン 33.0
反応温度は約25℃から30℃の範囲に維持された。最終添加後に約1時間撹拌してから、その炭化水素混合物をイソプロピルアルコールの25%水溶液約4,000部に添加して塩化アルミニウムを中和、分解した。その水層を除去し、そしてその樹脂溶液を追加の4,000部のイソプロピルアルコール/水混合物で洗った。
【0046】
得られた樹脂溶液を蒸留ポット温度約235℃で水蒸気蒸留した。得られた残留融解樹脂を室温まで冷却すると、110℃から129℃の軟化点を有する、硬くて脆い淡黄色の樹脂が85%の収率で得られた。低分子GPC分析を行うと、次の分子量分布が得られた:9500MW範囲に6.7%、1100MW範囲に69.1%、600MW範囲に6.5%、450MW範囲に9.0%および330MW範囲に4.6%。
【0047】
実施例11
スチレン‐ブタジエンゴム、常用量のカーボンブラック、酸化防止剤、硫黄と硬化促進剤、脂肪酸および酸化亜鉛より成るゴム配合物を調製した。さらに、各試料は芳香族成分の多いプロセスオイル、パラフィン成分の多いプロセスオイルおよび加工大豆油を含んでいた。試料1および3では、これら3種のオイルは重合体ジシクロペンタジエン/リモネン樹脂で一部置き換えられた。この研究では、実施例1‐4に従って製造された4種の重合体樹脂の各々が、6および12phrの添加水準(総樹脂は24および48phr)で使用され、そして対照コンパウンドと比較された。下記の表に、各種オイルと樹脂の相対量を示す。さらに、得られたゴム配合物の各々の性質を試験し、それらも同表に示す。各ゴム配合物の硬化試験片は、ストレブラー(Strebler)試験、ツヴィック反発性(Zwick Rebound)試験、ライトブローアウト(Light Blow Out)試験およびDIN摩耗性試験に使用した試験片を除いて、各試料を150℃で28分間、280psiの圧力下で加圧硬化することにより調製された。ストレブラー試験、ツヴィック反発性試験およびライトブローアウト試験用の試料は38分間硬化された。DIN摩耗性試験用の試験片は33分間硬化された。
【0048】
【表1】
【0049】
【0050】
【0051】
上記のデーターから分るように、芳香族系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイルおよび加工大豆油の代りにジシクロペンタジエン/リモネン樹脂を使用することの効果は、ヒステリシス(反発弾性、E”、タンデルタ)および低変形剛さ(E’、硬さ)の増加、一方硬化状態(300%モジュラス)、硬化速度(T25、T90)および引き裂き(ストレブラー)の低下に現れた。ジシクロペンタジエン/リモネン樹脂は、60℃から150℃の温度範囲全体にわたって、より良好な貯蔵モジュラス、損失モジュラスおよびタンデルタを与えた。温度に対するこの応答性は、向上した静止摩擦特性と操縦性を提供するものである。
【0052】
参考実施例12
この参考実施例中では、一つのゴムコンパウンドで様々の樹脂が評価された。表2および3に示された材料を含むゴム組成物を、BRバンバリー(BanburyTM)ミキサーで、二つの別個の添加(混合)段階;即ち、一つの非‐硬化発現混合段階と一つの硬化発現混合段階を用いて調製した。この非‐硬化発現段階は、3.5分またはゴム温度が160℃になるまでの時間の、どちらか短い方の時間混合された。硬化発現段階の混合時間は、ゴム温度が120℃になるまでの時間であった。
【0053】
これらゴム組成物は本参考実施例中で試料1‐3と名付けられた。試料1および2は、ゴム組成物に添加される本発明で用いられる樹脂を使用していない対照試料と見なされるものである。試料1と2は、それぞれ、市場から入手できる樹脂を含んでいる。試料3は参考実施例10で調製された樹脂である。
【0054】
これら試料は約150℃で約28分硬化された。
表3に硬化試料1‐3の硬化挙動と物理的性質が示される。
