JP2009212290A - デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】先ダイシング法によって分割された個々のデバイスの裏面にダイボンディング用接着フィルムを容易に装着すると共に、デバイスの外周縁からはみ出した接着フィルムがデバイスの表面に付着することがないデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】ウエーハ2を個々のデバイス22に分割するとともに、各デバイスの裏面に接着フィルムを装着するデバイスの製造方法であって、ウエーハの表面側からストリート21に沿って切削しデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する工程と、表面に保護テープを貼着したウエーハの裏面を研削して裏面に分割溝を表出させ個々のデバイスに分割する工程と、分割されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着する工程と、接着フィルムに引張力を付与し接着フィルムを分割溝に沿って破断する工程とを含み、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、分割溝の幅WはW≦1/2・π・Tに設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】ウエーハ2を個々のデバイス22に分割するとともに、各デバイスの裏面に接着フィルムを装着するデバイスの製造方法であって、ウエーハの表面側からストリート21に沿って切削しデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する工程と、表面に保護テープを貼着したウエーハの裏面を研削して裏面に分割溝を表出させ個々のデバイスに分割する工程と、分割されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着する工程と、接着フィルムに引張力を付与し接着フィルムを分割溝に沿って破断する工程とを含み、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、分割溝の幅WはW≦1/2・π・Tに設定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、表面に格子状に形成されたストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するデバイスの製造方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。半導体ウエーハを分割する分割装置としては一般にダイシング装置と呼ばれる切削装置が用いられており、この切削装置は厚さが数十μmの切削ブレードによって半導体ウエーハをストリートに沿って切削する。このようにして分割されたデバイスは、パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
個々に分割されたデバイスは、その裏面にエポキシ樹脂等で形成された厚さ70〜80μmのダイアタッチフィルムと称するダイボンディング用の接着フィルムが装着され、この接着フィルムを介してデバイスを支持するダイボンディングフレームに加熱することによりボンディングされる。デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する方法としては、半導体ウエーハの裏面に接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、半導体ウエーハの表面に形成されたストリートに沿って切削ブレードにより半導体ウエーハとともに接着フィルムを切断することにより、裏面に接着フィルムが装着されたデバイスを形成している。(例えば、特許文献1参照。)
特開2000−182995号公報
近年、携帯電話やパソコン等の電気機器はより軽量化、小型化が求められており、より薄いデバイスが要求されている。より薄くデバイスを分割する技術として所謂先ダイシング法と称する分割技術が実用化されている。この先ダイシング法は、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さ(デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成し、その後、表面に分割溝が形成された半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させ個々のデバイスに分割する技術であり、デバイスの厚さ50μm以下に加工することが可能である。
しかるに、先ダイシング法によって半導体ウエーハを個々のデバイスに分割する場合には、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さの分割溝を形成した後に半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させるので、ダイボンディング用の接着フィルムを前もって半導体ウエーハの裏面に装着することができない。従って、先ダイシング法によって製作されたデバイスをダイボンディングフレームにボンディングする際には、デバイスとダイボンディングフレームとの間にボンド剤を挿入しながら行わなければならず、ボンディング作業を円滑に実施することができないという問題がある。
このような問題を解消するために、先ダイシング法によって個々のデバイスに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、各デバイス間の間隙に沿って露出された接着フィルムの部分に、デバイスの表面側から上記間隙を通してレーザー光線を照射し、接着フィルムの上記間隙に露出された部分を切断するようにした半導体デバイスの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2002−118081号公報
