JP4781938B2 - 導電性接触子ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、液晶パネルや半導体集積回路などの電子部品における導通状態検査や動作特性検査を行う際に、その電子部品の電極や端子に接触して電気信号の送受信を行う導電性接触子ユニットに関するものである。
従来、半導体集積回路等の検査対象の電気特性検査に関する技術分野において、半導体集積回路の接続用電極に対応して複数の導電性接触子を配設し、導電性接触子を接続用電極と物理的に接触させることによって電気的導通を確保する機能を有する導電性接触子ユニットに関する技術が知られている。導電性接触子ユニットは、複数の導電性接触子と、その複数の導電性接触子を保持する導電性接触子ホルダとを具備する。このような導電性接触子ユニットにおいては、検査対象である半導体集積回路等の微細化傾向に伴った接続用電極の配列間隔の狭小化に対応するためのさまざまな技術が提案されている。
例えば、下記特許文献1では、検査対象と接触する接触部とその接触部に対して弾発付勢する弾性部とを備え、板状をなす導電性接触子に関する技術が開示されている。この従来技術では、複数の導電性接触子を狭い間隔で板厚方向に並べて配置することにより、検査対象の接続用電極の配列間隔の狭小化に対応することを可能としている。
特開2001−343397号公報
しかしながら、上述した導電性接触子ユニットで検査を繰り返した場合、導電性接触子ごとの荷重特性に乱れが生じることがあった。このため、安定した検査が実施できなくなるだけでなく、場合によっては導電性接触子が破損してしまう恐れがあり、耐久性に問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性に優れた導電性接触子ユニットを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、検査用の信号を出力する回路構造と検査対象との間の信号の送受信を行う導電性接触子ユニットであって、
板状をなす導電性材料によって形成され、検査用の信号を出力する回路構造と接触する第1接触部、長手方向に伸縮可能な弾性部、検査対象と接触し、この接触する先端が前記弾性部の幅方向の縁端部よりも前記弾性部の幅方向の中心軸から遠ざかる方向に突出する第2接触部、前記弾性部と前記第1接触部とを接続する第1接続部、および前記弾性部と前記第2接触部とを接続し、板厚方向に貫通し前記長手方向に平行な辺を長辺とする長方形状の開口部が設けられた第2接続部を有する複数の導電性接触子と、前記導電性接触子の長手方向の一方の縁端部であって前記第2接触部が突出している側の縁端部を嵌合保持する複数の第1ガイド溝、および前記複数の第1ガイド溝とそれぞれ対向して位置し、対向する前記第1ガイド溝に嵌め込まれた前記導電性接触子の他方の縁端部を嵌合保持する複数の第2ガイド溝を有する導電性接触子ホルダと、前記導電性接触子ホルダに固着され、前記複数の前記導電性接触子にそれぞれ設けられた前記開口部を貫通する棒状部材と、を備え、前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は、前記開口部の短辺の長さと略等しく該開口部の短辺の長さよりも短い長さを有する2辺であって前記開口部の短辺と平行な2辺を短辺とする長方形から下方に位置する短辺の少なくとも一部を含む領域を取り除くことによって得られる形状をなすことを特徴とする。
また、上記発明において、前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は台形状をなすとしてもよい。
また、上記発明において、前記台形状の断面における上底の長さと下底の長さの比は2:1であるとしてもよい。
また、上記発明において、前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は、2組の平行な対辺を有する五角形状をなすとしてもよい。
また、上記発明において、前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は直角三角形状をなすとしてもよい。
また、上記発明において、前記第2接触部の先端は、前記導電性接触子ホルダの外側面であって内側に前記第1ガイド溝が形成された部分の外側面よりも当該外側面の法線方向に突出しているとしてもよい。