実験データーは、この新規なジシクロペンタジエン/リモネン樹脂は、以前に説明されたような、典型的な兼ね合いに従うことなく、静止摩擦特性と耐久性を事実上同時に向上させることを明らかにしている。クマロン‐インデン樹脂とフェノール系樹脂のRPA2000分析計での動的性質、および応力‐ひずみ特性(UTS:最大抗張力)を比較すると、乾燥時静止摩擦特性の改善(40%変形におけるタンデルタと損失コンプライアンスの増大)のために耐久性を犠牲にする(40%変形におけるより小さいG’、300%モジュラスおよび引張強さ)典型的な兼ね合い挙動が明らかに見られる。対照例A(フェノール樹脂)は、大きいヒステリシスを有する柔らかいコンパウンドである。対照例B(クマロン‐インデン樹脂)は、ヒステリシスの小さい剛いコンパウンドである。
【0055】
対照例Aに比べてジシクロペンタジエン/リモネン樹脂は、耐久性(40%変形におけるG’、300%モジュラスおよび引張強さ)が有意に向上し、そして乾燥静止摩擦特性(40%変形におけるタンデルタとJ”)が維持されていることを示している。対照例Bは、樹脂の利用による対照例Aの耐久性を増加させるための典型的な努力を代表するものである。対照例Bに比べてジシクロペンタジエン/リモネン樹脂は、耐久性(40%変形におけるG’、300%モジュラスおよび引張強さ)は僅かに低下するだけで、その乾燥静止摩擦特性(40%変形におけるタンデルタとJ”)が有意に改善されることを示している。
【0056】
【表2】
【0057】
1:40%のスチレンを含む乳化重合SBRで、そのTgは35℃、基本ムーニー粘度は110であり、そしてオイルで油展(オイル37.5phr)した場合のその基本ムーニー粘度は48であった。この乳化重合SBRはグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー社(Goodyear Tire & Rubber Company)から得られたものである。
【0058】
2:I2 =122およびDBP=114。
3:重合1,2‐ジヒドロ‐2,2,4‐トリメチルキノリン。
4:セネクタディー・ケミカル社(Schenectaday Chemical)からCRJ‐418の商品名で商業的に入手できる、融点106‐114℃(環球法)の非反応性フェノール‐ホルムアルデヒド樹脂。
【0059】
5:ネビル・ケミカル社(Neville Chemical)からクマール(CumarTM)R‐13の商品名で商業的に入手できる、軟化点100℃のクマロン・インデン樹脂。
6:N‐シクロヘキシルベンゾチアゾール‐2‐スルフェンアミド。
【0060】
7:テトラメチルチウラムジスルフィド。
【0061】
【表3】
Claims (2)
- (1)天然ゴム、ジエン系単量体もしくはその混合物から誘導されるゴムよりなる群から選ばれるゴム、および(2)ゴム100部当たり5から50部の、ジシクロペンタジエンとリモネンとの間の重合反応生成物よりなる重合体樹脂組成物を含んでなることを特徴とするトレッドを有する空気入りゴムタイヤであって、
該重合体樹脂組成物が、第一の樹脂、第二の樹脂、第三の樹脂及び第四の樹脂を含んでなり、
該第一の樹脂は、融点測定毛細管中で濡れが起きる時点から完全に液体になるまでの温度範囲が55℃から75℃であり、
該第二の樹脂は、融点測定毛細管中で濡れが起きる時点から完全に液体になるまでの温度範囲が80℃から131℃であり、
該第三の樹脂は、融点測定毛細管中で濡れが起きる時点から完全に液体になるまでの温度範囲が126℃から168℃であり、そして
該第四の樹脂は、融点測定毛細管中で濡れが起きる時点から完全に液体になるまでの温度範囲が168℃から195℃である、前記の空気入りゴムタイヤ。 - ジエン系単量体もしくはその混合物から誘導されるゴムが、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、イソプレンとブタジエンとの共重合体、スチレンとブタジエンとの共重合体、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体、アクリロニトリルとイソプレンとの共重合体およびそれらの混合物よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の空気入りゴムタイヤ。
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