JP4781770B2 - ウェハ加工方法 - Google Patents

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本発明は,ウェハ加工方法に関し,特に,裏面にダイボンディング用の接着フィルムが貼り付けられたウェハの加工方法に関する。
従来,ダイシング工程によって分割された半導体チップのダイボンディング工程では,ダイボンディング材料として樹脂ペーストなどを用いて,半導体チップをリードフレームなどの基台に接着していた。しかし,かかる手法では,半導体チップが傾いて接着されたり,半導体チップの端から樹脂ペーストがはみ出したりして,高精度にダイボンディング
することができない上に,接着層の厚さ制御も困難であるという問題があった。
このため,近年では,裏面にダイボンディング用の接着フィルム,いわゆるDAF(ダイ・アタッチ・フィルム)が予め貼り付けられている半導体チップを用いる手法が普及しつつある。このDAFは,略均一な厚さを有し,厚さ制御も容易であるので,半導体チップを高精度でダイボンディングすることができる。
しかし,当初のDAF付きの半導体チップは,半導体チップのサイズに応じて切断されたDAFを半導体チップの裏面に貼り合わせることで製造していたため,小さい半導体チップに対応しきれず,生産性も非常に低いという問題があった。
このような問題から,特許文献1には,半導体ウェハの裏面にDAFを熱圧着して貼り付け,DAFと半導体ウェハとを同時にダイシングする方法が提案されている。この方法によれば,DAFを半導体ウェハに貼り付けることが容易になると共に,あらゆるチップサイズにも容易に対応することができる。
ところが,上記従来のDAF付き半導体チップの製造方法では,図6(a)に示すように,切削ブレード1等の切削手段により,ウェハWと当該ウェハWの裏面に貼り付けられたDAF3とを同時に切断して,複数のDAF3付き半導体チップCに分割すると,DAF3の切断面は平滑面とはならずに,図6(b)に示すように,DAF3付き半導体チップCの周囲に,ヒゲ状のバリ5が多数発生してしまうという問題があった。
このバリ5が存在すると,図7(a)に示すように,ピックアップ対象の半導体チップCの形状に応じた保持手段であるコレット7で,DAF3付き半導体チップCを吸着してピックアップするときに,半導体チップCの上方まで延びたバリ5に邪魔されてしまうので,コレット7によって半導体チップCを好適に保持することができず,ピックアップできないという問題があった。さらには,図7(b)に示すように,DAF3付き半導体チップCをワイヤボンディングするときに,側方に延びたバリ5がワイヤボンディングのパッドに接触してしまい,好適にワイヤボンディングすることができないという問題も発生していた。
これらの問題を解決するため,特許文献2には,DAF付き半導体チップに生じたバリを加熱することによって,バリを熱収縮させて小さくする技術が提案されている。
特開平11−219962号公報 特開2004−79597号公報
しかしながら,上記特許文献2に記載のバリ対策方法では,加熱処理用の装置が別途必要となり,加熱処理工程にも時間を要するため,DAF付き半導体チップの生産性を低下させてしまうという問題があった。また,上記バリ対策方法は,バリの発生自体を抑制する効果はなかったので,バリの発生を根本的に解決可能な手法が希求されていた。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,接着フィルム付き半導体チップのバリ対策として,別途の装置や処理工程を必要とせず,バリの発生自体を抑制することが可能な,新規かつ改良されたウェハ加工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,表面に複数の半導体素子が形成されたウェハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを貼り付け,接着フィルムが貼り付けられたウェハを接着フィルムとともに格子状に切断して,複数の接着フィルム付きチップに分割するウェハ加工方法が提供される。このウェハ加工方法は,ウェハを一方向に移動させながら,ウェハの裏面に対してウェハの移動方向の前方側から後方側にかけて徐々に接着フィルムを圧接して貼り付ける貼付装置を用いて,ウェハの裏面に接着フィルムを所定の貼付方向で貼り付ける貼付工程と;ウェハの表面にある相直交する2方向のストリートを切削ブレードにより切削する切削装置を用いて,接着フィルムが貼り付けられたウェハを,接着フィルムとともに格子状に切断して,複数の接着フィルム付きチップに分割する切断工程と;を含む。そして,上記貼付工程では,ウェハの表面にある2方向のストリートのうちいずれか一方向のストリートと,接着フィルムの貼付方向とが平行となるようにして,ウェハの裏面に接着フィルムを貼り付ける。また,上記切断工程では,接着フィルムの貼付方向に対して平行な方向のストリートを切断した後に,接着フィルムの貼付方向に対して直行する方向のストリートを切断する。