本発明によれば、板状をなす導電性材料によって形成され、検査用の信号を出力する回路構造と接触する第1接触部、長手方向に伸縮可能な弾性部、検査対象と接触する先端が前記弾性部の幅方向の縁端部よりも前記弾性部の幅方向の中心軸から遠ざかる方向に突出する第2接触部、前記弾性部と前記第1接触部とを接続する第1接続部、および前記弾性部と前記第2接触部とを接続し、板厚方向に貫通し前記長手方向に平行な辺を長辺とする長方形状の開口部が設けられた第2接続部を有する複数の導電性接触子と、前記複数の導電性接触子を保持する導電性接触子ホルダに固着され、前記複数の前記導電性接触子にそれぞれ設けられた前記開口部を貫通する棒状部材と、を備え、前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は、前記開口部の短辺の長さと略等しく該開口部の短辺の長さよりも短い長さを有する2辺であって前記開口部の短辺と平行な2辺を短辺とする長方形から下方に位置する短辺の少なくとも一部を含む領域を取り除いて得られる形状をなすことにより、耐久性に優れた導電性接触子ユニットを提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。なお、図面は模式的なものであって、各部分の厚みと幅との関係、それぞれの部分の厚みの比率などは現実のものとは異なる場合もあることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合があることは勿論である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る導電性接触子ユニットの構成を示す斜視図である。同図に示す導電性接触子ユニット1は、検査対象である液晶パネル等の回路構造の導通状態検査や動作特性検査を行うものであり、板状をなす複数の導電性接触子2と、複数の導電性接触子2を収容保持する導電性接触子ホルダ3と、導電性接触子ホルダ3に固着され、複数の導電性接触子2を支持する棒状部材4とを備える。
まず、導電性接触子2について説明する。図2は、本実施の形態1に係る導電性接触子2の構成を示す図である。以下の説明では、図2における鉛直方向を「導電性接触子2の長手方向」、図2における水平方向を「導電性接触子2の幅方向」、これら長手方向および幅方向とそれぞれ直交する方向すなわち紙面に垂直な方向を「導電性接触子2の板厚方向」とそれぞれ称することにする。
図2に示す導電性接触子2は、導電性材料を用いて板状をなすように形成され、検査用の信号を生成する回路構造と検査対象との電気的な接続を確立する。より具体的には、導電性接触子2は、検査用回路を含む所定の回路構造と物理的に接触する第1接触部21と、液晶パネル等の検査対象と物理的に接触する第2接触部22と、第1接触部21および第2接触部22の間に介在し、長手方向に伸縮可能な弾性部23と、第1接触部21および弾性部23を接続する第1接続部24と、第2接触部22および弾性部23を接続し、板厚方向に貫通し、長手方向と平行な長辺を有する長方形状の開口部25が形成された第2接続部26と、を備える。
第1接触部21は、第1接続部24の短手方向中央部から長手方向に突出するように設けられている。なお、第1接触部21の第1接続部24からの突出位置はこれに限られるわけではなく、接触対象の回路構造に設けられた電極の位置等の条件に応じて定めればよい。
第2接触部22は、弾性部23の幅方向の縁端部よりも弾性部23の幅方向の中心軸から遠ざかる方向に突出している。なお、第2接触部22の形状は、導電性接触子2の材質や検査の際に導電性接触子2に対して加えるべき荷重、導電性接触子2を収容保持する導電性接触子ホルダ3の形状、検査対象の種類などさまざまな条件によって定められるべきものであり、第2接続部26の幅方向の縁端部よりも当該幅方向に突出していれば、その形状の細部については適宜変更することが可能である。
弾性部23は、導電性接触子2の長手方向と直交し幅方向に平行な複数の直線部23a、および隣接する直線部を接続する複数の湾曲部23bを有し、長手方向に沿ってS字状に蛇行した形状をなしている。直線部23aの線径は一様であり、湾曲部23bの外径および線径も一様である。なお、弾性部23の湾曲部23bの数は、導電性接触子2に加わる荷重に応じて定められる。
次に、導電性接触子ホルダ3について説明する。導電性接触子ホルダ3は、図1に示すように、略直方体状の外観形状をなし、上面部3aと底面部(図1では図示せず)を貫通して複数の導電性接触子2を保持する保持部31と、保持部31を介して互いに対向する側面部3bの所定位置にそれぞれ形成され、棒状部材4の端部を固着する固着用孔部32とを有する。