しかるに、上記特許文献2に開示された技術は、厚さが数十μmの切削ブレードによって形成された分割溝に半導体ウエーハの表面側からレーザー光線を照射して接着フィルムにおける各半導体チップ間の間隙に露出された部分を切断するものであり、デバイスの表面にレーザー光線を照射することなく接着フィルムのみを切断することが困難である。従って、上記特許文献2に開示された半導体デバイスの製造方法においては、デバイスの表面にレーザー光線によるダメージを与える虞がある。
上記特許文献2に開示された技術の問題点を解消し、半導体ウエーハが先ダイシング法によって分割される個々のデバイスの表面にダメージを与えることなく、その裏面にダイボンディング用の接着フィルムを容易に装着することができる半導体デバイスの製造方法が下記特許文献3に開示されている。この特許文献3に開示され技術は、先ダイシング法によって個々のデバイスに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、ダイシングテープを拡張して接着フィルムに引張力を付与し、該接着フィルムを分割溝に沿って破断する方法である。
特開2004−193241号公報
而して、接着フィルムに引張力を付与し、接着フィルムを分割溝に沿って破断すると、個々のデバイスの外周縁からはみ出した接着フィルムが反り返って湾曲し、デバイスの表面に付着してワイヤーボンディングを阻害するという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、先ダイシング法によって分割された個々のデバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを容易に装着することができるとともに、デバイスの外周縁からはみ出した接着フィルムがデバイスの表面に付着することがないデバイスの製造方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する半導体デバイスの製造方法であって、
ウエーハの表面側から切削ブレードによりストリートに沿って切削し、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝が形成されたウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
該保護テープが貼着されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともに該接着フィルムが装着されたウエーハを環状のフレームに装着されたダイシングテープによって支持せしめる接着フィルム装着工程と、
該ダイシングテープを拡張して該接着フィルムに引張力を付与し、該接着フィルムを該分割溝に沿って破断する接着フィルム破断工程と、を含み、
該分割溝形成工程は、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、該分割溝の幅WがW≦1/2・π・Tに設定されている、
ことを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
ウエーハの表面側から切削ブレードによりストリートに沿って切削し、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝が形成されたウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
該保護テープが貼着されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともに該接着フィルムが装着されたウエーハを環状のフレームに装着されたダイシングテープによって支持せしめる接着フィルム装着工程と、
該ダイシングテープを拡張して該接着フィルムに引張力を付与し、該接着フィルムを該分割溝に沿って破断する接着フィルム破断工程と、を含み、
該分割溝形成工程は、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、該分割溝の幅WがW≦1/2・π・Tに設定されている、
ことを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
該分割溝形成工程は、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、該分割溝の幅WがW≦Tに設定されていることが望ましい。
本発明によるデバイスの製造方法においては、上記接着フィルム破断工程を実施することにより接着フィルムをウエーハに形成された分割溝に沿って破断すると、接着フィルムは分割溝の範囲で任意に破断され、デバイスの外周縁からはみ出た部分の最大値は分割溝の幅Wとなる。この接着フィルムにおけるデバイスの外周縁からはみ出た部分が反り返って湾曲し、デバイスの表面に付着するはみ出し量の最小値は(1/2・π・T)となる。しかるに、本発明においてはデバイスの仕上がり厚さをTとした場合、分割溝の幅WがW≦1/2・π・Tに設定されているので、接着フィルムにおけるデバイスの外周縁からはみ出た部分が反り返って湾曲しても接着フィルムがデバイスの表面に付着することはない。
なお、上記分割溝の幅WをW≦Tに設定することにより、接着フィルムにおけるデバイスの外周縁からはみ出た部分が該外周縁に沿って直角に折り曲がっても接着フィルムがデバイスの表面に付着することはない。
なお、上記分割溝の幅WをW≦Tに設定することにより、接着フィルムにおけるデバイスの外周縁からはみ出た部分が該外周縁に沿って直角に折り曲がっても接着フィルムがデバイスの表面に付着することはない。
以下、本発明によるデバイスの製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、ウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば厚さが600μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aには複数のストリート21が格子状に形成されている。そして、半導体ウエーハ2の表面2aには、格子状に形成された複数のストリート21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。この半導体ウエーハ2を先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割する手順について説明する。