かかる構成のウェハ加工方法では,貼付装置によって,ウェハに対する接着フィルムの貼付方向と,ウェハの表面にある一方のストリートの方向とを略平行にして,接着フィルムを貼り付けた後に,切削装置によって,接着フィルムが貼り付けられたウェハを格子状に切断するときに,最初に,上記略平行に合わせたストリートから切断する。これにより,接着フィルムに働いている最も強い引張応力の方向に対して平行に,接着フィルムを切断することで,接着フィルムに与えるダメージを最も少なくできる。従って,接着フィルムを切断したときに発生するバリの発生を低減できる。よって,接着フィルム付き半導体チップのバリ対策として,別途装置や加工工程を必要とせず,しかも切断時におけるバリの発生自体を抑制することができる。
以上説明したように本発明によれば,接着フィルムが貼り付けられたウェハを切断するときに,接着フィルムに与えるダメージを低減できるので,バリの発生を低減できる。従って,接着フィルム付き半導体チップのバリ対策として,別途装置や加工工程が不要であり,しかもバリの発生自体を抑制することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかるウェハ加工方法について説明する。本実施形態にかかるウェハ加工方法では,まず,貼付装置によって,ウェハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムであるDAF(Die Attach Film:ダイ・アタッチ・フィルム)を所定の貼付方向で貼り付ける(貼付工程)。次いで,切削ブレードを備えた切削装置によって,上記DAFが貼り付けられた半導体ウェハを格子状に切断して,DAF付き半導体チップに分割する(切断工程)。
このとき,上記貼付工程において,ウェハの相直交する2方向のストリートのうち,一方向のストリートと平行な貼付方向で,DAFをウェハ裏面に貼り付ける。そして,切断工程において,まず,上記貼付方向と平行な方向のストリートを切断し,次いで,上記貼付方向と直交する方向のストリートを切断する点に特徴を有する。そこで,以下では,貼付装置及び切断装置の構成と,この貼付装置及び切断装置を用いてDAF付き半導体チップを製造するためのウェハ加工方法について詳細に説明する。
まず,図1〜図3を参照して,本実施形態にかかる貼付装置10の構成および動作について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる貼付装置10の構成を示す正面図である。また,図2は,本実施形態にかかる貼付装置10において,基台テープ16上に保持されたDAF3を示す底面図(a)と,移動基台12上に載置されたウェハWを示す平面図(b)である。また,図3は,本実施形態にかかる貼付装置10によりウェハWの裏面にDAF3を貼り付けている状態を示す拡大断面図(a)と,裏面にDAF3が貼り付けられたウェハWを示す拡大断面図(b)である。
図1に示すように,貼付装置10は,半導体ウェハWの裏面に,ダイボンディング用の接着フィルムであるDAF3を貼り付けるための装置である。
半導体ウェハWは,例えば,略円板形状を有するシリコンウェハなどであり,その大きさは,外径が例えば6,8,10インチ等であり,厚さが例えば50μmである。なお,以下では,半導体ウェハWの表面とは,半導体素子(回路)が形成された側の円形平坦面をいい,半導体ウェハWの裏面とは,上記表面とは反対側の円形平坦面をいうものとする。また,かかる半導体ウェハWを切断して形成された半導体チップについても,表面および裏面の定義は同様とする。
このウェハWの表面には,図2(b)に示すように,複数の半導体素子(図示せず。)が作り込まれており,この複数の半導体素子間には複数のストリート(切削予定ライン)31,32が格子状に配列されている。このストリート31とストリート32とは,相互に直交する方向に延びている。