図3は、導電性接触子ホルダ3の上面部3aの部分拡大斜視図である。図3に示すように、保持部31には、導電性接触子2を装着する際にその導電性接触子2の幅方向の一方の縁端部を嵌合保持する直線状の第1ガイド溝31aと、この第1ガイド溝31aと対向して位置し、その第1ガイド溝31aにはめ込まれた導電性接触子2の幅方向の他方の縁端部を嵌合保持する直線状の第2ガイド溝31bとが複数対形成されている。対をなす第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bは、導電性接触子2をその長手方向と垂直な面方向に対して位置決めする機能を有するとともに、導電性接触子2の伸縮動作をガイドする機能を有している。また、第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bのなす対のうち隣接する対同士の間隔は全て等しく、かつ互いに平行である。
第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bの各々は同じ溝幅(wとする)を有するとともに、同じ溝深さ(dとする)を有する。なお、ここでは第1ガイド溝31aの溝深さと第2ガイド溝31bとの溝深さが等しい場合を説明したが、両ガイド溝の溝深さが互いに異なっていても構わない。
図4は、導電性接触子ユニット1の内部構成を示す図である。同図に示す導電性接触子ホルダ3の断面は、図3のA−A線断面に相当している。図4に示すように、第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bは、図4のz軸方向(溝幅方向に垂直な方向)に沿って互いに平行に延伸した構造を有する。第1ガイド溝31aが図4のz軸方向に延伸する長さは、第2ガイド溝31bが同じz軸方向に延伸する長さよりも短く、第2ガイド溝31bは導電性接触子ホルダ3の底面部3dまで到達しているが、第1ガイド溝31aは底面部3dよりも鉛直上方の位置までしか到達していない。
以上の構成を有する導電性接触子ホルダ3は、導電性接触子2を、図1および図4に示す座標系(xyz)において、幅方向がx軸方向と平行であり、板厚方向がy軸方向と平行であり、長手方向がz軸方向と平行であるように保持している。この意味で、導電性接触子2の板厚は、第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bの溝幅(w)よりも若干小さい。
導電性接触子ホルダ3に保持された導電性接触子2は、第1接触部21および第2接触部22に荷重が加わっていない状態(図4に示す状態)で第2接触部22の先端Qが導電性接触子ホルダ3の側面部3cよりもx軸正の方向に所定量突出している(突出量をδ1とする)。また、第2接触部22の先端Qは、導電性接触子ホルダ3の底面部3dからz軸負の方向に所定量突出している(突出量をhとする)。これによりオペレータは、導電性接触子ユニット1の斜め上方からでも導電性接触子2の先端と検査対象との物理的な接触の有無を確認することができる(図1を参照)。なお、図4では、第1接触部21の先端Pを通過しz軸方向に平行な軸Oからの第2接触部22の先端のオフセット量をΔ1としている。ここで説明した突出量δ1およびh、ならびにオフセット量Δ1は、導電性接触子2や導電性接触子ホルダ3の大きさ、検査対象に加えるべき荷重等の条件に応じて適宜定められる。
導電性接触子ホルダ3は、導電性接触子2と電気的に接続して短絡が発生することを防止する観点から、絶縁性材料によって形成されることが好ましい。例えば、低熱膨張の合成樹脂を用いて導電性接触子ホルダ3を形成し、ダイシング等によって第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bを形成すればよい。他にも、例えばアルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ(SiO2)等のセラミックス、シリコン、エポキシ等の熱硬化性樹脂、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックなどによって導電性接触子ホルダ3の母材を形成し、エッチング等の加工技術によって第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bを形成してもよい。また、絶縁性材料を用いて導電性接触子ホルダ3を形成する代わりに、他の適当な材料(絶縁性の有無は不問)を用いて母材を形成し、導電性接触子2と接触しうる部分(第1ガイド溝31aや第2ガイド溝31bを含む部分)に対して適当な絶縁性塗料を塗布するような構成としてもよい。この意味では、導電性接触子2の表面の一部または全部に対して絶縁性塗料を塗布してもよい。
続いて、棒状部材4について説明する。棒状部材4は、複数の導電性接触子2を保持部31に装着し、各導電性接触子2の開口部25を貫通した後、その両端部が導電性接触子ホルダ3の互いに対向する側面部3bにそれぞれ形成された固着用孔部32に挿通され、導電性接触子ホルダ3に対して固着される。棒状部材4は、保持部31で保持する複数の導電性接触子2の開口部25を一括して貫通することによって導電性接触子2の保持部31からの抜け止め機能を果たすとともに、導電性接触子2に対して初期たわみを付与する機能を果たす。