半導体ウエーハ2を先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割するには、先ず半導体ウエーハ2の表面2aに形成されたストリート21に沿って所定深さ(各デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成する(分割溝形成工程)。この分割溝形成工程は、図2の(a)に示す切削装置3を用いて実施する。図2の(a)に示す切削装置3は、被加工物を保持するチャックテーブル31と、切削ブレード321を備えた切削手段32と、撮像手段33を具備している。この切削装置3によって分割溝形成工程を実施するには、チャックテーブル31上に半導体ウエーハ2の表面2aを上にして載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ2をチャックテーブル31上に保持する。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り機構によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2の分割溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されているストリート21と、切削ブレード321との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直角に延びるストリート21に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域のアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削領域の切削開始位置に移動する。そして、切削ブレード321を図2の(a)において矢印321aで示す方向に回転しつつ下方に移動して所定量の切り込み送りを実施する。この切り込み送り位置は、切削ブレード321の外周縁が半導体ウエーハ2の表面からデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ位置(例えば、30μm)に設定されている。このようにして、切削ブレード321の切り込み送りを実施したならば、切削ブレード321を回転しつつチャックテーブル31を図2の(a)において矢印Xで示す方向に切削送りすることによって、図2の(b)に示すようにストリート21に沿ってデバイスの仕上がり厚さTに相当する深さ(例えば、30μm)の分割溝210が形成される(分割溝形成工程)。この分割溝形成工程を半導体ウエーハ2に形成された全てのストリート21に沿って実施する。ここで、デバイスの仕上がり厚さTと分割溝210の幅Wの関係について説明する。即ち、分割溝210の幅Wは、W≦1/2・π・Tに設定されており、W≦Tに設定されていることが望ましい。なお、上述した分割溝形成工程においては、厚さが20μmの切削ブレード321を用いて実施することにより、幅Wが20μmの分割溝が形成される。
上述した分割溝形成工程により半導体ウエーハ2の表面2aにストリート21に沿ってデバイスの仕上がり厚さTに相当する深さの分割溝210を形成したら、図3の(a)および(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面2a(デバイス22が形成されている面)にデバイス22を保護する研削用の保護テープ4を貼着する(保護テープ貼着工程)。なお、保護テープ4は、図示の実施形態においては厚さが150μmのポリオレフィンシートが用いられている。
次に、表面に保護テープ4が貼着された半導体ウエーハ2の裏面2bを研削し、分割溝210を裏面2bに表出させて個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程を実施する。このウエーハ分割工程は、図4の(a)に示す研削装置5を用いて実施する。図4の(a)に示す研削装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、研削砥石52を備えた研削手段53を具備している。この研削装置5を用いてウエーハ分割工程を実施するには、チャックテーブル51上に半導体ウエーハ2の裏面2bを上にして載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ2をチャックテーブル51上に吸引保持する。そして、例えば、チャックテーブル51を矢印51aで示す方向に300rpmで回転しつつ、研削手段53の研削砥石52を矢印52aで示す方向に6000rpmで回転せしめて半導体ウエーハ2の裏面2bに接触することにより研削し、図4の(b)に示すように分割溝210が裏面2bに表出するまで研削する。このように分割溝210が表出するまで研削することによって、図4の(c)に示すように半導体ウエーハ2は個々のデバイス22に分割される。なお、分割された複数のデバイス22は、その表面に保護テープ4が貼着されているので、バラバラにはならず半導体ウエーハ2の形態が維持されている。
上述した先ダイシング法によるウエーハ分割工程を実施することによって半導体ウエーハ2を個々のデバイス22に分割したならば、個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面2bにダイボンディング用の接着フィルムを装着するとともに接着フィルムが装着された半導体ウエーハ2を環状のフレームに装着されたダイシングテープによって支持せしめる接着フィルム装着工程を実施する。この接着フィルム装着工程の第1の実施形態について図5および図6を参照して説明する。接着フィルム装着工程の第1の実施形態おいては、先ず図5の(a)および(b)に示すように接着フィルム6を個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面2bに装着する。このとき、上述したように80〜200°Cの温度で加熱しつつ接着フィルム6を半導体ウエーハ2の裏面2bに押圧して貼着する。次に、図6に示すように接着フィルム6が装着された半導体ウエーハ2の接着フィルム6側を、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着する。従って、半導体ウエーハ2の表面に貼着された保護テープ4は上側となる。なお、上記ダイシングテープTは、図示の実施形態においては厚さが90μmのポリオレフィンシートによって形成されている。このようにして、接着フィルム6が装着された半導体ウエーハ2の接着フィルム6側を環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に貼着したならば、半導体ウエーハ2の表面2aに貼着されている保護部材4を剥離する(保護部材剥離工程)。