DAF3は,上記ウェハWが分割された半導体チップをダイボンディングするためのフィルム状の接着剤(両面接着フィルム)である。このDAF3は,例えば,主に,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂またはエポキシ樹脂などからなる。また,このDAF3は,外径がウェハWの径と同程度の円形フィルムとなるように成形されている。さらに,DAF3の厚さは,例えば50μm程度であり,上記ウェハWと同程度とすることができる。なお,このDAF3には,例えば,カバーフィルムやキャリアフィルムなどは貼り付けられていない。
貼付装置10は,例えば,図1に示すように,ウェハWが裏面を上向きにして載置される移動基台12と,移動基台12を所定の一方向に移動させる移動機構(図示せず。)と,送出ローラ13と圧接ローラ14と巻取ローラ15との間に懸架される基台テープ16と,を備える。
移動基台12は,上面が平坦面となっている支持台であり,載置されたウェハWを支持する。また,図1(a)及び図2(b)に示すように,移動基台12に載置されたウェハWの周囲には,ウェハWの外径より大きな環状のリングフレーム4が,ウェハWと同心円上に隙間を空けて載置される。このリングフレーム4は,ダイシングテープ6を介してウェハWを支持するフレームである。リングフレーム4の厚さは,ウェハWの厚さ(例えば50μm)とDAF3の厚さ(例えば50μm)の和と同程度(例えば100μm程度)である。
また,この移動基台12は,上記移動機構により,所定の一方向(X軸方向)に水平移動可能となっている。これにより,支持基台12上に載置されたウェハWを,当該一方向に水平移動させることができる。
また,上記のように支持基台12上にウェハWを載置するときには,ウェハWの表面にある相直交する2方向のストリート31,32のうちいずれか一方向のストリート31と,移動基台12の移動方向とが平行となるように,ウェハWが配置される。これにより,後述するDAF3の貼付方向とストリート31の方向とが一致するようになる。
送出ローラ13,圧接ローラ14及び巻取ローラ15は,上記移動基台12の上方に配設されている。このうち,基台テープ16を送り出す送出ローラ13と,基台テープ16を巻き取る巻取ローラ15とが,比較的上方に配置され,基台テープ16をウェハWに向けて圧接する圧接ローラ14が最下方に配置されている。
かかる構成により,基台テープ16を,上記移動基台12の移動方向と略同一方向に移動させることができる。このとき,送出ローラ13から送り出された基台テープ16は,圧接ローラ14に近づくにつれ下方に向かい,圧接ローラ14の下端位置で最も下方に突出し,その後,巻取ローラ15に近づくにつれ上方に向かい,最終的には巻取ローラ15に巻き取られる。
かかる基台テープ16の下面には,図1(a)及び図2(a)に示すように,DAF3よりも大きな円形を有するダイシングテープ6と,このダイシングテープ6上に同心円上に貼り付けられたDAF3とが保持される。このとき,例えば,基台テープ16の粘着力によってダイシングテープ6が基台テープ16上に保持され,ダイシングテープ6及びDAF3の粘着力によってDAF3がダイシングテープ6上に保持される。なお,ダイシングテープ6は,ダイシング時にウェハWを保持するための粘着テープであり,例えば,紫外線硬化型の粘着テープなどを利用できる。
以上のような構成の貼付装置10により,移動基台12によりウェハWを一方向(X軸方向)に移動させながら,基台テープ16によりDAF3をウェハWと同方向に移動させることで,ウェハWの裏面に対して,当該移動方向の前方側から後方側にかけて徐々にDAF3を圧接して,ウェハWの2つのストリート31,32のうち一方のストリート31と同一の貼付方向(当該移動方向と同一方向)でDAF3を貼り付けることができる。以下に,かかる貼付装置10によるDAF3の貼付動作(即ち,本実施形態にかかるウェハ加工方法における貼付工程)について詳細に説明する。
まず,図1(a)に示すように,支持基台12上にウェハW及びリングフレーム4を載置するとともに,その上方に位置する基台テープ16の下面にダイシングテープ6を介してDAF3を貼り付ける。このとき,図2(b)に示すように,ウェハWの一方のストリート31と,移動基台12の移動方向(X軸方向)とが平行になるように,移動基台12上にウェハWが載置される。