棒状部材4の長手方向に垂直な断面は、図4に示すように、導電性接触子2の第2接続部26が有する開口部25の短辺の長さと略等しくその開口部25の短辺の長さよりも短い長さを有する2辺であって開口部25の短辺と平行な2辺を短辺とする長方形から下方に位置する短辺の少なくとも一部を含む領域を取り除くことによって得られる形状をなしており、より具体的には、短手方向の辺を上辺および下辺とする台形状をなしている。この台形の頂点部分は、導電性接触子2の摺動性をよくするために面取りされてR形状をなしている。図5の拡大図に示すように、この台形状をなす断面における上底の長さuと下底の長さvとの比は2:1である(v=u/2)。なお、この比はあくまでも一例に過ぎず、棒状部材4に要求される剛性などの条件に応じて変更可能である。
棒状部材4は、多数の導電性接触子2の開口部25を貫通してそれら全ての導電性接触子2を支持することに鑑み、剛性が高く荷重が加わってもたわみが少なく、導電性接触子2との摺動抵抗が小さいセラミックスなどの絶縁性材料が特に好ましい。これにより、棒状部材4と開口部25との間隔を小さくすることができる。その結果、荷重を加えたときの導電性接触子2の動きを円滑にすることができるとともに、棒状部材4によって導電性接触子2の支持安定性を確保することも可能となる。
以上の構成を有する導電性接触子ホルダ3の上方には、検査用信号を生成出力する信号処理回路との電気的な接続を確立する回路基板100を取り付ける。回路基板100は、ポリイミドなどからなるシート状の基材の一方の表面に、ニッケル等からなる多数の配線および接続用の電極が形成されてなる。回路基板100を取り付ける際には、回路基板100の電極が導電性接触子2の第1接触部21と接触するように位置決めを行い、導電性接触子ホルダ3と同様の材料からなる固定部材101および導電性接触子ホルダ3によって回路基板100を挟持し、ねじ等の締結手段(図示せず)を用いて固定する。この結果、各導電性接触子2には自身に作用する重力以外の力に起因する荷重(初期荷重)が加わり、各弾性部23が長手方向に収縮する。
次に、導電性接触子ユニット1と検査対象200との接触態様について説明する。検査を行う際には、液晶パネル等の検査対象200を所定の駆動手段(図示せず)によって第2接触部22の先端Qと接触し、所定の位置に達するまで上昇させていく。第2接触部22の先端Qは、上述したように第1接触部21の先端Pからx軸方向にΔ1だけオフセットしているため、検査対象200と接触した導電性接触子2にはモーメントが発生する。すなわち、導電性接触子2は、弾性部23が収縮して開口部25が棒状部材4から離間した後、図4で時計回りに微小角だけ回転する。
上述した回転により、第2接触部22の先端Qは、検査対象200の表面上を接触状態を持続しながら検査対象200上を引っ掻いて移動する。このようにして、第2接触部22の先端が検査対象200上を移動することにより、検査対象200の表面に形成された酸化膜やその表面に付着した汚れを除去し、検査対象200との間で安定した電気的接触を得ることが可能となる。その際、検査対象200の移動速度(上昇速度)を適切に制御すれば、第2接触部22の先端が検査対象200の表面を大きく傷付けることがなく、導電性接触子2にも過度の荷重を加えないで済む。
以上説明した導電性接触子ユニット1は、導電性接触子2の弾性部23の伸縮方向に沿って延伸した第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bに一部を嵌め込んだ状態で導電性接触子2を保持している。このため、板状をなす導電性接触子2に特有な問題である弾性部23の収縮時の座屈およびねじれの発生を防止し、それらに起因する弾性部23のばね特性の劣化を生じさせずに済む。したがって、導電性接触子2に適切な範囲内で一定以上の荷重を加えても座屈やねじれを生じることなく大きなストロークを実現することができ、検査対象200との間で所望の接触状態を得ることが可能となる。
検査対象200は、上述したように第2接触部22の先端Qと接触した後も若干上昇を続けるが、接触後の検査対象200の上昇により、導電性接触子2は微小角だけ回転して棒状部材4やガイド31bと接触する。本実施の形態では、棒状部材4の断面形状として上述した台形形状とすることにより、開口部25と棒状部材4との接触箇所が削減され、導電性接触子2の荷重特性を安定化することができる。この結果、導電性接触子2の耐久性が向上し、検査の信頼度も向上させることができる。