次に、上述した接着フィルム装着工程の第2の実施形態について、図7を参照して説明する。
図7に示す接着フィルム装着工程の第2の実施形態は、ダイシングテープTの表面に予め接着フィルム6が貼着された接着フィルム付きのダイシングテープを使用する。即ち、図7の(a)および(b)に示すように環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたダイシングテープTの表面に貼着された接着フィルム6に、個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面2bを装着する。このとき、80〜200°Cの温度で加熱しつつ接着フィルム6を半導体ウエーハ2の裏面2bに押圧して装着する。そして、半導体ウエーハ2の表面2aに貼着されている保護部材4を剥離する(保護部材剥離工程)。
図7に示す接着フィルム装着工程の第2の実施形態は、ダイシングテープTの表面に予め接着フィルム6が貼着された接着フィルム付きのダイシングテープを使用する。即ち、図7の(a)および(b)に示すように環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたダイシングテープTの表面に貼着された接着フィルム6に、個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面2bを装着する。このとき、80〜200°Cの温度で加熱しつつ接着フィルム6を半導体ウエーハ2の裏面2bに押圧して装着する。そして、半導体ウエーハ2の表面2aに貼着されている保護部材4を剥離する(保護部材剥離工程)。
上述した接着フィルム装着工程を実施したならば、ダイシングテープTを拡張して接着フィルム6に引張力を付与し、接着フィルム6を分割溝210に沿って破断する接着フィルム破断工程を実施する。この接着フィルム破断工程は、図示の実施形態においては図8に示すテープ拡張装置7を用いて実施する。図8に示すテープ拡張装置7は、上記環状のフレームFを保持するフレーム保持手段71と、該フレーム保持手段71に保持された環状のフレームFに装着されたダイシングテープTを拡張するテープ拡張手段72を具備している。フレーム保持手段71は、環状のフレーム保持部材711と、該フレーム保持部材711の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ712とからなっている。フレーム保持部材711の上面は環状のフレームFを載置する載置面711aを形成しており、この載置面711a上に環状のフレームFが載置される。そして、載置面711a上に載置された環状のフレームFは、クランプ712によってフレーム保持部材711に固定される。このように構成されたフレーム保持手段71は、テープ拡張手段72を構成する支持手段73によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段72は、上記環状のフレーム保持部材711の内側に配設される拡張ドラム721を具備している。この拡張ドラム721は、環状のフレームFの内径より小さく該環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム721は、下端に支持フランジ722を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段72は、上記環状のフレーム保持部材711を上下方向に進退可能な支持手段73を具備している。この支持手段73は、上記支持フランジ722上に配設された複数のエアシリンダ731からなっており、そのピストンロッド732が上記環状のフレーム保持部材711の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ731からなる支持手段73は、図8および図9の(a)に示すように環状のフレーム保持部材71を載置面711aが拡張ドラム721の上端と略同一高さとなる基準位置と、図9の(b)に示すように環状のフレーム保持部材71を載置面711aが拡張ドラム721の上端から図において所定量下方の拡張位置に選択的に移動せしめる。図8を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるテープ拡張装置7は、テープ拡張手段72を構成する拡張ドラム721内に配設された冷却手段74を具備している。この冷却手段74は、冷却流体噴射ノズル741が上方に向けて配設されており、図示しない冷却流体供給手段に連通されている。
図示の実施形態におけるテープ拡張装置7は以上のように構成されており、このテープ拡張装置7を用いて実施する上記接着フィルム破断工程について、主に図9を参照して説明する。
上記図6および図7の(b)に示すように裏面2bに接着フィルム6が装着された半導体ウエーハ2をダイシングテープTを介して支持している環状のフレームFを図9の(a)に示すようにフレーム保持手段71を構成するフレーム保持部材711の載置面711a上に載置する。そして、環状のフレームFをクランプ712によってフレーム保持部材711に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材711は図9の(a)に示す基準位置に位置付けられている。
上記図6および図7の(b)に示すように裏面2bに接着フィルム6が装着された半導体ウエーハ2をダイシングテープTを介して支持している環状のフレームFを図9の(a)に示すようにフレーム保持手段71を構成するフレーム保持部材711の載置面711a上に載置する。そして、環状のフレームFをクランプ712によってフレーム保持部材711に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材711は図9の(a)に示す基準位置に位置付けられている。