次いで,図1(a)に示すように,移動機構により移動基台12を所定方向(X軸方向)に移動させて,ウェハWを水平移動させるとともに,送出ローラ13と巻取ローラ15の回転により,基台テープ16を上記移動基台12の移動方向と同一方向に移動させて,ダイシングテープ6及びDAF3を搬送する。なお,移動基台12の移動速度,及び基台テープ16の移動速度は,圧接ローラ14の下部でウェハWとDAF3とが相互に接触するような速度に調整されている。
これにより,移動基台12上のウェハWが圧接ローラ14の下部に位置すると同時に,基台テープ16上のDAF3が圧接ローラ14の下端に位置するようになる。この結果,図3(a)に示すように,圧接ローラ14により,基台テープ16上のDAF3が,支持基台12上のウェハWの裏面に対して,上記移動基台12の移動方向の前方側から下方側にかけて徐々に圧接され,これにより,DAF3がウェハWの裏面のX軸方向先端部側から後端部側にかけて徐々に貼り付けられる。そして,図1(a)に示すように,移動基台12が,圧接ローラ14の下部を通り越して十分に移動したときには,DAF3及びダイシングテープ6が基台テープ16から完全に剥離して,図3(b)に示すように,ウェハWの裏面にDAF3が貼り付けられるとともに,リングフレーム4にダイシングテープ6の外周部が貼り付けられる。
以上のようにして,上記貼付装置10を用いた貼付工程では,ウェハWのいずれか一方のストリート31の方向とDAF3の貼付方向とが平行になるようにして,ウェハWの裏面にDAF3が貼り付けられる。
次に,図4を参照して,本実施形態にかかる切削装置20の構成および動作について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる切削装置20の構成及び動作を示す正面図である。
図4に示すように,切削装置20は,例えば,ウェハWを保持するチャックテーブル21と,ウェハWを切削加工する切削ユニット23と,切削ユニット23をY及びZ軸方向に移動させる切削ユニット移動機構(図示せず。)と,チャックテーブル21を切削方向(X軸方向)に切削送りするチャックテーブル移動機構(図示せず。)とを主に備える。
ウェハWは,上記のようにして裏面側に貼り付けられたDAF3及びダイシングテープ6を介してフレーム4に支持された状態で,チャックテーブル21上に表面側を上向きにして載置される。
チャックテーブル21は,例えば,その上面が略平坦な円盤状のテーブルであり,その上面に真空チャック(図示せず。)を具備している。チャックテーブル21は,この真空チャック上に載置されたウェハWを真空吸着して安定的に保持する。
切削ユニット23は,スピンドル24の先端部に装着された切削ブレード22を備えている。切削ブレード22は,例えば,ダイヤモンド等の砥粒をボンド材で結合して形成された極薄のリング状の切削砥石である。この切削ユニット23は,図4(b)に示すように,スピンドル24により高速回転させた切削ブレード22をウェハWに切り込ませることにより,ウェハWのストリート31,32を切削して,極薄のカーフ(切溝)を形成する。
切削ユニット移動機構は,切削ユニット23をY軸方向に移動させる。このY軸方向は,切削方向(X軸方向)に対して直交する水平方向であり,切削ユニット23内に延設されたスピンドル24の軸方向と一致する。切削ユニット23をY軸方向に移動させることにより,切削ブレード22の刃先をウェハWのストリート31,32に位置合わせすることができる。さらに,この切削ユニット移動機構は,切削ユニット23をZ軸方向(垂直方向)にも移動させる。これにより,ウェハWに対する切削ブレード22の切り込み深さを調整することができる。
チャックテーブル移動機構は,切削加工時に,ウェハWを保持したチャックテーブル21を切削方向(X軸方向)に往復移動させて,ウェハWに対し切削ブレード22の刃先を直線的な軌跡で作用させる。また,チャックテーブル移動機構は,図示しないモータによって,上記チャックテーブル21を,チャックテーブル21の中心を通り鉛直方向に延びる回転軸を中心として水平面内で回転させることができる。これによって,チャックテーブル21上に保持されたウェハWも当該回転軸を中心として回転する。