また、導電性接触子ユニット1においては、第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bによって導電性接触子2を保持することとしたため、導電性接触子2と導電性接触子ホルダ3(の保持部31)との間の接触面積を低減して摺動抵抗を減少させることができ、導電性接触子2の伸縮動作をスムーズに行うことが可能となる。
さらに、導電性接触子ユニット1は、第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bの溝幅(w)が導電性接触子2の板厚と同程度の値でよく、互いに隣接する第1ガイド溝31a間および第2ガイド溝31b間の各間隔は、隣接する導電性接触子2間の絶縁性が十分確保できる値であれば、任意の小さな値としてよい。したがって、複数の導電性接触子2の配列間隔を狭小化することが可能であり、回路基板100や検査対象200が有する接続用の電極や端子の配列間隔の狭小化にも十分に対応することができる。
加えて、導電性接触子ユニット1においては、導電性接触子2に棒状部材4を貫通することによって導電性接触子2に初期たわみを与えるとともに抜け止めを行っている。この結果、第2接触部22の先端Qすなわち導電性接触子2の下端が導電性接触子ホルダ3の底面部3dから鉛直下方に突出する突出量hを小さくすることができる。換言すれば、第2接触部22を小さくしても、その先端付近の曲がりを防止し、安定して保持することが可能となり、導電性接触子2が下端部付近で第1ガイド溝31aおよび/または第2ガイド溝31bから外れてしまうのを抑制することができる。この結果、導電性接触子2の位置精度が高くなり、導電性接触子ユニット1の信頼性および耐久性を向上させることができる。
導電性接触子ユニット1を組み立てる際に導電性接触子2を保持部31に収容する工程は、第1接触部21の側を先に保持部31の内部に挿入し、幅方向の縁端部を第1ガイド溝31aおよび第2ガイド溝31bに嵌め込むことによって完了する。したがって、従来の導電性接触子ユニットと比較しても組み立てが容易であり、製造コストを低減するという効果を得ることもできる。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、板状をなす導電性材料によって形成され、検査用の信号を出力する回路構造と接触する第1接触部、長手方向に伸縮可能な弾性部、検査対象と接触する先端が前記弾性部の幅方向の縁端部よりも前記弾性部の幅方向の中心軸から遠ざかる方向に突出する第2接触部、前記弾性部と前記第1接触部とを接続する第1接続部、および前記弾性部と前記第2接触部とを接続し、板厚方向に貫通し前記長手方向に平行な辺を長辺とする長方形状の開口部が設けられた第2接続部を有する複数の導電性接触子と、前記複数の導電性接触子を保持する導電性接触子ホルダに固着され、前記複数の前記導電性接触子にそれぞれ設けられた前記開口部を貫通する棒状部材と、を備え、前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は、前記開口部の短辺の長さと略等しく該開口部の短辺の長さよりも短い長さを有する2辺であって前記開口部の短辺と平行な2辺を短辺とする長方形から下方に位置する短辺の少なくとも一部を含む領域を取り除いて得られる形状をなすことにより、耐久性に優れた導電性接触子ユニットを提供することができる。
また、本実施の形態によれば、検査回数が増加して導電性接触子との間の摩擦が小さくなっても導電性接触子と棒状部材との接触箇所が増えたりすることがなく、導電性接触子の荷重特性を安定化させることができる。この結果、導電性接触子の耐久性が向上し、安定した検査が可能となる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を詳述してきたが、本発明は上記一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。図6〜図8は、本発明に係る導電性接触子ホルダが備える棒状部材の別な構成例を示す断面図である。このうち、図6に示す棒状部材5は、上記一実施の形態における棒状部材4と図で左右が逆転した断面形状を有している。また、図7に示す棒状部材6は、2組の平行な対辺を有する五角形状の断面を有している。さらに、図8に示す棒状部材7は、直角三角形状の断面を有している。図6〜図8においても、各断面における頂点部分は、導電性接触子2の摺動性をよくするために面取りされてR形状をなしている。