図9の(a)に示すように基準位置に位置付けられているフレーム保持部材711に、裏面2bに接着フィルム6が装着された半導体ウエーハ2をダイシングテープTを介して支持している環状のフレームFを固定したならば、複数のエアシリンダ731を作動して、フレーム保持部材711を図9の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材711の載置面711a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図9の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTは拡張ドラム721の上端縁に当接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、ダイシングテープTに貼着されている接着フィルム6には放射状に引張力が作用する。このようにして、ダイシングテープTに貼着されている接着フィルム6に放射状の引張力が作用すると、半導体ウエーハ2が分割溝210によって個々のデバイス22に分割されているので、
接着フィルム6が装着された個々のデバイス22間の間隔が広げられ、接着フィルム3は分割溝210に沿って破断される。なお、上記テープ拡張工程を実施する際には、図9の(a)に示すように基準位置に位置付けられているときに冷却手段74を作動して冷却流体噴射ノズル741から冷却流体を噴射し、接着フィルム6を10℃以下に冷却することにより伸びを規制することが望ましい。
接着フィルム6が装着された個々のデバイス22間の間隔が広げられ、接着フィルム3は分割溝210に沿って破断される。なお、上記テープ拡張工程を実施する際には、図9の(a)に示すように基準位置に位置付けられているときに冷却手段74を作動して冷却流体噴射ノズル741から冷却流体を噴射し、接着フィルム6を10℃以下に冷却することにより伸びを規制することが望ましい。
上述した接着フィルム破断工程を実施することにより接着フィルム6を分割溝210に沿って破断すると、接着フィルム6は分割溝210の幅の範囲で任意に破断される。もし、接着フィルム6がデバイス22の外周縁に沿って破断された場合には、接着フィルム6におけるデバイス22の外周縁からはみ出た部分は分割溝210の幅Wとなり最大となる。この接着フィルム6におけるデバイス22の外周縁からはみ出た部分が反り返って湾曲し、デバイスの表面に付着してワイヤーボンディングを阻害するという問題がある。接着フィルム6におけるデバイス22の外周縁からはみ出た部分が反り返って湾曲し、デバイスの表面に付着するはみ出し量の最小値は(1/2・π・T)であり、従って接着フィルム6におけるデバイス22の外周縁からの出し量が(1/2・π・T)以下であれば反り返って湾曲した接着フィルムがデバイスの表面に付着することはない。しかるに、本発明においてはデバイスの仕上がり厚さをTとした場合、分割溝210の幅WがW≦1/2・π・Tに設定されているので、接着フィルム6におけるデバイス22の外周縁からはみ出た部分が反り返って湾曲しても接着フィルム6がデバイス22の表面に付着することはない。また、分割溝210の幅WをW≦Tに設定すれば、接着フィルム6におけるデバイス22の外周縁からはみ出た部分が該外周縁に沿って直角に折り曲がっても接着フィルム6がデバイス22の表面に付着することはない。
上述したように接着フィルム破断工程を実施したならば、図10(a)に示すようにピックアップ装置8を作動しピックアップコレット81によって所定位置に位置付けられたデバイス22をピックアップすることにより、図10(b)に示すように裏面に接着フィルム6が装着されたデバイス22が得られる(ピックアップ工程)。
2:半導体ウエーハ
21:ストリート
22:デバイス
3:切削装置
31:切削装置のチャックテーブル
32:切削手段
321:切削ブレード
4:保護部材
5:研削装置
51:研削装置のチャックテーブル
52:研削砥石
53:研削手段
6:接着フィルム
7:テープ拡張装置
71:フレーム保持手段
72:テープ拡張手段
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ
21:ストリート
22:デバイス
3:切削装置
31:切削装置のチャックテーブル
32:切削手段
321:切削ブレード
4:保護部材
5:研削装置
51:研削装置のチャックテーブル
52:研削砥石
53:研削手段
6:接着フィルム
7:テープ拡張装置
71:フレーム保持手段
72:テープ拡張手段
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ
Claims (2)
- 表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する半導体デバイスの製造方法であって、
ウエーハの表面側から切削ブレードによりストリートに沿って切削し、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝が形成されたウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
該保護テープが貼着されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に接着フィルムを装着するとともに該接着フィルムが装着されたウエーハを環状のフレームに装着されたダイシングテープによって支持せしめる接着フィルム装着工程と、
該ダイシングテープを拡張して該接着フィルムに引張力を付与し、該接着フィルムを該分割溝に沿って破断する接着フィルム破断工程と、を含み、
該分割溝形成工程は、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、該分割溝の幅WがW≦1/2・π・Tに設定されている、
ことを特徴とするデバイスの製造方法。 - 該分割溝形成工程は、デバイスの仕上がり厚さをTとした場合、該分割溝の幅WがW≦Tに設定されている、請求項1記載のデバイスの製造方法。
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