以上のような構成の切削装置20は,高速回転する切削ブレード22をウェハWに切り込ませながら,切削ユニット23とチャックテーブル21とを相対移動させることにより,ウェハWの表面に格子状に配列された複数のストリート31,32に沿って,ウェハWと当該ウェハWの裏面に貼り付けられたDAF3とを同時に切断する。これによって,ウェハW及びDAF3をダイシング加工して,複数のDAF3付き半導体チップCに分割することができる。
以下に,かかる切断装置20によるDAF3付きウェハWの切断動作(即ち,本実施形態にかかるウェハ加工方法における切断工程)について詳細に説明する。
この切断工程では,切削装置20は,まず,図4(a)及び図4(b)に示すように,上記貼付工程におけるDAF3の貼付方向に対して平行な方向に延びる複数のストリート31を切断する。次いで,チャックテーブル21を90度回転させて,ストリート32の方向を切削送り方向(X軸方向)に合わせた後,図4(c)に示すように,当該DAF3の貼付方向に対して直行する方向に延びる複数のストリート32を切断する。
このようにして,DAF3の貼付方向と平行なストリート31を最初に切断することにより,DAF3の切断に伴うヒゲ状のバリ5の発生(図6参照)を大幅に抑制することができる。このバリを抑制できる理由は,次のように考えられる。
即ち,DAF3の引張応力やダイシングテープ6の引張応力は,上記貼付装置10によるDAF3の貼付方法を考慮すると,図4(a)及び図4(b)に示すように,上記DAF3の貼付方向に最も作用すると考えられる。従って,当該DAF3の貼付方向と平行な方向(ストリート31の方向)にDAF3を切断することにより,この切断方向と直交する方向にDAF3を押し広げる力を最小限に抑えることができる。よって,最初の1回目の切断で,DAF3の貼付方向と平行なストリート31を切断することにより,当該切断時には,バリの発生を抑制できる。
さらに,その後,上記DAF3の貼付方向に直交する方向(ストリート32の方向)にDAF3を切断した場合には,既に上記ストリート31の切削によりDAF3が短冊状に分断されているため,上記DAF3等の引張応力はあまり作用せず,この結果,切断方向と直交する方向にDAF3を押し広げる力もあまり作用しない。従って,2回目の切断で,DAF3の貼付方向と直交するストリート32に沿って切断しても,バリの発生を抑制できる。
以上のように,DAF3付きウェハWを格子状に切断することにより,ウェハWを複数のDAF3付き半導体チップCに分割することができる。かかる分割されたDAF3付き半導体チップCは,上記のようにDAF3の切断面におけるバリの発生が抑制されている。
従って,後工程であるピックアップ工程において,バリに邪魔されることなく(図7(a)参照),コレットにより好適にピックアップできる。さらに,上記ピックアップされたDAF3付き半導体チップCを基台にダイボンディングした後,ワイヤボンディング工程において,バリに邪魔されることなく(図7(b)参照),ワイヤとパッドとをワイヤで好適に接続できる。このため,当該ワイヤボンディング工程を円滑かつ迅速に実行することができるので,ワイヤボンディング精度および生産性が向上する。
次に,上記実施形態にかかるウェハ加工方法によるバリ抑制効果を検証するため,ウェハWに対するDAF3の貼付方向や,2方向のストリート31,32の切断順序を変えてDAF3付きウェハWを切断し,それぞれの場合について,切断後のDAF3に生じたバリの本数を測定する実験を行った結果について説明する。なお,本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
比較例1にかかるウェハ加工方法では,図5(a)に示すように,貼付工程においては,DAF3の貼付方向を一方向のストリート31に対して平行な方向とし,切断工程においては,まず,当該貼付方向と直交する方向の複数のストリート32を切断し(1回目の切断),次いで,当該貼付方向と平行な方向の複数のストリート31を切断した(2回目の切断)。この比較例1は,上記第1の実施形態にかかるウェハ加工方法と比べて,ストリート31,32の切削順序が相違する。
(比較例2)
比較例2にかかるウェハ加工方法では,図5(b)に示すように,貼付工程においては,DAF3の貼付方向を両方向のストリート31,32に対して斜め45度に交差する方向とし,切断工程においては,まず,当該貼付方向と45度で交差する方向の複数のストリート32を切断し(1回目の切断),次いで,同じく当該貼付方向と45度で交差する方向の複数のストリート31を切断した(2回目の切断)。この比較例2は,上記第1の実施形態にかかるウェハ加工方法と比べて,DAF3の貼付方向,及び,ストリート31,32の切削順序が相違する。