このように、本発明に係る導電性接触子ホルダが備える棒状部材の長手方向に垂直な断面は、導電性接触子を保持したとき、その導電性接触子が有する開口部の短辺の長さと略等しく該開口部の短辺の長さよりも短い長さを有する2辺であってその開口部の短辺と平行な2辺を短辺とする長方形から下方に位置する短辺の少なくとも一部を含む領域を取り除くことによって得られる形状をなしていればよい。また、辺の比率についても、棒状部材に要求される剛性などの条件に応じて適宜定めればよい。
ところで、本発明に係る導電性接触子ユニットは、液晶パネルを検査する場合に限られるわけではなく、半導体チップを搭載したパッケージ基板やウェハレベルの検査に用いる高密度導電性接触子ユニットとしても適用可能である。
以上の説明からも明らかなように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明の一実施の形態に係る導電性接触子ユニットの構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る導電性接触子の構成を示す図である。 導電性接触子ホルダの上面部の部分拡大斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る導電性接触子ユニットの内部構成を示す図である。 棒状部材の断面形状を示す部分拡大図である。 棒状部材の別な構成例(第2例)を示す断面図である。 棒状部材の別な構成例(第3例)を示す断面図である。 棒状部材の別な構成例(第4例)を示す断面図である。
符号の説明
1 導電性接触子ユニット
2 導電性接触子
3 導電性接触子ホルダ
3a 上面部
3b、3c 側面部
3d 底面部
4、5、6、7 棒状部材
21 第1接触部
22 第2接触部
23 弾性部
23a 直線部
23b 湾曲部
24 第1接続部
25 開口部
26 第2接続部
31 保持部
32 固着用孔部
31a 第1ガイド溝
31b 第2ガイド溝
100 回路基板
101 固定部材
200 検査対象
P、Q 先端
Δ1 オフセット量
δ1、h 突出量

Claims (6)

  1. 検査用の信号を出力する回路構造と検査対象との間の信号の送受信を行う導電性接触子ユニットであって、
    板状をなす導電性材料によって形成され、検査用の信号を出力する回路構造と接触する第1接触部、長手方向に伸縮可能な弾性部、検査対象と接触し、この接触する先端が前記弾性部の幅方向の縁端部よりも前記弾性部の幅方向の中心軸から遠ざかる方向に突出する第2接触部、前記弾性部と前記第1接触部とを接続する第1接続部、および前記弾性部と前記第2接触部とを接続し、板厚方向に貫通し前記長手方向に平行な辺を長辺とする長方形状の開口部が設けられた第2接続部を有する複数の導電性接触子と、
    前記導電性接触子の長手方向の一方の縁端部であって前記第2接触部が突出している側の縁端部を嵌合保持する複数の第1ガイド溝、および前記複数の第1ガイド溝とそれぞれ対向して位置し、対向する前記第1ガイド溝に嵌め込まれた前記導電性接触子の他方の縁端部を嵌合保持する複数の第2ガイド溝を有する導電性接触子ホルダと、
    前記導電性接触子ホルダに固着され、前記複数の前記導電性接触子にそれぞれ設けられた前記開口部を貫通する棒状部材と、
    を備え、
    前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は、前記開口部の短辺の長さと略等しく該開口部の短辺の長さよりも短い長さを有する2辺であって前記開口部の短辺と平行な2辺を短辺とする長方形から下方に位置する短辺の少なくとも一部を含む領域を取り除くことによって得られる形状をなすことを特徴とする導電性接触子ユニット。
  2. 前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は台形状をなすことを特徴とする請求項1記載の導電性接触子ユニット。
  3. 前記台形状の断面における上底の長さと下底の長さの比は2:1であることを特徴とする請求項2記載の導電性接触子ユニット。
  4. 前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は、2組の平行な対辺を有する五角形状をなすことを特徴とする請求項1記載の導電性接触子ユニット。
  5. 前記棒状部材の長手方向に垂直な断面は直角三角形状をなすことを特徴とする請求項1記載の導電性接触子ユニット。
  6. 前記第2接触部の先端は、前記導電性接触子ホルダの外側面であって内側に前記第1ガイド溝が形成された部分の外側面よりも当該外側面の法線方向に突出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の導電性接触子ユニット。
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