(実施例)
本発明の実施例にかかるウェハ加工方法では,図5(c)に示すように,貼付工程においては,DAF3の貼付方向を一方向のストリート31に対して平行な方向とし,切断工程においては,まず,当該貼付方向と平行な方向の複数のストリート31を切断し(1回目の切断),次いで,当該貼付方向と直交する方向の複数のストリート32を切断した(2回目の切断)。この実施例は,上記第1の実施形態にかかるウェハ加工方法に対応するものである。
上記のような比較例1,2及び実施例にかかるウェハ加工方法の実験条件および実験結果を表1に示す。
Figure 0004781770
まず,実験条件について説明する。表1に示すように,実験1では,上記比較例1,2及び実施例について,それぞれ実験を行ったが,実験2〜4では,上記比較例1及び実施例についてのみ実験を行った。また,実験1及び2では,製品名「LE5000 P8A(リンテック社製)」のDAF3を使用し,実験3及び4では,製品名「LE5000 P8AS(リンテック社製)」のDAF3を使用した。
また,切断工程におけるスピンドル24の回転数は,実験1及び2では40,000[rpm]とし,実験3及び4では30,000[rpm]とした。また,切断工程では,ウェハWの加工点及び切削ブレード22を冷却するための切削液として水を供給し,この切削液の供給量は,実験1では2。0[L/min]とし,実験3〜4では1.4[L/min]とした。また,貼付工程におけるDAF3の貼付速度は,実験1では60[mm/s]とし,実験2及び3では10[mm/s]とし,実験4では80[mm/s]とした。
また,表1には示されていないが,実験1〜4のいずれの場合も,ウェハWとして裏面が乾式研磨(ドライポリッシュ)された8インチのシリコンウェハを使用し,ウェハWの各ストリート31,32の本数をそれぞれ38ラインとし,切削ブレード22を構成する砥粒の粒径を126J(#4800)とし,切断工程での切削送り速度を50[mm/s]とした。
次に,バリの測定方法及び測定結果について説明する。ウェハW表面の各ストリート31,32の本数は,それぞれ38ラインとした。この合計38ラインのストリート31のうち,2,6,10,15,20,25,30,34,38番目のストリート31(合計9ライン)の全長(2830mm)に発生したバリの本数を測定した。このとき,3ミクロン以上の長さのバリをカウントした。また,ストリート32についても,同様にして,発生したバリの本数を測定した。表1には,ストリート31に沿ったバリの測定本数と,ストリート32に沿ったバリの測定本数の合計を示してある。
かかる測定の結果,比較例1では,実験1〜4でそれぞれ,55本,27本,590本,393本のバリの発生が確認された。比較例2では,実験1で122本のバリの発生が確認された。実施例では,実験1〜4でそれぞれ,4本,3本,451本,302本のバリの発生が確認された。
かかる測定結果から分かるように,本発明の実施例では,比較例1,2と比して,測定されたバリの本数が大幅に低減されており,切断工程においてバリの発生が抑制されているといえる。即ち,本発明の実施例では,比較例1と比べて,バリの発生本数が,実験1で92.7%低減,実験2で88.9%低減,実験3で33.4%低減,実験4で23.1%低減されている。また,本発明の実施例では,比較例2と比べて,バリの発生本数が,実験1で96.7%低減されている。特に,スピンドル24の回転数が40,000[rpm]と高い条件に設定された実験1及び実験2では,比較例1,2と比べて,バリ低減割合が90%前後となっており,バリ抑制効果が極めて顕著であることが分かる。また,スピンドル24の回転数が30,000[rpm]と低い条件に設定した場合には,元来はバリが発生しやすいことが分かっており,このようなバリが発生しやすい条件であっても,本発明の実施例では,バリ抑制効果があることが分かる。
以上のような実験結果によれば,上述した本実施形態にかかるウェハ加工方法を用いることで,顕著なバリ抑制効果があることが実証されたといえる。
以上,本実施形態にかかるウェハ加工方法について詳細に説明した。本実施形態にかかるウェハ加工方法によれば,貼付装置10によって,ウェハWに対するDAF3の貼付方向と,ウェハWの表面にある一方のストリート31の方向とを略平行にして,DAF3を貼り付けた後に,切削装置20によってDAF3付きのウェハWを格子状に切断するときに,最初に,上記略平行に合わせたストリート32から切断する。これにより,DAF3に働いている最も強い引張応力の方向に対して平行に,DAF3を切断することで,DAF3に与えるダメージを最も少なくできる。従って,DAF3を切断したときに発生するバリの発生を大幅に抑制することができる。よって,DAF3付き半導体チップCのバリ対策として,別途装置や加工工程を必要としないという利点があるとともに,切断時におけるバリの発生自体を抑制して,バリ問題を根本的に解決することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態にかかる接着フィルムは,ポリイミド系樹脂などの粘着層のみの単層のDAF3であったが,本発明はかかる例に限定されない。接着フィルムは,例えば,キャリアフィルム上にポリイミド系樹脂などの粘着剤を塗布して乾燥させた,キャリアフィルム付きのDAFなどであってもよく,また,ダンシングテープの代用である多孔質基材上に粘着剤を塗布したものであってもよい。
本発明は,裏面にダイボンディング用の接着フィルムが貼り付けられたウェハを格子状に切断して,接着フィルム付きチップを製造する方法に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかる貼付装置の構成を示す正面図である。 同実施形態にかかる貼付装置において,基台テープ上に保持されたDAFを示す底面図(a)と,移動基台上に載置されたウェハを示す平面図(b)である。 同実施形態にかかる貼付装置によりウェハの裏面にDAFを貼り付けている状態を示す拡大断面図(a)と,裏面にDAFが貼り付けられたウェハを示す拡大断面図(b)である。 同実施形態にかかる切削装置の構成及び動作を示す正面図である。 本発明の実施例および比較例1,2にかかるDAFの貼付方向と,ストリートの切断順序を示す説明図である。 DAF付きウェハを切削ブレードで切断する態様を示す断面図(a)と分割されたDAFに生じたバリを示す平面図(b)である。 従来のDAFのバリが,ピックアップの妨げとなる態様(a),ワイヤボンディングの妨げとなる態様(b)を示す説明図である。
符号の説明
3 DAF(ダイボンディング用の接着フィルム)
4 リングフレーム
5 バリ
6 ダイシングテープ
10 貼付装置
12 移動基台
13 送出ローラ
14 圧接ローラ
15 巻取ローラ
16 基台テープ
20 切断装置
21 チャックテーブル
22 切削ブレード
23 切削ユニット
24 スピンドル
31 ストリート(DAF貼付方向と平行)
32 ストリート(DAF貼付方向と直交)
W ウェハ
C 半導体チップ

Claims (1)

  1. 表面に複数の半導体素子が形成されたウェハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを貼り付け,前記接着フィルムが貼り付けられた前記ウェハを前記接着フィルムとともに格子状に切断して,複数の接着フィルム付きチップに分割するウェハ加工方法であって:
    前記ウェハを一方向に移動させながら,前記ウェハの裏面に対して前記ウェハの移動方向の前方側から後方側にかけて徐々に前記接着フィルムを圧接して貼り付ける貼付装置を用いて,前記ウェハの裏面に前記接着フィルムを所定の貼付方向で貼り付ける貼付工程と;
    前記ウェハの表面にある相直交する2方向のストリートを切削ブレードにより切削する切削装置を用いて,前記接着フィルムが貼り付けられた前記ウェハを,前記接着フィルムとともに格子状に切断して,複数の接着フィルム付きチップに分割する切断工程と;
    を含み,
    前記貼付工程では,前記ウェハの表面にある前記2方向のストリートのうちいずれか一方向のストリートと,前記接着フィルムの貼付方向とが平行となるようにして,前記ウェハの裏面に前記接着フィルムを貼り付け,
    前記切断工程では,前記接着フィルムの貼付方向に対して平行な方向の前記ストリートを切断した後に,前記接着フィルムの貼付方向に対して直行する方向の前記ストリートを切断することを特徴とする,ウェハ加工方法。
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